2024.06.23

【梅雨の晴れ間に…タクシーでのんびり大蔵高丸】 タクシー情報

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(ハマイバ丸の先で…)

 

【山行日】2024年06月22日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 06:19 大月 (JR中央線各駅停車)

「タクシー」
大月駅 06:40 - 07:05 湯ノ沢峠入口 (6600円)

「歩行」
湯ノ沢峠入口 07:15 - 08:05 古い道標
古い道標   08:10 - 08:25 湯ノ沢峠
湯ノ沢峠   08:35 - 09:10 大蔵高丸
大蔵高丸   09:20 - 09:50 ハマイバ丸
ハマイバ丸  09:55 - 11:15 大谷ヶ丸
大谷ヶ丸   11:45 - 12:55 大鹿山手前
大鹿山手前  13:00 - 14:05 景徳院
景徳院    14:15 - 14:45 甲斐大和駅

「鉄道」
甲斐大和 15:24 - 16:33 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾   16:34 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

 

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(大蔵高丸山頂でも…)


 ついに、というか、やっと梅雨入り宣言が出た関東。これまで何日もあった休日の晴れをぐうたらと過ごしてしまった私も、ようやく山へ出かけようという気持ちになってきました。。。ちょうど、土曜日は晴れの予報で、平井さんの予報では、からっとした暑さと言うことで、出かける先に選んだのは、またあのコースで行きたいとずっと思っていた大蔵高丸。なにもかも値上げされてタクシー代も上がっているだろうけれど、いくらぐらいかかるのかも知りたい、ということもあり、朝は早起きして大月駅へ。

 しかし、6時半前に着いた大月駅前にタクシーの姿は見あたらず、コースを代えて富士急の一番電車で行く別のプランに変更しようかとも思ったのですが、タクシー会社に電話してみると、10分ほどで車を回せますというお返事で、大月駅で待機。ほどなく現れた運転手さんに名前を言われて、タクシーに乗り込みます。

 運転手さんのお話では、今は大峠まで9000円ぐらいかかるそうで、楢の木尾根も歩いてみたいと思っていた私は、大峠は誰かと相乗りで割り勘して行くしかないかな…と(苦笑)。しかし、7000円以上いっちゃうかなと覚悟していた湯ノ沢入口までの料金は6600円。これなら、またもう一度利用してもいいかな、なんてちょこっと思ってしまいました(昔の大峠までの料金と同じぐらいなのに…経済観念がないですね(笑))。

 登山口には既に二、三台車が停められており、後ろの車の方は、これから登山靴を履いて…というところ。挨拶をして、さて、登山届けを出そうかと、スマホを取り出して見るも圏外。慣れないタクシー利用(笑)だと、こういうところでミスが起きてしまいます。少し上がったところで、圏内になったので、試してみましたが、どうやら、向こうの電波はこちらに届いているものの、こちらの端末の電波は弱すぎて向こうに届かないという状況のようでした。(ちなみにこの状態は峠に上がっても、見通しのよい山頂でも同じか圏外かでした)

 この径を歩くのは随分久しぶり。最初は前世紀このブログを始める前のこと。当時の最奥の停留所「桑西」から車道をとぼとぼ歩いていたら、運良く後ろから来た車に乗せてもらいましたが、その次はそんなこともなく、車道を歩ききってのアプローチ、時間や疲れなどもあって、当時できたばかり(?)の米背負峠からの経路で下ってしまいました。でも、いずれも、そのときの感想は「このあたりで一番歩いていて気持ちのよい径」で、実際、下で挨拶した車の方も、峠で少しお話をしたとき同じことをおっしゃってました。

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 径は、ほぼ湯ノ沢沿いにつけられていて、急な箇所もほとんど無く、自然林100%の木陰に包まれ、暑い季節でも苦も無く登ることができますし、アプローチの関係上でしょうか、人に出会うこともほとんど無い静かな径です。聞こえるのは沢音と、もう盛りを過ぎてやや弱い感じのトーンになってきたハルゼミの合唱。久しぶりの山行きでなかなか上がらない足でも、気持ちよく歩いて行けます。

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 途中、45分ほど経過したところで木ぎれに記された古い道標↑が見つかり、一息入れましたが、そのあとは見覚えのある最後の水場(水場の標識はありません)で、開けたばかりの500mlのペットボトルに天然水を補給して少し登れば湯ノ沢峠です。


 湯ノ沢峠には、「小金沢山・牛奥の雁ヶ腹摺山・大蔵高丸・ハマイバ」の手押しのカウンターがあり、ハマイバはここから降りてハマイバ前バス停へ行く人のことかな…という感じで大蔵高丸のカウンタを押していきます。

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(峠のカウンタ…昔からありましたっけ?)

 すぐに鹿よけのネットで囲まれた区域に扉を開いて入っていきますが、なんと、ほとんどお花らしいものはありません。一面草原といった雰囲気で、見つかるのはキンポウゲなど鹿さんが食べない黄色系のお花だけ。以前同じような時期に来たとき、それなりにいろいろ咲いていた記憶があるのですが、今はどこかに進入経路があって、ネット+扉で囲った意味がほとんど無い状態に感じました。

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(黄色以外のお花がほとんど見当たらない草原のようでした)

 

 「植物採集は禁止」の立て看板も見つかりましたが、見た感じから、鹿柵が機能していないというふうに思えました。峠まで車で来られますから、盗掘という確率がないとは言えませんけれど。。。

 再びゲートを抜けて大蔵高丸がでんとそびえる地点。ここももちろんお花無しですけれど、こんもりしたあの山の頂に向かう気持ちは格別です。

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(大蔵高丸へ…気持ちが高まる♪)

 もっと直線的に登っていくような記憶があったのですが、うまくゆったりとしたジグザグを切って無理なく山頂へ至る感じの道になっているのですね。山頂からは、最後の一筋ともいえる残雪が好いアクセントで富士山がすっきりと見えていて、右に目を移せば南アルプスも今日は綺麗に見えています。もうこれで、4回目か5回目になりますが、大蔵高丸からのこれほどの好展望は初めてです。

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 お花畑ではちょっとがっくりきてしまいましたが、この展望を満喫できたことで、朝早く起きてタクシー代を払った甲斐があったと、気分よく山頂をあとにしました。

 ゆったりとした稜線を下っていき、途中遠くにツツジ系の赤い花を見つけ、一瞬この時期だとレンゲ?とも思いましたが、遠くから見てもあの独特の葉っぱではなさそうで、その先で見つけた赤色のツツジもやはりヤマツツジでした。

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 更に進むと、再び鹿柵。こちらには扉に「撮影中です。『希少種・絶滅危惧種を含む貴重な草原植生を撮影し調査研究しています。登山道から植生内に立ち入らないでください。』」と環境省の名前で表示があります。

 こちらは背丈の高い植物も群生していて、少し期待して入ってみたのですが、私の目にとまった植物はやはり黄色系ばかり。かろうじて、遠くにアヤメ(ショウブ?)らしき花が一輪と咲き始めらしいアザミ(?)↓が見つかっただけ。来た時期が悪かったのかなぁ…とも思いましたが、どうもこちらも食べられているような印象をぬぐえませんでした。

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 入口にあったものと同じ表示のある扉を抜けて、闊達な草原の尾根径を進んでいけば、また富士山が現れ、その少し先がハマイバ(破魔射場)丸。三角点にタッチして、少し休憩。山頂は木立に囲まれており、「秀麗富嶽十二景 三番山頂」の看板は、ちょっと??ですが、その前後の富士山は確かに美しいだけでなくかっこいい感じですね。

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 ハマイバ丸到着は10時前で、この調子なら米背負峠から下るという選択肢は姿を消して、とりあえず、大谷ヶ丸で、少し早めの昼食にしようかなと。。。でも、ここから先が、これまでの緩やかな上り下りとは違って、結構大変なところなのですよね。

 山頂の先で満開のヤマツツジの向こうにそれこそ秀岳の富士山を望んだ(トップ写真)あとは結構滑りやすい急坂下り。そして一度天下石に登り返したあと、また急な下りで米背負い峠へと一気に高度を落としたあとで、更に大谷ヶ丸への急な登りが待ち受けています。

 しかも米背負峠の先では、プーさんのものらしいまだ新しい落とし物を目にして、すれ違う人も絶えてきたことだし、と鈴をつけての登りです。息が上がらないようにゆっくり登るべきなのですが、やはり、あの場所からはできるだけ離れたい、との思いでやや呼吸は乱れぎみ。それでもおいしそうなキノコを目にして撮影したりで、ほぼコースタイム通りに大谷ヶ丸山頂に到着できました。

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(これは落とし物ではなくキノコです、たぶん(笑))

 大谷ヶ丸で大休止。お湯を沸かしてお茶を煎れ、おにぎりタイム。大蔵高丸・ハマイバ丸と異なり、こちらは誰もおらず、30分ほどのんびり休憩できました。

 大谷ヶ丸からの下りはエアリアに滑りやすい急坂と書いてあり、ここから先はほぼ下りベースと判っていたこともあって、ストックを取り出し、約二ヶ月ぶりの山行きですから、膝痛予防をかねてゆっくり進みます。

 どちらかといえば、ハマイバ丸からの下りの方が滑りやすいし急だと私は感じましたが、200mほど標高を下げたあとは概ね平坦な道のりです。初めて歩いたときにできたばかりだった防火帯も今は防火帯らしくなくなって、エアリアに注意書があるものの、現地は枝が置かれているだけで、指導標を置かないと間違えて入り込んでしまうのではと心配してしまいます。

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(中央の明るい防火帯へついつい引き込まれてしまいそうですが、枝の手前を右手の踏み跡へ進みます)

 

 この稜線はピークらしくないピーク=コンドウ丸に標識が置かれたほかは、前世紀末から旧大和村と大月市の古いプラスチックの指導標(地面に落ちたものや判読不能もある)が混在しており、是非新しい指導標を整備してほしいと思います。
 
 大谷ヶ丸から一時間ほどで曲沢峠。ここから曲沢沿いに降りる径は荒れているとの表示があり、最近のエアリアでは赤破線も消えてしまっています。最後の下りですし、二ヶ月ぶりの山、安全策をとって、すぐ先の大鹿山手前まで行って、水分補給と足休めをしてから景徳院目指して下ります。

 この径は、そこそこ急ですがほぼ尾根に沿って一直線に径がつけられているので、先が読めて安心です。途中急に植林帯になるところもありますが、基本的に雑木の尾根径で、紅葉の頃もそれなりに楽しめるように思いました。

 ただ、最後の方で、簡易舗装の径になったあとの、ココ↓。

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(右の白い手すりの方ではなく、左手の簡易舗装へ行きます)


 ここは指導標が置かれるべきではと思いました。エアリアの冊子には写真入りで右手の白い柵沿いではなくて左に折れると書かれていますが、読んでない人は素直に白い柵沿いに下ってしまうのでは…と思います。この時期は左手に降りても結構草が被っていますし…間違いやすい箇所ではないかと思いました。

 景徳院バス停に行ってみると、甲斐大和行きのバスは、30分以上あとで、しかも上日川峠からのもの。30分あれば、歩いても駅に着いてしまいますし、おそらく満員のうえに立たされてしまうこと必至。逆に天目温泉に行くバスがあればお湯に寄ってから帰るという手もあるのですが、上に上がるバスは、もっと待たなければならない、ということで、一番暑いと言われる時間帯(14時)に灼熱のアスファルト道歩き(笑)。

 平井さん、からっとした暑さって言ってましたけど、結構蒸し暑いですよ、と呟きながら、黙々と歩いて行くと酒屋さんが見つかり、入ってみると、ビールだけでなく、笹一の原酒のワンカップも冷えていたので、一本ずつ購入。ビールを飲みながら駅へ向かい、着いてみれば40分以上の待ち時間。友人にメールなど打ちながら時間をつぶして、15:24の高尾行きを待ちます。

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 駅のホームは上日川からのバスの乗客で結構な人数でしたが、やってきた高尾行きはガラガラ。余裕で座って、笹一のワンカップをグビグビ。。。これが効いたのか、その後の笹子から相模湖の間の記憶が全くなく、ガラガラだった車内は相模湖駅(特急通過待ち)では立ち客がたくさん出ていて、隣には若い女性がいつの間にか座っていました(笑)。

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2023.06.18

【10年ぶりの春ゼミ大合唱の御坂は…大石峠~黒岳】 山バス情報193

 

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(大石峠)

 

【山行日】 2023年06月17日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 06:19 大月   (JR中央線各駅停車)
大月 06:25 - 07:05 石和温泉 (JR中央線各駅停車)

「バス」
石和温泉駅 07:22 - 08:12 上芦川 (笛吹市営バス:富士急運行 870円 7分ほど遅延)

「歩行」
上芦川バス停 08:25 - 10:05 大石峠
大石峠    10:15 - 11:20 中っ藤山
中藤山    11:30 - 11:50 変わり果てた新道峠
新道峠    12:05 - 13:00 黒岳南の展望地点
展望地点   13:15 - 14:55 喫茶『風乃栖』(ハーブティー500円)


「バス」
三ツ峠入口 16:02 - 16:45 河口湖駅 (富士急バス 580円 10分ほど遅延)

「鉄道」
河口湖 17:01 - 18:02 大月 (富士急行 各駅停車)
大月  18:48 - 中央線某駅 (JR中央線 快速東京行き)

【地形図】 「河口湖西部」 「河口湖東部」

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(木の花:サラサドウダンは鈴なりだったが…)

 

 GW以来、ひと月半、またまた山をサボる悪い癖が…。どこか歩いておかないと夏のスペシャルにも行けない身体に逆戻りしてしまう…ということで、日帰りで、しかし、少し長めの歩行時間になるコース、ということで選んだのが、10年前にも、20年以上前にも訪れた大石峠~黒岳の稜線歩き。

しかしながら、河口湖~大石~芦川のバス便は無くなってしまっているので、旧芦川村から大石峠に上がり、黒岳からは以前に登りで敗退した(苦笑)南稜から板取沢へのコースを下りにたどってリベンジ(?)を果たすというプランにしました。

 早朝の石和温泉駅、7時過ぎですが、すでに客待ちタクシーが待機しています。鶯宿行きのバスは、右側の甲府~河口湖線と違って、向かって左側のバス停から発車します。停留所の表示によれば、笛吹市の市民バスを富士急が運用しているということのようです。

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 発車時刻を過ぎてやってきたバスは、しばらく停車したあと、07:30頃の出発。乗客は地元の方がお一人に対し、私を含めた登山者が3人ということで、ほぼ想定内の乗車率です。結局登山者は3人とも上芦川で下車してしまい、鶯宿までは空気輸送でした。

 バス停から登山口までは、下の車道は交通量が多いですし、久しぶりにここら辺の集落の様子をうかがう良い機会ですから、上芦川諏訪神社の大ケヤキのある集落の道路を行きます。懐かしい気持ちで兜造りの古民家が立ち並ぶ集落をずっと歩いて行き、FUJIYAMAツインテラス(新道峠)送迎バスのバス停「藤原邸」の先で右折です。

 いつの間にこんなものが…とバス停の写真を撮っておいたのですが、それによると火曜日は運休。そのほかは以下の写真のように、9時から15・16時まで沢妻亭(新井原のあたりだと思います)と新道峠直下のツインテラスなる施設との間を1時間に1・2本走ってくれているようです。運賃は200円ですので、御坂黒岳に時間をかけずに登りたい方は利用してみるのも手かも知れません。

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(送迎バス時刻表:クリック拡大可)

 交通の激しい通りに降りたら、少しわかりにくいですが、道路を渡って左手に進むと「大石峠→」の指導標が見つかります。ここからは、エアリアの大石峠入口とあるところまで、実質舗装道路歩きで、周囲の木々も植林ばかりなので、少々気が滅入りますが、上芦川バス停からずっと聞こえっぱなしのハルゼミの鳴き声を聞きながら黙々と進みます。途中のわかりにくい分岐には「大石峠→」の標識がありますので、迷うこともないでしょう。

 舗装道の終点で、水分補給をかねて一息いれたら、いよいよ土道の峠道を進んでいきます。周囲は自然林百パーセントとなり、ハルゼミの声もひときわ高らかに聞こえてきます。そう言えばハルゼミの声って何年ぶりだろう?思い出せないぐらい昔のことだと気づき、これまでのサボりまくりを反省。沢を離れるところで、先ほど飲み干したペットボトルに水を補給して登っていきました。

 さすがに昔ながらの峠道だけあって、稜線直下の急傾斜はこういうふうに径を切っていくんだよ、というお手本のように、身体に負担のかからない径造り。峠に飛び出せば目の前に、どーんと富士山!

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 数ある展望地の中でも、ここから眺める富士山ほど迫力があって、それでいて端正な形状というのはなかなか巡り会えない気がします。この日は稜線歩きの最中、富士山はずっと、雲もかかることなく見えていましたが、後で振り返ってみても、大石峠からの富士山が一番でした。

 ただ、残念だったことは、そうです、お花が…。10年前に来たときも唖然とするぐらい花が減っていましたが、もう今は、その回復さえ期待しない方がいい、という状況なのかな、と。。。何故か一輪だけ、アヤメが周囲の植物に囲われた形で奇跡的にという感じで残っていたのが、かえって痛々しい印象を受けました。

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(自然の保護柵?に守られて一輪だけ…)

 峠で水分補給がてらゆっくりしたら、黒岳方面へ歩を進めます。稜線もエゾハルゼミがずっと泣き続け、吹く風は涼風で気持ちよく、周囲の樹木も自然林で熱い太陽光線から守ってくれて、爽快な稜線漫歩です。10年前のこの時期も新道峠まではほとんど花らしい花も見られなかったので、覚悟はしていたのですが、やはり往時を知っているものには寂しい限り。赤や朱色のヤマツツジとサラサドウダンなど、鹿の口の届かない木々の花は見られたものの、地面には一輪の花もなしです。ヤマツツジは同じ樹なのに萎れているものとまだ蕾のものが同居していたりで、少々わかりにくい開花状況です(笑)。

 すぐに不逢山に至り、そのまま稜線をたどっていきますが、途中一箇所でトウゴクミツバツツジの咲き残りと、このアリンコに集られた小さな白い花を見かけただけで、特筆すべきものはないまま中っ藤山。大石峠から一時間ほど経過していたので、腰を下ろして水分補給休憩。

 時刻は11:20。お昼はどうしようか、新道峠にはこれといったものもなかったし(すぐに大ありと気づきます:笑)、確か新道峠の少し先に展望地点があったので、あそこで…と腰を上げて新道峠に降りてみると…。

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 ああ、なんということでしょう。これはちょっとやりすぎでは…、というふうに感じてしまうのは年老いた登山者目線だからでしょうか。。。なんと、舗装道が上がってきてこんな展望台が…、少し先にも、もう一つダメ押しの展望台が…。

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 これは唖然としてしまいましたが、もうできてしまったものだし仕方ないやと、やけくそで、背後にあるベンチも空いているしと、ここでちょうど正午ということで、この真新しい展望台とその前にドカンとそびえて見える富士山を眺めながら複雑な気持ちでおにぎりをほおばりました。

 短いお昼休憩を終え、黒岳に向かうと、朝バスでご一緒だったご夫婦が新道峠の先の従来からある展望地点でお食事中。これがあれば十分じゃんという気持もありますが、まぁ、新道峠を観光地化するのなら、あの程度の規模のものが要るのかな、というあきらめに似た気持ちもありました。

 相変わらずハルゼミは蝉時雨のまま疲れも知らずに泣き続け、稜線の樹木は本当に美しい自然林で吹く風もこの上ない。しかし、新道峠から先も地面の花はほぼゼロ。10年前に来たときは六月の末だったけれど、ここでグンナイフウロやヤマオダマキが二週間後に咲くとはとても思えない径の様子です。

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(すずらん峠の先にあるこの標識が、何か皮肉のように見えてしまった…)

 20年前に来たとき、既にほころび始めていたのでしょうが、10年前に半壊、そして今はほぼ全滅、と言って大袈裟ではないと思います。もうこの時期に御坂を歩く楽しみはないかも知れない…、訪れるのなら新緑や紅葉の方が楽しめるのでは、そんなことを考えながら、地面ばかり見ていたせいでしょうか、降りてくる登山者に、もう少しよ頑張って、と励まされて、御坂黒岳山頂。。。

 山頂自体は、いつものとおり、三角点タッチと山梨百名山標柱撮影だけで素通りして、南稜にある展望地点へ。時刻は13時過ぎ。ここで再度水分補給をしつつ、少しだけ雲がかかった富士山を眺めながらのんびり…というのはウソで、周囲にいる登山者がいなくなるのを見計らって、南稜下山を開始しました。「そっち違いますよ」と言われるのもありますが、エアリア赤実線なので、他の登山者にこっちに行ってみようかという気にさせるのもいやだったのです。

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(南稜ではかろうじてこんな花が地面に…)

 ところが、少し進むともう少し先にある展望地点で登山者が休憩中。挨拶だけしてコンパスを振りながら、南下していきます。しかし、径は考えていたよりもずっと明瞭。踏み跡を追っていけば、特に地形判断を要するようなこともなく、急傾斜にはロープが設置されており、時折、大丈夫、この径で合ってますよ、という感じで「広瀬→」の緑色の標識が現れます。

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(あと、こんな花も…)

 

 急傾斜部分は、確かに、山慣れていないと、ちょっときつく感じますし、凍結や雨天時などは下りにとるのはやめておいた方が好いでしょうが、とにかく明瞭な踏み跡で藪もありません。急傾斜な分、鹿通りも少ない?せいか、少しだけ地面にお花が咲いているのに気づきました。

 広瀬と三つ峠登山口(「←御坂トンネル」と表示されています)の分岐は、指導標があるわけではないですが、1554の小ピークを越したあと左手に注意して歩いていれば、気づくと思います。ただ、この程度の標識で赤実線はちょっとなぁ…とも思います。その先の径も沢を左岸に渡るところに倒木があって間違いやすいということを除けば、土留めもある非常に明瞭な登山道です。

 最後も、確かに橋が崩落していたりはしましたが、登山口に到着してみれば、あんな昔と今では随分状況は変化しているだろうけれど、あのとき「どうして径が見つからなかったのか」その理由が全然判らないというのが感想(苦笑)。

 通りに出た瞬間、河口湖行きのバスが目の前を通過。手を振りましたが気づいてもらえなかったようでした。時刻は15時前、調べておいた14時のバスは14:24通過で、30分以上も遅れているの?とバス停の時刻表を見ると河口湖行きのバスは14:43と書かれています。10分ほどの遅れだったようですが、もう逃してしまったものは仕方がありません。

 次のバスは16:02。バス停そばに旦坐喫茶『風乃栖』というのがあり、さすがに一時間も交通の激しいバス停あたりで時間をつぶすのもしんどいので、メニューはお茶だけで500円也ということで、入ってみることに。。。

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 これが、実に当たりで、自家栽培で作ったハーブティーというのを注文したのですが、本当においしい。そして、ここの奥様と1時間という時間を退屈することなく四方山話。気がつくともうすぐバスの時間ということで、下山直後のビール飲みてぇ…状態もこの会話とおいしいお茶で雲散霧消です。

 バスは外国人の観光客で大混雑。河口湖駅からは、高速バスで…と考えていたのですが、売り場には外国人観光客が長蛇の列を作っていて、ああでもないこうでもないと押し問答で、列は解消されないまま。。。あきらめて入線している17:01発の各駅停車大月行きに乗り込んで帰途につきました。
  

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2022.12.03

【近ヶ坂峠から市界尾根で鶴ヶ鳥屋山】

 

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(大幡峠の先で…標高700m付近ではまだ紅葉が楽しめました)

 

【山行日】 2022年11月27日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 06:11 高尾 (中央線各駅停車)
高尾    06:15 - 06:59 初狩 (中央線各駅停車)

「歩行」
初狩駅   07:10 - 08:55 △685.1手前の伐採地
伐採地   09:15 - 10:45 展望広場
展望広場  11:00 - 12:20 鶴ヶ鳥屋山
鶴ヶ鳥屋山 12:45 - 13:30 宝越え
宝越え   13:40 - 14:20 沢に降り立つ
沢     14:30 - 15:00 笹一酒造
笹一酒造  15:23 - 15:27 笹子駅

「鉄道」
笹子  15:29 - 16:32 高尾  (中央線各駅停車)
高尾  16:34 - 中央線某駅   (中央線各駅停車)

【地形図】 「笹子」 「河口湖東部」 「都留」

 

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(685.1△手前の伐採地から…美しい冠雪した富士山)


 今回のコースは3年前に高川山を訪れた際に、思いつき、笹一用にとっておいたコースでしたが、その後のコロナ騒ぎで山をさぼりまくって凍結してしまったプランでした。

 どういうわけか、松浦本では、あえてこのコースを避けているような印象を受けてしまいますが、近が坂峠は再び訪れてみたいと思っていましたし、大幡峠までの径は高川山西尾根として紹介されています。ネットで検索してみると何人か市界尾根通しで歩いている人のヤマレコも見つかりましたので、もし市界尾根通しがダメなら林道経由でエアリア赤線に回ればいいだけのこと、行ってみて判断すればいい、と出かけることにしました。

 笹一の新酒祭りは、ちょっと足に怪我(ほんとに大したことない)を負ってしまったことなどもあって、行けませんでしたが、初しぼり新酒は今はネットでも買えますし、酒遊館は年中無休で営業していますから、今更試飲もないだろうというぐらい味は身体化されている(笑)私は、祭りが終わったあとで購入でも別段何の問題もありません。

 最近のエアリアでは近ヶ坂峠から大幡峠にも赤破線が入っていますし、初狩側のクリーンセンターから近が坂峠に至っては、赤実線です。ただ、このコースタイム(初狩駅から近が坂峠経由で大幡峠まで1時間45分!)というのはいくらなんでも無いだろう…と予測。。。(実際私は途中で地元の方の車に乗せていただいたにもかかわらず、685.1手前の伐採地までで1時間45分でした)

 そんなわけで、高尾発06:15で出発。初狩駅には7時前の到着です。最初は一般登山道と同じ車道歩きで、エアリア片手に歩いていたら、途中で地元の方が、登山口まで乗っていきなさいとドアを開けてくれて、事情を説明すると、途中の丸田クリーンセンターの角のところで降ろしてもらえました。

 クリーンセンターを右手に見てまもなくでグラウンドが見えてきて、その左手に老人ホームがあり、その老人ホームの一番奥(東)に結構立派な指導標「近ヶ坂峠入口」があるのですが、ご覧の通りののっけからの藪のはびこりようです。

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(エアリア赤実線とは思えない藪…)

 実際、この先は峠道に出るまで藪がきつくてかなりわかりにくいです。正解は老人ホーム施設の柵に沿って右手に歩いて行けば、一目でそれとわかる昔ながらの峠道が現れます。

 老人ホームをあとにすれば、この峠道は峠の手前まできわめて明瞭でわかりにくいところはありません。この標高ならと少し期待していた紅葉ですが、余り芳しくなく、再び径が不明瞭になると近ヶ坂峠で、見覚えある峠なはずですが、3年で結構様変わりしていました。背の低い笹藪なのですがこれが大幡峠方面への経路をわかりにくくしていて、記憶を頼りに藪をかき分けて見つけた石仏は、何と一体(かつて左後方に佇んでいた石仏)が、うつぶせに倒れていました。

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(俯せだったのを仰向けにするのが精一杯でした…)

 

 石仏は見た目よりもかなり重いのと、縦型であることなどもあって、元通りに建てるのは私一人では無理で、うつぶせよりはましだろうと、仰向けにして寝かせてあげることしかできず、申し訳なかったのですが、前にもほかの場所で同じようなことがあったな…と思い出しながら手を合わせて、西へ向かいました。。。

 尾根道に入れば径型も明瞭で、中津森方面(エアリアには通行困難・廃道状態と記載)の分岐も中津森方向に横に木が何本も置かれていて、気をつけていれば入り込むこともないでしょう。恩賜標や境界見出標があるのを確認しながら進んでいくと、富士山がちょこちょこと姿を現し始め、唐突に、つい最近伐採されたばかりと一目でわかる伐採地に出ました。

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 陽当たりも良く、眺めも好い場所、せっかくですから、朝あまり食欲がわかず残しておいたサンドイッチとテルモスのお茶で、休憩することに。。。やっぱり、富士山はこういうふうに雪化粧した姿が一番だなぁ…などと思いながら、しばしぼんやり…。静かな山の一人歩きは、これがあるからやめられません。

 その先でいったん鞍部に降りて登り返すところは、少し難しいかも知れませんが、尾根歩きに慣れている人なら何の問題もないでしょう。685.2三角点には「大窪山」という標識が見つかりましたが、先ほど休憩したばかりですので素通り。その先も尾根通しに境界見出標を確認しつつ歩いて行けば大幡峠ですが、やはり予想通り舗装道に降りる手前は、藪でわかりにくくなっています。松浦本では大幡峠に向かって右手に降りるはずですが、エアリアは逆に左手に降りるように図示されています。私には右手に経路は見つかりませんでしたので、左手の頼りない踏み跡をたどって降り、降りた場所にはピンクテープが一応見つかりました。

 大幡峠は9:45頃の到着。初狩駅から車道をそのまままっすぐ歩けば8時頃には着いていたわけで、結局、近ヶ坂峠から市境尾根で…などという酔狂をやりたさにこんな時間に…。寝坊して遅出のハイカーみたいなものです(笑)。

 大幡峠から先は、松浦本にもエアリアにも何も記載がないので、自分で判断して取り付くしかありません。私は、ガードレールと法面の境から上がっていきました。尾根に上がったら、いちおうコンパスで方向を確認。境界見出し標も見つかり、しばらくして現れた雑木の紅葉を楽しみつつ登っていきます。

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 しかし、地形図で見てあらかじめ覚悟していたものの、尾根が西から再び北西に向きを変えたあとは、とんでもない急傾斜です。こういうのは写真で見せても伝わらないので、どのぐらいしんどいかは現地に行って自分の足と肺で確認しいただくしかありません(笑)。

 呼吸を整えるために休み休み登っていくとやっと少し傾斜が緩んだ先にエアリアにも松浦本にもなぜか記載のある展望広場に着きます。要するに黒野田林道に出たわけです。

 展望広場という休憩舎ですが、富士山は見えるには見えますが、先ほどの伐採地ほどではなく、三つ峠に半分以上隠されています(笑)。ただ、山名表示板があるので、ほかの山を見るには好いかもしれません。ほかに恩賜林の説明板があり、東屋の下にベンチもありますが、黒野田林道は一般車両は通行できないと思いましたので、誰のために、この場所にこのような施設を作ったのかがよくわかりません。

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(展望広場という名前の休憩舎)

 

 私のような悪い子ハイカーのためかな、と呟きながら、ここでテルモスのお茶を全て飲み干し、休憩。ザックを置いたまま、ここから先の尾根の取り付きを探しに行きました。まぁ、ここは、あれしかないよな…という場所が見つかりましたが、詳しくは書きません。これから先凍結していたりしたら、かなり、していなくても結構危険な感じでの箇所で、上り下りできるような段はどこにもありません。

 何とか登って尾根の末端にも立ちましたが、擁壁の先は落ちたらアウトな感じで、逆方向から下りで来た場合、降りるべき方向を見つけるのは結構難しいのではないかと思います。

 最初は赤松植林だった尾根もだんだんと雑木に転じて、ブナ林も現れる道のりで、ここはそれこそ新酒祭りの頃だったら紅葉が楽しめたかも知れない…という感じの尾根歩きですが、これまた地形図を見てもおわかりのように1170m小ピークから先の傾斜は並大抵のものではなくて、1170地点から見る前方の鶴ヶ鳥屋山はまさにそびえるという感じで立ちはだかります。

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(壁のように立ちはだかる鶴ヶ鳥屋山…)

 これも判ってはいましたが、厳しい登り。。。体感の傾斜が70度ぐらいある感じ(笑)で、おまけに足もとが落ち葉でズルズル…踏ん張れないところを、ヒイヒイ言いながら、何度も立ち止まっては登っていきます。たまに振り返ってみると、ここを尾根と視認して下っていけるものかどうか…甚だあやしいものです。

 黒野田林道で鶴ヶ鳥屋を巻いてそのまま笹一に下ればよかった(笑)と、冗談を呟いてしまったぐらいの傾斜がようやく緩んで、右手から正規の登山道である尾根が合わさり、落ち葉径をへろへろになって進んでいくと、やっとのことで鶴ヶ鳥屋山山頂の標識と三角点。。。前にも書きましたが、山梨百名山の選にもれたことが、どうにも納得できない素敵な山頂です。

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(わりと新しいこんな標識も…)

 

 時刻は12:20。誰もいない山頂で、ゆっくりお湯を沸かして、お茶を飲みながらおにぎりをモグモグ…。山での達成感というものを、私の場合、ほとんど感じることがないのですが、今回ばかりはプチ達成感を少しだけ感じるひとときでした。

 山頂をあとにしたのは13時前でしたが、もうあの急坂で足は疲れてしまって、あとは一般登山道で一番早く下れる宝越えを目指すのみ。素敵な雑木の尾根道ですが、アップダウンがこんなにあったっけ?と思うほどの尾根道。ただ、この稜線はホントに林相が好いですね。そして樹間越しですが、冠雪した南アルプスが見えるのもうれしい。。。

 

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(ん~、いいですねぇ…この稜線)

 それまで誰にも会わなかった山旅もさすがにこの稜線では3人とスライドして、宝越えという名の笹子への下降ポイントに到着。ここから直線距離は短くても結構な道のりなのは判っていましたので、足休めしながらルート確認をして下山にかかります。

 下山は勝手知ったる一般登山道ですので、特記することはありませんが、一カ所、黒野田林道に降りる手前が大きく伐採されていました。

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 林道から30分ほど急傾斜を下りきって沢に降りたところで、下り疲れて足休め。水筒の水を全て飲み干して、沢沿いの径を何度か徒渉して林道に降り舗装道歩き。。。鶴ヶ鳥屋の北尾根を降りるとここに出るのかな…という地点を推測する程度で、あとは駅に出る手前の路地を右へ下り郵便局の脇に出て笹一へショートカット(笑)。

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(新酒祭りでなくても、新酒は買えました)

 人のまばらな笹一の酒遊館で、ほしいお酒をゲットして、友人にプレゼントの発送手続きをし終えたら、笹子駅へ。運良く、ホームに上がるとすぐに高尾行きが入ってきて、今日の山旅を思い返しながら、帰途につきました。

 

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2022.11.05

【落合から黄葉の伝通院・倉掛山】 山バス情報187

 

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(伝通院山頂…黄葉がちょうど好い感じでした♪)

 

【山行日】 2022年10月29日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」

八王子  06:35 - 07:51 塩山 (JR中央線各駅停車)

「バス」
塩山駅 08:30 - 09:30 落合 (山梨交通 1100円)

「歩行」
落合バス停 09:40 - 10:15 1322m地点(?)
1322m 10:25 - 11:25 伝通院
伝通院   11:50 - 12:50 絵図小屋山
絵図小屋山 13:10 - 14:10 白沢峠
白沢峠   14:20 - 15:48 天科バス停

「バス」
天科 15:51 - 16:45 塩山駅 (山梨交通 790円)

「鉄道」
塩山 17:08 - 18:37 高尾 (JR中央線各駅停車 ダイヤ大幅乱れ)
高尾 18:38 - 中央線某駅  (JR中央線 快速東京行き)


【地形図】「柳沢峠」

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(1578.2三角点手前の尾根で…)

 

 山歩きを再開してから、ずっと観光地のような人の多いところばかりで、そろそろ静かな山歩きを楽しみたいな、ということで、いくつか候補はあったのですが、前々回の山行きの帰りのに使った山梨交通のバス、せっかく柳沢峠を越えて落合まで行ってくれているのだし、ということで、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』に掲載されている伝通院、これの倉掛山から先の下山を一般登山道にとれば、今の私の実力でも何とかなるのでは…との目論見で計画していました。

 ただ、自由乗降区間でピタリと御屋敷の林道入口で停めるのは、柳沢峠から先に行ったことのない私には相当難しそうですし、何よりこういう路線バスの終点まで行って、そこのバス停写真を撮りたい、ということもありまして、地形図「柳沢峠」の落合からの破線路を追って伝通院に立ってみようという、ちょっと生意気な試みになってしまいました。


 この日は、06:35八王子発の次で行くつもりで家を出たのですが、その松本行きにほぼピタリと間に合ってしまいまして、座れるようだったらこれで行ってしまおうと、最後尾から乗り込んだにも関わらず座れてしまいました。予定よりひとつ早い列車で塩山に到着。これがあとになって意外にも功を奏しました。

 塩山駅でバス停に行ってみると、すでに落合行きのバス停にザックがいくつも並んでいて、びっくり。あとの列車で来た登山客を乗せると車内はすし詰め。。。大菩薩峠登山口では半分も降りず、柳沢峠で降ろしたあとも、車内の席はほぼ埋まっていました。そしてなんと驚くべきことには、鶏冠山の登山口で自由乗降後も、車内にはなおも私を含め5人の乗客。これは本当に意外な展開でした。

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(終点・落合バス停では折り返さず、バスは丹波方面へ…)

 

 バスは全ての乗客を降ろした後、丹波方面に走り去っていきましたが、このバス停の塩山行きの発車時刻は30分後の10:00。どこで転回するのでしょうかね。。。そこまで頼めば乗せて行ってくれるのでしょうか??? 転回するバスの写真も撮ろうと考えていたのですが、それは残念ながら叶いませんでした(笑)。

 あと余計なことかも知れませんが、この落合バス停前には酒屋さんがあります。でも土日は営業していないかも知れませんから、帰りの便に使う際にバス待ちの間ビールをなんてことは期待しない方が好いかもしれません(笑)。

 今日は一応バリエーションハイキングですから、柔軟を念入りに行ってから出発です。松浦本にもある落合水源林管理事務所の一番丹波寄りに「100年の森 水道水源林 ハビロ沢」の標識がありますから、素直にそこから取り付きます。すぐに水源林の略図とその由来の書かれた看板↓が現れ、「遥拝殿跡」の先から伸びる破線が目指す尾根に乗るルートと判断し、そこを目指して登っていきます。

 

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(100年の森 説明板 クリック拡大可)


 遥拝殿跡は、土台のみがあってその由来が書かれた看板もあり、それによれば多摩川源流の水干にまつられた水神社奥宮の遥拝殿だったそうです。苔むしたベンチもあり、遙拝山の石柱も建っています。


 その先に奥へ奥へと進んでいくと尾根らしきところに乗れたのですが、明瞭な巡視路(?)は尾根の真上ではなく、脇につけられており、尾根を外さないように気をつけながら、登っていきました。

 さすがに水源林だけあって、色づきはじめではありましたが黄葉が綺麗です。とくに陽差しがあると輝きが一層増して好いですね。ただ色づきはじめのせいか、樹木の種類のせいか、赤色が少なく、あっても色づきが今ひとつといった感じでした。

 

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(1200mから下は、まだ色づき始め)

 地形図と照合して、1322はこのあたりかな、という地点で最初の休憩を入れました。その後の尾根の曲がり方からいっても間違っていなかったと思いますが、特に何の標識も見つかりませんでした。歩き始めて30分ほどで休憩を取ったのは、疲れてしまったからと言うより、やっぱり鈴をつけた方が良さそうだということがありました。落合で降りたうちの一人ぐらいは同じルートをとってくるかも知れないと思っていましたが、どうもそうではない様子でしたので。。。

 1322から先は、もう巡視路が尾根を大きく外すことはないという判断に傾いてしまったのと、尾根筋の踏み跡に大きく木が横渡しにされていたりしたこともありまして、尾根の巻き道のような水平径(明瞭な巡視路)に入り込んでしまいました。 一度は尾根に戻れたものの、急傾斜を嫌って再び巻き道に入り込んでからが、間怠っこしい道のり。。。同じところをぐるぐる回らされている感じです(笑)。すぐそこに伝通院としか考えられないピークがあるのがわかっていたので、植林の保護策にマーキングらしきものを見つけて、洒落臭いとばかりに巡視路から外れて這い上がってしまいました。

 笹に隠れ踏み跡も不明瞭な伝通院の山頂部ですが、ちょうど黄葉が綺麗で時刻も11時半と、まぁ予定通り。。。この静かな山頂でお昼ご飯に決めました。

 

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(紅葉を楽しみながら、おにぎり)

 

 お昼ご飯を済ませたら、コンパスで方角を定め、西へ降りる踏み跡を探して降りてゆきます。防火帯のようになっていますし、降りる先の鞍部(エアリアで「下の大ダル」と表記)に林道が通っているのも見えますので、伝通院から先は松浦本通りでわかりやすいです。

 

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(防火帯のような、西への道のり…鞍部に林道が見えます)

 

 林道を突っ切り「警告!バイク進入禁止」の看板の裏に明瞭な径が延びていますので、しばらくはこれに従い歩いて行きますが、松浦本の「やがて左から道が合わさる」の道は、よくわかりませんでした。これかな、と言うのがありましたが、道といえるほどのものかどうか…。あと「上の大ダル」には標識がありましたが、トタンの屋根というより、廃棄されたトタンのゴミといった感じで、雨宿りにはとても使えません(笑)。

 少しフライング気味に、明瞭な道を離れて笠取林道より手前で尾根に乗って、小笹の尾根道を楽しみながら登っていきましたが、覚悟していたものの、絵図小屋山(松浦本では「墨川山」と表記)への最後の登りは、それなりに絞られました(笑)。

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(気持ちの好い小笹の尾根道)

 

 1740m峰の絵図小屋山は、足も疲れたし、眺めも好いし、ということで、お湯を沸かして、紅茶を煎れてゆっくり休憩。富士山は見えなかったものの、山頂は開放的な雰囲気で、ここは倉掛山よりも一息入れるのには好いなという印象でした。

 予定通り、白沢峠経由の一般登山道で下山です。防火帯の広々した尾根をいったん下り、そこから、こんなに登るんだっけ???というぐらい壁のように立ちはだかっている倉掛山へ。

 このとき、足が痛み出して、なかなか足が上がらず、結構な時間をかけて倉掛山へ登頂(笑)。少しだけ倉掛山南西尾根の様子を偵察してから、白沢峠へ。

 幸い、足の痛みは急登を登るときだけで、下りや、少しのアップでは痛みはほとんど出なかったので、防火帯の尾根道をのんびり下っていきます。さすがに1700mあたりだともうほぼ落葉していますが、それでもこの開放感は、気持ちの好いものです。

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(防火帯の尾根下りは気持ち好い!)

 

 で、前回、倉掛山から下りたときは、あっさりと一般登山道の笠取林道に降りて白沢峠まで行ったのですが、今回は最近のエアリアにも書いてある尾根通しの方へいってみることに…、というか正直に申し上げますと、伝通院への登りで尾根を外してしまったのに懲りて、尾根側尾根側と歩いているうちに林道に降りる降り口に気がつかなかったのです(笑)。

 こちらはなかなかしっかりした踏み跡ですし、古い地形図には載っていない1578.2m三角点や結構綺麗な紅葉にも出会えたので歩けて好かったです。

 その三角点から右に折れる形で下っていけば、やがて白沢峠。標識はいろいろありますが、何と言ってもあの廃車が一番の目印(笑)ですね。峠道は結構な急傾斜という自分の記録があったので、ひとまず白沢峠で小休止。足が休まったところで、峠道を天科・円川方面へと下っていきます。

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 最近のエアリアでは「道狭く荒廃ぎみ」との表記があるとおりで、山を始めたばかりの初心者には、下りの場合、ちょっとわかりにくい径になってしまったな、、、という印象。径が狭いというか不明瞭な箇所が何カ所かあり、特に最初の方で、これから沢を高巻いていく、というその地点で、沢面に降りてしまいかねないミストレースがあります。ここで沢に降りてしまうと、そのあとはおそらく初心者には「道迷い遭難コース」になってしまうでしょうから、早々に沢に降りてしまったら、道間違いですので、すぐに戻らないといけません。

 しばらく沢音をはるか下に聞くような右岸の高巻き道が続き、いつまで高巻くんだろう?という頃に急降下していきます。沢を渡り返すのは、土道が終わってからで、そこまではピンクテープがずっとあります。ただ、肝心のミストレース部分にはテープの目印は見当たりませんでしたので要注意です。

 無事、140号のバス通りに出ると、ちょうど山梨交通の西沢渓谷に向かうバスがやってくるのに出会い、あのバスが戻ってくる頃に、ちょうどバス停につけるかな、という感じでとりあえず、芹沢バス停方向へ歩きます。

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 もちろん、自由乗降区間はわかっていますので、後ろに車の音が聞こえるたびに振り返りながら、車道を南下。しかし、芹沢バス停は見逃してしまったらしく(笑)、対岸の円川バス停で、山梨市の市営バスはもう行ってしまったことを確認。やっぱりあの山梨交通のバスで帰るのか…と思ったのですが、なかなか山梨交通のバス停が現れません(笑)。

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 ようやく着いた天科バス停では、登山者がお二人バス待ち。「紅葉が綺麗でしたね」とのお言葉をいただき、お二人はおそらく黒金山だったのだろうとは思ったのですが、紅葉が見頃だったことには変わりなく、「ホント、ぴったりでしたね」と返答して、まもなくやってきたバスは運良く座れて、塩山駅へ。

 塩山駅では、初狩駅での人身事故で、ダイヤが大幅乱れ。みなさん、各駅の前に出る「かいじ」で帰途につかれたようでしたが、私は、なにも今日中に帰れないわけではないし…と、先にホームにやってきた普通列車高尾行きで…。例によってお土産屋さんで仕入れたビールとワインを味わい、途中3本か4本だったか特急に抜かされ、50分以上の遅れもなんのその、ガラガラの車内に気分も好く、家路についたのでした。

 

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2022.10.10

【やっぱり石丸峠から…大菩薩嶺】 山バス情報185

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(石丸峠から熊沢山)


【山行日】 2022年10月2日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 06:11 高尾   (中央線各駅停車)
高尾    06:14 - 07:11 甲斐大和 (中央線各駅停車)

「バス」
甲斐大和駅 07:48 - 08:27 小屋平  (栄和交通  970円 現金のみ)

「歩行」
小屋平バス停 08:35 - 09:35 石丸峠
石丸峠    09:45 - 10:55 雷岩
雷岩     11:30 - 12:45 丸川峠
丸川峠    12:55 - 14:30 大菩薩峠登山口(裂石)バス停

「バス」
大菩薩峠登山口バス停 15:00 -15:27 塩山駅 (山梨交通 300円 ICカード可)

「鉄道」
塩山  15:54 - 17:14 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  17:23 - 中央線某駅  (中央線快速東京行)

【地形図】 「大菩薩峠」

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(狼平&小金沢山を前景に富士)

 

 結局18きっぷは使い切れずに終わって、その後も天候の悪さなどを理由にグズグズ…。気がつけば、ひと月半も山をサボっていました。。。自分でも「ゴン太のやつ、また山やめちゃったのか…」状態にこのままではなってしまいそうで、天気は久しぶりの秋晴れになりそうな月初めの日曜日、重い腰を上げて歩いてきました。

 この日の最高気温は30度!の予想でしたので、できる限り高いところから歩き始めたいということもあって、混雑覚悟で栄和交通の大菩薩線を利用することに。。。このバスは08:10が始発ですが、好天の土休日は、一本前の電車で行くと、一番バスで早めの発車となるのは、周知のこと…高尾06:14発の松本行きに乗り込みます。

 びっくりしたのは、いくら好天とはいえ、この電車で立客が出るほどだったこと。そして、高尾駅での乗り換え時間が3分に拡大していたことでした。以前は1分乗り換えだったので、前の方の車両に乗っていないと乗り継ぎに不安があったのですが、今はゆっくり乗り換えができるのですね。

 甲斐大和駅で降りると、駅を出てすぐ左のバス停には誰もいないし、栄和交通の標識も見えず、あるのは甲州市民バスのバス停のみ。廃止はいくら何でも無いし、美ヶ原に行ったときに、06:35八王子発の電車からたくさん降りるハイカーの姿も見ているので、発着駅が変更になっているわけもないはず、とあたりを探していると、そう、今はこちらに変更になっているのですね。

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(改札を出て右、橋を渡った先ですね)


 まもなくバスが来て、そのあとすぐに、次から次へと臨時便が計三台もやってきたのにはびっくり。八王子始発の松本行きが到着する前に、先の電車で来ていた人たちは乗せてくれるのですが、行き先を聞かれ小屋平と答えると「前の方に座ってください、降りられなくなっちゃうので」と言われ、最前列に座ります。

 予想通り、6:35八王子発の松本行きが到着すると、ハイカーがどっと押し寄せてきます(笑)。満席になったところで、即発車。07:38に乗車してから10分ほどでの発車と相成りました。

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(このほかにも色違い型違いの臨時便が待機してます)

 

 そんなわけで、小屋平には8時半前の到着。小屋平で降りたのは私を含め3人だけ。お二人と石丸峠に上がるまで、同じようなペースでしたので、いろいろとお話しさせていただきました。

 カラマツが少し色づいていましたが、全体に紅葉はまだまだ先、といった感じ。最初の段差の大きな箇所をこなしていったん林道に出れば、そこから先は峠道らしい感じになってきて、周囲の眺めの好い中、一時間弱で石丸峠に着いてしまいます。ここは何度来ても気持ちの良いところ。殊に今日のような秋晴れの日は最高です。

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 ほかのお二人もこの景色を気に入ってくれたようで、下のバス停で、「石丸峠が大好きで、あとはピークなんかどうでもいいんです」と言った私の言葉を納得してくれていたのがうれしかったです。

 一人は牛の寝通りへ、もう一人は南下して湯ノ沢の先いけるところまで、ということで、一休みしたらお二人とは別れて北へ向かいます。

 熊沢山には以前には見かけなかった新しい山名標識が掲げてあり、苔むした樹林帯を下っていけば、まもなくで大菩薩峠です。甲斐大和駅の人の多さもすごかったけれど、大菩薩峠から雷岩までは、人ひと人…大勢のハイカーで大賑わいです。とりわけ今日のような日本晴れでは、空の青さもさることながら、峠からの大展望もほしいまま。見とれていると、女性ハイカーが「わぁきれいですね~」と言ってきたり、すれ違う登山者も、「今日は最高ですね~」と、こんにちはの挨拶代わりに声をかけてくれます。

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 湖の向こうに富士山、そしてその右手には南アルプスが聖から甲斐駒まで全部見えちゃってますから、これはこの時期としては最高の出来です。今日は山に来て好かった。やめなくて本当に好かった、そう思いながら歩を進めます。

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(南アルプス一望)

 

 大菩薩峠から雷岩まで標高差は100m以上あるのですが、ほとんど登ったという感じも無く、ただとびきりの大展望に見とれて歩いていたら着いてしまったという感じです。

 雷岩の少し手前に眺めの良い場所が空いていたので、11時前と少し早いですが、ここでお昼にします。この先、大菩薩嶺から丸川峠は展望の無いこともわかっていましたし、ここでお昼にしない手は無いという感じでした。

 

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(こんなところで食べれば、コンビニおにぎりも美味!)

 

 昼食後、大菩薩嶺へ登ります。日本百名山とありますが、三角点にタッチして新しい山梨百名山の標柱を写真に収めるだけで通過。ここから先は展望は無くなりますが、苔むしたコメツガの森が続き、奥秩父のような山深い雰囲気が素敵ですね。

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 一時間ほどで丸川峠。ここは何度来てもいいところです。特に展望があるわけでもないのですが、明るく開けた感じがとても好く、いつもここで一休みしてから、名残惜しい気持ちを胸に裂石に下るのです。小屋の存続が心配でしたが、小屋からはラジオの音が聞こえ、丸川峠を下りるときには、胸に薪を抱いたちょっと頑固そうな小屋のご主人にも挨拶できて、ほっとしました。バイオトイレがあり、百円の協力金で使用させていただきましたが、とてもきれいに管理されておられるようです。

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(ここは寝転んでみたい誘惑にかられますが…)

 

 丸川峠からの下りは、最初が特に急で、やはり最後の方は、膝に少し来てしまいましたが、マッサージしながら、ゆっくり下っていくことで、何とか痛みも回避。夏のような暑い陽差しの中、舗装道路を歩いて裂石のバス停に到着。相変わらず大きなバス停の表示は「大菩薩峠登山口 山梨貸切自動車」のまま。

 いつものように、番屋茶屋でビールを買うと、いつもの女将さんで「次は3時のバスね」と言いながらビールのおつりを渡してくれるところまで、変わっていません。

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 バス待ちの30分。ロング缶のビールを飲みながら、このバス停での数々の思い出に浸っていると、山を始めたばかりのときのことなどいろいろなことを思い出し、原点に返ってきたような感覚を覚えます。朝のバスで一緒だった方は、上日川峠へ行く甲斐大和駅発のバスは今世紀に入ってからの新路線と言うことを知らないようでした。大菩薩がこんな足慣らしのし直しに使えるようになったのは新路線のおかげではあるけれど、この塩山~裂石のバスも使い続けて存続させないと…。そんなことを考えながら、帰りのバスに揺られました。

 塩山では、特急「かいじ」にすぐの連絡がありましたが、もちろん使わず、下のお土産屋さんに戻って、ビールを購入。「世界の宝 富士山地ビール」というのがあったので、買ってみたのですが、これ、帰ってからよく見ると製造元は新潟県、販売は静岡県、企画は山梨県。 要するに中身はえちごビールでした(笑)。

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(えちごビールです(笑))

 塩山からの列車は混雑するかと思っていたのですが、がらがらで、ロングシートの一番端を占拠。お土産屋さんで買ったいつもの甲州ワインを飲みながら帰途につきました。
 

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2018.11.11

【三ツ星からボッコノ頭・大沢山】 山バス情報174

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(ボッコノ頭への登りで…今年は見ずに終わると思っていた雲海が見えた)


【山行日】 2018年11月10日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 06:19 大月  (中央線各駅停車)
大月 06:23 - 07:05 石和温泉 (中央線各駅停車)

「バス」
石和温泉駅 07:35 - 08:06 三ツ星 (富士急バス 730円)

「歩行」
三ツ星バス停 08:10 - 09:15 1190m(?)地点
1190m  09:25 - 10:10 ボッコノ頭
ボッコの頭  10:20 - 11:05 大沢山
大沢山    11:30 - 12:20 1059
1059   12:30 - 13:35 奥野稲村神社
奥野稲村神社 13:40 - 14:15 笹一
笹一     15:10 - 15:15 笹子駅

「鉄道」
笹子 15:35 - 16:33 高尾(中央線各駅停車)
高尾 16:34 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「笹子」


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(大沢山北東尾根1059付近にて…この辺りが紅葉の見頃だった)


 もう随分前のことになりますが、笹子駅~大沢山~ボッコノ頭~大洞山~笹子峠と歩いたことがありまして、その時気になったのが、当時できたてのホヤホヤだった指導標でボッコノ頭にあった藤野木を指す道標でした。当時はこの辺りに赤破線さえ入っておらず、赤破線が入ったあともエアリアには「藤野木方面を指す道標があるがルート判断を要するので不用意に入らないこと」との注意書きがあります(藤野木方面には赤破線は記されていません)。

 当時あった記録ではkomadoさんがボッコノ頭の西尾根を下りに取ったものぐらいしかなく、例によってさらりと(笑)書かれているため、登りにとるにもどこから取り付いたら好いものか皆目見当が付かないまま、十数年の歳月が経過してしまいました。

 しかし、平成28年に出た松浦本『新バリエーションハイキング』では、この三ツ星からのルートが図入りで紹介されています。登りなら何とかなるのでは…と、笹一のこのシーズンに挑戦してみることにしました。

 引っ越してから、富士吉田~河口湖~石和温泉~甲府のバスも、かなり早い時間帯のものを利用できるようになったのですが、列車との接続が、どうも微妙なダイヤになっていて、河口湖駅07:08発は07:06着の列車で間に合うのかどうか…。

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(新しくなった石和温泉駅)

 そして、以前は石和温泉駅入口という駅から結構離れたバス停まで歩いて行かないといけなかったのですが、石和温泉の駅前まで入ってきてくれるようになったのは好いものの、07:35発は07:35着の列車乗客を待っていてくれたりするのか…。ということで、石和温泉駅着7時過ぎの電車で行って、朝御飯でも食べながら07:35発のバスをのんびり待つことにしました。

 久しぶりに降りた石和温泉駅は、上野原駅同様、駅前ロータリーが整備された関係で以前のようにホームからすぐ出口ではなく、一度階段を登って改札を出て、階段(右)かエスカレーター(左)で地上に降りる形に変わっていました。これだと35分着で35分発は無理かなぁ…という感じです。
 
 なお、この07:35発のバスですが、35分発の富士山駅行きの前に31分発の甲府行きのバスが入ってきますので、間違えてそちらに乗り込まないように注意が必要なのと、この便は途中バイパスを通る関係で桧峯神社入口や十郎橋・上黒駒などの停留所では下車できないことに注意して下さい。

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(バイパス経由だと8つもバス停を通過してしまうので注意)


 石和温泉駅の「あしゆ」の前にあるバス停留所に富士山駅行きのバスがやって来たのは07:34頃。すぐに発車するかと思ったら、やはり、電車の到着を待ってからの発車で、この日、実際に発車したのは07:37頃でした。駅に着いたらダッシュして右側の階段を降りれば、間に合うかな…といったところでしょうか。しかしいつもどの運転手も待ってくれるのかどうか…まではわかりません。乗れなければ駅前にわんさかいるタクシーを使うつもりで試してみるのも一案かも(?)知れません。

 三ツ星バス停で降車したのは、もちろん私ひとり。運転手さんの「お気をつけて」の言葉を胸に出発です。少し河口湖方面に進んだ横断歩道のところに左手に下っていく舗装道路がありますが、ここが三ツ星集落に行く道になります。ちょうど対面に甲府行きのバスが停まるバス停があるのが目印になります。

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 左手に矢ノ沢山(1248.2三角点)から続く1290m圏峰ピークらしき山↑を眺めながら金川に架かる橋を渡り進んでいくと、背後にスキー場も見えてきます。なおも舗装道を進んでいけば、小さな橋が見えて、右手を見ると目印の電柱があって、取り付きは簡単にわかりました。鈴を付けてから登り始めます。

 尾根らしい地形となって間もなくで傾斜はほとんど壁のようになり、直登は出来ないので、歩きやすいところを自分なりにジグザグを切って歩くしかなくなります。標高1050m~1190mあたりは、このようにして高みを目指すしか無く、ここを尾根をはずさずに下ったkomadoさんの力量には脱帽するしかありません。

 1190m付近で、やっと何とか直登可能な傾斜になってくれて、時間もバス停から1時間ほど経過していたので、水分補給をかねてひと息入れます。

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(ひと息入れたところ)

 1190m付近から1270m付近まではそれでもまだ急登の部類で、なかなか前へ進ませてもらえません。尾根が分岐している1270m付近は、尾根が分岐しているとは気づかない人も多いかと思います。下りにとった場合、ここで多くの人は左手に伸びる南西尾根に引き込まれて、すぐ先でとんでもない急傾斜に難渋することになってしまうのではないかと感じました。
 
 1270m付近からは、今までの急登のご褒美のように歩きやすく明るい雑木の尾根道となります。松浦本では「防火帯のような」とありましたが、15年も経つと随分変化してしまったのでしょうか、防火帯のような尾根とは感じませんでした。

 紅葉はこの高度でもう既に終わっていて、残った葉も茶色の枯葉ばかり。しかし、右手には御坂黒岳とその左にちょこんと頭を覗かせた富士が見え、背後を振り返ると甲府盆地のあたりでしょうか…雲海が広がっていたりして、これはこれで満足のいく尾根歩きとなりました。

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 四等三角点が見つかるとその先に見覚えのある指導標が見え、来た方角を「御坂町藤野木」としていますが、登ってきた尾根の方角より随分左(南?南西?)に外れたところに点々とピンクテープが付けられています。道標に書かれているのは三ツ星ではなく藤野木ですから、方角としては合っていますが、南尾根は急傾斜なんて言うレベルではないほどですし、一体どのように径がつけられているのか、というか、径があると言えるレベルなのか…。三ツ星からのボッコノ頭西尾根ルートを歩けば、この指導標の意味がわかるとばかり思っていたのですが、そういうことではないようです。

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(尾根を南に外れて付けられている感じのピンクテープ)

 ボッコの頭はそれほど展望が開けているわけではないのですが、今度はちょうど塩山・勝沼の盆地あたりでしょうか、北方向に雲海が見えていて、12年前同様このピークは気分が良いものでした。

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(勝沼・塩山方面にも雲海が…)

 ひと休みしたら、大沢山へ向かいます。ところどころ、このあいだの台風24号によると思われる倒木がありますが、跨いだりくぐり抜けたりで通過可能です。この稜線は250mほど下って同じぐらい登り返すのですが、それほどきつく感じませんでした。と言うのも、↓ご覧の通りのイワカガミの葉っぱの大群落に出逢えたからでした。ここは是非5月半ばあたりに再訪したいですね。「これが全部咲きそろったら、スッゴいだろうな~♪」と呟きながら歩いていました。

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 大沢山が近づき、振り返ると、あんなに下ってこんなに登り返したのか…という感じ。大沢山山頂は明るい雑木の山頂。ベンチが二つあり、ベンチの方角には富士山も見えていますが、もうこの頃(11時過ぎ)には、だいぶ雲に覆われていて、富士山に背を向けながら(笑)のランチタイムにします。  

 ここに10時頃に着けたら、本社ヶ丸にも足を伸ばしてみようかな…と考えていたのですが、11時を過ぎていますし、このところロングは全然歩いていないので、このまま北東に伸びる緩やかな尾根を下って、追分から笹一酒造へ20号線を歩くことにしました。  

 松浦本には「大沢山(女坂山)の山名標と並んで『笹子駅(道跡不明瞭)約2時間』の道標がある」と記載されていますが、実際は「エアリア大菩薩」に記載のようにこの道標(分岐点)は、山名標のある場所から東に約30m下ったところにあります。しかも、ここにある指導標には1分もかからない大沢山を指して5分とあったりして、指導標の材質が古く、ここまで見てきたものとは違っているので、ちょっとまごつくかも知れません。

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 2013年のエアリアでは赤実線に昇格している大沢山北東尾根ですが、今回下りにとって歩いてみて、やはり赤破線のままの方が好いような気がしました。途中、地形図とコンパスがないと少々まごつくところもあり、おまけに1059の手前には、ご覧のような尾根上を通せんぼするかに見える黄色テープが張られていたりして…

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 ここは通せんぼの先の尾根に直進しないとかえって危険ですから、当然のようにくぐり抜けました。

 で、紅葉ですが、1059近辺が見頃と言えば見頃でした。が、やはり台風とその後の昇温の影響でしょうか、今年の紅葉はやはり「いまひとつ」。。。台風などで傷んだ葉っぱが色づいたという感じです。12年前にも登りでここで休憩を取ったような気がする木の切り株に腰掛けて、ティータイムにします。「境界見出標」のある地点です。

 その先は送電鉄塔を過ぎると、徐々に緑色も混じるようになってきますが、色づいている葉を見る限りでは、このあとグンと冷え込んだとしても、この緑色が鮮やかに色づいて錦繍になることはまずないだろうと容易にわかります。

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(いまひとつ鮮やかさに欠ける紅葉)

 やがて周囲が植林に変わり、問題の899m地点。ここには私がかつて誤って登りにとってしまった尾根方向(北)には数十本の枝が並べられて、通せんぼされており、右手の急下降方向には赤テープもあるので、注意していれば間違うこともないでしょう(間違って入ったとしても、たぶん送電線の巡視路で降りられると思いますが…)。

 「小さなアンテナ」や52号鉄塔を見て、持ってきた松浦本のコピー通りと一安心。最後の方で鮮やかな赤の紅葉を見つけたのですが、残念、陽の光が足りず、いい写真は撮れませんでした。

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 奥野稲村神社で、無事下山の感謝と、12年前の正月にお詣りし損ねたことを詫びてから、笹一へ。

 試飲は今回も見送って、自分の分と友人の分を購入して発送手続きをしたら、すぐに帰るつもりだったのですが、ヤマトの送り状を書き終えて、電車の時刻が書かれた貼り紙を見に行くと、なんと現在時刻14:35の次は一時間後の15:35まで上り電車は無い!と判明。試飲は出来ないので、ワンカップをひとつ買ってゆっくりと飲んだり、構内をゆっくり見て回ったりして、時間を潰してから笹子駅へ向かいました。

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2018.09.24

【乗りバス?…松姫峠~鶴寝山~小菅の湯】 山バス情報172

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(大ダワから小菅へ向かう径…広葉樹の森は本当に美しい)

【山行日】 2018年09月23日(日)

【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 07:31 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 07:47 - 08:08 上野原 (JR中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅南口 08:32 - 10:19 松姫峠 (富士急山梨バス 1430円)

「歩行」
松姫峠バス停 10:25 - 10:50 鶴寝山
鶴寝山    11:00 - 12:05 大ダワ
大ダワ    12:25 - 13:10 モロクボ平
モロクボ平  13:15 - 14:10 小菅の湯

「温泉」
小菅の湯 14:10 - 14:40 (570円:割引券提示)

「バス」
小菅の湯 14:41 - 15:33 猿橋駅 (富士急山梨バス 1030円)

「鉄道」
猿橋 15:51 - 16:30 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 16:31 - 中央線某駅  (JR中央特快東京行き)

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(大マテイへの登りで…栽培地かと思うほどのトリカブト群生)

 18きっぷも使い切れず、うわごとのように口にしていた北アルプス行きも敢行できず、いつの間にか短い夏は終わってしまいました(笑)が、気がつけば前回山行からひと月以上経過していて、まだ左足の脹ら脛に違和感が残るものの、どこか軽く歩いておきたい、ということで、ひねり出したのが、まだ乗ったのことのない松姫峠の上まで行くバスの完全乗車で軽い山行というもの。

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(上野原発のバスは南口からになった…エレベーターで3階から降りる)

 9月なので、まだバスは混まないだろう(貸し切りかも?)という予想は外れて、なんと08:14発の鶴峠行きのバスは2台目の増便も満員御礼の盛況ぶり。32分発の松姫峠行きも座席はほぼ埋まっての出発でした。

 大勢いた乗客も鶴峠を過ぎれば私を含め3名だけ。小菅の湯で一人降りて、終点まで乗車は2名。その1人も奈良倉山方面へと歩いて行ったので、これは静かな山歩きかと鈴をつけてのスタートでしたが、駐車場にたくさん停まっていたマイカーが示すごとく、ここはこのシーズンちょうどキノコ取りの人たちの人気スポットらしく、ビニール袋にたくさん収穫物を詰め込んだ人たちに結構会いました。

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(松姫峠:転回場所確保のため、右手にロープを張って一般車の駐車スペースにされないようにしている)

 標高1250mからのスタートですから1368mの鶴寝山までは登りと言うほどのこともない、緩やかな道のり。しかし林相はとても良く、もう少ししたら紅葉が結構綺麗なのではないでしょうか。栗がたくさん落ちていたので、プーさんとの遭遇も心配になりますが、この日はこれだけ人が入っていればまず大丈夫というぐらいの人出でした。

 鶴寝山山頂には「関東の富士見百景」の表示がありますが、この日はすぐ近くの小金沢連嶺に部厚い雲がかかっていて、富士山の手前に見えるであろう雁ヶ腹摺山の楢の木尾根もガスがかかり、富士山は待っていても望めない様子。しかし、このあと、大マテイまでの1時間弱に都合の好さそうな休憩場所もありそうにないと判断して、誰もいないのを幸いにベンチで水分補給がてら休憩を取りました。

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(鶴寝山山頂より…大菩薩方面は部厚い雲に覆われていた)

 鶴寝山をあとにしばらくで「日向みち」と「巨樹のみち」の分岐がありますが、ここはどちらをとっても同じようなものです。実際二つの登山道は近接していて、ところどころで出会う登山者と違う径を歩いているのに挨拶を交わせるぐらいです。
私は途中の派生する尾根の様子を知りたかったので日向みちを選びましたが、尾根筋の巨樹の径の方が展望が良いと言うわけでは少なくともなさそうでした。

 あまりお花はなかったのですが、この径、キノコだけでなく木の実が結構見つかりました。この大きなやつはホオノキの実でしょうか。何度も見かけました。

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 こっちはヤマボウシ?

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 ダイキリ尾根を乗っ越してしばらくで右手に上がる大マテイへの径が分岐しています。指導標もありますので見逃すこともないと思いますが、トリカブトの大群落を過ぎたあたりから少しずつ径が不明瞭になる感じでした。
 人もいないだろうから大マテイでお昼にしようかな…と考えていたのですが、時間がちょうどお昼時ということもあって、団体さんが先客。そのまま山頂は通過して大ダワへと降りていきます。

 大ダワまでは未踏区域だったのですが、大ダワ(棚倉小屋跡)は、もう何度も訪れており、休憩するにはそちらの方がむしろ好ましいことを知っていました。

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(大ダワ:棚倉小屋跡)

 着いた大ダワには若い感じの良いカップルがひと組だけでしたので、こちらでお昼ごはんにします。

 昼食中に、ああ、テントで出掛けなくて良かったと気づいたことがありました。テントや寝袋のチェックはしておいたのですが、なんとガスコンロに不具合が…。しばらく暑い日が続いたので気づかなかったのですが、カセットにコンロがねじ込めなくなっていました。これでは、お湯を沸かすことも出来ず、キャンプ場で冷たいごはんを水で流し込むしかありませんでした(苦笑)。
 
 この日は暑いぐらいでしたので支障なくお昼ごはんを済ませることが出来、小菅の湯へと向かいます。ところどころ、気の早い葉っぱがうっすら色づいていたりしましたが、全体としては緑色のままで、紅葉はまだ先といった印象。それにしてもこの径はずっと広葉樹が続くせいか、いつも歩いていて気分が好くなります。

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(ほんのり色づいたところもあったが…)

 大ダワから30分もかからずに右手に小菅の湯へと降りる分岐が現れますが、こちらは前回下っているので、今回はモロクボ平の分岐で田元方面へ行って、その先の分岐で小菅の湯に降りることにします。

 モロクボ平でこの先の急坂下りに備えて、少し足休めをしてから、田元方面へと下っていきます。田元と小菅の湯の分岐で右折、その後はエアリアに書かれている通り、ジグザグにどんどん高度を落とす下りです。モロクボ平以降はずっと樹の名前が書かれたプレートが散見されますので、これを見ながら樹の名前と姿を少しずつ覚えていくのも好いかも知れません。いずれにせよ、12年前に歩いているのですが、ほとんど記憶に残っていませんでした。


 かなり下ったところで、結構な倒木があり、そのすぐ先で林業用と思われる小屋を見て、この辺りからはほとんど植林帯となります。下りきれば、やや薮っぽい感じの草地に降り立ち、美味しそうな野いちごがみつかり、カワラノギク(?)、ツリフネソウ、それに登山口でも見かけたゲンノショウコが咲いていました。

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(ゲンノショウコ)

 小菅の湯に着いたのは、14時過ぎ。奥多摩行きのバスも大月行きのバスも30分以上あとなので、行きのバスでもらった温泉の割引券を使って少しだけ割安に汗を流してから帰ることに。

 お風呂から上がって乗ったのは、奥多摩行きではなく大月行きのバス。松姫トンネルや深城ダムのあたりを見てみたかったので、あえて数分だけ先に発車するこちらに乗ってみたのですが、やはりというか、予想通り、猿橋からの上り列車は激混み。久々に高尾まで立たされました(笑)。

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2016.11.14

【御坂の未踏区間を歩いて笹一へ…御坂峠から清八峠】 山バス情報150

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(紅葉はいまいち)

【山行日】2016年11月12日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 06:19 大月   (JR中央線快速)
大月     06:22 - 07:14 河口湖 (富士急行)

「バス」
河口湖駅  07:18 - 07:36 三つ峠入口 (富士急山梨バス 370円)

「歩行」
三つ峠入口  07:50 - 09:05 御坂峠
御坂峠    09:20 - 09:50 御坂山
御坂山    10:00 - 11:00 八丁峠
八丁峠    11:10 - 11:25 八丁山
八丁山    11:55 - 12:20 清八峠
清八峠    12:30 - 13:35 駐車場(舗装道路開始点)
駐車場    13:45 - 14:55 笹一酒造
笹一     15:10 - 15:20 笹子駅

「鉄道」
笹子  15:35 - 16:35 高尾 (中央線各駅停車 遅延)
高尾  16:36 - 中央線某駅  (中央特快東京行き 遅延)


【地形図】 「河口湖西部」 「笹子」


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(あとで振り返ってみると、結局、登山口のあたりが一番鮮やかだったりします:笑)

 次の週から四週連続で土曜日に予定が入ってしまったため、12日は、できることなら土曜にしか行けないコースを、とも思ったのですが、やはり笹一の誘惑には勝てず(笑)、笹子に降りるプランで、何度もプランしながら実行に移せなかったコースを歩いてきました。

 とはいえ、せっかく多摩方面へ引っ越してきたのですから、今まで乗りたくても乗れなかった富士急行の始発列車を使うことにしました。この列車に乗れれば、バスの乗り継ぎも好く、8時前に三つ峠入口を出発できるので、日の短くなったこの季節でも、御坂主稜線で未踏だった御坂峠~清八峠のコースものんびり歩けそうです。

 さすがにこの時間帯の電車ですと、車内もガラガラで、中央線、富士急共にゆったり座れるのが好いですね。河口湖でのバス待ちも私一人だけ。今日はバスも貸し切りかと思ったのですが、富士山駅から乗ってきたハイカーの方がいらして、同じ三つ峠入口で下車。足ごしらえを見るに、相当健脚の方のようなので、スパッツを着けて時間稼ぎをしたりして、先に行ってもらうことに。。。

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 御坂峠までの道のりは、最初は植林帯がずっと続きますが、意外にカラマツの紅葉↑が綺麗なところがあったりして、その先の広葉樹は…と見てみると、やはりというか、あまりぱっとしません。紅葉は、字義通り、赤の鮮やかさがないと、どうしても画竜点睛を欠くという感じですね。

 高度を上げていけば少しは好くなるかというと、そういうわけでもなく、峠が近づくと今度はほとんど落葉してしまっています。下の方も、葉の様子からして、これ以上よくなることもなく落ち葉となってしまいそうな印象でした。

 そして、峠近くなると、それまで小枝越しに見えていた富士山に雲がかかってきたりして、確か御坂峠は展望なかったよなぁ…せっかくお膝元まで来たのに…と、少々残念な気分。1時間15分ほどで到着した御坂峠はやはり展望はないものの、陽当たり好く暖かなので、とりあえず、お茶で一服することに…。すると、大きなザックを背負った学生さんたちが御坂山の方からやってきて、少しお話すると、今日は三つ峠からで、これから大石峠まで行ってもう一泊テント泊する予定とのこと。楽しそうな様子に思わず笑みがこぼれます。

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(営業中止からだいぶ経つと思いますが、御坂茶屋、まだ建物は残っています)


 休憩後、御坂山の方へ向かうと、枝越しの富士山は雲がとれた様子。御坂山に展望はあるのかな…とあまり期待はせずに稜線を進んでいくと、葉を落とした雑木の森の先に送電鉄塔が…。いつもなら、こんな無粋なものを…と思うところですが、ここなら富士山が綺麗に撮れるのでは…と進んでいけば、やはり送電鉄塔のところからは富士山が綺麗に眺められて、ばっちり写真に収めることが出来ました。

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 その先、御坂山の前後はブナなどもある林相の好い稜線ですが、ほぼ落葉してしまっており、ブナも茶色い枯れ葉が残っている程度。ただ、ちょっと意外だったのは、行きかう登山者が結構多いこと。天下茶屋の一番バスからの縦走にしては時間が早すぎるので、みなさん、先ほどの学生さんたち同様、三つ峠前泊なのでしょうか。前日は雨でしたし、ちょっと不思議な感じでした。天下茶屋に車を置いてピストン?なのでしょうか。

 今日は暑いぐらいで、喉も渇いてしまい、展望のない御坂山でもテルモスのお茶で水分補給。小休止してから天下茶屋分岐へと進みます。途中、もう1カ所富士山が望める場所がありましたが、再び雲に覆われてしまいそうな雰囲気…。実際その先の天下茶屋分岐から先では、とうとう富士山はその姿を見せてはくれませんでした。


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(30分前には綺麗に見えていた富士山が、雲に覆われているのがわかるでしょうか)


 八丁峠への道は、途中少し薄暗い感じのところもありますが、基本的に尾根通しの広葉樹の稜線です。1498ピークの少し手前で尾根がグイッと左に曲がるのが実感できて、八丁峠とされる地点の目印=送電鉄塔も見えてきます。八丁峠は送電鉄塔があり、見廻り道とエアリアに表記されている踏み跡も上がってきていますが、鞍部より結構上がってきたところなので、あまり峠という感じの場所ではありません。御坂山からちょうど1時間ほど経過していたので、八丁山を前にここで水分を再補給してひと息。

 八丁山への登りは、思ったほどは時間がかからずに着いてしまいましたが、朝早かったせいもあって、おなかはぺこぺこ。時間も11時半近かったこともあって、ちょっとお昼休憩にはどうかなという感じの狭い寂峰で、おにぎりタイムにしました。

 八丁山は大きな岩のある山頂で、岩に座ってお昼を食べていると、ふと見た西の方に冠雪した山塊が雲の上にちょこんと顔を見せているのに気づきました。ちょうど黒岳と釈迦ヶ岳の尖峰の間なのですが、方角と形からしておそらくは南アの悪沢赤石~聖岳ではないかと思います。この時点で黒岳にもべっとりと黒っぽい雲がかかっていて、この日はこちら側に来て正解だったのかも知れないな~などと慰めにもならないようなことを考えていました。

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(黒岳と釈迦ヶ岳の間に南ア南部が顔を見せてくれた)


 お昼を済ませたら、清八山へ。初めて訪れたわけですが、山頂は電波塔があるわけではなく、結構広々していて、お昼を食べるならこちらの方が好かったかな~と。眺めも結構好かったのですが、お食事中のハイカーさんが数人いらっしゃったので、ちょっと立ち止まっただけで素通りに近い形でした。

 女坂峠方面への分岐を左に分けて、清八峠。数回来たことがあるはずなのですが、調べてみたら十数年ぶり。さすがにあまり記憶に残っていませんでした。本社ヶ丸40分と指導標にあり、エアリアのコースタイムなど眺めて、寄って寄れないことはないけれど、そのあと角研まで一時間弱歩いて、そこから2時間弱下るのはいかにも億劫でしたし、展望も紅葉も期待できないと思うと、やっぱり予定通り長い舗装道路歩きの方を選んでしまいました。

 しかし、この道はおそらく三度目だと思うのですが、あまりお奨めできる道ではないですね。最後林道に出るまでの道がかなりヤブっぽい上に、滑りやすい土質です。そして、この道は最初小尾根を下るわけですが、ただでさえ悪い今年の紅葉の一番悪い見本を見てしまったような感じでした。北斜面でかつ周りに大きな尾根があるせいで、陽当たりが悪いせいもあるのでしょう、言い方は悪いですが、枝に枯葉がついているだけという感じでした。小尾根につけられた径は結構傾斜も急ですから決して下りやすい道とは言えません。

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(こうやってみると眺めの好い道に見えますが、実際はカヤトとヒノキの幼木がヤブのようになっています)


 そして舗装道路に降り立ったところにある変電所が何ともいやな感じで、ああ、もうこの道は二度と使うまいと心に決めてしまったほどでした。

 その後の長い舗装道歩きはそれほど苦になりませんでした。最初からそのつもりでしたし、車の通りも少ないため、静かなものです。トンネルを抜けて甲州街道に出ると途端にうるさくなりますが。。。

 甲州街道に出たのが14時15分過ぎ頃。そういえば、追分はこのぐらいの時間にバスが通っていなかったっけ?と道路を渡ったところにあるバス停の時刻表を見てみると、やっぱりあった!14:18大月行き!と小躍りしかけたのですが、よく見ると時刻の上に白い四角マーク(□印…土休日は運休)。次は15:50ということで、笹一まではやっぱり徒歩。

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(あうっ、惜しい…)

 ま、ここは笹一まで右側にちゃんと歩行者通行帯が確保されているので、それほどいやじゃないんですけど、とにかくでかいダンプがうなりを上げて走っているのでうるさいです。

 で、お楽しみの笹一ですが、今年は試飲が千円ということなので、さすがの私も試飲を断って、商品(しぼりたて生原酒:新酒)だけ買って帰りました。知った顔がいないかな、とちょっと見回してはみたのですけれど、笹子発の高尾行きが15時半過ぎにあるとの掲示を見て、そそくさと帰ることに。

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 帰りの電車は笹子から乗る人が結構多かったせいもあって、大月で立ち客が出る始末。予想通り相模湖で特急待ちをしている頃にはかなりの混雑となって高尾駅へと向かい、高尾で接続の中央特快は座れず。しかし、世田谷時代とちがってたいした時間乗るわけでもなく、アルコールも入っていないので、苦ではありませんでした。

 これで、主だった御坂稜線は、一番奥の王岳~三方分山が残ったわけなのですが、朝7時台の西湖民宿行きバスが捉まえられるようになったのだし、是非とも歩いてみて、河口湖から三つ峠経由で四尾連湖まで繋げてみたいものです。
 

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2016.11.07

【秋色には染まれず…上日川峠から源次郎岳】 山バス情報149

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(源次郎岳山頂付近にて)

【山行日】 2016年11月03日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八王子 06:35 - 07:38 甲斐大和 (中央線各駅停車)

「バス」
甲斐大和駅  07:45 - 08:30 上日川峠 (栄和交通:臨時便 1000円)

「歩行」
上日川峠   08:40 - 09:30 192鉄塔入口
鉄塔入口   09:40 - 10:20 NTT日川無線中継所 
無線中継所  10:35 - 11:35 源次郎岳
源次郎岳   12:10 - 13:21 嵯峨塩鉱泉バス停 

「バス」
嵯峨塩鉱泉  13:22 - 13:31 やまと天目山温泉 (栄和交通 600円)

「温泉」
やまと天目山温泉 13:32 - 14:20 (割引券使用 310円)

「バス」
やまと天目山温泉 14:31 - 14:45 甲斐大和駅 (栄和交通 300円)

「鉄道」
甲斐大和   15:30 - 16:37 高尾  (中央線各駅電車 遅延)
高尾     16:38 - 中央線某駅   (中央特快 遅延)

【地形図】 「大菩薩峠」

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(1530m圏峰近く…三年前に比べ弱々しい感じ)


 せっかく越してきたのだから…と、この日は奥多摩の早いバスに乗って、某尾根を歩くつもりでいたんですけれど、寝過ごしてしまい、ええ、また山中止?と一瞬思ったのですが、天気予報を見るととても好い予想。

 ちょっと距離があるのだけれど、歩いて行ける某バス停から八王子駅へ行くバスがあって、その一番便なら、なんと、06:35発の八王子始発松本行きに余裕で間に合ってしまうということを思い出し、確か甲斐大和発上日川峠の臨時バスにちょうどいい接続と思い当たり、三年前に歩いたお気軽源次郎コースに行くことにしました。

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 八王子駅では結構時間があったのですが、この電車はハイシーズンはいつも混雑するので、早くからホームで並んで待っていたものの、乗ってみれば、空席を残して出発。甲斐大和駅では予想通りすごい人出。臨時便が待機。「はい、終点まで行く人は奥に乗ってー、小屋平で降りる人は前の方で…」と職員がてきぱきと仕事をしてくれています。
 
 07:45を少しまわって補助席まで出したところで出発。ちょいと荒い運転で(笑)、ぐんぐん高度を上げていくうちに、今日はとんでもなく展望が良さそうだとわかって、これは小屋平で降りて石丸峠から牛ノ寝に変更しちゃおうか…と一瞬思いましたが、いちおう、家を出るとき残してきたメモに上日川峠から源次郎・嵯峨塩鉱泉と書いてきてしまった手前、予定通り終点の上日川峠まで乗車。
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 降りた上日川峠は、陽差しが燦々で、標高の割にはあまり寒さも感じません。雲海の向こうに南アの雪化粧した山塊が見え、これから歩く展望無しの予定コースを少し後悔。でも目の前の紅葉が意外にも鮮やかで、これはもしや…と少々期待を胸に駐車場方面へと歩きます。

 前回もそうでしたが、この時間に駐車場の方へ向かって歩いて行くと、駐車場から歩き始めた人とスライドするので、「道間違ってますよ」と言いたげな、「でも忘れ物取りに戻ってるのかナ」といった感じの目線にあって、少々小っ恥ずかしい感じです。

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(右の駐車場ではなく左奥の道を行きます)

 駐車場を右手に見て、砥山の指導標に従って明瞭な径をのんびり歩いていきます。すぐに砥山に上がる踏み跡が見つかりますが、前回来て面白味もない山頂と判っていたため、あっさり巻きます(笑)。

 カラマツ主体ですが、時折交じる雑木の紅葉が青空に映えるとやはり美しい。紅葉は青空あってのものだな、と思いますが、径が稜線に近くなると風が冷たいです。上着を脱いでシャツだけで歩いているとけっこうな寒さを感じてしまいます。

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 径は舗装道路のすぐ脇を通るようになり、大菩薩湖など見えてきますが、前回同様、この辺りはプーさんの痕跡がかなり見受けられ、こんな唐松林なのに何故?とは思いつつも、登山道の真ん真ん中に大きな落とし物を見かけたりすると、どこかで見られているのかも…ばったり遭わなきゃいいのだけれど…とちょっぴり不安になります。

 林道に出ると、前回未舗装だった林道も綺麗に舗装され、すぐ近くでなおも道路工事が続いているようで、工事車両を何台かみかけます。舗装道路を歩いて行くと送電鉄塔の巡視路入口が見つかります。ここを入ってはダメなのは判っていますが、この先適当な休憩場所もないことも判っているので、鉄塔の入口でティータイムにしました。

 舗装道を歩き、送電線をくぐったすぐ先右手に、中日川峠・1627.1三角点への登山道があります。判読不能な古い指導標があるだけなので、注意が必要です。登山道に入ってすぐ、大久保平からの径との分岐があるのですが、こちらはほとんど笹藪に覆われてしまっており、気づかない人がほとんどではないかと思います。2013のエアリアにはこの径に赤破線が入っていますが、ここはもう赤破線未満なのではないでしょうか。三年前分岐点にあったお手製の指導標も無くなっていました。

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(大久保平分岐地点 中日川峠)

 中日川峠から先もカラマツが主体ですが、ここら辺になると熊棚らしきものも見かけますし、径の中央に立入禁止とでも言いたげな多量のフンもあるし、で、ちょっとあまりいい気はしませんが、1627.1手前のピークあたりはブナや雑木の黄葉が結構綺麗で、ああ、なるほど、このあたりに食糧を求めてやってくるのかもな、と納得します。

 三角点は、前回確認していますし、面白味のないところと判っているので、砥山同様、あっさり巻いてしまいました。三角点へ上がる踏み跡も三年前より薄くなっているような気がします。巻いてからしばらくでNTT日川無線中継所のでかいアンテナ施設が見えてきます。このコースはベンチもなく、腰を下ろすのに最適な場所もなく、また人工物のそばで小休止とします。

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 無線施設からは荒れた感じの林道を歩き、エアリアにある「不明瞭な」峠への近道(実際はものすごく明瞭)を今回は見送ってゲートを経由して大回りで行って見ることに。。。たいして時間は違わないと思うので近道と言うほどではないですけれど、あれだけ明瞭な径なんだから、こちらの大回りなゲート経由の径にある「源次郎岳」の指導標を近道の方へ設置しても好いと思います(近道の入口には赤テープがあるだけです)。

 下日川峠からは、唐松林の小径をゆるゆると行く感じで、唐松林がブナをはじめとする広葉樹に変わってくると、いよいよ源次郎の分岐です。分岐には下日川峠と源次郎岳を示す指導標だけが残され、嵯峨塩鉱泉方面を示す表示は撤去されていました。今はちょっと判りにくいマーキングがあるだけです。

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 で、ここからがハイライトのはずの三年前秋色に染まった径なのですが、今年の紅葉は覚悟していたとおり残念ながらあまり芳しいものではありませんでした。例年だとおもわず「わぁ」と声が出てしまうのですが、今年は、ややため息まじりです。赤が弱いせいもあるのでしょうが、色に張りがないというか、弱いというか…。

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(いまひとつ、いまふたつみっつ…)

 冷え込みが弱いせいもあるだろうし、夏場の天候不順の影響もあるのでしょう。どうもぱっとしないという印象がぬぐえません。いつもだとなかなか進まない足ですが、今日はわりとすいすい進んでしまって、源次郎岳に到着。

 三年前に来て唖然とした山頂ですが、今もあまり変わることがなく、展望が良くなったとは言っても、見えるのは奥秩父と八ヶ岳ぐらいのもの。南アも木々に隠されてしまっているし、富士山はまるで山頂からは見えません。1530m圏峰近くでよく見える場所がありますので、富士山が見えるようにする必要も無いでしょうけれど…。

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(源次郎の山頂では見えないが1530m圏峰近くに展望地点がある)

 誰もいない源次郎の山頂でお昼を食べ終わったら、先ほどの分岐点まで戻って嵯峨塩鉱泉へ下ります。この径、緩斜面で落ち葉が多いせいか、ミスコースする人が多いためでしょうか、嵯峨塩鉱泉への指導標がなくなってしまったのは少し寂しいことです。

 確かに間違えやすいところもあるのですが、間違いやすいポイントには必ず「こっち行っちゃダメよ」のしるし=枝が何本も並べておいてある、がありますし、青とピンクのビニールヒモのマーキングがあるので、注意して下っていけばそれほど難しくもないと思うのですが、実際には「そっちじゃないでしょ」という方向にクッキリしたミストレースもあったりしますので、結構道間違いをしてしまう人が多いのかも知れません。

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(直進は× 左折です)

 この嵯峨塩鉱泉への径も、例年だと、結構うっとりしてしまう箇所が何カ所かあるのですが、今年はやはりダメ。いつもの年のを見ている目には、不満の残る色づき具合でした。

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 最後の皆さん間違えてしまい易い左手に折れるべきポイントの手前あたりに、以前は上の林道との交差点にあった指導標が移植されています。「←嵯峨塩 25分」となって25分のところを削っていますが、しっかり見えてしまっていて、ここから25分かかった人はこの先で間違えて更に左に折れる点を見逃してしまったということになります(正しく進むことができれば、ここから10分もかからずに嵯峨塩鉱泉のバス停に着きます)。

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(上の林道との交差点から移植された)

 最後にまたもう一度富士山の見えるポイントを通過して、バス通りに降り立つと、ドンピシャでバスがやってきたので、今回は嵯峨塩鉱泉ではなく下の「やまと天目山温泉」へ。。。バスの運転手さんにもらった割引券でなんと310円で入浴出来、缶チューハイで〆。そういえば、今日は上日川峠から嵯峨塩のバス停まで山中では誰にも会わなかったなぁ…とバス停に向かいながら思い返していました。

 一時間後のバスで、14:45に甲斐大和駅に到着したものの、上り電車は15:30高尾行きまでなく、なんと45分待ち(笑)。幸いこの日は風もなく暖かな日だったので、駅前のベンチのある広場でコンビニで買ったビールなど飲みながら時間つぶしできましたけれど、もう少し寒い日とか逆に真夏とか、この45分待ちは結構ツラいかも知れません。

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2016.07.08

【11年ぶりに黒川鶏冠山へ…】 山バス情報147

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【山行日】 2016年7月3日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅  - 06:08 吉祥寺 (京王井の頭線)
吉祥寺 06:18 - 06:56 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾  07:06 - 08:12 塩山 (JR中央線各駅停車)

「バス」
塩山駅南口 08:30 - 09:20 柳沢峠 (山梨交通 800円)

「歩行」
柳沢峠  09:25 - 09:55 展望地点 
展望地点 10:00 - 10:45 横手山峠
横手山峠 10:50 - 11:20 見晴台
見晴台  11:40 - 12:00 鶏冠山
鶏冠山  12:05 - 12:55 六本木峠
六本木峠 13:05 - 14:10 丸川峠
丸川峠  14:20 - 15:40 大菩薩峠登山口バス停(裂石)

「バス」
裂石  16:03 - 16:30 塩山駅南口 (山梨交通 300円)

「鉄道」
塩山  17:05 - 中央線某駅 (ホリデー快速ビューやまなし号)

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 土曜の夕方ぐらいまで、御坂の未踏地帯(御坂峠~清八峠)を歩くつもりでいたのですが、最高気温38度の予報にびっくりして、急遽行き先を1000m以上から歩き始められる柳沢峠~黒川鶏冠山~丸川峠~裂石に変更。11年前とまったく同じ行程を歩いてきました。

 11年前は、18きっぷ1回分を友人に安く譲ってもらい、タクシー代5000円以上を払って行ったのでした。当時はこの峠をバスが越えてくれるようになるとは、とても考えられず、その昔、横山厚夫さんが若き頃には柳沢峠を越えて丹波までバスが通っていたという話を本で読んで、自分もそんな時代に山歩きを始めていたら…などと夢のようなことを考えていたのでした。

 しかし、いざ、夢が現実となって、手軽に(800円ですよ八百円!)柳沢峠へ行けるようになっても、すぐに行動には移せませんでした。二度も単独でタクシーで上がり、一度は相乗りとはいえ、峠を越えて作場平まで行ったこともあるから、逆にかえって悔しいとか、そういういうことではないのですが、柳沢峠の右側(東)も左側(西)も歩いたことがある自分としては、「さて、それでは乗ってみましょうか」という気になかなかならなかったのでした。

 久しぶりの塩山駅南口。ここからバスに乗るのは2013年に山を再開してからは、初めてだと思います。自分と同じようなことを考える人がたくさんいて、結構混むかな、と少し心配していたものの、やはり今でも西沢渓谷行きのバスの方が圧倒的に乗客は多くて、落合行きは空席も見つかるくらい。20人ほどの乗車でした。そして、皆さん当然、柳沢峠までと思っていたのですが、裂石(大菩薩峠登山口)で半分ほど降車。がらんとした状態で柳沢峠に到着です。

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 3度目の柳沢峠。バス停の写真を撮りながら、本当にバスが通っているのだな、などと今更のように思います。このままバスが存続してくれることを願いつつ、軽くストレッチをしてから登山道へ。

 二度目ですが、この径はスギやヒノキの植林がなく、柳沢峠を後にするとすぐに自然林の森を歩けるのがいいですね。 ブナ、ウラジロモミ、イタヤカエデ、リョウブ…樹に名札が付いているので、樹を覚えるのに好い道かも知れません。

 傾斜も緩やかであまり登っているという感覚はありません。梅の木尾根の表示から、前回も寄った「多摩川源流を望む」展望地へ寄り道します。ベンチもあって、ここは甲武信ヶ岳から飛龍の稜線が綺麗に見えるのがイイです。こうしてみると笠取山がショボく(笑)見えてしまうのが面白いというか意外なのですけど、標高を見れば、なるほどその通りで、無名な両脇の燕山や黒槐(くろえんじゅ)の方が標高自体高いのですね。そして、ここから見るとやっぱり飛龍ってかっこいい!こちらは前世紀に行ったきりなので、そろそろ再訪したいなぁ。。。

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(飛龍がかっこいい)

 展望地点から戻って六本木峠へ。苔むした岩が多くなり、そうそうこの感じこの感じ…と昔来たときのことを思い出します。シカの食害が目立つ樹が多く、そういえば、11年前に比べて笹の立ち枯れも目に付きます。六本木峠から先は、ほとんど記憶が消し飛んでいて、途中の林道横断に、こんな箇所があったっけ?と、首をひねりながら進み、前回間違えた黒川金山跡への径を見送って、横手山峠でポカリスエットで一服してから、鶏冠山方面へと進みます。

 前回のような道間違いはしない代わりに、今回はスタートが一時間以上遅いので、黒川山の三角点に行った後は、鶏冠山ではなく、展望地点に寄って、幸い誰もいないのを好いことに11時半前ですがお昼ご飯にします。

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 しかし今日は陽差しがまともに当たるところはさすがに暑くて、木陰を選んでのランチタイムとなりました。出来れば16時台のバスで帰りたい事情があったので、お昼を済ませたら、ちょっとだけ大久保尾根方面を偵察してから、鶏冠山(鶏冠神社)へ。この辺りも記憶からまったく消去されていて、祠を見るまで、ココってこんな径だったっけ?という感じでした。山梨百名山の標柱にタッチしたのがちょうど12時。この分では、16:40発も難しいかな~。ブランク1ヶ月以上だし、無理して膝に来たりしたらヤだし…、でもあまり遅くなるとちょいとマズイ…。

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(大久保尾根方面偵察:それなりに踏み跡は付いていた)

 ということで、鶏冠山から六本木峠に戻って、丸川峠までは、自分でもよく歩けたな、と思うほどのハイペースでした。前回11年前のペースだと、16:40のバスもアウトなわけですが、結果的に16時03分のバスに余裕で間に合いました。しかし年寄りがこんな無理をすると、やっぱりその後がイケません。筋肉痛がひどくて、木曜あたりまで痛みました(笑)。

 急ぐと言っても、さすがに鶏冠神社から岩場の下りだけは慎重に行きます。そのあとの平坦歩きは、六本木峠までは来た道を戻るだけですから、ビュンビュンに飛ばします。といっても走ったりはしないで、黙々と来た道を戻る感じ。

 六本木峠で一息ついたら、記憶を頼りに、苔むした径を進みます。ここら辺はゆっくりのんびり歩いた方が味わい深いのでしょうけれど、花もほとんど無いですし、ハイペースで歩いて行きます。幸い天気は崩れそうで崩れないし、ガスはこちらの稜線にはかかってこないので、明るい尾根歩き。それでいて樹林があるので直射日光は受けませんし、この高度ですから、風もあって爽快そのもの。おまけに人に全然会いません(柳沢峠で降りた皆さんは、六本木峠から北へは行かずに、ほとんどそのまま大菩薩嶺の方へ行かれたのですね)。

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 天庭峠へ尾根を乗っ越す際に、少し登りがありますが、他はほぼ平坦。その先寺尾峠は左手に道形がありますが、これはどこへ繋がっているのでしょうか。。。1696.9の三角点はもちろん立ち寄る余裕なし。しかし、苔むした径が明るくなってきて、その先に尾根が落ち込んだ形が見えてくると間もなくで、ぽっかりと開けた明るい丸川峠です。

 ココは何度来ても好いところですね。ロープで植生保護をしているものの、お花はほとんどシカさんに食べられてしまっているらしく、草原といった雰囲気ですが、この青空とグリーンの絨毯の色合いがたまりませんです。

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 丸川峠には14時過ぎの到着。急坂の下りで膝が悲鳴を上げない限り、16:03のバスに間に合いそうです。余ったおにぎりを食べて水筒の水を飲んで一息ついたら、名残惜しい気がしますが、下山開始です。

 丸川峠から裂石の下りはもう何度も経験しているので、急坂でも要所を押さえれば、それほど苦ではありません。

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 とはいえ、やはり一ヶ月以上のブランクを空けて、こんなことをすると、この歳では、それなりに無理がたたります。膝にこそ来ないものの、足のあちこちが痛み、やはりというか、下りきって舗装路にかかったあたりで、そこらじゅう筋肉痛が始まってしまいました(笑)。 

 舗装路は陽差しを遮るものがなく、さすがに標高を落としてきたため900mあってもじりじりと灼かれるように暑く、「現在の気温31度」の表示を見るとよけい暑い。そのうえバス停直前が道路工事で土埃をあげていたりすると精神的にやられますね(笑)。

 バス停前のお店で缶ビールを買い求め、ベンチで一気に飲み干して、あとはバスが来るのをぼんやり待つだけ。とりあえず、今日はこの暑さの中、久々に山を歩けたことに感謝して、塩山駅までバスに揺られたのでした。

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