【18きっぷで蓼科山日帰りの暴挙】 山バス情報171
(山頂直下の岩場で…左:南アルプス、右:中央アルプスを望む)
【山行日】 2018年08月18日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 05:13 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 05:14 - 05:50 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 05:53 - 06:41 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府 06:46 - 07:46 茅野 (JR中央線各駅停車)
「バス」
茅野駅 08:10 - 09:45 蓼科山登山口 (アルピコ交通 1350円)
「歩行」
蓼科山登山口バス停 09:55 - 10:57 2113.3三角点付近
三角点付近 11:07 - 12:35 蓼科山山頂
蓼科山 13:05 - 14:25 天祥寺原よりだいぶ手前の河原(涸れ)
河原(涸れ沢) 14:35 - 15:52 竜源橋バス停
竜源橋 15:58 - 17:03 親湯入口(しんゆいりぐち)バス停
「バス」
親湯入口 17:15 - 18:00 茅野駅 (アルピコ交通 920円)
「鉄道」
茅野 18:15 - 19:15 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府 19:45 - 20:33 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 20:50 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)
【地形図】 「蓼科山」
この日、本当は、この週末まで限定運行の美ヶ原高原バスで、美ヶ原に行ってみようかな…とも考えていたのですが、何せこのダイヤでは2時間ほどのお散歩しかできませんし、タクシーを片道使っても、帰りのバスが14時台ではちょっとねぇ…というわけで、少し涼しくなってくれたことだし、ここは思い切って蓼科山の日帰りに挑戦してみよう…ということにしました。
で、蓼科山へのバスの便ですが、上の登山口まで運んでくれるラウンドバスの朝一番に乗っても、登山口到着は電車を降りた二時間後(10時前)です(笑)。これは途中蓼科湖に寄ったり、ロープウエイ乗り場へ寄ったりして往復を繰り返したあとで、ビーナスラインを通って白樺湖へ向かう…というルートになっているためです。
その前の07:55発のバスで親湯入口から歩いて登るという手もありますが、コースタイムを見る限りは、その方が遅くなってしまいますし、脚力を考えると歩ききれるかどうか、ちょっと不安でしたので、回り道をするこのバスで、まだ乗ったことがないロープウエイ乗り場の見学(下見)もかねて、という感じで、1時間半以上もバスに揺られて、ようやくの登山口到着です。
バス停にはベンチと少しばかりの広場があり女神茶屋があります。八子ヶ峰への径だけでなく親湯入口へ続く径もこちらから出ているようで指導標がありました。「信玄公ゆかりの地 棒道」の標識が建っています。
バス通りを渡ったところに登山口があり、そこから最初は笹の中を緩やかに上がっていきます。地形図「蓼科山」で見てもおわかりのように、この一見鉄砲登りの尾根径も1878のあたりと、2156あたりに比較的平坦な箇所があって、私の持っているガイドブックでは、その平坦地を休憩地点にして登っていくのがコツとあります。
しかしながら、スタートが1700mからの登りでは、1878m地点は30分ほどで着いてしまい、その先は岩場ばかりの尾根径で高度が稼げるため、2113.3あたりまで絞られながら登ってしまいヘロヘロになってしまうのは、私だけではなく、このバスで来た皆さんも同じようでした。
途中で見かけたお花はヤマハハコが嬉しかったぐらいで、時々振り返っては見える南アルプスや中央アルプス、そして眼下に見える白樺湖などの景色を見ては呼吸を整えていました。
幸いこの日は湿気が少なくて本当に助かりました。先々週あたりまでの湿気と猛暑だと、この登りは苦役以外の何物でも無かったと思います。
2113.3付近は、先客さんがおくつろぎ中だったため、三角点探しは諦めて、その先の木陰で水分補給をかねた休憩を取ります。
休憩後は2156地点と思われる場所を通過して、一旦下ります。アキノキリンソウ、そして面白い形をしたキノコが見つかりましたが、これはなんというのでしょう。
この辺り一帯を「幸徳平」と呼ぶらしく標識も建っていましたが、平坦地を過ぎれば、もうそこからは容赦の無い岩場の急登です。先ほどの急登よりも一段と傾斜がきつく、先が見えない登りが続く、何ともやりきれないあの感覚。。。息が上がり、それを整えるべく立ち止まり、また登る。
途中左手に大きな崩壊地があって、そこで南アルプスや中央アルプスの山塊を写真に収めたり、その先も目に付く花やキノコを写真に収めたりは、上がらなくなった足を休ませるのが半分目的だったりします(笑)。
登っては休み登っては休みを繰り返していくと、周囲の樹が立ち枯れてきて、殺風景になってきたなと思うと間もなく、緑が消え、岩だけしかない風景に急転します。樹の一本も生えていないので、眺めだけはとても良いです。南アルプスと中央アルプスはよく見えますが、残念ながら北アルプスはこの時点では雲がかかっているのがほとんどで、北と確信する槍の穂先が見えていたのが幸いでした。
岩だらけになった途端、道(というかペンキのコースマーク)は右へカタツムリの殻のようにぐるりと巻く径になって、それは登りをラクにしていると言うよりは、どうやら山頂ヒュッテへと誘導しているようにも見えます(笑)が、それほど山頂から離れていくわけでもないので、逆らわずに歩いて、岩だらけのなかにある三角点にタッチ。
山頂は以前にテレビで見た様に、本当に広くて、たくさんの登山者がいたものの、休憩場所を探すのに苦慮することもなく、北アルプスの眺めが良い場所をゆっくり選んで昼食です。時刻は12時半過ぎ。13時過ぎるかも…と心配していたので、これでなんとか今日中に下山して帰宅できると目処も付きました。
運良く、北アルプスの雲はだいぶとれてくれて、槍穂高も白馬のあたりも綺麗に見えています。空は刷毛で刷いたような雲で秋の空。今日ばかりは大気の状態も安定していて、もう少しここにいたい気持ちもありますが、やはり18きっぷ2回目で百名山日帰りは鬼門なので(笑)、腰を上げることにします。時刻は13時を回ったところで、エアリアのコースタイムを見ると、うまくいけば15:43の竜源橋のバスに間に合うかも(?)知れません。
ところが、下り始めた天祥寺原経由の登山道…、まず最初の蓼科山荘がある将軍平までの下りが大変でした。岩ゴロの道で且つものすごい急傾斜。ちょうど小屋泊まり予定と思われる登山者が続々と上がってくる時間帯だったため、登り優先で道を譲っていた関係もありますが、それにしても下りにくい道で、コースタイムの20分ではとても下れない道と思います。私は35分ほどかかってしまいました。山荘はほぼ素通りで、天祥寺原を指す指導標の道へ入ると、そこからは今までの喧噪が嘘のように静かな道となります。
しかし、この道、先ほどよりもある意味下りにくいというか歩きにくい道でした。岩がゴロゴロの涸れた沢のようなところを歩かされるのですが、段差があったり、浮き石だらけで、ここを下るのは「もう二度と御免」との思いを抱かずにはいられませんでした。転倒も心配ですが足首を捻ってしまわないかとそれがとても心配な道です。ところどころあまりに歩きにくいためか、登山道の右側樹林帯にかなり明瞭な踏み跡が付いていたほどです。
やがて、左から沢が合わさるとかなり広い河原になりますが、水は一滴もなく、今までよりももっと巨大な岩がゴロゴロしていて、緑色の細いロープが要所にあるだけでペンキマークもなく、登ってくる人と交わす言葉も「随分ひどい道だね」でした。
この涸れた大河原から左手の樹林帯に入ったところで、いい加減足が疲れたので、水分を補給しつつ休憩します。時間的に見て、15時のバスは無理な感じもして、ここからは怪我に注意してゆっくり下ろうと思ったら、その先は傾斜も緩み、ぬかるみはあるものの、先ほどまでのような浮き石に悩まされることもなく天祥寺原の分岐点へ。
分岐点では靴紐を結び直してひと息入れただけで、滝ノ湯川沿いの径へ。滝ノ湯川の右岸につけられた高巻き径のような感じで、笹と針葉樹林ばかりですが、明瞭で傾斜もほとんど平坦に近いぐらいで歩いていて気分が好い径でした。先ほどまでと比べると天地の差です。
平坦な径が高度をがくんと下げ始めるや、ビーナスラインを走る車の音も聞こえてきて、あれ、これって、もしかして間に合うか、という気にさせられましたが、明日は日曜だし、遅くなってもゆっくり怪我をせずに帰ればいい、と最後まで気を抜かずに慎重に降ります。
竜源橋のバス停に着いたのは15:52頃。しかしバス停には登山客と思われる男性が二人いたので、「15:43発のバスが遅れているのですか?」と尋ねると、ほぼぴったりの時刻に降りてきたのだけれど、バスは見ていない、とのこと。遅れているだけなのか、と少し待ってみましたが、車の流れから見て、どうやら行ってしまったあとのように判断して、親湯入口(しんゆいりぐち)バス停まで歩くことにしました。
時刻は16時前。急げば17:15のバスに間に合うでしょうし、もし間に合わなくても、竜源橋16:53発のラウンドバスが17:24に親湯入口を通過するので、まずそれには間に合うでしょう。
しかし、親湯入口への径は少し入口がわかりにくいですね。入口と思われる林道のようなところには立入禁止の表示があって、少し躊躇してしまいます。しかし他にそれらしき径も見つかりませんし、この立入禁止の表示は車が入ってこないようにするためだけのものと判断して、ずんずんと歩いて行きます。
径は車も通れるほどの傾斜と幅で実際車輪の跡もあります。しばらく歩けばいきなり道しるべが現れて、蓼科山登山口バス停からの径と交差します。あとは蓼科湖と表示された方へずんずん進んでいけば親湯です。途中フシグロセンノウが一輪だけ写真に撮ってちょうだいとばかりに、ぬかるみの脇に咲いていました。
親湯に降りる直前に伊藤左千夫歌碑の案内が見つかりましたが、17:15のバスに間に合わせたかったので、寄らずに親湯へ。親湯で一浴びしてから帰りたいものの、それをやる時間がないのがちょっと残念でした。
親湯から入口バス停まではエアリアに15分とありますが、10分もかからずに到着。山でおやつにと用意しておいた、バウムクーヘンをむしゃむしゃやりながらバスを待ちます。
バスは時刻ぴったりにやって来て、運転手さんは女性。先入観があっただけなのかも知れませんが、とてもやさしく丁寧な運転という印象が残りました。このバスに乗れれば、18:15発の連絡の良い上り電車に乗れるのですが、18きっぷの場合、特急は使えませんから、次のバスだと東京へ帰る場合、茅野駅での待ち時間が非常に長くなってしまうのです。
なお、親湯入口からは新宿行きの高速バスに乗ることも出来ます。
ただし、16:30の一本だけ。トイレもなく、どういうわけか諏訪でバスの乗り換えがあるそうです。新宿到着予定時刻は20:10とのことですので、鈍行乗り継ぎよりは早く帰ることが出来そうです。
ちなみに、次のラウンドバスで茅野駅18:25着の場合、18きっぷですと、茅野駅発は19:20の大月行きですので、乗換は一回だけ(大月からは快速東京行きが5分連絡)で済みます。茅野の駅でごはんでも食べながら時間を潰して、ゆっくり帰るのもひとつの案です。
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