2025.01.19

【石砂山から牧馬峠経由で石老山】 山バス情報209


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(石老山より大室山越しに富士山を望む)

 

【山行日】 2025年01月13日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 06:11 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 06:14 - 06:23 相模湖 (JR中央線各駅停車)

「バス」
相模湖駅 06:31 - 06:50 三ケ木 (神奈中バス 360円)
三ケ木  07:00 - 07:19 伏馬田入口 (神奈中バス 460円)

「歩行」
伏馬田入口バス停 07:30 - 08:55 石砂山
石砂山      09:10 - 10:05 470m圏峰
470m      10:10 - 11:05 石老山
石老山      11:30 - 13:15 船着き場

「渡し船」
船着き場  13:15 - 13:27 相模湖対岸 (700円)

「歩行」
相模湖対岸 13:35 - 13:50 相模湖駅

「鉄道」
相模湖 14:16 - 中央線某駅 (JR中央線 中央特快東京行き12両)

【地形図】 「青野原」 「与瀬」

【参考図書】『静かなる尾根歩き』(松浦隆康著:新ハイキング社)

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(石砂山は西峰に先に登りました…)


 石老山(せきろうざん)に登ったのは、山を始めたばかりの前世紀1998年の10月。今でも覚えているのは、当時としては珍しく10月だというのに最高気温が30度超えの晴天の日で、顕鏡寺から登って、ガイドブックにもほとんど載っていない篠原へ下山。篠原は本数が少ないとはいえ、あの頃は何本かバスの便があって、二時間ほどもあるバス待ちの間、地元の人と話をしたりしてもなかなか時間が潰せなくて苦労したことが印象に残っています。

 一方、石砂山(いしざれやま)は、ギフチョウが話題になってから行きたいとは思っていたものの、ヒルが出るとかなんとか言い訳していて未踏のままでした。松浦本に牧馬峠(まきめとうげ)経由が掲載されているものの、東尾根経由のバリルートだと石砂山まで倍近い時間がかかるので、今回は初訪という事もあり、素直に伏馬田入口から一般登山道で登って、牧馬峠経由で石老山へ行くことにしました。

 登山口の伏馬田入口に行くには、三ケ木07:00発月夜野行きのバスに乗らなければならず、この時期の相模湖駅発6:31の三ケ木行きは日の出前で暗い中出発。乗客は登山者三名と地元の方お二人の五人。三ケ木では橋本便からの乗り継ぎ登山客が多数で、月夜野行きはこんな寒い中10人ほどで出発です(7時発の直前まで入線してきてくれないので三ケ木での乗り継ぎはこの時期辛いものがありますね(笑))。

 しかし、伏馬田入口で降りたのは私一人。一人ぐらい同じコースの人がいるだろうと思っていたのですが、意外な展開で、結果的にエアリア(山と高原地図)赤実線の一人旅は石砂山山頂を過ぎるまで続くことになりました。

 バス停そばからずっと山頂まで東海自然歩道の指導標がありますので、あまり迷う心配はないと思いますが、ちょっと、あれ?と、もうひとつ意外だったのは、最初、道志川に架かる亀見橋までは車道をずっと下っていくのですね。

 いよいよ登山口というところには「ヤマビル注意!」の注意書きと忌避剤のスプレーが置かれていましたが、見た感じスプレーは空のようでした。

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(自己調達して持参したほうがいいかも…)

 登山道は最初深くえぐれた道で庚申塔もあり、迷うような箇所はないと思っていたのですが、一箇所、ここは指導標を置いた方が良いのでは?という、少し下っていく巻道の分岐点がありました。よく見れば尾根方向には枝が置かれているし、巻道方向に古い赤テープがあったので、まぁ普通の人なら逆に迷わないのかもな…と(地形図の破線は尾根通しになっていますし、尾根通しでも行けるのかもしれません)。

 菅井からの径と交わる地点には東海自然歩道の指導標があって、石砂山へは右折と誰でもわかるようになっていて、すぐに送電線の下を通る径に出ますが、ここはカヤトが茂っていて、短い間ですが周囲が開けた明るい展望地になります。

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 地形図の送電線に沿って付いているトラバース道の破線との合流箇所と思いますが、送電鉄塔を超えたすぐ先にそちらへ入り込まないようにするため(?)の東海自然歩道の指導標が建っています。

 あとは濃い踏み跡に沿って進んでいけば石砂山の東西峰の鞍部に上がり、そこには右手を指して石砂山とあります。東海自然歩道の指導標の裏側をよく見ると左手を指して西峰とマジック書きがあり、先に西峰(572m峰)に上がってみることに…。

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 西峰への尾根も西峰山頂そのものも、明るい雑木の美林で、地形図を見て、ここから北に伸びる尾根を499〜415.5三角点とたどって、その先の林道に無事着地できれば、やまなみ温泉はすぐそこだよなぁ…などと考えてしまうのはやっぱり病気なのかな、と苦笑。今回見送った東尾根と組み合わせてみたらちょうどよいコースどりでは…などと思いながら鞍部に戻って東峰(エアリアの石砂山:578m峰)へ登ります。

 枝越しに真っ白な富士山を見ながら一歩々々登っていけば石砂山の山頂で、ベンチがあり誰もいないので、テルモスのお茶とサンドイッチの残り、それにメロンパンを半分食べて、ゆっくりします。時刻はまだ9時。ちょっと遅い朝ゴハンといったところでしょうか(笑)。

 私が座ったのは、松浦本で登路にとっている東尾根の入口と思しき場所にあるベンチ。尾根の入口には枝も並べられていないし、踏み跡は結構濃く付いている感じで、自分がやっているバリハイルート歩きも、案外罪作りなことをしているのだなと…。今後はバリハイルートで上がってきたら、合流点には自ら枝を置くなどするべきではないかと少々反省。

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(東尾根入口?)

 さて、石砂山をあとにしたら、ここからは赤破線です。2021年のエアリアでは牧馬峠への赤の破線路を東尾根と記していますが、松浦本の石砂山東尾根とは別物です。どちらかというと、牧馬峠への尾根は北東尾根ではないかと個人的には思いますが、ともあれ、ここはシーズン中、ヤマビルの巣窟(?)とも言えるほどヒルが多いらしいです。

 松浦本通り、今でも牧馬峠への分岐はマーキングもなく注意していないと通り過ぎてしまうでしょう。ただ踏み跡は明瞭です(それだけに、ここにはマーキングをつけないほうがいいのかもしれません)。最初はかなり急傾斜で、ジグザグを切ってくれています。

 尾根の形が明瞭になると尾根通しになりますが、コブがある地点で巻き道が何度も現れるようになり、松浦本にあるように、巻き道の方がわかりやすいですし、(おそらくは)体力も使わずに済むと思います。ここは?という箇所にはマーキングもありますから、山慣れている人であれば、巻道で不安になることもなく車道のある牧馬峠に降りられると思います(ちなみに峠へ降りる最中にこの日初めて登山者とスライドしました)。

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(牧馬峠への経路は道形は明瞭)

 ただ、車道に降り立っても、牧馬峠の標識は見当たりませんし(「ギフチョウとその生息地」の大きな看板(令和5年3月更新)があります)、車道を右手に行った先にある石老山への尾根の取り付き地点にも道路側にはマーキングは見当たらず、松浦本を読んでいない人には取り付きを探すのは難しいのではないかと思いました(実際には取付から少し上がったところに紫の紐が立木に下がっています)。

 最初は急な斜面を登りますが、すぐに傾斜は緩んで、明るい雑木の尾根歩きになります。峠では狭い車道で車やバイクの通行があって休憩できませんでしたし、470m圏の少ピークがいい感じだったので、テルモスのお茶で一息入れることにしました。時刻は10時で石砂山から一時間ほどの地点です。

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(470m休憩ポイント 「水源の森林 神奈川県」の標柱がある)

 一息入れたら尾根通しに先へ進みます、鞍部には祠があって、ここがエアリアの山の神と記されたところでしょうか(赤破線の分岐には気づきませんでした)。で、そのあとですが、進路が北東から北に変わるところは500mのコブですが、今回作業道はすぐ先の500m地点で左に伸びていました。作業道方向に赤のマーキングがつけられ、進行方向の北に伸びる尾根には枝が並べられているように見えたので、「え?」とは思いながらも作業道を左に進んでみました。

 しかし、進んでも一向に高度が上がらないので、戻って尾根通しに登ることに。。。右手の奥には石老山と思しき山がみえていますし、尾根通しで行けないわけがない、と急坂を登っていきます。

 篠原からの東海自然歩道とぶつかる地点(610m)には指導標が建っていて、指導標裏側に黄色のテープが巻かれ、やって来た方向を指して「←牧馬峠 1h」とマジック書きされています。あとは、27年ぶりで見覚えなどあるはずもないのに、なぜか、ああ、そういえば、こんなところだったかも…という幅広い道をたどって、すぐにみつけたのは三角点(694.3m)のこれ(笑)。

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 初訪当時には、あったとは思えませんが、三角点のあるこの場所と、このあと訪れる大明神山でも見つかった例の標石です。

 三角点のある場所からも見える702.8m地点(?)にはたくさんのハイカーがいて、山頂から見える富士山を写真に収めたらすぐに三角点に一番近いベンチへ戻って、11時と少し早いですが昼休みとします。

 お湯を沸かしておにぎりを平らげたら、今回は皆さんと同様にプレジャーフォレストへと下っていきます。道中、枝越しに見える富士山よりも、そのずっと右奥に見える白い山塊に気を取られていたせいもあり、どの地点か正確には断定できないのですが、大明神(551)手前で右折して下っていいく箇所で、左手の尾根から登ってくるパーティーがいるのを目にして、こんなところにもバリエーションで登ってくるルートがあるの??と驚いていたのですが、どうやら、バリエーションルートに引き込まれてしまって、引き返してきた様子でした。

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 大明神には赤い祠があり、前記したとおり↑例の標石が置かれ、ベンチがあったので一休み。これが正解だったようで、その先にある展望台ではたくさんのハイカーが休憩中。眺めも相模湖方面しか見えず、富士山どころかそのずっと右奥に見えていた白い山塊もここではほとんど木々に遮られていて、展望台というからには山名掲示板でもあるのかと期待していただけにがっくり(笑)。

 そのあとは、登山道付け替えでしょうか、「←プレジャーフォレスト・ねん坂」の指導標に従って、文字通りぐんぐん下る階段状の道。。。途中に送電鉄塔があったので、もとは送電線の巡視路だったのでしょうか。。。ともあれ、舗装道に降りて右手に下っていけば、もとの(?)東海自然歩道からの道(封鎖されていました)ともぶつかり、プレジャーフォレスト(元相模湖ピクニックランド?)の観覧車を仰ぎ見ながらの車道歩き。

 実は、予定ではこのあと、プレジャーフォレスト前なるバス停でバスに乗らずにそのまま嵐山も登って歩いて相模湖駅まで…と考えていたのですが…

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 こんな標識を目にして、こんな機会でもないと、この先、一生乗ることもないだろうし、と、確か 以前komadoさんもこの渡し船に乗船していたような記憶も蘇り(笑)、更に「四月より10時〜18時・十月より12時〜17時」の案内板を目にし、時計を見れば13時過ぎということで、これに乗って帰っちゃおう…と船着き場目指して降りていきました。

 思ったより時間がかかって船着き場が見えてくると、前を行くハイカー二人がドラム缶を打ち鳴らしているところ(笑)…。急いで下って追いついて、一緒に乗せていってもらうことに。。。

 相模湖のおそらく最南端の入り江から対岸の相模湖公園近くの船着き場まで、文字通りゆらりゆったり十数分ほど…。途中舟を止めて石老山のあそこが大明神展望台で、とか、右手に見えるあれが嵐山でとか、教えてくれたり…。救命胴衣を腰に巻いての乗船ですが、湖の水はお世辞にもきれいとは言えず、落ちたら相当汚れるだろうな…というのが感想(笑)。

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(無事着岸(笑))

 

 まぁ、料金は片道700円(往復だと1200円!)なので、バス代よりは遥かに高いけれど、この日は風もなく、昼間の温かい時間帯だったので、なかなか面白い体験をすることができて満足でした。

 船着き場で、出し忘れていた下山通知を出して、のんびり歩いて相模湖駅へ向かったのですが、思ったより時間がかかって、駅前の酒屋に笹一のミニ缶が置いてあるはずと酒屋で仕入れてから駅へ。。。次の上り電車は12両の中央特快東京行き。乗り換えもない気楽な帰京で、駅のベンチでミニ缶をちびちびやりながら、今日の山行きを振り返っていたのでした。

 

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2015.12.23

【久しぶりの丹沢は…大山三峰から鐘ヶ嶽】 山バス情報140

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(748ピークの先の崩壊地より…丹沢山・蛭ヶ岳方面を望む)


【山行日】 2015年12月20日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅  - 06:35 本厚木

「バス」
本厚木駅 06:55 - 07:35 土山峠 (神奈中バス 556円IC)

「歩行」
土山峠 07:40 - 08:40 辺室山
辺室山 08:50 - 09:45 748ピーク付近
748 09:50 - 10:25 急登手前ベンチ
ベンチ 10:35 - 11:10 三峰山
三峰山 11:30 - 12:40 不動尻登山口
不動尻 12:50 - 13:35 鐘ヶ嶽
鐘ヶ嶽 13:55 - 14:55 広沢寺温泉入口バス停

「バス」
広沢寺温泉入口 15:13 - 15:55 本厚木駅 (神奈中バス 380円)

「鉄道」
本厚木 16:02 - 小田急線某駅

【地形図】 「大山」 「厚木」

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 丹沢を訪れるの自体、約二年ぶり。宮ヶ瀬行きのバスに乗るのはなんと六年ぶりです。

 私の場合、電車一本で行けるのだから、もっと足繁く通ってもいいはずなんですが、丹沢は何故か訪れるのが非常に稀になっています。とりわけこの宮ヶ瀬湖周辺は、名だたる吸血地帯ということもあって、この大山三峰は、日帰りで行ける山であるにもかかわらず、お恥ずかしい話ですがこれまで未踏でした(笑)。

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(ガイドブックに載っているこの表示にもビビっていました:笑)


 余裕をみてバス発車時刻の20分前に駅到着でしたが、既にバスがスタンバイ状態。寒い冬場はありがたいですね。さっそく乗車して席を確保。こんな寒い季節でもハイカーは多く、バスは席がだいたい埋まっていました。 まぁ、このバスで行く山となるとやっぱり寒い季節しかないわけで、暑い時期の方が空いているのかも知れません(笑)。

 土山峠で下車。さすがに8時前ですから、とんでもなく寒いです。準備運動中も手がかじかんで仕方ありません。上着は脱ぐものの手袋をしてスタートです。

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(登り始め…陽差しはあるが寒い!)

 のっけから急登。右下に宮ヶ瀬湖を見ながら、すっかり冬枯れ径となった尾根を登っていきます。急登が緩んだ後、再び急登となった尾根を登り切ると、勾配の緩い広い尾根になりますが、そこには「辺室山0.3km→」の表示。実際には400mはあると思いますが、幅広い尾根を歩いて行けば辺室山の山頂です。コースタイムとほぼ同じ約一時間でたどり着きました。

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(辺室山山頂)

 ベンチもあり誰もいなかったので、テルモスのお茶で休憩のあと、物見峠方面を目指し尾根道を下っていきます。最初の鞍部では、同じバスで同じバス停で下車されたお二人が左手(南東方向)を指してなにやら話しています。見ると何重にも巻かれた赤テープ群がありました。地形図では柿ノ木平の方から破線がこの鞍部の手前まで上がってきていますが、その道に通じるのでしょうか。それにしてもちょっと赤テープを付けすぎという感じで、素直に一般登山道を歩く人が巻き込まれないといいのだけれど、と思いました。

 今回ガイドブックによく紹介されているように煤ヶ谷から物見峠に上がらなかったのは、もちろん鍋嵐への径路をちょこっと偵察するためだったのですが、松浦本に載っている取り付きもその手前にある尾根道の入口も、どうも「あんまり入ってきて欲しくないんだよね~」という感じの立て札が建っていました。某掲示板ではケーサツに連れて行かれたとか言う話もありましたし、しばらくは入らないでおいた方が好いのですかね。

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(少なくともウエルカムではない…)

 物見峠はその名の通り(?)東側に展望が開けた見晴らしの良い峠。しかし反対側の黒岩への径路は通行出来ない旨の表示があります。黒岩方面へ向かいたい方は南側の林道を通行してくださいとのことです。

 物見峠では休憩せずにそのまま748のピークへと向かいます。あがったピーク付近はとても雰囲気のいい雑木の平地だったので、そこで休憩を取りました。実はちょっと先にベンチもある休憩所(煤ヶ谷への道が分岐している)があるのですが、そこよりもこちらの林で休憩が正解でした。もっともヒルのいる季節はお奨め出来ませんが(笑)。

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(748ピーク付近の林)

 休憩後、崩壊地(眺めが良い)を何カ所か通過すると30分ほどで、ちょうど地形図も「厚木」から「大山」に移る辺りの、いかにもここから三峰への急登開始という場所にベンチがあって、何となく和めそうな雰囲気もあり、再び休憩します。どう考えても目の前にあるトンガリに向かうにはここで一旦休んでおかないと持ちそうもないのは明白です。

 案の定、休憩後は土留めの急登、鎖場、ハシゴ、と続いて、休んでおいて正解だったと思いながら登っていきます。このコース、確かに凍結などすると相当厄介で危険でしょうが、登山道の補修は鎖の新しさなどから見てもぬかりなくされている印象で、無雪期であれば恐怖を感じるような場所はほとんどありません。

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(きつい登りだけでなく、こんな急下りもあります)

 934.6の三角点がある三峰山には11時過ぎの到着。先客はお一人だったので。ベンチの片隅を分けてもらって早めのお昼ご飯にしました。何の根拠もなく富士山ぐらい見えるのだと思っていたのですが、木々が邪魔してとかそういうことではなく、塔ノ岳など近所の山に阻まれて見えないようですね。 
 
 さすがにこの季節、20分もじっとしていると手がかじかんできます。お昼を食べ終わったら早々に山頂を後にします。エアリアには破線でそのまま稜線伝いに大山の方へ行く径路が描かれていますが、実際には不動尻との分岐にはベンチがある程度でこれといった表示もなく、不動尻への径だけが指導標に示されています。

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(不動尻へ…尾根を外れて沢沿いの道になる)


 下山路は凍結していたらここの通過はどうするのかな、とちょっと心配な箇所もありましたが、コースタイム通りの70分で不動尻の登山口に到着。

 登山口ではヘッ電の準備もして、隧道経由で舗装道路をちんたら歩き続けるつもりでいたのですが、隧道手前で鐘ヶ嶽への径を見つけるや、まだお昼を過ぎたばかりだし、この径を越えていこう、と山道へ再び突入。 六年前に通過して見覚えのある峠で、何を思ったか鐘ヶ嶽へと足が勝手に向かってしまい(笑)、結局不動尻から200m以上もプロトレックの高度表示を上げてしまいました。

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(隧道手前でこんな表示に気づいてしまったばっかりに…笑)

 鐘ヶ嶽の山頂では、さすがに疲れてしまい、ベンチでお湯を沸かして生姜湯を煎れ、残しておいたおにぎりも平らげて20分の休憩。その後は一度も歩いたことの無い表参道ともいえる東南方面の尾根径へ。

 この径、最初は大山の下社からの下りみたいに、けり込みの浅い階段が続いてウンザリなんですけれど、後半傾斜が緩むと、これがなかなか好い尾根径なんです。最後はもうそれこそ今年最後の紅葉が見られて、竹林の先に大きな鳥居でフィナーレ。

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 足は疲れたけれど隧道をくぐり抜けるより好かったかも、と上機嫌でバス通りに出て広沢寺入口バス停までのんびり歩いて行きました。

 あ、そうそう、最後にこのバス路線の年末年始のダイヤが土山峠バス停に掲示されていましたので、写真を貼っておきます。

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                      (クリック拡大可)

 29日の火曜日が土曜ダイヤ、30日から年明け3が日は休日ダイヤということのようですね。


 

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2013.02.18

【大山へ 秦野駅から登る アホ… その2】 山バス情報114

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(ヤビツ峠に降りる途中…登ってきた尾根が見える)

 蓑毛越のベンチでザックからオニギリを取り出そうとしているところへ、気持ちの好い笑顔でこんにちはと挨拶をくれた男性登山者。鶴巻温泉からほぼ同じコースを歩いてこられたそうで、いろいろお話をしながら二人で昼食となりました。
 
 毎年のように大山へ参拝に来ているのだけれど、今年は雪が多くてまだ大山の山頂は踏んでいないとのこと。今日も雪が多そうなのでアイゼンを携行していない彼は下社にだけ寄って男坂を下るつもりとのお話。話が弾んでいるところへ大山から下山して南尾根を下るという二人組も話に加わり、上はたいした積雪ではないのでアイゼンもほとんど要らないぐらいとのこと。しかし、結局アイゼンを持たない彼は下社へ向かい、私一人がベンチに残って、大山に登るかどうか思案。。。

 結論は、アイゼンも携行しているし、膝の調子もまだ大丈夫そう。。。天候もまずまずだし、事故の無いように気を引き締めて行ってみよう。膝が痛くなったら、最悪ケーブルで下山しても好いから、とにかく行ってみようかということになりました。

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(大山山頂からの富士 だいぶ雲に覆われてしまった)

 ここからは標高差約600m。急傾斜の道が続くはず。だいたい2時間ぐらいと見て、高度計の表示が1000mの前後でどこか休憩を取れる場所があるといいなという感じで登っていきます。最初の急斜面をこなし、またまた首の切られた石仏が並ぶあたりから雪が現れ始めますがまだアイゼンは全く不要です。女人禁制の碑を見て下社からの径を併せると再び傾斜がきつくなり雪も目立ち始めます。アイゼンを付けるほどでもないけれど雪も気になる、というぐらい。

 プロトレックの高度表示が1000mを表示してまもなく十六丁目のベンチのある展望地に出たので、ありがたく一休みいれます。下社からのもうひとつの径が合わさるところです。あとから考えるとここでアイゼンをつけて出発すべきでしたが、周りの人も先ほどの二人もアイゼンは要らないだろうという話だったので、私もついつい付けずに出発してしまいました。

 十六丁目から先もかなりの急傾斜が続きましたが、バテることもなく、逆に気分は高揚してきて、ペースがどんどん上がって行くのが自分でも判ります。予定していた一時半過ぎより早く山頂に到着できそうと判ると、ぐんぐんと高度を稼いでいく感じで登っていきます。
 しかし、やはり雪が固まって滑りやすい箇所が続くようになりました。なんとか、転倒せずに登り切りましたが、この日の感じでは、やはり高度にして1000mから上は登りでも「要アイゼン」でした。下りは絶対アイゼンを付けなければ…、と心に決めながら、急傾斜をこなしていくとヤビツ峠からの径を併せ二十五丁目。もう頂上はすぐそこと、かわいらしい雪だるまの写真を撮るだけで上を目指します。

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 滑りやすい斜面が続き、上からスニーカーで降りてくる人たちに道を譲ったりもしましたが(笑)、休憩はせずに登っていきます。やがて鳥居が見え、くぐって更に雪の階段を上がれば山頂です。。。ああ、ついにやってしまった。。。というか「やればできるもんだな」というのが感想。

 山頂は、この時期の丹沢独特の「丹沢山塊には黒い雲がかかっているけれど、下界は青空の下で晴れているのが判る」という例のあの状態です。富士山も生藤山の時同様半分ほど雲がかかっています。陽差しがないので、じっとしていると寒い。けれど、この山頂のために残してあったオニギリが食べたいので(笑)、座るところを見付けるや、お湯を沸かしプチランチタイムとします。

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 かじかんだ手でおにぎりを頬ばり、お茶を飲んだら、ストックとアイゼンの用意をして、さぁ下山です。アイゼンとストックで、下りは快調です。膝の調子も好いようなので、少し時間はかかりますが、予定通りイタツミ尾根、ヤビツ峠経由で蓑毛に降りることにします。

 順調に下っていき、まもなくヤビツ峠への分岐というところで、下り渋滞が発生。どうやらアイゼンの用意がない数人のグループが滑ってなかなか前へ行けないようでした。まぁ、ここは半ば観光地みたいなところですから、こういうことはありがちなのかも知れませんが、下には写真のような掲示↓がされていたでしょうから、アイゼンを使うかどうかはともかく、持たずに登って他の登山者に迷惑をかけることの無いようにしてもらいたいものですね。登りの人まで(ニガ笑いしながら)待たされていました。四本爪の軽アイゼンで十分ですから、この時期山に行かれる方はザックの底に入れておきましょう。四本爪ならたいした重さじゃありませんから。。。

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 イタツミ尾根にはいるとすぐにそこは別世界。人は少ないし、展望は良いし、なにより傾斜が無理のない傾斜ですから歩いていてとても快適です。表尾根が一望でき、雲に隠れがちとはいえ富士山も見えて、ときどき立ち止まってうっとりしてしまいます。

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(イタツミ尾根からの展望 表尾根 塔ノ岳 丹沢山)

歩く人が少ないせいか雪道の状態もほど良くて。ちょっぴりスノーハイクな気分です。

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(ちょっぴりスノーハイク)

 そして表尾根の展望が無くなっても、今度は自分が歩いたあの南尾根がときどき見えるのがまた嬉しい。しかし、こうやってみると、さすがにあんな尾根を歩いて登ったりした自分は相当なアホだなと思ってしまいます。

 コースタイムより15分も余計にかかってヤビツ峠に到着。トイレを借りようと思ったのですが、凍結中で使用不可。バスも情報通り路面凍結で蓑毛止まりのお知らせがバス停に貼ってあります。アイゼンをザックに仕舞って蓑毛へ。

 ヤビツ峠から蓑毛の径は登ったことは何度かありますが、下りは初めて。だいぶ印象が違い、こんなところあったっけ、と思うことも何度かありましたが、迷いようもない径でこちらも傾斜がほどよくて、下りやすい好い径です。さすがに下り疲れて、膝もそろそろマズイかな~と不安になった頃に沢音が聞こえてきて、じきに舗装路に合流。

 16:00ちょうどのバスには間に合うだろうと思っていたのですが、少し微妙で、目の前でバスに発車されてしまうのはヤダなぁ、と少し急ぎましたが、結局バス停には10分前に到着できて、トイレに行って出てきたところで、折り返しのバスがやってきました。

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(蓑毛 バス時刻表 2013/02/16現在 クリック拡大可)

 バスに揺られながら車窓からはときどき南尾根が見えて、「やっぱアホだよな~」と呟きつつも、実はココロの底ではけっこうな充足感に満ちて帰途につきました。。。


おしまい

その1に戻る


※追記: 神奈中バス、2月22日にダイヤ変更があるようですが、これは京王線ダイヤの変更に伴うもののようで、上記の蓑毛バス停留所の時刻は変更無しのようです。


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2013.02.17

【大山へ 秦野駅から 登るアホ… その1】 山バス情報114

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(善波峠)

【山行日】 2013年02月16日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅    - 05:55 本厚木 (小田急線各駅停車)
本厚木    05:59 - 06:15 秦野  (小田急線急行)

「歩行」
秦野駅  06:30 - 07:25 権現山
権現山  07:35 - 08:40 念仏山
念仏山  08:50 - 09:40 高取山
高取山  09:55 - 11:05 蓑毛越
蓑毛越  11:35 - 12:20 十六丁目
十六丁目 12:30 - 13:05 大山
大山   13:30 - 14:45 ヤビツ峠
ヤビツ峠 14:50 - 15:50 蓑毛

「バス」
蓑毛  16:00 - 16:22 秦野駅 (神奈中バス 260円)

「鉄道」
秦野  16:32 - 小田急線某駅

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(高取山の先で…この日一番好く見えた富士山)


前回大山に鐘ヶ岳から登った時も気になっていたのです。大山から浅間山~高取山と南下して弘法山までの稜線(大山南尾根?)。でも当時はバリハイルートならともかくエアリア赤実線だけというのは面白味に欠けると生意気にも思っておりました。

 今回久しぶりに山歩きを再開して、いずれの山から見ても目立ってかっこいいなと感じたのはやっぱりこの丹沢大山。古くは船がその方向を定めるのにも使われていたというほど、この丹沢大山はどこからみても好い姿形をしています。

 ちょうど二月は毎年のように財政難で出費を極力抑えたい時期でもあり、バス代が260円、電車賃を合わせても1500円ほどの交通費で済んでしまうこのコースはうってつけです。問題は膝ですが、前回山行の生藤山で少し自信がつきましたので、浅間山まで歩いてみてダメそうならそのまま蓑毛に降りてしまえばいいや、という逃げ道も賢く用意して(笑)朝イチバンのできるだけ早い小田急線に乗り込みます。

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(日の出前に秦野駅に到着)

 この日の東京の日の出の時刻は06:27。ずっと真っ暗だった車窓も秦野駅到着頃ちょうど明るくなってきました。秦野駅から弘法山・吾妻山を経て鶴巻温泉というコースは12年前に歩いていますが、その時の記憶といったら、ちょうど春分の日で花粉がものすごく、家に帰って鼻が詰まって苦しかったことぐらいで、経路などほとんど覚えていません。渋沢丘陵の時のように里道で取り付きを間違えたりしないように、地図を片手に駅から歩き始めます。
 
 駅前の大通りを渡ったところにコンビニがあったので、少し買い物をしてから大通りを東(右)に向かいます。やがて突き当たったところ(不二家がある)を左折。信号を渡って道路の右側(万葉の湯がある方)を歩けばすぐに「弘法山公園入口」の表示があり、ここから登山道です。

 整備されすぎなぐらいに整備された、土止めの道を上がっていきます。登山道といっても、このあたりはご近所の方が犬の散歩などをしているような場所。山というか、まだ園地の雰囲気ですね。最初に浅間山の表示。といっても当然まだ679.6m峰ではなく、権現山のまえにある高台。おそらく富士山がきれいに見える場所なのでしょうが、前日の雨などもあって、見えるべき場所はたっぷりの雲があるだけ。これから時間が経つと見えてくることを期待して先へ。林道を横切り登っていくとやがて権現山。ああ、そういえばこんな建物があったっけ…夢殿のような形をした展望台があります。秦野駅から小一時間経過したのでここで小休止。

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(権現山の展望台)

 休憩後、弘法山へ向かいます。まだまだ園地という感じの道が続きます。公園らしくトイレや水道などもあり。まだ山の中に入った感じはありません。地元の方たちは快い挨拶をしてくれますが、どうも行き交う登山者やランナーの愛想は余りよい人がいないことが最近気に掛かります。。。鐘楼のある弘法山はほぼ素通りして、善波峠へ。このあたりから少し山っぽい雰囲気が出てきて、鶴巻温泉への径を分けて善波峠方面へ向かうとようやく山道らしくなり高度を下げて善波峠へ降り立ちます。峠は林道が横断しているものの、切通のような感じになっていて、御夜燈(おんやとう)や石仏もあって、それなりに雰囲気のある峠です。このあたりから盛んに「→大山」の指導標が散見され、こんな自分みたいなアホなことをやる人って結構少なくないのかな、などと考えます。

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(こんな感じのよい径もあります)

 善波峠をあとに念仏山へ。「野菊と信仰の道」と名付けられた道ですが、冬場なので野菊もわからないし、信仰といっても石仏は首を切られていたりです。ただ山道らしくはなってきて、意外に林相も良く、時に鹿柵をくぐり抜けたりしていきます。辿り着いた念仏山は先客がお一人。スタートから二時間で私も少し小腹が空いてきたので、オニギリをひとつ頂いて小休止。晴れていれば展望はよいのでしょうが、まだ朝の八時半で朝霧や黒く垂れ込めた雲で展望は楽しめません。

 念仏山からは鹿柵沿いの植林帯を行きます。左手にはゴルフ場も見えてきて、この鹿柵はゴルフ場に動物が入ってこないようにするためのものと気づきます。地形図や手もとのエアリア05年版では454のピークに登山道がついているように記されていますが、実際にはきれいに巻いてくれています。454にわざわざ登って降りてくるのは体力の消耗だな、と思っていたのでこれは大助かりです。この日初めてとも言える登りらしい登りで聖峰からの径を併せてまもなく、高取山に到着です。念仏山からちょうどまた一時間ほど経過していたし、ベンチもあるのでこの三角点ピークで休憩をいれます。

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 高取山で大山方面から降りてきた方と少しお話。道路凍結でヤビツ峠にバスが上がらないので蓑毛から下社に寄って降りてきたところで、下社からここまで雪は全くない状態とのこと。小休止の後、北に歩を進めると左手に富士山が顔を覗かせているのに気づきました。富士を目にして、頑張って大山まで行くべき!と気持ちが高まります。

 しかしながら、この日の行程で一番気持ちが萎えてしまったのはこの高取山から蓑毛越までの一時間強でした。せっかく高取山で550mまで上げた高度を手放し、手放した高度がなかなか取り戻せずに時間ばかり経過していく…、植林が増え、電波塔や林道の目立つ径は面白くありません。ついついペースオーバーになって、膝の方もちょっと気になる信号を発してきました。ときおり前方に雪を頂いた大山が姿を現すのを目にすると壁のように立ちはだかっているようにも見えて、やっぱり初心者には秦野駅から大山まで歩くなんて無理なことか、と弱気になって、「蓑毛越から降りるか…」と呟く始末。

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(白くそびえる大山… あんなところまで登っていけるのか…)


 そんな弱気な気分で歩いていたせいでしょうか、そろそろいい加減着くはずと思いながらも679.5ピーク(浅間山)をいつの間にか巻いてしまい、蓑毛越のベンチに到着してしまいました。

 時刻は11:05。日没時刻は17:25分頃だったと記憶しています。ここまで積雪はほぼゼロですし、この先の積雪もラッセルで大幅な時間を取られるようなことはないでしょうから、大山に登って降りてくる時間的余裕は十分です。お湯を沸かしここでひとまず大休止をとりながら、ゆっくり考えようか、ということで、蓑毛越えで早めのランチタイムとしました。


その2に続く

  

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2013.01.20

【積雪ゼロ 震生湖・渋沢丘陵・頭高山】

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(渋沢丘陵より大山を望む)


【歩行日】2013年1月20日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 09:21 秦野

「歩行」
秦野駅 09:30 - 10:50 牛舎の先のベンチ
ベンチ 11:05 - 12:30 頭高山
頭高山 12:45 - 13:40 渋沢駅

「鉄道」
渋沢 13:52 - 小田急線某駅

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(富士山もきれいに見えた)


 次週は、土日共に用事があって、天気が好くても出掛けられない、ということで、今週は何とか山へ出掛けておきたい。とはいえ、月曜日に大量の積雪があったばかりで、予定していた奥多摩方面は積雪の程度によってはまだ私の足では難しそう…。

 ああ、早くも山に行かないあれやこれやの言い訳病が…(笑)。でも、そんなことを言っていたら、じきに花粉シーズンに突入してしまうし、来月はそれでなくとも文楽その他の予定が入っています。今日行かないともうしばらく山に行きたくても行けない、そんな事情がありました。

 とりあえず、今は全くの初心者という認識のもと、ここなら、積雪があっても難渋することはまずないだろうと、思いついたのが、実はまだ行ったことのない渋沢丘陵でした。出発をゆっくりにしてのんびり歩けば、前回高尾山で食べ損ねた山頂オニギリも食べられます(笑)。

 
 そんなわけで、普段勤めに出るのとそう変わらない時間帯に家を出て、小田急線の最寄り駅へ。急行に乗り継いでしばらく、厚木あたりから冠雪した大山をはじめとする丹沢山稜が見えてきて、もうこれだけで、出てきた甲斐があったような気分です。

 秦野駅を後にしたのは九時半。古いガイドブックでは秦野駅の北口から歩くように案内されていますが、秦野駅もしばらく訪れないうちにいつの間にか立派な駅舎になっていました、今は素直に南口を降りて駅前通りを行った方がわかりやすいかも知れません。


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(秦野駅、ずいぶんと立派になった)

 駅前通を歩いて二、三分で「←秦野駅0.2km ・ 震生湖2.6km 今泉名水桜公園0.2km→」の道標があり、この表示に従って歩けばいいや、と気を抜いていたら、小学校のところで左折すべきを道なりに行ってしまい、里道で道間違い。 同じようなもんだからいいやと、震生湖入口交差点に出て、そのままバスの通る道を上がってしまいました。

 結局これが仇となって震生湖バス停から一旦戻って降りるような形で震生湖を見学。しっかり道間違いせずに来れば、震生湖バス停に上がってくる途中で震生湖を見学できるのですが、まぁ、これぐらいの道間違いはそれほど痛手にはなりませんから気にせずゆっくり見て回ります。

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(震生湖から上がってくる径にはこんな美林も)

 ガイドブックによれば、震生湖とはその名の通り大正時代の関東大震災の際に丘陵を流れる谷川の水がせき止められてできた自然湖とのことです。大きな直下型地震は、時に自然の造形を生み出すのですね。ヘラブナでしょうか、釣りをしているひとがたくさんいました。

 さて震生湖バス停に戻って、ヒルウォークの始まりです。最初はやっぱりという感じで簡易舗装道路を歩かされます。たぶん、このあたりにと見当を付けて221.1mの三角点は、舗装路から少しはずれた雑木林の中にあります。しかし、この雑木の落ち葉ふかふか径をこのまま歩き続けちゃおうかと思っていたところ、なにやら立て札やら鉄線やらで「入らないで頂戴ね」という雰囲気が見えてきたので舗装路に戻ったら、案の定「私有地 立入禁止」の表示。ヤマユリの里にする計画らしいので、ここは尊重して舗装路を歩くことにします。

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(くろげわぎゅう)

 そんな舗装路も牛舎が見えてくるあたりで、土の径へ。牛舎の少し先に日当たりの好いベンチがあったので、休憩にします。11時前でしたが、少し小腹も空いていたので、一個目のオニギリも頂きます。それにしても暖かい。残雪も全くなく、念のため用意していた軽アイゼンどころか、スパッツさえも不要なほどです。のんびりとお茶など飲んでくつろぎました。

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(このベンチでひとやすみ)

 ベンチを後にほとんど平坦な径をのんびり歩きます。本当にヒルウォークそのもの。アップダウンもなく径の両サイドは畑だったりして、農道を歩いているような感じに近いことも。径が下りになる直前に富士山が顔を出していたので、少し高くなった左側(南側)の枝道にちょっと寄り道してみたら、ここは結構佳く富士山が見えて(二枚目の写真)、勝手に「マイ富士見台」と名前を付けてしまいました(笑)。

 右手には断続的に丹沢の鍋割~塔ノ岳~大山の美しいラインが見えて、あのあたりをヒョイヒョイと歩けるように早くなりたいものだと思ったりします。

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(塔ノ岳 ~ 三ノ塔、二ノ塔)

 径はまた簡易舗装に変わって、下っていくと、一旦、里の公民館のようなところ(栃窪)に出ます。そこからは「頭高山近道」と記された道標に従って、舗装路を上がっていくと、少し山らしい雰囲気になってやがて渋沢駅と頭高山の分岐点に。。。さすがに今日は膝も悲鳴を上げそうになかったので、頭高山を目指します。 ただ、もうこのあたりはずっと舗装道路を歩かされ続け、土の径はほとんど無いのが残念なところです。

 渋沢駅との分岐から数分で峠配水場があります。そうです、この南側にはその名も「峠」という集落があって、そこには渋沢からバスの便もあります。「峠」なんていう名前のバス停はとても魅力的なので行ってみようかとも思いますが、ここから降りてまた登り返すのも面倒なので、やっぱりコースをはずれずに頭高山を目指すことにします。
 
 配水場から10分ほどで篠窪と頭高山の分岐。篠窪方面は行き止まりと書かれていますが、峠や篠窪の集落へは下れるのでしょう。道間違いさえしなければ、新松田まで歩くこともできるでしょうが、集落の細道を間違えずに下るのは結構難しいものです。

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(祈りの丘)

 篠窪分岐から10分ほどで祈りの丘。手を合わせた形の像があります。祈りの丘から更に10分ほどで「八重桜の里」。すぐ手前に「神山滝」への分岐があります。ここを下れば新松田方面に出られるのでしょうか。今度いつか来た時は行ってみようかと思います。

 八重桜の里から、ようやくこの日初めて 山らしい傾斜の土の径 をエッチラホイと登っていけば、鳥居のある山頂です。山頂には大人数のパーティーとご夫婦ひと組。山頂はそれほどの眺めはありませんが、何というか雰囲気の好い場所です。ヒルウォークの最後にこの山頂に寄るのは、時間さえあれば決して無駄足ではないと思います。

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 山頂で楽しみにしていたオニギリを頬ばりながら、地図を見て、ここから渋沢駅に出るのも、新松田駅に出るのも、距離的にはほぼ同じぐらい。山頂から716号線に出られる径はないのかナ?あれば新松田に出ちゃうってのも面白そう…と、悪い子のイケナイ考えが…(笑)。 しかし、そちら方面はやっぱり等高線がかなり詰まっているし、明瞭な径でもない限りやめて、プラン通り渋沢駅に降りようと、腰を上げます。

 山頂には上がってきた径とは反対方向にについている径がありますが、これはエアリアの破線でしょう。たどってみるとやはり円環状に付けられた巻き径に出ます。降りる途中右手に少し入ったところに三角点がありました。ぐるりとまわって元来た径へ。八重桜の里で神山滝への径にかなり惹かれましたが、やはり今日のところは渋沢駅へ。

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(かなり惹かれた径ではあった…)

 途中、やっぱり舗装道の歩きはもう飽きたからナァと考えているところへ、来た時に目を付けて置いた分岐があったので、少したどってみると送電線の巡視路らしきところが見付かりました。送電線の方角からいっても、これは間違いなく渋沢駅に向かう途中の千村集落に出られると確信して、ここを降りてしまうことに。

 やっぱり土の径は好いなあと足任せに下っていくと予想通り、千村集落の最西端に出られて、東進して指定ハイキング道に出たのち、住宅街を抜けて、渋沢駅へ無事到着。小田急線で帰途につきました。

 さて、帰宅途中に気づいたのですが、秦野あたりは、月曜日、都心より降雪が少なかったのではないかと思いました。私の居住しているところでは未だに屋根に雪が残っていますが、あちらではそんな家は見かけませんでしたし、人の入らない畑も残雪はゼロでした。逆はよく考えられることなのですが、この現象、随分昔ですが同じ様なことが確かあったよな~と思い当たりました。常識では都心より山沿いの方が降雪量は多いのですが、地形の関係なんでしょうか、たまにこういう現象に出くわしてびっくりします。
 
 何よりまぁ、歩きやすくお散歩気分で気持ちよく歩けました。とても山行報告とはいえない、丘陵歩きでしたが、いちおうは、丹沢のガイドブックにもエアリア丹沢にも載っているコースということで、ジャンル分けは「丹沢」ということでアップすることにします。
 しばらく山に行けないことになりそうですが、無理にならない範囲で、気の向くまま、ちょろちょろとまた山に出掛けられたらな、と考えています。
 

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2009.01.25

【鐘ヶ嶽北尾根から小雪舞う大山へ】 山バス情報95

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【山行日】 2009年1月24日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅  - 06:35 本厚木 (小田急線)

「バス」
本厚木駅 06:55 - 07:23 別所温泉入口 (神奈中バス 430円)

「歩行」
別所温泉入口バス停 07:40 - 09:15 鐘ヶ岳
鐘ヶ岳       09:25 - 10:25 見晴広場A
見晴らし広場A    10:35 - 11:55 893m地点の先
893       12:20 - 13:10 大山
大山        13:25 - 14:30 下社の下の四阿
東屋        14:40 - 15:15 大山ケーブルバス停

「バス」
大山ケーブル 15:22 - 15:45 伊勢原駅北口 (神奈中バス 300円)

「鉄道」
伊勢原 15:56 - 小田急線某駅 (小田急線)

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(山神隧道分岐を過ぎたあたりから鐘ヶ岳を振り返る)

大山に登るのも、もう十年ぶり。久々の再訪に、鐘ヶ岳はいつ登ったんだっけ…と、調べてみたら、なんと未踏でした(笑)。

冬と春の18きっぷシーズンの中間である1月末から3月初旬は毎年のように財政難。しかし、逆に言えばこの時期にしか行けない丹沢吸血鬼地帯(笑)を訪れるいい機会でもありますので、例によって松浦本でコース選定をし、今回は『バリエーションルートを楽しむ』39「鐘ヶ岳北尾根から大山」(120頁)をそっくりそのまま辿ってみることにしました。

今回のバリエーションルートですが、別所温泉から鐘ヶ岳までは地図読みのスキルがある程度必要なものの、鐘ヶ岳から先に関して言えば、特段の地形判断力は必要ではなく、むしろ大山への静かなルートであり、初歩的な地図読みの練習に好いのではないかと感じました。
注意点は778m峰。ここには以前あったという道標が現在は(私の見落としでなければ)撤去されています。この点、現況と松浦本と異なっていますので歩く予定の方はご留意ください。


朝一番の宮ヶ瀬行きバスは、こんなオフ・シーズンでも、ほぼ満席。それでもさすがに別所温泉入口で降りたのは私一人だけ。バス停のすぐそばにセブンイレブンがあって、ここでトイレを借り温かい飲み物を買って出発です。

別所温泉は興味があるのですが、ここにある日帰り入浴施設「別所の湯」は温泉ではないそうですね。その施設のすぐ先で松浦本記載通り「ゴミあきカン捨てないよう」の看板のある電柱(煤ヶ谷125)の右に伸びる薄暗い杉林の踏み跡を辿って登っていけば簡単に鐘ヶ嶽北尾根に乗ることが出来ます。

尾根上にも踏み跡があり、コンパスで念のため南であることを確認してから尾根を登っていきます。と、ここでくしゃみが三連発。え?まさか、とは思いましたが、どうやら早くも花粉症を発症したようです。そういえば前日は3月下旬並の気温でした。標高300mに満たない杉林では気の早い花粉が炸裂してしまったようで、結局この日は天気にも恵まれず、その後もむずむずする鼻をかみながらのしまりのない山行き(笑)となってしまいました。

420m峰(「福神山」の標識あり)までは尾根上の踏み跡を追えば何となく着いてしまう感じでした。福神山から先に進む際にコンパスで南をしっかり指して進むのが注意点ですが、良く見ると赤と黄色のテープに進むべき方向がマジック書きされています。10分ほどで山の神の祠に着きます。

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祠から正面ではなく右下に降りたところにある鹿柵の扉を通過し、鹿柵に沿って急登しますが、ここらへんは植林が育ってしまい少々歩きにくいところでした。福神山以外は道標らしいものもありませんので、特に尾根を末端近くから辿りたいということでなければ、素直に一般ルートで鐘ヶ岳に上がった方が好い気もします。傾斜が緩みマーキング通り尾根を詰めると鐘ヶ岳です。

鐘ヶ岳から山神隧道分岐までは一般登山道で左手に朝の光を浴びた相模湾がきれいに見えるなか、ゆっくりと高度を落とします。隧道分岐で広沢寺温泉への指導標を無視して、そのまま尾根にあるしっかりした踏み跡を上がっていくと、すぐに手製の指導標「大山,唐沢峠」が現れます。松浦本記載通り、以降ずっと「水源の森林 神奈川県」と書かれた白柱も何度となく現れます。

ここから先はエアリアには赤破線もありません。確かに尾根に馬鹿正直につけられただけの径ですが、藪も全くなく、少なくとも登りにとるぶんには、それほど難しいことはありません。地形図とコンパスを片手にこれからバリエーションルートを楽しんでみたいと考える方が入門にとるには好いコースなのではないかと思いました。何より静かで、この日も大山のすぐそば(不動尻と日向薬師の分岐)まで誰一人逢うことがありませんでした。

鹿柵沿いに進み急登をこなすと見晴広場Bに到着しますが、古い標識が地面に置かれているだけで、展望もあまりありません。少し先の見晴広場Aに放置されている標識には厚木市の名前も見られます。かつては登山道だったのでしょうが、手元にある20年以上前の古いガイドブックにも載っていませんから、登山道だったのはずいぶん昔のことなのでしょう。

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(まるで夕方…これでも午前10時半)

見晴広場Aからは遠く海に浮かぶ大島が見渡せましたが、もうこの頃には頭上に暗雲が垂れ込めていて写真を撮っても出来た写真はまるで夕方のようです。それでもまだ大山はしっかりと見え、これからあそこまで登るのかと思うとファイトが湧いてきます。


見晴広場Aからかなり下って鞍部は「すりばち広場」。 立派な指導標があって、弁天の森キャンプ場へここから降りることも出来るようです。その先の東屋にも立派な指導標があり、来た方向を鐘ヶ嶽、これから向かう方角を大山と記しています。

再び登り返して大沢分岐にはお手製の指導標があり、大山方面へ進みます。左手に大島、右手に丹沢三峰山を見ながらなおも登っていくと776mピークに到達。冒頭に述べたように指導標はありませんが、例の「水源の森林」の白柱に大山の方角が矢印で記されています。いちおうコンパスで方角を確認して西に向かう尾根を下ります。

軽いアップダウンのあと急登をこなすとやっと一般道(エアリアの唐沢峠からの赤実線)へ飛び出します。ちょうど指導標の裏に当たり、踏み跡には通せんぼのロープが張ってありました。登ってきた道は実際見た感じも一般道と間違いそうなほどのはっきりした踏み跡ですので、間違って入り込まないようにしているようです。

この一般道に入って登ってすぐのところに海が見渡せる場所がありましたので、大山山頂までとてももちそうにないと判断し昼食とします。
一般道に上がる直前からちらちらとは舞っていたのですが、小雪が降ってきました。どんよりとした曇り空で、期待していた日だまりハイクとは全然違いましたが、風がないのでそれほど寒さは感じずにのんびりとおにぎりを頬ばり、しょうが湯とカップスープを飲むとポカポカしてきました。

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(縦走路に入っても誰にも逢わない…)

昼食後山頂を目指し歩き始めるとすぐのところにベンチがあり、こちらで昼食としてもよかったと思いながら、寒々として誰の姿もない登山道を登っていきます。電線を通過し、丸太の階段のような道を背後を振り返りながら登り、辿ってきた尾根を見渡して、本当によくもあんな長い尾根を歩いたものだと我ながら感心します。

雪が少し激しくなりますが、一方で青空ものぞいたりして、山頂での展望も少し期待したのですが、残念ながら大山山頂からは自分の辿ってきた尾根はガスの中。その代わりというか、浅間山~高取山や日向薬師へ行く途上の尾根などは悔しいぐらいはっきりと見えて、伊勢原や秦野の市街が晴れているのがよくわかりました。

大山山頂からは、松浦本と同じ下社へ下山することにします。ここは実は長い間やっていなかった宿題だったのです。11年近く前、はじめて登山靴を履いて登ったのがこの大山だったのですが、蓑毛からヤビツ峠経由で登り、帰りは下社へ下山。しかし途中膝が痛くてたまらず、お恥ずかしい話ですが観念して下社からケーブルで降りてしまったのです。今回は下まで自分の足で降りてあのときの借りを返すつもりでした。

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(下社にて)

しかしながら、11年近く経った今、改めて歩いてみた感想は。。。やはりこの道は悪路としか言いようがありません。仮にも初心者が下りに使うべき道ではないと思いました。段差の大きい石の階段が続くこの道は登りにとっても、下りには使うべきでないでしょう。下社の下に東屋があったのでそこで休憩後、男坂を下ってみましたが、11年前、膝の痛い状態でこの道を下っていたらいったいどうなっていたことか、と思うほどの石段地獄。。。最後はさすがに膝が痛くなりかけましたが、何とか持ちこたえておみやげ物屋を通ってバス停へ。

11年前ケーブルを使わずにあの坂を下っていたら、イヤになって山など続けていなかっただろうか、それともやっぱり続けていたのだろうか…そんなことを考えながらバスに揺られ伊勢原駅へ。ホームでビールを飲み干してから小田急線に乗り込みました。

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2008.05.30

【平日だというのに…大混雑の檜洞丸】 山バス情報82

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【山行日】 2008年5月27日(火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅  - 07:03 新松田 (小田急線)

「バス」
新松田駅 07:15 - 08:40 西丹沢自然教室 (富士急湘南バス 1150円)

「歩行」
西丹沢   09:05 - 09:50 ゴーラ沢出合
ゴーラ沢  09:55 - 10:45 展望園地
展望園地  10:55 - 12:25 桧洞丸
檜洞丸   12:55 - 14:05 小笄(ここうげ)
小笄    14:10 - 14:45 犬越路
犬越路   14:55 - 16:10 西丹沢自然教室バス停

「バス」
西丹沢自然教室 16:20 - 17:35 新松田駅 (富士急湘南バス 1150円)

「鉄道」
新松田 17:46 - 小田急線某駅

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4月の終わりに奥多摩へ出掛けて以来、土曜出勤や風邪、悪天などいろいろ口実をもうけては、山に登るのをさぼっておりましたが、ぼやぼやしているうちに、梅雨入りも間近になってしまい、このままじゃ、梅雨明けまで2カ月以上の大ブランクが空いてしまうぞ!という焦りが…。そこで思い切って平日にお休みをとって山に行くことにしました。

せっかく平日にお休みをとって行くのだから、普段混雑するところを…といえば、この時期ですから、「シロヤシオの檜洞丸しかない!」とかんたんに行き先が決まります。

いや~、檜洞丸なんて本当に久しぶりです。天気も好く、静かな檜洞丸でシロヤシオを堪能できる、とウキウキして自宅を出ました。

小田急線が本厚木に着いた頃、反対側の上り列車に乗るこれからお勤めの皆さんを見て、あぁやっぱ平日の山行きはいいわい、などと罰当たりなことを考えていたのですが、これが本当に天罰になるまで(笑)一時間とかかりませんでした。

新松田で降りる際に「あれ~、なんでこんなに登山者がいるの?」というぐらいたくさんリュックを担いだ人が目に入りました。それでも新松田の改札を出て西丹沢行きのバス停に並ぶ登山者の行列を見るまでは、まさかずっと立ちっぱなしで新松田から西丹沢まで行くなんて事はこれっぽっちも考えていませんでした(大笑)。

富士急の方でも想定外だったらしく、この日のバスはそれほど大型ではないバスで、私が乗り込む前に満席となり、当然平日ですから臨時の増発なんて気の利いたものは出ません。仕方ないので立ったまま西丹沢まで行くことになりました。当然のように降りる人はいませんし、谷峨駅ではさらに列を作った登山者が乗り込んできてまさに立錐の余地もないほどの大混雑。

そしてトドメは玄倉で通学のために乗り込んできた小学生たち…。 そうです。このバスは平日は通学バスとしての役割がそもそものメインなのですね。 ごめんね、山バカたちのせいでこんなに混雑させちゃって…おまけに途中混雑で遅延していたため、彼らは数分の遅刻です。

そんなわけで、西丹沢自然教室に着いたのは予定時刻を15分ほど超過した08:40頃。
バスの中で隣の席にリュックをおいてゆっくり食べるつもりでいた(笑)朝御飯は当然バス降車後になり、強い陽差しの中、日焼け止めを塗って、準備運動をして、とやっていたら、出発はついに9時を回ってからになってしまいました。


西丹沢自然教室のバス停から用木沢方面へ歩くと右手にツツジ新道の入口が見つかります。すぐに土の道を歩くことが出来、のっけから自然林で、この径はおそらく檜洞丸へ上る最短ルートだと思うのですが、本当に素敵な径です。下りに使ったこともあるのですが、この径はやはり登りにとるのが正解でしょう。

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ゴーラ沢出合までは沢の高巻き径で傾斜も緩く歩きやすい径なのですが、ゴーラ沢出合から先は尾根に取り付きますので途端に急傾斜になります。しかし、さすが「ツツジ新道」の名を冠しているだけあって、まずはヤマツツジの朱色がお出迎えです。新緑に映えるヤマツツジのこの色合いは、えもいわれぬ品格を具えていて、毎年これを見るたび春から夏に移行しつつあることを強く感じます。

強い陽差しをいっぱいに浴びた新緑を見ながら、なんとかきつい登りをこなして展望園地で一休み。
しかし、展望園地を後にしても、シロヤシオもトウゴクミツバツツジも簡単には姿を現してくれません。シロヤシオの花殻が落ちているのを目にし、そろそろかな、となおも続く急登をえっちら登っていくと、上から降りてきた人が「もう少しで、すごい群落が見えてくるよ」と知らせてくれます。

ちょうど木道が始まる少し手前あたりからがそれはそれは見事でした。シロヤシオとトウゴクミツバツツジの大競演です。今年のツツジの花づきは良いとは聞いていたのですが、これほどとは…。とくにシロヤシオときたら、もうびっしり隙間なく咲いていて、平日でもこれじゃあ混むわな、と妙に合点がいってしまったぐらいでした。この競演は箒沢からの径を併せるあたりまで続いていて、その間はまさに夢心地でした。

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(びっしり…)

山頂までの木道は、夢から覚めぬうちにいつの間にか歩いてしまった様な感じで、なんとなく歩いているうちに頂上に着いてしまいました。前回檜洞丸に登ったときは晩秋で、頂上は霧氷が見られるほどの寒さで凍えてしまったのですが、この日の山頂は残念ながらガスってしまっていて、今日こそは青空の檜洞丸山頂と期待していたのですが、どうも私と檜洞丸の山頂とは相性が悪いようです(笑)。


昼食を済ませ、今度は犬越路を目指します。この径ははじめてでしたが、ガスも徐々にとれ始めて、先に進むにつれてなかなか好い展望となり、大笄・小笄と尾根伝いにまたまたシロヤシオ&トウゴクミツバツツジのデュエットも楽しめました。展望は、富士山などは無理で、ガスが晴れてやっと大室山のどっしりした姿がはっきり見えた程度でしたが、これから歩く尾根の緑地に紫の刺繍が施されているのが見えたのは感激でした。

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(大笄あたりから大室山へ続く尾根)

帰りのバスの混雑を嫌って、熊笹ノ峰から長者舎~東野というルートも少し考えたのですが、平日の東野のバスダイヤが頭に入っていなかったのと、今回は新しくできた犬越路の避難小屋を偵察したかったので、大笄小笄を越えて犬越路におります。尚、蛇足ですが犬越路から神ノ川に降りる登山道は、現在通行止めとなっておりますので、十分注意してください。

犬越路の避難小屋は大室山寄りの急斜面に建っていて、土砂崩れなどあったら大丈夫かな、と少し心配になりましたが、中を見たら、ああ、ここなら一度泊まってみたいな、と思わせる好い感じの避難小屋でした。以前はなかったトイレもきれいですし、なによりウッディな感じの内部がとてもいいです。水場がないのは玉に瑕ですが、十分な水を運び上げれば快適な一夜が過ごせそうです。

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(犬越路避難小屋内部の様子)

犬越路から用木沢出合の径は以前に登りにとったことがあったはずなのですが、ほとんど記憶が抜け落ちていて、こんな径だったっけと何度も首をかしげながら下っていきました。

用木沢出合から西丹沢自然教室へ時計を気にしながら車道歩き。バス停に着いたのはバス発車時刻の10分ほど前でしたが、まだバスは来ていませんでした。予想通りバス停には長蛇の列。とても平日とは思えません(笑)。この日は臨時が出るという話もあったみたいなのですが、100人以上の団体さんに2台貸切を出してしまった関係で、結局臨時便は無し。代わりに大型のバスがやってきました。

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(平日16時頃の西丹沢自然教室バス停)

悪運が強いのか、私は何とかぎりぎり座ることが出来て、「座れなかったら中川で下車して温泉」という非常プランを取らずに帰宅できました。しかし、平日でバスの座席を心配しなければならないとは、いやはやハイシーズンの丹沢は侮れませんねぇ。。。


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2008.02.14

【雪たっぷり…丹沢表尾根スノウハイク その2】 山バス情報78

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塔ノ岳の左に富士山が見える小平地で雪を踏み固めて、さてビニールシートを敷いてお昼御飯を食べようと思ったのですが、なんとビニールシートを家に置いてきてしまったようで、ザックのどこを探してもありません。仕方なくこれまで約10年間全く使わずにいた非常用のアルミ製サバイバルシートを出して広げてみました。

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これ、結構薄い割には断熱はしっかりしてくれて、さすがビバークに使えるだけあるなと感心しながらお昼をいただきました。目の前の塔ノ岳の山頂には尊仏山荘が見え、さらには頂上付近を行き来している登山者の姿もはっきりと視認できて、あそこじゃ落ち着かないだろうなぁ、なんて思っていたのですが、腹ごしらえを終えて実際に登ってみると、やはりというか、想像以上に人がたくさんいて、塔ノ岳山頂はこの雪の中ざっと50人ほど登山者がいました。お昼時ならともかく、もう13時半になろうとしているのに!です。

人の多さに半ば呆れながらも、ここからの展望は本当に素晴らしく、富士山はもちろん、南アは甲斐駒から聖まで見えておりました。逆光だったこともあって写真にはうまく収まらなかったのですが、肉眼ではっきりと各峰峰の名前を指さして言うことが出来るほどです。

空の青さも朝より好い感じになってきているし、展望は好いしで、もう少し長居してもよかったのですが、どうも人の多い山頂では落ち着かないのと、日の短い時期ということで、山頂は10分ほどの滞在で下山開始。

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金冷シへ降りる途中で滑ってしまって尻セードしたりしたこともあって、急降下の訓練所尾根(小丸尾根)はやめて、あまり気のすすまない大倉バカ尾根を降りることにしました。雪であの歩きにくい丸太もあまり気にならないのでは?と思ったのですが…やっぱり南向きの尾根です。急傾斜の斜面ではやはり雪が急に無くなったりして、そういうところはぬかるんで非常に歩きにくいです。

丹沢イチ人通りの多い尾根だけあって、その浸食ぶりは超一級(笑)。高度が下がって雪がないところを歩いていると、もうまさに泥沼の修行です。登山靴の傷みも他の尾根とは比べものにならないだろうなという感想。

長時間の歩行で疲れていたこともあって、堀山の家の他、花立山荘、見晴茶屋、大倉高原山の家でも小休止をしています。途中で一緒になった男性に「しかしイヤな下りだね~」としみじみ言われ、苦笑するしかなかったほど…。

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(大倉高原山の家より秦野市街を望む)

でもまぁ、ずいぶん久しぶりだし、懐かしい感じもあって、急いで降りる人にさっさと道を譲りながら、途中に何軒もある茶屋や小屋前で休憩しながらチンタラ下る分には、それほどヤな道でもありませんでした。

たどり着いた大倉のバス停は、話には聞いていましたが、きれいになったというか、すっかりソフィスティケートされちゃって、びっくりです。前に来たときは周囲の畑の風景の中にとけ込んでいたバス停だったのですが、いまやもう大倉バスターミナルですね。

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ちょうど発車間際にドンピシャで間に合って、もちろん、渋沢駅まではずっと立ったままでしたが、バスはともかく、そのあとの渋沢駅からの小田急線もずっと座れず、ここ数年そんな体験はほとんどしていなかったので、立ちっぱなしで電車に揺られ、手には缶ビールを持ったまま呑むことも出来ず(笑)、これは何かの間違いじゃないのかと思いながら帰途につきました。。。




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2008.02.12

【雪たっぷり…丹沢表尾根スノウハイク その1】 山バス情報78

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(三ノ塔にて)

【山行日】 2008年2月11日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 06:27 秦野

「バス」
秦野駅  06:35 - 06:57 蓑毛 (神奈中バス 260円)

「歩行」
蓑毛   07:10 - 08:10 ヤビツ峠 
ヤビツ峠 08:30 - 09:50 二ノ塔
二ノ塔  10:00 - 10:55 烏尾山
烏尾山 11:05 - 12:20 木ノ又小屋
木ノ又小屋 12:25 - 12:45 塔ノ岳手前の小平地
小平地  13:05 - 13:20 塔ノ岳
塔ノ岳  13:30 - 14:40 堀山の家
堀山ノ家 14:50 - 16:37 大倉バス停

「バス」
大倉 16:38 - 16:53 渋沢駅 (神奈中バス 200円)

「鉄道」
渋沢 17:03 - 小田急線某駅

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(三ノ塔からの富士)

山を始めてもうすぐ10年になるというのに、実はこれまで表尾根を歩いたことがありませんでした。

丹沢は私の住んでいるところからアプローチがよいのですが、よいゆえに何時でも行けるという考えがあり、そしてまた、いわゆる表丹沢は混む、というのが足がなかなか向かない理由でした。

2月に入り降り積もったであろう雪は結構な量だろうと思いましたので、マイナーコースはやめて、この超メジャーコースなら相当な積雪でもトレースがあり、ラッセルに苦しめられることもなかろうと、歩いてみることにしました。

ここ1、2週間の雪で、ヤビツ峠までバスは上がっていないだろうと、蓑毛行きの朝二番のバスに乗り込みます。オフシーズンの早朝のバスだというのに、何と席はほとんど埋まっています。乗客は全員登山者。終点の蓑毛まで途中下車する人は一人もいません。

蓑毛からヤビツ峠は、私が登山靴で登った最初の山、大山に行ったとき以来です。あれからもう十年近くの歳月が流れ、登山道は「こんなだったっけ?」というほど何も覚えていません。きっと初めての登山で緊張していたのでしょうね。

標高にして600mあたりから雪で少し歩きにくくなってきましたが、登りですしアイゼンをつけるほどでもなく、ヤビツ峠もすぐそこに鞍部が見えていたので、そのまま歩きます。

ヤビツ峠は、しかし、もう真っ白な銀世界。雪も結構積もっていて、ここでアイゼンを装着。ヤビツ峠バス停にはやはり積雪で蓑毛止まりのお知らせが張ってありますが、意外なことにタクシーが上がってきました。こんな積雪でも上がってきてくれるのですね~、これにはちょっとびっくり。

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アイゼンをつけたものの、岳ノ台への径はトレースがあまりなく時間がかかりそうだと引き返したり、6本爪は車道を歩くには、ちょっと歩きにくいので、結局4本爪に履き替えたり、と余計な時間を食ってしまい、ヤビツ峠で20分も停滞。

車道を歩き富士見山荘前のトイレに寄ってから、表尾根に入ります。さっそく結構な積雪。トレースがあるので、アイゼンさえあれば問題なく歩けますが、なければスノーシューでもない限り、ラッセルに苦しめられそうです。

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周囲の木がだんだんと展望を遮らなくなってきて、相模湾を見渡せるようになり、背後の大山が目の高さになってくるとやがて二ノ塔。…と突然姿を現す富士山。あぁ、なんて素敵な尾根なのでしょう。今まで一度も歩いていなかったなんて…。でも、ドカンというかゴロゴロというか、へんな音が聞こえるのはちょっとなぁ…

少し休んでから三ノ塔へ。ここも素晴らしい。富士山だけでなく南ア南部も見えています。この尾根は展望の尾根ですね。冬晴れの日にうってつけ。そしてこの日のように雪が深いと丹沢名物の丸太の歩きにくい道も丸太が隠れてくれます。風もなく好い日に来たのかも知れないと思いつつ歩いていくと…。え?あんなにしたまで下るの?というぐらいずいぶん下に烏尾山の小屋が見えます。

そして、どうみても塔ノ岳であろう、この尾根の一番の高みは遙か遠くです。塔ノ岳に11:30までに到着したらまだ行ったことのない丹沢山へと考えていたのですが、11:30どころか、お昼前に着くことさえこの積雪と私の足では絶望的。もう今日は塔ノ岳までで十分と、のんびり歩くことにしました。

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(三ノ塔からの表尾根:左下が烏尾山。中央に遠く塔ノ岳を望む)

三ノ塔からの下りは、凍結していたら神経を使うところでしょうが、この日は凍結はしていなかったので、それほど恐怖を感じることもなく下れました。せっかく稼いだ高度を一気に手放すのが少しもったいなくは感じましたが…

ずいぶん下った鞍部からの登り返しはそれほどきつくないのですが、雪の重みで笹が登山道に被さってところどころ歩きにくくなっています。烏尾山荘前のベンチでティータイム。昨晩尊仏山荘に泊まられた方とみやま山荘に宿泊された方のお話を立ち聞き(笑)。新築のみやま山荘は結構暖かかったようです。

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(烏尾山へ…)

行者ヶ岳のクサリ場はさすがにこの雪ではいやらしく、神経を使いました。木ノ又小屋で時間が時間だったので食事にしようかと思ったのですが、展望がイマイチで、チョコで空腹をしのぎ、塔ノ岳まで頑張ろうと出発。

しかし、塔ノ岳への登りが始まる手前に展望もよい小平地があったので、ここを勝手にゴン太の休ン場と命名して、お昼御飯にしました。考えてみれば山頂は人が大勢だし、何よりお腹がぺこぺこでした(笑)。


その2に続く

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2007.02.25

【黍殻山から袖平山北尾根】 山バス情報55

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(黍殻山手前より南アルプスを望む)

【山行日】2007年2月24日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅      - 05:40 新百合ヶ丘     (小田急線)
新百合ヶ丘    05:45 - 05:57 小田急多摩センター (小田急線)
京王多摩センター 06:01 - 06:10 橋本        (京王線)

「バス」
橋本  06:20 - 06:50 三ヶ木 (神奈中バス 420円)
三ヶ木 06:55 - 07:20 西野々 (神奈中バス 320円)

「歩行」
西野々  07:30 - 08:25 焼山登山口分岐手前の小平地
小平地  08:30 - 09:20 焼山
焼山   09:30 - 10:25 黍殻山下のベンチ(水場分岐)
水場分岐 10:35 - 11:35 姫次
姫次   12:05 - 12:20 袖平山
袖平山  12:25 - 13:15 944付近
944  13:25 - 14:15 登山道(林道)との合流点
合流点  14:25 - 14:50 東野バス停  

「バス」
東野 15:15 - 15:33 やまなみ温泉 (藤野町営バス 200円)

「温泉」
やまなみ温泉 15:40 - 16:25(入浴料 600円)

「バス」
やまなみ温泉 16:35 - 16:50 藤野駅 (神奈中バス 220円)

「鉄道」
藤野 17:13 - 17:32 高尾 (中央線)
高尾 17:43 - 京王線某駅  (京王線)


※上記バス時刻は実際の運行時間でダイヤとは若干異なります。



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今回は、まず、山バス情報から先に…。

上記写真の藤野町営バスですが、運転手さんのお話によれば、3月11日に相模原市と合併することにより、東野→やまなみ温泉の土日ダイヤが少し増便される見込みだとのことです。現在奥相模湖発17時台のバスが東野まで延伸されることになり、今までより登山者にとっては利用しやすいダイヤとなりそうです。

具体的なことは藤野町のHP相模原市のHP?)にて、近くアナウンスされることと思いますので、そちらの方でご確認いただきたいのですが、もし実現すれば、合併により登山者にとってはよい状況がもたらされることになります。

で、上記写真のライトバンバス本体ですが、合併を機に廃車となる見込みだそうで、この写真もそう言った意味で貴重なものとなりそう(笑)です。

この藤野町営バス、神奈中が藤野~月夜野路線から撤退した後、朝の便も含め登山者にとってはその格安な運賃とあいまって大変貴重な存在だったわけですが、なかなか利用者がいないようで、この日も私一人の貸切でした。相模原市になっても存続は確実なようですので、皆さんも是非ご利用ください♪

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登山道の状況は、この日歩いたのはいずれも北斜面だったわけですが、積雪はほとんどゼロでした。但し、蛭ヶ岳~檜洞丸のいわゆる丹沢主稜は遠目に見てはっきりと積雪があることがわかりました。

袖平山北尾根はエアリアには赤の破線もありませんが、尾根通しであり、ある程度山慣れた人で地形図とコンパスが使える方ならそれほど難しくありません。
ただ、944から主尾根を右にはずれて小尾根を降りる際は気をつけてください。丹沢によくある「急傾斜な小尾根に芸もなく真っ直ぐつけられた踏み跡」を降りるわけで、雨後や積雪のあるときなどはかなり厄介だろうなと思いました。


黍殻山避難小屋ですが、トイレもあり、天気のよい日であれば日当たりもよく、とても気分の好い場所です。ここ泊まりでの計画も練ってみようと思いました。

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藤野やまなみ温泉ですが、600円払う他は、ロッカーも靴箱もタダで、お湯もわりと好く、お奨めです。主食以外の菓子果物などの持ち込みもOK。この日は花粉落とし(笑)の為に連絡の好いバスを一本見送って入ったのですが、寄ってみてよかったです。

なお、藤野駅でみかけた東尾垂の湯のパンフレットによれば、こちらの温泉施設は無料送迎バスが藤野駅まで走っています。朝の便は山には使えそうもありませんが、夕方の便は(あまり便利ではないけれど:笑)使えなくありませんね。ただし、こちらは入場料850円(タオル・バスタオルセット付)。場所は奥牧野の近くの小津久バス停前です。

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(クリック拡大可能)

最後に…、この日登りは東海自然歩道をずっと辿ったわけですが、焼山を過ぎ右手にちらちらと南アが見えてみるものの、とうとう姫次まで、マトモな展望地点がありませんでした。で、姫次ではご覧の通り↓の「ガックリな」光景(笑)。黍殻山手前で不本意ながらもトップの写真をカメラに収めておいて好かったです…。

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(画面ほぼ中央に雲に隠された富士。 南アも消えていました 一時間前なら…)

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