【18きっぷ、雨飾山で有終の美 その2】 山バス情報162
【山行日】 2017年09月09日(土)
2017年09月10日(日)
【使用公共交通機関の詳細】
☆1日目(移動のみ)☆
「鉄道」
八高線某駅 - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎 (JR八高線)
高崎 07:12 - 08:17 水上 (JR上越線)
水上 08:24 - 10:20 長岡 (JR上越線)
長岡 10:57 - 12:29 直江津 (JR信越本線)
直江津 13:04 - 13:45 糸魚川 (えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 670円)
「乗合タクシー」
糸魚川駅アルプス口(南口) 15:00 - 15:40 雨飾山荘 (糸魚川タクシー 1000円)※予約制
「温泉&宿泊」
雨飾山荘 (1泊2食付 9000円 入浴料金含)
☆2日目(山行&帰路)☆
「歩行」
雨飾山荘 05:30 - 06:15 倒木ベンチ(1250m付近)
倒木 06:25 - 07:30 倒木ベンチ(1700m付近)
倒木 07:40 - 08:30 雨飾山山頂
雨飾山 08:55 - 10:15 荒菅沢
荒菅沢 10:30 - 11:00 ブナ平
ブナ平 11:10 - 12:00 登山口休憩舎
休憩舎 12:50 - 13:30 雨飾荘
「温泉」
雨飾荘 13:30 - 14:05 (700円 ビール400円)
「バス」
雨飾高原 14:25 - 15:06 南小谷駅前 (小谷村村営バス 840円)
「鉄道」
南小谷 15:28 - 16:26 信濃大町 (JR大糸線)
信濃大町 16:33 - 17:29 松本 (JR大糸線)
松本 18:37 - 21:25 大月 (JR篠ノ井線・JR中央本線)
大月 21:30 - 中央線某駅 (JR中央線各駅停車東京行)
(越後側から登っていくと、駒ヶ岳~鋸岳の稜線がとても魅惑的だった)
前日のうちに下見をしておいたので、水は登山口の入口にある山の水をそのまま水筒に詰め、ペットボトルにアクエリアスの粉末を入れてスポーツドリンク作成。お堂があったので、山中の無事をお祈りして、のっけから始まる急登をゆっくり上がっていきます。雨飾山までゆっくり歩いて4時間と下に表示がありましたので、遅くとも10時前には山頂に到着するはずで、事故でもない限りは帰りのバスに間に合わないなんてことはあり得ません。あせらずゆっくり行くことにします。
ツリフネソウなど見ながら、ゆっくりと登っていくと「薬師尾根」の表示。雨飾山3時間30分と書かれた場所に出ます。尾根に乗ったことが明瞭に判る地点で、ここでひと息ついていく方が好いかも知れません。私はさほど疲れてもいなかったので、そのまま歩き続けました。
尾根を上がっていくと、左手に鋸岳の特異な山容が見えてきます。形からすると鋸岳と言うよりも烏帽子岳という名前を附したい感じですが、実際に歩くとかなりぎざぎざな印象なのかも知れません。いろいろ花の写真を撮ったものの、ピンぼけが多くてあまり載せられないのですが、↓この白いお花の名前がよくわかりませんでした。ホツツジでしょうか?
ママコナ(?)が群落のように咲く中を登っていき、かなり汗が出てきたので、見つけた倒木をベンチにして休憩します。プロトレックの表示は1200mあたりを指していました。水分を補給し、Tシャツ1枚になって、更に登っていきます。左手の鋸岳~駒ヶ岳の稜線が何とも魅惑的で、今度はあそこを登りにもう一度雨飾山荘に泊まってみようか…とふと思いました。
休憩地点から20分ぐらいのところに「一ぷく処」の標識があり、梶山新湯(雨飾山荘)を指して1時間30分、雨飾山を指して2時間30分とありますが、登りでも1時間半ぐらいのものではないかと思います。本来はここで休憩するのでしょうが、先ほど休んだばかりですのでそのまま登っていきます。
更に高度を稼いでいくと、今度は左手に日本海も望めるようになり、足もとには花はもちろんありませんがイワカガミの葉っぱがたくさん見られ、この山のシーズンは初夏か紅葉時なのかな…と思いました。そして今回見たお花の中で、どうにも判らなかったのが↑この花なのですが…ご存知の方いらっしゃいましたらどうかご教示願います。丁度「中の池」に向かって湿地帯のトラバースに入ったあたりで咲いていたと記憶しています。
エゾアジサイを見たあと、これかい?という感じの「中の池」は眺めもない湿地帯で、休憩を取りたい気分にはならない場所でしたので、その先の急坂をある程度登ったところにあった倒木に腰掛けて休憩を取りました。プロトレックの表示は1650mあたりでしたが、あきらかに1631mの鋸岳を見下ろす形になっていたので、もう少し上だったと思います。そこは結構眺めも良くて、鋸岳の向こうに日本海も見えていました。
時刻は7時半過ぎ。休憩後は、最後の急登を片付ければ笹平の稜線と判っていましたので、かなり早い時間に山頂に着けそうだとメドもたって、マイズルソウなど写真に収めながら、じっくり高度を上げていくと笹平からの稜線に飛び出します。
笹平からの稜線は、お花も豊富ですね。山頂直下まで平坦な径なので、ハクサンフウロやヤマハハコ、ウメバチソウ、トリカブトなど、ゆっくり撮影しながら歩を進めます。最後の急登は、もうあそこまで登ればいいんだと思うと気が楽でした。早くも降りてくる綺麗な女性に道を譲ってもらって、「天気良くて佳かったですよね~」と爽やかに挨拶されたりすれば、こんな登りは何でもなくなります(笑)。
そういえば、雨飾山荘のご主人も、今日の天気はこの夏一番だと太鼓判を押していました。もう秋の気配が漂っているのではないかと思っていたのですが、たまに赤い実を見る以外は色づいた葉っぱも皆無で、まだ晩夏の雰囲気です。それに今日は天気が好すぎて日射しが強い!
後ろから来る人は誰もいないので、振り返って、先ほどすれ違った美人が雨飾の乙女の首のあたりを歩いているのを見つけて、妙な感慨にふけったり、登っている最中にノコンギクを撮影したりして、少しずつ上がっていけば、わりとあっさり山頂に着いてしまいました。
先に宿を出た昨日のタクシー同乗者と挨拶を交わして、三角点にタッチ。時刻は8時半で、下から休憩を入れてもピッタリ3時間で登れてしまいました。これなら、小谷でも温泉に入れそうだな…と考えながら、さすがにこの時間ではお昼には早すぎますから、ゆっくりお湯を沸かしてティータイムとしました。
上がってきたときは数人しかいなかった山頂も、30分近く休憩していると次々に登山者が上がってきて、笹原の中を歩く人の数も増えてきました。雨飾山に関してリンク先の人たちのレポを参考にして気づいたのは、小谷への下りで、皆さん結構時間がかかっているというのが気になっていた点でした。おそらく百名山ハンターのほとんどが小谷側から登ってくる関係上、登り優先で道を譲っているうちにいつの間にか結構な時間が経過してしまうのではないかと推測しています。
(山頂からの眺めは天気も好くてよかったが遠望はあまりきかない)
実際私も下りで30数人の団体などに遭遇した際はかなり待機時間が長くなりましたし、狭くて急峻な箇所が多い小谷側の登山道の特に上部はコースタイムどおりとはなかなかいかないのが現実のようです。
これだけ晴れ渡った雨飾山山頂というのもそう滅多にお目にかかれないよなぁ…と後ろ髪引かれつつも、先だっての木曽駒での痛い失敗のこともふと頭をよぎって(笑)、30分ほどで腰を上げて、ゆっくりノンビリ下ることにしました。と、下る前に一応西尾根の入口も少し偵察。のっけから密藪で、エアリアでは昔破線だったのが実線になっていたので、もう少し明瞭なのかと思っていたのですが、登山道があるとは普通の人だと気づきにくいだろうなという印象でした。
来た道を戻って梶山新湯分岐を過ぎ笹平へ。シゲクラ尾根や先ほど気になった鋸岳方面への道が分岐しています。こちらは逆に古いエアリアでは実線だったのが最新のエアリアでは破線になっているのですが、道は先ほどの西尾根に比べたらはっきり登山道と判るレベルでした。
笹平からは本当に急な坂を下ります。まるで谷底に向かって落ちていく感じです。登ってくる登山者はこんなにいるのか…というぐらいたくさんいて、皆さん、南側の斜面を登ってくるぶん、陽差しに照りつけられてバテてしまいがちな印象です。下りながら、暑い時期は、こちらの小谷側(南側)より越後側(北側)から登る方が遥かにラクなのではないかと思いました。
で、これだけ急傾斜で、登ってくる人が多いと、カメラで撮影する余裕がまったくと言っていいぐらいなくなって(本当に急なところはカメラを手に持ったままでは危ないぐらい)、この谷底の写真を撮ってから1時間ほどは画像がありません(笑)。
雨飾山から荒菅沢までエアリアのコースタイムは下り1時間10分となっていますが、やっぱり私も1時間20分かかってしまっています。荒菅沢はもう雪渓は全くなく、笹平の稜線にもなかったので、残雪というものにはお目にかかれずじまいでした。
荒菅沢では、まず冷たい水で顔や手を洗い、空いたペットボトルに念のため水を補給して、少し小腹も空いてきたので、昨日コンビニで買っておいたミニスイートクロワッサンをいくつか口にしてノンビリ休憩。
登りにとったとき、ここは間違えて沢を登ってしまう人が多いようですが、確かに対岸の登山道の続きが少し下流寄りにあるので判りにくいかも知れません。
で、エアリアでも注意してみれば判るのですが、下りの場合は、この先の登山道で尾根を乗っ越す為に結構な登り返しをさせられます。もう身体は下山モードになっているのでなかなか終わらない感じで、実際100mぐらいは登り返しているのではないでしょうか。
この登りで昨日のタクシー同乗者といろいろお話ししたのですが、下りになったところで先に行ってもらうことにしました。この時間にここまで来たら、あとは怪我をしたりしない限りは今日中に帰宅できるメドがたったというのと、よく見ればヘビイチゴや赤い秋の実が目に入ってきて、やっぱりもう山は秋なのだと、そういったものを写真に撮りながら下山したいと思ったからです。
荒菅沢から約30分ほどのところに「ブナ平」と標識のある素敵な場所があります。こういう名前の場所って、申し訳程度にブナが何本かあったりするだけだったりするのですが、ここのブナ林は素晴らしいですね。周りはブナ以外の樹がないぐらい。。。もう9月だというのに葉の瑞々しさはまるで新緑の時のよう…ブナベンチがあったので、足休めしたいというより、しばらくここに留まっていたい…、そんな感じでしばらく座っていました。
ブナ平には登山口まで50分の表示がありましたが、泥濘が多く、木道がなんの役にも立っていない道を歩いて行くと実際50分で携帯トイレ回収ボックスのある登山口に到着しました。
休憩舎があったので、ちょうど12時で、お昼にすることに。休憩舎にはホースとブラシがあるので、ここで皆さん靴の泥を洗い流していました。休憩舎には昨日のタクシー同乗者の方もいらしたので、山の話をしながらフリーズドライのパスタでお昼ごはんにしました。
その方は今日も山田屋に宿泊されるそうで、来るときも新幹線で糸魚川までいらしたそうです。私は今回かなり自分なりには贅沢に奮発したつもりだったのですが、いつか私もこんなふうに優雅な山旅をしてみたいなぁ…と。
食事を済ませ、靴の泥を洗い流し、じりじりと夏の陽差しが照りつける舗装道路を小谷温泉へ。しかしここのコースタイム…というか、もしかすると地図の方がおかしいのかも知れませんが、登山口から鎌池の分岐までの舗装道路歩きは、20分どころか10分もかかりませんでした。どこか別の分岐かと何度も見返したほどですがそんなものです。で、わりとすぐにまた雨飾荘近道に出くわします。この近道は地図の通りではないと思いますし、ヤブっぽいところも多くあまり歩かれていない印象でした。土の山道を十数分下っていくと雨飾荘のすぐ近くに出ます。
結局登山口から35分ほどで雨飾荘に着いてしまい、ゆっくり汗を流して15時のバスに間に合うと思っていたところが、14時のバスに間に合ってしまいそうです。ざっと汗を流してお湯に浸かり、14時のバスでも15時のバスでも帰宅時間は同じになってしまうと判ってはいたものの、やはりあの木曽駒の一件が記憶に残っていたこともあり、14時のバスで少し早めに松本まで行って、安心しようと決めました。
雨飾高原バス停は雨飾荘から5分ほど歩いて下ったところにあり、意外なことに、村営バスはいわゆるアルピコバスの大型バス。雨飾高原で乗車したのは私一人だけ。山田屋旅館の前で一人乗り込んできたほかは乗客は増えることなく南小谷駅へ到着。いかにマイカー登山が主流になったとはいえ、この乗車率では…と少々不安になりました。
南小谷の駅で18きっぷの5回目の欄に南小谷駅のスタンプを入れてもらって、初めての大糸線に乗車です。そうです。山を始めてもうすぐ19年目になるというのに今まで大糸線に乗っていなかったのです。今後は大糸線を利用して北ア行きを毎年一度ぐらいは…と。
がらがらだった二両編成の車内も白馬駅から大勢の登山客や観光客が乗り込み、信濃大町では3両となったものの、立ち客が出る始末。松本駅では1時間ほど時間が空いてしまいましたが、このあき時間を利用して松本で夕飯を済ませておいて大正解でした。18:37発の大月行きは松本駅が始発ではなく長野駅が始発の3両編成ロングシートで、席はなんとかギリギリ確保。
18きっぷ最終日だからでしょうか、車内は空席がほとんど無いままの状態が大月まで続き、駅弁を買って車内で…なんてことは出来ない雰囲気でした。
大月で10両の東京行きに乗り換えたところで、これでほぼ100%帰宅できると本当に安心できたのでしょう(笑)。南小谷駅の駅前で購入した「大雪渓」という名前のお酒をちびりちびりとやりながら、今回の、そして18きっぷでの山旅を振り返り、いずれの山行もきれいな青空が見えたことや、深田百名山も3座制覇(笑)できたことなど考えれば、いろいろあったけれども、上出来だったなぁ、と満足しながら帰途についたのでした。
※お花の名前、気がつかれたことがありましたら、お知らせいただけると嬉しいです。
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