2022.07.25

【初めての尾瀬…その2】 山バス情報182

 

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(二日目、天気上々、青空のもと、尾瀬ヶ原散策を楽しんだ)

【山行日】 2022年07月17日(日)
      2022年07月18日(祝) 

【使用公共交通機関の詳細】

「高速バス」
バスタ新宿 07:15 - 11:05 大清水(ダイヤでは11:30着) (関越交通 4400円)

「歩行」

【一日目】

大清水バス停 11:10 - 12:05 一ノ瀬無料休憩所
一ノ瀬    12:20 - 13:35 尾瀬沼山荘
尾瀬沼山荘  13:40 - 大江湿原散策 - 14:35 尾瀬沼山荘 (泊:二食付き弁当=10100円)

【二日目】

尾瀬沼山荘 06:10 - 07:15 白砂田代
白砂田代  07:25 - 08:45 見晴
見晴    08:55 - 10:30 山ノ鼻
山ノ鼻   10:45 - 11:48 鳩待峠

「シャトルバス」
鳩待峠 11:50 - 12:15 尾瀬戸倉 (片品観光 1000円)

「バス」
尾瀬戸倉 12:35 - 13:58 沼田駅 (ダイヤでは14:02着)(関越交通 2100円)

「鉄道」
沼田  14:38 - 15:24 高崎  (JR上越線)
高崎  15:50 - 17:15 高麗川 (JR八高線)
高麗川 17:32 - 八高線某駅   (JR八高線)

 

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(ベタな写真ですが(笑)、燧ヶ岳もくっきり)


 翌朝は、明るくなった04:30頃に目が覚めてしまい、そのときは何となく胃の調子も良くない感じだったので、朝食はパスして早めに出かけようかとも考えたのですが、朝食の席に着いてみると、そう悪い調子でもないようでしたから、再利用できる封切りしていないふりかけや納豆だけ残して、朝食をそそくさと済ませて、出発することにしました。

 そんなに急いで出なくても大丈夫だと思うんだけどなぁ…とも思ったのですが、お昼のお弁当もできたてのほやほやを持って6時10分過ぎには出かけることに。。。

 未明に音を立てて降っていた雨も上がってくれて、青空に陽差しが燦々という、山の朝らしいスタートです。ゴゼンタチバナ、ワタスゲ、それにこれは、ハクサンシャクナゲでしょうか、蕾だったり、しおれかけだったりと状態が良くありませんでしたが、シャクナゲを見るのもずいぶんと久しぶりのこと。

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(小沼のあたりで、ハクサンシャクナゲ?)


 沼尻平では先客がお休み中でしたので、少し先の白砂田代というところで一息入れることにします。陽差しが強い為、日焼け止めを塗って、置いてきたサングラスを持ってくるべきだったと反省したりしながら、水筒の水をがぶ飲み。小屋でポカリを買ってくるつもりだったのですが、慌てて出たので忘れていました。

 で、この先からが結構大変でした。沼尻から見晴までコースタイムで下りでも2時間とあり、標高差や距離から、何でそんなにかかるのかな…と不思議に思っていたのですが、確かにここはそのぐらい見積もっておいた方が良いかもしれません。

 というのも、この間の径は所々大きな段差の歩きにくい沼地だったり、本当に、これって何?と言うほどの滑りやすい木道が続くのです。

 特にこの日のように雨上がりで、沼地で靴を泥だらけにした後の木道下り(特に黒ずんだ木道は摩擦係数ほぼゼロ)は気をつけているつもりでも滑ります。話には聞いていましたが、これほど滑りやすいとは…というのが感想です。実際私も滑ったのは10回を超え、うち3回は思いっきりスリップして尻餅。最初のスリップでは左手に激しい打ち身、右手に出血するほどの傷を負ってしまいました。骨折しなかったのが幸いという感じです。

 そんな状況でしたから、余裕もなく、あまり花の写真も撮れなかった見晴らしまでの道中ですが、滑りそうになった途中でとったこの花は?

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(この花は?ご存じの方ご教示を)


 将来来ることになるかもしれない?見晴らしのキャンプ場分岐道標を過ぎてから、おそるおそる下っていくとようやく見晴です。 山小屋がたくさん建ち並び、どこかで、ポカリでも買おうかなと思っていたのですが、9時前で片付けに忙しそうな雰囲気。

「燧ヶ岳伏流水」という表示のある水が流れっぱなしのところで給水。さらに持っていたペットボトルに持参してきたアクエリアスの粉末を入れて、アクエリアスの一丁上がりとしました(笑)。

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 休憩後、いよいよ尾瀬ヶ原散策の始まりです。尾瀬ヶ原と言えばコレという感じで、木道がずっと続く平坦な草原の先に至仏山、振り返れば燧ヶ岳。。。特に至仏山は私好みのすてきな山容。近づくにつれ、山の鼻から上がる尾根径が遠くからでもわかるほど。百名山マニアではない私もいつか登ってみたいな、と思いました。

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 この日は天気も良く、雲やガスに邪魔されることなくずっと遠望がきいたまま湿原の中の一本道(二本ありますが尾瀬では原則右側通行)をゆったり歩けたのが何よりでした。

 途中見かけた花の名前がほとんどわからないのが情けないところですが、やはりここも鹿の食害は無視できないのかな、と言う印象で、全体に咲き乱れているというのとはほど遠い印象です。キンコウカの中にたまにキスゲやサワラン?ショウキランが顔をのぞかせるといった感じ。

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(サワラン?)


 竜宮を過ぎると、鹿柵も出てきましたし、さらには山の鼻に到着というところでは、実物の鹿にも遭遇。しかも、この鹿ときたら、完全に人慣れしていて、観光客の要請にポーズまでとって見せて、写真撮影に応じている(?)きらいもありました(苦笑)。

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(観光客の目を意識しまくっているとしか思えない鹿)


 あと、見てみたいなぁと思っていたヒツジグサですが蓮の小さいやつみたいな葉っぱはたくさん見かけましたが、花はなかなか…。午後二時にならないと咲かないというのは嘘と言うことらしいですが、なかなか見つけられず、あきらめかけていた頃、前を歩いていた花に詳しい女性が、「あ、ここに咲いてる」と言われて見かけたのが、唯一。木道の隙間でしたので、近寄ってアップでは撮れませんでしたが、たぶん、コレがそうだと思います。

 

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(画面ほぼ中央、クリック拡大可です)

 

 山の鼻に到着したのは10時半過ぎ。どう考えても予想より早く着きすぎなぐらいです。もっとゆっくりしていて良かったのだと思うと、昨日のしつこい忠告とあの大音量が恨めしくもありましたが(笑)、雷予報も出ていることだし、早い分にはまぁ、いいかと。。。

 お昼にするには早すぎるし、11:50のバスには間に合わないだろうし、と言うことで、一息入れてから鳩待峠へ登っていくこととしました。

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(ヤマオダマキ)

 

 一息入れたあと、鳩待峠への登りですが、登り始めてすぐにヤマオダマキを発見できて気をよくして、先へと行きますが、なかなか高度が上がってくれません。刈り払いされているせいか、あまりお花らしいお花も見かけないままでしたが、、、

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 中途でキスゲにもあえて最後の急登をこなすと、あれもう峠?という感じで鳩待峠。時計を見ると11:45分ほど。11:50のバスに間に合っちゃうじゃん、という感じで発券所で切符を購入。残席わずかのシャトルバスに乗り込み、席を確保できました(実際には追加の便が出たので、私のあとから来た人も、バスに乗れたようです)。

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(シャトルバス:チケットを買ったあと、乗り場まで少し距離があります)


 始めて乗る鳩待峠のバスが下りというのもおかしな話かな、と思いつつ、さすがに睡眠不足だったようで、戸倉までの車中で何度もこっくりこっくりと船をこいでしまいました。

 戸倉に着いて、座りたい一心でJR沼田駅行きの路線バスのバス停を探したものの、なかなか見つからず、焦ってしまいましたが、見つけると、私の前には三人だけ。実際のバス乗客も合計7名ほどで、あれほどたくさんいたシャトルバスの乗客のほとんどはマイカーということで、ガラケー使用者ほどではないにしろ(笑)、今や車を持たずに山を歩く人種は珍しいのだなぁ、そういえば同宿の二人も私が車を持っていないと聞いて大変驚いていたっけと考えながら、小屋で作ってもらったお弁当を食べてバス待ち時間をつぶし、1時間半かけて沼田駅へ。

 沼田駅では30分ほど待ち時間があり、ビールをあおって電車を待ち、高崎でそう悪くない八高線の連絡があったので、こちらも久々の気動車に揺られて帰途につきました。

 

                               完


 

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2022.07.24

【初めての尾瀬…その1】 山バス情報182

 

 

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(初日、大江湿原:ニッコウキスゲの見事な群落)

 

【山行日】 2022年07月17日(日)
      2022年07月18日(祝) 

【使用公共交通機関の詳細】

「高速バス」
バスタ新宿 07:15 - 11:05 大清水(ダイヤでは11:30着) (関越交通 4400円)

「歩行」

【一日目】

大清水バス停 11:10 - 12:05 一ノ瀬無料休憩所
一ノ瀬    12:20 - 13:35 尾瀬沼山荘
尾瀬沼山荘  13:40 - 大江湿原散策 - 14:35 尾瀬沼山荘 (泊:二食付き弁当=10100円)

【二日目】

尾瀬沼山荘 06:10 - 07:15 白砂田代
白砂田代  07:25 - 08:45 見晴
見晴    08:55 - 10:30 山ノ鼻
山ノ鼻   10:45 - 11:48 鳩待峠

「シャトルバス」
鳩待峠 11:50 - 12:15 尾瀬戸倉 (片品観光 1000円)

「バス」
尾瀬戸倉 12:35 - 13:58 沼田駅 (ダイヤでは14:02着)(関越交通 2100円)

「鉄道」
沼田  14:38 - 15:24 高崎  (JR上越線)
高崎  15:50 - 17:15 高麗川 (JR八高線)
高麗川 17:32 - 八高線某駅   (JR八高線)

 

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(初めての尾瀬は、初めてのバスタ新宿利用でした)

 長らくの更新なし、今回は実質2年以上の長さでした。長期更新なしは、もう何度目?という感じですので、今更のように更新しても…という感じはありますが、久々に登山靴を履いて出かけてきましたし、予想を大きく外れて好天のもと、高原歩きを楽しめましたので、報告することにします。

 これまでの二年間は、Twitterにもあるように、無線無線無線!、モールスモールスモールス!、という日々でしたが、CW(モールス)で4月頃、全都道府県の局と交信を達成したあたりで、やはり以前のように山の空気を吸いたいな~というふうに心持ちに変化が生じてきました。

 しかし実際に行動に移すのは意外と難しいもの…。そんな中、リンク先のcyu2さんの記事や某BSSの書き込みなど見て、尾瀬で燧ヶ岳や至仏山に登らずに高原散歩のお花見なら暑さに苦しめられずに復帰のきっかけがつかめるのでは…といろいろ調べていました。

 苦手な夜行バスは平日以外は全く空きがなく、当初はテントで行こうかと思っていたのですが、なんと3連休の5日ほど前に何気なく見てみた尾瀬の山小屋サイトで男性一名の空きを発見♪ 日曜夜泊は、土曜に所用のあった私にはうれしいことですし、これなら雨に降られても…という感じで予約を入れてしまいました。

 で、行きのバスですが、新宿発の直行バスは、6時と7時のバスが空いていましたが、朝、山のために早起きをしたのはずいぶんと昔のことで、自信がありませんでしたので、7時の便にしました。電車と路線バスを乗り継いで行っても良かったのですが、初日は戸倉ではなく大清水までだったので、こちらも予約を入れてしまいました。携帯メールに乗車証を送ってもらうシステムですが、これはガラケーでも大丈夫です(笑)。

 初めてのバスタ新宿、こんな仕掛けになっているんだ、とすっかり田舎者になってしまった私はびっくり。まるで空港ですね。

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 バスは大型で、たいそう混み合うのかと思っていたのですが、乗客は途中練馬区役所から乗った方を併せても10人いたかどうかという状況。夜行は平日でも満席と聞いていたので、ちょっとびっくりでした。途中8時過ぎに三芳パーキングエリア、9時半過ぎに赤城高原サービスエリアで休憩がありますが、11時過ぎには大清水に着いてしまいました。渋滞がなければ、これは早さの点からもコスパがとても好いですね。

 一ノ瀬行きのバスは毎時0分と30分にあるのですが、鳩待峠行きのバスと違って、このシャトルバス(実際にはライトバン)は高度はあまり稼いでくれないし、700円もするし、25分も待たないといけないので、雨だったら利用するつもりでしたが、予報と違って晴れているし、ゲートの先にある神社で旅の安全を願ってから、足慣らしがてら歩くことにしました。

 

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(晴れていたので、一ノ瀬まで歩きました)

 林道は、途中、旧道に降りる道もありましたが、ぬかるんで歩きにくそうだったので、暑いなぁと思いながらも林道を歩いて行きます。一ノ瀬には無料の休憩所があって、ちょうどお昼頃になっていたので、用意しておいたコンビニおにぎりとアクエリアスでお昼にしました。

 昼食後、思ったほどの登りでもなく、三平峠へ。途中、岩清水という水場があります。久々の登りで少し筋肉痛気味でしたが、無事、予約が取れた尾瀬沼山荘へ。チェックインは14時からとのことでしたので、大江湿原を散策することに。。。

 大江湿原は、ガイドブックにニッコウキスゲが見事という写真もあったのですが、私の持っているガイドブックは20年前のもので、そのガイドブックの花の写真にはこれまでことごとく裏切られていたので(笑)、期待半分で行ってみたのですが…。

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 いや、これは結構見事ではないですか…。たぶん以前はもっともっとすごかったのでしょうが、これだけ咲いていれば満足です。個人的には、これだけのキスゲを見たのは、たぶん初めてだと思います。

 もっと奥まで行けば、もっとすてきな風景が見られたのかもしれませんが、雲行きが怪しくなってきて、遠くでゴロゴロ言い出したとのほかの登山者の助言があって、戻ることに…。

 戻る途中も後ろ髪引かれる思いで、何度か写真を撮ったのですが、宿に戻って手続きをしていると、どっと降ってきてしまいました。

 ところで、大江湿原に向かう途中、長衞小屋のあたりだったと思うのですが、これってヒメサユリでは、というのがあったので写真に収めてきました。どうも色がちょっと変な感じもして、自信がないのですが、どなたかご存じの方いらっしゃいましたら、間違いの指摘も含めお知らせくださるとうれしいです。

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 自分としてはニッコウキスゲが見られたら…という感じで出かけたところで偶然目にしたものですので、全然違う花であっても全く問題ないのですけれど。。。

 山小屋の手続きもずいぶん久しぶり。お支払いは現金で?と聞かれたので、聞き返しただけなのですが、カードも去年から使えるようになったそうです。そして、これは尾瀬だけかもしれませんが、お風呂のご案内も…。おそらく、この先、尾瀬の小屋の予約がこんな簡単に取れることもないだろうし…、ということで、ちょっとだけ入ってみましたが、感想はやはりsanpoさんのご指摘と同じで、尾瀬に風呂は必要なのか?というものでした。筋肉痛を軽くマッサージするだけで、備え付けのシャンプーやボディウォッシュは使用しませんでしたが、何とも複雑な気分。従業員の方のみの利用でも登山者からは文句も出ないだろうに…、と思いました。
 
 夕食と翌日の朝食は写真を撮ろうと、カメラを持って行ったのですが、撮影し忘れ(笑)。夕食は結構なボリュームで鍋もありました。ご飯はおかわり自由でしたし、物足りないと感じる人はいないと思います。

 

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(宿泊した尾瀬沼山荘。ほとんど旅館?)

 部屋は4人相部屋でしたが、一人減って三人で使用。ゆったりで、とくにコロナ対策など不要な、余裕のあるスペースです。ところがところが、翌日の予定の行程(見晴に降りて尾瀬ヶ原を散策して山の鼻から鳩待峠)を話すと、一人が、「それは無理な話だ、山の鼻でもう一泊しないと、鳩待峠の最終バスに間に合わない」との主張を繰り返します。いや、だって、ガイドブックにも載っている6時間ほどのアップダウンの少ないコースですよ、と言っても、聞きません(笑)。

 まぁ、こちらは尾瀬初めてですので、謙虚に聞きますが、自分としては鳩待峠に早く着きすぎたときのことを考えて、帰りの高速バスの予約を見送ったぐらいです。 朝ご飯をゆっくり食べてから、のんびりお花見散歩でも、鳩待峠に14時には余裕で着くはずとの目算でした。

 まぁ、そしたら、明日の朝はなるべく早く出ることにしようか、と思いつつ床についたのですが…。この強弁家のイビキの物凄いこと物凄いこと。先に寝ていたもう一人いた同宿者も起きてしまったぐらい。。。鼾のひどい人というのは大人数の相部屋では必ずといっていいほどいるもので、これまでの経験から1時間ほどしても収まらない場合は、起こして注意してあげて横向きに寝かせてやればたいてい収まります。結局2時間ほど経過したところで、「鼾がひどいので横向きになって寝てくれませんか」と言ったら、布団を90度回して寝てしまい、またすごい鼾で元通り(苦笑)。布団の位置の話じゃなくて、体の向きの話だと再度言ったものの、ダメ。そのまま明け方近くまで轟音は鳴り響き、私ともう一人は眠れない夜。。。

 これじゃぁ、鳩待峠までは本当に無理かも…とあきらめかけた頃、鼾の主が起きて、「鼾がひどいので横になって寝てください」の意味を取り違えていたことが判明。つまり、私(ゴン太)の鼾がひどいので、その人に横になって寝てくれと、わざわざ頼んだのだと思い込んでいた…。 そうです、本人は自分が大音量の鼾をかいているとは夢にも思わなかったのです。

 その後は嘘のように大音響は収まり「何とか仮眠はとれた」という状態で朝を迎えました。

 

                   翌日のその2に続く

 

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2009.05.29

【五葉躑躅尾根 日光薬師岳・地蔵岳】 山バス情報100

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(明智平分岐付近にて)

【山行日】 2009年5月26日(火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅   - 04:58 代々木上原 (小田急線)
代々木上原 05:00 - 05:34 北千住   (東京メトロ千代田線)
北千住   05:46 - 07:11 新栃木   (東武伊勢崎線)
新栃木   07:18 - 08:11 東武日光  (東武日光線)

「バス」
東武日光  08:16 - 08:45 明智平 (東武バス日光 1050円)

「歩行」
明智平   09:00 - 10:10 茶ノ木平・明智平分岐
分岐    10:15 - 11:05 細尾峠
細尾峠   11:15 - 11:55 薬師岳
薬師岳   12:25 - 13:30 三ツ目
三ツ目   13:40 - 14:05 ハガダテ平
ハガダテ平 14:10 - 15:45 古峰原神社(こぶはらじんじゃ) 


「バス」
古峰原神社 15:50 - 16:40 新鹿沼駅前 (鹿沼市リーバス 400円)

「鉄道」
新鹿沼   16:48 - 18:02 北千住  (スペーシアきぬ128号 +1000円)
北千住   18:10 - 18:45 代々木上原 (東京メトロ千代田線)
代々木上原 18:47 - 小田急線某駅   (小田急線)

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(薬師岳への登りで…ヤマツツジは見頃)

土曜日に行こうかな、と思っていたこのコース、週末はどうも身体がだるくて家で静養、しかし、やっぱり行きたくなって、火曜日にまたもお休みをもらって、平日のお山に行って参りました。

今回のコースは、一般登山道で、踏み跡も明瞭、危険なところもありません。ただ、結構ロングコースで、朝のバスが渋滞にハマッて遅れたり、のんびり歩いたりしていると、古峰原神社発15:50のバスには間に合わない恐れがあります。もっとも17:15が最終で、バス停まで一時間半ほどの林道歩きですから、帰宅時間が遅くなることを厭わなければ最終バスでも全く問題ないでしょう(最終バスを逃すとタクシー代がべらぼうな額になると思いますので大変ですが…)。

このコース、ガイドブックによっては茶ノ木平までロープウェーでと紹介されているかも知れませんが、茶ノ木平のロープウェーは廃止されてしまいましたので、中禅寺湖から登るか、あるいは、私の様に明智平から登ることになります。

明智平の登山道入口は日光交通の名前で通行禁止となっていますが、あんな日本一短いロープウェーを使ったところで時間の短縮にも体力温存にもならないだろうと、自己責任で歩いて上がります。

のっけからシロヤシオの花殻が地面に落ちているのが見つかり、標高1300m近辺では早くも終局を迎えていてちょっとショック。花が付いているのを見付けても、大概がその五枚の葉っぱが赤い縁取りを帯びているところからも花期は終盤ということのようです。
北関東なら未だ…という期待は甘かったようで、こうまで暑くなってしまうと北と南でそれほど差もなく落花してしまうのですね。

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(こんな感じの径を登っていきます)

1300m近いところからのスタートで、笹原にシロヤシオの林で直射日光でもないのですが、やはり気温は高いのでしょう、エゾハルゼミが鳴き喚く中、高度を上げて行くも汗がボタボタ落ちますし、何故か息が上がってしまい、思う様に足が前に進みません。

30分ほどで送電鉄塔に達し、周囲が開けたところで、日焼け止めを塗り水分補給がてら早くも第一回目の休憩。するとひとつあとのバスで来られたらしい男性に抜かされます。こんなことじゃ、17:15の最終バスにも間に合わないのではないかと気ばかり焦ります。

再びシロヤシオの林に入り、写真を撮りながら登っていきますが、先を歩いている男性は気持ちよさそうに泳ぐ様に登っていってしまい、私はといえば、シロヤシオを撮りながら呼吸を整える有様です。ようやく分岐近いところで花付も好く咲いている木を一本だけ発見。パシャパシャと写真を撮って、茶ノ木平と明智平の分岐へと向かいます。分岐ではもう男性の背中は見えなくなってしまいました。

分岐からは「細尾峠→」と記された、やや笹が深い感じの踏み跡を南下していきます。2分ほどでこの日の最高地点である1617.8の三角点。そこから先は高度を落として行くにつれシロヤシオの花づきは悪くなってしまい、ここしかタイムを縮めるところはないとばかりに、かなり飛ばして送電線を二本越えて細尾峠へ降ります。細尾峠は舗装された車道が上がってきていて、登山者のものと思われる車が二台停めてありました。


細尾峠は標高1200m以下。明智平よりも低いところにあります。汗水垂らして折角稼いだ300m以上の高度を帳消しにして余りあるのですから何とも複雑な気分ですが、これが山です。仕方ありません。休憩後、気を取り直して薬師岳へ向かいます。

最初は尾根上の径ですが、やがて尾根を右に巻く様になります。松浦本にあるように、直登する径もありますが、へばっていた為(笑)、巻き径から行く方が楽なんだろうと、踏み跡の濃い径を上がっていくものの、やはりお腹も減ってきて、汗もぽたぽた落ちて、ハルゼミが八釜しいぐらい泣き喚いて、そんななか、上がらない足をモタモタと運んで、ようやく薬師の肩に出ます。

肩から、このあいだ登ったばかりの半月山を左手に眺めながらふらふら歩いていくと、またひとり男性登山者とすれ違って、先ほどの男性は三ノ宿からやしおの湯方面へ行かれるらしいとのお話。この方は細尾峠に停めてあった車へこれから戻らなきゃならないとのことでした。

薬師岳はちょうどお昼前に着いたので、ここで男体山を眺めながらお昼御飯にします。頂上には既に誰もいなくて、送電鉄塔で私を追い抜いた例の男性は既に三ノ宿へと向かわれたようです。三ノ宿への径は、すれ違った方も言っていたとおり、かなりはっきりしている様で、いちおう地形図とコンパスの用意はしてきたので少し惹かれましたが、今日の所は偵察だけにして、昼食後は薬師肩へと戻ります。

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肩から地蔵岳(古峰原)と記された方へ進みます。笹原に続く雑木林の中に茶色い踏み跡がくっきりと記されて絵の様な登山道を進んでゆきます。シロヤシオはやはりほとんど終わりかけていますが、ヤマツツジのはっとするような朱色が緑の林にときどき映えて、これが美しい。。。それにしてもシロヤシオの木の多いこと。これが表年に満開になったらきっと夢心地の五葉躑躅山道になることでしょう。

今度はご夫婦に逢い、挨拶。シロヤシオのシーズンということで結構平日でも歩く人が多いのですね。そして次には10人ほどの団体さん。細尾峠に駐まっていたもう一台の車はこの方たちのものだったようです。

三ツ目への登りで岩場で見晴らしの良いところがあり、ここからは辿ってきた新緑の美しい尾根とその向こうに男体山が望めました。男体山は雲がかかりはじめていましたが、天気の心配をするほどではなさそうです。

三ツ目には思ったより早く着くことが出来ましたが、ここで夕日岳をカットすれば、15:50のバスに間に合いそうだとわかり、かなり迷いましたが、足もだいぶ疲れてきた感じで、今から目の前にあるあのピークまで登って降りてくるのはいかにも大儀でした。

夕日岳はいずれその新道からでも登ることにして、今回は古峰原峠と記されたハガタテ平方面へ向かうことにしました。地蔵岳はこれといって特徴のないピークでほとんど素通りして、ハガタテ平方面へ高度を落としていきます。

意外に早くハガダテ平とおぼしき平坦地を前方に見ましたが、そこには四つ足動物のうごめく姿が(笑)。幸いカモシカでしたが、下手に刺激して突進されてもと思い、鈴を取り出し、遠くからシャンシャン鳴らしてみます。ハルゼミの鳴き声がうるさくて、なかなか鈴の音に気付いてくれないらしく、カモシカ君、指導標の辺りで憩っていて(笑)困りましたが、しつこく鈴を鳴らすとやっと聞こえたらしく、ノロノロと峠の反対方向へと巧いこと立ち去ってくれました。

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(沢沿いに咲いてゐました)

水を飲んで一休みしてから、植林の峠道を下っていきます。今までの雑木の林に目が慣れていただけに、ちょっと違和感がありましたが、バイケイソウや綺麗な白い花↑(お花に詳しい人、教えてください)も咲いていて、殺風景ではありません。疲れた足でややガレた径を歩いていくと未舗装の林道となって、膝も少し痛くなってきました。今日は夕日岳を見送って正解だったよ、と足を引きずりながら、舗装道路に出て、少し歩くと古峰原神社。

時間があまりないのに、おみやげ屋さんでビールを仕入れたりして、バスには発車五分前に乗り込みました。乗客は私の他にもう一人だけ。平日だからこんなものなのでしょうか、大型バスなだけに勿体ないような気もしました。バスは鹿沼市のリーバスということで、民間バスだったら恐らく千円はくだらないところを400円で新鹿沼の駅まで運んでくれます。この辺りは松浦本に紹介されているコースも数多くありますので、皆さん、この安いバスのご利用を是非ご検討くださいませ。

バスが安かったので、新鹿沼からは特急を奮発。ゆったりリクライニングシートで速い速い! 定額給付金を受け取ったせいか、つい気が大きくなって車内販売でビールを追加したりして、豪勢な帰宅便となりました。

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2009.05.18

【躑躅巡礼路 足尾赤倉山から半月山 その2】 山バス情報99

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(半月山より…中禅寺湖の向こうに男体山)

昼食後、笹の中を北へ伸びる尾根へ。松浦さんたちは左前方の小高いピークをトラバースされたとのことですが、私はピークに上がり直角に曲がって尾根通しで歩いてみました。このあたりは笹原がずっと続いて気持ちのよい場所ですが、踏み跡は薄く、錯綜していますから、踏み跡に引き摺られることなく、しっかり地形図と照合して進む必要があります。

稜線上には、ときどき思い出した様に赤テープが散見されたりしますが、この赤テープ、悲しくなるほど意味のない場所にあって(笑)、肝心の場所にはほとんど付いていない困った代物です。この日は晴れていましたので、気持ちのいい草原歩きでしたが、ガスが多いときなど、このあたりの平坦地は逆にかなり難しいと思います。

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山頂から15分ほどのところに、またシロヤシオが咲いていました。笹原の径はなおも続いて、見晴らしよく、右手にはこの先の1511ピーク直下まで伸びている林道も見えています。途中バンビの亡骸が尾根上にあってちょっと吃驚。しかし、気持ちの好い笹原の稜線歩きは続いて、赤倉山に上がるまでの急登を思えば、ここはまるで天国の様です。

1445への登りもそのあとの1514への登りも、周囲の伸びやかな雰囲気に助けられて、1514では少し休んでこれから向かうガレ場の見える1511ピークを確認、北東へ向かいます。

1511ピーク直下は地形図の破線路を潰して出来た林道が走っていて、1511へ向かう取り付きらしいものもなさそうなので、適当に斜面を這い上がって尾根に乗りました。
1511あたりは笹原に立木が枯れているせいで、展望がよく、ここから見る皇海山はじつに立派な姿で、袈裟丸がその稜線の端にその存在を隠してしまうほどです。皇海山は深田百名山で、これまであまり登りたいとも思っていなかったのですが、これを見るとやはりいつの日か登りたい、という気持ちになってしまいました。

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1511からほとんど踏み跡もない笹原を降りていくと、林道にバイクで来ている人がいてこちらを怪訝そうな目で見ています(笑)。さらに下から登ってくる人がいて、これには驚きました。平日でこんなコースでしたから、半月峠までは誰にも逢わないだろうと思っていたのですが、お話ししてみると、半月山の駐車場から眺めていたら気持ちよさそうな稜線だったので、ちょっと足を伸ばしてみたとのこと。何処から来たのかと聞かれ、間藤(まとう)の駅からずっと歩いて来たと言っても、「マト?」と不思議そうな顔をしていたのは、まぁ無理もないことでしょう。

尾根通しに下っていくと、すぐに巻き径と合流し、ここからはしっかりした踏み跡になります。1504は破線路よりずっと右下を捲き、ほぼ平坦でのんびり歩けます。トウゴクミツバツツジでしょうか、濃い紫色のツツジの蕾とヤマツツジの蕾を見掛けました。

峠の向こうに白根山でしょう、頂稜に雪を纏った山塊が見え、やがて右上に駐車場の柵が見えてきます。と、ここでアカヤシオの咲き残りを発見。カメラに収めようとしますが急斜面に咲いている為、巧くいきません。ああ、シロヤシオには早すぎ、アカヤシオには遅すぎでちょっと中途半端な時期に来てしまったナァと心内でぼやいていると、半月山の頂上付近にお姫様の可憐なピンク色が見えるではありませんか。

今日は半月峠までの予定で来ましたし、今から頂上に登るのは時間的にどうかとも思いましたが、ちょうど、駐車場に上がるらしき踏み跡が分岐しているのが見つかったので、これは日の長いこの時期だし、行くしかないと、とりあえず駐車場に上がると、咲いています、上の方に明らかにアカヤシオです。もう登ることに決めて、つらい急登をこなしました。ときどき背後の自分の辿ってきた尾根を振り返り見ながら、よくもまあ、あんな尾根を歩いてきたものだと感心。

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(辿ってきた尾根を振り返る)

駐車場がどんどん小さくなって、アカヤシオのピンクがはっきりしてきて、本当に今日は仕事を休んで来て好かった、そんなことを思いながら、腹がぐうぐう鳴ってるのも構わず上へ上へと進みます。頂上付近、1750mの高所だけあって、アカヤシオは蕾も少しある状態でちょうど見頃。最後のフィナーレ近くで、お姫様の素敵な姿に会えて感無量でした。

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(お姫様・・・)


山頂に着いたのは15時半近く。こんなことは秋冬では絶対にできないこと。三角点に軽くタッチ、水分補給をして一息ついたところで、下山です。途中展望台があって、ここからの景色は泣けるほどよかったのですが、あまり長居も出来ず、半月峠へ急斜面を下ります。途中もアカヤシオが咲いていて、にこにこ顔で半月峠。

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(半月峠へ下る…)

半月峠からはよく整備された登山道を狸窪(むじなくぼ)へ。中禅寺湖からのバスは20時過ぎまでありますし、狸窪から先は舗装道なので、あわてずゆっくり下ります。下っていく最中にも北面の恩恵でしょうか、アカヤシオの咲き残りに出会えてゴキゲンで無事に狸窪へ到着。

狸窪からは湖岸道路をのんびり歩きます。中禅寺湖の向こうに男体山が大きく、釣り人が腰まで浸かって釣り糸を垂らし、なんとものどかな雰囲気。頬に当たる風は冷たくまるで秋風のようで、週末と違い人の少ない夕刻の中禅寺湖はちょっと物寂しい感じでした。

イタリア大使館別荘記念公園を抜け、各国大使館の避暑地が続くこのあたり、標高1300m近くあり、今日も夕方は少し肌寒いぐらいで、たまに会う人はみな秋の様な装いです。私も上着を着ることにしてバス通りを目指しました。

中善寺温泉のひとつ湯元寄りにある立木観音入口バス停では17時14分のバスが行ったばかり。次の40分まで時間があるので、すぐそばにある閉店間際のお土産物やさんに駆け込んでビールを購入。中善寺温泉バス停まで僅かな登りなのに、酔ってだるさの残る足では、もうまるで歩く気力も失くして、硫黄の匂い漂うバス停に座り込んで日光駅行きのバスを待ちました。

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2009.05.17

【躑躅巡礼路 足尾赤倉山から半月山 その1】 山バス情報99

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(1514m峰の手前あたり)

【山行日】 2009年5月15日(金)

【使用公共交通機関等の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 05:10 代々木上原 (小田急線)
代々木上原 05:13 - 05:47 北千住 (東京メトロ千代田線)
北千住   06:04 - 07:39 太田  (東武伊勢崎線 区間急行)
太田    07:43 - 08:06 相老  (東武桐生線)
相老    08:14 - 09:32 間藤  (わたらせ渓谷鐵道)

「歩行」
間藤駅   09:45 - 10:15 林道終点
林道終点  10:25 - 11:20 1090m付近
1090m 11:30 - 12:15 赤倉山
赤倉山   12:45 - 13:30 1514mピーク
1514  13:40 - 15:20 半月山
半月山   15:30 - 17:20 立木観音入口バス停

「バス」
立木観音入口 17:40 - 18:20 東武日光駅 (東武バス日光 1100円)

「鉄道」
東武日光  18:55 - 21:12 北千住   (東武日光線 区間快速)
北千住   21:19 - 21:53 代々木上原 (東京メトロ千代田線)
代々木上原 21:54 - 小田急線某駅    (小田急線)

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前回の家ノ串の記事でコメントをいただいた もりのふうさん が最近訪問されたという足尾赤倉山から半月峠、先週は好天にもかかわらず、土曜出勤で行けませんでしたが、今週は高気圧にすっぽりおおわれる金曜日にお休みをもらって行ってみることにしました。

相老(あいおい)でわたらせ渓谷鐵道に乗り換えるところまでは、前回山行と同じですが、相老駅でわたらせ渓谷鐵道に乗ろうとしたら、2両編成の客車は学生で超満員。ビックリしながらもなんとか乗り込ませてもらいましたが、次の駅でほとんどが降りてしまい、その次の大間々駅では、切り離して1両になりました(それでも座席はゆったりです)。

前回降りた小中駅を過ぎ、長いトンネルをくぐって沢入(そおり)の駅を過ぎると、車窓から渓谷沿いに新緑と藤の花が美しく咲き乱れているのが見え、とても印象的でした。

終点の間藤駅は想像していたよりも明るく駅舎も立派なもの。駅前には日光駅に通じる市営バスのバス停があり、東武日光駅に07:35までに到着できれば、ここ間藤駅からの歩き始めの時間が一時間以上繰り上げられるのですが、私の自宅からは残念ながら無理です。

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『バリエーションルートを楽しむ』で、松浦さんは、東武日光駅よりタクシーを利用して林道終点まで入ってもらっていますが、お金があり、人数さえ揃えばこの方法が一番好いでしょう。

私は間藤駅からまともに歩いたので、松浦さんより1時間半遅れの10時半に林道終点をスタートすることになりましたが、これですと秋冬は、よほど足の速い人でRFも優れている方でない限りタイムアウト(時間切れ)で日没にあってしまう可能性があります。 日の長い期間限定のコースとお考えください。

尚、今回のコースは登りにとったとしても特に取り付きを探すのが難しく、尾根に乗った後も指導標のたぐいは全くない、しっかりした地形判断能力が必須のコースですので、その点ご留意ください。

また、生意気なことを言うようですが、このコースは、一般登山道しか歩いたことのない方には、まず無理です。松浦本には、記事のコピー片手にコンパスなしで歩けてしまうコースもなかにはあるのですが、このコースはそういったものとは別物である点、じゅうぶんにご承知おきくださいませ。

リンク先のたぬきせんべいさんが、以前に、このコースを下りにとられていますが、こういった芸当が出来るのは限られた経験者のみですし、たぬきせんべいさんも記事の中でおっしゃっている様に、1511以南は踏み跡不明瞭で、赤倉山から南では、どの尾根を辿るにせよ最後はひどい急傾斜を下ることになり、南南西(1325方面)の主尾根は、地形図「足尾」を見れば判りますように、末端までまっすぐ下ると、断崖絶壁に行き当たって大変なことになってしまいます。

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さて話を元に戻して、私が登りにとった林道終点から赤倉山の南の支尾根に取り付く箇所、これがこのコース最大の難関でしょう。松浦本にある「木橋を渡ったところで左の作業道に入り、すぐ右斜面に取り付く」というところですが、現状では「すぐ右斜面に取り付く」にも、作業道から斜面へはマーキングどころか それらしき踏み跡もない状態のようです。結局、目指す尾根になんとか歩きやすい箇所を探しながら這い上がりました。

北へ向かうこの尾根に上がってからも急登は続き、ヤマツツジの藪で尾根上といえども、急斜面と相俟って簡単に進ませてもらえません。急登は一向に手をゆるめることなく、ヤマツツジが綺麗でなければ、この急坂はシンドイだけだったろうと思います。

ところどころヤマツツジの藪と倒木で通りにくいところもあり、迂回しながらも尾根を詰めていきます。1050あたりで傾斜が弛みますが、1090付近で再び急傾斜が続くのが判っていたので、手前の緩斜面で水分補給をかねて休憩。

休憩後、急斜面を登っていくと、今まで咲き乱れていたヤマツツジが蕾状となり、石柱を素通りして更に登っていけば、ヤマツツジも少なくなり今度はミツバツツジが咲いていました。

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1200m、1300mと長い急斜面を高度を上げていくと笹が地面を覆う様になって、傾斜も弛んで、フラフラ歩いていくと、ああ、なんと今度はシロヤシオが少しですが咲き始めています。大半が蕾ですが、まだ蕾もつけていない木もたくさんありましたので、満開の頃はさぞかし…と思います。

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朱、紫、白、一日で3種類のツツジ。。。シロヤシオにはまだ早過ぎると思っていたので、この邂逅に頬をゆるめながら笹径を登っていくと、ぽっかりと赤倉山の表示がある頂上に着きました。お昼を少々まわってしまいましたが、三角点にタッチして、ここで大休止。

誰もいない、周囲がひらけた静かな笹原。風もなく穏やかに晴れ、こんな場所で食べるおにぎりは格別です。


 その2に続く 

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2008.10.15

【稜線はすっかり秋色…日光丸山から大山 その2】 山バス情報89

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(大山登山道から赤薙山~丸山を振り返る)

合柄橋から笹のかぶった径を緩く上っていくと、やがて周囲が開けてきれいな緑の草原が見えてきます。登山地図にも書いてあるようにここから牧柵を通って牧場内を歩くのです。

牧柵は結構狭くて、あんまり太った人だと通れないんじゃないかな、と思うほどです。この幅では確かに牛は通れないでしょうね。

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(牧柵:ウシとお●ブは通行禁止(笑))


背後の赤薙山~丸山の山塊を時折振り返りながら登っていくと左手に男体山も姿を見せ、このコースはあまり期待していなかったのですが、眺めも好くなかなか楽しい道のりです。ただし、牧場内だけあって牛糞がそこらじゅうにあり、なかには生々しい香りを放っているものも(笑)あるので、踏んづけないように注意が必要です。今頃の時期ならそれほどでもないのですが、夏場なんかだと結構臭いが厳しいかも知れません。なお放牧は10月中旬までですので、冬場は問題ないでしょう。遠目には寝っ転がったら気分がよさそうなんて思っていたのですが、とても寝っ転がる勇気はありませんでした。(笑)

草原を登り切ると、大山山頂のあずまやとベンチがあるので、ここで遅めの昼食としました。


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(草原を登って大山へ)


昼食後、「つつじヶ丘」と記された方向に下ります。すぐに左手にまた同じ格好の牧柵があり、その先に笹のかぶった道が続いています。しかしすぐに舗装道路に出てしまい、しばらく歩くとまた「牛と●ブ通行禁止(笑)」の牧柵があってこれを通り抜けると左手に猫ノ平への径が続きます。防火帯のようなやはり牛糞たっぷりの草原の径を緩くアップダウンすると猫ノ平。ここもベンチと東屋があり、少し休憩を入れます。

猫ノ平からエアリアにある霧降の滝への径は注意していないと間違いやすいでしょう。マックラ滝と玉簾滝を経由する方の径は表示もあって径もはっきりしているのですが、エアリア実線の方の径は笹藪に隠れていて表示もありません。階段状のハイカー用牧柵があるだけです。まぁどちらにしても途中で径が合わさって最終的には霧降滝へ行けるのであまり神経質になる必要もありませんが…。

笹のかぶる径からやがて軽自動車が通れそうな植林の径に変わると、丸太の橋があらわれ、橋を渡ると結構厳しい最後の登りが待っていてうんざりしながらこれを上っていくとやがて近くの自動車道路の騒音が聞こえてきてしばらくで大勢の観光客がいる霧降滝の茶屋に出ます。観光客に混じって霧降滝を見物に行ってみます。滝はよく見えましたが、滝の回りの紅葉はまだこれからという感じ。10日から2週間後ぐらいが見頃でしょうか。

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さて戻って茶屋で日光ビールなど大奮発してから霧降の滝入口バス停に行くとバスは出たばかりで、30分ほど待たねばなりません。なんとなくイヤな予感もしたので、前もって調べておいた丸美バス停近くの「ほの香」という温泉施設まで歩いて行くことにしました。

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歩き始めて15分ほどでイヤな予感は的中(笑)。夕方ということでなんとこの道路も渋滞しだしていたのです。渋滞で動かない車を何台も歩きで抜かして「ほの香」へ到着。料金は400円と非常に良心的ですが、いかんせんここは狭い!今まで入った温泉施設の中では最も狭いところでした。温泉や洗い場も狭いのですが、脱衣場なども本当に狭く、10人もいれば満員御礼です。

歩き疲れた足を癒し、今日の汗をきれいに流し終えて、休憩所で一息入れてから、表に出ると、やはり相変わらずの渋滞で、バスを待つより歩いた方が明らかに早く駅に着けそう、ということで、東武日光駅まで歩き通してしまいました。

東武日光駅では最後の区間快速が行ってしまったばかりだったので、これは席さえあれば高速バスで帰った方が(渋滞しても)早いかなとも思ったのですが、17:46に臨時の北千住行き快速電車が出る、しかも今入線したばかりということで、これに乗って帰京することにしました。

帰りの電車もやはり大混雑。私の前にずっと立っていた外国人女性には申し訳ないな、と思いつつ、帰りの電車はずっと居眠りしたまま終点まで乗り倒してしまいました。


追記(10/16)
ああっ!すみません! なんと日光~東京の高速バスは架空のものでした。
あると思ってプランした方、ごめんなさいっ! m(__)m
それにしても、日光駅までバスを探しに行かなくて好かった(笑)。行っていたら、帰りの電車も座れなかったかもしれません。





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2008.10.14

【稜線はすっかり秋色…日光丸山から大山 その1】 山バス情報89

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(キスゲ平より赤薙山を望む)


【山行日】 2008年10月12日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 05:37 代々木上原 (小田急線)
代々木上原 05:40 - 06:14 北千住 (東京メトロ千代田線)
北千住   06:31 - 08:24 東武日光 (東武日光線快速)

「バス」
東武日光駅 08:31 - 09:00 霧降高原 (東武日光バス 640円) 

「歩行」
霧降高原 09:10 - 10:05 キスゲ平
キスゲ平 10:15 - 10:35 丸山
丸山   10:55 - 12:15 合柄橋
合柄橋  12:25 - 13:05 大山
大山   13:25 - 14:05 猫ノ平
猫ノ平  14:15 - 15:10 霧降の滝
霧降ノ滝 15:15 - 15:55 きりふり温泉「ほの香」

「温泉」 
きりふり温泉「ほの香」 16:00 - 16:40(入浴料 400円)

「歩行」
ほの香  16:40 - 17:00 東武日光駅

「鉄道」
東武日光 17:46 - 19:33 北千住   (東武日光線 臨時快速)
北千住  19:39 - 20:15 代々木上原 (東京メトロ千代田線)
代々木上原 20:20 - 小田急線某駅   (小田急線)

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(すっかり秋色の丸山 キスゲ平への登りで…)

まだ二ヶ月半ほど残っていますが、今年は「森林限界を越えられなかったこと」が少々心残り。
10月の3連休は高いところや遠くの山へ行く最後のチャンスだったのですが、土曜出勤で個人的には実質連休ではなかったことなどもあり、日曜日、行きたかった日光へ日帰りでいくことにしました。

2004年以来久々に訪れる日光。行き帰りの電車があれほど大混雑になるとは…
まぁ、土曜の天気が好くなかったし、ハイシーズンの日光は混むに決まっているのですが、北千住の駅に滑り込んできた快速電車はすでに空席無し。結局東武日光までの約2時間はずっと立ちっぱなしでした。

この快速電車、前2両が東武日光行きで、他の4両は鬼怒川温泉方面という編成で、下今市で切り離しされると、東武日光行きの2両は朝の通勤電車以上の混雑でした(笑)。

そして、東武日光駅で降りると、中禅寺湖や湯元方面は早くも渋滞しているため、通常の倍以上の所要時間となっているとのアナウンスが流れており、中禅寺湖や湯元方面のバス停には長蛇の列が。。。
幸い私の行く霧降高原方面は渋滞もなくバスもそれほど混雑せずほぼ全員が座れ、所定の時刻に霧降高原バス停に到着できました。

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バスを降り、リフト乗り場へ行く階段の脇にはもう美しく紅葉した木々が見え、さすがに北関東の標高1200mともなると、一足早い感じです。リフトを乗り継げばキスゲ平まで30分で行けるそうですが、リフトを何回も乗り換え、そのたびにお金を払うらしいので、リフトの右脇にある登山道を歩くことにします。まだ「たけなわ」には届きませんが、ほんのり色づいた葉を眺めながらの登りは悪くありません。ときおり、視界が開けると、遠くにこれから登る丸山のきれいに色づいた姿が目に入り、ごきげんです。

八平ヶ原からの径を併せ、右手に丸山の姿が大きくなってくると、やがてキスゲ平に出ます。バス停から一時間弱で着きました。

キスゲ平(トップ写真)は素敵な場所です。周囲は開けていて目の前には赤薙山への闊達な稜線が伸びており、ニッコウキスゲのシーズン以外でもここは来て損のないところですね。あまりに美しい尾根道が赤薙山の方へ延びているので、ついつい登りたくなってしまいますが、ここは女峰山まで泊まりがけで行くいつの日かに譲ることにして、今日のところは予定通り丸山へ向かうことにします。

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(丸山への登り 笹の緑に紅葉が映え、美しかった…)

丸山は遠目に見ても赤く色づいていたのですが、間近で登りながら見ると美しさはひとしおです。背後の赤薙山を眺めながら、ああ、やっぱり往復だけでもしてきた方が好かったかなと少し後ろ髪引かれながら、ゆるゆると登れば丸山の山頂に着きます。丸山からの展望も申し分なく、よく目をこらしてみれば、なんと遠く富士山のシルエットまでも望むことが出来たのでした。

私の足では、大山に着くのはお昼を大幅に回ってしまいそうなので、ここ丸山山頂で赤薙山を眺めながら少し小腹を満たしておくことにしました。紅茶も沸かしてのんびりします。こうやってお湯を沸かしてコーヒーや紅茶を煎れて飲むのも山の楽しみのひとつで、とりわけ秋や春の好日は何ともいえない豊かな気分になります。

今日の最高地点を背に八平ヶ原へ向かいます。すぐに、これから向かう大山の草原とその手前の色づいた森が見えます。八平ヶ原への下りは予想していたよりも紅葉がきれいで、八平ヶ原そのものもこちらは人が少ないせいか落ち着いた好ましい平原でした。

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八平ヶ原からもと来た径と合流して高原ハウスに降り、ここから大山登山道と記された静かな径に入ります。一般観光客はこちらの方には来ないせいか、登山道の整備もあまり熱心になされていないようで、しばらく歩くと笹のかぶる径になりました。

合柄橋で少し疲れたので休憩を入れます。ここから緩やかとはいえ再び登りになりますので、水分も少し摂りました


その2に続く

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