2023.05.06

【赤城山でアカヤシオ】 山バス情報192

 

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【山行日】 2023年05月04日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 05:26 高麗川 (八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎  (八高線 3分ほど遅延)
高崎  06:53 - 07:07 前橋  (両毛線)

「バス」
前橋駅 07:35 - 09:00 赤城山ビジターセンター (関越交通バス 1500円)

「歩行」
赤城山VCバス停 09:10 - 10:00 稜線
稜線       10:10 - 11:10 黒檜山往復後、鳥居(黒檜大神)に戻る
御黒檜大神 鳥居 11:15 - 11:58 駒ヶ岳の少し先
駒ヶ岳      12:18 - 13:15 赤城山VCバス停 (稜線から南南東の尾根・覚満淵経由)

「バス」
赤城山VC 13:40 - 15:11 前橋駅 (関越交通バス 1500円)

「鉄道」
前橋   15:40 - 15:55 高崎 (両毛線 10分遅延 ダイヤは15:32 - 15:47)
高崎   16:00 - 17:33 赤羽 (湘南新宿ラインではなく湘南東京ライン!)
赤羽   17:36 - 17:50 新宿 (埼京線)

【地形図】 「赤城山」

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 昭和の日のヤマツツジのあと、やっぱり、アカヤシオが見たいなぁ…という気持ちになってきました。しかし、リンク先の情報など見ると、どうやら熊倉の高いところでも、もう落花らしいとの感触…。そこで、天気もよさそうな連休後半に北関東の高いところなら何とか咲き残りぐらい会えるのでは…ということで、いろいろ考えたのですが、ずっと行ってみたいと思っていた袈裟丸はやはり今の体力では無理そう…、そこで混雑覚悟でみどりの日に赤城は黒檜の稜線あたりへ行ってみよう!ということになりました。

 このブログを始めてから、しばしば赤城を訪れてはいますが、深田百名山の黒檜を訪れたのは、ブログを始める前の2002年6月のこと。もう二十年以上も昔のことですが、結構そのときの記憶は残っています。当時は無線の免許も取り立てで、初めて自分からCQを出して、頭の中が真っ白けになるほど緊張したことも(笑)良い思い出です。

 久しぶりの八高線の一番列車。高麗川でディーゼルに乗り換えると、途中で緊急停止もあって、数分ですが遅延。高崎での両毛線の乗り換えが心配になりましたが、同じホームの発車でしたので助かりました。

 さすがに五連休の二日目の好天だけあって、朝一番の赤城山VC行きのバスにはすでに数人ですが並んでいて、若い大人数のパーティーも加わって、車内は立ち客が出るほどの混雑。そして、コレがまだあるからと奮発した今回の高額な山行き(笑)、あの「群馬バスカード」が3月末日で利用停止との表示にがっくり。。。

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(バス車内にはカードリーダはあるが利用できない旨書かれています)

 

 しかし、そんなこともあろうかとICカードには余裕のある金額をチャージしてありましたし、席を確保したあと、以前のように富士見温泉で乗り継ぐこともなく、終点の赤城山ビジターセンターまで行けたのは幸運でした。

 バスカードは残額がだいぶあったので、到着後、運転手さんに尋ねてみると、前橋駅のマクドナルド(朝7時でも開いていました)の奥の向かいにバスセンターがあるので、そこで払い戻し可能とのこと、帰りも前橋駅なので、次はいつ来るか判らない北関東ですから、帰りに忘れずに払い戻しの手続きをしようと考えて、トイレを済ませて、ストレッチをしたら出発です。

 「駒ヶ岳・黒檜山登山口」の標柱があるところから、稜線へ向けて岩がちのジグザグ道を登っていきます。このあたりは二十年前のことではありますが結構覚えていて、たぶん木製の階段も当時のものと同じではないかと思います。地形図で見ても判るとおりの急斜面で、大沼(おの)が眼下に見えてくると、アカヤシオが徐々に姿を見せ始めます。おそらく標高1500mあたりで、まだ蕾もあり開花もありといった感じで8分咲きの手前という印象です。

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(まだ蕾もあります:1500mあたり)

 

 実はバスの車窓からおそらくは鈴ヶ岳と思われる斜面が赤く染まっているのが見えていましたし、この斜面も登る前から赤く染まった部分が見えていましたので、やっぱり咲いている、と落ち着いた感じで眺め、登っていったのですが、落花は皆無で、蕾もまだあるのを見て、予想とは随分違うな…と少し複雑な気分で稜線へ上がりました。

 ベンチもある稜線で、一時間ほど経過したこともあって一休み。ただ、このときすぐに偵察して正解だったのですが、南へと延びる桐生市と前橋市の境界尾根にかなり明瞭な踏み跡が下っているのをしっかりチェック、道標はありませんでしたが、かなりこの時点で興味をひかれました。

 水分を摂ってひと休みしたら駒ヶ岳への伸びやかな稜線を進んでいきます。展望も好く、雲ひとつない青空の下、こういう稜線漫歩は本当に気分が良いですね。

 ときどき、振り返りながら、登っていったのですが、このとき、息を呑んで見惚れたのがコレ。。。

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(遠くから群落と判るほど染まっています:クリック拡大可)

 

 先ほど気になって偵察したまさにその尾根が、こんな風に、明らかにアカヤシオ色に染まっているのです♪

 当初は、駒ヶ岳・黒檜だけだと時間が余るかも知れないから、黒檜の先にある小黒檜への尾根を偵察しておこうか、それともいったん下って、行ったことのない陣笠山や薬師岳に行ってみようか…などと考えていたのですが、もうこの時点で、「ピストンして戻ったら、そのまま南下する尾根に行ってみよう!」とほぼ心が決まってしまいました。

 稜線は、さすがに深田百名山指定山だけあって、すごい人です。余りに登山者が多く、道を譲っていたらキリがないほどで、少しずつ進みながら道を譲る形で登っていきましたが、駒ヶ岳の山頂は非常に狭く、前の休憩から時間も経過していませんのでほぼ素通り、北東方面にまだ冠雪したままの白き峰峰を山座同定する余裕がなかったのが残念でした。方角から上州武尊や谷川なのかなぁ…、今日はこんなに陽差しが強く暑いぐらいなのに、あそこはまだ遠目にも雪が残っているのがはっきりわかる、そんなことをぼんやり考えながら、大きく下っていきます。

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(駒ヶ岳山頂は狭いが、展望が広がっている)

 

 下りきったところは、その名も大ダルミ。エアリア16年版によれば、ここにアカヤシオがいるはずで、ここならまだ、という心づもりで来たのですが、蕾のひとつも目にすることはできず、山桜が目にとまるぐらいで、葉をつけた樹もなく…。稜線へ上がってくるとき見た蕾の様子や、何よりその稜線からはるか下に見下ろした尾根のアカヤシオの群落。。。これらを考え合わせると、この稜線のアカヤシオはまだで、来週以降で十分間に合う?のでは…という感触でした。

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(1600m以上は山桜が咲き始めたばかり?)

 

 大ダルミの標高は約1620m。黒檜山の三角点が1827.6m。さすがに200m標高差があると、目の前に立ちふさがるようですが、まぁ、200mほどの登り返しは、尾根歩きでは、焦らず登れば、見た目ほどたいしたことなく着いてしまいます。

 登り切ったところは御黒檜大神と記された石碑と鳥居があり、そのすぐ先が百名山一座達成地である三角点のある山頂。11時過ぎでしたが、山頂は物凄い人人人。2分先に絶景スポットがあるという道標もありましたが、たぶん、二十年前に初CQを出したあの場所も、今日は人で一杯なのは行かなくても判りそうなもの。すぐに引き返して、御黒檜大神の鳥居の近くで、水分補給だけして一息入れます。

 バス派にとって、ピストンというのは大げさに言えば屈辱に似た感覚があって、これをやるときは、気分が乗らないものですが、今日は違います。地蔵岳と長七郎山に挟まれるようにして見える小沼(この)を遠望しながら大ダルミへと下っていき、登り返しも、難なくこなして駒ヶ岳。その先の登山道から少し外れたところに休憩場所を見つけて、時間もちょうど正午近くにおにぎりタイムとしました。

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(駒ヶ岳の先に長七郎山:小沼:地蔵岳)

 

 昼食後は、ワクワクしながら下って、登ってきた「大沼→」の道標を右に分けて、そのまま尾根を南下直進です。すぐにアカヤシオが現れましたが、登ってきたときと同じような蕾もまだある8分咲き前といった感じで一本だけ。更に明瞭な尾根筋の踏み跡をずんずん下っていけば、やっと現れましたヨ♪

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 蕾も少しあるものの、ほぼ満開状態のアカヤシオの木々樹々花々。。。アカヤシオの海です。

 知らなかった、こんなところにこんな群落があって、そこには今では明瞭な踏み跡が付いているなんて…、エアリア16年版には破線もないけれど、十分実線状態のトレースです。

 やがて、右を指して「鳥居峠→」の指導標も…。

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(ここの尾根の分岐はわかりにくいのでこの標識はありがたいですね)

 

 私はその親切な尾根の分岐の指導標の先、南東尾根部分が更に素晴らしいアカヤシオ群落だったので、時間もあるしと、そちらにも少し足を伸ばし、楽しんだあと戻って登り返して、鳥居峠方面への南尾根部分を降りました。

 途中「覚満淵」を記したお手製の指導標も現れたので、そちらの方が近いし、ピンクテープの付いた踏み跡方面は、これまた素晴らしいアカヤシオ帯だったため、そちら経由で覚満淵の近くに降り立ちましたが、結局その先は鳥居峠近くにある駐車場&売店のすぐ近くで、満足しながらビールを買い求め、覚満淵脇の遊歩道を通ってビジターセンターへ戻りました。

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 ビジターセンターにはバス発車の30分近く前に着きましたが、朝の混雑から推測して…とまだお一人しか並んでいないバス停ベンチで日よけの帽子で日光を遮りながら、バスを待ちました。推測以上の混雑で、午後の早い時間帯とはいえ、積み残しに近い状態で発車。途中での乗降が難しいほどでした。

 前橋駅には15時過ぎの到着。教えられたとおりバスセンターでバスカードを払い戻し、両毛線で高崎へ。ところが、この両毛線が10分ほど遅延。高崎駅では八高線も含め多数の連絡列車が乗り換え待ちの待機をさせられる事態になっていました。

 八高線へ走って向かう乗客の数を見ると、あの二両編成では座れない可能性が高そう…、ふと同じホームに停まっている平塚行きがドアを開けて発車準備中だったので、居合わせた駅員に「新宿に行きますか」と尋ねたところ「行きます」と答えたので、乗り込んで席を確保したのですが、実際は上野回りで新宿は経由しない列車でした。新宿経由なら、寄りたかったところもあったので聞いたのに、もう…。

 最後はみそがついたけれど、結局赤羽で乗り換えて新宿に出るだけのこと。まぁいいか、あんな綺麗なアカヤシオをたくさん見ることができたし、バスカードも手数料なしで払い戻せて、バスカード使い切ったのと同じだし…、と心の中で呟きながら帰途についたのでした。
 

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2018.04.30

【アカヤシオを求めて…赤城山へ】 山バス情報 167

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【山行日】 2018年04月29日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎  (JR八高線)
高崎  06:53 - 07:07 前橋  (JR両毛線)

「バス」
前橋駅   07:32 - 08:05 富士見温泉 (関越交通 600円)
富士見温泉 08:10 - 08:30 箕輪    (関越交通 750円)

「歩行」
箕輪バス停 08:40 - 09:35 荒山高原 
荒山高原  09:45 - 11:00 荒山 (棚上十字路経由)
荒山    11:20 - 12:00 荒山高原
荒山高原  12:10 - 12:50 鍋割山
鍋割山   13:25 - 15:25 大河原バス停

「バス」
大河原   15:47 - 16:00 富士見温泉 (関越交通 380円)
富士見温泉 16:05 - 16:35 前橋駅   (関越交通 600円)

「鉄道」
前橋  16:52 - 17:08 高崎 (JR両毛線)
高崎  17:12 - 19:06 新宿 (JR湘南新宿ライン)
新宿  19:11 - 19:57 八王子 (JR中央線)
八王子 20:26 - 八高線某駅 (JR八高線)

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                  (荒山高原への登りで…間に合った♪)


 今年の春はお彼岸を過ぎた途端に急に暖かく(暑く)なったこともあって、南関東のアカヤシオは既に盛りを過ぎて終盤~落花との情報がリンク先など各サイトから伝わっていました。 しかし、あのあでやかな色のツツジを見たいとの思いは捨てがたく、GWでも間に合いそうな場所でハードではないコース、ということで選んだのが、赤城の荒山・鍋割山のコース。

 まったくと言っていいほど同じコースを11年前の6月に歩いているのですが、違うのは行きのバスと帰りの林道歩きの部分だけ。もちろん、咲いていたお花も違うのですが、11年前は6月の初めでさえ、アカヤシオの咲き残りが見つかったので、ここなら何とかお目にかかることができるだろうという目論見でした。

 11年前と違って、今は4月から赤城山へ行く直通の急行バスが、前橋駅から出ているので、これを利用しても良かったのですが、さすがにGW前半の中日では混雑しているだろうと思い、富士見温泉で乗り継ぐ一本前のバスで行くことに。。。朝一番の八高線さえ捉まえられれば、直通バスより1時間早く歩き始めることができます。ただし、富士見温泉で一旦下車して再度別のバスに乗り継ぐ関係上、運賃は直通バスに比べて割高になります。

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 予想通り、バスは空いていたので、この運賃の割高を補うべく(笑)、車内で群馬共通バスカードを購入します。5000円のカードなら6000円以上利用できて、関越交通の他、永井運輸、日本中央バス、群馬中央バス、群馬バス、上信電鉄(バスのみ)でも使用できますので、当面SuicaやPASMO導入計画がない上州のバスではこれが一番お得でしょう。

 なお、バスのアナウンスでもありましたが、車内は飲食禁止です。朝御飯を行きの交通機関の中で…と考えている方は注意して下さい。また、バスのアナウンスで、もうひとつありましたが、富士見温泉ふれあい館は、現在休業中。山の帰りに汗を流したい方は、前橋駅前にあるゆ~ゆをご利用下さいとのことでした。

 富士見温泉で乗り換え、箕輪で下車。すでに標高1000mほどありますが、日射しが強いせいかそれほど涼しい感じもしません。ゆっくり身体をほぐしてから、姫百合駐車場を通って赤城ふれあいの森入口を見送り、舗装道路を渡った先にある荒山高原入口から歩き始めます。

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(荒山高原入口)

 最初は、赤城にしては珍しく(?)カラマツの植林帯でお花もほとんどありませんが、高度を上げて行くにしたがって、カタクリがお目見えしたりして、もう終わっていると思っていただけに、これは嬉しい誤算です。あまり綺麗な形で開花した個体が無くて、それが少し残念だったのですが、荒山高原が近づいてくるあたりになると、ぽつぽつと遠くにアカヤシオも見えてきて、さらに綺麗に花びらを反らせたカタクリも見つかって嬉しい気分になります。

 見覚えのある荒山高原に上がると、周囲は開けて、これから登る荒山もあとで登る予定の鍋割山もよく見えて、歩き始めて小一時間(コースタイムは40分(笑))経過していたこともあって、スポーツドリンクでひと息入れることにします。


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(トウゴクミツバツツジも咲きはじめていた)


 休憩後、山肌にアカヤシオと思われる赤い模様が見えてはいましたが、荒山へ直接登る尾根ではなく棚上十字路の方から関東ふれあいの道を通って遠回りに荒山へ上がる径を今回も選びます。が、こちらは、最初にトウゴクミツバツツジの早咲きが見られたほかは、アカヤシオはたまにポツンポツンと登山道から離れたところで見掛ける程度。しかも花付きもあまり好くなく、今年はやっぱり裏年なのかな~という感じで歩いて行きます。休憩舎のある小沼(この)方面との分岐まで、花をつけたアカヤシオの木は3本か4本程度。両脇は笹の原で、地面のお花もスミレ以外ほとんど無い状態でした。

 そんな状態でしたから、些か失望気味に荒山へと向かったのですが、休憩舎から荒山までが実はこの日のハイライトでした。グイグイと高度を上げていく急登ですが、最初は枝分かれした先で半分花が付いていない樹があったものの、高度計が1500mを指すようになると、アカヤシオの樹も増え、登山道のすぐ脇にもアカヤシオが現れてゴキゲンです。
 
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(やっと近くで目にすることができた)

 青空に映えるこの薄桃色の艶やかな花の写真を撮りながらですから、急登も苦になりません。まだ蕾をつけた樹もあったので、おそらくはGWの後半でもそこそこ楽しめるのではないかと思います。

 展望地を過ぎてしばらく登ったところで、今度は何とシャクナゲが見つかりました。蕾も少なく、完全に開花したものはなかったのですが、中にひとつだけ雄しべを見せた花が見つかりました。シャクナゲを見るのは随分久しぶりですが、ここにもあったとは…とこれは嬉しいメッケモンでした。

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 更に登っていくと、アカヤシオが今を盛りと咲いていて、花付きは今ひとつとはいえ、今日はここまでやって来て良かった良かったと頬も緩みます。頂上直下や頂上のアカヤシオはまだ蕾の数の方が多い樹もありましたので、とにかくアカヤシオが見たいという方はGW後半にどうぞ♪

 アカヤシオの撮影ばかりしていたこともあり、山頂着は11時(笑)。少し早いですが、お腹も減ってしまったので、ここでランチタイムにします。展望もなく樹林に囲まれてはいますが、まだ蕾の多いアカヤシオを眺めながら、おにぎりをほおばりました。

 昼食後は荒山から尾根づたいに荒山高原に戻る道を行きます。ここは最初が急坂ではありますが、その後はゆったりした展望の良い笹原の尾根下りになります。この尾根自体はアカヤシオの樹はそれほど多くはないのですが、ここから左手に見える山腹がアカヤシオのピンクにところどころ染まっているのは、見ていてため息が出ます。


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(遠くから眺めるのも佳い…)

 近くで青空をバックに見るアカヤシオも好いのですが、こうして遠目にアカヤシオを眺めていると、「赤城山の赤はアカヤシオの赤」ではないかと本当に思ってしまいます。

 高度を落として前方の鍋割山が姿を現してくると、まもなく荒山高原です。荒山高原近くのアカヤシオは花びらの周りが既に変色して落花しているものもあり、標高差が300mほど違うだけで、「蕾半数」 と 「終盤(落花)」 と、同じ花でも随分様子が違ってくるものだと改めてその差に驚いてしまいます。

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(頂上付近)

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(荒山高原手前)


 荒山高原に戻ったのはちょうど正午の12時。天気も好くGWらしくノンビリくつろいだ家族連れのハイカーが思い思いに憩っているこの感じもなかなか好いものです。水分を補給してひと休みしたら、鍋割山へと向かいます。

 鍋割山は荒山高原から見ると標高差80m弱とは思えないぐらい大きく見えますが、登ってみればたいした登りでもなく、ところどころに散見される花の名前や樹の名前のプレートを見ながら登っていけば苦にならない程度です。ベンチが現れ、目の前に手前の竈山が姿を現せば、その後はなだらかなアップダウンで眺めの良い尾根径です。

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(竈山へ…)

 一番奥のピークが鍋割山で、頂上は多くの登山客で賑わっています。時刻は13時10分前。調べてきたバスの時刻を見れば、大河原発のバスは14:12の次が15:47。 14時のバスは今から間に合わせるのはちょっとキツイですし、この先の岩場の急下りを考えると危険です。16時前のバスは時間が余りすぎてしまうきらいもありますが、これだけ気候の良い時節ですから、この鍋割山頂で長めのティータイムにしてノンビリ時間を過ごせば良いだけのこと。ゆっくりお湯を沸かしてのティータイムにしました。

 幸い風の方もそれほど強くはなくて、むしろ日射しが強くて暑いぐらい。山頂でここまでの山行きを反芻しつつぼんやりしていれば、30分ほどの時間は過ぎてしまい、少し早めに着いてしまうかも知れないけれど、ゆっくり行けば好いだけのことと13時半前に腰を上げて下山にかかります。

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(鍋割山から下山…最初は気持ちの良い笹原だが…)

 見覚えがある眺めの良い笹原の径を下っていくとしばらくで樹林帯に入り、その先から結構な急坂が続きます。こんなに急な岩場だったっけ?という感じで、それでも貪欲にイワ場なのだからとウチワやカガミを探しながら、本当にスローペースで下っていきます。これだけゆっくり下れば転落もないだろうとは思いますが、やはり急傾斜だと慎重になります。

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(ロープもある、かなりの急傾斜を下る)

 結局ウチワもカガミも葉っぱさえ見つからず、時折足もとには小さなスミレが見つかるぐらいで岩場を終え、また笹原の径に入れば、ヤマツツジやサラサドウダン(?)は蕾の状態でスタンバイ。
 更に高度を下げていくと、日射しが強く暑さが厳しく感じられるぐらいになって、上では蕾だったヤマツツジがぽつぽつと咲きはじめ、下の方は満開に近くなっています。トラバース道のようになってしばらくで、登山口に到着。頂上からの経過時間は相当ゆっくり下ったのですが、1時間ほどでした。

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(サラサドウダンではないかとおもう…)

 最近のエアリア(山と高原地図)では、昔はあり得なかった登山口から大河原までの車道歩きのコースタイムが載っていますが、前回と違い、今回はこの図示されているコース通りの道を辿ってみましたが、やはりというか、この40分というコースタイムではよっぽど早歩きしても難しい気がします。おそらく実際に歩いてコースタイムを出したのではなくて、距離から換算したのでしょうが、実際に歩いていないのであれば、コースタイムを表記するのは寧ろやめてもらいたいものです。

 私の場合、疲れてゆっくり歩いたせいもありますが、1時間弱かかりました。登りで50分というのも実際に歩いて出したのではないでしょうが、70分ぐらいは見ておいた方が良い気がします。

 ただ、このゴルフ場の裏側を通る舗装道は、交通量も少なく、この季節、ヤマツツジと新緑が目を楽しませてくれるので、長時間の歩きもさほどは苦になりませんでした。途中ゴルフ場越しに、先ほどまでいた鍋割山の山頂が姿を見せたりして、あそこからあんな急な坂を下ってきたのか…と感慨深い思いもしました。

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(道だけでなく花も人工的な感はあるが…)

 大河原のバス停に着いたのは、山頂からほぼ二時間後の15:25。バスがやって来るまで20分ほどありましたが、水筒の水を飲み干し、アミノバイタルを補給して、筋肉をクーリングすべくストレッチなどして、時間を潰しました。

 やってきたバスはさすがにGWだけあって、ほぼ席は埋まっており、富士見温泉で乗り継いだバスは何と席数が更に少ない新型バスだったため、立たされるハメに(笑)。

 さらに高崎での連絡が悪くて八高線は1時間待ち(苦笑)。すぐに湘南新宿ラインが来るので乗ったものの、埼京線の川越乗り入れが中止との報が入り、新宿まで乗って中央線で帰宅しようとしたのですが、結局八王子でタッチの差で八高線に乗れず(笑)、とどのつまりは、1時間待ちの八高線で素直に帰るのと変わらない帰宅時間になってしまいました(笑)。単線で高麗川以北は未電化の八高線は連絡さえよければ素晴らしい鉄道路線なのですが(笑)…。まぁ、八高線にGWだけ臨時を走らせることもないでしょうから、これからもうまくつきあっていくしか無さそうです。。。

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2017.12.28

【浅間山を見に…鼻曲山~留夫山】 山バス情報164

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(小天狗から浅間山:残念ながら樹が育ってしまって、スッキリとは見えない)

【山行日】 2017年12月23日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎  (JR八高線)
高崎  06:58 - 07:31 横川  (JR信越本線)

「バス」
横川駅  08:10 - 08:40 軽井沢駅 (JRバス関東 510円)
軽井沢駅 09:10 - 09:30 長日向  (草軽交通 540円)

「歩行」
長日向   09:40 - 10:20 1351の先の林道
林道交差点 10:25 - 11:00 小天狗(鼻曲山 標石点)
小天狗   11:40 - 12:40 留夫山(とめぶやま)1590.8三角点
留夫山   12:50 - 13:45 旧中山道分岐(旧碓氷峠)
旧碓氷峠   14:05 - 15:00 旧軽井沢バス停

「バス」
旧軽井沢  15:00 - 15:05 軽井沢駅 (シャトルバス 150円)
軽井沢駅  15:35 - 16:05 横川駅  (JRバス関東 510円)

「鉄道」
横川  16:30 - 17:02 高崎  (JR信越本線)
高崎  17:07 - 18:49 高麗川 (JR八高線)
高麗川 19:00 - 八高線某駅   (JR八高線)

【地形図】 「軽井沢」


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(横川駅からのタクシー料金目安 : この日は駅前には常駐してませんでした)

 前回の山行きで王城山からの浅間山の展望が今ひとつ消化不良だったこともありまして、浅間の展望が良さそうなところに行きたいな、と考えていました。黒斑山浅間隠山は行ったことがありますし、18きっぷとバスで日帰りは難しいところです。鼻曲山も横川駅からタクシーで霧積温泉まで上がらないと行けないし…と思っていたのですが、ガイドブックで、長日向からの乙女コースが時間もかからずに登れるうえにバスは通年で走っていてくれることを知って、このコースなら留夫山への南下縦走も碓氷峠から軽井沢へ下りれば、日の短いこの季節でもなんとかなりそうと実行に移してみることにしました。

 いつもどおり、朝一番の八高線で高崎に出て、高崎では横川行きにすぐに乗換え。今日はだるま弁当は無しです。18きっぷでは初めて乗る横川行きの信越本線、車両はずっとがらがらでした。横川駅は7時半過ぎの到着で釜飯売場にはもちろん、改札に駅員も居ない状態です(笑)。まぁ、おぎのや が営業時間外なのは予想は出来ていたことなので、お昼ごはんは自宅近くのコンビニで調達済みです。

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(横川駅 7時半 : おぎのや も開いていないし、駅員もいない)

 しかし、軽井沢行きJRバスの始発までは40分近くあり、寒さが身に沁みます。幸いこの日は比較的暖かく風もありませんでしたので、駅の陽当たりの好いベンチでメロンパンなど口にしてなんとか時間を潰せましたが、駅には待合室もありませんので、寒い時期は、高崎で時間を潰して(それこそ弁当でも仕入れて)次の08:03着(高崎07:30発)で来る方が賢明です。

 軽井沢行きのJRバスは、運賃510円ですが、18きっぷはもちろん、ICカードも使えません(運賃は前払いです)。大型のトイレ付きバスで、私が乗り込んだときは、数人だけの乗車で、こんな大きなバスはもったいないなと思っていたのですが、08:03着からの乗り継ぎ乗客は非常に多くて、座席はほぼ埋まってしまいました。

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 軽井沢では草軽交通の草津温泉行きバスまで、また半時間ほど待たなければなりませんが、軽井沢駅はさすが新幹線の駅舎だけあって(笑)、駅に暖かい待合室もあってバス待ちの時間も苦になりません。

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(軽井沢駅には暖かい待合室がある)

 草津温泉行きのバスは、既に冬のダイヤになっていましたが、09:10発は急行ではないため、長日向で途中下車可能です(次の10:10発は急行バスの為、途中下車不可)。これまた大型の車両で、席はこの時期でも半分ほどは埋まっていました。なお、このバスももちろんICカード使用不可です(料金は後払い)。

 山の格好をしたのは私だけでしたので、当然、長日向のアナウンスでボタンを押すのも下車するのも私だけです。降りた停留所のすぐそばに一見登山道入口のような林道がありますが、近くにある注意書きのように、更に草津方面に70mほど進んだところに登山道の入口にあたる林道があります(ふれあいの郷入口)。

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 林道というか、別荘地の未舗装道路をずっと歩いて行くわけなのですが、これがゲートを越えた先でも、車が通れるような道幅と傾斜がずっと続きます。しかもよくある林道のようにジグザグを切って蛇行したりせず、ほぼ真っ直ぐに伸びていく道なのです。ガイドブックで読んではいましたが、あまりに長いこと幅広の道が続くので、途中で「これは径を間違えたかな…」と思ってしまうほどでした。

 結局、これは地形図「軽井沢」の1351の先で林道と交差する地点まで続いていて、この林道と交差した後からようやく登山道らしい幅の狭い径となり、さらにその先で鼻曲峠へ行く径との分岐までは、傾斜もあまり増しません。

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(1351の先の林道交差点)

 私はこの林道との交差地点ですでに1時間近く経過していたことや、この先の高度差が約300mであることや、ここまでの道のりから、この先ろくな休憩場所も無さそうとの判断で、風情はないけれども陽当たりの好いこの場所でティータイムとしましたが、後から考えてみても、この判断は間違ってはいなかったように思います。

 鼻曲峠との分岐には、ちょっと判りにくい通行止めの表示がありましたが、通常、径が崩れていて危険なのは巻き道の方が圧倒的に多いので、ここは峠道が通行止めと判断して、鼻曲山へ直登する方の径を選びました。

 鼻曲山へ直登する径はさすがに傾斜が増してきて、息が上がりますが、雑木の森で林相はすこぶる好く、歩いていて気持ちの好い径です。高度が上がるにつれ丈の低い笹道となって陽差しもたっぷりになってきます。背後の浅間山に雲がかかっているのが気がかりですが、高度計を見るともう山頂までそれほど時間はかからないと判り、焦らずじっくり登っていきます。

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 周囲の展望が開けてくると間もなく、来た方向を長日向とする指導標が現れ、標石点のある場所に出ますが、ここには何の標識も無く、高度計の表示は山頂と思われる高度を指してはいるものの、余りに何も無いので、本当にここが小天狗(鼻曲山西峰)なのかどうか自信が持てなくなります(笑)。

 時刻は11時。浅間山が見えてはいますが、ガイドブックで見たほどに遮るものなしには見えていなかったため、余計不安になって(笑)、笹道に伸びる踏み跡があったので辿ってみると、やはり予想通り二度上峠への径でした。

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(小天狗には長日向を指す指導標の他は判読不能な二度上峠方面の道しるべがあるだけ)

 先ほどの標石点に戻ってみると、男性が一人いらしたので聞いてみると、こちらが小天狗とのこと。大天狗はあまり展望は佳くないとのことでしたので、こちらでお昼ごはんに。。。すると「富士山が見えていますよ」と言われびっくり。今日は浅間にばかり気をとられて、富士山はノーマーク(笑)、教えていただかなかったら絶対気づかずにいたことでしょう。


 お昼ごはんを食べ終えても、しばらく浅間の頭上の雲がとれないかなと期待して待ってみたのですが、やはり無理そう…。陽当たりは抜群に好かったものの、この季節これ以上の長居は難しく、腰を上げて大天狗方面に行ってみます。

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(大天狗も明るい山頂だが、浅間の眺めはよくない)

 大天狗には「鼻曲山1654m」の標識が建っていて、浅間の眺めはよくないものの、こちらの方が山頂の雰囲気があります。山頂からほんの少し戻るような感じで、「霧積温泉」と書かれた指導標の方向へ向かいます。ここから南下して鼻曲峠を経て留夫山へと向かうわけですが、霧積温泉との分岐でもある鼻曲峠は、先ほどの乙女コースの通行止め表示が暗示していた通り、乙女コースへの峠道は半ば廃道化した状態のようで、指導標も霧積温泉や鼻曲山、留夫山を指すものはあっても、長日向を指すものはありませんでしたし、長日向へのかつての峠道らしい踏み跡も、よほどよく探さないと見つからない状態でした。

 で、この峠でどうしても目が行ってしまうのが、角落山の姿でしょう。私も名前だけは聞いて知っていたのですが、これほどけったいな形をしているとは知りませんでした(笑)。前回の王城山でも丸岩に目を奪われましたが、こちらは、なんとか是非いちど登りに来てみたいとの思いを抱かせるほど。

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(中央が角落山)


 
 峠からすぐに登り返すピークがありますが、これはもちろん留夫山ではなくて手前の金山。小ピークから笹道を軽快に下っていき、前方かなり遠くに留夫山が見えてきます。下れば下るほどその姿は大きく壁のように立ちふさがる感じで、近づいていくとアレを登り返すのかとやや気が滅入る感じもします。

 下りきったところの右手には地形図にもあるように、幅広の林道が上がって来ているのが見て取れますが、何故か木の枝で通せんぼのようにしてあります。ちょっと複雑に枝分かれしている林道なので安易に下ってきて欲しくないと言うことなのでしょうか。。。しかしいざというときにはエスケープルートに使えそうな感触です。

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(前方に留夫山が見えてくる)

 鞍部から登り返していくと、北面ということもあって、薄雪が残雪として残っています。尾根通しに登っていくと、踏み跡は動物のものばかり。様々な形、大きさの足跡があって、これはひょっとして…という感じのものもありましたが、多くは小動物のものです。

 実際この日、山頂(小天狗)で会った男性以外は旧碓氷峠まで人間に会うことはなく、自分の足音以外聞こえる音もない、実に静かな山歩きでした。プーさんはもう冬眠では…とも思ったのですが、人の気配がほとんど無いので、用心のため途中から鈴を出して歩くことに。。。

 それほど絞られたという感じもなく、じりじりと高みを目指していけば留夫山に到着。三角点と山名標があるだけの静かな山頂で、小天狗からちょうど1時間が経過していたこともあって、ティータイムにします。

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 ひと息入れたら、一ノ字山方面へ更に南下です。いちおう尾根が分岐しているのでコンパスで確認しながらの下りですが、青テープが目印にもなっていて、間違えて南東尾根に入り込むこともないでしょう。。。としばらく下った先で、突然ガサガサと音がして、目の前を黒っぽい動物が横切り、思わず「わ」と声が出てしまいましたが、可愛らしいカモシカくんでした。たぶんまだ子供なんじゃないかと思います。どこで見掛けても同じですが、逃げ去るくせにしばらくは、離れたところからこちらの方をじっと見つめています。

 ふう、やっぱり鈴をつけないと…とポケットを探ってみたのですが、どこにも無し。たぶん、留夫山でザックに仕舞ったんだろうと、そのまま落ち葉をガサゴソいわせながら下っていきますが、やっぱりちょっと不安で、やや急ぎ足で下っていくことにしました。

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 右手に樹林越しですが、ずっと浅間山が見えていて、ほぼ平坦に近いぐらいの尾根歩き。浅間は先ほどまで頭にくっついていた雲がとれたようで、どこかでひょっこり姿を見せてくれないかな…と空しい期待を少し持ったのですが、やはり無理な相談でした。

 小天狗でさえ、伸びた樹林を払うこともしないままですし、登山道を示す指導標もほとんどがもう判読不明な古いものばかりで、行政は信州も上州もこの山に手を入れる気はないというのが、この日歩いてみて一番強く感じたことでした。しかし、これはこれで佳いのかもしれません。近郊の山がどこも富士を見せるためにバサバサと惜しげもなく樹を切り倒しているのに少なからず疑問や失望を感じている私としてはむしろ好ましいことのようにさえ感じました。

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(こんな感じの平坦な径がずっと続くが、途中で転けてしまったりもした)


 浅間のことばかり気にしていたせいか、一ノ字山の三角点は気づかずに通り過ぎてしまったようで、径がクイッと左(東)に向きを変えたと思ったら間もなくで峠に登ってきた四輪駆動車が見えて、すとんと旧碓氷峠(旧中山道分岐点)に着いてしまいました。 

 時刻は14時前。予想より随分早く峠に着いてしまったので、横川駅まで旧中山道を通って…とも思ったのですが、エアリアを引っ張り出してみると、駅まではあと4時間近くとコースタイムには出ています。さすがに4時間はかからないかも知れないけれど、今は一年中で一番日が短いとき。日没を気にしながらあと3時間ばかり歩くのも…ということで、予定通り、軽井沢へ。

 ガイドブックには、「あとは見晴台遊歩道を通って旧軽井沢のメインストリートへ出るばかり」とあったのですが、その見晴台遊歩道というのがよくわからず、車道をウロウロしていると、「旧中山道碓氷峠道跡」という看板が見つかったので、その脇から下っていき、「かもん坂 中山道」という古ぼけた道しるべをたよりに土の径を下ってみました。

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 この小径、手が入っているのかいないのか…。倒木がそのまま放置されているかと思うと、補助のロープが張られていたりして、わりとすぐに普通の林道に飛び出して、そのまま林道を辿っていくと、左手から見晴台遊歩道が合わさりました(笑)。

 で、その遊歩道を辿っていくと県道133に合流。なお、この県道はシーズン中はバスが走るようで、ビニールを被ったバス停が見つかりました。

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                  (バス停が見つかった)


 
 つるや旅館が見えてくると旧市街らしくなり、こんな寒い季節にこんなに!というくらい観光客がたくさんいます。ほとんどが若いカップルで、みなラブラブという感じで手をつないで歩いています。そんな中を年寄りハイカーが単独行で無粋に歩くのですから、恥ずかしい恥ずかしい(笑)。

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 観光案内所や、美味しそうな地酒専門店などもあったのですが、一人で入っていくのも気後れしてしまい。「そういや、明日はイヴか!」どうりでカップルの目が皆トロンとしてるわけだと気づき、きゃー恥ずかしい、という感じで旧市街を競歩のような早歩きで歩いて行くと、ちょうど旧軽井沢のバス停にバスが停まっているのに気づき、考える間もなく飛び乗って軽井沢駅へ。

 軽井沢の駅では、横川行きのバスまで半時間ほど時間があったので、あまり流行っていない感じの土産物屋で地ビールを二本買って、朝も利用した暖かい駅の待合室でゴクゴクとやって、今日一日の山行きを振り返ります。

 横川駅へのバスは、やはり利用客が結構います。軽井沢へは各地から高速バスがたくさん走っているので、横川・軽井沢線なんて、寂れきっているのだとばかり思っていたのですが、こんな真冬でも利用客はかなりの数いるのですね。

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 横川駅では、ベンチで釜飯を掻き込んでいるお兄さんが一人いたので、おぎのやのおばちゃんに、「まだ釜飯あるのですか?」と訊いてみたのですが、残念、たった今売り切れ、とのことで、峠フェチの私としては、昔大月でさんざん喰った釜飯と味はたいして違わないだろうとは思いつつも、久しぶりにあのどっしりした容器を手にしてみたかったなぁ…と少しだけ心残りで帰途についたのでした。

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2017.01.01

【また林道で…小野子山~十二ヶ岳】 山バス情報152

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(十二ヶ岳より上越国境を望む…日本海からの雪雲が凄まじい)


【山行日】 2016年12月30日(金)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎  (JR八高線)
高崎  07:25 - 08:08 小野上 (JR吾妻線)

「歩行」
小野上駅  08:20 - 10:05 小野子山登山口 (林道で迷走)
登山口   10:10 - 11:00 雨乞山 
雨乞山   11:10 - 11:50 小野子山
小野子山  12:15 - 12:55 中ノ岳
中ノ岳   13:00 - 13:25 十二ヶ岳
十二ヶ岳  13:45 - 14:35 十二ヶ岳登山口
登山口   14:45 - 16:00 小野上温泉センター さちのゆ

「温泉」
さちのゆ 16:00 - 17:05  (2時間 410円)

「鉄道」
小野上温泉 17:19 - 18:01 高崎  (JR吾妻線 遅延)
高崎    18:06 - 19:37 高麗川 (JR八高線)
高麗川   19:49 - 八高線某駅   (JR八高線)

【地形図】  「金井」 「上野中山」

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(林道の途中から榛名山を望む…これは正しい道:笑)


 前回に続き、八高線の初電に乗って高崎には7時前の到着。今回は以前子持山を訪れたときに気になりながらも、ずっと登っていなかったすぐお隣の小野子山に吾妻線で登ってみようという計画です。

 高崎駅で時間があったので、久しぶりにだるま弁当を購入。昔懐かしい緑とオレンジの車両の吾妻線は、扉は手動で開け閉めします。高崎駅ではこの時期毎度の光景ですが、水上あたりから来た列車に積もった雪を見て少々ビビってしまいます。

 吾妻線から見る山の風景は例年通り。赤城が分厚い雲を被っていても、榛名と子持・小野子は青空の下。遠く上越の山は日本海側の雪を堰き止めるべく、上空に雲を吹き上げています。

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(小野上駅にて)

 冬晴れの小野上駅で降車したのは、私一人。いちおう、国道を甲里までバスが走ってはいますが、時間も全く合いませんし、駅から国道を渋川方面へ戻るように歩いて行きます。ダンプがスピードを上げて走っているので、ちょいとおっかないです。川がある右手に歩行者のレーンがあるので、そちらを歩いていると、手にした地図が河原の方へ…。フェンスを乗り越えて取りに行くのに結構時間を食いました(笑)。

 さい先悪いなぁ…、もう前回みたいな林道迷いはいやだよ…などと呟きながら、指導標もある歯科診療所で左折して林道を上がって行きます。エアリアにも地形図にもこの角に郵便局があるように描かれていますが、郵便局らしきものは見当たりませんでした。今回林道で道間違いをしたのは、それが理由といえば理由の一つなのですが、実際は、前回林道で痛い目に遭っているだけに、この先でちょっと難しく考えすぎたというだけの話です。普通に指導標が出てくるまで林道を道なりに何も考えずに上がって行けば、おそらくはコースタイム通り、国道から30分ぐらい(?)で登山口に到着するのでしょう。しかし私は、国道から登山口まで1時間以上かけてしまったというわけです。

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 そんなわけで、小野子山登山口に到着したのは、なんと10時過ぎ。巧くいけばもう雨乞山に登っている時間です。マイカー登山者様々という感じの駐車場↑は10数台は楽に駐められるスペースがあり、榛名山の展望が見事です。エアリアの地図で見ても地形図で見ても確かに下の林道は入り組んでいますが、連続での林道迷走にいささか気落ちしてしまい、なかなか気を取り直せないまま、登山口からの階段状の急登を登っていきます。

 寝坊して次の電車で来たと思えばいいか、と自分を慰めつつ(笑)、幸い自然林の明るい尾根でしたので、急坂をこなして、コースタイムよりやや早めに雨乞山の三角点にタッチできたところで、ようやく気持ちも切り替わって、テルモスのお茶で休憩したら、小野子山の登りに取りかかります。一旦下ってから、またけっこうな急登。しかし、雑木の明るい尾根が続き、雨乞山を見下ろす形になって、笹道になって一旦傾斜が緩んだ後、再度の急登をこなせば小野子山の山頂です。

 この日二つ目の三角点にタッチして、時刻もちょうど12時前ということで、高崎駅で買っただるま弁当でランチタイム。しかし、山頂は、上越国境でブロックしきれなかった雪のおこぼれが舞って、北からの風が本当に冷たく、雲で陽の光が遮られたこともあって、足先指の先がすっかりかじかんでしまいました。

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 山頂は眺めもよく、浅間と思われる山塊が、もう少しで雲を払いのけて姿を顕わさんとしていたので、もう少し居たかったのですが、何しろ指先が冷たくて、靴の紐を結び直すのにも一苦労。中ノ岳へ向けて大きく下ります。

 この下りがちょうど北面で、凍結してはいないものの、かじかんだ足で下るにはちょっといやらしい下りでした。小さな粉雪が積もっているだけで、積雪と言えそうもない状態なのですが、何しろ急角度で下るので、転げ落ちたら一大事です。慎重に下ったせいでしょう、小野子山から中ノ岳はコースタイム通りの40分。中ノ岳で温まった指で再度靴紐をしっかり結び直してから、またもったいないくらい高度を手放してしまいます。

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(中ノ岳から再び大きく下る…)

 鞍部には、小野上温泉を指して1時間20分(???)という指導標もありますが、十二ヶ岳までは20分とあるので、20分なら…と男坂を登ってみることにします。古いエアリアには女坂しか載っていませんが、直登の男坂はロープも設置されていて、登りにとる分には凍結などない限り、危険もないと言っていいと思います。

 グイグイと登って高度を取り返して上がった山頂は大展望です。先ほど小野子山から見えそうで見えなかった浅間は噴煙も視認できるほどですし、北東には谷川岳は見えないものの、上州武尊山と思われる山塊が見えています。十二ヶ岳の山頂は誰もおらず、それまでの強風が嘘のように風がやんでくれたので、南に見える榛名の山々を眺めながらのんびりティータイムにしました。先ほどまでものすごい強風が北から吹き付けていましたので、朝の林道でのタイムロスも、こうしてみると災い転じて福ということになります。

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(十二ヶ岳から浅間山 手前左は浅間隠山か)


 
 風がやんでくれたとはいえ、いつまでも居るわけにいかず、重い腰を上げ、下山にかかります。最初は女坂を戻って、鞍部から降りてしまおうと考えていたのですが、女坂の分岐には西を指して「JR小野上温泉駅 1時間50分→」の表示。さすがにここから2時間以内で駅は無理でしょ…とは思いましたが、私の場合、16時半の列車でも17時過ぎの列車でも八高線のダイヤの都合で帰宅時間は同じとわかっていましたし、時刻は14時前で、まず間違いなく陽が落ちる前に林道には降り立てるというメドがたっていましたので、少し大回りになりますが、採石場経由で小野上温泉駅を目指すことにしました。

 で、この先、「結婚の森」という名前の道(笑)を歩くことになるのですが、一カ所要注意点があります。指導標から5分ほどのところにある↓この標識です。

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 道なりが「大原」で左手に「塩川温泉」。ここを私もうっかり直進してしまうところでした。先ほどまであった行政が付けた緑色の指導標ではなく、お手製の指導標なのですが、現在の小野上温泉の古称が「塩川温泉」であるということを知っている人は余りいないと思いますし、実際ここを道なりに直進して「大原」にいってしまうと、(小野上温泉に行きたい人は)とんでもないことになってしまいます。

 幸い私は地形図も携行していたため、大原という集落がどれくらいアサッテの方向なのか気づき、降りる予定の小野上温泉の方に塩川という地名があることに気づきましたが、エアリアだけですと、下手をすればそのまま大原の方へ進んでしまいかねません。是非とも、ここには「小野上温泉駅」の指導標を併設していただきたいものです。

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(結婚の森:笑)


 塩川温泉の方角へ入ると、相変わらず雑木の森で落ち葉ふかふかの道を下っていき、「結婚の森」の表示を見て一安心(笑)。更に下っていくと一旦登り返した小ピークには「見透し台」の表示が。。。行って見るとちょっとした榛名山の展望地になっていますが、見晴台ではなく見透し台なのですね(笑)。

 「見透し台」にも緑色の指導標があって、「JR小野上温泉駅 1時間25分」となっていますが、まぁ、トレランの人のコースタイムというか、ホンネは歩かずに距離で適当に割り出しただけの時間なのでしょう。車道部分の歩行時間はエアリアも余り当てになりませんけれど、吾妻線は本数も少ないですし、あまりにも実情と違う時間を記すのは、いささか問題ではないでしょうか。

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(見透し台から先も素敵な自然林が続く)


 この先もずっと雑木の森が続きますが、最後はさすがに植林となって、やや荒れた林道に降り立ちます。あとは林道を降りていって、またもやマイカー登山者様々な立派な駐車場でひと息入れたら、舗装林道をたんたんと下るだけ。。。ところが、最後の最後、国道に出る前の十字路に設置された指導標が指す小野上温泉駅の方角は、かなりの「あっちむいてほい」状態です。地形図やエアリアでしっかり確認して、右手中之条方面に右折せずに、直進してそのあと左手に流れていく道を選びます。

 国道に出たら、あとは小野上温泉駅というか、小野上温泉を目指すだけ。駅で念のために時刻を確認してから、小野上温泉センター「さちのゆ」へ。駅入口のある南側すぐのところに位置していますので、列車時刻までここでゆっくりすると好いでしょう。

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(小野上温泉センター さちのゆ)


 「さちのゆ」は予想に反して(笑)、結構好いお湯でした。ぬるつきがあって身体も温まる感じがするやさしいお湯です。吾妻線沿線のお湯では一度裏切られた経験もあるので(笑)、ほとんど列車発車時刻までの時間つぶしと割り切って利用してみたのですが、どうしてこれがなかなか好いお湯でございました。

 定食もリーズナブルなお値段だったので食べて帰ろうかとも思ったのですが、ちょっと時間が足りなくなるかも…というかんじだったので、チューハイと日本酒を買って、列車が来るまでの時間をゆったりと暖かく過ごしました。

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2009.06.28

【赤城山バスで鈴ヶ岳散策】 山バス情報101

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(レンゲツツジ咲き残り…ほとんど終わっていました)

【山行日】 2009年6月27日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿 05:56 - 06:04 池袋 (山手線)
池袋 06:11 - 06:20 赤羽 (埼京線)
赤羽 06:26 - 08:02 高崎 (高崎線)
高崎 08:05 - 08:19 前橋 (両毛線)

「バス」
前橋駅 08:45 - 09:45 新坂平 (関越交通 1350円)

「歩行」
新坂平   09:50 - 10:35 鍬柄山 
鍬柄山   10:45 - 11:25 鈴ヶ岳
鈴ヶ岳   12:10 - 13:05 湖尻・深山分岐
分岐    13:15 - 14:15 赤城キャンプ場
キャンプ場 14:25 - 15:40 深山バス停


「バス」
深山 15:57 - 16:10 ユートピア赤城 (関越交通 400円)

「温泉」
ユートピア赤城 16:10 - 17:30 (500円/3時間)

「歩行」
ユートピア赤城 17:30 - 17:55 敷島駅

「鉄道」
敷島  18:01 - 18:31 高崎 (上越線)
高崎  18:37 - 20:03 赤羽 (高崎線 快速アーバン)
赤羽  20:11 - 20:25 新宿 (埼京線)

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(鍬柄山から大沼・黒檜方面を望む)

前回の更新からまた一ヶ月ほどになってしまいました。

久々の山行き&猛暑の予想、ということで、標高の高いところから歩き始められるところというのもあったのですが、5月末に運行を開始した赤城山ビジターセンター行きのバスが来週から海の日の3連休まで再び運休ということ、その他個人的な興味なんぞもあって、行き先は鈴ヶ岳になりました。

鈴ヶ岳は一昨年の春にも18切符を使って訪れていますが、このときは深山からの往復(ピストン)でした。今回は新坂平から鈴ヶ岳に登って深山に降りようという寸法です。

赤城山ビジターセンター行きの直通バスは、いつも通り八分ほど席が埋まりましたが、新坂平で降りたのは私の他には一人だけです。もうレンゲツツジもほとんど終わってしまっていて、人影もまばら。静かな山行を期待して鈴ヶ岳の登山口へ。

赤城らしい自然林百パーセントの樹林帯にはいると、健脚向けと普通向けの二通りのコースがあるように見えますが、実際はすぐ先の尾根に乗るまでジグザグを切るか直登するかの違いです。ジグザグの歩きやすい傾斜を選んで、尾根へ乗ると径は一本道になります。

姥子峠、鍬柄峠、ともに西側に峠道らしい踏み跡が見つかり、いつの日か地形図の破線路を辿ってみたいなと思いますが、今日は稜線の一般登山道をたどって高度を上げていくと、コマドリやウグイスの渡りが聞こえて、ああ夏なんだと感じます。
姥子峠と鍬柄峠の間に一箇所右手の大沼(おの)方面を展望できるところがありました。わりと最近伐採されたようです。

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(稜線は瑞々しい自然林の径)

鍬柄山が近づくと展望がひらけて、鍋割山~荒山、地蔵岳や黒檜の前に大沼などよく見渡せます。水分補給がてら休憩。鍬柄山から鞍部へ大きく下り、見覚えのある鞍部から鈴ヶ岳へ登ってゆきます。シロヤシオの木がたくさんみつかりますが、もちろん花殻さえももう見られません。五枚葉を見てそれと確認、汗を滴らせながら岩場の急登をこなし、三角点にタッチ。さすがに好天の週末だけあって山頂には先客が数人。あとからも数名が登ってきました。


思ったよりも早く着いてしまい、帰りのバスの時刻を考えると、頂上ではのんびりした方がよさそうということで、日蔭を探して腰を下ろし、ゆっくりとお茶を沸かし、食後ものんびりします。

頂上に誰もいなくなった頃、腰を上げて下山開始。山頂で大沼(おの)と黒檜の写真を撮ってから、登ってきた急坂を下っていきます。鞍部からは前回歩いた南回りのルートではなく北回りのルートを歩いてみました。出張山と深山の分岐まではアカマツに林床はシダが生い茂る路。北斜面独特の薄暗さと人気(ひとけ)のなさで、かなり寂しい感じの路でした。それでも出張山と深山の分岐までは鈴ヶ岳から薬師岳へ歩く人がいる御陰で踏み跡もはっきりしていますし、下草もそれほどうるさくはありません。

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(鈴ヶ岳鞍部から北へ降りる径はこんな感じ)

湖尻と深山の分岐から先は南側の林道を歩けば全く問題ないのかも知れませんが、私が歩いた北側の「関東ふれあいの道」は、この時期いろいろと厄介でした。

まず、この径を下ってすぐに林道に交差するのですが、林道に交差したあとの次の取り付きは指導標もなく結構分かりにくいものです。一瞬このまま林道を下るのかと勘違いされても仕方ない感じでした。首尾好く次の取り付きを見付けても、そこを下る径は下草に覆われていて蜘蛛の巣もものすごい、歩いていて決して気分のよい径ではありません。

そして、まもなく道なりに沢へ降りてしまいかねない踏み跡があって、ここに入り込んでしまうと、おそらくは沼尾川に入り込んでしまうことになって、かなり危険だと思います。すぐ近くの左手に「関東ふれあいの道」の標識がありますから、そちらの方へ続く踏み跡に入ってください。

さすがに「関東ふれあいの道」だけあって、最低限の道普請はしてあるのですが、それでも途中、橋に倒木が覆い被さって渡りにくかったり、丸太の土止めが腐って崩壊していたり、さらに出口近くでは下草がうるさいところがあって、そこでは歩く度に小さな蛾が無数に飛び回ってきてくれて、「蛾にふれあいの道」でした。出口近くでは左手に林道が見えていて、あっちを歩いていればナァと後悔したぐらいです。

無事(笑)林道に出て、展望の丘にあがってみると、アヤメでしょうか菖蒲でしょうか、紫色のアヤメ科らしい花が綺麗で、それまでのジメジメした径と違って開放的な場所にあったせいか、とても美しく感じました。

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再び林道に降りて、ここからは覚悟の上とはいえ、長い長い林道歩きです。赤城キャンプ場で足休めをしたのですが、寒暖計は28℃を指しており、下界の暑さが思いやられます。幸い薄曇りでその先の林道歩きもそれほど暑さは苦になりませんでしたが、やはり長い林道歩きは暑かろうが寒かろうが足腰が痛くなります。

赤城キャンプ場から深山バス停は、やはり今回もコースタイムでは無理で、ゆっくり歩くと1時間15分ほどかかりました。

深山からのバスは渋川市の代行バス。料金は400円とお得ですが、予想通り乗客は私一人で貸切。汗をかいたシャツが自分でもクサイと感じたので(笑)、迷うことなく敷島駅では降りずに前回同様、その先のユートピア赤城で入浴。ここは料金も500円とお手頃ですし、コインロッカーの100円玉も戻ってくるので良心的で気に入っています。お湯もなかなか佳いと思います。

ただ、HPにある、敷島駅から徒歩8分はちょっと無理な話だと思います。この日はゆっくり歩いたせいもありますが、最低でも20分はみておかないと、1時間に一本あるかないかの上越線に間に合わなくてはシャレにもなりません。

久々の山は山歩きというよりは散歩のような行程でしたが、やはり朝早く起きたのと週末までの疲れが溜まっていたのでしょう、帰りの高崎線ではほとんど居眠りしながら帰途につきました。


この日の長文レポは、こちら

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2009.05.18

【躑躅巡礼路 足尾赤倉山から半月山 その2】 山バス情報99

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(半月山より…中禅寺湖の向こうに男体山)

昼食後、笹の中を北へ伸びる尾根へ。松浦さんたちは左前方の小高いピークをトラバースされたとのことですが、私はピークに上がり直角に曲がって尾根通しで歩いてみました。このあたりは笹原がずっと続いて気持ちのよい場所ですが、踏み跡は薄く、錯綜していますから、踏み跡に引き摺られることなく、しっかり地形図と照合して進む必要があります。

稜線上には、ときどき思い出した様に赤テープが散見されたりしますが、この赤テープ、悲しくなるほど意味のない場所にあって(笑)、肝心の場所にはほとんど付いていない困った代物です。この日は晴れていましたので、気持ちのいい草原歩きでしたが、ガスが多いときなど、このあたりの平坦地は逆にかなり難しいと思います。

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山頂から15分ほどのところに、またシロヤシオが咲いていました。笹原の径はなおも続いて、見晴らしよく、右手にはこの先の1511ピーク直下まで伸びている林道も見えています。途中バンビの亡骸が尾根上にあってちょっと吃驚。しかし、気持ちの好い笹原の稜線歩きは続いて、赤倉山に上がるまでの急登を思えば、ここはまるで天国の様です。

1445への登りもそのあとの1514への登りも、周囲の伸びやかな雰囲気に助けられて、1514では少し休んでこれから向かうガレ場の見える1511ピークを確認、北東へ向かいます。

1511ピーク直下は地形図の破線路を潰して出来た林道が走っていて、1511へ向かう取り付きらしいものもなさそうなので、適当に斜面を這い上がって尾根に乗りました。
1511あたりは笹原に立木が枯れているせいで、展望がよく、ここから見る皇海山はじつに立派な姿で、袈裟丸がその稜線の端にその存在を隠してしまうほどです。皇海山は深田百名山で、これまであまり登りたいとも思っていなかったのですが、これを見るとやはりいつの日か登りたい、という気持ちになってしまいました。

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1511からほとんど踏み跡もない笹原を降りていくと、林道にバイクで来ている人がいてこちらを怪訝そうな目で見ています(笑)。さらに下から登ってくる人がいて、これには驚きました。平日でこんなコースでしたから、半月峠までは誰にも逢わないだろうと思っていたのですが、お話ししてみると、半月山の駐車場から眺めていたら気持ちよさそうな稜線だったので、ちょっと足を伸ばしてみたとのこと。何処から来たのかと聞かれ、間藤(まとう)の駅からずっと歩いて来たと言っても、「マト?」と不思議そうな顔をしていたのは、まぁ無理もないことでしょう。

尾根通しに下っていくと、すぐに巻き径と合流し、ここからはしっかりした踏み跡になります。1504は破線路よりずっと右下を捲き、ほぼ平坦でのんびり歩けます。トウゴクミツバツツジでしょうか、濃い紫色のツツジの蕾とヤマツツジの蕾を見掛けました。

峠の向こうに白根山でしょう、頂稜に雪を纏った山塊が見え、やがて右上に駐車場の柵が見えてきます。と、ここでアカヤシオの咲き残りを発見。カメラに収めようとしますが急斜面に咲いている為、巧くいきません。ああ、シロヤシオには早すぎ、アカヤシオには遅すぎでちょっと中途半端な時期に来てしまったナァと心内でぼやいていると、半月山の頂上付近にお姫様の可憐なピンク色が見えるではありませんか。

今日は半月峠までの予定で来ましたし、今から頂上に登るのは時間的にどうかとも思いましたが、ちょうど、駐車場に上がるらしき踏み跡が分岐しているのが見つかったので、これは日の長いこの時期だし、行くしかないと、とりあえず駐車場に上がると、咲いています、上の方に明らかにアカヤシオです。もう登ることに決めて、つらい急登をこなしました。ときどき背後の自分の辿ってきた尾根を振り返り見ながら、よくもまあ、あんな尾根を歩いてきたものだと感心。

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(辿ってきた尾根を振り返る)

駐車場がどんどん小さくなって、アカヤシオのピンクがはっきりしてきて、本当に今日は仕事を休んで来て好かった、そんなことを思いながら、腹がぐうぐう鳴ってるのも構わず上へ上へと進みます。頂上付近、1750mの高所だけあって、アカヤシオは蕾も少しある状態でちょうど見頃。最後のフィナーレ近くで、お姫様の素敵な姿に会えて感無量でした。

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(お姫様・・・)


山頂に着いたのは15時半近く。こんなことは秋冬では絶対にできないこと。三角点に軽くタッチ、水分補給をして一息ついたところで、下山です。途中展望台があって、ここからの景色は泣けるほどよかったのですが、あまり長居も出来ず、半月峠へ急斜面を下ります。途中もアカヤシオが咲いていて、にこにこ顔で半月峠。

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(半月峠へ下る…)

半月峠からはよく整備された登山道を狸窪(むじなくぼ)へ。中禅寺湖からのバスは20時過ぎまでありますし、狸窪から先は舗装道なので、あわてずゆっくり下ります。下っていく最中にも北面の恩恵でしょうか、アカヤシオの咲き残りに出会えてゴキゲンで無事に狸窪へ到着。

狸窪からは湖岸道路をのんびり歩きます。中禅寺湖の向こうに男体山が大きく、釣り人が腰まで浸かって釣り糸を垂らし、なんとものどかな雰囲気。頬に当たる風は冷たくまるで秋風のようで、週末と違い人の少ない夕刻の中禅寺湖はちょっと物寂しい感じでした。

イタリア大使館別荘記念公園を抜け、各国大使館の避暑地が続くこのあたり、標高1300m近くあり、今日も夕方は少し肌寒いぐらいで、たまに会う人はみな秋の様な装いです。私も上着を着ることにしてバス通りを目指しました。

中善寺温泉のひとつ湯元寄りにある立木観音入口バス停では17時14分のバスが行ったばかり。次の40分まで時間があるので、すぐそばにある閉店間際のお土産物やさんに駆け込んでビールを購入。中善寺温泉バス停まで僅かな登りなのに、酔ってだるさの残る足では、もうまるで歩く気力も失くして、硫黄の匂い漂うバス停に座り込んで日光駅行きのバスを待ちました。

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2009.05.17

【躑躅巡礼路 足尾赤倉山から半月山 その1】 山バス情報99

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(1514m峰の手前あたり)

【山行日】 2009年5月15日(金)

【使用公共交通機関等の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 05:10 代々木上原 (小田急線)
代々木上原 05:13 - 05:47 北千住 (東京メトロ千代田線)
北千住   06:04 - 07:39 太田  (東武伊勢崎線 区間急行)
太田    07:43 - 08:06 相老  (東武桐生線)
相老    08:14 - 09:32 間藤  (わたらせ渓谷鐵道)

「歩行」
間藤駅   09:45 - 10:15 林道終点
林道終点  10:25 - 11:20 1090m付近
1090m 11:30 - 12:15 赤倉山
赤倉山   12:45 - 13:30 1514mピーク
1514  13:40 - 15:20 半月山
半月山   15:30 - 17:20 立木観音入口バス停

「バス」
立木観音入口 17:40 - 18:20 東武日光駅 (東武バス日光 1100円)

「鉄道」
東武日光  18:55 - 21:12 北千住   (東武日光線 区間快速)
北千住   21:19 - 21:53 代々木上原 (東京メトロ千代田線)
代々木上原 21:54 - 小田急線某駅    (小田急線)

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前回の家ノ串の記事でコメントをいただいた もりのふうさん が最近訪問されたという足尾赤倉山から半月峠、先週は好天にもかかわらず、土曜出勤で行けませんでしたが、今週は高気圧にすっぽりおおわれる金曜日にお休みをもらって行ってみることにしました。

相老(あいおい)でわたらせ渓谷鐵道に乗り換えるところまでは、前回山行と同じですが、相老駅でわたらせ渓谷鐵道に乗ろうとしたら、2両編成の客車は学生で超満員。ビックリしながらもなんとか乗り込ませてもらいましたが、次の駅でほとんどが降りてしまい、その次の大間々駅では、切り離して1両になりました(それでも座席はゆったりです)。

前回降りた小中駅を過ぎ、長いトンネルをくぐって沢入(そおり)の駅を過ぎると、車窓から渓谷沿いに新緑と藤の花が美しく咲き乱れているのが見え、とても印象的でした。

終点の間藤駅は想像していたよりも明るく駅舎も立派なもの。駅前には日光駅に通じる市営バスのバス停があり、東武日光駅に07:35までに到着できれば、ここ間藤駅からの歩き始めの時間が一時間以上繰り上げられるのですが、私の自宅からは残念ながら無理です。

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『バリエーションルートを楽しむ』で、松浦さんは、東武日光駅よりタクシーを利用して林道終点まで入ってもらっていますが、お金があり、人数さえ揃えばこの方法が一番好いでしょう。

私は間藤駅からまともに歩いたので、松浦さんより1時間半遅れの10時半に林道終点をスタートすることになりましたが、これですと秋冬は、よほど足の速い人でRFも優れている方でない限りタイムアウト(時間切れ)で日没にあってしまう可能性があります。 日の長い期間限定のコースとお考えください。

尚、今回のコースは登りにとったとしても特に取り付きを探すのが難しく、尾根に乗った後も指導標のたぐいは全くない、しっかりした地形判断能力が必須のコースですので、その点ご留意ください。

また、生意気なことを言うようですが、このコースは、一般登山道しか歩いたことのない方には、まず無理です。松浦本には、記事のコピー片手にコンパスなしで歩けてしまうコースもなかにはあるのですが、このコースはそういったものとは別物である点、じゅうぶんにご承知おきくださいませ。

リンク先のたぬきせんべいさんが、以前に、このコースを下りにとられていますが、こういった芸当が出来るのは限られた経験者のみですし、たぬきせんべいさんも記事の中でおっしゃっている様に、1511以南は踏み跡不明瞭で、赤倉山から南では、どの尾根を辿るにせよ最後はひどい急傾斜を下ることになり、南南西(1325方面)の主尾根は、地形図「足尾」を見れば判りますように、末端までまっすぐ下ると、断崖絶壁に行き当たって大変なことになってしまいます。

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さて話を元に戻して、私が登りにとった林道終点から赤倉山の南の支尾根に取り付く箇所、これがこのコース最大の難関でしょう。松浦本にある「木橋を渡ったところで左の作業道に入り、すぐ右斜面に取り付く」というところですが、現状では「すぐ右斜面に取り付く」にも、作業道から斜面へはマーキングどころか それらしき踏み跡もない状態のようです。結局、目指す尾根になんとか歩きやすい箇所を探しながら這い上がりました。

北へ向かうこの尾根に上がってからも急登は続き、ヤマツツジの藪で尾根上といえども、急斜面と相俟って簡単に進ませてもらえません。急登は一向に手をゆるめることなく、ヤマツツジが綺麗でなければ、この急坂はシンドイだけだったろうと思います。

ところどころヤマツツジの藪と倒木で通りにくいところもあり、迂回しながらも尾根を詰めていきます。1050あたりで傾斜が弛みますが、1090付近で再び急傾斜が続くのが判っていたので、手前の緩斜面で水分補給をかねて休憩。

休憩後、急斜面を登っていくと、今まで咲き乱れていたヤマツツジが蕾状となり、石柱を素通りして更に登っていけば、ヤマツツジも少なくなり今度はミツバツツジが咲いていました。

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1200m、1300mと長い急斜面を高度を上げていくと笹が地面を覆う様になって、傾斜も弛んで、フラフラ歩いていくと、ああ、なんと今度はシロヤシオが少しですが咲き始めています。大半が蕾ですが、まだ蕾もつけていない木もたくさんありましたので、満開の頃はさぞかし…と思います。

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朱、紫、白、一日で3種類のツツジ。。。シロヤシオにはまだ早過ぎると思っていたので、この邂逅に頬をゆるめながら笹径を登っていくと、ぽっかりと赤倉山の表示がある頂上に着きました。お昼を少々まわってしまいましたが、三角点にタッチして、ここで大休止。

誰もいない、周囲がひらけた静かな笹原。風もなく穏やかに晴れ、こんな場所で食べるおにぎりは格別です。


 その2に続く 

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2009.05.05

【ガックリ…家ノ串】 山バス情報98

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(小中駅)


【山行日】 2009年5月2日(土)


【使用公共交通機関等の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 05:10 代々木上原 (小田急線)
代々木上原 05:13 - 05:47 北千住 (東京メトロ千代田線)
北千住 06:04 - 07:39 太田    (東武伊勢崎線 区間急行)
太田 07:43 - 08:06 相老     (東武桐生線)
相老 08:14 - 08:53 小中     (わたらせ渓谷鐵道)

「歩行」
小中駅   09:00 - 10:00 追付橋
追付橋   10:10 - 11:30 送電線巡視路入口
巡視路入口 11:40 - 12:35 1215.6三角点
三角点   12:55 - (南西尾根往復) - 13:25 三角点
三角点   13:40 - 14:35 田沢奥山
田沢奥山  14:45 - 15:20 林道終点付近

「親切な方のお車」
林道終点付近 15:25 - 15:55 小中駅

「鉄道」
小中    16:12 - 16:52 相老    (わたらせ渓谷鐵道)
相老    17:03 - 18:48 北千住   (りょうもう36号 +1000円)
北千住   18:57 - 19:33 代々木上原 (東京メトロ千代田線)
代々木上原 19:40 - 小田急線某駅   (小田急線)

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(1215.6m三角点峰にて)



29日の熊倉山でアカヤシオは花付はややよくないものの、1300m近辺は見頃、ということは北関東はまだちょっと早すぎるかな~、と思いつつも、折角の好天。GW第2弾のアカヤシオのお花見は、念願の家ノ串にしてみました。

家ノ串っていわれても、それ何処? という人の為に簡単に説明しておきますと、エアリア『赤城・皇海・筑波』の袈裟丸山。この袈裟丸山の南西尾根をずっと南下していったところに1215.6三角点峰が見つかると思います。この三角点の北部が通常家の串と呼ばれているらしく、ここはアカヤシオの名所としてアカヤシオ好きの多くは行ったことがなくとも名前だけは知っています。

わたらせ渓谷鐵道は、初めての乗車。以前のダイヤでは松浦本『静かなる尾根歩き』に記載のように10時半のスタートだったのですが、最近のダイヤ改正で小中駅には9時前に到着可能となったことも、今回の挑戦を後押ししてくれました。もうひとつ贅沢を言わせてもらえれば、小中橋から追付橋(おうつけばし)へ行く町営バス、これも土日祭日の朝の便をあと30分だけ遅らせてくれると本当にありがたいのですが、まぁ、このバスは登山者の為に走っているわけではないから仕方ないですね。

北千住から乗った東武線を太田で赤城行きに乗り換え、相老(あいおい)で下車。わたらせ渓谷鐵道の駅には臨時切符売場の表示がありましたが、駅員さんはおらず、高架を渡って改札をいったん出てから、わたらせ渓谷鐵道の切符を買います。

やってきたのは一両のかわいらしい茶色の気動車。さすがにGWだけあって、席はほぼ満席でした。小中駅で降りるとき、運転手さんに「お気をつけて。このあたりイノシシが多いですから」と暖かいお言葉をいただきスタート。バスの運転手さんに「お気をつけて」と挨拶いただいたことはこれまで何度もありましたが、鉄道では初めてのこと。地方の第三セクターらしい、こぢんまりとした駅で快晴のもと山旅がスタートです。

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(追付橋への道で…舗装道歩きも新緑やツツジが美しかった)


小中駅から追付橋は、エアリアで登り一時間半とコースタイムが書いてありますが、のんびり歩いても1時間10分ほどで着けると思います。ただ、この日は暑くてアスファルトの照り返しが結構きつかった。追付橋には自動販売機があったので、思わず清涼飲料水を買って飲み干してしまいました。

追付橋からすぐで左手に分岐する舗装道を上がります。ここは気をつけていないと、道なりにみんなの向かう大滝・袈裟丸山登山口方面へとまっすぐ進んでしまいかねませんので気をつけてください。

傾斜のきつい林道をえっちらおっちら登っていると、結構近くで猟銃の音が聞こえビビリます。30分ほどで、こんな山奥に?という感じで集落があり、居合わせた方と少し雑談。さらに、少し進んだところで、これから同じ家ノ串に向かわれるパーティーの方々に乗っていかないかとお誘いを受けたのですが、林道もあと少しだろうと思っていたため、先に行ってもらうことに。

しかし、ここからが結構長く感じて、途中何度も銃声を聞いたりして、ああ、やっぱり乗せてもらった方がよかったか、と後悔。橋倉橋・野川橋と渡るも沢面にアカヤシオの花びらなどひとつも見当たらず、ああ、まだちょっと早かったかな、などと、このときは暢気なことを思っていたのでした。

長い長い林道歩きが終わって、その少し先に送電線の巡視路入口が見えてきました。さきほど親切なお言葉をくださった方の車もここに停めてあります。巡視路入口で水分補給してから出発。11時半を回っていたので、1215.6三角点峰には12時半頃着くかな、と考えながらヒノキの匂いがする歩きやすい巡視路を上がっていきます。

登っていくとやがて三角点峰と思われる頂が左手に見え、ピンク色も見え期待がふくらみます。疲れと期待がふくらむ中、笹原にカラマツとなった道を進むと送電鉄塔に着き、鉄塔から進路を変えて稜線の踏み跡を1215.6三角点峰へと向かいます。ここでも期待がふくらむピンクが山肌に見えて、ああもうすぐアカヤシオの海を泳げると、気持ちが盛り上がります。

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(もうすぐアカヤシオの海と期待が高まる…)

1215.6三角点峰のひとつ手前のコブにあがり、さあ、ここからが…と思ったのですが、あれれ、咲いているには咲いているものの、ポツンポツンという感じです。おかしいな、もしかしたらまだもっと手前のこぶだったのかな…、と地形図を広げてみますが、やっぱりどうもこの先のピークが他ならぬ1215.6三角点峰のようです。ピークに近づいてみると、さきほどのパーティーの方々がお昼の談笑中。ピークはそれなりに咲いているけれど、とてもアカヤシオの海とか、爆咲きとかとは程遠い状況。

南西尾根に入れば、と南西に少し降りたところで食事にしてみましたが、こちらもポツンポツンという感じです。

昼食後、諦めきれずに南西尾根をかなり辿ってはみたのですが、アカヤシオの木はあるものの、花をつけているのはごく僅か。確かにこの木が全部花をつけたらすさまじいかも知れないけれど…というわけで、せっかくアカヤシオの海で泳げる様にピンクの海水パンツまで用意してきたのに、アカヤシオの海というより、水たまりがあるといった程度。ガックリ重い足取りで三角点へと戻りました。

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(南西尾根 たしかにこれが全部花をつけるとすごいだろうが…)

戻ってくる途中、木を見て思ったのですが、どうもこれは早すぎたのではなく遅すぎたようでした。確かシロヤシオは葉っぱが出てから花が咲くけれど、アカヤシオにしろ普通の木の花は、花が散ったあとに葉っぱが出てくると記憶しています。アカヤシオの木はほとんどがもう葉が出ている様で、考えてみたらリンク先のリブルさんや金森さんの北関東のアカヤシオの記事を思い出してみると、ここ家ノ串で終わっていても全然不思議ではない、ということに気付いたのです。

三角点でコーヒーを沸かして気を取り直し、田沢奥山へ向けて出発。途中何度もため息が出てしまいましたが、まぁ、こういうこともあるさ、それにアカヤシオが全く見られなかった訳じゃあないし…ヘンに気落ちして事故など起こさない様にしなくちゃ、と思い直しました。実際気落ちしていたせいか、三角点の次のピークで間違えて直進してしまい北北西の尾根に入り込みそうになってしまいました。来た道を戻るのに間違えるなんて…と思いましたが、ここはやはり間違えやすいらしく、ミストレースらしき足跡が続いていました。

送電鉄塔まで戻り、少し進むと巡視路が尾根から外れるあたりに薄い踏み跡が尾根通しに付いています。ここから田沢奥山まで尾根通しに歩きます。こちらもアカヤシオが所々ありましたが、もう期待もしていなかったぶん、今度は落胆も少なく、疲れた足には結構堪える登りを登り切って、ささやかな山名標識のある田沢奥山に着きます。

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田沢奥山からさらに尾根通しにずっと行けば袈裟丸山なんだなぁ、と思いつつ時間もないので、もちろん来た道を戻ります。途中沢沿いの径というのが、松浦本では赤い標石のあるところと書かれていましたが、どうも私の見たところでは赤い標石のある場所には降りられそうな道は見つからなくて、もう少し小さなピークよりの鞍部にわりとしっかりした、巻き道にも見える道が見つかりました。

結局3時近かったこともあり、今回はガイド通り送電線の巡視路を戻ることに。

巡視路を降りると、もうとっくに家路についていると思っていた例のパーティーの方々がまだいらっしゃって、もしかして憐れを誘う私のことを待っていてくださったのでしょうか…、申し訳ないなとは思いつつ、再度のお誘いをいただき、ありがたく車に乗せていただいて、なんと小中駅には16時前の到着♪ 歩いていたら18時前の便に間に合うかどうか微妙だったのですが、なんと2時間近く前の16時過ぎの便に間に合い、小中駅前の酒屋さんも開店していて、ビールもゲット♪

山中では本当にガックリしてしまったけれど、終わりよければすべてよし。心配していた帰りのわたらせ渓谷鐵道の混雑も3両編成で無事席を確保。相老駅ではその場で特急の座席もとれて、ほんとうにゆったりした気持ちで帰途につけました。


お車に乗せてくださった某山岳会の皆様、あのときは本当にありがとうございました。
この場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。
m(__)m


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2008.06.15

【ハルゼミ・ホトトギス大合唱♪…地蔵岳から長七郎山】 山バス情報83

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(地蔵岳より黒檜山・大沼)

【山行日】 2008年6月14日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿 05:46 - 05:56 池袋  (山手線)
池袋 06:01 - 06:10 赤羽  (赤羽線)
赤羽 06:13 - 07:48 高崎  (高崎線)
高崎 07:50 - 08:04 前橋  (両毛線)

「バス」
前橋駅 08:45 - 09:49 新坂平 (関越交通バス 1350円)

「歩行」
新坂平  09:55 - 10:40 地蔵岳
地蔵岳  10:55 - 11:55 長七郎山
長七郎山 12:30 - 13:25 赤城山ビジターセンター

「バス」
ビジターセンター 13:45 - 14:53 前橋駅 (関越交通バス 1450円)

「鉄道」
前橋 14:56 - 15:14 高崎 (両毛線)
高崎 15:17 - 16:59 新宿 (湘南新宿ライン 特別快速)


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(新坂平にて…レンゲツツジ群落)


長袖でも肌寒いぐらいの新坂平でバスを降りた瞬間、あぁ、今日も早起きしてきてよかった、と思いました。目の前はレンゲツツジのお花畑で、いままさに満開を迎えており、交通量の多い通りだというのに、車の騒音をものともせず、エゾハルゼミの大合唱が聞こえているのです。

前回の丹沢檜洞丸でもその声を聞いてはいたのですが、まだ鳴き始めという感じで、リードボーカルから合唱へとつながらず、ソロで細々と鳴いているだけでした。 やはり6月半ばのこの時期が盛りなのでしょうか、この日のハルゼミの鳴き声はもう「うるさい」ぐらいでして、この声が好きでない人は、「うるさいな、もぅ」とストックで追い払っているほどでした(笑)。

去年も書いたのですが、赤城山ビジターセンタ行きのバスというのは、6月解禁でして、梅雨入り直前まで、このバスが利用できないのです。梅雨入り前に利用しないと、今回のような梅雨の中休みで使うしかありません。幸いまだ群馬のバスカードが残っていましたので、これを使って軽いハイキングと決定です。

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去年と同じように、タイトなJR乗り継ぎで、前橋駅にはバス発車の40分前に到着。バス停でゆっくり朝御飯です。バスはほぼ席が埋まって、この日の乗客は28人でした。

バスを降りて、レンゲツツジの写真を撮りながら展望台下までのんびり歩きます。地蔵が岳への取り付きは新坂平から行くと少しわかりにくいかも知れませんが、道標がありますので注意していればわかると思います。

自然林百パーセントの尾根道を上がっていくと、エゾハルゼミの大合唱にまじって、ホトトギスの高らかになく声が…。この声も丹沢で耳にしていましたが、そのときは遠くで啼いているだけでした。今回はわりと近くで鳴いていたので、音質は悪いですが、手持ちのデジカメで録音してみます。ホトトギスの「特許許可局」の声は新緑の中で聞いてこそとは思いますが、どんな鳴き声かご存知ない方の為に…

 
トッキョキョカキョクッ♪


レンゲツツジ、ヤマツツジが混じる新緑の中を登っていき、エゾハルゼミの声が足の下から聞こえるようになり、あたりが静かになってくると、地蔵岳の山頂に飛び出します。歩き始めが1400m以上でしたので、1673.9mの山頂まで一時間かかりません。

地蔵岳山頂は各テレビ局の中継アンテナが林立していて、やや興醒めではありますが、展望はこの上なくよく、対岸の新緑に包まれた黒檜とその下の大沼(おの)の青い湖水が素晴らしいコントラストで絵になります。遠望はあまりききませんでしたが、それでもまだ残雪のある上州武尊山や遠く浅間山の姿も認めることが出来ます。

地蔵岳から八丁峠へ下っていくと、ふたたびエゾハルゼミの声。ツツジはレンゲツツジ、ヤマツツジがたくさん咲いています。眼下にこれから向かう長七郎山と小沼(この)が見えて、これまた美しい。…うーむ、赤城はやっぱり素晴らしい場所です。

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八丁峠から小沼(この)の周囲を回るようにして長七郎山へ向かうのですが、このあたりには長七郎山を示す指導標もなく、その入口は地図とにらめっこして探し出さなければいけません。この日のように上天気なら「ここしかない」とわりと簡単にわかるのですが、ガスっていたりしたら、ちょっと難しいかも知れません。

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小沼に沿って歩いていくと、またまたレンゲツツジやヤマツツジ、それになんとシロヤシオまで咲いていました。北関東で標高が高いところだからでしょうが、6月半ばでまだ咲いていてくれるとは…もう盛りは過ぎてはいたものの、じゅうぶん楽しめました。長七郎山への登りでもトウゴクミツバツツジ、シロヤシオが見られて、この日は一日で4色(橙、朱色、白、紫)ものツツジを楽しむことが出来たのでした。

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長七郎山で時間もちょうどよかったので、お昼御飯にしました。ここは広い山頂で、眺めもよく、私は上州武尊山を見ながらの昼食としました。

昼食後、小地蔵岳・鳥居峠の方へ向かいます。小地蔵岳にも笹の中の薄い踏み跡をたどって寄ってみました。展望もない笹に覆われた山頂ですが、ここもレンゲツツジが咲いていてとてもきれいでした。

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(どことなく南国風?なレンゲツツジ…小地蔵岳にて)

薄い踏み跡を戻って、鳥居峠へ向かいます。新緑のトンネルの中、ハルゼミがうるさいほど鳴いていて、こんなに早く山を降りるのはもったいないな~、とは思いつつも、13:45の次はバスも混みそうだし、道路も渋滞しそうだしということで、鳥居峠に降りて目の前にビールの看板を見つけるや、さっさとこの日の山行に終止符を打つべく、ビールを買い求めてごくごくと喉を鳴らし、バスの発着所である赤城山ビジターセンターへ向かいました。

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2008.01.08

【初春の大展望…相馬山】 山バス情報76

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(三ツ峰山からの浅間山)

【山行日】 2008年1月6日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  06:02 - 06:11 池袋 (山手線)
池袋  06:21 - 06:30 赤羽 (埼京線)
赤羽  06:38 - 08:14 高崎 (高崎線)

「バス」
高崎  08:30 - 09:50 天神峠 (群馬バス 1270円)

「歩行」
天神峠バス停 09:55 - 10:55 七曲峠
七曲峠 11:05 - 12:00 三ツ峰山
三峰山 12:25 - 13:25 磨墨峠
磨墨峠 13:35 - 14:20 相馬山
相馬山 14:30 - 15:20 ヤセオネ峠バス停

「バス」
ヤセオネ峠 15:39 - 15:45 榛名湖 (群北第一交通 280円)
榛名湖   16:35 - 18:05 高崎駅 (群馬バス 1270円)

「鉄道」
高崎駅 18:15 - 20:03 新宿 (湘南新宿ライン)

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(相馬山からの谷川連峰)

いつもの年であれば、初歩きは、元旦か遅くとも3日までに行っているのですが、昨年末にチョイと強烈な風邪をひいてしまいまして、今年はスタートからやや出遅れ気味…ですが、今年も幸先良く好天に恵まれ、北関東ならではの大展望を満喫できました。

高崎を出たバスの窓から見た榛名山は遠目にも雪はついていないようだし、天神峠から登り始めに見た榛名湖も氷は所々に浮いているだけ…、年末に見た南アの雪の少なさといい、かなりの暖冬ぶりです。

しかし、さすがに北関東。のっけから白い雪道。天神峠から急な階段状の道を登って高度を上げるにつれ、真っ白な浅間山や上越国境の白い峰峰が見えてきて、思わず「わっ、すっげー!」と唸ってしまいます。これがあるから上州通いはやめられません。

けれども、浅間も上越国境の山脈も、樹木が邪魔してその美しさがうまく写真に収まらないのです。これは氷室山・天目山の両山頂とも状況は変わりません。とはいえ、周りの樹木は自然林百パーセントですから、この美林を切り倒してまでも展望地点を作るべきだとも思えず、複雑な心境でした。

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静かで誰にも会わない、防火帯のような径をゆっくりと歩くのはなかなか好い気分。このまま誰にも会わないかな、などと考えていると、七曲峠から登り返したところに三峰山を往復してきたお二人が休憩中で、私も三ツ峰山に登ることにしました。

お二人のアドバイス通り、三峰山への径は登りでもアイゼンが必要で、下りはアイゼンがないととても危険な状態です。祠のある三ツ峰山の山頂手前に浅間山が遮るものなく見える展望地点があったので、時間もちょうど良しということで、浅間山を眺めながらの静かで素敵なランチタイムとなりました。。。


三ツ峰山から来た径を戻って磨墨(するす)峠方面へ向かいます。かなり下って、1236m峰へ続く防火帯を見送って関東ふれあいの道の道標に従いまた下ります。車道に出てまた山道にはいるとやっと登りになります。磨墨峠には東屋があり、時間もちょうどお昼休みから一時間ほど経過していたので少し足を休めました。このあたりにくると相馬山が本当に大きく間近に見えます。

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石の階段状の道になり、ここも溶けた雪が凍っていてアイゼン無しでは歩くのはたいへんだと思います。四本爪でも好いので必ず持参してください。

相馬山への登り。現況ではアイゼン無しではたぶん無理だと思います。仮に登れたとしても降りてこられないでしょう。もちろんアイゼンがなくても登れる部分もあるのですが、ここは無いと非常に危険だな、という箇所が何カ所かあります。

相馬山へ高度を上げていくと、見えてきました「上越国境の白い稜線」。とりわけ平標から谷川岳までの谷川連峰、このあたりの雪の白さは他の白銀の山々とは格が違います。冬の柔らかな陽光を浴びて輝くその白さは美しさを通り越して神聖ささえ感じてしまいます。おそらくは関東から見える白銀の山脈の中でもっとも美しいのがこの谷川連峰ではないでしょうか。

こんな時間だから誰もいないだろうと登っていった相馬山の山頂には先客さんが一人。入れ替わりに頂上の神社にお参りして、小休止してから下山です。

凍結部分があるだけに、ハシゴやクサリがあっても神経を使う下りです。目を回すような高度感はないのですが、とにかく凍結していなくても嫌らしい下りなのに、凍結しているぶん余計にヤな感じです。慎重に下ってヤセオネ峠方面へ。

ヤセオネ峠までの道は雪が積もっている分、かえって歩きやすいぐらい。バスまで時間も余裕があったので、バスの通る車道に出るまでゆっくりのんびり歩きます。

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ヤセオネ峠からのバス(群北第一交通)は、12月から3月のこの時期、本数が半分になっていますので、十分注意してください。また、群馬のバス共通カードも使えません。
伊香保方面が先に来れば伊香保で温泉に浸かって帰ろうかと思ったのですが、先に来るのは榛名湖方面。しかしこの榛名湖方面のバスは榛名湖で一時間近い待ち合わせで高崎行きに連絡。

榛名湖の温泉に浸かるほどの時間もないので、仕方なく開いていたお店で早めの夕食。あまり美味しいとも言えない(笑)ワカサギ丼に千円も払って、このバスの連絡の悪さって、ひょっとして榛名湖周辺のお店との結託では(?)なんて妙なことを疑ってしまいました。

※最後に、昨年10月に右のサイドバーの方からお買い物くださった方、どうもありがとうございました。右のサイドバーのアマゾンはいちおうアフィリエイトなのですが、あまりに偏った個人的趣味に基づいているため、ここ経由でお買い物いただけるとは想像だにしてませんでした。よくみると掲載したものでなくともアフィリエイトの対象になるのですね~。どちらにしても本当にありがたいと感じました次第です。
<(__)>

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