2023.08.14

【今回はゴンドラで…入笠山】 山バス情報195

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【山行日】 2023年08月11日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 06:50 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 07:06 - 08:38 甲府 (中央線各駅停車)
甲府 08:51 - 09:51 富士見 (中央線各駅停車)

「バス」
富士見駅 10:00 - 10:10 ゴンドラ山麓駅 (シャトルバス:無料!)

「ゴンドラ」
ゴンドラ山麓駅 10:25 - 10:35 ゴンドラ山頂駅 (往復券:割引クーポンで1800円)

「歩行」
ゴンドラ山頂駅 10:50 - 11:45 入笠山山頂
入笠山山頂   12:15 - 13:00 入笠湿原
        湿原散策
入笠湿原    13:45 - 13:55 ゴンドラ山頂駅

「ゴンドラ」
ゴンドラ山頂駅 14:05 - 14:15 ゴンドラ山麓駅

「バス」
ゴンドラ山麓駅 14:41 - 14:51 富士見駅 (シャトルバス:無料)

「鉄道」
富士見 15:29 - 16:17 甲府 (中央線各駅停車)
甲府  16:53 - 中央線某駅 (中央線各駅停車立川行き)

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 前回は、ゴンドラもバスも使わず、青柳駅から登って富士見駅まで歩くというとんでもない愚挙をやった入笠山。次回はゴンドラでと考えていたところ、滅多に購入しない山岳雑誌にクーポン券が付いていたこともあり、信州方面の天気は好さそうな山の日に行ってみることにしました。

 18きっぷを使ってゴンドラに乗るには朝一本しかない10時のバスに合わせて、高尾発07:06の甲府行きに乗って、甲府で乗り換える必要があります。その高尾発07:06は高尾着07:00でも乗り継げますが、連休初日で好天予報ですから、一本前の06:50着に乗って、乗り継ぐことにします。
 乗り換えはホームを渡るのかと思っていたのですが、降りたホームの向かい側にすぐに入線してきました。予想通り、この時点で車内は満席。次の07:00着で乗り継いだ人たちは皆さん長時間立たされていたようでした。

 甲府からは3両編成ですが、これも立ち客が出る始末。小淵沢を過ぎても立っている人もいて、連休初日は6両とか無理なのかなぁ…と考えながら、富士見には定刻に到着。バスは既に待機していて、かなりの大型。30人は乗れるサイズの大きい車両です。これが無料というのは本当にありがたい。ほぼ満席で出発。

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(バス代無料というのがうれしいですね♪)

 

 ゴンドラの往復券を割引で購入すると、『入笠に咲く花』という冊子や300円のクーポンなどが貰え、チケットをよく見ると、「次回ご来場特典」として、大人300円割引が一年間有効とのこと。なかなか商売上手ですね。

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(これ、なかなかイイですヨ♪)

 

 富士見パノラマリゾートという大きな建物(モンベルショップもあります)をくぐって、思ったよりも離れたところにゴンドラ乗り場があります。15分待ちという表示もありましたが、ほとんど待つことなく、単独の私は一人で使わせていただき、早くも雲のかかり始めた八ヶ岳を見ながら、10分ほどで山頂駅。電車が混雑していたため、食べるのを躊躇していた残りのサンドイッチは山頂駅に着いてからおなかに入れ、ほっと一息ついてから、まぶしい陽差しのなか出発です。この時点で1780mですから、陽差しは強いものの、気温も湿度も下がっているのがよくわかります。

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 「入笠山→」の標識に従って歩き始めると、早速たくさんのお花が出迎えてくれます。ヤマユリ、コオニユリ、シモツケ、ヤマハハコ、ヤナギラン、そして、まだ蕾のレンゲショウマ。前回訪れなかったこのゴンドラ山頂駅付近にも、こんなにたくさんの花が楽しめる場所があるとは知りませんでした。

 しばらく歩くと、鹿柵の扉の向こうは見覚えのある入笠湿原。入笠山50分の表示に従って、せっかくの青空ですから、再びあの山頂に立つことにします。

 再びゲートを通って、お花畑経由で登っていきます。クサレダマ、ハクサンフウロ、コバギボウシ、ヤナギラン、そしてもうマツムシソウが咲いています。ノコンギク、キバナノヤマオダマキ、そういえばもう八月も中旬入り。秋の気配が少しずつやってきた感じでしょうか。。

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 思ったよりも結構きつい入笠山への最後の登り。岩場コースでお花もなく、汗を滴らせながら一歩一歩…。入笠山山頂は前回来たとき同様、青空の下、強い陽差しの中たくさんの登山者が憩っています。

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 青空の下、展望を楽しみながらの昼食と行きたいところですが、その展望の対象である山塊は雲がかかっているところが多く、なかでもいちばん分厚い雲に覆われていたのが、八ヶ岳の南部。北八ヶ岳のロープウェイという選択肢も考えていたのですが、北部はそれほど雲がかかっていなかったものの、この上空の青空と晴れ渡り様を見ると、今日はこちらで正解だったのかな…という感じで、おにぎりタイム。

 食事の後、しばらくぼんやり。さてこのあとはどうしようか…。前回は大阿原湿原に行ってから沢入に降りてしまったわけだけれど、今回は一本しかない帰りの無料シャトルバスに乗り遅れないようにしないといけません。

 エアリアも引っ張り出してコースタイムなど参考にしばらくにらめっこ。大阿原湿原には行く時間もなさそうだし、行ってもおそらく前回同様失望してしまう可能性大。首切り清水の水は飲用不可だし、舗装道路は歩きたくない。迂回路経由で戻ってゴンドラ山頂駅近くで時間をつぶすことに。 

 帰りもお花畑をゆっくり下り、そろそろ、鹿柵という手前で、あれ?レンゲショウマが咲いてる!登りでは気づかなかったけれど、いくつかある蕾の中のひとつふたつが花開いていました。

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 遊歩道を戻ってゆっくりと奥の方まで入笠湿原を見て回り、エゾノコリンゴがもう実をつけているのを見て、夏なんてあっという間に終わるんだよな~と感じながら、時計を見ると13:10。

 結構時間余っちゃうかな~と、もう咲いてはいないことは承知でスズラン自生地への木段を登っていきます。前回はこちらも歩いていなかったので、ゴンドラ山頂駅へはこちらからアプローチすることに…。  

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(画面中央から左上へと木段があり、その先がスズラン群生地です)

 

 山頂駅に着くと、予想通り時間が余ってしまったので、来るときに見た付近のお花畑を奥の方まで散策。道標のない踏み跡を上の方へたどっていくと、結構いろいろな花が咲いていて、行き止まりにはベンチもあって、そこから展望が好いということで、遠くを見やると、山頂では目にしなかった富士山がちょこんと山の肩に姿を見せているのに気づきました。

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(画面左上…わかるでしょうか? クリック拡大可)

 

 これで時間が少しつぶせて、山頂駅近くに戻ったのは14時。駅前のテラス式の売店でアサヒスーパードライ(370円)を買って、一層分厚い雲に覆われた八ヶ岳を眺めながらゴクゴク。

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 好い気分になったところで、ゴンドラに乗り込みます。帰りはおしぼりが渡されるなど、ホントきめ細かいサービス。山麓駅に着き、バス乗り場に行ってみると、14時半前なのに、もうバスが来ていて、まもなく人数がそろったところで、14:40頃発車となりました。もちろん、もう一台用意されていて、、そちらは定刻通り15時に発車したようでした。

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(ゴンドラから見る八ヶ岳は分厚い雲に覆われていました)

 

 富士見駅では15:29まで上り列車は来ないので、前回来たときに見つけた駅前のお土産屋さんでヱビスと真澄を購入。500円と言われ財布をまさぐっていると、このクーポンお持ちじゃないですか?と言われて目にしたのは、ゴンドラチケットを買ったときに「よかったらご利用ください」と渡された300円のクーポン券♪

 そうです、このお土産屋さんでも使えるのです。慌てて探し出して、渡すと、「200円です」。まさかここで使えるとは思ってもいなかったので、びっくりするやらうれしいやら。随分トクした気分になって、あのゴンドラで、また来夏も来ちゃおうかな!と思ったのでした。

 15:29の鈍行は塩山行き。すぐにぴんときて、18きっぷを見せて入場するとき駅員に確かめてみると、やはり甲府で乗り換えた方が好いとの返事。塩山で乗り換えても待ち時間は余り変わりませんが、同じ電車に乗るのなら始発の甲府で乗り換えれば席も確保できますし、時間つぶしも容易です。

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 なお、この日、富士見駅にはあずさの臨時が16:04にありましたので、18きっぷ利用でない方には、全く面倒くさい不要な情報ですが、18きっぷ依存症(笑)の人は覚えていた方が好いと思います。

 甲府でいつも購入する「甲州ワイン」をちびりちびりとやっているといつの間にか寝入ってしまったらしく、塩山から先の記憶がほとんどないまま、気がつくと相模湖駅(笑)。そこから先は寝過ごすことはなく予定駅で降車して好い気分で家路についたのでした。
 

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2022.08.21

【18きっぷと北杜市民バスで日向山】 山バス情報184



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(浜辺で遊んでいる子供もいます:笑)

 

【山行日】 2022年08月15日(月)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 06:19 大月  (JR中央線各駅停車)
大月    06:25 - 07:13 甲府  (JR中央線各駅停車)
甲府    07:24 - 07:50 日野春 (JR中央線各駅停車)

「バス」
日野春駅  08:03 - 08:25 べるが東名水公園 (北杜市民バス 200円)

「歩行」
べるが東名水公園バス停 08:33 - 09:05 竹宇駒ヶ岳神社駐車場
駐車場         09:15 - 10:00 舗装道路に出たところ
舗装道路        10:05 - 10:45 稜線に出たところ 丸太ベンチ
稜線          10:50 - 11:50 雁ヶ原
雁ヶ原         12:10 - 12:55 丸太ベンチ
丸太          13:00 - 14:33 べるが東名水公園バス停

「バス」
べるが東名水公園 14:33 - 14:53 長坂駅 (北杜市民バス 200円)          

「鉄道」
長坂 14:58 - 17:14 高尾  (JR中央線各駅停車)
高尾 17:19 - 中央線某駅   (JR中央線各駅停車)

 

【地形図】 「長坂上条」

 

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(三角点から雁ヶ原へはほぼ平らな道のり)

 

 山梨百名山で、タクシーを使わずに日帰りできそうな未踏の山というのは、私の場合、もうさすがに残り少なくなってきておりまして、この日向山とあとは足和田山、それに身延山ぐらいでしょうか。。。

 日向山は、過去に何度か計画していて、それは韮崎から下教来下行きのバスを使って、松浦本のバリハイルート、もしくは長い車道歩きをするというものでしたから、夏場はちょっとしんどいものがあります。

 それになぜか、行こうとすると夢見が悪くて(笑)、行き先を変えたり、山行き自体を見送ったりしていました。

 そろそろ、足慣らしを称した高原歩きばかりやっていても、行きたい山に登って降りてくる筋力がつかないということもあって、いろいろ調べていましたところ… 皆様も御存知の北杜市後援のマウンテンタクシー。この尾白線を使って…というのも一つの手なのですが、予約をしなければ乗れない上、今年から(?)は土曜休日は料金が1500円と、ええ?それはちょっと…、という値上げ。。。矢立石まで上がってくれるのなら、その料金も納得ですが(そういう意味では観音平線は利用してみたいですね…)、たいして高度も稼いでくれない駐車場まで1500円も出すのはちょっとなぁ…、と迷っておりました。

 ところが、よく調べてみると、北杜市民バスの3号車(西線:愛称グリーンライン)が朝の8時過ぎに日野春駅前から出ていて、これが「名水公園べるが東」というところまで行ってくれます。運賃はたったの200円で、1500円乗り合いタクシーの行く駐車場まで徒歩30分ほど。。。マウンテンタクシーに小淵沢駅で乗車する時刻に、駒ヶ岳神社の駐車場に着けるわけです。

 幸い私のところから、日野春駅に8時前に行く電車を捕まえるのは早起きさえできれば訳のないことなので、暑くて大変だろうけれど、行ってみようと言うことで、チャレンジしてみました。。。

 幸い夢見も悪くなく目覚めてくれましたので(笑)、予定していた各駅停車を乗り継いで日野春駅。

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(北杜市民バス:3号車)

 

 バスはバス停の前ではなく、改札を出て左のところにスタンバイしていて、愛称の通り緑色の車両です。バスはどこから乗ってどこで降りても一回200円です。

 「名水公園べるが東」のアナウンスがあったので、降車ボタンを押して、200円払って降りると、え?、という感じのだだっ広い畑のど真ん中みたいな場所で降ろされます(笑)。

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(名水公園べるが東バス停)

 コンパスと地形図「長坂上条」で行く方向を割り出そうかとも思ったのですが、幸い同乗していらした登山者は若くて、感じの好い方だったので、「甲斐駒まで行かれるのですか?」と問いかけ、スマホを持っていらしたので、この方にきいた方が早い!と「今いる場所わかりますか?」と聞いてみました(なんて厚かましいジジイなのでしょう(笑))。

 その結果、簡単に答えがわかりました。。。

 かいつまんで言えば、バスの走り去った方向に歩いて行くと、すぐに十字路になり、「べるが通り」という通りにぶつかりますから、左折して、べるが通りをずっと歩いて行けば、指導標に突き当たります。山が行く手に見えていますし、なるほど、という感じです。

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(しばらく歩くと、この標識に突き当たります)


 もちろん、もう一つ先のT字路まで行って、エアリア赤線をたどってもいいのですが、駒ヶ岳神社の方からアプローチするのでしたら、ただ遠回りになるだけです。

 朝っぱらから、暑い中を長い長い林道歩きで行く気はありませんでしたし、将来、黒戸尾根を登る機会の下見(?)もかねて、駐車場まで歩きます。
 暑いです、やはり夏場は避けるべきです。予想通り駐車場まで30分ほどでしたが、もう汗が噴き出して、駐車場の先で水分補給してから、登山口へ。

 予想通りでしたが、今や滝の続くルートは冬期以外も、登路としても使えない状態のようです。仮に滝の続く道を事故らずに通過できても、その先の林道が崩落していて、歩行者も通行止めの状態になっているためです。私の持っているエアリア『北岳・甲斐駒』2017年版では12月から4月は渓谷道の通行が禁じられ、夏秋でも上り一方通行との表示ですが、こうしてみると現在は実質的に通行できない状態のようです。

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 渓谷道はあきらめ、矢立石への登山道を進むことにします。矢立石まで50分との表示がありますが、私は一時間近くかかりました。久々の登りらしい登りで、しかも標高も700mあたりからのスタートですから、物凄い汗が出てきます。途中、休憩中の小学生の子供たちに「杖をついてズルイ」と言われたりしながら(笑)登ります。

 植林が無く、自然林の森を歩けるのはこのコースの好いところではありますが、とにかく汗が凄い量です(笑)。何回か炭窯跡らしい石積みを見て、いったん車道に出たところで、たまらず水分補給。その先でショートカットの急登をこなすと、いわゆる矢立石の駐車場と思われるところに出ます。。。狭い場所に10台は駐めてあります。

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 下の駐車場から上がってきたらしいカップルが「こんなところに駐車場があったの?今までのこの汗は何?」と言っているのを聞いて、まったく同感(笑)。私のストックなんかより、この車の人たちの方がずっとズルイでしょ、と先ほどの小学生に言ってやりたい気分でした。

 矢立石登山口からは、少しずつ傾斜が緩む感じですが、尾根に出るまでは結構な登りで、またまた汗が噴き出てきます。尾根に出たところにちょうど良い丸太を横たえただけのベンチ(?)があったので、そこで水分補給をかねて一息入れます。先ほどの休憩から30分ほどしか経過していないのですが、、ここからも結構な道のり(まだ300mほど登らないといけません)なのはわかっていましたので。。。

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(主尾根に乗ったところの丸太ベンチ?)

 

 尾根に上がってからは、稜線歩きですが、笹が腰高~背丈という伸びっぷり。尾根の下は刈り払いされているせいで、ホトトギス以外お花はほとんど見られないのだと思いながら上がってきたのですが、尾根上は刈り払いがされていなくて、笹藪に近いところもあって、逆の意味でお花が見当たりません(笑)。。。

 笹原をずっとたどっていけば、やがて日向山の三角点の分岐があり、そこに行けば山梨百名山の標柱があるかも知れないと行ってみましたが、あったのは三角点と日向山三角点の標識だけ。ちなみに分岐点から1分もかからないです。

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(分岐からすぐの三角点…なぜかお賽銭が…)

 

 そこから、実質的な日向山山頂である雁ヶ原は思ったほどの時間もかからず到達したのは標高差がほとんど無いからでしょうか。。。

 それまでの笹原から一気にこんな場所に…という感じはありますが、高いところが苦手な私はここでズルッといったらと思うと怖くて(笑)、皆さんのように突端まで行く気がしません(苦笑)。

 

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(みなさん、突端まで行ってました…)

 お昼ご飯を食べながらも、谷側の淵近くを歩いている子供を見ているだけではらはらしてしまいます(笑)。

 展望は周囲の山にガスがかかっているせいで、あまり楽しめませんでしたが、それでもやはり、もうひとつの山梨百名山である、お隣の雨乞岳は同じような水晶ナギが目印になってくれたこともあって、しっかり確認できました。 やはり、ここは冬に、空気が澄んだ頃に訪れるのが好いのでしょう。

 さて、下山ですが、ここ雁ヶ原にも真新しい警告が掲示されていて

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 これを見て、ピストンしかないか、まぁ、元のバス停に戻ることには変わりが無いし、ということで、8の字にルートをとることもあきらめることにしました。

 何年か前でしたら、自己責任で下の林道まで…とも思ったのでしょうが、事故無く錦滝への林道に降り立ったとしても、その先の林道が崩壊しているそうですし、もう2年も山歩きをサボっていたという自省もあります。そして、自分はもう中年でさえないという年齢。。。そしてピストンなら14時のバスに間に合うかも知れない…ということも頭をかすめましたので、潔くピストンすることにしました。

 来た道を戻るだけですので特筆することは無いのですが、途中でモーターの音がしたと思ったら、なんと、登山道の整備をしている人たちでした。登るとき気になっていた、段差の激しい部分の崩落個所を修理してくれていたのです。おそらく、尾根の上部の笹藪も刈り払いしてくれたのではないかと思います。

 さて、矢立石の下で、車道に出たところで、いい加減下り疲れたので、朝の駒ヶ岳神社駐車場には降りずに、そのまま、車道を歩くことにします。エアリアのコースタイムを見ると、タイムが短縮できるような気がしましたし、モロピストンは避けられる(?)からです。

 

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 皮肉なことに、登山道よりも、こちらの車道歩きの方がお花もたくさん見られましたし、下りで陽差しもあまりないので苦になりません。

 やはり、エアリアの車道歩きのコースタイムは当てにならないなぁ…と感じながら、ようやく里に近いところに出ると、別荘や最近できたばかりらしいオートキャンプ場がありました。

 14時のバスには間に合わないか…、でも今日は暦の上では平日だから16時のバスがあるかも知れないし、15時の日野春駅手前までしか行かないバスなら来るはずなので、それまでの時間は尾白の湯で汗を流せばいい、そのために地形図「若神子」も持ってきたし。。。と歩いていたら朝降りた停留所の近くで、ドンピシャでやってきたバスを手を振って停めて、頭を下げて乗り込みました。

 この14時のバスなら、長坂駅まで運んでくれるし、長坂駅では、すぐの高尾行きの各駅停車に連絡してくれます。ありがたいことです。もともと地元の住民の方たちのために走っているバスを、こんな風に利用して、多少申し訳ない気もしましたが、降車時にお礼を言って料金を支払い、無事連絡の好い各駅停車に乗ることもでき、ゆったりとした車内で寛ぎながら、帰途につきました。

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2018.12.20

【オンデマンドバスで…貫ヶ岳 その3 車道歩き&帰京篇】 山バス情報176

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(芝富橋にて:山中では見えなかった富士山が芝川駅直前で姿を現した)

【山行日】 2018年12月15日(土) 

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 04:51 八王子 (JR中央線各駅停車)
八王子 04:53 - 05:05 橋本  (JR横浜線)
橋本  05:12 - 05:47 海老名 (JR相模線 信号機点検で遅延)
海老名 05:49 - 05:54 本厚木 (小田急線 振替輸送
本厚木 05:56 - 06:33 小田原 (小田急線急行 振替輸送
小田原 06:45 - 07:22 三島  (JR東海道線)
三島  07:29 - 08:12 興津  (JR東海道線)

「バス」
興津駅   08:25 - 08:44 但沼車庫 (静鉄ジャストライン 360円)
但沼車庫  08:50 - 09:00 和田島車庫 (両河内線自主運行バス 200円)
和田島車庫 09:05 - 09:25 樽上 (両河内線自主運行バス 100円:乗り継ぎ割引)

「歩行」
樽上    09:30 - 10:30 樽峠
樽峠    10:40 - 11:15 平治の段
平治の段  11:25 - 12:20 貫ヶ岳
貫ヶ岳   12:45 - 13:50 一乗寺
一乗寺   14:00 - 16:00 芝川図書館
芝川図書館 16:30 - 16:35 芝川駅

「鉄道」
芝川 16:49 - 19:16 甲府 (JR身延線)
甲府 19:45 - 20:33 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 20:50 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「篠井山」 「富士宮」

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  (中沢集落)

注意
 ここからは、一乗寺に下山後、中沢公民館から車道歩き約2時間で芝川駅へと向かい、電車で帰京した経緯を書きます。下山時点でまだ14時でしたし、歩く体力も気力も残っていたため、歩きましたが、疲れていたり、駅に着く前に日没で真っ暗になることが予想されれば、タクシーを呼ぶ用意はしてありました。
 実際、この車道歩きは、暗くなってから敢行すると、山中暗闇のなか、ヘッドランプで歩くよりも、むしろ危険であると言えます。人の歩く道幅がほとんどないような車道ですから、暴走気味のクルマや、大型トラックに接触すればひとたまりもありません。命あっての山歩きという趣味ですから、この点、十分に留意して安全な登山を楽しまれて下さい。


*************

 登山道から降り立った舗装道には一乗寺という立派なお寺があり、その前で、これから進む車道の地図コピーと今まで使った地形図を入れ替えたりと、少し準備。

 公民館の先で、右ではなく左に行きました。芝川と決まっていれば、若干右の方が近いようですが、Googleの立体画像でシミュレートしたのが左の道でしたし、雰囲気も明るい感じです。811号線はスクールバスも通る道路ですが、ほとんど交通量は無いという感じで、車道歩きもほとんど苦になりません。192号線もあまり交通量は無く、予想通り、やはり52号に出ると途端に交通量が増えます。

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(52号に出るまでは、ほとんど交通量はない)

 52号で左に行けば韮崎・身延(十島駅)方面ですが、やはり静岡・興津駅(芝川駅)方面へと右に進むことにします。理由は、十島方面は少し登りになるのと、何より、この先のトンネル通過で、芝川方面は写真↓のごとく、歩道が分離されているのに対し、十島駅方面はトンネル内を行かなければならず、排ガスを思い切り吸わされることになるためです。


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(歩道と車道が分離されていてありがたかった)

 トンネルを抜けたすぐ先で、52号から190号へと左に折れて入るのがこの車道歩きのポイントで、そこには「←芝川」の表示もあります。

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 しかし、この190号の車道歩きが長いうえに、怖いこと怖いこと。右側を歩くより左側を歩いた方が安全です。理由は右側は大型ダンプの通行が多いのと、歩くスペース自体がほぼ無いことです。左側も非常に狭いのですが、 右側よりはマシです。右側にはガードレールがあったりするのですが、ガードレールの向こう側(右側)は歩くスペースなど全く無いのです。何のためのガードレールなのでしょうか。

 何度かヒヤッとしたり、怖い思いをしながら歩いて行くと、左側に民家が現れたあたりから、歩くスペースが幾分広くなってきたと思ったら、見覚えのある看板が…。

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 そうです、10年ほど前に、白鳥山に行ったとき、降りてきた塩出の集落です。懐かしい想いでさらに県道を歩いて行き、短いトンネルを抜ければ、斜め右に進み、まもなくであの内房橋です。内房橋から振り返り見れば、10年前と同じように白鳥山が好い形でそびえています。

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(白鳥山はこの角度から見るとかっこいい)

 富士川を渡り身延線の線路に突き当たったところで、右に線路沿いに歩いて行くと、ちょうど15:47発の富士行き電車に抜かれてしまいましたが、まぁ、今日は、朝の電車遅延もあったことだし、あの東海道周りではなく、1時間あとの甲府周りで帰る方が好いでしょう。

 歩いて行くと酒屋さんがあったので、寄ってみたところ、店の女将さんがいろいろ話しかけてきてくれて、次の電車まで1時間ほどあると言うと、寒いでしょうから、すぐ近くの芝川会館にある図書館で発車時刻前までいらしたら、とのアドヴァイスをいただき、行ってみたところ、なるほど静かで座るところもたくさんあるし暖かい。おまけに人も少なかったので、寒い思いをせずに甲府行きまでの時間をゆったりと過ごすことが出来ました。

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 芝川会館前には市営のバス停がありましたが、これに乗らずとも、芝川会館から歩いて5分もあれば芝川駅に行けます。

 図書館から芝川駅に向かうと、芝富橋を渡るところで、綺麗な富士山が見えているのに気づき、びっくり。山から見る富士山も良いけれど、こうやって山旅の終わりに目にする富士山もまた好いものだなぁ…と。今日は、朝からいろいろあって大変だったけれど、終わりよければすべてよしとはまさにこのことです。というわけで、あまり良い印象は持てなかった貫ヶ岳も、これで、少しはいい思い出になるかな、という感じで、芝川駅。

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 しかし、急行が停まらない身延線の駅は、駅の場所が道路のどこにも表示されていないことが多いので、初めて来る人は気づかずに通り過ぎてしまうのでは…?と心配してしまいます。

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(この階段を右に降りたすぐのところが芝川駅 道路側には何の表示もない)

 芝川駅には人は一人もいません。駅員がいないだけでなく電車を待つ乗客がいないのです。駅で電車を待つ間にだんだん日が暮れかかってきたのですが、たぶん、初めて来た人は、こんな状況に置かれたら、本当に電車が来るのかどうか不安になってしまうだろうと思います。

 調べてきた身延線のダイヤでは、30分後の富士行きで帰った方が、少しですが甲府周りより早く帰れるとわかってはいました。 しかしながら、この甲府周りの方が自分には馴染みがあるし、やはり朝のあの一件がありますから(笑)、素直に甲府行きに乗り込みました。 

 こちらだと、乗換は甲府と大月の二回だけで済みますし、東海道線は結構混雑するんですよね。二両しかない身延線でも、芝川からですと、さすがに席はよりどりみどり。間もなくとっぷりと日が暮れ、車内で先ほどの酒屋さんで購入した日本酒を呑むと、身延に着く前にぐっすり寝入ってしまいました。

 甲府では、いつも通り、すぐの連絡の塩山行きは見送って30分後の大月行きに乗り換えるとか、このあたりはさすがにもう慣れたものです(笑)。あずさに先に行ってもらってから、大月行きが発車ということまで身体が覚えている感じです。

 ところで、この日のあずさは空いていましたが、混雑するときは甲府でも立ち客が出たりするのをよく目にします。あずさだと、どれぐらい早く帰れるのか知りませんが、通常運賃+特急料金を払って、しかも立って帰るなんて、私には絶対に出来ないことです。

 この日もお約束のように、甲府駅で、このワインを購入して、ちびちびやりながら、各駅停車で家路につきました。

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2018.12.18

【オンデマンドバスで…貫ヶ岳 その2 山行篇】 山バス情報176

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(樽峠から平治の段へ向かう稜線…このとおり、どこもかしこも植林だらけだった)

【山行日】 2018年12月15日(土) 

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 04:51 八王子 (JR中央線各駅停車)
八王子 04:53 - 05:05 橋本  (JR横浜線)
橋本  05:12 - 05:47 海老名 (JR相模線 信号機点検で遅延)
海老名 05:49 - 05:54 本厚木 (小田急線 振替輸送
本厚木 05:56 - 06:33 小田原 (小田急線急行 振替輸送
小田原 06:45 - 07:22 三島  (JR東海道線)
三島  07:29 - 08:12 興津  (JR東海道線)

「バス」
興津駅   08:25 - 08:44 但沼車庫 (静鉄ジャストライン 360円)
但沼車庫  08:50 - 09:00 和田島車庫 (両河内線自主運行バス 200円)
和田島車庫 09:05 - 09:25 樽上 (両河内線自主運行バス 100円:乗り継ぎ割引)

「歩行」
樽上    09:30 - 10:30 樽峠
樽峠    10:40 - 11:15 平治の段
平治の段  11:25 - 12:20 貫ヶ岳
貫ヶ岳   12:45 - 13:50 一乗寺
一乗寺   14:00 - 16:00 芝川図書館
芝川図書館 16:30 - 16:35 芝川駅

「鉄道」
芝川 16:49 - 19:16 甲府 (JR身延線)
甲府 19:45 - 20:33 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 20:50 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「篠井山」 「富士宮」

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(十国展望台からの展望:白鳥山は見えるが富士は雲の中。)

 集落の最奥まで運んでもらったおかげで、見覚えのある登山口には10分もかからず到着。そのまま、樽峠への登山道に入って行きます。登山道はさすがにこの前の台風で倒木などあって、やや荒れ気味でしたが、最低限の補修は既にしてあり、沢を渡り返す箇所などに留意していけば、ほぼ問題ない感じです。

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 ただ、途中1カ所、少しわかりにくい表示↑があって、ここは、小尾根を上がる方がヒュッテで、やや下って水場へ向かう方が峠道です。水場から再び登りとなって、ジグザグを切って高度を上げます。水場から私の足で20分ほどで石像のある樽峠。ライトバンバスを降りて歩き始めてからちょうど1時間ほどでした。

 峠は北からの風が強く寒いので、少し戻った石像のあたりで風をよけながらティータイムにしました。前回この峠へ上がったときにも同じようなことを書きましたが、樹という樹が植林で、この樽峠もこれから進む平治の段方面もあきれるほど植林がびっしりと並んでいます。ただ、手入れはきちんとしているため、それほど陰気な雰囲気ではありません。

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(樽峠:静岡側にある石像 こちらの方で風をよけて休憩した)

 峠から平治の段方面へと向かっていくと、すぐそばに未舗装とはいえ林道のような幅広の道が上がってきているのが見え、木段の急登が始まります。入口には「貫ヶ岳登山道入口」という表示まであり、将来はここまでクルマで上がって登れるようにするつもりなのでしょうか…(それはちょっとやりすぎのような感じが…)。

 樽峠から平治の段は標高差200mほどで、木段部分はかなり急登ですが、ここを登り切ってしまえば、この日の登りはもう終わったようなものと、このときは思っていました。登り切れば、あとはカヤトの切り開きの中の平坦な径となり、進んだ先が平治の段(937m)でした。植林の中の一角ですが、この日の最高地点ということもあって、ここで二回目のティータイムとしてしまいました。

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(平治の段:ここも植林だらけ)

 お茶を飲んで、ひと息ついたら、「貫ヶ岳頂上・十国展望台・晴海展望台→」と記された方向へ歩いて行ったのですが、なんと平治の段からわずか1・2分のところが十国展望台と呼ばれる場所で、確かに眺めもよくベンチもあるし、休憩を取るならこちらにすべきでした。まさかこんなにすぐ近くにあるとは思っていなかったのです(笑)。

 ただ、この日、この辺りは天気予報や天気図で想像していたのとはまったく違う、雲の多い天気で、展望は、「あそこに富士山が見えるはずなんだな」というぐらいしかわからず、十国展望台では陽差しも全く無い状態でしたので、強い風はやんでいたとはいえ、それほど後悔はしませんでした。

 十国展望台の先は結構急な坂を下ることになります。地形図で見て想像していたよりも傾斜があり、ということは、929への登り返しはまたしぼられるのかな…と思っていたのですが、929への登り返しはそれほど苦も無く、折しも陽差しが出てきて、晴海展望台では手前に白鳥山(山梨百名山最低標高)、そしてその向こうに最高標高の富士山(と言っても頭がほんのちょっと覗いているだけ)がセットでお目見え。

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(陽差しが出てきた晴海展望台:白鳥山の左上に富士山の頭が見えているのがわかるでしょうか:クリック拡大可)

 一瞬ここで早めの大休止にしようかと考えたのですが、ここまできたら、お昼過ぎに山頂でもたぶん、お天道様は隠れずに待っていてくれるだろうと楽観的な気持ちになって、中沢への下山ポイントもまだ確認していないし、山頂まで行ってお昼にしようと先へ進んでしまいました。

 歩いて行くと、この日初めて(実は唯一)ハイカーとスライド。中沢への下山径を確認して、ひとつ小ピークを越えたその先の貫ヶ岳への登り、これが意外にもきつかったです。平治の段から見れば50m近く低い貫ヶ岳ですが、やはり名前が付き、仮にも山梨百名山に選定されただけのことはありますね。わ、こんなに急なところを登るのかと息が少し切れました。

 しかし、お昼をちょっと過ぎただけにしては静かだなぁ…と感じながら登っていくと、山頂には誰もいません。特に眺めもよくないし、カヤトを切り倒しただけの殺風景な山頂。おまけに陽は完全に陰ってしまって(笑)、ちょっとトホホな気分でのお昼ごはんとなりました。

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(山頂には大城を指し示す指導標もあったが…)

 ただ、山頂で見かけたこの指導標にはちょっとびっくりしました。北方向を指して「大城」となっているのです。貫ヶ岳の北尾根に関しては、ネットで調べたので知っていましたが、いずれも石合のあたりから取り付いていて、大城へ降りたり大城から登ったり出来るとは知りませんでした。

 この大城下山コースですと完全一筆書きのコース取りですから、少し惹かれるものもありましたが、今日は行きの電車からしてよくない兆候の気がしましたし、大城へ降りたあと、井出駅に車道歩きで向かうにも、井出駅はかなり大回りしないと富士川を渡れないことは地形図「篠井山」を見れば一目瞭然。

 せっかく中沢から芝川・十島への車道歩きをGoogleの立体画像でシミュレートしてきたのだからと、中沢へ降りる当初の予定通りの下山とします。

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 下山道は、今や貫ヶ岳のメイン登路となった850m圏峰から東~南東へと伸びる尾根づたいに径がつけられていると思うのですが、地形図には破線も何もありません。地形図「篠井山」で見ればわかるように、最初の600m近辺までの急坂のあとは、傾斜の緩い尾根下りで中沢集落まで降りられます。ただ、本当に徹頭徹尾、杉の植林で、ここまで植林一色だと逆に「あっぱれ」と言うべきかも知れません。

 径はしっかり整備されており、尚且つ、小さい石のケルンもあって、この径に関する限りは迷う心配はまず無いでしょう。突然、視界が開けるところがあって、そこからは淡い今更のような紅葉が見えたりして、なんだか複雑な気分です。

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(いまさらのように紅葉が…)

 そんな尾根下りも下山の分岐にあったとおり、1時間で舗装道路に着地。降りたところには、ヤマビル注意の他に、こんな注意書きが。。。

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 なんと、中沢からの周回コースとされている中沢峠からの沢径が通行止めということです。上には、山頂はもちろん、平治の段にあった中沢峠(中河内峠)を示す指導標のところにも、こういった表示は一切無く、如何にメイン登路とはいえ、ここだけにこの注意書きを張っておくのは、少々問題ではないかと思います。場合によっては、高ドッキョウから来た登山者が、時間切れで貫ヶ岳を諦めてエスケープで中沢に降りることも考えられますから、少なくとも平治の段にはこの表示を掲げておくべきではないかと思います。

 ※ここから、良識あるハイカーであれば、タクシーを呼んで十島駅へと向かうのが当たり前なのでしょうが、私はケチなので(笑)芝川駅まで歩きました。ここから先は、車道歩きと帰りの電車の記述になり、大半の方は必要ないかと思いますので、これもまた別記事にしてアップすることにします。

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2018.12.16

【オンデマンドバスで…貫ヶ岳 その1 アプローチ篇】  山バス情報176

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(樽集落の最奥の茶畑…この手前近くまで運んでもらった)

【山行日】 2018年12月15日 (土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 04:51 八王子 (JR中央線各駅停車)
八王子 04:53 - 05:05 橋本  (JR横浜線)
橋本  05:12 - 05:47 海老名 (JR相模線 信号機点検で遅延)
海老名 05:49 - 05:54 本厚木 (小田急線 振替輸送
本厚木 05:56 - 06:33 小田原 (小田急線急行 振替輸送
小田原 06:45 - 07:22 三島  (JR東海道線)
三島  07:29 - 08:12 興津  (JR東海道線)

「バス」
興津駅   08:25 - 08:44 但沼車庫 (静鉄ジャストライン 360円)
但沼車庫  08:50 - 09:00 和田島車庫 (両河内線自主運行バス 200円)
和田島車庫 09:05 - 09:25 樽上 (両河内線自主運行バス 100円:乗り継ぎ割引)

「歩行」
樽上    09:30 - 10:30 樽峠
樽峠    10:40 - 11:15 平治の段
平治の段  11:25 - 12:20 貫ヶ岳
貫ヶ岳   12:45 - 13:50 一乗寺
一乗寺   14:00 - 16:00 芝川図書館
芝川図書館 16:30 - 16:35 芝川駅

「鉄道」
芝川 16:49 - 19:16 甲府 (JR身延線)
甲府 19:45 - 20:33 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 20:50 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「篠井山」 「富士宮」

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(芝川駅まで歩いた)

 ※今回は行きに交通機関のトラブルがあったのと、初めてのデマンドバス利用山行ということで、アプローチ部分の説明がかなり長くなってしまいました。この為、山行及び帰路につきましては別の記事としてアップすることにします。貫ヶ岳に公共交通機関のみで登りたい人は余りいないと思いますので、興味の無い方は当記事は飛ばして下さい。


 未踏の山梨百名山のうち、タクシーを使わずに日帰りで行けそうなところというのは、もうあまり残っていない状態なのですけれど、失礼ながら貫ヶ岳はタクシーを使ってまで登りたいとは思っていませんでした。

 ところが、両河内線自主運行バスのサイトの運行ルートをよくよく見てみると、但沼車庫から先の電話予約必須のデマンドバス、板井沢の上の樽の集落まで点線ですが、行ってくれるように描かれています。これなら、比較的早い時間に樽峠まで行けますし、中沢に降りたあと2時間ほどの車道歩きで、身延線の十島駅や芝川駅に行けそうだとGoogleマップを見て判断できました。

 で、電話で問い合わせてみると、やはり樽上(たるかみ)というところまで入ってくれるとのこと。前日の金曜日に電話して予約をしてしまいました。

 それで、今回は18きっぷを使って中央線で八王子、横浜線で橋本、相模線で茅ヶ崎、東海道線で三島乗り継ぎで興津駅に08:12着というJRのみの4回乗換で行く予定だったのですが…。 橋本から乗った相模線が遅延し、運転見合わせの可能性もあるとのアナウンスが入り、「うわ~うそ~、間に合わないじゃんよ~」と頭を抱える事態に。

 いちおう、こんな時のためにと、新幹線で一部区間をワープする場合の乗り継ぎも調べておいてはいたのですが、列車が遅れたからといって18きっぷで新幹線に乗せてもらえるわけがありません。小田急線での振替をやっていますとのアナウンスで、慌てて携帯で海老名からのルートを調べてみると、海老名発05:49の本厚木行きに乗れさえすれば、小田原での乗り継ぎは余裕があると解りました。

 海老名到着時に既に9分遅れとのアナウンスでしたので、どう考えても7分乗り継ぎの予定だった茅ヶ崎でのJR乗換は間に合いそうにありません。一か八か海老名で小田急線までダッシュしてみて、もし間に合わなければ、その時は小田原から新幹線でワープする最後の手段をとればいいと、近年やったことの無いほどの全力疾走(笑)で小田急線へ突進。ちなみに同じ名前の海老名駅でも、相模線と小田急線は結構離れています。小田急の改札は脇をすり抜け強行突破。下り電車の発車ベルが鳴っているなか、階段を駆け下り…。

 運が良かったのでしょう…。私が乗車した途端ドアが閉まってギリギリセーフ。本厚木で急行小田原行きに乗り換え、小田原で相模線からの振替を申し出ると、小田急線の運賃は免除♪「小田急の部分くらいなら払っても」と思っていましたが払わずに済みました。

 東海道線は通常通り走っていて、小田原から先は本当に久しぶりに海を眺めながらの電車で、乗っている乗客の表情もどこかゆったりした感じです。 沼津行きでしたがひとつ手前の三島で乗り換えて興津駅(おきつえき)は予定通り08:12着。但沼車庫行きのしずてつジャストラインバスを待ちます。ちなみに静鉄ジャストラインのバスはICカード使用可です。

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 静鉄ジャストラインのバスは大型のバスで、12年前高ドッキョウへ行ったときと変わらないものでしたが、自主運行バスの但沼車庫から先は、この当時とはまったく違う、いわゆるライトバンバス。

 但沼車庫から和田島車庫までは定時運行とサイトのPDFファイルには載っていたので、待機していた大きなバスの方かと思って行き先を見てみたのですがまったく違う行き先。。。少し離れたところにライトバンが停まっていたので近づいてみると、運転席から顔を出した方が私の名前を呼んできて、よく見れば「和田島」の表示があり、デマンドバスはライトバンかもと予想していましたが、定時運航便もライトバンとは…、と少々驚きました。

 しかし10人ほどは乗れるそのライトバンも、この日は結局乗客は私だけ。運転手さんとはいろいろお話しさせていただいたのですが、やはり地元のお年寄りのために走らせているので、登山などで朝の時間帯に使用するときは、できれば前日までに予約を入れて欲しいとのことでした。また当日予約の場合も、1時間前までと書かれているけれど、いろいろな行き先・迎え先があって、そこを少ない車両数でやりくりしなければならないため、2時間以上前に連絡が欲しいとのことでした。

 そして、このバスの料金がまた安くて申し訳ないほど。。。和田島から先は乗り継ぎということになるので、半額の100円。但沼車庫から樽の一番奥まで300円ですんでしまいます。 運転手さんは、乗客で分け隔てするわけにはいかないとおっしゃっていましたが、少なくとも県外の人間であれば、もう少し取っても好い気がします。

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(和田島車庫…車庫と言うより詰め所と言うか事務所のようなところ)

 和田島で、いちおう待機していましたが、同じ方面へ行く乗客はこの日は現れず、和田島から板井沢の先の樽集落の一番奥までも私ひとりの貸し切りライトバンとなってしまい、申し訳ない気持ちとありがたい気持ちで降車しました。 

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2017.09.14

【入笠山…駅から徒歩で登る阿呆・駅まで徒歩で下る莫迦】 山バス情報161

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(入笠山山頂…青空のもと展望も佳い頂だった)

【山行日】 2017年09月03日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 05:13 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  05:14 - 05:50 大月 (中央線各駅停車)
大月  05:53 - 06:41 甲府 (中央線各駅停車)
甲府  06:46 - 07:39 青柳 (中央線各駅停車)

「歩行」
青柳駅   07:50 - 09:15 展望地点(茶屋跡)
展望地点  09:25 - 10:20 某山荘
某山荘   10:30 - 11:25 入笠山山頂
入笠山   11:55 - 12:50 大阿原湿原パーキング
大阿原湿原 13:00 - 14:20 沢入登山口
沢入登山口 14:30 - 15:35 青木の森入口(池の十)
池の十   15:40 - 16:30 富士見駅

「鉄道」
富士見  16:55 - 17:04 小淵沢 (中央線各駅停車)
小淵沢  17:12 - 17:57 甲府  (中央線各駅停車)
甲府   18:08 - 19:40 高尾  (中央線各駅停車)
高尾   19:48 - 中央線某駅   (中央特快東京行き)

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(大阿原湿原…木道は歩きやすいが、シカ対策をしていないので花がほとんど無い)


 遅れに遅れて10日以上前の9月3日:日曜日の山行レポです。

 18きっぷ3回目。本当はこの日、別の山へ行く予定でした。前の晩21時前に眠くなってくれたので、すかさず床についたところ、スンナリ眠れて、それは良かったのですが、山で熊に遭う夢を見てしまって、おののきながら目を覚ましたのが3時半(笑)。クマのあの毛並みや艶が妙にリアル。その予定していた山の登りがバリハイだったこともあり、あまり良い予感はしません(笑)。

 それにその山は、こんなに早く起きて行く山ではなくて、これは予定を変更しなさいということかな、と、行き先を変更しました。朝の早い時間のプランはいくつかあったのですが、前二回の山行きは歩行時間が短くて、いい加減しっかり山を歩いておかないと…ということで、いくつかあるプランの中から選んだのが、入笠山へ青柳駅から歩いて登るというもの。

 で、朝慌てて見たネットの入笠山のバスのサイト。ふうん…帰りの便は15:00か…。帰りはバスにしようかな、ま、時間と足の調子次第か…と。

 とりあえず、前回の痛い失敗がありますし(笑)、ここは朝一番の高尾5:14発の中央線に乗り込みます。大月・甲府と乗り継いで、茅野駅のひとつ手前、青柳駅で下車。降車客は私一人だけ。じゅうぶんに柔軟体操をしてから歩き始めます。

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 私の持っている古いガイドブックには、青柳駅から直接登るルートが紹介されているのですが、まぁ、今時こんなことをする人はほとんどいないらしく、道しるべというものが全くありません。地形図も持っていないので、エアリア『甲斐駒・北岳』の裏面に載っている地図と、古いガイドブックが頼りです。

 20号線を渡って、少し戻るように集落の道を上がっていくと、ビーナちゃんバス停留所という地元のお年寄り向けと思われるバス停があって、その大沢という停留所のところで、ちょっと迷いました。左手に上がって行く道が今までのいろいろな経験から言って登山口に行くようにも思えたのですが、丁度地元の人たちが朝の集会から戻ってきたところだったので聞いてみると、そのまままっすぐ行く道の方がわかりやすいから…ということで、左手には上がらずに直進。

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 言われた通り歩いて行くと、大沢川を渡る橋の先で「←入笠湖 入笠山登山コース→」という大きな表示に出くわしたので、登山コースの方へと向かいます。道はずっと軽トラなら通れるぐらいの幅広の道で、未舗装とは言え、登山道という感じは全くなくて、ガイドブックで読んでいた「静かな雑木林」とは違いカラマツの植林が目立ち、ああ、これはあのガイドブックの道ではないのだなと思いつつも、進んでいきます。

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(軽トラなら通れるほどの幅と傾斜、カラマツ林)

 やっと高度を本格的に上げ始めたあたりで、左手から明らかに登山道と判る道が交差してきて、道標は車道の方を歩くように示しています。。。結局その先で登山道に入るように道標が示し始めたので、今までとはまるで違う急傾斜の登山道を上がっていくと、今度はどんどんヤブがひどくなってきます。下道ははっきりしてはいるものの、明らかに道普請はされておらず、腕にひっかき傷を作るほどのヤブ道でした。

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(ヤブ径…昔の登山道は整備されておらず、歩いて登る人のことは、ほとんど想定されていない)

 長く感じたヤブ道も、実際はほんの10分~15分ほど。薮を抜けて10分ほどですずらんの里駅からの道(これも軽トラが通れるぐらいの未舗装の車道)に合流して、茶屋跡のある展望地点に到達します。茶屋はもちろん閉まっていますが、丸太のベンチもあるので、水分補給をかねた休憩を取ります。この日は朝から肌寒いぐらいだったので、びっしょりとかいた汗がかなり冷たく感じました。

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 休憩後、再び未舗装の車道を歩いて行くと、5分ほどで右手に細いけれどもしっかりした踏み跡が伸びているのに気づきました。エアリアを見ると「旧道歩かれていない」とありますが、車道を歩くのも気が進まず、クッキリとした踏み跡がずっと伸びているのを信じて、そちらへ踏み込みました。

 踏み跡は、先ほどの登山道のような藪は無くて、歩き易い道です。25分ほどで車道と再び併さります。車道と合流してから10分もしないうちに、再建中の「お花茶屋」に到達しましたので、コースタイムより10分ほど早く到達できたようです。お花茶屋の先は別荘地のようになっているらしく、「○○様」といった立て札や「貸地 大沢山委員会」と言った立て札が目に付きます。途中に「××山荘」という場所があって、誰もおらず、休憩後1時間ほど経過していたこともあって、ベンチで休憩させてもらいました。

 そのときは気づかなかったのですが、その「某山荘」も実は個人オーナー様がいらっしゃるようで、無断で休憩するべきではないようです。たいへん申し訳ないのですが、休憩場所に選んでしまった山荘の名前は伏せることにします。
    
 休憩後なおも幅の広い未舗装道路を進んでいくと、入笠山荘跡地に至るあたりで人の話し声が聞こえてきました。入笠湿原が近づいてきたようで、案内板も見つかりました。山彦荘のあたりにさしかかるともうそこは観光地と言っていいぐらいの人人人。今までの道程がウソのようです。入笠湿原はあとで見て回ることにして、とりあえず「入笠山山頂→山頂まで40分」の遊歩道へ入ります。

 その遊歩道には「カゴメの森」なる看板がありファミリーハイクの子供連れも多くたいへん賑やか。マナスル山荘への道を右に分けて監視員もいる入笠山への入口の鉄の扉をスライド。そうです。シカの食害を避けるためにネットで囲い、鉄の扉を開けて入るのです。

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 もう夏の花も終わりで、ヤナギランなどは下にふさふさの綿を纏っています。マツムシソウはまだだいぶ残っていましたが、咲き残りとの印象はぬぐえない感じ。アキノキリンソウ、コバギボウシ、ヤマハハコ、ツリガネニンジン、シモツケソウなど見ながらゆっくり登ったあと、最後の急登をこなせば、入笠山の山頂です。時刻は11時半。8時前から登り始めたので、駅からだいたい3時間半ちょっとというところでしょうか。たぶん、この日ゴンドラを使わずに3時間以上かけて登ったのは私ぐらいのものでしょう(笑)。

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(ヤマハハコ)

 山頂はとても眺めが良いです。雲を被ってはいるものの八ヶ岳も見えるし、南アルプスも見えます。そして、ついこのあいだ痛い目に遭った(笑)中央アルプスの眺めもココはかなり良いのですね。結構複雑な思いでしたが、折角なので中央アルプスの、たぶんあれが木曽駒という感じの方角を眺めながらお昼にしました。

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 例によって、凍らせたスポーツドリンクと抱き合わせて持ってきた「のんある気分」も口にして、腹ごしらえを済ませたら、仏平峠への道を下り、ずっと舗装された車道を歩いて大阿原湿原へ。途中「首切り清水」があったので、寄ってみましたが、やはりというか、「飲用不可」の表示。エアリアにも水マークがなかったのでそれほど驚きませんでしたが、ココで水の補給はできませんので注意が必要です。

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 で、大阿原湿原ですが、一周してはみましたが、結論から言うと「現時点では寄る価値無し」です、残念ながら。。。木道も歩きやすいですし、人も少なく静かなのですが、先ほどのようにネットでシカを排除していないため、お花がほとんど無いのです。だだっ広い湿原なだけなのです。かろうじてアケボノソウが見つかったほかは、キオンとトリカブトを見たぐらい。柵を設けて排除するかどうかでここまで違ってきてしまうものなのかというほどの大きな差異がありました。悲しいことですけれども、これが現実なのですね。

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(アケボノソウ)

 大阿原湿原からは、昔のエアリアには1506.6の三角点を通って行く下山路がありましたが、今のエアリアでは消えていますし、柵で囲ってあるとは言え、入笠湿原の方を見てから帰りたかったので、車道を戻って仏平峠へ、そして、もう入笠山には登らずにそのまま車道歩きで山彦荘へ。舗装された車道歩きは確かに退屈ではありますが、それほど交通量は多くなく、途中に八ヶ岳がどーんと蓼科山から赤岳まで見渡せる展望地点があります。また、マツヨイグサやツリフネソウなども車道脇に咲いていたりします。

 山彦荘のベンチで少し足休めをしたあと、入笠湿原へ鉄の扉を開けて入ります。サワギキョウは萎れかけという感じでしたが、エゾリンドウが元気に咲いていたのが印象的でした。あと、これ↓はウメバチソウで良いのでしょうか。丁度見頃のように感じました。

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 ゆっくり一周したところで、時刻は13:45。さて、そろそろ帰るとするか…。朝慌てて見たバスの時刻は15:00発。本当に走っているんだろうか…。しかし走っていなくても富士見駅まで歩いてしまえばいい。足は疲れたけれど、膝の方に来る心配は無さそうだし…という感じで、入笠湿原から沢入登山口へ!  そうなのです。愚かなことに私は、そのバスがゴンドラの山麓ではなくて沢入の登山口に迎えに来るものだとばかり思っていたのです(笑)。だって、一日二本だけなんですもの。ゴンドラのバスだったらもっと本数多いはずだって思ってしまったのです。いや、昔はバスといえばそっちだったのですよと、年寄り臭い言い訳をしますが、とにかく下ってしまったのでした。

 こちらの登山道は大変綺麗に整備されていて、歩きやすかったです。そして、当然のごとく静かです。登山口に降りるまでは強い陽差しに炙られることもないですし、お奨めの道です、但しバスさえ走っていてくれたらですが(笑)。

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(沢入への径は歩きやすい好い径)

 沢入の登山口に降り立ったのは14:20。一番暑い時間帯です。当然バス停はどこにも見当たらず、このときは、昔のバスのページがヒットしちゃったのかな…と。。。スポーツドリンクをごくごく飲んでひと休みしたあと、タクシー呼んじゃおうかとチラと思ったのですが、思い直して、バス無しで日帰りで登った山の標高記録(これまでは飯盛山1643m)を更新、1955m達成を目指して元気に富士見駅まで歩くことにしました(笑)。

 てくてくてくてく。車に何台か追い抜かされますし、タクシーが一台お客さんを迎えに行ったらしく、そのタクシーが戻って来てまた追い越されます(笑)。バスも通れるほどのアスファルトの道なので、陽差しが厳しいです。1時間ほどで「青木の森」と「池の十」という分岐表示のあるところに出ました。さすがに足が疲れたので座ってスポーツドリンクを飲み足します。アスファルトの道で取る休憩は何とも惨めな気分(笑)。

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(入笠会館…この近くのT字路で休憩)

 またてくてくてくてく。遠くでお年寄り相手のイベントが行われているらしく音楽やらマイクの声が聞こえてきたりします。里が近づいてきたのがよくわかりますが、まだ半分ほどの道程と地図でわかるので、いささかウンザリ。前回といい今回といい、馬鹿げたことをやっているな…と自嘲気味に歩いて行きます。富士見小学校のあたりでは道が微妙に登りになったりして、最後に近づいたところでまたボディーブローを喰らったような気分です(笑)。

 やっと20号線に出て、ああもうすぐだ…と思ってからが長かったです。。。道はほぼ最短を通ってきたし、道間違いもなかったものの、考えてみればもう朝の歩き始めから9時間近くになろうとしていて、これは本当にくだらない新記録樹立だと、あほらしさに苦笑いするしか無い状態。

 それでも、18きっぷ1回目の上諏訪から乗った列車時刻が頭に入っていたので、それにはうまいこと間に合いそうだということで、焦らずに富士見駅に到着(16:30)すると、上り電車が来るというアナウンスが流れびっくり!慌ててザックから18きっぷを取り出そうと焦り藻掻いていると、なんとその列車は通過列車の特急(笑)。紛らわしいアナウンスをするなよ、もぅ…と思いつつ、時刻を確かめると上りは25分後の16:55発。

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 駅前のバス停留所を確認しに行くと、件(くだん)のバスは、富士見パノラマから富士見駅までの無料送迎バスとわかり、苦笑いしながら、駅前のたばこ屋さんを覗くと、やっぱりあった!ビール発見♪ エビスのロングとプレモルのレギュラーと二本も買い込んで、列車が来る前にエビスのロングを飲み干し、もう一本のプレモルは車内でゆっくり頂いて、無事帰途についたのでした。


※ お花の名前、間違いに気づかれた方、お知らせいただけると嬉しいです♪

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2017.01.09

【ハプニングあって…内船駅から御殿山ピストン】 山バス情報154

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(御殿山山頂 植林一色で、実際は写真よりずっと暗い雰囲気)

【山行日】 2017年01月07日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 05:13 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾    05:14 - 05:50 大月 (JR中央線各駅停車)
大月    05:53 - 06:41 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府    06:44 - 08:19 内船 (JR身延線各駅停車)

「歩行」
内船駅   08:45 - 10:20 林道分岐点
林道分岐点 10:25 - 11:50 御殿山(783.0三角点)山頂
御殿山   12:15 - 12:25 御殿山(西尾根から引き返す)
御殿山   12:30 - 13:35 林道に降り立つ
林道    13:45 - 15:18 内船駅

「鉄道」
内船  15:22 - 17:15 甲府  (JR身延線各駅停車)
甲府  17:30 - 19:07 高尾  (JR中央線各駅停車)
高尾  19:11 - 中央線某駅   (JR中央線快速)

【地形図】 「南部」

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(なんとか使い切った…今回は22100円分乗ったので、1万円ほどお得だった♪)


 18きっぷも残すところ一回。以前は確か20日までの有効期限だったように記憶していますけれど、今は10日までなのですね。7日からの三連休で天気が好いのは7日の土曜日だけ。はたして早起きできるだろうか…、と少々不安でしたが、あっけなく4時前にすっきり目が覚めて、それじゃぁ、ずっと暖めてきたあの安倍奥の山へ、最終回のスペシャルと言うことで、タクシーを奮発して行ってみよう!と出掛けたのですが…。

 朝一番の高尾発下り中央線に乗り継いで、大月から三両編成の甲府行きに乗り換え。甲府行きの車両は結構席が埋まってはいたけれど、すきま風が結構寒くて眠りたかったけれど眠れませんでした。

 甲府で慌ただしく身延線に乗り換えて、富士山や南ア連峰、八ヶ岳や富士見山などゆったり眺めながら、ゆらり揺られて内船駅にはナント八時半前に到着です。何度か利用した経験のある内船駅からのタクシー。アレ常駐してないな…、もしかしてまだ朝早いからか…、などと考えつつも、目の前のタクシー乗り場にある電話番号へかけてみると…。

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(土曜なので町営バスが駅前で待機 まさかこのバスが…とあとで後悔)

 電話に出た女性は、「申し訳ありません。会社の親族に不幸がありまして、本日ある車二台は○○の方へ出てしまったばかり。そのあとも予約が入っていて2時間は待って頂くしかない」とのお返事。もちろん、私はタクシーの予約もしていませんでしたし、時刻表を見ると間もなく甲府行きの普通電車もやってくるとわかったので、それじゃぁ仕方ない、この甲府行きで戻って身延山へでも行くか…と。

 しかしザックの中から「身延」の地形図を取り出そうとするも、あれれ?ないな~。かろうじて『アタック山梨百名山』のコピーが見つかりましたが、それによると登山口の角瀬へ行くバスは一日四本しかないとの記述。 確か駅から登って降りてくるルートがあったと思うのだけれど…。また舗装道で迷うのはやだな(笑)と。

 電車が来るまで時間があったので、駅のベンチで地形図「篠井山」や「南部」を見ながら「あれがあの山で、こっちがあれか…」などとやっていると、目に飛び込んできたのが、「南部」の地図にある783.0三角点、御殿山の文字。。。ここなら、今から歩いて行っても登れそうだなと踏んで、電車が来たのも振り返らずに、南部橋へと歩き始めてしまいました。

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(内船の駅のホームで、あれがあの山で、これがあの山か…などとやり始めたら…)


 地形図には稜線へ上がる登山道が何本か破線で記されていますが、私が選んだのは車道を延々と歩いて行って、峰の窪の集落から林道を辿って行き、その先の破線路を486ピークのある尾根伝いに稜線へ上がって、御殿山から南西へ尾根伝いに辿って船山温泉へ降りて、できたらその温泉で日帰り入浴も受け付けてもらおうかな、なんてこのときはホント脳天気なことを考えていたのでした。。。地図に山名表記もある三角点峰だし、地元の小学生が登っていたりするのでは…などとちょっと甘い考えを抱いてしまっていたのです。

 もちろん、この無謀な計画を立てた時点でも、地形図の破線路はアテにならないことが多いですから、無理だったらすぐに引き返して、なんぶの湯にでも浸かって帰ろうと考えていました。

 富士川に架かる南部橋はけっこうな規模のけっこうな長さの立派な橋です。地形図で見た印象よりなかなか向こう岸に着かない感じなのは、すぐそばを車がビュンビュン走っているせいでしょうか。あるいは橋の幅自体が広いので、そう感じてしまうのかも知れません。

 橋を渡って右折して引き続き車道を歩きます。見るとバス停があったので、見てみると、さきほど、内船の駅で見かけた診療所行きバスは地形図の破線のひとつ=峰の集落に行くものだったのです。ああ、あの町営バスに乗って峰から上がるべきだった…と後悔するも、バスはたった今行ってしまったばかり(笑)。
 (ただ、峰の集落からの破線は尾根を何度もトラバースするものですし、実際帰ってから調べたところ、どうも、尾根上に山頂まで一直線につけられた径が残っている程度で、破線のように鞍部へは到達しないようです。)

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(なんと、バスも通る大きな通りに、こんな標識があった!)

 車道を延々と歩くときも、歩行者レーンは道路の片側しかありません。ときどきレーンが右から左へ左から右へと変わるので、その際は車に注意しながら、向こう側へ車道を横断する必要があります。診療所というのはたぶん地形図の医療センターのことだと思いますが、その先の「南部の木」という木工場を過ぎ、船山川の道を左手に分け(あとで考えるとこの道を見送ってホント正解でした)、更に車道を歩いて、中野下のバス停のあたりから、地形図を見ながら細道に入り、52号線(身延道)を横断した先に中野神社という赤い鳥居の立派な神社があったので、ここで道中の無事を祈ってから出発することに。。。

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(中野神社 ここで地元の方に御殿山のことを聞いてみるも…)

 神社のすぐそばは、現在、三石山の帰りにも見た「中部自動車横断道」なる高速道路の建設中で、そこにあった看板によると、近くに南部インターチェンジも出来る予定だそうです。すぐ隣を52号線が走っているのだし、こんなところに高速道路を通して、どれだけ便利になるのかわかりませんが、せっかく静かなこの辺りも、もう何年かすると空気の悪い騒音のひどい場所になってしまうと思うと、とても悲しい気持ちになってしまいました。

 神社で参拝していると地元の方がいたので、御殿山のことを聞いてみたのですが、よく知らない様子。どうも近所の方でさえも登る山ではないようでした。神社の奥に続く道があったので、たどってみましたが、上の林道とは交差せずに道が崩落している様子でしたので、神社から戻って、予定通り峰の窪の集落の林道を辿っていくことに。。。

 地形図では送電線が横切るあたりにお寺さんのマークがありますが、お寺は解体されてしまった様子で、建物の残骸とお寺のものと思われるお墓だけが残っていました。高速道が完成された暁にはどうなっているかわかりませんが、今のところは林道は地形図通り通っていて、そこをたんたんと上がっていきます。

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 配水池を過ぎログクラフト(ログハウス体験棟)を過ぎると途端に淋しい雰囲気の林道になって、未舗装の林道になってしばらくで獣除けの鉄柵(高電圧注意)があり、鉄柵のすぐ先に地形図にあるような林道の分岐(310m付近)があります。 林道の分岐で、暑くなってきたので上着を脱ぎ、水分補給をしてひと息入れました(この時点で10時半近くでした)。

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(林道分岐点)

 林道分岐を右に入ってずっとたどった先に大きく左に切り返す屈曲地点があり(360m付近)、屈曲したあと、もう一度左に急カーブした先に、地形図通り、尾根に上がる径があって、奥の方の径は深く剔れたはっきりした径(獣の仕掛け罠がある)だったため、これなら行けそうだな、と上がって行くことにしました。

 径は本当に深く剔れていて、一見迷うようなことも無さそうですが、剔れた底を歩くのは落ち葉や枝打ちした枝が積み重なってひどく歩きにくいです。結局剔れた径の真ん中ではなく、その両サイドにある淵を歩く方が遥かに楽なので、両サイドの歩き易い方を拾いながら、登っていきます。

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(エグレの中を歩くのはあまりにしんどいので…)

 径は延々と続くヒノキの植林帯で暗く、ただでさえ淋しい径が余計陰鬱な雰囲気の径となっています。これは山頂に着くまでずっと続き、帰りも同じ径を戻ったので、この日、雑木の森を歩くことはただの数秒もありませんでした。

 486の小平地で、左手にひと区画だけ安倍奥の山々が眺められる明るい地点があるのみ。今まで山に出掛けては、相当暗い植林帯を随分歩いてきたつもりでしたが、今回の徹頭徹尾植林のこの径よりひどい径を私は知りません。径、と言うより剔れですが、その剔れに沿って歩いて行くも、ところどころで、そのえぐれが分岐していたりして、帰り道、この径をピストンすることになったら、はたして間違えずに下れるか、ちょっと自信がなかったので、要所には自分の足跡を土をほじくり返して残したり、カメラに目印となりそうな倒木を収めたりしました。

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(486付近の小平地で一瞬だけ明るくなる)

 マーキングはありません。ときどき、ピンクのテープが散見されますけど、これは山仕事の目印であって、ルートを示すものではありませんでした。実際下りでピンクテープに従って下っていくと、コースを明らかに外れる地点が数カ所ありました。

 地形図とコンパス、それにプロトレックの高度表示も動員して、やっと稜線に出たことがわかると少しホッとしました。三角点のひとつ手前のピークに、こんな↓石碑があって、え?もうここが山頂?と辺りを見回してみましたが、やはり三角点はありません。ここから三角点のあるピークは植林に邪魔されて全くその姿が見えませんが、自分のRFを信じて、西へ延びる稜線をたどっていきます。

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(個人名と思われる文字が彫られているため、画像を一部加工してあります)

 尾根通しに進んでいくと、薄い踏み跡(何故かここには黄色のマーキングがある)は山頂を北に巻くように付けられていて、山頂へは行けそうもないため、尾根に戻って高みへ直登していくと…植林の中の一角に、ありました、お手製の山名標。そして苔むした三角点がそのすぐ前にあります。山名標がなければ、三角点を見過ごしてしまいそうなほど、苔がびっしりついています。

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(これほど苔むした三角点は初めて見た気がする)

 なんとかかんとか、12時前に山頂に着いたので、とりあえず、お昼ご飯にします。眺めもなく、自然林も一本もなく、枝打ちされた植林の枝葉が散り敷かれた何とも趣のない山頂でとる昼食は、やはり残念ながら味気ないものになってしまいました。仮にもエアリア「塩見・赤石・聖岳」では安倍奥の片隅とはいえ、その三角点と山名が載っていて、仮にも安倍奥の主稜線の一角(大笹ノ頭)から派生する尾根でもあるのに、そして御殿山というなかなかロマンチックな名前なのに…、こんな山頂とは…。

 食事のあとは、予定通り(?)そのまま尾根を西にたどってみることにします。相変わらず、一分の隙もなく植林された尾根です。最初は踏み跡もあって、これはひょっとして行けるのかな…とも思ったのですが、それまで曲がりなりにもあった踏み跡らしきものが、突然ふっつりと消えてしまった(ように私は感じました)のです。

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(尾根が平坦なうちは行けそうな気がしたのだけれど…)


 あとで、地形図を見直してみると、右手に尾根筋が屈曲する地点で、その屈曲点を見逃して直進してしまったせいかもしれませんが、とにかく、ここは無理をしないで来た道を戻った方が好い、という判断になりました。

 もし巧く稜線をたどれたにしても、その先の降り口がはたして地形図通りまだあるのか、かなり疑問でしたし、なかった場合、戻ってくるのはとても億劫な気がしたのです。とくに船山温泉への下降路が見つからなかった場合は、この日の短い季節、戻ってきても日が暮れてしまうし、降りるルートをRFで割り出すほどの能力は自分にはありません。
 家に残してきた行き先のメモには御殿山とは全然別の安倍奥主稜の山の名前とコースが書かれていて、万一ここで事故ってしまった場合、捜索しても絶対に見つかりっこありません。明日からは雨予報だし…無理はよそうと。。。

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(この先あたりでフッツリと踏み跡が途絶えて…やっぱ戻ろう…と)

 山頂に戻って、大きくひとつ深呼吸。気持ちを落ち着けて、コンパスで戻るべき方角をしっかり再確認してから、来た道をゆっくり戻ります。先ほど上がってきたばかりの径なのに、いざエグレの分岐に当たると本当にここで好いのかな、と少し不安になります。しかし、実際その後、二度ほど径を外してしまったのは、「ああ、ここまで来ればもう安心」と思ったすぐその直後でした(笑)。

 しかし、すぐに間違いに気づいて修正できて、山頂から一時間ほどで元来た林道に無事降り立つことが出来、林道に降りたところで水分補給の小休止。あとはさすがに間違えずに(笑)、元来た林道と車道をたどって、一路内船駅へ。

 しかし、また帰りの南部橋がなかなか向こう岸に着かない感じ。確か甲府行き普通列車は奇数時の20分頃だったなぁ…、間に合わないかな…まぁ、間に合わなければ、なんぶの湯で時間を潰せばいいのだけれど、二時間遅いとかなり遅くなってしまうし…。南部橋を歩いて渡ったりするのは、自分だけで、みんな自動車で脇をビュンビュン走り抜けて、ああ、せめて自転車だったら…などと考えても仕方がないことを思ってしまったり、最後は朝断られたタクシーに追い抜かれるというオマケ付き(笑)。

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(向こう岸がヤケに遠い…)

 最後は少し小走りになって、何とか発車4分前に内船駅に到着。トイレに寄っていると踏切の音が聞こえてきて、甲府行きが来たことがわかり、あわてて乗り込んでみれば、富士行きとの連絡待ちで数分の停車(笑)。ま、それでもとにかくドンピシャで間に合ってよかったと、ビールも何もないので、水筒の水をラッパ飲み(笑)。

 帰りの甲府発の中央線に揺られ、ワインを傾けつつ思いました。山歩きの最終目的地はやはり何と言っても我が家に無事に帰ってくること。。。ピークを踏む為とかルートを探す為に自分が持っているスキル以上の危険を冒すのは愚かなことで、山は楽しんでなんぼのもの。。。何の見栄も虚勢も張る必要のない単なる趣味だと言うことを忘れてはならない、としみじみ思いました。


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(やっぱ無事に帰宅せなあきまへんわ…)



 最後に…、こんな無鉄砲な山歩きをしたばかりの私が言うのもナンですが、今年も皆さんが(そして私も)楽しく安全に山を歩けることを祈願いたします。


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2017.01.08

【醍醐山で山遊び…】 山バス情報153

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(下部温泉駅へ向かうと五老峯が実に魅惑的だった)

【山行日】2017年01月04日(水)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅     - 06:19 大月  (JR中央線各駅停車)
大月     06:23 - 07:12 甲府  (JR中央線各駅停車)
甲府     07:16 - 08:25 甲斐常葉(JR身延線各駅停車)

「歩行」
甲斐常葉駅  08:35 - 09:05 鳩打峠
鳩打峠    09:10 - 10:15 醍醐山 (展望台に寄って戻る)
醍醐山    10:30 - 11:10 西山(487.1三角点)
西山     11:20 - 11:50 下部温泉駅

「鉄道」
下部温泉   12:03 - 13:17 甲府 (JR身延線各駅停車)
甲府     13:52 - 15:24 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾     15:31 - 中央線某駅  (JR中央線 中央特快)

【地形図】 「切石」

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(醍醐山から展望台へ向かう…美しい自然林の頂上だった)

 三が日は、のんべんだらりと過ごしてしまって、5日が仕事始めということもあり、4日は18きっぷを使って軽い山行。身延山にでも行って山梨百名山をひとつハントするというのも考えたのですが、仏教徒でもないのに混雑した身延山で初詣もないか…と。

 そこで、またまた、AKIOさんからいただいたコメントをそっくり拝借して、下部温泉近くの醍醐山を訪れてみることにしました。

 さすがに一番電車でなくてもいいだろうと思いましたが、二番電車:甲斐常葉8:25の次(三番電車)は二時間後の10:25。今日から仕事始めの人も多いので、甲府近くで通勤ラッシュと重なりそう…と、06:19大月着の直通中央線に乗り込みました。この日はわりと暖かでしたが、この季節って大月でもまだ夜が明けないのですね。明るくなり始めたのは甲斐大和あたり。朝靄に煙る勝沼ぶどう郷から南アを眺めることができました。

 甲府で乗り換えて、身延線へ。席が埋まって立っている人もいましたが、南甲府を過ぎると車内は閑散。車窓から富士見山など眺めつつ、甲斐常葉(かいときわ)駅で下車。駅を出て右手にトイレもあります。駅前で身体をほぐし、駅前を通過するバス停の写真を撮ったりしてから、ネットで仕入れたガイドマップを片手に歩き始めます。

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 良く注意してみれば、甲斐常葉の駅にも、ネットで見たものと同じガイドマップ↑が見つかります。甲府方面に戻るように歩いてから、踏切を渡って、舗装道を道しるべに従って上がって行きます。廃屋の先の常光院霊園管理事務所の札がある建物の脇から山道になって、かなり深く剔れた径をのんびりと上がって行きました。

 木々に樹の名前のプレートがずっと付けられていて、樹の名前を覚えるのにも好い道かも知れません。樹名の標識や山頂までのkm表示がこのあとも間断なく続きますし、要所には道しるべが設置されているので迷うこともありません。

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(深く剔れた径に落ち葉が積もっている)

 植林帯もありますが、自然林の多い径も多く、樹名標もあって飽きることがありません。駅から30分ほどで鳩打峠という場所に着きました。およそ峠といった感じの場所ではなく、おそらくですがマイカーで来る人たちのために新たに付けたと思われる径(隧道入口と繋がる)が分岐しています。しかし、あまり歩きやすそうには見えませんでした。
 ガイドマップによれば、この峠から山頂まで一時間強ということですので、テルモスのお茶でひと息入れることにしました。

 休憩後、道しるべに留意しつつ、深く剔れた径をゆるゆると進んで行くと、20分ほどで陽当たり好く眺めのよい場所に出ます。丸太でこしらえたベンチもあり、駅から1時間ほどのところなので、甲斐常葉駅から歩く方は、ここでひと休みすると佳いかもしれません。富士も南アも見えないのですが、おそらく毛無山方面(というか、実際に見えているピークは手前の五老峰=1618.8三角点)から伸びてくる尾根が実に魅惑的です。これは時間のあるときにぜひたどってみたいと思わせるものがありました。

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(五老峯、それに左手に見える1469.8三角点への尾根もとても魅力的です)

 この展望地点からさらに10分ほどのところにまたお手製の丸太ベンチがある場所があり、その先、獣除けのネットをくぐるとアンテナのある開けた場所に出ます。南アが少し顔を覗かせてはいますが、展望を楽しむという雰囲気ではありません。

 そのまま進んでいくと、自然林が多くなり、土留めの階段が現れて、少しの急登をこなせば、NHKの下部テレビ中継所の建物が見えてきて、右手に行けば、休憩舎もある山頂です。

 休憩舎には記念スタンプセットがありましたが、残念ながらスタンプインクがインク切れの状態で、楽しそうな記念品が作成できなかったのが、少々残念でした。

 山頂から、展望台へ向かいます。ガイドマップには15分と書かれていますが、おそらく往復のタイムでしょう。5分ほどで展望台に着きました。展望台からは富士山は見えず、安倍奥の山々やこのあいだ登ったばかりの三石山、それに先ほど目にした五老峯、ギリギリ南ア(?)の笊が岳が見えるのですが、この日は、空気の鮮明度が今ひとつで、とりわけ安倍奥の奥の方の山々が霞んでいたのが残念でした。

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(展望台から安倍奥方面の山々を望む…下を流れるのは富士川)

 展望台の先は尾根なのですが、「この先危険立入り禁止」の標識があり、丸太で何重にも通せんぼしていて、座って食事をするベンチもないため、戻って山頂でひと息入れることにしました。

 山頂は展望は無いものの、自然林百パーセントの明るい木立に囲まれた場所で、時間はまだ10時なのですが、少し小腹を満たそうと、醍醐山の山頂で大休止としました。

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(醍醐山山頂三角点…自然林百パーセントの静かな山頂)

 これだと、午前中に終わっちゃうなぁ…と贅沢な悩みを抱えながらも、じっとしているとさすがに身体も冷えきってしまうので、十時半過ぎにはもう下山開始。ガイドマップで西山と書かれた487.1三角点に寄るときに、登山者とすれ違いましたが、結局この日山中で会ったのはこの男性のみ。西山の先には尾根通しに踏み跡もありましたが、ここをたどって富士川に出る意味はほとんど無いですから、戻って大子集落の神社へ。

 地形図「切石」で見たとき、鳥居のマークが大子集落の一番上にあったので、ここで遅まきながら初詣にすればいいかな、などと考えていたのですが、神社といっても鳥居もなくそれらしき建物があるのみ。お賽銭箱はアルミサッシの向こうにあって、サッシの戸が開かないため、手前に置いて今年一年の無事幸運を祈りました。

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(大子集落 左の建物が登山者用トイレ)

 すぐ下の大子集落は、一軒は廃屋、もう一軒も人が住んでいるのかどうか…という感じでしたが、登山者用トイレを外の建物で提供して下さっています。深く剔れた径を下っていくとハート型のかわいらしい祠が見つかったので、ここでもお参りして、沢沿いに降りる明瞭な登山道を下っていきます。

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(ハート型のかわいらしい祠 クリック拡大可)


 大子集落と下の上之平の集落との標高差は約150m。これだけの高度差があり、車では上がれないとなると、こうした集落が廃村となってしまうのは時間の問題かも知れません。現存する山上集落のほとんどは車で上がれるところばかりというのが私の個人的な印象で、廃村にしないことがいいのか、廃村にしないために林道を無理にでも通す方がいいのか、判断も難しいところです。

 上之平の集落に降りれば、国道は目の前。この集落からも、下の国道からも、五老峯の姿が実に見事で、あのピークに立ちたいというより、あの尾根をたどってみたい…との思いに強くかられてしまいました。

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(上之平集落から五老峯を望む)

 下部温泉の駅に着いたのは、お昼前。ちょうど奈良田の温泉に行くバス(ヤマセミ号)が発車するところでした。12時3分の列車にちょうど良く、下部ホテルでの入浴は次回に譲ることにして、駅前のお土産屋さんでビールを仕入れ、駅で電車を待ちました。

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(奈良田温泉へ向かうバスは冬でも走っている)

 下部温泉の駅はさすがに有人改札だろうと思っていたのですが、駅員の姿は見当たらず、乗車も一カ所のみと、他の身延線のローカル駅と変わらない状況。昔、毛無山からこちらに下山したときもそんなだったっけ…?と思いながら、ポカポカの身延線に揺られて、車内で残りのおにぎりを平らげながら帰途につきました。

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2016.12.20

【18きっぷで塩之沢駅から三石山へ】 

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(久々に大沢崩れを目にした)

【山行日】 2016年12月17日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 05:00 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 05:14 - 05:50 大月 (中央線各駅停車)
大月 05:53 - 06:41 甲府 (中央線各駅停車)
甲府 06:44 - 07:56 塩之沢 (身延線)

「歩行」
塩之沢駅 08:05 - 08:55   420m付近小平地
420m 09:05 - 10:10   819.2三角点
三角点  10:20 - 11:10  980m付近
980m 11:15 - 12:15  三石山
三石山  12:45 - 15:03  身延駅

「鉄道」
身延駅 15:45 - 17:15 甲府 (身延線)
甲府  17:30 - 19:07 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  19:11 - 中央線某駅

【地形図】 「身延」

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 12月10日の土曜で、だいたい用事が片付きそう、というメドがたったため、11日から使おうと18きっぷを久々に購入して準備していたのですが、11日の朝起きてみるとどうも体調がよくない…、軽いとはいえ風邪をひいてしまい、17日の土曜日から使用開始となってしまいました。

 引っ越し後、最初の18きっぷ山行は、年初にAKIOさんからコメントいただいた情報を元に塩之沢駅から山梨百名山の三石山に登ってみようというというもの。
当初は塩之沢08:37着でもいいかな、と思っていたのですが、せっかく最初の18きっぷ山行ですし、接続の確認もしておきたかったこともあって、朝一番の中央線の下り列車に乗車してみることにしました。

 で、中央線の接続ですが、やはり、05:00高尾着でなくとも、次の05:13高尾着でも1分降り換えは可能ですね。今の時期は特に寒いので、階段渡って十数分待つよりも、向かいホームの1分乗り換えの方が賢明でしょう。大月、甲府ともに3分乗り換えですが、ホームが変わる分、3分乗り換えの方が慌ただしい感じです。

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(塩之沢駅)

 無事乗り継げて、8時前に塩ノ沢駅に到着。塩之沢駅には、ホント何もありません。トイレもないようでした。身延線はどうやら全車両が新型に移行したようですので、小さな駅で降車予定の方は特に車内のトイレで用を足しておいてからスタートが賢明かと思います。

 2万5千分の1地形図「身延」を見ながら、まずは285.9の三角点がある桜井の集落を目指します。身延方面へ降りてすぐに左折。塩之沢温泉が見えてきますが、その先の小さな橋「おほかうちはし」を渡ってすぐに左折すると生ゆばの店が見えてきます。道なりに舗装道を上がって行けば桜井の集落で、地形図通り、電波塔と神社(神明社)があり、道中の無事を祈ってから、集落奥にある墓地の先の山道を進みます。

 深くえぐれた尾根径をしばらく進んで行くと、350m付近で径が尾根を外れるので、私は、もうこの時点で尾根通しとしました。帰りはともかく行きは大崩の集落に寄るつもりはないからです。420m付近で落ち葉ふかふかの陽当たりの好い小平地に出たので、テルモスのお茶で一服とします。

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(420m付近休憩地点)

 この先はすぐに植林となって、地形図通り、一旦合流した巻き道も496の手前で二手に分かれますので、ここで左上の尾根に上がるのがポイントです。尾根上はAKIOさんのコメント通りで、深く剔れた径となっていて、819.2三角点まではヤブもありません。但し、600m近辺で、妙な人工物があるな~と左手から回り込むように上がってみると、そこは地形図には載っていない立派な舗装林道で、対岸の身延山やその向こうの南アがすっきり見渡せます。下山の時にわかったのですが、わりと最近出来た椿草里-大崩-垈の集落を結ぶその名も「林道三石山線」だそうです。

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(600m付近でこんな立派な林道に出る)

 林道からは、ま、ここしかないわな、という踏み跡を上がって行くと、やはりそれまで同様の剔れた尾根径です。植林の中ヌタ場のような水溜もあったりして、なおも尾根上の踏み跡をたどっていくと、踏み跡は819.2三角点を右から巻く形についているので、三角点が近づいてきたら左手に留意していないと見逃してしまいます。

 819.2三角点は近くの樹にピンクのテープが巻かれていました。ここで前休憩地点から1時間ほど経過していたので、またもテルモスのお茶で休憩を取ります。

 819.2三角点の先はヤブっぽいと、これまたAKIOさんから情報を頂いていたのですが、一部はかなり背丈の高い笹藪で、随分久しぶりにヤブを漕ぎました(笑)。実際の距離は短いのですが、しばらくヤブ道から離れているとヤブを抜けるまでは随分長く感じるものです。とりあえず夏場はよしておきたい径というのが感想でした(笑)。  

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                     (ヤブに突入)


 そのヤブと格闘してから五分ほどで、いきなりゴツンという感じで、大崩からの一般登山道にぶつかります。しばらく高度がなかなか上がらず、時間だけ経過していく感じ。標高差から駅から3時間ちょっとで登れるのでは…という当初の見積もりはここら辺で完全に破綻(笑)。塩之沢8時前の列車にしてよかったと呟きながら歩いて行くとやっと勾配のある径に…。

 もうすぐ1000mの稜線という手前で、この日初めてハイカーとスライド。三角点から1時間ぐらい経過して疲れてしまったこともあり、稜線手前で休憩。この時点で11時過ぎ。3時間で登頂は無理というのはもちろん覚悟していましたが、それでもまだ、山頂お昼前は大丈夫だろうなんて甘い考えでいたのです(笑)。

 南に伸びる稜線に乗ってしまえば、あとはツツツィーと稜線をたどればいいだけ、なんて思っていたのですが、ここからが結構時間がかかるのです。1100.6の三角点の先で展望地点があり、「展望台:山頂まで約30分」と書かれているのを見ても、「そんなにゃ、かからんでしょ、いくらなんでも」などと呟いていたのですが、実際きっかり30分かかってしまいました。

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(展望地点は富士山だけでなく反対側に身延や南アが望める)

 地形図をちゃんと見ていればわかることですが、1139のピークへ登ったあともずっと奥に山頂が控えているわけなのに、鎖場を登っている最中、ここを上がりきれば山頂なんだろう、などと勝手に決めつけてしまったりで、一般登山道に入ると途端に地形図から目を離してしまうのはホント悪い癖ですね(笑)。

 鎖場を登り切ったところでちょうど正午。そのあと山頂までは15分かかって到着。「三石山本堂 ご参拝ご苦労様です 大崩区」の水色の看板があって、とにかく無事ついたと、ホッとひと息。いちおう本堂にお参りして、山梨百名山の標柱を撮影後、誰もいない本堂の前でお昼ご飯としました。

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            (山頂にあったこの岩、三石山の山名の謂われでしょうか?)

 お昼を食べながら、下山を思案。18きっぷが使える身延線の普通列車甲府行きは15:45発を逃すと、次は2時間以上あとの17:53。もちろん、18時前の列車でも帰宅可能ではありますが、かなり遅い時間になってしまいます。ここまで登りで4時間と言うことは、下りは3時間近く見ておくべきかも…と山頂の奥にあると言われている展望地点を探すのはやめて、ちょうど発車時刻の3時間前に山頂をあとにしました。

 帰りは来た道を戻って、そのまま一般登山道を進んで大崩の集落経由で、林道を延々と歩いて身延駅へ向かいます。ちょうど朝ゴツンとぶつかる感じで一般登山道に出た地点の手前で、この日二人目のハイカーに遭遇。そのあと来るときには見逃していた炭焼き窯の跡が目に入ります。

 一般登山道と尾根径の交差点は注意していないとわかりにくいかも知れません。そしてそのすぐ先に「椿草里」の指導標。これにはちょっとびっくりして、え?そんな道があるの???という感じでしたが、時間も無く、偵察は見送り。やや足早に大崩の集落へと下っていきます。

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 大崩の上の集落↑は、そこから数分。言い方は悪いですが、よくこんなところに住む決心をしたものだと思ってしまいます。茶畑の下に大きなお屋敷があって、犬に盛んに吠えられたので住んでいる人はいるはずですが、人の姿は見当たらず、本当にひっそりとした感じの集落です。

 大崩の上の集落から林道を歩いて行って、すぐ、大きく林道が屈曲する地点があります。ここに朝たどった尾根径から分かれている地形図の破線路が交差する地点があるはずで、十分注意して見て行ったのですが、コレと思われる地点はとても道があるようには見えず、かろうじてカヤトのヤブがなぎ倒されているのが確認できた程度でした。

 おそらくですが、ここから林道を下っていった先、大崩の下の集落で交差している、例の「林道三石山線」で破線路は分断され、分断された上部の破線路は歩かれなくなって、ヤブに埋もれてしまっているのではないかと推測しています。もしそうだとすると、やはり塩之沢駅から歩いて三石山を目指す場合は、496の手前で尾根に乗る踏み跡を選択することが肝要ではないかと思います。

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 大崩の下の集落↑は、犬にも吠えられず、谷間で14時過ぎだというのにもう陽が陰り始めており、慌てて上着を羽織り長い林道歩きにかかりました。林道は本当に長いです。特に下部は荒れた感じで、身延の駅が近づくまで途中人家は一軒もありません。ただただひたすら下るという感じです。

 身延の駅が近づくと、巨大な建設現場が姿↓を現します。単なる林道工事ではなくて、これは中部横断自動車道の建設なのですね。付近は民家もある小集落なのですが、こんな自動車道が出来たらとてもここには住んでいられなくなるのでは…と思うほどでした。

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 かなり急いで歩いたおかげで、コンビニでビールを仕入れてから身延駅に向かったのに15:07の富士行き普通列車にも間に合ってしまいました。世田谷時代なら、富士周りで帰ってもそう違わないのでしょうが、多摩に引っ越した現在は半時間後の甲府周りで帰った方が遥かに早いので、ビールを飲みながら身延駅でのんびりと時間を潰しました。

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2013.07.16

【テント泊そろそろ引退か…北岳へ その3】 山バス情報123

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(草スベリの途中にて)

 

 頂上は真っ白けなうえ、頂上には肩の小屋方面を指す指導標もないようなので、念のためコンパスで尾根の方向(北)を定めて下っていきます。すぐに両俣小屋への分岐。更に進むと、またまたたくさん咲いているキバナシャクナゲやミヤマシオガマ?

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 しつこいようだけれど、このガスと風さえなければ、かなり楽しいはずの径。不満を抱えながらずっと歩いていけば、肩の小屋です。標高3000mの山小屋。昨日ここまで頑張っていれば、早朝佳い景色が見られたかも知れないと少し残念に思うけれど、まぁ私の実力ではやはり白根御池までだったよな、と思い直します。

 ちょっと雨も降ってきたので、皆さん小屋前のベンチで雨支度。時間がこんなに早くなければ、肩の小屋でちょっと食べるものでも…というところですが、朝のお忙しい時間だしとベンチで休憩後さらに稜線を下っていくと、いくつかテントが張ってあります。やっぱ一日でここまでテント運び上げるの大変だよなぁ…と張ってあるテントを見て、また自分の実力を思い知らされます。

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 肩の小屋から10分ほどで左手に美しい曲線を描く尾根とその間の扇状地が見えてきます。小太郎尾根です。この扇状地と尾根は私の心を激しく揺さぶりました(笑)。小太郎尾根は一目惚れ。今度天気の好い時に来られたら是非とも往復してみたいです。こういう曲線にはわたしゃホント弱い。往復2時間か…時間的には今からでも可能だな…とちょっと気持ちが動いたほどです。

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(小太郎尾根の魅惑的な稜線)

 小太郎尾根から振り返ると、ホンマ嫌味かいな?と難癖をつけたくなるほど、しつこく富士のシルエットが見えてます(笑)。どうしてあんなガスガスの山頂から1時間もかからないところで富士山が見えちゃうんでしょう。きっと最も複雑な気持ちで眺めた富士山としてずっと記憶に残ることでしょう。もちろん北岳は依然として濃~いガスの中です。

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(富士山が見えているのが、なぜかあまり面白くなかった…)


 雨もやみ、霧もなくなってきたので、小太郎尾根分岐でレインウエアを脱いで、草スベリ方面へ下っていきます。風も収まり、ここはホント、ミヤマキンバイやミヤマキンポウゲ?のお花畑が素晴らしいですね。イワカガミも咲いているし、ぜんまい?も。キバナノコマノツメもお目にかかれて、時間を忘れてゆっくり下っていきました。途中何度か北岳を望める地点がありましたが、いずれもぶ厚い雲にべっとりと覆われていて、頂上でいくら粘っても結局無駄だったんだなと妙な安心(笑)をしながら白根御池へ戻りました。

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(最後まで雲に覆われ続けた北岳)


 テントに戻ったのは09:40頃。帰りのバスは最終16:40なので今日中に帰れることは間違いないけれど…広河原までの下りのコースタイムは二時間弱と計算して、さっさとテントを片付けて下りれば12:45発の甲府行きに間に合いそう…ということで、早速テントを撤収。30分ほどで片付いて、トイレに行ってから出発したのが10:20。うまくいけば広河原山荘でコインシャワーする時間もあるかな、シャワー時間無くてもバスに間に合えば帰っちゃおう、一泊だけだから少々臭いかもしれないけど我慢してもらいましょ、どうせ帰りも鈍行だし(笑)、などと考えながら下り始めます。

 

 トラバース道は、まぁ、ほとんど何の問題もなかったのですが、昨日の急登終了地点は、すなわち急降下の開始点なわけで、ここからが大変でした。言い訳すれば、連休初日で上がってくる登山者がとても多かったことや、下りなので登り優先で無条件に道を譲ってたことなどありますが、結果として広河原までコースタイム以上の2時間5分かかってしまいました。

 原因のひとつは…下っていく最中、なんと膝が笑い始めちゃったのです。登りの団体とか待っている最中もプルプルプルプル(笑)。そういえば、お腹空いてきたしなぁ、と気づきましたが、お昼ごはん食べてる時間はないし、まだ11時だし。あと1時間チョイだろうからと、あまり休憩もせずに下っていきます。登り優先で待つ時間を休憩時間と見なせばいいぐらい登ってくる人がたくさんいますし…。

 そのうち雨も降ってきて、登ってくる人はどんどん増えて、さすが三連休初日とは思いましたけど、これだけ集中するとは…。こんな天気の中よくみんな登ってくるなぁと妙な感心をしていたのですが、あとで考えてみたら、北に前線が停滞したままだから、みんなこっち(南ア)に転進してきたのでしょうね。

 昨日登ったばかりの径なので、勝手はわかっていますが、相変わらず膝は笑いっぱなし。そしてそして…もうあと200mも下りれば…というあたりで、何と今度は左膝の裏が痛み出してしまったのです!これにはちょっとビックリというかショックでした。山歩き自体は今年再開したばかりとはいえ、ここ数ヵ月間は結構ロングの日帰り山行もこなして歩いていたし…。「マジかよ、おい」という感じでギアをローに入れてチンタラ下り。

 膝が笑っている間は「今日は荷物重いし」と軽く考えていたのですが、泣き出した時はさすがに「ああ、ホントもう身体がいうこと聞かなくなる年齢になったんだ」とかなり深刻な気分でした。本当にテントはやめにしなければ…悲しいけど、無理して事故起こしたら元も子もないし…。

 広河原山荘ではコインシャワーが故障中で、時間もなかったし、自動販売機の缶ビールで〆にしました。ベンチでビール飲みながら思いました。。。
 天気が崩れてくれて私にはある意味ラッキーだったのかも…。だって天気快晴が続いて、あのまま調子こいて農鳥小屋まで行っていたら、まず間違いなくその先の大門沢下降で膝がぶっ壊れて、日曜の下山はできなかったでしょうし、大門沢小屋まで下ることさえ果たして出来たかどうか…。そう考えると、やはり徐々にステップアップすることの大切さもしみじみと感じたのでした。

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 幸い膝の痛みは、それほどひどくならず、駅の階段もゆっくり下ればなんとかなりました。家に帰る途中、ものすごい蒸し暑さで、今日の朝の7時に日本第二位の高峰に自分がいたのだとは、どうにもなかなか信じられませんでした。
 しかし、次の日もそのまた次の日も、ものすごい筋肉痛。階段を下りるのも痛くて、しみじみ思いました。。。おれ、本当に、ジジイになっちゃったんだなって…(笑)。

 



その1


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