2018.08.19

【18きっぷで蓼科山日帰りの暴挙】 山バス情報171

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(山頂直下の岩場で…左:南アルプス、右:中央アルプスを望む)

【山行日】 2018年08月18日(土)

【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 05:13 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 05:14 - 05:50 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 05:53 - 06:41 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府 06:46 - 07:46 茅野 (JR中央線各駅停車)

「バス」
茅野駅 08:10 - 09:45 蓼科山登山口 (アルピコ交通 1350円)

「歩行」
蓼科山登山口バス停 09:55 - 10:57 2113.3三角点付近
三角点付近     11:07 - 12:35 蓼科山山頂
蓼科山       13:05 - 14:25 天祥寺原よりだいぶ手前の河原(涸れ)
河原(涸れ沢)    14:35 - 15:52 竜源橋バス停
竜源橋       15:58 - 17:03 親湯入口(しんゆいりぐち)バス停

「バス」
親湯入口 17:15 - 18:00 茅野駅 (アルピコ交通 920円)

「鉄道」
茅野 18:15 - 19:15 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府 19:45 - 20:33 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 20:50 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「蓼科山」

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(蓼科山山頂より 穂高・槍~白馬岳、北アルプスを一望)

 この日、本当は、この週末まで限定運行の美ヶ原高原バスで、美ヶ原に行ってみようかな…とも考えていたのですが、何せこのダイヤでは2時間ほどのお散歩しかできませんし、タクシーを片道使っても、帰りのバスが14時台ではちょっとねぇ…というわけで、少し涼しくなってくれたことだし、ここは思い切って蓼科山の日帰りに挑戦してみよう…ということにしました。

 で、蓼科山へのバスの便ですが、上の登山口まで運んでくれるラウンドバスの朝一番に乗っても、登山口到着は電車を降りた二時間後(10時前)です(笑)。これは途中蓼科湖に寄ったり、ロープウエイ乗り場へ寄ったりして往復を繰り返したあとで、ビーナスラインを通って白樺湖へ向かう…というルートになっているためです。

 その前の07:55発のバスで親湯入口から歩いて登るという手もありますが、コースタイムを見る限りは、その方が遅くなってしまいますし、脚力を考えると歩ききれるかどうか、ちょっと不安でしたので、回り道をするこのバスで、まだ乗ったことがないロープウエイ乗り場の見学(下見)もかねて、という感じで、1時間半以上もバスに揺られて、ようやくの登山口到着です。

 バス停にはベンチと少しばかりの広場があり女神茶屋があります。八子ヶ峰への径だけでなく親湯入口へ続く径もこちらから出ているようで指導標がありました。「信玄公ゆかりの地 棒道」の標識が建っています。

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 バス通りを渡ったところに登山口があり、そこから最初は笹の中を緩やかに上がっていきます。地形図「蓼科山」で見てもおわかりのように、この一見鉄砲登りの尾根径も1878のあたりと、2156あたりに比較的平坦な箇所があって、私の持っているガイドブックでは、その平坦地を休憩地点にして登っていくのがコツとあります。

 しかしながら、スタートが1700mからの登りでは、1878m地点は30分ほどで着いてしまい、その先は岩場ばかりの尾根径で高度が稼げるため、2113.3あたりまで絞られながら登ってしまいヘロヘロになってしまうのは、私だけではなく、このバスで来た皆さんも同じようでした。

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 途中で見かけたお花はヤマハハコが嬉しかったぐらいで、時々振り返っては見える南アルプスや中央アルプス、そして眼下に見える白樺湖などの景色を見ては呼吸を整えていました。
 幸いこの日は湿気が少なくて本当に助かりました。先々週あたりまでの湿気と猛暑だと、この登りは苦役以外の何物でも無かったと思います。

 2113.3付近は、先客さんがおくつろぎ中だったため、三角点探しは諦めて、その先の木陰で水分補給をかねた休憩を取ります。
 休憩後は2156地点と思われる場所を通過して、一旦下ります。アキノキリンソウ、そして面白い形をしたキノコが見つかりましたが、これはなんというのでしょう。

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(あとになって、どうやら「ウスタケ」らしいと判明しました)

 この辺り一帯を「幸徳平」と呼ぶらしく標識も建っていましたが、平坦地を過ぎれば、もうそこからは容赦の無い岩場の急登です。先ほどの急登よりも一段と傾斜がきつく、先が見えない登りが続く、何ともやりきれないあの感覚。。。息が上がり、それを整えるべく立ち止まり、また登る。

 途中左手に大きな崩壊地があって、そこで南アルプスや中央アルプスの山塊を写真に収めたり、その先も目に付く花やキノコを写真に収めたりは、上がらなくなった足を休ませるのが半分目的だったりします(笑)。

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 登っては休み登っては休みを繰り返していくと、周囲の樹が立ち枯れてきて、殺風景になってきたなと思うと間もなく、緑が消え、岩だけしかない風景に急転します。樹の一本も生えていないので、眺めだけはとても良いです。南アルプスと中央アルプスはよく見えますが、残念ながら北アルプスはこの時点では雲がかかっているのがほとんどで、北と確信する槍の穂先が見えていたのが幸いでした。

 岩だらけになった途端、道(というかペンキのコースマーク)は右へカタツムリの殻のようにぐるりと巻く径になって、それは登りをラクにしていると言うよりは、どうやら山頂ヒュッテへと誘導しているようにも見えます(笑)が、それほど山頂から離れていくわけでもないので、逆らわずに歩いて、岩だらけのなかにある三角点にタッチ。

 山頂は以前にテレビで見た様に、本当に広くて、たくさんの登山者がいたものの、休憩場所を探すのに苦慮することもなく、北アルプスの眺めが良い場所をゆっくり選んで昼食です。時刻は12時半過ぎ。13時過ぎるかも…と心配していたので、これでなんとか今日中に下山して帰宅できると目処も付きました。

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 運良く、北アルプスの雲はだいぶとれてくれて、槍穂高も白馬のあたりも綺麗に見えています。空は刷毛で刷いたような雲で秋の空。今日ばかりは大気の状態も安定していて、もう少しここにいたい気持ちもありますが、やはり18きっぷ2回目で百名山日帰りは鬼門なので(笑)、腰を上げることにします。時刻は13時を回ったところで、エアリアのコースタイムを見ると、うまくいけば15:43の竜源橋のバスに間に合うかも(?)知れません。

 ところが、下り始めた天祥寺原経由の登山道…、まず最初の蓼科山荘がある将軍平までの下りが大変でした。岩ゴロの道で且つものすごい急傾斜。ちょうど小屋泊まり予定と思われる登山者が続々と上がってくる時間帯だったため、登り優先で道を譲っていた関係もありますが、それにしても下りにくい道で、コースタイムの20分ではとても下れない道と思います。私は35分ほどかかってしまいました。山荘はほぼ素通りで、天祥寺原を指す指導標の道へ入ると、そこからは今までの喧噪が嘘のように静かな道となります。

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(しかし岩に足を取られる道がずっと続く)

 しかし、この道、先ほどよりもある意味下りにくいというか歩きにくい道でした。岩がゴロゴロの涸れた沢のようなところを歩かされるのですが、段差があったり、浮き石だらけで、ここを下るのは「もう二度と御免」との思いを抱かずにはいられませんでした。転倒も心配ですが足首を捻ってしまわないかとそれがとても心配な道です。ところどころあまりに歩きにくいためか、登山道の右側樹林帯にかなり明瞭な踏み跡が付いていたほどです。

 やがて、左から沢が合わさるとかなり広い河原になりますが、水は一滴もなく、今までよりももっと巨大な岩がゴロゴロしていて、緑色の細いロープが要所にあるだけでペンキマークもなく、登ってくる人と交わす言葉も「随分ひどい道だね」でした。

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(エアリアに河原歩き注意とあるのはここのことか?)

 この涸れた大河原から左手の樹林帯に入ったところで、いい加減足が疲れたので、水分を補給しつつ休憩します。時間的に見て、15時のバスは無理な感じもして、ここからは怪我に注意してゆっくり下ろうと思ったら、その先は傾斜も緩み、ぬかるみはあるものの、先ほどまでのような浮き石に悩まされることもなく天祥寺原の分岐点へ。

 分岐点では靴紐を結び直してひと息入れただけで、滝ノ湯川沿いの径へ。滝ノ湯川の右岸につけられた高巻き径のような感じで、笹と針葉樹林ばかりですが、明瞭で傾斜もほとんど平坦に近いぐらいで歩いていて気分が好い径でした。先ほどまでと比べると天地の差です。

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(天祥寺原から先はとても歩きやすい径)

 平坦な径が高度をがくんと下げ始めるや、ビーナスラインを走る車の音も聞こえてきて、あれ、これって、もしかして間に合うか、という気にさせられましたが、明日は日曜だし、遅くなってもゆっくり怪我をせずに帰ればいい、と最後まで気を抜かずに慎重に降ります。

 竜源橋のバス停に着いたのは15:52頃。しかしバス停には登山客と思われる男性が二人いたので、「15:43発のバスが遅れているのですか?」と尋ねると、ほぼぴったりの時刻に降りてきたのだけれど、バスは見ていない、とのこと。遅れているだけなのか、と少し待ってみましたが、車の流れから見て、どうやら行ってしまったあとのように判断して、親湯入口(しんゆいりぐち)バス停まで歩くことにしました。
 
 時刻は16時前。急げば17:15のバスに間に合うでしょうし、もし間に合わなくても、竜源橋16:53発のラウンドバスが17:24に親湯入口を通過するので、まずそれには間に合うでしょう。

 しかし、親湯入口への径は少し入口がわかりにくいですね。入口と思われる林道のようなところには立入禁止の表示があって、少し躊躇してしまいます。しかし他にそれらしき径も見つかりませんし、この立入禁止の表示は車が入ってこないようにするためだけのものと判断して、ずんずんと歩いて行きます。

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(こんな表示があるが…構わず入っていきます)

 径は車も通れるほどの傾斜と幅で実際車輪の跡もあります。しばらく歩けばいきなり道しるべが現れて、蓼科山登山口バス停からの径と交差します。あとは蓼科湖と表示された方へずんずん進んでいけば親湯です。途中フシグロセンノウが一輪だけ写真に撮ってちょうだいとばかりに、ぬかるみの脇に咲いていました。

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 親湯に降りる直前に伊藤左千夫歌碑の案内が見つかりましたが、17:15のバスに間に合わせたかったので、寄らずに親湯へ。親湯で一浴びしてから帰りたいものの、それをやる時間がないのがちょっと残念でした。

 親湯から入口バス停まではエアリアに15分とありますが、10分もかからずに到着。山でおやつにと用意しておいた、バウムクーヘンをむしゃむしゃやりながらバスを待ちます。

 バスは時刻ぴったりにやって来て、運転手さんは女性。先入観があっただけなのかも知れませんが、とてもやさしく丁寧な運転という印象が残りました。このバスに乗れれば、18:15発の連絡の良い上り電車に乗れるのですが、18きっぷの場合、特急は使えませんから、次のバスだと東京へ帰る場合、茅野駅での待ち時間が非常に長くなってしまうのです。

 なお、親湯入口からは新宿行きの高速バスに乗ることも出来ます。

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 ただし、16:30の一本だけ。トイレもなく、どういうわけか諏訪でバスの乗り換えがあるそうです。新宿到着予定時刻は20:10とのことですので、鈍行乗り継ぎよりは早く帰ることが出来そうです。

 ちなみに、次のラウンドバスで茅野駅18:25着の場合、18きっぷですと、茅野駅発は19:20の大月行きですので、乗換は一回だけ(大月からは快速東京行きが5分連絡)で済みます。茅野の駅でごはんでも食べながら時間を潰して、ゆっくり帰るのもひとつの案です。
 

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2017.09.14

【入笠山…駅から徒歩で登る阿呆・駅まで徒歩で下る莫迦】 山バス情報161

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(入笠山山頂…青空のもと展望も佳い頂だった)

【山行日】 2017年09月03日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 05:13 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  05:14 - 05:50 大月 (中央線各駅停車)
大月  05:53 - 06:41 甲府 (中央線各駅停車)
甲府  06:46 - 07:39 青柳 (中央線各駅停車)

「歩行」
青柳駅   07:50 - 09:15 展望地点(茶屋跡)
展望地点  09:25 - 10:20 某山荘
某山荘   10:30 - 11:25 入笠山山頂
入笠山   11:55 - 12:50 大阿原湿原パーキング
大阿原湿原 13:00 - 14:20 沢入登山口
沢入登山口 14:30 - 15:35 青木の森入口(池の十)
池の十   15:40 - 16:30 富士見駅

「鉄道」
富士見  16:55 - 17:04 小淵沢 (中央線各駅停車)
小淵沢  17:12 - 17:57 甲府  (中央線各駅停車)
甲府   18:08 - 19:40 高尾  (中央線各駅停車)
高尾   19:48 - 中央線某駅   (中央特快東京行き)

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(大阿原湿原…木道は歩きやすいが、シカ対策をしていないので花がほとんど無い)


 遅れに遅れて10日以上前の9月3日:日曜日の山行レポです。

 18きっぷ3回目。本当はこの日、別の山へ行く予定でした。前の晩21時前に眠くなってくれたので、すかさず床についたところ、スンナリ眠れて、それは良かったのですが、山で熊に遭う夢を見てしまって、おののきながら目を覚ましたのが3時半(笑)。クマのあの毛並みや艶が妙にリアル。その予定していた山の登りがバリハイだったこともあり、あまり良い予感はしません(笑)。

 それにその山は、こんなに早く起きて行く山ではなくて、これは予定を変更しなさいということかな、と、行き先を変更しました。朝の早い時間のプランはいくつかあったのですが、前二回の山行きは歩行時間が短くて、いい加減しっかり山を歩いておかないと…ということで、いくつかあるプランの中から選んだのが、入笠山へ青柳駅から歩いて登るというもの。

 で、朝慌てて見たネットの入笠山のバスのサイト。ふうん…帰りの便は15:00か…。帰りはバスにしようかな、ま、時間と足の調子次第か…と。

 とりあえず、前回の痛い失敗がありますし(笑)、ここは朝一番の高尾5:14発の中央線に乗り込みます。大月・甲府と乗り継いで、茅野駅のひとつ手前、青柳駅で下車。降車客は私一人だけ。じゅうぶんに柔軟体操をしてから歩き始めます。

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 私の持っている古いガイドブックには、青柳駅から直接登るルートが紹介されているのですが、まぁ、今時こんなことをする人はほとんどいないらしく、道しるべというものが全くありません。地形図も持っていないので、エアリア『甲斐駒・北岳』の裏面に載っている地図と、古いガイドブックが頼りです。

 20号線を渡って、少し戻るように集落の道を上がっていくと、ビーナちゃんバス停留所という地元のお年寄り向けと思われるバス停があって、その大沢という停留所のところで、ちょっと迷いました。左手に上がって行く道が今までのいろいろな経験から言って登山口に行くようにも思えたのですが、丁度地元の人たちが朝の集会から戻ってきたところだったので聞いてみると、そのまままっすぐ行く道の方がわかりやすいから…ということで、左手には上がらずに直進。

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 言われた通り歩いて行くと、大沢川を渡る橋の先で「←入笠湖 入笠山登山コース→」という大きな表示に出くわしたので、登山コースの方へと向かいます。道はずっと軽トラなら通れるぐらいの幅広の道で、未舗装とは言え、登山道という感じは全くなくて、ガイドブックで読んでいた「静かな雑木林」とは違いカラマツの植林が目立ち、ああ、これはあのガイドブックの道ではないのだなと思いつつも、進んでいきます。

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(軽トラなら通れるほどの幅と傾斜、カラマツ林)

 やっと高度を本格的に上げ始めたあたりで、左手から明らかに登山道と判る道が交差してきて、道標は車道の方を歩くように示しています。。。結局その先で登山道に入るように道標が示し始めたので、今までとはまるで違う急傾斜の登山道を上がっていくと、今度はどんどんヤブがひどくなってきます。下道ははっきりしてはいるものの、明らかに道普請はされておらず、腕にひっかき傷を作るほどのヤブ道でした。

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(ヤブ径…昔の登山道は整備されておらず、歩いて登る人のことは、ほとんど想定されていない)

 長く感じたヤブ道も、実際はほんの10分~15分ほど。薮を抜けて10分ほどですずらんの里駅からの道(これも軽トラが通れるぐらいの未舗装の車道)に合流して、茶屋跡のある展望地点に到達します。茶屋はもちろん閉まっていますが、丸太のベンチもあるので、水分補給をかねた休憩を取ります。この日は朝から肌寒いぐらいだったので、びっしょりとかいた汗がかなり冷たく感じました。

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 休憩後、再び未舗装の車道を歩いて行くと、5分ほどで右手に細いけれどもしっかりした踏み跡が伸びているのに気づきました。エアリアを見ると「旧道歩かれていない」とありますが、車道を歩くのも気が進まず、クッキリとした踏み跡がずっと伸びているのを信じて、そちらへ踏み込みました。

 踏み跡は、先ほどの登山道のような藪は無くて、歩き易い道です。25分ほどで車道と再び併さります。車道と合流してから10分もしないうちに、再建中の「お花茶屋」に到達しましたので、コースタイムより10分ほど早く到達できたようです。お花茶屋の先は別荘地のようになっているらしく、「○○様」といった立て札や「貸地 大沢山委員会」と言った立て札が目に付きます。途中に「××山荘」という場所があって、誰もおらず、休憩後1時間ほど経過していたこともあって、ベンチで休憩させてもらいました。

 そのときは気づかなかったのですが、その「某山荘」も実は個人オーナー様がいらっしゃるようで、無断で休憩するべきではないようです。たいへん申し訳ないのですが、休憩場所に選んでしまった山荘の名前は伏せることにします。
    
 休憩後なおも幅の広い未舗装道路を進んでいくと、入笠山荘跡地に至るあたりで人の話し声が聞こえてきました。入笠湿原が近づいてきたようで、案内板も見つかりました。山彦荘のあたりにさしかかるともうそこは観光地と言っていいぐらいの人人人。今までの道程がウソのようです。入笠湿原はあとで見て回ることにして、とりあえず「入笠山山頂→山頂まで40分」の遊歩道へ入ります。

 その遊歩道には「カゴメの森」なる看板がありファミリーハイクの子供連れも多くたいへん賑やか。マナスル山荘への道を右に分けて監視員もいる入笠山への入口の鉄の扉をスライド。そうです。シカの食害を避けるためにネットで囲い、鉄の扉を開けて入るのです。

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 もう夏の花も終わりで、ヤナギランなどは下にふさふさの綿を纏っています。マツムシソウはまだだいぶ残っていましたが、咲き残りとの印象はぬぐえない感じ。アキノキリンソウ、コバギボウシ、ヤマハハコ、ツリガネニンジン、シモツケソウなど見ながらゆっくり登ったあと、最後の急登をこなせば、入笠山の山頂です。時刻は11時半。8時前から登り始めたので、駅からだいたい3時間半ちょっとというところでしょうか。たぶん、この日ゴンドラを使わずに3時間以上かけて登ったのは私ぐらいのものでしょう(笑)。

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(ヤマハハコ)

 山頂はとても眺めが良いです。雲を被ってはいるものの八ヶ岳も見えるし、南アルプスも見えます。そして、ついこのあいだ痛い目に遭った(笑)中央アルプスの眺めもココはかなり良いのですね。結構複雑な思いでしたが、折角なので中央アルプスの、たぶんあれが木曽駒という感じの方角を眺めながらお昼にしました。

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 例によって、凍らせたスポーツドリンクと抱き合わせて持ってきた「のんある気分」も口にして、腹ごしらえを済ませたら、仏平峠への道を下り、ずっと舗装された車道を歩いて大阿原湿原へ。途中「首切り清水」があったので、寄ってみましたが、やはりというか、「飲用不可」の表示。エアリアにも水マークがなかったのでそれほど驚きませんでしたが、ココで水の補給はできませんので注意が必要です。

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 で、大阿原湿原ですが、一周してはみましたが、結論から言うと「現時点では寄る価値無し」です、残念ながら。。。木道も歩きやすいですし、人も少なく静かなのですが、先ほどのようにネットでシカを排除していないため、お花がほとんど無いのです。だだっ広い湿原なだけなのです。かろうじてアケボノソウが見つかったほかは、キオンとトリカブトを見たぐらい。柵を設けて排除するかどうかでここまで違ってきてしまうものなのかというほどの大きな差異がありました。悲しいことですけれども、これが現実なのですね。

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(アケボノソウ)

 大阿原湿原からは、昔のエアリアには1506.6の三角点を通って行く下山路がありましたが、今のエアリアでは消えていますし、柵で囲ってあるとは言え、入笠湿原の方を見てから帰りたかったので、車道を戻って仏平峠へ、そして、もう入笠山には登らずにそのまま車道歩きで山彦荘へ。舗装された車道歩きは確かに退屈ではありますが、それほど交通量は多くなく、途中に八ヶ岳がどーんと蓼科山から赤岳まで見渡せる展望地点があります。また、マツヨイグサやツリフネソウなども車道脇に咲いていたりします。

 山彦荘のベンチで少し足休めをしたあと、入笠湿原へ鉄の扉を開けて入ります。サワギキョウは萎れかけという感じでしたが、エゾリンドウが元気に咲いていたのが印象的でした。あと、これ↓はウメバチソウで良いのでしょうか。丁度見頃のように感じました。

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 ゆっくり一周したところで、時刻は13:45。さて、そろそろ帰るとするか…。朝慌てて見たバスの時刻は15:00発。本当に走っているんだろうか…。しかし走っていなくても富士見駅まで歩いてしまえばいい。足は疲れたけれど、膝の方に来る心配は無さそうだし…という感じで、入笠湿原から沢入登山口へ!  そうなのです。愚かなことに私は、そのバスがゴンドラの山麓ではなくて沢入の登山口に迎えに来るものだとばかり思っていたのです(笑)。だって、一日二本だけなんですもの。ゴンドラのバスだったらもっと本数多いはずだって思ってしまったのです。いや、昔はバスといえばそっちだったのですよと、年寄り臭い言い訳をしますが、とにかく下ってしまったのでした。

 こちらの登山道は大変綺麗に整備されていて、歩きやすかったです。そして、当然のごとく静かです。登山口に降りるまでは強い陽差しに炙られることもないですし、お奨めの道です、但しバスさえ走っていてくれたらですが(笑)。

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(沢入への径は歩きやすい好い径)

 沢入の登山口に降り立ったのは14:20。一番暑い時間帯です。当然バス停はどこにも見当たらず、このときは、昔のバスのページがヒットしちゃったのかな…と。。。スポーツドリンクをごくごく飲んでひと休みしたあと、タクシー呼んじゃおうかとチラと思ったのですが、思い直して、バス無しで日帰りで登った山の標高記録(これまでは飯盛山1643m)を更新、1955m達成を目指して元気に富士見駅まで歩くことにしました(笑)。

 てくてくてくてく。車に何台か追い抜かされますし、タクシーが一台お客さんを迎えに行ったらしく、そのタクシーが戻って来てまた追い越されます(笑)。バスも通れるほどのアスファルトの道なので、陽差しが厳しいです。1時間ほどで「青木の森」と「池の十」という分岐表示のあるところに出ました。さすがに足が疲れたので座ってスポーツドリンクを飲み足します。アスファルトの道で取る休憩は何とも惨めな気分(笑)。

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(入笠会館…この近くのT字路で休憩)

 またてくてくてくてく。遠くでお年寄り相手のイベントが行われているらしく音楽やらマイクの声が聞こえてきたりします。里が近づいてきたのがよくわかりますが、まだ半分ほどの道程と地図でわかるので、いささかウンザリ。前回といい今回といい、馬鹿げたことをやっているな…と自嘲気味に歩いて行きます。富士見小学校のあたりでは道が微妙に登りになったりして、最後に近づいたところでまたボディーブローを喰らったような気分です(笑)。

 やっと20号線に出て、ああもうすぐだ…と思ってからが長かったです。。。道はほぼ最短を通ってきたし、道間違いもなかったものの、考えてみればもう朝の歩き始めから9時間近くになろうとしていて、これは本当にくだらない新記録樹立だと、あほらしさに苦笑いするしか無い状態。

 それでも、18きっぷ1回目の上諏訪から乗った列車時刻が頭に入っていたので、それにはうまいこと間に合いそうだということで、焦らずに富士見駅に到着(16:30)すると、上り電車が来るというアナウンスが流れびっくり!慌ててザックから18きっぷを取り出そうと焦り藻掻いていると、なんとその列車は通過列車の特急(笑)。紛らわしいアナウンスをするなよ、もぅ…と思いつつ、時刻を確かめると上りは25分後の16:55発。

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 駅前のバス停留所を確認しに行くと、件(くだん)のバスは、富士見パノラマから富士見駅までの無料送迎バスとわかり、苦笑いしながら、駅前のたばこ屋さんを覗くと、やっぱりあった!ビール発見♪ エビスのロングとプレモルのレギュラーと二本も買い込んで、列車が来る前にエビスのロングを飲み干し、もう一本のプレモルは車内でゆっくり頂いて、無事帰途についたのでした。


※ お花の名前、間違いに気づかれた方、お知らせいただけると嬉しいです♪

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2010.08.22

【二年ぶりのテント泊…赤岳と阿弥陀岳 その2】 山バス情報112

 
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(赤岳への登りで…権現岳 奥は南ア)

三時頃目が覚めます。すぐに起きて支度すればよかったのですが、「もう少し、もう少しだけ」とゴロゴロしているうちに、三時半過ぎになってしまいました。外は満天の星空。これはひょっとすると好展望が期待できそうです。

前日のうちにサブザックの中身は点検済み。あとは粉末アクエリアスを水で溶かしてザックに入れるだけです。夏場のいつもの作戦、フリーズドライの きのこごはん をお湯でなく水で炊きます。出来上がりまで時間がかかりますが、こんな真夜中に近い早朝では、お腹がなかなか空きませんし、食欲もわきません。炊きあがるまで一時間ほどかかりますが、それまではお茶漬けとかパン(なければチョコでもいい)とかを口に入れておけば私の場合問題ないのです。

まだ暗いですが、四時半頃出発します。これもいつもやることですが、前日のうちに翌朝歩くコースのすべり出しだけ少し歩いておくと、暗い中ヘッドランプ頼りに歩くのもスムーズにいきます。さすがに肌寒いですが、どうせ登っていくうちに暑くなるに決まっていますから、薄手の長袖シャツだけ羽織ってレインウエアはサブザックの中。

文三郎尾根は行者小屋から赤岳までの最短ルート、地図で見てもすぐそこに見えます。とはいえ、標高差は約600mありますから、2時間ほどと見積もっていました。

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(赤岳山頂より北アルプスを望む)


最初は暗いのと起き抜けなのとで、フラフラした感じでしたが、徐々に明るくなってくるに従って、ペースも上がっていきます。20分ほどでヘッドランプも不要になり、背後を振り返ると、行者小屋が下の方に小さく見えます。やがて階段となり、やはりサブザックだと楽ですね。これがテント装備だったら足がなかなか上がらないのですが、5キロもないだろう荷物は本当に軽く感じて、空気の薄さもそれほどこたえません。

階段がいったん途切れた小平地で、お腹も空いてきたので、休憩がてら、少し茸御飯をお腹に入れておきます。もぐもぐやりながら気づいたのですが、どうみても北アルプスの連峰としか思えない山塊がその真正面に見えるのです。方向からいっても間違いなく、何よりあのギザギザは穂高でその右のとんがりは槍です。北ア縦走断念を少々後悔。しかし、そんなことよりも、前回八ヶ岳訪問時に匹敵するほどの好展望に恵まれたことに感謝です。夏場なのにこんな素晴らしい展望。そうしょっちゅうあることではないので、こういう幸運に感謝の気持ちを忘れてはいけません。

小平地をあとに、階段をまた登っていきます。「←赤岳・阿弥陀岳→」の分岐でやっと稜線に出ます。昨日下から見たときから気になっていた阿弥陀岳が、あとで登っていらっしゃいね♪と語りかけるように、朝日を浴びて綺麗です。
阿弥陀に登る時間あるかなぁ…と考えながら、とりあえず赤岳を目指します。岩場の登りになります。三年前に登った権現岳が見えます。カッコイイ山だなと感じます(トップ写真)。奥には南アルプスも見えます。

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(阿弥陀岳…登っていらっしゃいな♪)

 

岩場の登り、こういう晴天の時は、前が渋滞していない限り、一気に高度が稼げるので嫌いではありません。前を歩く人も降りてくる人もいないので、グイグイという感じで登って行きます。振り返ると阿弥陀岳がこちらに微笑みかけて、「せっかくのいい天気じゃない、きっと登ってらっしゃいよ」とまた誘惑します(笑)。前回天気が好かったのに赤岳を省略して悔やまれたことも思い出し、行ってみようかという気になります。

頂上のすぐ下で、この日初めて降りてくる人とすれ違いました。挨拶だけで普通はサヨナラなのですが、あまりにいい天気なので、「よかったですね~、いい天気で」と付け加えてしまいました。お互いに好天に恵まれたことの喜びを口にして、それぞれの目的地に向かいます。

富士山もうっすらとですが、雲海の中に立ち上がっているのが見え、更に登っていけば赤岳の標識です。2900mに数十センチ足りない三角点にタッチ。六時前の到着は私にしては上出来です。

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(快晴の赤岳山頂)

山頂で素晴らしい眺めを楽しみながら、きのこ御飯をまた少し口に運びつつ、コースタイムを見積もり、阿弥陀岳に登っても何とか予定時刻に行者小屋のテントに戻れそうだとわかり、赤岳山頂での長居はやめて、来た道をとりあえず戻って、中岳を越えたところまで行ってみることにしました。時間が足りなかったり疲れていれば、阿弥陀岳に登らずにそのまま鞍部から行者小屋に降りることも出来ますから…。

岩場を慎重に降り、文三郎尾根の分岐まで戻って、中岳・阿弥陀岳方面へと更に高度を落としていくと、ああ、なんて素敵なことでしょう。コマクサがもうかなり萎れてきたとはいえ、まだ咲き残っているのです。遠くで阿弥陀岳が、「ね、だから、こっちへいらっしゃいって言ったでしょう」と笑いかけています。

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鞍部から中岳への登り返し、結構急ですが、それほどつらく感じません。やはり荷が軽いと心も軽くなるのでしょうか。中岳へ登り着くと、小さな子供たちが大勢いて「ヤッホー」と叫んでみてはこだまを聞いて喜んでい、ああ、夏山だなぁと思います。「ヤッホー」なんて聞いたのは随分と久しぶりのことでした。

中岳と阿弥陀岳の鞍部に降ります。羽虫が無数に飛び回っていてそれがうるさく感じますが、阿弥陀岳を見上げると「ここまで来たんだもの、もちろん登ってきてくださるわよねぇ」と最後の誘惑。もう勝てません。はいはい行きます、登ります。ピストンさせていただきます、という感じで。かなりな急坂を登っていきます。途中ハシゴなんかもあります。

息が上がるのに、なぜか元気で高揚感もあります。まだもう少し先にもうひと登りあるのかな、と思って上がった台地が阿弥陀岳の山頂でした。山頂には先客がお一人。一昨日麦草峠からずっと縦走されてきた方で、お話では昨日はずっとガスの中だったそうですから、私はどうやらこのお盆休みの一番好い日に来ることが出来たみたいです。阿弥陀岳の山頂ももちろん展望は申し分なく、北アルプス、南アルプス共にきれいに見えていました。富士山は霞んでいましたが、それでもすぐにそれとわかります。

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山頂でさらに残っているきのこ御飯を口に入れ、これから御小屋尾根を下るという縦走者と、それから阿弥陀岳嬢に、お別れの挨拶をして、来た道を戻ります。さすがにハシゴを下りるときはチョトだけ怖かったですが、降りてみればたいした傾斜でもなく、目の錯覚で怖く見えただけのことで、別段危険な箇所もありません。鞍部に降りてあとは行者小屋まで、ゆっくり慌てずに下っていきます。

朝来た道と合わさってまもなくで行者小屋。テントの撤収には相変わらず時間がかかって、一時間ほど要して9時半前に出発。予定では帰りは赤岳鉱泉回りで北沢からと考えていたのですが、南沢を戻れば、美濃戸口の八ヶ岳山荘でのんびりお湯につかって13時のバスに間に合いそうだとわかり、昨日と同じ道を美濃戸口まで戻ることにしました。

途中、落とした草履を拾ってもらったりと相変わらず他の登山者に思いっきり迷惑を掛けながら、南沢を戻って美濃戸口のバス停着は12時過ぎ。500円で汗を流させていただき、お腹も空いていたので、おでんと生ビールでバスを待ちました。

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13:20のバスは、直通バスということもあって、30分ほどで茅野駅に着きました。その1にも書きましたが、最初からこのバスを往復で使うことが判っている場合、茅野駅前のバスの案内所で往復割引乗車券を購入しておくとお得です。片道900円ですが、往復で買えば1500円と300円安くなります。

さて、茅野駅で次の下り各駅停車はと時刻表を見て愕然。次の各駅停車は高尾行きですが、15時半まで一時間半以上も待たなくてはならないのです。お盆だからあずさも満員だろうな、と思いつつ、指定券自動券売機をいじくってみると、30分ほど後の臨時のあずさ号に空席が見付かり、17時前に新宿に着ける、ということもわかって、ついふらふらと大枚をはたいて特急券と乗車券を購入してしまいました。残りの休みで18きっぷ一回分を使うか、もしくはオークションで売ってしまえばいいや、と特急列車に乗り込みました。

久々に乗った、あずさ特急。うーん、すばらしい、快適ですね~。あんまり快適すぎて、あずさ何号か控えるのを忘れてしまいましたよ。。。新宿まで二時間半しかかからないというのが驚愕。。。各駅停車で15時半の出発だと、おそらくは塩山にいる辺りで新宿に着いてしまう計算ですから…。甲府の次の停車駅が八王子というのもびっくり。途中で抜かされることもなくこちらが抜かすだけ。。。
いつも何の疑問もなくあずさを使っている皆さんの失笑を買うだけかも知れませんが、たまに特急列車を使用するとその速さに、そして車内の快適さに驚かされます。自分もいつか何のためらいもなくあずさに乗れるようになりたいものだ、とも思いますが、普段鈍行に乗ってばかりいるからこそ、そのありがたみも判るわけで、ここらへんは考え方次第です。

新宿駅では仕事帰りのラッシュにもあわず、臨時列車のお陰で帰省のラッシュにもあわず、今回の山旅も無事終了し、最寄り駅のラーメン屋でお気に入りのこってりラーメンを食べて家路につきました。





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2010.08.19

【二年ぶりのテント泊…赤岳と阿弥陀岳 その1】 山バス情報112

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(早朝の赤岳山頂より雲海:こんなものを見せてもらっちゃあ、山はやめられまへん)

【山行日】 2010年08月16日(月)
      2010年08月17日(火)


【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:53 - 06:32 立川 (中央線各駅停車)
立川  06:46 - 08:36 甲府 (中央線各駅停車)
甲府  08:53 - 10:05 茅野 (中央線各駅停車)

「バス」
茅野駅 10:20 - 11:12 美濃戸口 (諏訪バス)

「歩行」

☆一日目☆

美濃戸口  11:40 - 12:25 やまのこ村
やまのこ村 12:40 - 13:40 南沢右岸
南沢右岸  13:50 - 15:10 行者小屋(テント泊:1000円)

☆二日目☆

行者小屋  04:30 - 05:00 階段上の小平地
小平地   05:10 - 05:50 赤岳山頂
赤岳    06:05 - 07:15 阿弥陀岳山頂
阿弥陀岳  07:25 - 08:20 行者小屋
行者小屋  09:20 - 10:40 南沢右岸
南沢右岸  10:45 - 11:20 美濃戸山荘
美濃戸山荘 11:30 - 12:10 美濃戸口

☆お風呂☆
八ヶ岳山荘 12:10 - 13:10 八ヶ岳山荘 (500円)

「バス」
美濃戸口  13:20 - 13:55 茅野駅 (諏訪バス)

「鉄道」
茅野  14:28 - 16:58 新宿 (あずさ臨時 6070円)    


※バスは 茅野駅~美濃戸口は片道900円ですが、お得な往復乗車券(1500円)を使用しました。


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(赤岳山頂より阿弥陀岳:奥は北ア連峰)

赤岳は、やらなきゃ、と思っていながら、ずっとやっていなかった宿題でした。最初にそう思ったのは、4年前の秋、仙丈ヶ岳へ登って、山梨百名山の西端を踏んで、それ以前に攻略していた東端・南端と併せ、残るは北端となったとき。 そして次は、翌年2007年夏、編笠山から権現岳と歩き、キレットの稜線にビビッて登る予定だった赤岳を前に好天のもと下山したとき。

昨年は足の怪我でテントどころではなく、歩くのが精一杯の状態。記憶違いでなければ、テント泊というもの自体、どうやら2008年の夏以来、実に二年ぶりのことになるようです。

お盆休み、最初は北ア狙いで、実はお恥ずかしい話ですが、麓の街まで18きっぷで入っておきながら、どんどん悪くなっていく北陸&信越の天気予報が、最終的にすべて雨マークになり、北日本は土砂降りになるとの予想で(体調まで悪くなり)、トンボ返りしてきたのです。今までの私だとこのまま家で暗い顔してふさぎ込むところなのですが(笑)、北ア縦走計画の前に、テント泊で予定しておきながら寝坊して行っていなかった、赤岳へ行者小屋からアタックする計画を思い出したのです。

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(行者小屋  ここに泊まって赤岳へ…)

八ヶ岳方面の天気予報「晴れ一時雨か雷雨」というちょっと微妙な予報と天気図。。。「一時の強雨ぐらいなら受けて立とうじゃないの」という、どこから出てきたのか皆目見当がつかない強気な気持ちになって、お盆休み残り2日のぎりぎり日程で決行してみることにしました。

18きっぷはまだ残り2回あるので、10時のバスに間に合うよう、立川発06:46普通甲府行きに乗り、甲府でまた普通列車松本行きに乗り換えて茅野へ。列車だけで4時間半の長旅のあとさらに美濃戸口行きのバスに揺られて50分ほどで登山口です。

ガイドブックによれば、美濃戸口バス停の標高は1500m近くあるのだけれど、さすがに今年の猛暑は凄い。例年だとひんやりした空気なのに今日は「いくらか涼しい」程度。バス停前にある八ヶ岳山荘のベンチで軽くおにぎり昼食として、トイレ(100円)を借りてから出発します。登山道(というより未舗装車道)は道なりではなく、すぐに左折ですので注意。まっすぐ進めば御小屋尾根、突入すれば山中で日が暮れかねません(笑)。

未舗装車道を一時間弱歩くと、やまのこ村という山荘に着きます。冷たい湧き水があるので、ここで補給して、緊張のせいかどうもお腹の調子がよくないので、またもチップを払っておトイレを借りました。泊まりがけのお山は久しぶりだからなぁ…。

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(やまのこ村:ソフトクリームもあるし入浴も出来る)

休憩後、美濃戸山荘の先で南沢と北沢が分岐しています(南沢方面はここから土の登山道になります)が、ここらへん地図がないとどっちが赤岳鉱泉でどっちが行者小屋かわからないです。私は行者小屋なので南沢の方へ行きましたが、「←赤岳鉱泉・行者小屋→」のようなわかりやすい指導標はありません。というか、私が歩いた南沢に関して言えば、行者小屋に着くまで指導標は見当たりませんでした。かろうじて一箇所「登山道」というふざけた表示があるだけ。あとは「黄色のテープをたどりなさいね。迷う人いるみたいだけど」のような表示が時折現れます。
まぁ、踏み跡濃い方選んでいって黄色いテープが出てきたら正規の登山道からはずれていませんから、別に難しいわけではないのですけれど。。。

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コメツガ・シラビソ、いかにも八ヶ岳らしい苔むした登山道です。沢沿いの径なのであまり高度は稼げませんが、ゆっくり歩いても行者小屋には明るいうちに余裕で着けるので、ホタルブクロやトリカブトなど花の写真を撮りながらのんびり行きます。ときどき疲れたところで休んで、青空見上げて眼を細めて…、一泊のテントでもこれだけ重いのだから、縦走などやはり早すぎたのですね。徐々に身体を慣らしていかないとと反省。

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周囲が段々開けてきて、それでもなかなか小屋には着かず、最初は横岳(たぶん)しか見えず、次に赤岳が見えてきて、10分弱で行者小屋に到着。テントの申込みをして、テントを張り終えたところで、ビールを買いに行きます。水道水でちゃんと冷やしておいてくれていてありがたい。

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(明日はあそこへ…)

夕食を済ませ、もう一本ビールを飲んで、歯を磨いたら、少しずつ日が暮れてきて、テントで横になっているうち眠くなって、シュラフを出して寝てしまいました。もっともこの日の夕刻はシュラフが少々暑く感じるほど。ここは標高約2300mあるのにいったいどうなっているのでしょうか。

幸い雨にも降られず、気づいたら夜の九時過ぎでした。近くのテントのおしゃべりがボソボソボソボソと続いていて、耳について眠り直しにくいなぁ…と思っていたら、22時過ぎ頃だったでしょうか、誰か注意してくれた人がいて、やっと静かに。。。翌朝3時半までゆっくり眠ることが出来ました。



その2に続く

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2008.08.19

【飯盛山で高原気分♪】

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(飯盛山より平沢山 左は八ヶ岳の裾)


【山行日】 2008年8月18日(月)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:53 - 06:31 立川  (中央線各駅停車)
立川  06:46 - 08:38 甲府  (中央線各駅停車)
甲府  08:53 - 09:43 小淵沢 (中央線各駅停車)
小淵沢 09:50 - 10:16 清里  (小海線)

「歩行」
清里駅 10:25 - 12:05 飯盛山
飯盛山 12:50 - 13:30 平沢峠
平沢峠 13:35 - 14:20 野辺山駅

「鉄道」
野辺山 14:47 - 15:21 小淵沢 (小海線)
小淵沢 15:44 - 18:08 高尾  (中央線各駅停車)
高尾  18:12 - 19:08 新宿  (中央線快速電車)

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今年のお盆休みは月曜日にお休みをプラスして、北アルプスに行くつもりで用意していたのですが、日本列島に前線が横たわっているうえに大気の状態が不安定とあっては、カミナリ様が何より恐い私としては出発する勇気が出ず、直前になってバスの予約を取り消してしまいました。
まぁ、その後の天気の経過を見る限り行かなくて正解だったようなのですが、グズグズしていたらお休みもあと一日というところになってしまいました。

飯盛山(めしもりやま)は一度登ってみたいと思っていたのですが、やはり飯盛山ごときにといっては失礼ですが、あずさを使うのももったいないし、普通列車の往復だけでも6000円以上かかってしまうこの山は、やはり18きっぷシーズンに行っておこうということで月曜日に出掛けてきました。

清里駅で降りると陽差しは夏のぎらぎらだけれどやはり涼しい! そしてさすが観光地。お盆が明けたとはいえ、ご覧のような↓混雑ぶりです。

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そして、改札を出てトイレを済ませ歩き始めると、飯盛山とおぼしき山塊はなんと、こんな↓ありさまです。

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ああ、今日はガスの中を五里霧中の飯盛山かいな、と来る途中に車窓からみた光景である程度予想していたとはいえ、ここまで分厚い雲に覆われているとさすがに少々がっくりきます。まぁ、18きっぷで安く済むから好いか…と雷様に遭わないことだけを願い、気を取り直して出発。

私のエアリアは99年のもので古いせいか、清里YHの右を回り込むようになっていますが、実際は左手を回り込むように進みます。川までは車道を下っていきますが、川を越えてからは登りです。YHを過ぎてからは要所に道標がありますので迷うこともないでしょう。ロッヂ飯盛山の左手を進んでいくとやがて土の道になり、自然林百パーセントの緑のトンネルの中を行くようになります。花も多く、なかなか楽しい道のりです。

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そんな道がしばらく続くと、やがて道は沢を離れて尾根に乗ります。と頭上に青空が…平沢山の方はどうやら晴れてきてくれたようです。ひょっとして飯盛山の方もこれから晴れてくれるとか…、そんな期待を胸に尾根を登っていくと、飯盛山も含め周囲のガスが完全に晴れて、飯盛山の山頂にいる人が肉眼でわかります。あぁ、こりゃなんてツイているんだろうと嬉しくなり、花の写真など撮りつつもややピッチを上げて登ります。

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(平沢山の尾根の上に青空が…)


山頂に到着しても、飯盛山はガスの洗礼をうけずにすみそうな雰囲気でした。残念ながら肝心の八ヶ岳は分厚い雲がとれず、その姿は赤岳や硫黄岳が時折姿を見せるだけでしたが、ここ飯盛山上空は朝のあの雲からは想像も出来ないほどすっきり晴れ渡っています。時間もちょうどよいので、ここでお昼にしました。

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(たまにこのぐらい八ヶ岳が顔を出した…)


八ヶ岳や奥秩父の2000m峰はガスっていて、先日登った瑞牆山もなかなかスッキリとはその姿を見せてくれないのですが、茅ヶ岳、御座山、荒船山など近隣の山はよく見えていました。無雪期なので自信はないのですが、おそらく浅間山と思われる山塊も見えていました。これから向かう平沢山のなだらかな稜線を眺めつつ、おにぎりを頬ばりました。

林間学校でしょうか、小学生の団体が登ってきて賑やかになってきたところで重い腰を上げます。平沢山へは花の写真など撮りながらのんびり稜線漫歩を楽しみました。平沢山は三角点を撮って素通り、滑りやすい道になってきたのでゆっくり下ります。

あっという間に平沢峠に到着。山交のバスが止まっていたので、あれ新路線?と表に回ってみたのですが、先ほどの小学生の団体バスでした。しかしこんなところが太平洋と日本海の分水嶺になっているなんて、表示を見て知ったのですがちょっとビックリでした。

平沢峠からしばらく下ると、長い車道歩きの始まりです。でもさすがに標高1300m以上あると車道歩きも涼しくて全然苦になりません。オマケにこんな↓ものを見ることが出来て、ちょっとこれはうれしかった。

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駅前のスーパーでビールを買い、日本最高の駅をしっかり写真に収めて、14:47発の夏の臨時列車に揺られて、ああこんな乗車時間が歩行時間の二倍なんていうふざけた山歩きもたまにはいいもんだよなぁと、じゅうぶん満足して帰宅しました。


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2007.08.15

【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その3】  山バス情報67

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(編笠山への登りにて… 北アルプス全山遠望)

標高2400m近いところだと、さすがに朝の空気は冷たくて、長袖一枚でもちょっと寒いのだけれど、あんまり着込むと登っていくうちに汗だくになってしまうので、防寒具はサブザックの中。

ゴロゴロした岩づたいに登るとすぐに右手北西方向にギザギザの山脈がくっきりと見えています。え?まさか北アルプス?そうそのまさかです。全部見えています乗鞍から槍穂高もそして白馬の方も…あとで帰ってから気づいたのですが、妙高なども見えていたのでした。

これはすごいぞ、とピッチを上げて登ろうとするのですが、軽い装備なのに、足が思ったほど前に進まず、身体がふらふらしてます。足に力が入らない感じ…そして少しだけど頭痛も。久しぶりに高いところに来て、朝起きたばかりだから?
喉の痛みはないので、風邪の方は大丈夫みたいだけれど、こんな調子じゃやっぱり赤岳は無理そうだな、と10%ぐらいあった赤岳越えてもう一泊の気持ちはここで5%未満に縮小。

登り着いた編笠山からの展望はすごかった。風がびゅうびゅう吹いていたのでそれほど長居はしなかったのですが、雲海に浮かぶ富士はもちろん、すぐお隣の南アルプスもそしてその右奥に中央アルプス…そのまた右奥には御嶽山の特徴ある山姿…でその右には先ほど見えていた北アルプスが乗鞍から始まってずっとずっと白馬の先までくっきりと見えているのです。槍の穂先がしっかり視認できるほどの遠望で、ここまでは期待していなかったから、本当に大感激でした。

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テント場に戻ってテントを撤収、乙女の水をたっぷり飲んで・汲んで、権現岳へ向かいます。幸い、後ろを歩いてくる人がいなかったので、ゆっくりとマイペースで登っていけたのがありがたかった。
ノロシバあたりから森林限界となって展望も好く、ここで北アルプスの山座同定をしているパーティーに会いました。
目の前に聳えるギボシを権現岳と思い込んで気合いを入れて登っていったのですが、権現小屋の先にある方が権現岳とわかってギボシでがっくり(笑)。でももうここまで来れば権現岳はすぐです。

左手に赤岳の凛々しい姿も見えてきて、でも、その稜線は左手がスッパリ切れ落ちている感じに見えて、ああ、これはわたしゃ苦手だなぁ、行かなくて正解かも、などと思いながら歩いていくと権現岳。

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(登れなかった赤岳 これは権現岳から降りたあたりから…)

権現岳で小腹が空いてきたので、時間もたっぷりあるしと、お茶漬けで朝御飯の第2ラウンド。これから歩く三ツ頭とその先に見える富士山を眺めながらゆっくりブレックファーストです。

権現から三ツ頭あたりまでは森林限界上の径。その先前三ツ頭までも、展望のよい道が続き、雲が湧いてきたとはいえ、富士や南アを眺めながらの気分のよい下りでした。

前三ツ頭からはかなりの急降下。降りるのもテント装備だと結構きついのですが、登ってくる人たちはそれ以上に厳しそうな表情でした。1800mあたりから傾斜もゆるみ、そろそろお昼ということで、天ノ河原のずっと手前の広場のようなところで日陰を見つけてランチタイム。天ノ河原はベンチなどもあるのですが、この時期は予想通り観光客が占拠(笑)状態。ランチ場所の選択は大正解でした。

天女山から八ヶ岳横断道路の方へ行く小径の入口はわかりにくいかも知れません。「美し森」への径を左に分けてなおも進むと写真↓のような標識が非常にわかりにくい場所に建っていて、「八ヶ岳横断道路」と記された方に進みます。

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横断道路に出れば、あとは甲斐大泉駅までは車道歩き。今回は結局バスは使わずじまいだったのですが、面白い北杜市市営バスを発見。大泉あたりは合併で北杜市となったというのもちょっとヘンな感じなのですが、もうそろそろ駅だよな、というあたり(大開集落)から甲斐大泉駅経由で長坂駅まで行くバスです。私はタッチの差でこのバスに乗れませんでした。

タッチの差でバスを逃したので、いや~な予感がしていたのですが、案の定、小海線もタッチの差で14:08の小淵沢行きを逃してしまいました(笑)。時刻表を見ると次は1時間半後。「やれやれ」と思いながら高尾までの切符を一万円札で買えるか聞いたところ、まったく問題なく(気持ちよく)買えた上、臨時列車が15:07にあること、そしてなんと駅前に温泉施設があることまで親切に教えていただき、「パノラマの湯」で気持ちよく汗を流した後、ビールもたくさん飲んで(笑)帰途につきました。

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甲斐大泉駅前に温泉施設があるなんて全く知らなかったので、これはとてもうれしいアドバイスでした。甲斐大泉駅の駅員さん、どうもありがとうございました♪
m(__)m



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2007.08.14

【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その2】

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(西岳から権現岳と鞍部の青年小屋を望む)


不動清水で補給した水は3リットル。ずしりと身体にその重みが応えます。

少し落ち着いて考えたところ、西岳までのコースタイムの計算違いは1時間半弱。標高差を考えれば、こんな計算ミスをする方がどうかしているのですが、いずれにしても、日が暮れる前に青年小屋に着けることはまず確実なので、焦ってつまらない怪我をしたりしないように、それだけを十分自分に言い聞かせて登り始めます。

不動清水で冷やしたはずの身体ですが、やはりすぐに汗が噴き出てきます。ストックを二本出して、えっちらおっちら。プロトレックの表示が300m上がるごとに休憩をとりました。どうやら300m上がるのに45分ほどというテント装備にしてはなかなか好いペースで登れて、西岳にはコースタイム2時間40分に対して、花の写真も撮りながら休憩込みで2時間25分というなかなかの好成績(笑)でした。

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しかし、やっぱりテント装備でこんなにしゃかりきに登ると、きりのいい場所に着いたときに疲れがどっと押し寄せてきますね。西岳に着いた頃にはからだ中のエネルギーが天空へ抜けてしまったような感じでした。

西岳ではまだ編笠山がはっきり見えていたのですが、東の方(奥秩父方面)から入道雲が押し寄せてきて、なにやらゴロゴロとよろしくない音も聞こえてきて、ろくに展望も楽しめず、のんびりできないまま青年小屋に向かうことに…

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源治新道は、八ヶ岳らしい雰囲気の径で、ああ、八ヶ岳に来たんだなぁ、とこのとき初めて実感しました。想像していたよりアップダウンもないまま乙女の水の水場に到着。もうみんな夕餉の水汲みにやってきていました。テント張る場所あるかなぁ…と心配しながら着いたテント場は、もう10張り以上のテントが張ってありましたが、まだまだ十分にスペースがあり、整地された好い場所を確保。

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でも八ヶ岳のテント代ってやっぱり高いですね。800円! ビールは一本だけにしたのですが、ここでまた2枚、貴重な千円札が減ってしまって、残りは…
なんてこったい! 万札があるのにこんなに心細いってどういうこと?と半ば自嘲しながら、あともう一回テント張ってビール三本飲むと、千円札が消えちゃうナと確認…

ここらで、身体の疲れ具合と千円札の在庫状況の双方から、赤岳越えてもう一泊のプランは変更とほぼ心が決まってしまいました。考えてみれば、火曜からまた出勤だし、その前に洗濯やテント干し&シュラフ干し、それに買い物や掃除もしないといけないしと、とても山に来て考えるようなことではないことも考慮(笑)されてしまって、疲れた身体で、アルファ米が炊きあがるまでの時間、エアリアとにらめっこしながら、翌日の下山プランを考えました…。

夕食後、まもなく風が強くなってきたな、と思うと一気にガスってきたところで、トイレに行って就寝。横になっていると、あれれ、なんだか喉がいがらっぽいな…、もしかして風邪ひいた? これでもう一気に弱気になって、もう一泊するのはやめて翌日帰京することにほぼ決定。

夜は、みんないっせいに早めに寝てしまったのか、たいてい一組はいる「おしゃべりテント」もなくて、おかげさまで2時近くまで熟睡していたようです。「疲れてるのに全然眠れない、どうしよう」とずっと困っている夢を見てました(笑)。

夜は満天の星空。4時に起きたときもまだかなりの星が瞬いていました。風がけっこう吹いたのですが、簡単にパンと紅茶でミニ朝食。5時過ぎに、サブザックで編笠山に向かいました…。

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(早朝五時の青年小屋前より)

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その3に続く

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2007.08.13

【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その1】

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(三ツ頭付近より権現岳)

【山行日】 2007年8月11日(土)
      2007年8月12日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾   (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 08:32 信濃境  (中央線各駅停車)

「歩行」

☆一日目☆
信濃境駅 08:45 - 09:15 国見山登り口
登り口  09:20 - 10:25 鹿の池
鹿の池  10:30 - 11:25 不動清水
不動清水 11:45 - 14:10 西岳
西岳   14:20 - 15:20 青年小屋 (テント泊 800円)

☆二日目☆
青年小屋 05:10 - 05:30 編笠山
編笠山  05:40 - 06:00 青年小屋
青年小屋 06:55 - 08:15 権現岳
権現岳  09:00 - 09:40 三ツ頭
三ツ頭  09:50 - 12:00 1725m付近の広場
広場   12:45 - 13:10 天女山
天女山  13:15 - 14:12 甲斐大泉駅

「温泉」
甲斐大泉温泉
『パノラマの湯』 14:18 - 14:55 (700円)

「鉄道」
甲斐大泉 15:07 - 15:22 小淵沢 (小海線 臨時列車 ハイブリッド)
小淵沢  15:46 - 18:20 高尾  (中央線 各駅停車)
高尾   18:35 - 京王線某駅   (京王線)

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(早朝の編笠山より)

11日の土曜と13日の月曜が会社のお盆休みとなったので、テントで高山に行く機会ができました。天気は上々のようだし、東京にいたら死ぬほど暑い…お金がなくてもこれは高いところへ出掛けるしかありません。

プランでは当初、山梨百名山北端3山を一気に制覇する予定…すなわち、一日目に編笠山の往復をして青年小屋テント泊、二日目は権現岳から赤岳を越えて行者小屋か赤岳鉱泉でテントに泊まり、三日目に帰京するつもりでした。

ところが、いろいろありまして、結局、編笠山と権現岳、山梨百名山2山を一泊二日で巡るへたれ縦走に降格(笑)… それでもやはりこの時期の2500m稜線は爽快。展望・お天気ともに申し分なく、十分夏山気分を満喫できました♪



前回の18きっぷは指定券自動券売機で購入していたので、今回も朝、新宿駅で買えばいいやと、前日まで購入せずにいたのですが、これがそもそもの間違いの始まりでした。

朝、5時過ぎの自動券売機って1620円までのいわゆるフツーの自動券売機は動いていて、これでホリデーパスなんかも買えちゃうのですが、指定席も扱う自動券売機は動いていないんですね。。。もちろん、みどりの窓口も5時半まで開かないし、5時半まで待っていたら、鈍行で信濃境に着くのは予定よりかなり遅い時間になってしまいます。

仕方なく、手元の小銭で130円だけ買って予定の中央線に乗車。まぁ、帰りの電車を高尾乗り換え(京王線帰宅)にすれば、それほど運賃に差があるわけでもないし、5回分今から使い切るのは難しそう、ということでこの時点で18きっぷの購入はあきらめました。

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信濃境の駅に着いて精算に万札を出したら、「こまかいのないですかね~」と、ここで二つ目のパンチ。あぁ、地方のローカル駅ってこうなんだ…忘れてた。
んでも、山の中って万券嫌がられますからね~、とくにテントだとまず受け取ってもらえない(笑)。大事な千円札が3枚減ってしまい、これじゃ、帰りのバスに乗れないかも~(笑)とかなり弱気に。
130円の切符でも万札で買ってお釣りをもらうべきでした。自動販売機は「こまかいのないですかね~」なんて絶対言わないし。


えてして、こういうふうにスタートで躓くと、その後の経過はよろしくない、というのがお決まりのパターンなのですが、ご多分に漏れず私の場合も、道を間違えたわけでもないのに、ゴルフ場まで1時間30分というコースタイムのところ2時間もかかってしまったり、更にその先の西岳までのコースタイムを間違えて計算していたことに気づき、とても予定していた時間には青年小屋には着けないし、夕方までに着いたとしても、編笠山の往復は難しそうだということが不動清水で発覚(笑)。

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(スキー場付近より西岳と編笠山…この時点でもう11時前!)


まぁ、エアリアの車道歩きのコースタイムって、あんまり悪く言いたくないけど、実際に歩いて計測したとは到底思えないようなのが多いので、鵜呑みにした私も悪かったのでしょうが、それにしてもそのあとの登山道のコースタイムが妙に正確だったので、もう少し改善して欲しいなぁ…
いや、ゴルフ場まではタクシー使うべきですね、それほどお金に困っていなければ…歩いていてもあまり面白くない径ですし…信濃境の駅を降りてすぐのところにタクシー会社もあります。

不動清水までの道でずいぶん車道を歩かされたので、コースタイムの見積もり間違いは肉体的にも精神的にもかなり参ってしまいました。かなり動揺していたのか、不動清水では水を大量に確保するのに夢中で、不動清水の写真を撮り忘れてしまうほど。

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けれども、この不動清水、本当に冷たくって美味しい水です。身体を冷やすために頭からも少し浴びたのですが、、ちょっと寒気がしてしまうほど冷え上がりました。

あまりお腹は減っていなかったのですが、ここから始まる急登のためにも、心を落ち着けるためにも、ということで、軽く昼食を口にしました。

あと、不動清水で、もろきゅうをごちそうしてくださったご夫婦様。とても美味しかったです。あれでだいぶ落ち着けたのです。どうもありがとうございました!
m(__)m


その2に続く

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