【石砂山から牧馬峠経由で石老山】 山バス情報209
(石老山より大室山越しに富士山を望む)
【山行日】 2025年01月13日(祝)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 06:11 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 06:14 - 06:23 相模湖 (JR中央線各駅停車)
「バス」
相模湖駅 06:31 - 06:50 三ケ木 (神奈中バス 360円)
三ケ木 07:00 - 07:19 伏馬田入口 (神奈中バス 460円)
「歩行」
伏馬田入口バス停 07:30 - 08:55 石砂山
石砂山 09:10 - 10:05 470m圏峰
470m 10:10 - 11:05 石老山
石老山 11:30 - 13:15 船着き場
「渡し船」
船着き場 13:15 - 13:27 相模湖対岸 (700円)
「歩行」
相模湖対岸 13:35 - 13:50 相模湖駅
「鉄道」
相模湖 14:16 - 中央線某駅 (JR中央線 中央特快東京行き12両)
【地形図】 「青野原」 「与瀬」
【参考図書】『静かなる尾根歩き』(松浦隆康著:新ハイキング社)
(石砂山は西峰に先に登りました…)
石老山(せきろうざん)に登ったのは、山を始めたばかりの前世紀1998年の10月。今でも覚えているのは、当時としては珍しく10月だというのに最高気温が30度超えの晴天の日で、顕鏡寺から登って、ガイドブックにもほとんど載っていない篠原へ下山。篠原は本数が少ないとはいえ、あの頃は何本かバスの便があって、二時間ほどもあるバス待ちの間、地元の人と話をしたりしてもなかなか時間が潰せなくて苦労したことが印象に残っています。
一方、石砂山(いしざれやま)は、ギフチョウが話題になってから行きたいとは思っていたものの、ヒルが出るとかなんとか言い訳していて未踏のままでした。松浦本に牧馬峠(まきめとうげ)経由が掲載されているものの、東尾根経由のバリルートだと石砂山まで倍近い時間がかかるので、今回は初訪という事もあり、素直に伏馬田入口から一般登山道で登って、牧馬峠経由で石老山へ行くことにしました。
登山口の伏馬田入口に行くには、三ケ木07:00発月夜野行きのバスに乗らなければならず、この時期の相模湖駅発6:31の三ケ木行きは日の出前で暗い中出発。乗客は登山者三名と地元の方お二人の五人。三ケ木では橋本便からの乗り継ぎ登山客が多数で、月夜野行きはこんな寒い中10人ほどで出発です(7時発の直前まで入線してきてくれないので三ケ木での乗り継ぎはこの時期辛いものがありますね(笑))。
しかし、伏馬田入口で降りたのは私一人。一人ぐらい同じコースの人がいるだろうと思っていたのですが、意外な展開で、結果的にエアリア(山と高原地図)赤実線の一人旅は石砂山山頂を過ぎるまで続くことになりました。
バス停そばからずっと山頂まで東海自然歩道の指導標がありますので、あまり迷う心配はないと思いますが、ちょっと、あれ?と、もうひとつ意外だったのは、最初、道志川に架かる亀見橋までは車道をずっと下っていくのですね。
いよいよ登山口というところには「ヤマビル注意!」の注意書きと忌避剤のスプレーが置かれていましたが、見た感じスプレーは空のようでした。
(自己調達して持参したほうがいいかも…)
登山道は最初深くえぐれた道で庚申塔もあり、迷うような箇所はないと思っていたのですが、一箇所、ここは指導標を置いた方が良いのでは?という、少し下っていく巻道の分岐点がありました。よく見れば尾根方向には枝が置かれているし、巻道方向に古い赤テープがあったので、まぁ普通の人なら逆に迷わないのかもな…と(地形図の破線は尾根通しになっていますし、尾根通しでも行けるのかもしれません)。
菅井からの径と交わる地点には東海自然歩道の指導標があって、石砂山へは右折と誰でもわかるようになっていて、すぐに送電線の下を通る径に出ますが、ここはカヤトが茂っていて、短い間ですが周囲が開けた明るい展望地になります。
地形図の送電線に沿って付いているトラバース道の破線との合流箇所と思いますが、送電鉄塔を超えたすぐ先にそちらへ入り込まないようにするため(?)の東海自然歩道の指導標が建っています。
あとは濃い踏み跡に沿って進んでいけば石砂山の東西峰の鞍部に上がり、そこには右手を指して石砂山とあります。東海自然歩道の指導標の裏側をよく見ると左手を指して西峰とマジック書きがあり、先に西峰(572m峰)に上がってみることに…。
西峰への尾根も西峰山頂そのものも、明るい雑木の美林で、地形図を見て、ここから北に伸びる尾根を499〜415.5三角点とたどって、その先の林道に無事着地できれば、やまなみ温泉はすぐそこだよなぁ…などと考えてしまうのはやっぱり病気なのかな、と苦笑。今回見送った東尾根と組み合わせてみたらちょうどよいコースどりでは…などと思いながら鞍部に戻って東峰(エアリアの石砂山:578m峰)へ登ります。
枝越しに真っ白な富士山を見ながら一歩々々登っていけば石砂山の山頂で、ベンチがあり誰もいないので、テルモスのお茶とサンドイッチの残り、それにメロンパンを半分食べて、ゆっくりします。時刻はまだ9時。ちょっと遅い朝ゴハンといったところでしょうか(笑)。
私が座ったのは、松浦本で登路にとっている東尾根の入口と思しき場所にあるベンチ。尾根の入口には枝も並べられていないし、踏み跡は結構濃く付いている感じで、自分がやっているバリハイルート歩きも、案外罪作りなことをしているのだなと…。今後はバリハイルートで上がってきたら、合流点には自ら枝を置くなどするべきではないかと少々反省。
(東尾根入口?)
さて、石砂山をあとにしたら、ここからは赤破線です。2021年のエアリアでは牧馬峠への赤の破線路を東尾根と記していますが、松浦本の石砂山東尾根とは別物です。どちらかというと、牧馬峠への尾根は北東尾根ではないかと個人的には思いますが、ともあれ、ここはシーズン中、ヤマビルの巣窟(?)とも言えるほどヒルが多いらしいです。
松浦本通り、今でも牧馬峠への分岐はマーキングもなく注意していないと通り過ぎてしまうでしょう。ただ踏み跡は明瞭です(それだけに、ここにはマーキングをつけないほうがいいのかもしれません)。最初はかなり急傾斜で、ジグザグを切ってくれています。
尾根の形が明瞭になると尾根通しになりますが、コブがある地点で巻き道が何度も現れるようになり、松浦本にあるように、巻き道の方がわかりやすいですし、(おそらくは)体力も使わずに済むと思います。ここは?という箇所にはマーキングもありますから、山慣れている人であれば、巻道で不安になることもなく車道のある牧馬峠に降りられると思います(ちなみに峠へ降りる最中にこの日初めて登山者とスライドしました)。
(牧馬峠への経路は道形は明瞭)
ただ、車道に降り立っても、牧馬峠の標識は見当たりませんし(「ギフチョウとその生息地」の大きな看板(令和5年3月更新)があります)、車道を右手に行った先にある石老山への尾根の取り付き地点にも道路側にはマーキングは見当たらず、松浦本を読んでいない人には取り付きを探すのは難しいのではないかと思いました(実際には取付から少し上がったところに紫の紐が立木に下がっています)。
最初は急な斜面を登りますが、すぐに傾斜は緩んで、明るい雑木の尾根歩きになります。峠では狭い車道で車やバイクの通行があって休憩できませんでしたし、470m圏の少ピークがいい感じだったので、テルモスのお茶で一息入れることにしました。時刻は10時で石砂山から一時間ほどの地点です。
(470m休憩ポイント 「水源の森林 神奈川県」の標柱がある)
一息入れたら尾根通しに先へ進みます、鞍部には祠があって、ここがエアリアの山の神と記されたところでしょうか(赤破線の分岐には気づきませんでした)。で、そのあとですが、進路が北東から北に変わるところは500mのコブですが、今回作業道はすぐ先の500m地点で左に伸びていました。作業道方向に赤のマーキングがつけられ、進行方向の北に伸びる尾根には枝が並べられているように見えたので、「え?」とは思いながらも作業道を左に進んでみました。
しかし、進んでも一向に高度が上がらないので、戻って尾根通しに登ることに。。。右手の奥には石老山と思しき山がみえていますし、尾根通しで行けないわけがない、と急坂を登っていきます。
篠原からの東海自然歩道とぶつかる地点(610m)には指導標が建っていて、指導標裏側に黄色のテープが巻かれ、やって来た方向を指して「←牧馬峠 1h」とマジック書きされています。あとは、27年ぶりで見覚えなどあるはずもないのに、なぜか、ああ、そういえば、こんなところだったかも…という幅広い道をたどって、すぐにみつけたのは三角点(694.3m)のこれ(笑)。
初訪当時には、あったとは思えませんが、三角点のあるこの場所と、このあと訪れる大明神山でも見つかった例の標石です。
三角点のある場所からも見える702.8m地点(?)にはたくさんのハイカーがいて、山頂から見える富士山を写真に収めたらすぐに三角点に一番近いベンチへ戻って、11時と少し早いですが昼休みとします。
お湯を沸かしておにぎりを平らげたら、今回は皆さんと同様にプレジャーフォレストへと下っていきます。道中、枝越しに見える富士山よりも、そのずっと右奥に見える白い山塊に気を取られていたせいもあり、どの地点か正確には断定できないのですが、大明神(551)手前で右折して下っていいく箇所で、左手の尾根から登ってくるパーティーがいるのを目にして、こんなところにもバリエーションで登ってくるルートがあるの??と驚いていたのですが、どうやら、バリエーションルートに引き込まれてしまって、引き返してきた様子でした。
大明神には赤い祠があり、前記したとおり↑例の標石が置かれ、ベンチがあったので一休み。これが正解だったようで、その先にある展望台ではたくさんのハイカーが休憩中。眺めも相模湖方面しか見えず、富士山どころかそのずっと右奥に見えていた白い山塊もここではほとんど木々に遮られていて、展望台というからには山名掲示板でもあるのかと期待していただけにがっくり(笑)。
そのあとは、登山道付け替えでしょうか、「←プレジャーフォレスト・ねん坂」の指導標に従って、文字通りぐんぐん下る階段状の道。。。途中に送電鉄塔があったので、もとは送電線の巡視路だったのでしょうか。。。ともあれ、舗装道に降りて右手に下っていけば、もとの(?)東海自然歩道からの道(封鎖されていました)ともぶつかり、プレジャーフォレスト(元相模湖ピクニックランド?)の観覧車を仰ぎ見ながらの車道歩き。
実は、予定ではこのあと、プレジャーフォレスト前なるバス停でバスに乗らずにそのまま嵐山も登って歩いて相模湖駅まで…と考えていたのですが…
こんな標識を目にして、こんな機会でもないと、この先、一生乗ることもないだろうし、と、確か 以前komadoさんもこの渡し船に乗船していたような記憶も蘇り(笑)、更に「四月より10時〜18時・十月より12時〜17時」の案内板を目にし、時計を見れば13時過ぎということで、これに乗って帰っちゃおう…と船着き場目指して降りていきました。
思ったより時間がかかって船着き場が見えてくると、前を行くハイカー二人がドラム缶を打ち鳴らしているところ(笑)…。急いで下って追いついて、一緒に乗せていってもらうことに。。。
相模湖のおそらく最南端の入り江から対岸の相模湖公園近くの船着き場まで、文字通りゆらりゆったり十数分ほど…。途中舟を止めて石老山のあそこが大明神展望台で、とか、右手に見えるあれが嵐山でとか、教えてくれたり…。救命胴衣を腰に巻いての乗船ですが、湖の水はお世辞にもきれいとは言えず、落ちたら相当汚れるだろうな…というのが感想(笑)。
(無事着岸(笑))
まぁ、料金は片道700円(往復だと1200円!)なので、バス代よりは遥かに高いけれど、この日は風もなく、昼間の温かい時間帯だったので、なかなか面白い体験をすることができて満足でした。
船着き場で、出し忘れていた下山通知を出して、のんびり歩いて相模湖駅へ向かったのですが、思ったより時間がかかって、駅前の酒屋に笹一のミニ缶が置いてあるはずと酒屋で仕入れてから駅へ。。。次の上り電車は12両の中央特快東京行き。乗り換えもない気楽な帰京で、駅のベンチでミニ缶をちびちびやりながら、今日の山行きを振り返っていたのでした。
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コメント
石砂山、もしかして私まだ登ったことないかも?
と思いました。(石老山と勘違いしているらしい)
その舟もまだ乗ったことないんです、発車時刻とか決まっているんですかね?
つい調べるのを後回しにしてしまうので・・・
ゴン太さんは良い機会に恵まれましたね、私もチャンスが来たら乗ってみようと思います。
投稿: cyu2 | 2025.01.24 16:55
cyu2さん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
石砂山は、石老山のすぐ隣で、石老山より100m以上低いので、先に石老山に登っちゃうと、皆さん、ついつい後回しになってしまいがちなようです。私もずっと登っていなくて、こんなに長い年月経過してやっと登った次第です。
舟は、ドラム缶たたくと、すぐ近くのカヌー教室の人が出てきてくれます。相模湖駅側からだと電話すれば迎えに来てくれるようです。お客さんが来れば随時出帆ということで、発船時刻は決まっていないみたいでした。
営業時間は、「四月より10時〜18時・十月より12時〜17時」と書いてありましたから、お時間合えば、乗ってみてください。ちょっと高いけれど、一度は乗ってみる価値ありますよ♪
投稿: ゴン太 | 2025.01.24 21:41