2025.01.19

【石砂山から牧馬峠経由で石老山】 山バス情報209


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(石老山より大室山越しに富士山を望む)

 

【山行日】 2025年01月13日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 06:11 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 06:14 - 06:23 相模湖 (JR中央線各駅停車)

「バス」
相模湖駅 06:31 - 06:50 三ケ木 (神奈中バス 360円)
三ケ木  07:00 - 07:19 伏馬田入口 (神奈中バス 460円)

「歩行」
伏馬田入口バス停 07:30 - 08:55 石砂山
石砂山      09:10 - 10:05 470m圏峰
470m      10:10 - 11:05 石老山
石老山      11:30 - 13:15 船着き場

「渡し船」
船着き場  13:15 - 13:27 相模湖対岸 (700円)

「歩行」
相模湖対岸 13:35 - 13:50 相模湖駅

「鉄道」
相模湖 14:16 - 中央線某駅 (JR中央線 中央特快東京行き12両)

【地形図】 「青野原」 「与瀬」

【参考図書】『静かなる尾根歩き』(松浦隆康著:新ハイキング社)

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(石砂山は西峰に先に登りました…)


 石老山(せきろうざん)に登ったのは、山を始めたばかりの前世紀1998年の10月。今でも覚えているのは、当時としては珍しく10月だというのに最高気温が30度超えの晴天の日で、顕鏡寺から登って、ガイドブックにもほとんど載っていない篠原へ下山。篠原は本数が少ないとはいえ、あの頃は何本かバスの便があって、二時間ほどもあるバス待ちの間、地元の人と話をしたりしてもなかなか時間が潰せなくて苦労したことが印象に残っています。

 一方、石砂山(いしざれやま)は、ギフチョウが話題になってから行きたいとは思っていたものの、ヒルが出るとかなんとか言い訳していて未踏のままでした。松浦本に牧馬峠(まきめとうげ)経由が掲載されているものの、東尾根経由のバリルートだと石砂山まで倍近い時間がかかるので、今回は初訪という事もあり、素直に伏馬田入口から一般登山道で登って、牧馬峠経由で石老山へ行くことにしました。

 登山口の伏馬田入口に行くには、三ケ木07:00発月夜野行きのバスに乗らなければならず、この時期の相模湖駅発6:31の三ケ木行きは日の出前で暗い中出発。乗客は登山者三名と地元の方お二人の五人。三ケ木では橋本便からの乗り継ぎ登山客が多数で、月夜野行きはこんな寒い中10人ほどで出発です(7時発の直前まで入線してきてくれないので三ケ木での乗り継ぎはこの時期辛いものがありますね(笑))。

 しかし、伏馬田入口で降りたのは私一人。一人ぐらい同じコースの人がいるだろうと思っていたのですが、意外な展開で、結果的にエアリア(山と高原地図)赤実線の一人旅は石砂山山頂を過ぎるまで続くことになりました。

 バス停そばからずっと山頂まで東海自然歩道の指導標がありますので、あまり迷う心配はないと思いますが、ちょっと、あれ?と、もうひとつ意外だったのは、最初、道志川に架かる亀見橋までは車道をずっと下っていくのですね。

 いよいよ登山口というところには「ヤマビル注意!」の注意書きと忌避剤のスプレーが置かれていましたが、見た感じスプレーは空のようでした。

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(自己調達して持参したほうがいいかも…)

 登山道は最初深くえぐれた道で庚申塔もあり、迷うような箇所はないと思っていたのですが、一箇所、ここは指導標を置いた方が良いのでは?という、少し下っていく巻道の分岐点がありました。よく見れば尾根方向には枝が置かれているし、巻道方向に古い赤テープがあったので、まぁ普通の人なら逆に迷わないのかもな…と(地形図の破線は尾根通しになっていますし、尾根通しでも行けるのかもしれません)。

 菅井からの径と交わる地点には東海自然歩道の指導標があって、石砂山へは右折と誰でもわかるようになっていて、すぐに送電線の下を通る径に出ますが、ここはカヤトが茂っていて、短い間ですが周囲が開けた明るい展望地になります。

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 地形図の送電線に沿って付いているトラバース道の破線との合流箇所と思いますが、送電鉄塔を超えたすぐ先にそちらへ入り込まないようにするため(?)の東海自然歩道の指導標が建っています。

 あとは濃い踏み跡に沿って進んでいけば石砂山の東西峰の鞍部に上がり、そこには右手を指して石砂山とあります。東海自然歩道の指導標の裏側をよく見ると左手を指して西峰とマジック書きがあり、先に西峰(572m峰)に上がってみることに…。

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 西峰への尾根も西峰山頂そのものも、明るい雑木の美林で、地形図を見て、ここから北に伸びる尾根を499〜415.5三角点とたどって、その先の林道に無事着地できれば、やまなみ温泉はすぐそこだよなぁ…などと考えてしまうのはやっぱり病気なのかな、と苦笑。今回見送った東尾根と組み合わせてみたらちょうどよいコースどりでは…などと思いながら鞍部に戻って東峰(エアリアの石砂山:578m峰)へ登ります。

 枝越しに真っ白な富士山を見ながら一歩々々登っていけば石砂山の山頂で、ベンチがあり誰もいないので、テルモスのお茶とサンドイッチの残り、それにメロンパンを半分食べて、ゆっくりします。時刻はまだ9時。ちょっと遅い朝ゴハンといったところでしょうか(笑)。

 私が座ったのは、松浦本で登路にとっている東尾根の入口と思しき場所にあるベンチ。尾根の入口には枝も並べられていないし、踏み跡は結構濃く付いている感じで、自分がやっているバリハイルート歩きも、案外罪作りなことをしているのだなと…。今後はバリハイルートで上がってきたら、合流点には自ら枝を置くなどするべきではないかと少々反省。

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(東尾根入口?)

 さて、石砂山をあとにしたら、ここからは赤破線です。2021年のエアリアでは牧馬峠への赤の破線路を東尾根と記していますが、松浦本の石砂山東尾根とは別物です。どちらかというと、牧馬峠への尾根は北東尾根ではないかと個人的には思いますが、ともあれ、ここはシーズン中、ヤマビルの巣窟(?)とも言えるほどヒルが多いらしいです。

 松浦本通り、今でも牧馬峠への分岐はマーキングもなく注意していないと通り過ぎてしまうでしょう。ただ踏み跡は明瞭です(それだけに、ここにはマーキングをつけないほうがいいのかもしれません)。最初はかなり急傾斜で、ジグザグを切ってくれています。

 尾根の形が明瞭になると尾根通しになりますが、コブがある地点で巻き道が何度も現れるようになり、松浦本にあるように、巻き道の方がわかりやすいですし、(おそらくは)体力も使わずに済むと思います。ここは?という箇所にはマーキングもありますから、山慣れている人であれば、巻道で不安になることもなく車道のある牧馬峠に降りられると思います(ちなみに峠へ降りる最中にこの日初めて登山者とスライドしました)。

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(牧馬峠への経路は道形は明瞭)

 ただ、車道に降り立っても、牧馬峠の標識は見当たりませんし(「ギフチョウとその生息地」の大きな看板(令和5年3月更新)があります)、車道を右手に行った先にある石老山への尾根の取り付き地点にも道路側にはマーキングは見当たらず、松浦本を読んでいない人には取り付きを探すのは難しいのではないかと思いました(実際には取付から少し上がったところに紫の紐が立木に下がっています)。

 最初は急な斜面を登りますが、すぐに傾斜は緩んで、明るい雑木の尾根歩きになります。峠では狭い車道で車やバイクの通行があって休憩できませんでしたし、470m圏の少ピークがいい感じだったので、テルモスのお茶で一息入れることにしました。時刻は10時で石砂山から一時間ほどの地点です。

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(470m休憩ポイント 「水源の森林 神奈川県」の標柱がある)

 一息入れたら尾根通しに先へ進みます、鞍部には祠があって、ここがエアリアの山の神と記されたところでしょうか(赤破線の分岐には気づきませんでした)。で、そのあとですが、進路が北東から北に変わるところは500mのコブですが、今回作業道はすぐ先の500m地点で左に伸びていました。作業道方向に赤のマーキングがつけられ、進行方向の北に伸びる尾根には枝が並べられているように見えたので、「え?」とは思いながらも作業道を左に進んでみました。

 しかし、進んでも一向に高度が上がらないので、戻って尾根通しに登ることに。。。右手の奥には石老山と思しき山がみえていますし、尾根通しで行けないわけがない、と急坂を登っていきます。

 篠原からの東海自然歩道とぶつかる地点(610m)には指導標が建っていて、指導標裏側に黄色のテープが巻かれ、やって来た方向を指して「←牧馬峠 1h」とマジック書きされています。あとは、27年ぶりで見覚えなどあるはずもないのに、なぜか、ああ、そういえば、こんなところだったかも…という幅広い道をたどって、すぐにみつけたのは三角点(694.3m)のこれ(笑)。

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 初訪当時には、あったとは思えませんが、三角点のあるこの場所と、このあと訪れる大明神山でも見つかった例の標石です。

 三角点のある場所からも見える702.8m地点(?)にはたくさんのハイカーがいて、山頂から見える富士山を写真に収めたらすぐに三角点に一番近いベンチへ戻って、11時と少し早いですが昼休みとします。

 お湯を沸かしておにぎりを平らげたら、今回は皆さんと同様にプレジャーフォレストへと下っていきます。道中、枝越しに見える富士山よりも、そのずっと右奥に見える白い山塊に気を取られていたせいもあり、どの地点か正確には断定できないのですが、大明神(551)手前で右折して下っていいく箇所で、左手の尾根から登ってくるパーティーがいるのを目にして、こんなところにもバリエーションで登ってくるルートがあるの??と驚いていたのですが、どうやら、バリエーションルートに引き込まれてしまって、引き返してきた様子でした。

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 大明神には赤い祠があり、前記したとおり↑例の標石が置かれ、ベンチがあったので一休み。これが正解だったようで、その先にある展望台ではたくさんのハイカーが休憩中。眺めも相模湖方面しか見えず、富士山どころかそのずっと右奥に見えていた白い山塊もここではほとんど木々に遮られていて、展望台というからには山名掲示板でもあるのかと期待していただけにがっくり(笑)。

 そのあとは、登山道付け替えでしょうか、「←プレジャーフォレスト・ねん坂」の指導標に従って、文字通りぐんぐん下る階段状の道。。。途中に送電鉄塔があったので、もとは送電線の巡視路だったのでしょうか。。。ともあれ、舗装道に降りて右手に下っていけば、もとの(?)東海自然歩道からの道(封鎖されていました)ともぶつかり、プレジャーフォレスト(元相模湖ピクニックランド?)の観覧車を仰ぎ見ながらの車道歩き。

 実は、予定ではこのあと、プレジャーフォレスト前なるバス停でバスに乗らずにそのまま嵐山も登って歩いて相模湖駅まで…と考えていたのですが…

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 こんな標識を目にして、こんな機会でもないと、この先、一生乗ることもないだろうし、と、確か 以前komadoさんもこの渡し船に乗船していたような記憶も蘇り(笑)、更に「四月より10時〜18時・十月より12時〜17時」の案内板を目にし、時計を見れば13時過ぎということで、これに乗って帰っちゃおう…と船着き場目指して降りていきました。

 思ったより時間がかかって船着き場が見えてくると、前を行くハイカー二人がドラム缶を打ち鳴らしているところ(笑)…。急いで下って追いついて、一緒に乗せていってもらうことに。。。

 相模湖のおそらく最南端の入り江から対岸の相模湖公園近くの船着き場まで、文字通りゆらりゆったり十数分ほど…。途中舟を止めて石老山のあそこが大明神展望台で、とか、右手に見えるあれが嵐山でとか、教えてくれたり…。救命胴衣を腰に巻いての乗船ですが、湖の水はお世辞にもきれいとは言えず、落ちたら相当汚れるだろうな…というのが感想(笑)。

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(無事着岸(笑))

 

 まぁ、料金は片道700円(往復だと1200円!)なので、バス代よりは遥かに高いけれど、この日は風もなく、昼間の温かい時間帯だったので、なかなか面白い体験をすることができて満足でした。

 船着き場で、出し忘れていた下山通知を出して、のんびり歩いて相模湖駅へ向かったのですが、思ったより時間がかかって、駅前の酒屋に笹一のミニ缶が置いてあるはずと酒屋で仕入れてから駅へ。。。次の上り電車は12両の中央特快東京行き。乗り換えもない気楽な帰京で、駅のベンチでミニ缶をちびちびやりながら、今日の山行きを振り返っていたのでした。

 

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2025.01.02

【初歩きは鈴ヶ尾山から九鬼山♪】 山バス情報208

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(九鬼山山頂にて…)

【山行日】 2025年01月01日(元旦)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 07:02 猿橋 (JR中央線各駅停車)

「歩行」
猿橋駅 07:03 - 07:16 猿橋営業所

「バス」
猿橋営業所前 07:25 - 07:32  幡野入口 (富士急バス)

「歩行」
幡野入口バス停 07:40 - 08:23 幡野山(597m)
幡野山     08:40 - 09:40 鈴ヶ尾山(833.8m三角点)
鈴ヶ尾山    09:50 - 10:30 鈴ヶ音峠
鈴ヶ音峠    10:40 - 11:55 871m付近
871m      12:05 - 13:00 九鬼山
九鬼山     13:35 - 14:45 禾生駅

「鉄道」
禾生 15:25 - 15:35 大月 (富士急行線)
大月 15:43 - 16:32 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 16:34 - 中央線某駅  (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「大月」 「都留」

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(鈴ヶ尾山への登りで…)

 

あけましておめでとうございます

 今年も安全無事に楽しく山歩きができることを祈念いたします

 

 八王子発06:35の松本行き電車(6両)は、シーズンともなると大混雑することがあり、その際早めに八王子駅に着いてこの列車を待っていると、06:20発の立川始発の大月行が10両編成でやってきて(今は12両も!あって)、格段に空いていて、これを使った山行きはできないものかと、以前から考えておりました。

 で、ひとつ思いついたのが、今回使った富士急バス猿橋営業所始発07:25の朝日小沢行きのバス。これに乗車するには、07:02猿橋着のこの電車がちょうど良さそうで、今ではエアリア(山と高原地図)『高尾・陣場』にも赤破線が入っている鈴ヶ尾山北西尾根を歩くのに、幡野入口バス停までバスで楽ができそうです。

 間に合わなければ、そのまま幡野入口まで歩けばいいだけの話だし、と実行してみると、発車の十分ほど前に着くことができ、方向巻(というか今はデジタル表示)「朝日小沢上」のバスが待機していて、すぐに乗車可能でした。

 乗客は元旦ということもあるのでしょうが、私一人だけ。車内でコンパス登山届を出して、幡野入口バス停で降車。ゆっくり準備体操をしてから、松浦本『静かなる尾根歩き』のガイド記事を参考に取り付きを探します。バス停脇の田幡橋には「←甲弓山 正八幡神社」という指導標が建っていますが、その後はこのタイプの指導標は見かけませんでしたので、今回の山行とは無関係だと思います。

 エアリア赤破線のこのルートの最初の取り付きは、『静かなる尾根歩き』の簡潔明瞭なガイドを読んでいさえすれば、誠にすんなり行けるのですが、読んでいないととても難しいだろう、というのが私の感想です。取り付きさえ分かれば、あとはかなり明瞭な踏み跡が上がっていますから、エアリア記載の「踏み跡薄い」の記述はほぼ無視して良いと思います。

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(最初は写真中央の短い橋へ降りていきます)

 

 ポイントは↑写真中央の短い橋を渡って、すぐに左上に上がっていき、フェンスを開閉したら、2つめの比較的新しい神社(お賽銭箱と鈴があったので、私はここで初詣としました(笑))の左手に伸びる踏み跡を上がっていくことです。

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(そのあと、このお社の左手の踏み跡を上がります)

 深くえぐれた昔からの山道を進むと、すぐに自然林百パーセントの明るい尾根歩きとなり、ああ、やっぱりここは葉のある時期に来るべきだったなぁと。。。しかし葉を落とした木々の向こうに扇山や九鬼山など所々で顔をのぞかせ、燦々と降り注ぐ陽の光を受けて雑木の尾根を登っていきます。

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(美林の尾根道を上がっていくと、やがて幡野山)

 落ち葉に足を取られながらも傾斜が急になった箇所を登りきれば、597m峰で立木に「幡野山」の山名標もあります。歩き始めてからまだ一時間にも満たないところですが、小腹も空いたのでここで、メロンパンとテルモスのお茶で最初の休憩にしました。

 寒くて脱げなかったウインドブレーカーを仕舞い、先を目指します。松浦本では670m付近で杉林の右斜面をトラバースとありましたが、私にはトラバースする経路は見つからず、全部尾根伝いで730m圏のコブ(アンテナ施設あり)に登りました(730m手前の斜面はひどい急傾斜で苦労しました(笑))。

 更に続く雑木の尾根をたどっていくと、突然左側が大きく崩落した箇所に行き当たります。写真では大したことがなさそうに見えますが、右の縁を通るときに覗き込んだ崩落箇所は落ちたら洒落にならないと感じましたし、右の縁を歩くときも右手の谷底に滑り落ちると、これも洒落にならないだろうというふうに感じました。これから先、凍結などしたらかなりの危険箇所となりうると思います。

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(写真ではわかりにくいですが、両サイドとも落ちるとシャレになりません)

 更に先を行けば、右手に梢越しに時折姿を表していた富士山(トップの次の写真)が、今日は雲ひとつなく見えていて、でも展望地である九鬼山に着く頃まで保つかどうか…。そんなことを考えながら高度を上げていくとようやく鈴ヶ尾山。広々とした雑木の明るい山頂で、三角点が落ち葉に埋もれています。久しぶりに見る白地に青インクの山名表も見つかり、嬉しい気分で腰を下ろして一息入れました。

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(鈴ヶ尾山山頂 時間があればずっと憩っていたい…)

 鈴ヶ尾山から先は松浦本では、突坂峠(とっさかとうげ)へと進みますが、私はまだ歩いていない大月市の市堺尾根を歩きたかったので、鈴ヶ音峠へと向かいます。しかし鈴ヶ尾山から鈴ヶ音峠がこの日一番の難関というか手こずったところでした。

 エアリアの赤破線は、少し進んだ先で市堺尾根で分岐して鈴ヶ音峠へと降りているように見えますが、現地はひとつ手前の左右に尾根が分岐している地点(赤い標石:四二五)に、右手にも左手にもマーキングがあって、左手の方が踏み跡もしっかりして明瞭です。ここを右手(南)に降りても鈴ヶ音峠のやや西寄りの林道に降りてしまうわけですから、試しに左手の、踏み跡も濃く平らな尾根を進むことにしてみました。

 しかし、市境尾根と思われる箇所にマーキングはありますが、右手(南西)方向にはマーキングもなく、しかも踏み跡らしいものも認められず、とりあえず見送って平坦な(↓しかし美しい雑木の尾根!)を進んでみましたが、尾根の方向はすでに明らかに東に向いており、このまま進むと突坂峠です。

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(突坂峠への美林尾根!)

 突坂峠からそのまま林道伝いで20分かけて鈴ヶ音峠へ行くのも時間の無駄ということで、市堺尾根の分岐まで戻ってみましたが、地形図で見ても急ですし、現地でこの目で見た印象も尾根というより斜面といったふうに私の目には映りましたので、先程の四二五の標石に戻ってピンクテープのある南へと伸びる小尾根を降りることに。。。

 しかしこれが最後の最後になって林道擁壁の真上にピンクテープがつけられている始末。細引きはザックの奥の方にあるので、こんなところで取り出すのも…と思って、擁壁が低くなっている右手の方を目を凝らしてみると、さらにピンクテープが見つかったので、足場の悪い中をトラバースすると、ピンクテープの下方に白い柵が見つかり、白柵目指して土の斜面を下ってなんとか無事に着地(苦笑)。

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(なんとか着地に成功…)

 どこに降りたかはわかっているので、車道を左手(東方向)に進み、鈴ヶ音峠に到着。対面の急な尾根には赤テープのマーキングがあったので、まぁ、ルートがないわけではないのでしょうが、ここを登りに取るのはともかく、下りに取るのはどうなのでしょう?単にわたしの勇気とRF能力が足りなかっただけなのでしょうか。。。個人的には幡野入口から来た場合、突坂峠へ出て林道経由で鈴ヶ音峠に行くのが、兎にも角にも一番安全な歩き方だと推測しています。

 時刻は10時半で鈴ヶ尾山から40分も経過しており、難所を克服した疲れ(?)もあったので、車道の乗っ越すこの峠でボンタンアメとテルモスのお茶で一息入れることにしました。

 鈴ヶ音峠から九鬼山までは、私が山歩きを始めた前世紀のエアリアでも赤実線ですが、松浦本『バリエーションハイキング』でも鈴ヶ音峠以西の前道志尾根という形で扱われていて、やはり歩く人は少ないと思います。。。実際歩いてみた限りではエアリア赤実線で問題ないルートだったものの、想像以上にアップダウンが多くて、後半に持ってくるとかなり絞られる(笑)という印象でした。

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(桐木差から高指…左手=南面が自然林なのが嬉しい)

 

 現在では大月市の名入で桐木差にも高指にも山名標識がありますし、鈴ヶ音峠には茶色の鉄製の大きな指導標があり、踏み跡もしっかりしています。右手は度々植林に覆われますが、日の当たる南面である左手は自然林の部分が多く、時折富士山が枝越しに望めます。

 ただ、エアリアに檜林と書かれたあたりからはから植林が優勢となり、「朝日小沢への踏み跡分岐」と書かれた871m付近では分岐も見当たらないままお昼の鐘が鳴ってしまい(笑)、「ここじゃ、ランチ場所としてはなぁ…」という感じでしたし、お腹もそれほどペコペコということではなかったので、比較的日当たりの良い場所を選んでミカン休憩としました。

 一息ついたら、あとは九鬼山へコースタイムで1時間10分。1時を過ぎてしまうけれど、多分誰もいないだろうから、あそこのベンチでおにぎりタイムにしようと重い腰を上げて進みます。

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(871をあとに九鬼山へ向かう…)

 ここから先は地形図で見た以上にアップダウンがきつく感じられ、やっぱり腹が減っているせいなのか、単に体力がないせいなのか、あるいはさっきまできれいに見えていた富士山がすっかり雲の中に隠れたためか、と独りごちながら一歩々々前へ足を進めていきます。稜線が一番南側を通る少ピークには「大平山902m」の板切れが木の根元に置かれていて、地形図を見て、まだこんだけしか進んでないのかと少々がっくり(笑)。

 そのあとの914への登りが一番しんどく、途中で息を何度も整える有様。 914の先は距離が長いだけでダラダラの傾斜が果てしなく続くような感覚…。で、やっと見えてきた見覚えのある指導標群。しかし、ここはもちろん山頂ではなく杉山新道の上がり口。その先もこんなに長かったっけ?というくらい九鬼山の山頂は遠く感じられて、やっと到着したベンチのある場所は、予想通り一人も先客がいない状態でした。

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(誰もいない山頂…)

 まぁ、元旦早々の山行で鬼の名の付く山に登る人もいないかな、とベンチを2つも占領する横着をしながら(笑)、昼餉の支度とお湯を沸かしていると、先程までの大きな雲が取れて富士山が姿を見せてくれています。そして、お一人地元の方らしいハイカーが上がってきて「こんにちは」と挨拶をいただきびっくり。

 私の食事中にその方は降りていかれましたが、この山のいろいろなルートのお話を聞かせていただき、短い時間でしたが、楽しひとときでした。

 休憩に30分もかけてしまったため、手はかじかみ、体は冷え切ったまま下山開始。前回九鬼山に登ったときは、池の山経由で田野倉へ下山しましたが、今回は途中で分岐を左折して愛宕神社に降りて行くコースです。山歩きを始めたばかりの晩秋、杉山新道で登って札金峠から田野倉へ降りたと記憶しているので、九鬼山をめぐる赤実線ルートは全て歩いたことになりそうです。

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(分岐から先は、ほどよい傾斜角で下っていく…)

 道は分岐直前までは、こんなに急坂だったけ?と何度も呟きながら降りたほど、急な坂を下っていきますが、分岐から先はおそらく昔の元峠道だったのでは?というほど傾斜が無理なく芸術的につけられ、深くえぐれた径路で、歩いていて気分が良かったです。

 愛宕神社で無事下山の御礼がてら二つ目詣でをすませたら、あとは車道を禾生駅までてくてく。駅に着いてみると次の大月行まで45分もあり、周囲にはコンビニも何もない様子。時間つぶしに、メールをもらったまま返事をしていない元会社の同僚へメールを打ったりして、ようやく来た大月行の各駅停車に乗り込み帰途に就いたのでした。

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2024.12.12

【今倉山北尾根で猿焼山へ…】 山バス情報207

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(今倉山への登り…やはり南面の美林は葉が落ちても美しい)

 

【山行日】 2024年12月07日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 07:48 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 07:55 - 08:10 都留市 (富士急行線各駅停車)

「バス」
都留市駅 08:15 - 08:45 道坂隧道 (富士急バス 740円)

「歩行」
道坂隧道バス停 08:55 - 10:07 御座入山(今倉山西峰)
御座入山    10:15 - 11:25 パラジマノ頭
パラジマノ頭  11:50 - 12:25 エビラ沢の頭
エビラ沢ノ頭  12:35 - 13:35 猿焼山
猿焼山     13:45 - 14:40 芭蕉月待ちの湯

「温泉」
芭蕉月待ちの湯 14:40 - 15:40 (市外大人720円)

「バス」
芭蕉月待ちの湯 15:54 - 16:16 都留文科大学駅前 (富士急バス 200円)

「鉄道」
都留文科大学 16:40 - 17:03 大月 (富士急行線各駅停車)
大月     17:06 - 17:43 高尾 (JR中央線各駅停車 遅延)
高尾     17:46 - 中央線某駅  (JR中央線快速東京行き 遅延)

【地形図】 「都留」

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(猿焼山への道すがら…名残のような紅葉もこの程度)


 鶴峠行きの富士急バスは11月いっぱいで終了、しかし、道坂隧道行きのバスは12月15日まで走行してくれる、ということで、ようやく寒気も降りてきて冬らしくなってきたし、利用者も少なくなっただろうと予想して、以前から行きたいと思っていた猿焼山へ今倉山の北尾根を松浦本『静かなる尾根歩き』の逆走をしてたどって行ってみようと思いつきました。

 ただ、猿焼山から曽雌に降りても遠い昔に廃止になったバスもないことですし、タクシーを呼ぶ気にもなりません(デマンド乗り合いタクシーがありますが、壬生駅行きは13:30)。しかし、近年のエアリア(山と高原地図)には猿焼山から芭蕉月待ちの湯に降りるルートが「赤実線!」で入っていて、一時間ほどで降りられるとの由。実行に移すべく朝一番の道坂隧道行きのバス乗り場がある都留市駅へ。。。

 ところが、すでに富士急行線の車内で道坂隧道行きのバスについて話しているパーティーの声を耳にして、こんな寒くなってから乗る人たちもいるんだなどと、暢気なことを考えていたら、バス停には結構な数のハイカーが列をなしていて、結果的に席は全て埋まってしまいました。

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(道坂トンネル…マイカー登山者も結構多いです)

 細野で降りたのは一人だけ。残りは全員、峠の下の終点まで乗り倒しです(笑)。そして結構若い人たちが多い。。。年寄りの私は今倉山の山頂の先で変な斜面を降りていくのを見られたくなかった(笑)ため、トイレの列の最後に並んで用を足してからゆっくりと登っていきます。

 峠に出て今倉山に向かう途中で、立ち止まっていた若い二人を抜いてみたものの、その後結局先に行ってもらうことになってしまい、彼らとの差は開くばかり(笑)。時折振り返って見る御正体山の上に頭を出している富士山も、今日は早くも雲のマフラーをまとっていて、休む口実も作れないまま、ノロノロと登っていきます。ただ、稜線はずっときれいな雑木が続き、明るい尾根歩きでした。

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(若い人にどんどん引き離される(笑))

 

 三角点のある今倉山東峰山頂到着はほぼ一時間後の09:55。しかし誰もいません。軽く一息ついただけで皆さん先に進んでしまったのでしょうか。誰もいないならここで一休みしようかとも考えたのですが、変なところを降りるのはこの先の西峰なので、とりあえず、そこまで休憩はお預けにして西へ続く道志主稜を進みます。

 西峰(「御座入山」と指導標にマジック書きされています)に着いても誰もいません。速い人たちばかりだなぁ…と呟いたのですが、実際は自分が年寄りでのろくなっただけかも…と思い直しながら、西峰で一息入れることに。。。テルモスのお茶とサンドイッチの残りで休憩を取ったら、誰もいないことを確認して尾根下りの開始です。

 松浦本では、西峰の20m西寄りに登り着いたということでしたが、あたりをよく見てもマーキングなどは一切ありませんでした。西にだいぶ進んでみたものの1383の北に伸びる西沢と東沢の間の尾根が見えてきてしまい、引き返して20mというとこの辺りかなと見当をつけて斜面を下っていきました。
 踏み跡らしいものもなくズルズルの落ち葉の斜面を慎重に下っていくと、ようやく尾根らしい地形になってきたところで右手の方にピンクテープを見つけ、足元もだいぶしっかりしたものとなって磁北方向に歩を進めます。

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(この小屋を見たら、すぐ先の尾根の分岐に注意です)

 

 ピンクテープを良い目印にして進んでいくと松浦本の写真にもあった古い造林小屋を目にしてまもなくで、地図読みが必要な尾根の分岐になります(1246m地点「西ヶ原の台」)。ここから1076m峰(パラジマノ頭)へ向かうには、道なりの前方尾根ではなく右下(北東)へ下っていく尾根を選ばないといけません。前方の尾根にはこんもりとした盛り上がりがあり、それがパラジマノ頭に見えるかもしれませんが、これは北北西に伸びる尾根の1210m圏峰です。パラジマノ頭があれほど近くに見えるはずがないということも重要な判断材料です。

 自信を持って、北東に伸びる尾根を進んでいくと、急傾斜になったあと北寄りに向きを変え、再度北東(右)へ降りるようにピンクテープが指示してくれますが、この地点から鞍部にある舗装道が見えて唖然としました。地形図「都留」は比較的新しい平成27年のものですが、それにも描かれていませんし、地図ロイドにもありません。何かの間違いか自分のミストレースかと山旅ロガーを起動してみましたが、現在地は間違っておらず、ここを北東に下って舗装道を横切って、パラジマノ頭へ行くしかありません。

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(こんなの聞いてないよ〜といいながら向かいの尾根へ…)

 

 この舗装された林道は一体どこからどこにつながっているのだろう?と思いながら(後日この記事を書きながら21年のエアリアを見ていたら、なるほどこれか!とわかりました:『新バリエーションハイキング』によれば「菅野盛里線」)真新しい舗装道を横切って対面の尾根に取り付き直し、右側が切れ落ちてこわいよ〜と呟きながら、登り着いたところが1076m峰のパラジマノ頭。

 時刻は11時半前。このあとに控えている急斜面の下りと、そのあとの急斜面の登り返しは、地形図で見てもとんでもない傾斜角とわかっていましたので、この寂峰でお湯を沸かしてお茶を煎れ、お昼ご飯にしました。

 静かなひだまりハイクの楽しいひととき、といきたかったのですが、なんだか自分の食事に申し合わせたみたいに(笑)黒っぽい厚い雲が上空に現れて、陽射しが遮られたうえ、冷たい風が強くなってきて、意地の悪い天気だなぁ…と思わず呟いてしまいました。

 大休止を終えて、再び北へと歩き始めると、とたんに雲が切れて陽射しが出てきてくれ(笑)、風も収まりつつあります。この先にある急下りはこの日一番の傾斜角度で、トラロープなどもあり、これを助けにしたいところでしたが、よく見るとロープを支える木はとても細くて脆いもので、根元から折れていて、掴まる方が危険かもしれません。

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(もっとしっかりしたところに固定しないと…(苦笑))

 

 急下りが収まると、静かな落ち葉径の尾根歩きとなりますが、前方にはエビラ沢の頭と思しき山がデンとそびえていて、これがまた登ってみれば、やはりこの日一番の急な傾斜の登り。巻き道のようなものもなく登るしかありません(笑)。落ち葉で踏ん張りも効かず、落石も起こしながら、息を整えては登りの繰り返しで、ヘロヘロになって到着したエビラ沢の頭。そこにはこの地域でよく見かけるなんとも無責任な「←登山道→」の標識にマジック書きで「エビラ沢の頭」と追記されていました。

 おい、これはないんじゃないかい?と思わず呟いてしまいました。私製の道しるべや標識と違って、この「←登山道→」標識は、おそらく行政側の人間が設置(依頼?)したのではと私は勝手に推測していますが、ここ(エビラ沢の頭)にこの標識を掲げておきながら、パラジマの頭にも猿焼山にもこれと同じ標識はないわけですし、パラジマノ頭からここまでの(そして実際にはこの先も)整備されてはいない、かつ指導標ゼロの尾根を「登山道」と呼ぶのは無理がありすぎると思います。

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 ともあれ、標高差百メートル&体感60度以上(?)急斜面を登り切り、パラジマノ頭から半時間あまりしか経過していませんが、テルモスのお茶とボンタンアメで一息つくことにしました。

 エビラ沢の頭からは進行方向をほぼ90度西に変えたあと、再び北に尾根が曲がっていきます。その間は平坦な尾根歩きですが、問題はその先です。松浦本では登りに取っているため「手を駆使せざるを得ない急登」ということで、また先程のような地獄覗きみたいな角度の傾斜を降りていくわけで、トラロープもなく、木の根やしっかりした岩に掴まりながら向き直って下っていきます。「登山道ではありませんよ、これは」とまたブツブツいいながら慎重に下り切ると、遠くに猿焼山と思われる三角形が見えてきます。

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(猿焼山が見えてきました…)

 やがて810m付近で右手に伸びる尾根に引き込まれないように注意して左の尾根を選ぶ地点が少し迷うところですが、地形図を見れば左と判断できますし、踏み跡もしっかりしてきます。

 猿焼山は松浦本では東峰と西峰があると書かれていて、昔の本にもそのように書かれているものがありますが、現在は東の三角点のない方を猿焼山として、三角点のある西峰はエアリアでもそうなっているように、城ケ丸と呼ばれているようで、現地の私製の標識もそのようになっています。

 まず猿焼山と思われる右手の高みに直登します。結構な傾斜でしたが、なんとか登りきって、時刻を見るとエビラ沢の頭からちょうど一時間ほど経過していたので、猿焼山でテルモスのお茶で再び休憩を取ることにします。

 猿焼山の山頂には標石(三角点ではありません)の脇に猿焼山の板切れの標識が置かれているだけで、指導標も何もありません。ここからは10年ぐらい前のエアリアでも赤実線というのに、進むべき西の尾根にピンクテープが見えるだけです。これってもしかして…という嫌な予感は残念ながら的中してしまいました。

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(トラロープもない、結構急な下りもあります)

 結論から言うと、この先は西に向かう尾根を711の手前の730m付近までたどって左手の南下する小尾根に入り込み、急に右手(西)に尾根を外れて、新しい1/25000地形図「都留」には描かれている(古い地形図には影も形もありません)破線ルートを降りていくのですが、尾根から外れる地点までは、指導標がないどころか、マーキングさえも統一されていない種類のものが混在していて、倒木も多いため、初めてここを降りるハイカーはかなり不安になると思います。とても一般登山道とは言えず、私に言わせたら「思いっきりバリハイルート」です(苦笑)。

 しかもその尾根から外れる地点にある私製の道しるべ「戸沢・登山口へ→」は小さくて、右手の非常にわかりにくいところにつけられていて、私も危うく見逃すところでした。お手製の道しるべのあとも、倒木があるうえ、この季節は特に踏み跡が落ち葉に埋もれていることもあり不明瞭。「こんなとこ、赤実線はまずいよ」という印象しか残りませんでした。

 そして極めつけは、最後に林道と交差する地点に設えられた、例の「←登山道」の標識。最後の最後までやってくれるじゃないの…という感じでした。

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 ま、いいか、大して迷うこともなく無事降りてこられたんだもの…。それに、あの標識だって、悪気があって立てたわけではないのでしょう。登山道として使って歩いてくれても結構ですよ、ぐらいの意味なのかもしれない。。。バスの時刻は記憶では14時台は早めの時刻で、15時台はほとんど16時に近い時間だったよなぁ、と確かめてみたら、やはり30分ほど前に行ったばかり。ゆっくり芭蕉月待の湯で暖まって時間をつぶせばいいだけ、というのはこの時期本当にありがたいです。

 芭蕉月待ちの湯 は都留市の市民とかJAFの割引とかは本当に安いけれど、市外一般大人でも720円というのは、私にも手ごろなお値段でうれしいです。しかも時間制限もなしで、持ち込みも可ですから、貧乏ハイカーにとってはありがたいことこの上ありません。

 お湯はあまりぬるつきもなく無臭で透明。でも、カルキ臭さなどもなく、ごく普通の温泉といったところでしょうか。土曜でしたが、入浴客はそれほど多くなく、湯船にのんびり浸かって、疲れをほぐしました。

 15時半前に上がって、ビールでも、と食堂兼休憩所に行ってみると、食堂はまだ営業していない旨の表示。持ち込み可ということも分かったので、座敷のテーブルで、ザックに忍ばせてあった(笑)パックの日本酒をストローでちびりちびり。。。お湯とお酒で程よく体が温まったところで、バス停へ。

 バス停では最後尾に並んだものの、運よく最後のひとつの席に着席でき、右回りのため、都留文科大学駅前で下車。駅の時刻を見に行くと大月行は20分後。駅前のスーパーでヱビスの黒と笹一のワンカップをゲットしてから駅の待合室へ。

 富士急行線も外国人観光客の隣に座れて、大月駅では3分の乗り継ぎで高尾行きへ乗り換え。この時も30分後に発車する快速東京行きが12両だったのですが、たくさんいる外国人たちの口々から「グリンカー」という言葉が聞こえたので、見送りました。

 外国人たちの判断のおかげで、空いた6両編成の高尾行きに座り、笹一のお酒をちびりちびりとやりながら帰途に就いたのでした。

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2024.10.26

【地図読みの練習に…盆前山】 山バス情報204


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(モミの巨木にたくさんお目にかかれる佳き尾根歩きでした)

 

【山行日】 2024年10月22日 (火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 11:20 高尾 (JR中央線各駅停車)

「バス」
11:42 - 12:10 力石 (西東京バス 520円)

「歩行」
力石バス停 12:10 - 12:40 小津バス停
小津バス停 12:41 - 13:35 盆前山 (498.1三角点)
盆前山   13:55 - 14:35 恩方山 (536ピーク)
恩方山   14:45 - 15:10 高留沢の頭 (589ピーク)
高留沢ノ頭 15:20 - 16:00 夕焼小焼バス停

「バス」
夕焼小焼 16:37 - 17;05 高尾駅北口 (西東京バス 590円)

「鉄道」
高尾 17:07 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「五日市」

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(なんとか明るいうちに宮尾神社へ着地できました)


 この日も、11:00ごろまで家で待機していないといけない事情があって、会社に休みをもらって待機。しかし、用事は10時半過ぎに終わってくれて、前から行きたいと思っていた盆前山の地図読み練習へ。

 小津町(おつまち)へのバスは八王子駅からのものが廃止されて、しばらくは町の有志でデマンドバスのようなものを走らせていてくれたのですが、最近になって平日に三本だけですが西八王子駅発のバスが運行されるようになって、平日に休みをとる機会があったら出かけてみたいと思っていました。

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(小津町バス停留所:実際は力石から歩いてきました)

 しかし、07:10はもちろんのこと、この日は09:40も間に合わない。12:20は小津町到着が12:53と遅く、日の短くなったこの時期ですから、少しでも早く登山口に到着したい、ということで、高尾駅北口発の陣馬高原行バスで、力石まで行き、峠を車道で越えて小津町へというアプローチにしました。20分ほどですが、早く出発できそうです。

 尚、力石から車道経由で来た場合、古びたバス停跡「小津坂入口」と、「←喫茶 森の中 ランペット」の標識に行き当たりますが、この矢印とは逆の方向(下り)方面に登山口(取付)がありますので、注意が必要です。

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(矢印とは反対方向に取付があります)

 

 実際は小津町のバス停写真を撮りたいということもあって、15分ほどしか早くなりませんでしたが、戻ってガードレールのある未舗装道路を上がっていきます。

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(ガードレールのある未舗装道:最初の取付はわかりやすいが…)

 

 今年は暑かったこともあるのでしょうが、30mほど進んだところにある左手の細道は道型がほとんどない状況。目印のアンテナもお墓も草木に隠れていて、非常に分かりにくいです。

 今回のコースは、最近エアリア(山と高原地図「高尾・陣馬」)に赤破線が入るようになりましたが、このあと実際歩いてみた感じでも、ところどころ山名標識があり、マーキングのテープがあるものの、指導標は皆無。何より「地図が読めないと道間違いを起こす箇所」があり、破線にしても赤色はどうかな…というのが正直な感想でした。

 すぐに支尾根に乗り、松浦本記載通り、モミの巨木が何本も尾根のど真ん中に立っていて、周りが植林でも歩いていて不快ではありません、470m地点のピークには前盆前という標識が掲げられており、小津町から歩いてきたときには、ニセ盆前といったところでしょうか(笑)。。。ともかく、バリハイルートに慣れていれば、取付がわかりにくい以外、盆前山直下までは尾根通しに高みを目指せば良いだけで、さほど難しくはありません。

 ただ、いよいよ盆前山という段になって、鞍部から登り返すあたりがかなりの藪と倒木で分かりにくいです。

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(盆前山を前にヤブと倒木が…)

 

 小津バス停から一時間弱で三角点のある盆前山。時刻は13時半で、ここでおにぎりタイムにしましたが、頭上にヘリが旋回して、こんな平日の、こんな場所で何だろうと思いながら腹ごしらえ。

 盆前山から先は、松浦本にあるように、地図読みが必要です。進行方向はまず西に伸びる尾根通しなのですが、盆前山の三角点で目を引くのは北側の尾根につけられたピンクテープ。コンパスで方角を確かめる習慣がない人は、素直にあちらに進んでしまうのではないかと思います。

 おまけに西方向の尾根は三角点からは明瞭な尾根が見えない状況です。北のあの箇所にテープをつけたのは山仕事のためかもしれませんが、もし、ハイカーがつけたのなら(経路があるにせよ)少々罪深い行為ではないかと感じました。

 で、西に尾根を進んでいくと、松浦本にもありますが、2つのコブを超えた先で、この場所に突き当たります。

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 現状、これだけわかりやすい通せんぼがあればこそ、そして松浦本の注意書きがあればこそ、ここは右手にマーキングのある急坂を降りていく!と、わかりますが、通せんぼもなく、注意書きも読んでいなかったら、私のRF能力ではここは正しく判断できなかっただろうと思いました。

 なるほど、地形図を見れば、この尾根のベロの向き具合は確かにミスコースしやすいと認識できますが、コンパスを見ながら、西にまっすぐ進んでいたつもりが、この地点に来て初めて(いつの間にか)南に進行方向を変えていたことに気づいたというのが、実際の感覚で、90度尾根が屈曲したようには私には感じられませんでした。

 次の注意点、同じく2つコブを越えた先の490m圏ピークも漫然と進んでいくと、足元の通せんぼの枝の束を越えて北方向に伸びる尾根に進んでしまいそうになります。気づいて左手(西)へ修正。そのあとも536を前に今度は南(力石方面)に伸びる尾根の踏み跡は明瞭で注意が必要です。536mのピークは木彫りの「恩方山 536m」標識があり。なんとかここまで無駄なく歩くことができ、ボンタンアメとテルモスのお茶で小休止。

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(木彫りの立派な標識の他に、こんな可愛らしい標識も…)

 

 今回歩いてみた感じでは、498m〜536mと一応登りベースではありますが、ここの部分は尾根歩きという意味では難しい部類で、個人的には☆(星)ひとつや赤破線はどうなのかな〜、というふうに感じました。

 536ピークから589ピークは、気をつけていれば、道間違いをおこすこともないと思いますが、地形図で見た感じよりアップダウンが結構あるという印象です。

 589ピークには松浦本にあった立木の黄色テープ(夕焼小焼バス停と小津バス停表記)は見当たらず、エアリアにもある「高留沢の頭」の標識が見つかりました。

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(高留沢ってどの沢なんでしょうか…)

 

 時刻は15時過ぎ。。。ゆっくり下っても、暗くなる前に降りられそうと、テルモスのお茶とミックスナッツでおやつタイム。

 589ピークから宮尾神社への道は、指導標は一切ありませんが、下りやすい傾斜角が保たれ、ところどころコブをトラバースしてくれる好い道だと思いました。晴れていた青空も雲が多くなって、少しずつ暗がりが寄せてきそうな空模様に変わっていたのですが、不安になることもなく下山。

 ほぼ、コースタイム通りに夕焼小焼のバス停に着き、バス停写真を取って、ベンチに腰を下ろしたところで4時のチャイムが流れてきました。

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 もっと早く降りてきていれば、おおるりの家で日帰り入浴できるのですが、13時から16時半ということで、このまま30分ほどベンチでバスを待つことにします。

 やってきたおなじみの陣馬高原下からのバス。これって、平日のこの時間帯はスクールバスも兼ねているのですね。運転手さんと生徒さんたちのやり取りを聞きながら、ああ、いいな、この雰囲気…そう感じながら、高尾駅に降りて電車で帰途についたのでした。

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2024.10.24

【綱之上御前山から御春山】 山バス情報203

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(綱之上御前山から権現山方面を望む)

 

【山行日】 2024年10月20日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 11:50 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 12:18 - 12:43 梁川 (JR中央線各駅停車)

「歩行」
梁川駅    12:50 - 13:55 綱之上御前山
綱之上御前山 14:05 - 14:50 御春山
御春山    15:00 - 15:55 四方津駅

「鉄道」
四方津 15:57 - 16:32 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾  16:33 - 中央線某駅  (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「上野原」

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(梁川駅から40号鉄塔が見えていたのですが…)

 

 また三ヶ月ぶりの更新となってしまいました。m(__)m 6月から用意していたお盆休みの南ア計画が、直前の体調不良でキャンセル料も取られてがっくりきたのをきっかけに(苦笑)、18きっぷなんて買うんじゃなかったという例の後悔。そのあとは猛暑もありましたが、なぜか天気の良さそうな朝に足が攣ってしまったりするのを言い訳にいつものサボり病。サイトやめたほうがいいかな…というネガティブな気持ちにもなりましたが、最近になって加治丘陵などほっつき歩いたりして、季節もようやく進んでくれたこともあって、少しだけ心は山へと向かうようになってきました。

 しかしこういう流れですと、どうも天気の良さそうな日に今度は都合がうまくつけられない。。。今回も天気回復の日曜日、11時まで家にいなければならないという状況。。。短時間で登れそうな山ということで用意しておいた綱上御前山から御春山・大野貯水池というプラン。しかし、所用は予定より遅延したため、この電車と思っていた電車には乗れず、高尾駅で30分の足止め。。。梁川駅に着いたのは13時前でした。

 予定では松浦本『バリエーションルートを楽しむ』のコースを逆走する予定だったのですが、40号鉄塔は見えるものの、巡視路の入口らしきところは鉄柵が何重にも張ってあり、上を乗り越えるわけにもいかない状況。仕方なく藤井本『中央線の山を歩く』(同書では綱上御前山を寺山としています)の記事の記憶を頼りに(コピーは持参していませんでした)ここかなというところで踏み跡らしきものを発見して入っていったのですが、これが結果的には全然違う箇所を取り付きにしてしまっていたことが帰ってきてから判明しました。

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(尾根に上がってしまえば歩きやすい…)

 ズルズルの急坂を這うようにして登り、地形図の「梁川町綱之上」の文字がある尾根に乗ったのは13時半。標高は約450m。ここから尾根を東南東に進み、綱之上の「上」の字付近で屈曲して東北東に進みます。尾根上は先程の尾根までの這いずりまわりのズルズルに比べたら、歩きやすいこと歩きやすいこと。道標も標識もありませんが、赤テープが点々と続きます。

 ただ、地形図には現れませんが490m辺りのひょうたん型の等高線部分は小さなコブのようになっていて、そこで、カメラを落とすやら、バラヤブを掴んで出血するやら、目の前に見えている綱上御前山への尾根筋が倒木やヤブで不明瞭だったりで、少々焦りました。。倒木の先も、結構なヤブでしたが、最近この時期によく見るヤマツツジの狂い咲きなど見つけて、少しリラックスした気分に。。。

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(温暖化の影響でしょうか…この時期のヤマツツジは珍しくなくなりました)

 

 綱之上御前山山頂は、三角点もない山頂ですが、松浦本どおり権現山方面の展望があり、居心地も悪くなく、ここで、遅いおにぎりタイムにしました。

 腹ごしらえが済んだら、以前にも訪れた御春山方面へ向かいます。コンパスで北方向を確認して下りにかかりますが、ここはかなりの急坂でトラロープも設置されています。 でもでも、これってアキノキリンソウでは?という黄色いお花も咲いていて、嬉しくなりました。

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(間違っていたらご教示願います!)

 

 無事下り終えれば、見覚えのあるお手製の道標(←綱之上御前山 太田峠→)。ここからは斧窪御前山から縦走(?)してきた半年前と同じ道のり。南米沢峠方面へは道標もありませんが、自信を持って右手(東)方向に伸びる尾根を進んでいきます。

 途中笹がかぶった箇所もありますが、南米沢峠から先は最近のエアリア(山と高原地図)で赤実線ルートとなっているだけあって、迷うようなところもありません。表を向いた道祖神と背を向けた道祖神も半年前と同じ。

 息が少し上がって、登り着いた2つ目のコブが三角点と小さな東屋のある御春山(おはんなやま)。ちょうど三時前で、ザックにあったミックスナッツとテルモスのお茶でティータイム。

 ひと休みしたあとは、御春山から一旦下って登り返せば大きな東屋のある展望台。眼下に大野貯水池が見え、また来ちゃったな、という感じで、下山にかかります。
 

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(大人数の場合はこちらで一息がいいかも…)


 で、こちらに下山のプランにしたのは、前回、大野貯水池バス停のすぐそばに酒屋さんがあって、そこでビールを手に入れたという経緯があったためだったのですがっ!、なんとお休み。あっと声を上げて思い出したのは、前回は平日に休みを取ってきたため開いていたのであって、今日は日曜ですから当然といえば当然お休みです(笑)。

 それでもよく見ると、今どき珍しいビールの自動販売機があって、なんと免許証をかざせば買える模様(笑)。

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(大野貯水池へ降りる場合は、免許証をお忘れなく(笑))

 

 あわてて、定期入れを探すも免許証は不要なので家に置いてきてしまっていたのでした。苦笑いしながら、まぁ、いいかと諦め顔で、バス停を見に行くと、なんと、前回はあった平日の便はすべて廃止というお知らせが貼ってあり、犬目行きのバスは土休日の朝一本だけになっていました。

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 これって、地元のためのバスではなくて、あきらかにハイカーのために運行しているバスだと思います。私もプラン、練ってみますが、皆様もどうぞ、なんとか、この路線バス利用のプランを御検討ください… ただ、4月〜7月と9月〜11月のみの運行で、走ってほしい冬場は残念ながら運行していません。
 
 今回はコモアしおつは行きませんでした。まっすぐ四方津駅へ行ったら、ほぼドンピシャで上り普通電車に乗れて、高尾でも連絡よく乗り継ぎ、最寄りの王将にて餃子とビールで〆ました(笑)。

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2024.06.23

【梅雨の晴れ間に…タクシーでのんびり大蔵高丸】 タクシー情報

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(ハマイバ丸の先で…)

 

【山行日】2024年06月22日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 06:19 大月 (JR中央線各駅停車)

「タクシー」
大月駅 06:40 - 07:05 湯ノ沢峠入口 (6600円)

「歩行」
湯ノ沢峠入口 07:15 - 08:05 古い道標
古い道標   08:10 - 08:25 湯ノ沢峠
湯ノ沢峠   08:35 - 09:10 大蔵高丸
大蔵高丸   09:20 - 09:50 ハマイバ丸
ハマイバ丸  09:55 - 11:15 大谷ヶ丸
大谷ヶ丸   11:45 - 12:55 大鹿山手前
大鹿山手前  13:00 - 14:05 景徳院
景徳院    14:15 - 14:45 甲斐大和駅

「鉄道」
甲斐大和 15:24 - 16:33 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾   16:34 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)

 

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(大蔵高丸山頂でも…)


 ついに、というか、やっと梅雨入り宣言が出た関東。これまで何日もあった休日の晴れをぐうたらと過ごしてしまった私も、ようやく山へ出かけようという気持ちになってきました。。。ちょうど、土曜日は晴れの予報で、平井さんの予報では、からっとした暑さと言うことで、出かける先に選んだのは、またあのコースで行きたいとずっと思っていた大蔵高丸。なにもかも値上げされてタクシー代も上がっているだろうけれど、いくらぐらいかかるのかも知りたい、ということもあり、朝は早起きして大月駅へ。

 しかし、6時半前に着いた大月駅前にタクシーの姿は見あたらず、コースを代えて富士急の一番電車で行く別のプランに変更しようかとも思ったのですが、タクシー会社に電話してみると、10分ほどで車を回せますというお返事で、大月駅で待機。ほどなく現れた運転手さんに名前を言われて、タクシーに乗り込みます。

 運転手さんのお話では、今は大峠まで9000円ぐらいかかるそうで、楢の木尾根も歩いてみたいと思っていた私は、大峠は誰かと相乗りで割り勘して行くしかないかな…と(苦笑)。しかし、7000円以上いっちゃうかなと覚悟していた湯ノ沢入口までの料金は6600円。これなら、またもう一度利用してもいいかな、なんてちょこっと思ってしまいました(昔の大峠までの料金と同じぐらいなのに…経済観念がないですね(笑))。

 登山口には既に二、三台車が停められており、後ろの車の方は、これから登山靴を履いて…というところ。挨拶をして、さて、登山届けを出そうかと、スマホを取り出して見るも圏外。慣れないタクシー利用(笑)だと、こういうところでミスが起きてしまいます。少し上がったところで、圏内になったので、試してみましたが、どうやら、向こうの電波はこちらに届いているものの、こちらの端末の電波は弱すぎて向こうに届かないという状況のようでした。(ちなみにこの状態は峠に上がっても、見通しのよい山頂でも同じか圏外かでした)

 この径を歩くのは随分久しぶり。最初は前世紀このブログを始める前のこと。当時の最奥の停留所「桑西」から車道をとぼとぼ歩いていたら、運良く後ろから来た車に乗せてもらいましたが、その次はそんなこともなく、車道を歩ききってのアプローチ、時間や疲れなどもあって、当時できたばかり(?)の米背負峠からの経路で下ってしまいました。でも、いずれも、そのときの感想は「このあたりで一番歩いていて気持ちのよい径」で、実際、下で挨拶した車の方も、峠で少しお話をしたとき同じことをおっしゃってました。

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 径は、ほぼ湯ノ沢沿いにつけられていて、急な箇所もほとんど無く、自然林100%の木陰に包まれ、暑い季節でも苦も無く登ることができますし、アプローチの関係上でしょうか、人に出会うこともほとんど無い静かな径です。聞こえるのは沢音と、もう盛りを過ぎてやや弱い感じのトーンになってきたハルゼミの合唱。久しぶりの山行きでなかなか上がらない足でも、気持ちよく歩いて行けます。

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 途中、45分ほど経過したところで木ぎれに記された古い道標↑が見つかり、一息入れましたが、そのあとは見覚えのある最後の水場(水場の標識はありません)で、開けたばかりの500mlのペットボトルに天然水を補給して少し登れば湯ノ沢峠です。


 湯ノ沢峠には、「小金沢山・牛奥の雁ヶ腹摺山・大蔵高丸・ハマイバ」の手押しのカウンターがあり、ハマイバはここから降りてハマイバ前バス停へ行く人のことかな…という感じで大蔵高丸のカウンタを押していきます。

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(峠のカウンタ…昔からありましたっけ?)

 すぐに鹿よけのネットで囲まれた区域に扉を開いて入っていきますが、なんと、ほとんどお花らしいものはありません。一面草原といった雰囲気で、見つかるのはキンポウゲなど鹿さんが食べない黄色系のお花だけ。以前同じような時期に来たとき、それなりにいろいろ咲いていた記憶があるのですが、今はどこかに進入経路があって、ネット+扉で囲った意味がほとんど無い状態に感じました。

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(黄色以外のお花がほとんど見当たらない草原のようでした)

 

 「植物採集は禁止」の立て看板も見つかりましたが、見た感じから、鹿柵が機能していないというふうに思えました。峠まで車で来られますから、盗掘という確率がないとは言えませんけれど。。。

 再びゲートを抜けて大蔵高丸がでんとそびえる地点。ここももちろんお花無しですけれど、こんもりしたあの山の頂に向かう気持ちは格別です。

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(大蔵高丸へ…気持ちが高まる♪)

 もっと直線的に登っていくような記憶があったのですが、うまくゆったりとしたジグザグを切って無理なく山頂へ至る感じの道になっているのですね。山頂からは、最後の一筋ともいえる残雪が好いアクセントで富士山がすっきりと見えていて、右に目を移せば南アルプスも今日は綺麗に見えています。もうこれで、4回目か5回目になりますが、大蔵高丸からのこれほどの好展望は初めてです。

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 お花畑ではちょっとがっくりきてしまいましたが、この展望を満喫できたことで、朝早く起きてタクシー代を払った甲斐があったと、気分よく山頂をあとにしました。

 ゆったりとした稜線を下っていき、途中遠くにツツジ系の赤い花を見つけ、一瞬この時期だとレンゲ?とも思いましたが、遠くから見てもあの独特の葉っぱではなさそうで、その先で見つけた赤色のツツジもやはりヤマツツジでした。

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 更に進むと、再び鹿柵。こちらには扉に「撮影中です。『希少種・絶滅危惧種を含む貴重な草原植生を撮影し調査研究しています。登山道から植生内に立ち入らないでください。』」と環境省の名前で表示があります。

 こちらは背丈の高い植物も群生していて、少し期待して入ってみたのですが、私の目にとまった植物はやはり黄色系ばかり。かろうじて、遠くにアヤメ(ショウブ?)らしき花が一輪と咲き始めらしいアザミ(?)↓が見つかっただけ。来た時期が悪かったのかなぁ…とも思いましたが、どうもこちらも食べられているような印象をぬぐえませんでした。

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 入口にあったものと同じ表示のある扉を抜けて、闊達な草原の尾根径を進んでいけば、また富士山が現れ、その少し先がハマイバ(破魔射場)丸。三角点にタッチして、少し休憩。山頂は木立に囲まれており、「秀麗富嶽十二景 三番山頂」の看板は、ちょっと??ですが、その前後の富士山は確かに美しいだけでなくかっこいい感じですね。

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 ハマイバ丸到着は10時前で、この調子なら米背負峠から下るという選択肢は姿を消して、とりあえず、大谷ヶ丸で、少し早めの昼食にしようかなと。。。でも、ここから先が、これまでの緩やかな上り下りとは違って、結構大変なところなのですよね。

 山頂の先で満開のヤマツツジの向こうにそれこそ秀岳の富士山を望んだ(トップ写真)あとは結構滑りやすい急坂下り。そして一度天下石に登り返したあと、また急な下りで米背負い峠へと一気に高度を落としたあとで、更に大谷ヶ丸への急な登りが待ち受けています。

 しかも米背負峠の先では、プーさんのものらしいまだ新しい落とし物を目にして、すれ違う人も絶えてきたことだし、と鈴をつけての登りです。息が上がらないようにゆっくり登るべきなのですが、やはり、あの場所からはできるだけ離れたい、との思いでやや呼吸は乱れぎみ。それでもおいしそうなキノコを目にして撮影したりで、ほぼコースタイム通りに大谷ヶ丸山頂に到着できました。

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(これは落とし物ではなくキノコです、たぶん(笑))

 大谷ヶ丸で大休止。お湯を沸かしてお茶を煎れ、おにぎりタイム。大蔵高丸・ハマイバ丸と異なり、こちらは誰もおらず、30分ほどのんびり休憩できました。

 大谷ヶ丸からの下りはエアリアに滑りやすい急坂と書いてあり、ここから先はほぼ下りベースと判っていたこともあって、ストックを取り出し、約二ヶ月ぶりの山行きですから、膝痛予防をかねてゆっくり進みます。

 どちらかといえば、ハマイバ丸からの下りの方が滑りやすいし急だと私は感じましたが、200mほど標高を下げたあとは概ね平坦な道のりです。初めて歩いたときにできたばかりだった防火帯も今は防火帯らしくなくなって、エアリアに注意書があるものの、現地は枝が置かれているだけで、指導標を置かないと間違えて入り込んでしまうのではと心配してしまいます。

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(中央の明るい防火帯へついつい引き込まれてしまいそうですが、枝の手前を右手の踏み跡へ進みます)

 

 この稜線はピークらしくないピーク=コンドウ丸に標識が置かれたほかは、前世紀末から旧大和村と大月市の古いプラスチックの指導標(地面に落ちたものや判読不能もある)が混在しており、是非新しい指導標を整備してほしいと思います。
 
 大谷ヶ丸から一時間ほどで曲沢峠。ここから曲沢沿いに降りる径は荒れているとの表示があり、最近のエアリアでは赤破線も消えてしまっています。最後の下りですし、二ヶ月ぶりの山、安全策をとって、すぐ先の大鹿山手前まで行って、水分補給と足休めをしてから景徳院目指して下ります。

 この径は、そこそこ急ですがほぼ尾根に沿って一直線に径がつけられているので、先が読めて安心です。途中急に植林帯になるところもありますが、基本的に雑木の尾根径で、紅葉の頃もそれなりに楽しめるように思いました。

 ただ、最後の方で、簡易舗装の径になったあとの、ココ↓。

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(右の白い手すりの方ではなく、左手の簡易舗装へ行きます)


 ここは指導標が置かれるべきではと思いました。エアリアの冊子には写真入りで右手の白い柵沿いではなくて左に折れると書かれていますが、読んでない人は素直に白い柵沿いに下ってしまうのでは…と思います。この時期は左手に降りても結構草が被っていますし…間違いやすい箇所ではないかと思いました。

 景徳院バス停に行ってみると、甲斐大和行きのバスは、30分以上あとで、しかも上日川峠からのもの。30分あれば、歩いても駅に着いてしまいますし、おそらく満員のうえに立たされてしまうこと必至。逆に天目温泉に行くバスがあればお湯に寄ってから帰るという手もあるのですが、上に上がるバスは、もっと待たなければならない、ということで、一番暑いと言われる時間帯(14時)に灼熱のアスファルト道歩き(笑)。

 平井さん、からっとした暑さって言ってましたけど、結構蒸し暑いですよ、と呟きながら、黙々と歩いて行くと酒屋さんが見つかり、入ってみると、ビールだけでなく、笹一の原酒のワンカップも冷えていたので、一本ずつ購入。ビールを飲みながら駅へ向かい、着いてみれば40分以上の待ち時間。友人にメールなど打ちながら時間をつぶして、15:24の高尾行きを待ちます。

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 駅のホームは上日川からのバスの乗客で結構な人数でしたが、やってきた高尾行きはガラガラ。余裕で座って、笹一のワンカップをグビグビ。。。これが効いたのか、その後の笹子から相模湖の間の記憶が全くなく、ガラガラだった車内は相模湖駅(特急通過待ち)では立ち客がたくさん出ていて、隣には若い女性がいつの間にか座っていました(笑)。

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2024.04.28

【斧窪御前山から御春山で新緑を楽しむ】 山バス情報201

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(6号鉄塔へと向かう尾根)

 

【山行日】 2024年04月26日(金)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 09:10 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 09:18 - 09:43 梁川 (中央線各駅停車)

「歩行」
梁川駅   09:55 - 10:45 斧窪御前山
斧窪御前山 10:55 - 12:05 ヨソ木山
ヨソ木山  12:25 - 13:20 大田峠
大田峠   13:30 - 14:25 御春山(おはんなやま)
御春山   14:35 - 15:10 大野貯水池
大野貯水池 15:15 - 15:45 コモアしおつ
コモア   15:55 - 16:05 四方津駅

「鉄道」
四方津 16;08 - 16:30 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  16:33 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

 

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(1号鉄塔の手前あたり)

 

 ああ、またふた月も間が開いてしまいました。今年の花粉はきつかったのもありますが、もひとつ言い訳させていただくと(笑)、昨年の電子レンジに続き、ついに洗濯機が動かなくなってしまい、買い換えを余儀なくされたという…。これも88年製なので、覚悟はしていたのですが、電子レンジの二倍は痛い出費でした。

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(今だと完全にアウトなネーミングですが(笑)、36年間、よくもってくれました)

 花粉情報も「少ない」に転じてきたこともあり、金曜日は久しぶりにお休みをいただいて、出かける予定だったのですが、連日の残業疲れもあって、やっぱり朝は早起きできず。。。それでもこの日はゴミ出しの日でしたので、もぞもぞと起き上がってゴミ出しを済ませると、やっぱり予報通りいい天気。出かけるしかありません♪

 そこで行き先にしたのは、komadoさんが今冬歩かれた、斧窪御前山から御春山(おはんなやま)と全く同じコース。綱之上御前山をカットして御春山に向かい、大野の貯水池に降りたあと"コモアしおつ"に寄り道したのまでまったく同じと、完全パクリしてしまいました(笑)。

 そんな遅出でしたので、梁川の駅に着いたのは10時前。駅を出てすぐ左のガード下をくぐって、鳥沢方面へと線路北側の道を行きます。線路沿いの民家には色とりどりの花々が咲き乱れていて、もう春も本番なのに、いろいろ理由をつけては今まで出てこなかったことをいまさらのように反省(笑)。

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 10分ほどで、大月市のかすれてしまった指導標に「オノクボ御前山→」というマジック書きあり、さらに先に進むと右手にいかにもそれっぽい、少々藪っぽい山径が見つかりますが、komadoさんのレポにもあるように、取付はここではなくて、もう少し先に進んだところにある指導標が指し示す、結構急傾斜な山道です。

 この指導標もかすれてしまっていて、マジック書きで「御前山 上り30分下り25分」とあります。ここで柔軟体操をしてから登りにかかります。

 かなりの急傾斜ですが、道形は明瞭な上、自然林豊かな尾根で、新緑を存分に味わえたのが収穫でした。下の指導標に記されていたように概ね30分ほどで斧窪御前山山頂に着きましたが、途中で、早くも下山してくるハイカーに会ったのは意外でした。今日は一応平日ですし、こんなバリルートでは誰にも会わない一日になるだろうと思っていたのです。。。 

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 「斧窪御前山 522.9m」との標識があり、わりと最近設置されたものなのでしょう(昔の地形図では523.0mと記されていました)。アンテナが建ってるほかは、まぁ居心地のいい山頂ですし、駅から一時間近く経過していたので、水分補給を兼ねた小休止。やはり今日は暑くて、用意してきたペットボトルのDAKARAを全部飲み干してしまいました。

 一息入れて念のためコンパスで方角(西)を確かめながら、急な尾根を下っていきます。所々笹藪もありましたが、ちょうどヤマツツジが見頃(?)になっていて、新緑に赤のパッチワークを楽しみながらの下りです。

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 下りきった鞍部には「ヨソ木山・大田峠→」のお手製の道標がありますが、ここは、こんな機会でもないとおそらくは行かないであろう、松浦本にある、4号鉄塔から7号鉄塔までの尾根を偵察してみることにしました。

 往復に要した時間は30分強でしたが、尾根自体は494ピークの前後を除けば平坦で広々として歩きやすく7号鉄塔から見る斧窪御前山は、なるほどひとかどの風格がありました。ただ、5号鉄塔の伐採はもう今では木々が育ってしまって、好展望とはいきません。また、途中倒木があって、そこでコンパスを引っかけてしまったのに気がつかず、戻ってきたときに、見覚えのある自分のコンパスがぶら下がっているのに気づいて「えー?」と驚く始末(笑えない!)。

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(7号鉄塔付近で…)

 戻って、お手製の道標に従い、ヨソ木山を目指します。途中、結構藪っぽい径になったりしますが、ピンクのテープや赤テープ、そして、松浦本にもある小さなテレビアンテナや日本道路公団の2級基準点などもあるので、自信を持って進んでいくと、急登ひと登りで、2号鉄塔のあるヨソ木山(538m点)に到着。

 ここは樹の切り株などもあり、富士山も見えるなかなか佳い場所。ちょうど急登のところでお昼のチャイムが聞こえていましたので、お湯を沸かしてこの山頂で大休止としました。

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 ヨソ木山には山名板があるだけで、道標のようなものはありません。2号鉄塔の方角ではなく、折り返すようにピンクテープのある、ほぼ磁北方向に伸びる急な尾根を下っていきます。萌黄色の美しい美林尾根を進み1号鉄塔と40号鉄塔の送電線の交差点へ。そして39号鉄塔へと尾根伝いに行きますが、このあたりは要所に先に見たお手製の道標があって、再び中央自動車道の走行音が聞こえる方角に進んでいきます。

 松浦本にある道路公団のU-19の基準点も見つかり、笹藪もそれほどうるさいものでもなく、そろそろかな、という感じでヨソ木山から小一時間で大田峠に到着です。

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(大田峠 峠の名の入った標識もすぐ隣にあります)

 時刻は13時半前。少し迷いましたが、おやつタイムを取りながら、予定下山時刻を過ぎてしまうけれど「綱之上御前山をカットして御春山・大野貯水池」の方針堅持としました。”おはんなやま”なんてなかなかイイ名前じゃないですか。このまま降りて梁川駅はもったいなさ過ぎます、行ったことないところだし行ってみましょう♪

 峠から「綱之上御前山→」の標識に従って行きますが、途中で綱之上御前山の標識が再度出てきたら、そちらを見送って尾根通しに東に進むときに地形判断が必要=コンパスの出番になると思います(このあたりには「南米沢峠」や「御春山」を示す”みちしるべ”はありません)。というか、綱之上御前山に行くだけのスキルがあれば、この判断はそう難しいものではないですね。念のためコンパスで方角を確かめるというだけの話かもしれません。

 私の場合は、485から降りていったあと、ジャンクションピークのようなところに上がったところで、ちょっと間違えそうになってしまいました。たまたま、南の方の明瞭な尾根から、ハイカーがお二人降りてきて、そこで言葉を交わしていただいたため、すぐに修正できましたが、いったん南に進んでからすぐに尾根が左にカーブして東へと延びていることに気づくことができたかどうか…。お二人のハイカーに声をかけていただいたおかげで、難所をクリアできたのかも知れません。

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(無事、東へ延びる尾根に乗ると南米沢峠へ向かう素敵な美林…)

 
 南米沢峠は赤い祠がふたつある鞍部。祠に南米沢峠の標識が置かれていました。ここから大野貯水池への峠道と御春山への登山道は私の持っている21年版の登山地図でも赤実線になっていますが、登山道には木段(かなり古い感じ)があり、エッチラ登っていけば左手にあらぬ方角を向いた石仏と祠が見つかり、そのすぐ先が御春山の山頂です。

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 御春山(おはんなやま)は、名前がイイだけでなく雰囲気もまたよろしいです。東屋があり、座って、ゆっくりお茶をしながら下山予定時刻を修正。ゆっくりしたら、大野貯水池へと向かいますが、この貯水池までの径は、この季節ホント好いですね。

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(チゴユリ)

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 それまで散見されていたヤマツツジは、ここではまさに満開でどっさり↑花をつけているし、すぐ先にある小ピーク(郡司山)の先にはチゴユリ、キンランなどなど色とりどりのお花が見られて、ああ、今日は出かけてきてよかった、最後はこのコースにして好かったと頬も緩みながら大野貯水池へ着地。

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(キンランだと思う…ピンボケ御免!)

 貯水池のバスは平日でも午前中だけ。すぐ対面に酒屋さんがあったので、コモアしおつのスーパーで買う予定だった(笑)ビールをここで調達。店のひとにコモアしおつへの道を聞いてみると、この車道を下って行くと左に上がる道があると教えてもらって、行ってみました(教えてもらわなくても途中で道標があるのでわかります)。

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(午後の便がない…11:59のコモア経由の便に惹かれます(笑))

 コモアしおつ、初めて行ってみましたが、ここは集合住宅はなくて、みな一戸建てなのですね。スーパーだけでなく駐在所もあれば病院・薬局もあるし、床屋さん、信用金庫まで、かのエレベーター&エスカレーターのすぐ近くにしっかりあります。

 エスカレータに乗りたくても今の時間は上りだけの運行と言うことで、エレベーターで下山。これがビルやマンションのエレベータと違ってゆっくり、ゆったり…結構時間かかるんですね。悠然と山でケーブルカーに乗っているような気分(笑)です。

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(駆け下り禁止って…)

 

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(今度はエスカレーター乗ってみたい…(笑))

 降りてみるとちょうど上りの高尾行きがドアを開けて待っていてくれて、待ち時間もなく楽しい平日山行の帰途についたのでした。

 

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2023.11.26

【3ヶ月ぶりの山行きは…笹尾根で紅葉狩り】 山バス情報197

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(小棡峠から土俵岳へ向かう途中で…)

 

【山行日】 2023年11月23日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 05:32 立川    (JR中央線各駅停車)
立川 05:43 - 06:14 武蔵五日市 (JR五日市線)

「バス」
武蔵五日市 06:22 - 07:05 笛吹入口(西東京バス 988円:ICカード)

「歩行」
笛吹入口バス停 07:15 - 08:30 990m付近、樹の切り株
990m付近  08:40 - 09:26 土俵岳
土俵岳     09:36 - 10:40 浅間峠
浅間峠     10:55 - 11:45 熊倉山
熊倉山     12:20 - 12:50 生藤山
生藤山     12:55 - 13;15 甘草水
甘草水     13:20 - 14:45 鎌沢入口バス停
鎌沢入口BS   14:55 - 15:40 陣馬山登山口バス停

「バス」
陣馬山登山口  15:49 - 15:56 藤野駅 (神奈中バス 210円:ICカード:数分遅延)

「鉄道」
藤野 16:06 - 16:32 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 16:37 - 中央線某駅  (中央線快速東京行き)

【地形図】 「猪丸」 「五日市」 「与瀬」

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(浅間峠手前)


 またまた、山へ行かない言い訳連発病で、山歩きをサボってばかりの悪い癖が出てしまいました。

 前回念願の北アルプスに行った直後、実はコロナに感染してしまって、しばらくは何をやるのも億劫になっていたのですが、悪いことは重なるもので、長年使用していた電子レンジがついに暖め不能になってしまい、買い換えを余儀なくされたことで、秋のスペシャルは見送りとなったあたりまでは、まぁそれなりに言い訳になるのですが、そのあとに至っては、もう言い訳のための言い訳(笑)を理由に山行きを見送る日々が続いてしまいました。

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(88年製 享年35歳 電子レンジとしては長寿でした)

 3ヶ月も間が開くと、行き先選びが難しくなってきます。通い慣れたところでエスケープがいくつもある、ということで選んだのが笹尾根。スタート地点は小棡峠(こゆずりとうげ)。小棡峠は以前に山梨側の棡原から上がったことはありますが、檜原村側からは初めて。せっかくなので朝一のバスでのんびり歩いて、膝と体力と時間と相談しながら、降りる箇所を決めれば良い、という感じで行くことに。。。

 立川から奥多摩への乗り換え無し直通電車はなくなってしまったようですが、五日市方面はまだ残されていて05:43発の電車はありがたい存在です。五日市駅で下車すると、思ったより登山スタイルの人たちが多くいて、慌ててバス乗り場へ行ってみたのですが、数馬・藤倉方面行きのバス停は私が一番乗りで、もうスタンバっていると思っていたバスはまだ来ていない状態。

 乗車したバスの皆さんは数馬までかなと思っていたのですが、結構手前の停留所で降りていき、笛吹入口で降りたバスには、もう二組ほどしか残っていませんでした。

 山に入るのは本当に久しぶりなので、やや入念にストレッチをしてから、停留所の先の道標に従って左折して集落の舗装道路を上がっていきます。「←偲び心」という標識も併設されていますが、それらしき施設(?)も見当たりませんでした。

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(不動滝 近くまで寄れませんでした)

 「←不動滝入口」の表示があったので入ってみたのですが、径はかなり崩れていて、滝の直下まで行くことは難しく、遠くから眺めただけで引き返しました。再び集落の舗装道路を上がっていくと檜原村デマンドバスのバス停「笛吹自治会館」がありますが、ふりがなは「うずひき じちかいかん」。「うずしき」ではなく地元の発音では「うずひき」なのでしょうか。

 更に五分ほどで土径に入り、たくさん並んだ石仏のところで登下山の無事を祈って、季節が季節だけに最後の暖かい秋の日と思われる今日はクマ鈴をつけて山道に入ります。径は少し上がると眼下に笛吹の集落を見下ろせて、のどかな集落のたたずまいがとても好い感じ。ただ、基本的に植林主体の尾根を登っていくので、紅葉を楽しみながら登っていくという感じではありません。

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(笛吹の集落を見下ろす)

 途中、松浦本に記載されていた尾根上に並ぶ家屋に行く径は、やはりこれだけ山から離れていると、簡単に見逃してしまったらしく、指導標に従って黙々と登っていくことに。。。

 藪っぽい径を上がっていくと、左手から踏み跡が上がってくる箇所があって、ここが廃屋から続く径なのかなと思い、立ち止まって振り返ってみたのですが、ここは下りにとると逆にそちらへ引き込まれやすい形になっており、道中頻繁に現れた指導標も肝心のこの箇所にはなく、小棡峠を檜原村に向かって下る場合は注意が必要かなと思いました。

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(下りにとると、ここは直進してしまいそうです。)

 990m付近まで上がってきたところで、歩き始めから一時間以上経過していたこともあって、樹の切り株に腰掛けて休憩を取ることに。。。今日は久しぶりとは言え、朝、せっかくお湯を沸かしてお茶を入れたテルモスを台所に置き忘れて出てきてしまったため、水筒の水とサンドイッチの残りで一息つきます。

 ひと休みしたら、小棡峠目指して進みますが、何故か地形図には現れない?ほどの下降をしてから小棡峠に到着。たどり着いた場所は、前回棡原から登ったときの記憶とは違う場所のように感じ、実際、そこには棡原を示す道標もなければ踏み跡もありません。首をかしげながら浅間峠・土俵岳の方角へ進んでみると、二分ほどで棡原を示す道標と明瞭な峠道が見つかりました。そうそう、ここここ、こんな感じのところだった…と記憶がよみがえります。この分岐には小棡峠の文字もなく、峠の名の由来となった棡原の径は小棡峠とは離れた箇所にあるということになり、ちょっと不思議というか、変な話というか、釈然としないかんじが残りました。

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(小棡峠には棡原への径はない!?)

 稜線は、御存知の通り、激しいアップダウンもなく歩きやすい径が続きますが、小棡峠からしばらくは右手南側の陽当たりの好いところはずっと植林帯が続いているため、左手北側の陽差しが燦々とはならないところにある紅葉は、写真に撮ると幾分見劣りした感じに映ってしまいます。実際には写真よりも佳い色づきで、夏場の暑さで今年の紅葉はダメという予想を覆してくれる、はっとするような箇所も何カ所かありました。

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 軽いアップダウンをこなして、北側に大岳山が見えてくると防火用水の缶が並ぶ土俵岳。前の休憩から小一時間経過していたので、ここでひと休み。コンパスの登山届けで予定していたより早く登れた感じがしたので、確かめておこうとスマホを取り出すも圏外(笑)。(この先の浅間峠でも緊急通報のみ可で圏外でした:au)。

 当初は浅間峠で降りてしまってもいいと思っていたのですが、土俵岳で9:30。浅間峠は11時前には着いてしまいそうで、足と膝の調子から熊倉を越えて井戸あたりまでなら行けそうかなという感じ。ドライフルーツで一息ついたら東進を続けます。

 記憶では浅間峠に向かう道すがら両サイドとも雑木の美しい箇所があって、通るたび(冬)に、紅葉の頃はどうなんだろう?と少し期待して進んでいったのですが、その箇所も確かに悪くないのですが、それよりももう少し先に、ああ、来て好かったなと思わず口にしてしまうような箇所があって、このあたりは本当に楽しめました。

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 浅間峠は10:40の到着。疲れもなく、まだ行けそうという感じだったのですが、ここでメモをとるボールペンがポケットにないことに気づき、がっくり。ブランクを空けすぎるとこういうポカばかりが目立ち、気づくたびにがっくりきます(笑)。予備のボールペンがザックの中に見つかったので、ここからはメモもペンもザックの中に仕舞っていくことに…。

 エアリアを引っ張り出し、熊倉で場所があればお昼にしよう、なければその先の三国山にはベンチがあったはずなので、そこか、生藤山でと、更に東へ尾根をたどります。

 熊倉に向かうとすぐに、プーさんらしき落とし物を発見。その名の通りの山なのでしょうか。。。その先もなかなかどうして悪くない黄葉紅葉が姿を現し、笹尾根の紅葉だって捨てたものではない、との思いでアップダウンをこなし、「山之神社」「道祖神」の石碑を右手に見て五分ほど登ればベンチが三つある熊倉の山頂。二つは先客で使用中でしたが、一つ空いているベンチがあり、こんにちはの挨拶の時の表情がとても素敵な二組だったので、私もここでお昼の休憩にしました。

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(熊倉山の手前)

 

 お昼をいただきながら、山頂での一期一会の方々と、このあたりのバスのことや、お互いの山の趣向など楽しくおしゃべりしながら、素敵なひととき。一組はこれから井戸のバス停まで行って、いつもガラガラのバスで帰宅されるとのお話を伺い、私も11月いっぱいで午後は一本(15:29)しかないあのバス利用も考えていたのですが、登山届けを出していた計画書通り和田のバス停まで行けそうな感じがしたのとお二人が少なくとも今日は利用してくださる、ということで、お昼休みを終えたら、とりあえず予定していた三国山までは足を伸ばすことに。。。

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(軍荼利山へ向かう…)

いったん下ってすぐに登り返し。軍荼利山です。そしてその先には軍荼利神社。南側が開けて富士山も見えていますが、カメラにはとらえられないのは、この季節この笹尾根では仕方の無いこと。三国峠、三国山は尾根の途中という感じで、右手に降りる井戸への径を横目に、その先の生藤山まで、せっかくだからと欲張ったら、これがかなり険しい登り(笑)。

 生藤山山頂は12:50の到着。ベンチで一息入れつつ、これから下る和田へのルートとコースタイムをエアリア「高尾・陣馬」で確認してみたところ、急げば14時半のバスに間に合うかも知れないけれど、次の15:43発はかなり待たされそうな微妙な時間(笑)。この時点で結構足に来ていて、安全のためにも、そして今日は足慣らしにしては随分歩いたし、ということで、ストックを出して、ゆっくり慎重に怪我の無いように降りることを最優先として下山にかかります。

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 佐野川峠方面へは指導標の「上岩」と示された方向に進むわけですが、上岩と言われて判る人がどれぐらいいるのかなと…。皆さんが使っている昭文社の登山地図エアリアには、もうそんな地名はどこにもありませんし、地形図「与瀬」の左端や最近の「上野原」の右端にに小さく書かれている程度のものです。初めてこのあたりに来て和田に降りようと思っている人は、本当にここで良いのかな、と躊躇してしまうのではないでしょうか。せめて佐野川峠などの地名も併記してほしいところです。

 しばらく下っていけば神奈川県の指導標に「鎌沢」の表記が見られ、更に進めば甘草水の標識が出てきます。ここら辺から、膝の方が少し心配になってきたので、ベンチが見つかるたびに座ってひと休みしながらゆっくり下っていくことに。。。

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(甘草水…飲用不可が残念)

 更に下っていけば佐野川峠。ここで、右手に降りて石楯尾神社から帰る分には十分間に合いますが、現在時刻は13時半過ぎと、下で1時間以上待たされることは確実で、予定通り和田へ向かうことにします。

 佐野川峠から下っていくと軍荼利神社の下社の鳥居の手前に右手分岐する踏み跡があります。これがクラゴ峠方面へと南下する尾根道(最近のエアリアには赤破線が入っています)かなと見当をつけましたが、道標はなく、膝の調子が心配になってきたのでベンチで少し休んでから鎌沢と記された方の従来の登山道に進みます。

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(鎌沢へ…)

 

 このあたりから指導標は行く先を「鎌沢入口バス停」と表記するものが多くなって、だったら最初からこの表記で良いのに…と呟きつつ下っていくと、最奥の民家にポンと降り立ちます。

 舗装道になれば長いけれど膝の心配は無用と思っていたのですが、この舗装道、そうだそうだ、思い出しましたよ。物凄い急下りなのです。こんなところ軽トラなら何とかなるかも知れないけれど、普通の乗用車じゃ登るのも無理でしょうというぐらいの角度。傾斜が緩むまではしんどい舗装道下りでした。

 この舗装道下りはまもなく傾斜が緩くなって、膝の心配はとりあえず無くなりましたが、最近のエアリアで記載されている赤実線は駐車場の先で左手に折れて和田へ降りるように描いてあります。その分岐点はおそらく甲州裏街道という標識だけが立っているここだとは思うのですが、

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 残念ながら「和田」とか途中にあるはずの「やさか茶屋」などの表記は一切見つからず、もう14時半のバスにも間に合わないことは確実だったので、おとなしく道なりに下っていけば、やはりそこはすぐ右手に鎌沢入口のバス停という顛末。

 時刻は14:45。 15分前にバスは行ってしまったばかりで、次のバスまで一時間。とりあえず、バス停のベンチに腰掛けて、まずはコンパスの下山通知を出し、クマ鈴や手に持っていたストックを片付け、ほんの少し残っていた水筒の水を飲み干して、どうしようかなと…。

 エアリアを広げ、和田に上がって茶屋に行ってみるかと歩きかけたのですが、店がやっているとも限らないし、時間帯から言って陣馬から降りてきた登山客で帰りのバスは混むかも知れない、と考え直して、歩いても一時間半ぐらいなら藤野まで歩いてしまおうか…。途中でバスに追いつかれたらそのぐらいの距離なら立っていっても良いし、今日はかなり暑い日だったので喉も渇いて、自動販売機ぐらいあるだろうから、藤野駅目指して歩いて行こうと…。

 ところが歩けど歩けどコンビニはおろか自動販売機もない。幸い車の通りはそれほど無かったので、歩いていて不快な気分にはならなかったのがせめてもの幸い。目星をつけていた途中にある桐花園は、入浴できるとの表記があったものの、どこにその施設があるのかも判らないし値段も不明とあって、素通り。

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(看板は見つかったが…)

 

 更に上河原、上沢井というバス停を通過するに、もう随分前に行ったあの鷹取山のあたりかと思うといい加減疲れてきてしまいました。やけくそでホントに藤野駅まで歩くかと思っていた頃、「秘境 陣馬の湯」の大きな看板を見てその先にバス待ちの登山者の列を発見。そこは陣馬山登山口というバス停で、自動販売機があって、ようやく見つけたとCCレモンを買ってゴクゴクやっていると、そのまた先に「鈴木酒店」の看板が(笑)。

 いらっしゃいませの表示があって、店に入るとビールが並んでいて、今日はもうここで打ち止め、ビールを飲んでバスを待つことにすんなり決定です(笑)。

 車道を歩きながら、バスが二台登っていったのをこの目で見ていたので、最後尾に並んだ私も二台目の増発便に乗って席を確保。藤野駅には上り電車発車にちょうどよいあんばいに到着して、藤野からもうまいこと席を確保できて相模湖駅での長い通過待ち時間にも苦しめられず、そのあとの高尾からの上り中央線車内でなんと、あの熊倉山でお会いしたお二人にも再会。いろいろな偶然が重なるのもこの山歩きの楽しみのひとつなのだなぁ…と感慨深い面持ちで帰途についたのでした。

 

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2023.04.30

【ヤマツツジ観賞…扇山入尾根~南尾根】 山バス情報191


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(南尾根750m付近)


【山行日】 2023年04月29日(祝)


【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 08:05 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 08:09 - 08:26 上野原 (中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅南口 08:37 - 09:04 不老下 (富士急山梨バス 510円)

「歩行」
不老下バス停 09:10 - 10:10 入尾根取付地点
取り付き   10:20 - 11:10 860m付近
860m   11:20 - 12:00 扇山山頂
扇山     12:30 - 14:50 鳥沢駅

「鉄道」
鳥沢  14:56 - 15:26 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  15:35 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

 

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(大久保のコル:ちょうど新緑が好い具合でした)

 

 山をサボり続けて、すっかり身体が怠け者になってしまって、これじゃあ、アカヤシオ見たくても、登れるだけの脚力が無いよなぁ…ということで、GW初日の山行きに選んだのは、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』にも載っていて、以前から歩きたいと思っていた扇山の入尾根と南尾根。

 ここなら、行きのバスもまず混むことはない不老下行きのバスですし、帰りはバス利用なしですから、GWのバスの大混雑も免れられますし、南尾根のヤマツツジがちょうど好い具合かな…との目論見です。

 朝の中央線は、大混雑。GW初日ですし、翌日の日曜日が悪天予報ですから、まぁ、当然と言えば当然。 ひとつ前の接続にすれば好かったのですが、まぁ、上野原までなら立っていても、たいしてダメージは無いです。

 上野原のバスターミナルに降りてみると、もうすでに、井戸行きのバスが満席で立ち客が出ている上に、鶴峠へ行くバス停には大勢のハイカーが列を作っています。

 前回不老下行きに乗ったのは、まだ北口のあの狭いところからバスが出ていた大昔のことで、乗り場はどこだろうと探してみても見つからず、まさか、まだあのバスだけ北口発?と焦って(笑)、バスの運転手さんに尋ねると、2番から発車しますとのことで、井戸行きのバスの前で待機。

 やってきた不老下行きは、大型の深夜バスに使われているらしい車両で、GW対応で他のバスの臨時分に当てたための代替でしょうか?

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 乗客は私を含め4人だけ。他の三人は地元の方らしく、早々に下車してしまい、終点まで乗ったのは私一人だけでした。

 見覚えのある不老下バス停の転回所で、バスが再び上野原へ向かったのを見送ったら、私も出発です。松浦本では、入の集落までタクシーを勧めていますが、私は敢えて40分ほどの舗装道歩きをお奨めしたいです。この季節なら、桃源郷のようなのどかな集落がいくつも続き、車窓から見えていた藤の花が楽しめるだけでなく、立派なおうちの前には、え?っと驚くような、綺麗なお花が植えられていて、どの集落の人たちも、とても気持ちよく挨拶をしてくださいます。

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 途中、棚頭で雨降山・権現山の道標にも気づき、今の時期であれば帰りのバスも14:17発と早めの一本だけとはいえ運行してくれているので、権現山方面からこちらへ降りてくるというのもアリかなと思いました。

 スクールバス転回場の先で、「至る 入・扇山→」に従って仲間川にかかる扇橋を渡るのと、竹林の左に伸びる細道を見逃さないこと、そしてその先で「トタン板の物置」のすぐ先の小さな木橋を 渡らない ことが取り付きに至るまでの注意点というかポイントです。

 私はこの小さな木橋を渡った先(祠があります)で少し迷ってしまい、堰堤が左下に見えて、松浦本の略図と照合して、間違ったことに気づきました。戻って、トタン板の物置の先の橋を渡らずに、すぐに右の弱い踏み跡に入ると、一目でそれと判る明瞭な踏み跡が更に右手に入ったところに見つかります。ここにはマーキングもありませんでしたが、その先は普通の登山道並みで、657の手前までこの踏み跡に従って歩けば尾根に乗ります。

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(尾根に乗るまでずっとこんな植林帯です)

 尾根に乗ったら、コンパスで念のため尾根が西方向に伸びていることを確認。657の先で一瞬、自然林が現れて、新緑のまばゆさに目を細めますが、すぐに元のヒノキ植林に戻ってしまいます。

 黙々と緩やかな尾根を進んでいくと、800m付近から傾斜が増してきて、そこはジグザグを切ってくれているので、素直にそれを利用します。傾斜が緩んだ先で尾根が左手、南西方向へ向きを変えるあたりで、下からちょうど一時間ほど経過していたので水分補給をかねて一息入れます。

 900mの先で、今回は尾根通しを選んでみたのですが、岩尾根というほどではない、という印象を受けました。登り切ったところにある祠は私の見落としかも知れませんが、目にしませんでしたし、その先の土留めも気づきませんでしたので、地形図と歩いた感覚が一致していたにもかかわらず、ひょっとして全然違うところを登っているのでは??と首をひねりながら、右自然林・左植林の尾根を黙々と詰めていきました。

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(尾根上部は右自然林・左植林)

 

 しかし、まもなく左手の方から人の話し声が聞こえてきて、ポンと浅川峠からの堅く踏みしめられた登山道に飛び出すと、すぐ左が扇山山頂でした。ちょうど正午だったので、山頂はさぞかし大勢のハイカーがいるのでは、との予想に反し、空いた丸太ベンチがいくつもあり、どこにしようかと迷うぐらい(笑)でした。

 半時間ほどかけてゆっくり昼食をとったあと、少し無線を聞いてみましたが、下界は曇り空に変わって風も強くなってきたと聞いて、交信はせず、ゆっくりヤマツツジを楽しみながら下山することにしました。扇山の上空は白い雲が多かったものの、青空も見え、陽差しも十分だったのですが。。。

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 ヒトリシズカが群生↑する広々とした登山道を百蔵山方面へ進み、一応南尾根の分岐点を確認してから、安全策でまず大久保のコルへ。この稜線はちょうど新緑が見頃といった感じで萌黄色の美しさにほれぼれします(二番目の写真)。

 大久保のコルから先もしばらくは美しいライトグリーンに酔い痴れていましたが、やがて植林に変わってしまい、ちょっと気分が落ち込みかけた頃に「つつじ群生地」の分岐を記した道標が現れます。

 尾根へのトラバース道はロープなどもありますが、さして危険な箇所も無く、早くもヤマツツジがぽつりぽつりと姿を見せ始めます。今年のツツジは当たり年らしいから…と楽しみにして尾根を下り始めますが、どうも、聞いていたほど、思っていたほどには咲いておらず、樹によって花付きにばらつきがあったり、枝によってばらつきがあったりといった感じで、あれぇ?こんなものなの? もしかして、鹿に食われちゃったりしてるのかなと少々失望しながら下っていきました。

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(ちょっと失望気味でしたが…)

  樹によっては少量の蕾だけ付いていて花びらの痕跡も無しといった感じでしたので、あちゃぁ、やっぱり鹿さんか…とほほ、と呟きながら降りていきます(笑)。

 しかししかしです。800mを切ってきたあたりから、やはりちゃんと爆咲きゾーンともいえる地帯が出現。樹によっては、花の重みで大きく傾いでいるとしか思えないほどのものもあり、このあたりは頬が緩みっぱなしでした。ヤマツツジなんて、別にどこの山とも言わず咲いている花ですし、わざわざこの花を目当てに見に行くほどではない、と思っていたのですが、考えが改まりました。

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(花の重みで樹が…)

 今日は、やっぱり、ここに来て好かった。山に出かけてきて好かった、そう思いながら尾根を下りきり、あとは長い車道歩きも、この日の山行きを思い返しながらのんびり歩けば苦になりません。

 梨の木平にはバス停がありましたが、時刻表は付いておらず、正月は休日ダイヤのお知らせ張り紙が貼ったまま。。。GWのこのツツジの時期ぐらい走らせても好いだろうに…とも思いましたが、この時刻(14時前)では走らせてくれていても、待ち時間の間に鳥沢駅まで歩けてしまう…そう思って鳥沢駅まで歩くことに…。(富士急バスのHPによれば現在は帰りの便は百蔵の登山口から14:30猿橋行きがあるようですが、百蔵登山口バス停ってどこなんでしょう?:朝の便だけなので梨の木平には時刻表がないバス停があるということのようです…)

 梨の木平から鳥沢駅はエアリアのコースタイムで40分となっていますが、私は50分かかりました。特に急いだわけでもなく特にゆっくり歩いたつもりもなかったのですが…。

 鳥沢駅には上り列車の5分ほど前に到着。時間があれば駅前の酒屋さんでビールでも買って飲みたかったのですが、帰りの電車は行楽帰りのラッシュもあるし…ということで、お酒は飲まずに乗車。運良く座ることができ、途中の特急通過待ちもなかったので、穏やかな気持ちで帰途につくことができました。

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2023.04.15

【余りに天気が好いので…四方津御前山】

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【山行日】 2023年04月09日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 11:32 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 11:58 - 12:23 上野原 (中央線各駅停車)

「歩行」
上野原駅 12:28 - 13:10 蚕種石社
蚕種石社 13:15 - 14:15 四方津御前山
四方津御前山 14:35 - 15:03 四方津駅

「鉄道」
四方津 15:42 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

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(色とりどりの春のお花も見られて、楽しめました)

 

 前回の山行が一月の末でしたから、二月、三月の丸二ヶ月、またまた山をサボっていたことになります。もう常習犯なので(笑)、花粉がどうとか、1月末のお給金がどうとか、そういった言い訳はしません(してる!って)。

 リンク先の新着記事を見ると、この暖かさでもうアカヤシオまで咲き始めていると聞いて、さすがにもう、マスクをしてでも出かけよう、と思っていたのですが、この週末は日曜の午前中に用事が入ってしまい、土曜は悪天。。。

 そこで、もう超遅出でも好いから行けるところ、ということで、選んだのが、四方津御前山。何故四方津御前山かというと、この山がSOTA山岳アワードの対象になっているので、無線に入れ込んでいたときに、ここなら短時間で登れるからと、いろいろ下調べしておいた山だったのです。

 どうせなら、ということで、最近のエアリアにも載っている四方津駅からの赤線ピストンは避けて、ちょっとバリハイな上野原から尾根伝いに山頂に立って、帰り(下山)は一般登山道というプランにしました。

 11時まで家に留め置かれていたので、11時過ぎに出発。しかし電車の接続が悪く、高尾駅では30分近い待ち時間で甲府行きの鈍行が発車。上野原駅を背に歩き始めたのは12時半でした。

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 春爛漫、舗装道路歩きも、素敵なお屋敷の玄関先に咲いているミツバツツジなど眺めながら↑気分好く西へ。。。ヤマケイオンラインの山行記録を参考に取り付きに向かいます。ポイントは松留発電所が見えたら、崖と発電所の間の道路に入っていくこと。少し行くと六体のお地蔵さんが並んでいます。

 そして三界萬霊塔の石碑があるお寺を右手に見て悉聖寺と表示のある信号の横断歩道を渡り、左に数十メートルにある石材店を見てすぐの路地を右手に上がっていきます。

 やがて、右手に見えてくるのが取り付き点である「道志川線№17」の送電鉄塔(といっても小さいもの)です。ここが尾根の末端部で、石仏はありますが、残念ながら仰向けに倒れていました。。。登るとすぐに石祠があり、登下山の無事を祈って出発です。

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 最初は尾根通しだった踏み跡が、尾根の左手の方の踏み跡にいつの間にか引き込まれますが、気づいた時点ですぐに尾根に上がってください。私はこの踏み跡をずっとたどってしまい、赤い鳥居の「蚕種石社」がある小平地に出るまで、大変な藪漕ぎですんなりと行きませんでした。

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(この巻き道に入らないように…入ってしまったらすぐに右上の尾根へ!)

 

 尾根上も藪があり、この時期は非常にわかりにくいですが、遠くに見える四方津御前山の方角から進むべき方向(やや右寄り)が割り出せて、そちらを足探りで行くとポンと小平地に飛び出します。小平地の右手に送電線の巡視路でよく見かける黒ゴムの階段が上がってきていましたから、「尾根末端から」にこだわらない方は少し遠回りですがこちらの八ツ沢発電所からの巡視路(?)で来る方がスマートだと思います。

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(蚕種石社)

 一息入れただけで、TEPCOの看板がある水力発電設備の金網沿いに左手の巡視路を進みます。すぐに右手に山上山へ上がる道が分岐していますが、結局戻ってくることになりますし、それほど素晴らしい展望が得られるわけでもないので、寄らなくてもいいと思います。

 すぐに5分岐に行き当たりますので、ここを尾根通しで、その先も尾根を外さずにずっと登っていけば山頂ですが、ここからの道のりが結構長いです(笑)。送電鉄塔が現れ、陽当たりが好いせいか、いくつかお花も散見されました。が、春の山行きはもう4年ぶりぐらいなので(笑)、名前が思い出せなかったり、知らない花(?)だったり。。。

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 でも、ライトグリーンの中、色とりどりのお花が咲いているというのは好いものですね~。こんな時間からのこんなショートコースだけれど、この時点で、今日は山のカッコして出かけてきて好かった♪と思いました。

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 ヤマツツジはさすがに失念するわけもなく(笑)、この色を見ると、もう春どころか、夏がすぐそこなんだと感じてしまいます。

 そんな尾根歩きもやがて岩っぽい雰囲気になって、ヤマケイのレポにもあった、ざらついた岩場の登りになります。ここは、私のように高いところが苦手なハイカーにとっては、おっかないところです。ただの岩だったらいいのですが、ざらざらしていて、足を滑らせて右手に落ちると、下手をすると命も落としかねない、といった感じの箇所(馬の背)があります。左手に踏み跡があったので、私はそちらを選びました(笑)。

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(こんな感じの岩場が続きます)

 このナイフリッジ(?)を無事通過すると、前方に四方津御前山の姿が見えてきますが、こちらから見た四方津御前山は、400mほどの里山には見えない、ひとかどの山、といった風格があります(トップ写真)。

 それだけに、最後の登りは結構絞られます。トラロープもある急登を登り切ったところは、手前からも見えていたアンテナ施設で、苔むした祠があります。アンテナ施設を背に明瞭な尾根道を進んでいけば山頂で、ベンチが二つと三等三角点があります。

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 時刻は14時15分。朝飯が遅かったので何とかなりましたが、おなかぺこぺこ。。誰もいないし、とベンチに腰掛け、朝コンビニで買ったおにぎりとテルモスのお茶で遅いお昼ご飯にします。むしゃむしゃやっていると四方津の方に延びている登山道からハイカーがやってきて挨拶。しばし休憩していたその人は、そのまま上野原方向に進んでいくようだったので、一声かけようか、とも思いましたが、アンテナ施設からすぐ戻ってくるのかも知れませんし、その先に行くとしても、もう今は皆、スマホで現在地がわかる時代、余りお節介な口をきくのも…と言う感じで、目で挨拶。

 もう誰も来ないだろうと、無線機を取り出して聞いてみたものの、電波の入感も余り好くないらしく、交信している局もほとんど見つからないほど。。。時間も時間だし、ご飯を食べ終えたらすぐ下山しようということに。

 ところが、お茶を飲んでいるともう一人ハイカーが…。その方は山頂はほぼ素通りで、アンテナ施設の方へ向かわれましたが、すぐに戻ってきて、先に下山。私も腰を上げ四方津方面へのエアリア赤実線ルートへ。。。

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(名前の判らないスミレちゃん)

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 こちらの登山道はあっという間に終わってしまいますが、それでも途中の新緑と、名前は知らないけれど綺麗なスミレと、黄色い美しい花(笑)を楽しめて、「悪くない悪くない、短時間のショートコースでいいから、これからはもう少し山に行く回数を増やそうよ」と自分に語りかけながら、四方津駅へと向かったのでした。

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(新緑に包まれながら歩くのって、好いよね♪)

 四方津駅では目の前で6両編成の上り列車に置いてけぼりにされるというツキのなさ。。。ここはコンビニもないんですよね~。ただ、次の列車は10両の中央特快。この列車だと途中で特急に抜かされることもなく、乗り換えもなしで、幸い今までの経験を生かして、この時間の四方津駅からでも着席できて、ゆったりとした気分で帰途につけたのでした。

※ お花の名前、御存知の方いらっしゃいましたら、是非ご教示を!

 

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