2017.12.17

【18きっぷで再起動…王城山】 

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(唐笠松手前の林道より…王城山の二峰に見えるが、『ぐんま百名山』によれば支尾根)

【山行日】 2017年12月10日 (日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」

八高線某駅  - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎  (JR八高線)
高崎  07:26 - 08:49 長野原草津口 (JR吾妻線)

「歩行」
長野原草津口駅 08:55 - 10:00 登山口
登山口     10:05 - 11:05 王城山奥宮
王城山     12:20 - 13:30 道の駅
道の駅     14:00 - 14:20 川原湯温泉駅

「鉄道」
川原湯温泉   14:58 - 16:18 高崎  (JR吾妻線)
高崎      16:26 - 17:05 熊谷  (JR高崎線 快速アーバン上野行き)
熊谷      17:09 - 18:07 赤羽  (JR高崎線)
赤羽      18:11 - 18:25 新宿  (JR埼京線)
新宿      18:32 - 19:19 八王子 (JR中央線 快速高尾行き)
八王子     19:25 - 八高線某駅   (JR八高線)

【地形図】 「長野原」(必要部分のみダウンロード)

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(王城山山頂より浅間山を望む)

 風邪をひいたり、歯の治療で思わぬ出費に見舞われたりといろいろ理由はあったのですが、それにしても、山に行く気持ちが今ひとつ盛り上がりに欠けていました。歯の治療のせいで大好きな笹一も見送ったあたりからボルテージが一気に下降してしまって…。いけませんねぇ、またいじけの虫が居座ってしまったという感じ(笑)でした。

 何とか打破すべく、18きっぷを端緒に再び山に通おう、ということで、一ヶ月も間が空いてしまった為、軽くて遠いところにある山へ行くことにしました。

 王城山はいちおう「ぐんま百名山」ですがエアリアには何処にも載っておらず、地形図「長野原」とガイドブック『ぐんま百名山』『群馬の山歩き130選』(上毛新聞社)あたりが頼りなのですが、ご存知の通り、八ッ場(やんば)ダムの建設により、あのあたりはJR吾妻線の線路の位置や国道の位置が随分変わってしまっています。地形図「長野原」は、どこの書店に行っても見つからなかったので、ネットで今回必要な部分だけダウンロード&印刷して持参しました。

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(新しく敷設されたJR吾妻線の高架線の線路)

 念のため言っておきますが、線路の位置がかなり大きく変わってしまっている↑ので、大半のガイドブックの地図や説明を読んでも、登山口に着くまで迷うこと必至ですので、最新の地図と、できればグーグルマップの合成写真などで登山口までのアプローチを予習しておいた方が好いです。

 予定では、『ぐんま百名山』(2007年発行)欄外記載のように弁天橋の先で左手の旧線路をまたぐ林道に上がって行くつもりでしたが、なんとご覧のように歩行者も含め全面通行止めの表示。実際遠くから見ても、真新しい白い壁のようなものがあって、とても向こう側へは行けそうもありません。おとなしくそのまま旧国道を東進して行きます。

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(奥に見える旧線路の向こうは白い壁が屹立して通行不可)

 幸いというか、この旧国道の吾妻川を挟んだ向かい側(南側)に新しく立派なバイパス(=新しい国道)ができあがっているので、旧国道は全く交通がなく道の真ん中を歩いても大丈夫なのですが、これでどうやら今回の山行きが「もろに」ピストンというこになりそうで、ガックリしながら林の集落を目指します。

 王城山神社からの道もあるようなので、国道を東進しながらも左手にずっと注意を払っていましたが、旧線路のガード下も全面通行止めの表示。なんとかこの昔の線路の北側に行かないことには王城山には登れないわけで、ここを断念した場合のサブプランは用意してこなかったので少々焦りを覚えます。

 ただ、考えてみれば林の集落に住んでいる人がいる限りはどこかしら線路の向こうに行くルートは残されているはずと更に進めば、例の新しいバイパスが遥か数十メートル頭上を高架で横切っているのが見え、愕然とします(笑)。

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(頭上遥か上をバイパスが…)

 周囲はダム建設の途上で、埋蔵文化財発掘調査などの車両がありますが、日曜のためか全く人影は見当たりません。この辺りは近い将来ダムの底に埋没するはずで、住民は移転してしまっており、居合わせた村人に道を尋ねるという方法もほぼ絶望的です。

 しかし、ありました。多くのガイドブックで紹介されている林集落へ上がる道だけが、全面通行止めを免れていて、「地元車両優先(林地区安全協議会)」との立て札もある車道をえっちらおっちら上がって線路を渡れば間もなくで林集落です。

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(線路を渡る)

 登り切ったところは先ほどのバイパスからの道がジョイントされて、非常に交通量が多い通りに交差します。通りの向こう側へ北進すれば「ミコシロ自動車」なる自動車整備会社を右手に見て、王城山神社の指導標にやっと巡り会えました。

 指導標に従って、左折すると、『群馬の山歩き130選』(平成11年版)記載の小さな商店、床屋が左手に見えてきて、そのしばらく先に目印の消防団車庫が現れて、なんとか山行きは出来そうとホッと一安心です。

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 消防団車庫から指導標に従い王城山を目指しますが、実はこのまま指導標通りに行くと、5合目の唐笠松までほぼ舗装道路歩きとなってしまいます。ガイドブックに載っているような農道の先の雑木林は歩けずかなり退屈な道のりでした。

 途中の王城山神社からの道と合流する手前、右手に上がれそうな雑木の尾根が見つかりますが、ここを見送ってしまった結果、唐笠松まで舗装道路を歩くことになってしまいました。しょうがないので帰りは王城山神社へ降りてカタクリの湯でも入って帰ろうかと考えながら、唐笠松から王城山へのよく整備された登山道を上がっていきます。

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(来た道を押手沢とする指導標:王城山神社の道はまだあるようだった)

 自然林百パーセントの雑木林の径で、さすがにもう葉は残っておらず、紅葉は楽しめませんが、明るく雰囲気のよい道のりになります。6合目の炮碌岩で直進する踏み跡に「高間山→」の表示がありますが、とりあえず王城山を目指し左折。

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 静かな雑木林↑を登っていけば8合目の中棚尾根で展望が得られ、ひと登りで三角点のある王城山山頂になります。山頂は展望が佳く、まず目に入るのは白根山。もう少し手前に大きく見えるかと期待していたのですが、結構遠くにある感じがします。

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(白根山)

 左手には久しぶりに見る浅間山。しかし浅間山は浅間隠山から北へ延びる長大な尾根、ちょうど管峰あたりに左側が隠された格好になっていて、やや欲求不満が残る感じの見え方です。

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(管峰のあたりに浅間山の左側が隠されてしまっている…)


 もう少し先の奥宮がある10合目に行けばスッキリ見えるのかと思って、そのまま一旦下って登り返してみたのですが、立木に邪魔されて、むしろ見えにくく、管峰に隠されている状況も改善されませんでした。

 時刻は11時過ぎ、ここで少し早めのお昼にしようかと、腰を下ろそうとしたら、またなってしまった呼吸困難。。。
幸い誰も来ない静かな山頂で、陽差しもたっぷりだったので、しばらく横になって回復を待ったのですが、今回はちょっと時間がかかってしまって、王城山で往生(?)などとくだらない洒落にもならないようなことを考えながら心細い思いでした。

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 30分以上かかって何とか収まってくれたので、高崎駅で購入しただるま弁当を広げてもぐもぐ…。時間と体力に余裕があれば、高間山まで足を伸ばして、ぐんま百名山をもうひとつゲットとも考えていたのですが、この身体の状態では些か不安も残るため、食事を終えたらノンビリ元の道を帰ることにしました。

 奥宮と山頂の鞍部で右手に山頂を巻く道もありますが、もういちど浅間山を眺めておきたかったので、三角点へと登り返します。
 
 上州に来ると浅間の雄姿を眺めるのが楽しみですが、空気の澄んだこの季節は冠雪した浅間山が本当に美しい。早起きして出掛けてきてよかったと思える瞬間です。

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 山頂を後に往路を戻ってきたのですが、ここから舗装道歩きとなる唐笠松で祠にお参りに行くと、予想通り尾根上には踏み跡が…。たぶんすぐに朝来た舗装道路に降りてしまうのだろうなと思いつつ、たどってみると、これが意外な結果に♪

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(祠から尾根通しの笹の踏み跡に踏み込んでみると…)

 径は雑木の森の中をずっと尾根上にたどっていき、ところどころロープが張られたり、木の階段が現れたりで、わかりやすく楽しい道のりです。

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                    (落ち葉ふかふかの尾根径にロープが…)


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(階段が…)


 地形図を見ながら、そろそろ、ここで右折(南下)しないとという地点でも右折せずに南東に延びる尾根沿いにロープや階段が現れ、最後は東の尾根に入り込んで地形図の「文」=長野原小学校の裏手に繋がる林道に綺麗に着地することになりました。

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(そして最後は林道に降り立つ)


  
 大通りに出て小学校の正門前を通過したのが、川原湯温泉駅からちょうど列車が出る時刻の13:23。川原湯温泉の日帰り温泉施設「王湯」は駅から徒歩15分と『ぐんまの源泉パスポート』などのガイドブックにありますが、Googleマップで調べれば判るように、とても徒歩15分では行けません(直線距離では1kmでも歩く距離は2km弱:直線距離で測って徒歩の所要時間を出すのはホントやめてもらいたいものです。)。バスも走ってはおらず、往復の時間を考慮すると、次の14:58発まではカラスの行水も難しいですし、何より徒歩で交通量の多いトンネルを行きも帰りも通るのは億劫な感じがしていました。

 幸い駅へ行く途中に「道の駅」があったので、寄ってみると、ビールも売っているし、足湯もあって、ここで時間を潰してから川原湯温泉駅へ行けば好いかなと。しかし足湯はかなりの熱さですね。特に道路側のお湯は熱くて1分も浸かっていられないほどです。

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(道の駅 足湯もある)

 地元ビールもそれほどのお味ではなく、もう一本という気にもなれず(笑)、ノンビリ大橋を歩いて駅へ向かうことに…。駅前には何もないのだろうな、という予想はほぼアタリで、駅前(?)に民家風の小さなカフェ(禁煙だそうですので喫茶店ではない?)があるぐらいです。

 駅舎はさすがに真新しく、扉の中は寒風を防いでくれてはいますが、手元の温度計の表示は摂氏10度。ただ、トイレはヒーターが入っていて、暖かいです(笑)。しばらくベンチで時間を潰してから18きっぷを見せて、改札を通り、ホームへ。

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(駅構内のベンチのそばに掲示された付近の案内図:ここにも王湯は徒歩15分と書かれている…)

 小野上温泉にでも寄っていけばと考えていたのですが、来た電車は既に席がほぼ埋まる混雑ぶり。幸い席にありつくことが出来たため、そのまま高崎まで乗車。明日が日曜ならともかく、月曜=出勤ですし、まっすぐ帰ることに。。。

 行きは新型車両で、吾妻線の車両はもうすべて新型に入れ替わったのかと思っていたのですが、帰りの電車は旧型の電車でドアは手で開け閉め。もうしばらくすると、この車両にもお目にかかれなくなるのかも知れません。

 高崎からの八高線は16時台が児玉止まりという最悪の連絡で、久々に快速で新宿回りの帰宅。熊谷で新宿回りに乗り換えたつもりが、これも上野回りで、なんだよもう!と思ったりもしましたが、連絡する中央線への乗り換えは予定通りに成功して、朝、八高線の駅まで乗った自転車を回収するため、中央線某駅では降車せずに八王子から八高線の川越行きに乗り換えて帰宅しました。

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2017.01.01

【また林道で…小野子山~十二ヶ岳】 山バス情報152

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(十二ヶ岳より上越国境を望む…日本海からの雪雲が凄まじい)


【山行日】 2016年12月30日(金)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎  (JR八高線)
高崎  07:25 - 08:08 小野上 (JR吾妻線)

「歩行」
小野上駅  08:20 - 10:05 小野子山登山口 (林道で迷走)
登山口   10:10 - 11:00 雨乞山 
雨乞山   11:10 - 11:50 小野子山
小野子山  12:15 - 12:55 中ノ岳
中ノ岳   13:00 - 13:25 十二ヶ岳
十二ヶ岳  13:45 - 14:35 十二ヶ岳登山口
登山口   14:45 - 16:00 小野上温泉センター さちのゆ

「温泉」
さちのゆ 16:00 - 17:05  (2時間 410円)

「鉄道」
小野上温泉 17:19 - 18:01 高崎  (JR吾妻線 遅延)
高崎    18:06 - 19:37 高麗川 (JR八高線)
高麗川   19:49 - 八高線某駅   (JR八高線)

【地形図】  「金井」 「上野中山」

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(林道の途中から榛名山を望む…これは正しい道:笑)


 前回に続き、八高線の初電に乗って高崎には7時前の到着。今回は以前子持山を訪れたときに気になりながらも、ずっと登っていなかったすぐお隣の小野子山に吾妻線で登ってみようという計画です。

 高崎駅で時間があったので、久しぶりにだるま弁当を購入。昔懐かしい緑とオレンジの車両の吾妻線は、扉は手動で開け閉めします。高崎駅ではこの時期毎度の光景ですが、水上あたりから来た列車に積もった雪を見て少々ビビってしまいます。

 吾妻線から見る山の風景は例年通り。赤城が分厚い雲を被っていても、榛名と子持・小野子は青空の下。遠く上越の山は日本海側の雪を堰き止めるべく、上空に雲を吹き上げています。

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(小野上駅にて)

 冬晴れの小野上駅で降車したのは、私一人。いちおう、国道を甲里までバスが走ってはいますが、時間も全く合いませんし、駅から国道を渋川方面へ戻るように歩いて行きます。ダンプがスピードを上げて走っているので、ちょいとおっかないです。川がある右手に歩行者のレーンがあるので、そちらを歩いていると、手にした地図が河原の方へ…。フェンスを乗り越えて取りに行くのに結構時間を食いました(笑)。

 さい先悪いなぁ…、もう前回みたいな林道迷いはいやだよ…などと呟きながら、指導標もある歯科診療所で左折して林道を上がって行きます。エアリアにも地形図にもこの角に郵便局があるように描かれていますが、郵便局らしきものは見当たりませんでした。今回林道で道間違いをしたのは、それが理由といえば理由の一つなのですが、実際は、前回林道で痛い目に遭っているだけに、この先でちょっと難しく考えすぎたというだけの話です。普通に指導標が出てくるまで林道を道なりに何も考えずに上がって行けば、おそらくはコースタイム通り、国道から30分ぐらい(?)で登山口に到着するのでしょう。しかし私は、国道から登山口まで1時間以上かけてしまったというわけです。

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 そんなわけで、小野子山登山口に到着したのは、なんと10時過ぎ。巧くいけばもう雨乞山に登っている時間です。マイカー登山者様々という感じの駐車場↑は10数台は楽に駐められるスペースがあり、榛名山の展望が見事です。エアリアの地図で見ても地形図で見ても確かに下の林道は入り組んでいますが、連続での林道迷走にいささか気落ちしてしまい、なかなか気を取り直せないまま、登山口からの階段状の急登を登っていきます。

 寝坊して次の電車で来たと思えばいいか、と自分を慰めつつ(笑)、幸い自然林の明るい尾根でしたので、急坂をこなして、コースタイムよりやや早めに雨乞山の三角点にタッチできたところで、ようやく気持ちも切り替わって、テルモスのお茶で休憩したら、小野子山の登りに取りかかります。一旦下ってから、またけっこうな急登。しかし、雑木の明るい尾根が続き、雨乞山を見下ろす形になって、笹道になって一旦傾斜が緩んだ後、再度の急登をこなせば小野子山の山頂です。

 この日二つ目の三角点にタッチして、時刻もちょうど12時前ということで、高崎駅で買っただるま弁当でランチタイム。しかし、山頂は、上越国境でブロックしきれなかった雪のおこぼれが舞って、北からの風が本当に冷たく、雲で陽の光が遮られたこともあって、足先指の先がすっかりかじかんでしまいました。

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 山頂は眺めもよく、浅間と思われる山塊が、もう少しで雲を払いのけて姿を顕わさんとしていたので、もう少し居たかったのですが、何しろ指先が冷たくて、靴の紐を結び直すのにも一苦労。中ノ岳へ向けて大きく下ります。

 この下りがちょうど北面で、凍結してはいないものの、かじかんだ足で下るにはちょっといやらしい下りでした。小さな粉雪が積もっているだけで、積雪と言えそうもない状態なのですが、何しろ急角度で下るので、転げ落ちたら一大事です。慎重に下ったせいでしょう、小野子山から中ノ岳はコースタイム通りの40分。中ノ岳で温まった指で再度靴紐をしっかり結び直してから、またもったいないくらい高度を手放してしまいます。

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(中ノ岳から再び大きく下る…)

 鞍部には、小野上温泉を指して1時間20分(???)という指導標もありますが、十二ヶ岳までは20分とあるので、20分なら…と男坂を登ってみることにします。古いエアリアには女坂しか載っていませんが、直登の男坂はロープも設置されていて、登りにとる分には凍結などない限り、危険もないと言っていいと思います。

 グイグイと登って高度を取り返して上がった山頂は大展望です。先ほど小野子山から見えそうで見えなかった浅間は噴煙も視認できるほどですし、北東には谷川岳は見えないものの、上州武尊山と思われる山塊が見えています。十二ヶ岳の山頂は誰もおらず、それまでの強風が嘘のように風がやんでくれたので、南に見える榛名の山々を眺めながらのんびりティータイムにしました。先ほどまでものすごい強風が北から吹き付けていましたので、朝の林道でのタイムロスも、こうしてみると災い転じて福ということになります。

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(十二ヶ岳から浅間山 手前左は浅間隠山か)


 
 風がやんでくれたとはいえ、いつまでも居るわけにいかず、重い腰を上げ、下山にかかります。最初は女坂を戻って、鞍部から降りてしまおうと考えていたのですが、女坂の分岐には西を指して「JR小野上温泉駅 1時間50分→」の表示。さすがにここから2時間以内で駅は無理でしょ…とは思いましたが、私の場合、16時半の列車でも17時過ぎの列車でも八高線のダイヤの都合で帰宅時間は同じとわかっていましたし、時刻は14時前で、まず間違いなく陽が落ちる前に林道には降り立てるというメドがたっていましたので、少し大回りになりますが、採石場経由で小野上温泉駅を目指すことにしました。

 で、この先、「結婚の森」という名前の道(笑)を歩くことになるのですが、一カ所要注意点があります。指導標から5分ほどのところにある↓この標識です。

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 道なりが「大原」で左手に「塩川温泉」。ここを私もうっかり直進してしまうところでした。先ほどまであった行政が付けた緑色の指導標ではなく、お手製の指導標なのですが、現在の小野上温泉の古称が「塩川温泉」であるということを知っている人は余りいないと思いますし、実際ここを道なりに直進して「大原」にいってしまうと、(小野上温泉に行きたい人は)とんでもないことになってしまいます。

 幸い私は地形図も携行していたため、大原という集落がどれくらいアサッテの方向なのか気づき、降りる予定の小野上温泉の方に塩川という地名があることに気づきましたが、エアリアだけですと、下手をすればそのまま大原の方へ進んでしまいかねません。是非とも、ここには「小野上温泉駅」の指導標を併設していただきたいものです。

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(結婚の森:笑)


 塩川温泉の方角へ入ると、相変わらず雑木の森で落ち葉ふかふかの道を下っていき、「結婚の森」の表示を見て一安心(笑)。更に下っていくと一旦登り返した小ピークには「見透し台」の表示が。。。行って見るとちょっとした榛名山の展望地になっていますが、見晴台ではなく見透し台なのですね(笑)。

 「見透し台」にも緑色の指導標があって、「JR小野上温泉駅 1時間25分」となっていますが、まぁ、トレランの人のコースタイムというか、ホンネは歩かずに距離で適当に割り出しただけの時間なのでしょう。車道部分の歩行時間はエアリアも余り当てになりませんけれど、吾妻線は本数も少ないですし、あまりにも実情と違う時間を記すのは、いささか問題ではないでしょうか。

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(見透し台から先も素敵な自然林が続く)


 この先もずっと雑木の森が続きますが、最後はさすがに植林となって、やや荒れた林道に降り立ちます。あとは林道を降りていって、またもやマイカー登山者様々な立派な駐車場でひと息入れたら、舗装林道をたんたんと下るだけ。。。ところが、最後の最後、国道に出る前の十字路に設置された指導標が指す小野上温泉駅の方角は、かなりの「あっちむいてほい」状態です。地形図やエアリアでしっかり確認して、右手中之条方面に右折せずに、直進してそのあと左手に流れていく道を選びます。

 国道に出たら、あとは小野上温泉駅というか、小野上温泉を目指すだけ。駅で念のために時刻を確認してから、小野上温泉センター「さちのゆ」へ。駅入口のある南側すぐのところに位置していますので、列車時刻までここでゆっくりすると好いでしょう。

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(小野上温泉センター さちのゆ)


 「さちのゆ」は予想に反して(笑)、結構好いお湯でした。ぬるつきがあって身体も温まる感じがするやさしいお湯です。吾妻線沿線のお湯では一度裏切られた経験もあるので(笑)、ほとんど列車発車時刻までの時間つぶしと割り切って利用してみたのですが、どうしてこれがなかなか好いお湯でございました。

 定食もリーズナブルなお値段だったので食べて帰ろうかとも思ったのですが、ちょっと時間が足りなくなるかも…というかんじだったので、チューハイと日本酒を買って、列車が来るまでの時間をゆったりと暖かく過ごしました。

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2007.03.24

【陽春の大展望 岩櫃山】 山バス情報58

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(岩櫃山東峰から谷川岳方面)


【山行日】2007年3月21日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  07:28 - 07:41 赤羽 (埼京線)
赤羽  07:48 - 09:21 高崎 (高崎線)
高崎  09:24 - 10:27 郷原 (吾妻線)

「歩行」
郷原駅  10:35 - 11:50 岩櫃山 (密岩コース)
岩櫃山  11:50 - 12:00 岩櫃山隣の小ピーク
小ピーク 12:35 - 14:00 くつろぎの館 

「温泉」
岩櫃城温泉「くつろぎの館」(入浴料=400円)

「歩行」 
くつろぎの館 15:10 - 15:30 群馬原町駅

「鉄道」
群馬原町 15:38 - 16:39 高崎 (吾妻線)
高崎   16:54 - 18:31 赤羽 (高崎線)
赤羽   18:36 - 18:50 新宿 (埼京線)

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(東峰より上州武尊山)


また群馬~?と言われそうな気もしますが…、でも、前日に見た天気予報で、またもや南関東は曇りがちだけれど北関東は晴れということだし、前回の榛名山は上空はきれいな青空でも、上越国境の山は雲に隠れがちで、展望という点で言うと、やや消化不良気味でした。

今回はいつもよりずっと遅い出発。でも吾妻線は私のところからだと、これが朝一番早い電車なんです。そんな遅い出発にもかかわらず、高崎を出た吾妻線の列車が渋川に向かうと、いつもは薄ぼんやり見える上州武尊が、この日はくっきりはっきり。そしていつもは見えない谷川方面も榛名山の向こうに見え隠れしています。


出発が遅いだけに、この展望が山頂までもってくれるかどうか心配でしたが、幸運にも山頂に着いたお昼頃は、浅間はもちろん、上越・上信国境の白銀の連峰が、それは見事に見えていてくれました。中でも圧巻だったのは、やはり谷川岳。オキノ耳・トマノ耳が視認できるほどきれいに見えていて、その白さも他の峰峰とは別格です。

谷川岳の白さは完全無欠な白という感じで、冬の谷川岳に尊い命を散らしてしまう人の気持ちも、こうして見るとわかる気がします。彼らは危険なことをしたいから冬季登頂するのではなく、雪山の美しさに魅了されてあの場所へ赴くのだと、そのことがよくわかる美しさなのです。


岩櫃山は、エアリアにも掲載されていませんので、地形図「群馬原町」やガイドブック、それにリブルさんのレポなどを参照して行くしかないと思っていたのですが、前日に東吾妻町のHPが検索でヒットして、ここからも情報を得てから行きました。 

高いところが苦手な私は「天狗の架け橋」のある密岩コースはやめて赤岩通りにしようかと思ったのですが、リブルさんのレポやガイドブックで天狗の架け橋には右手に巻き道があるということがわかったので、密岩通りを行きました。もちろん、巻き道を選びましたが、それでも高度感のある場所を通過するときはやっぱりコワイ(笑)。

岩櫃山の山頂など、登るときはそれほどでもないけれど、やはり降りるときは嫌でした。鎖が二本もあるのですが、それでもやはり気味の良いものではないです。隣に展望の良いピークがあるので、混雑して渋滞していたりしたら敢えて登る必要もないかも。何の虫だかわからないですが、とにかく羽虫がうるさすぎて、とても長居したいとは思いませんでした。

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(岩櫃山より浅間山。薄くかかっている雲のように見えるのは、おそらく噴煙)


山頂隣のピークで大展望を堪能しながら昼食。昼食後は尾根コース経由で岩櫃城址へ。この尾根道が意外と言っては失礼ですが美林で、おそらく新緑・紅葉時などかなりきれいだと思います。

城址も展望の好いところです。城址から群馬原町駅への道は少々わかりにくいかも知れません。道なりに行っても行けるのですが、途中で「平沢」と書かれた方へ少し登り返す必要があります。

岩櫃城温泉は、料金も良心的だし設備もきれいでしっかりしています。ただ、お湯は好みが分かれるところかも…。私は個人的にはあまり好きではありませんでした。強いて言えば内湯より露天の方が少し良かったかな、という程度。それでも汗を流したり、花粉を落としたり(笑)するには好い場所です。寒い時期など、電車の時間までの時間調整というつもりなら良い場所です。


プチ山バス情報

あまり使うこともないと思いますが、付近を走っているバスを見つけたので報告しておきます。

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バスと言うより、いわゆる「乗り合いタクシー」ですね。偶然車体も群馬原町駅で目撃したので写真におさめてきました。

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最後に、北関東もようやく春めいてきたようで、里の方だけですが、少しずつ花が見られるようになってきました。

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