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2025.01.02

【初歩きは鈴ヶ尾山から九鬼山♪】 山バス情報208

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(九鬼山山頂にて…)

【山行日】 2025年01月01日(元旦)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 07:02 猿橋 (JR中央線各駅停車)

「歩行」
猿橋駅 07:03 - 07:16 猿橋営業所

「バス」
猿橋営業所前 07:25 - 07:32  幡野入口 (富士急バス)

「歩行」
幡野入口バス停 07:40 - 08:23 幡野山(597m)
幡野山     08:40 - 09:40 鈴ヶ尾山(833.8m三角点)
鈴ヶ尾山    09:50 - 10:30 鈴ヶ音峠
鈴ヶ音峠    10:40 - 11:55 871m付近
871m      12:05 - 13:00 九鬼山
九鬼山     13:35 - 14:45 禾生駅

「鉄道」
禾生 15:25 - 15:35 大月 (富士急行線)
大月 15:43 - 16:32 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 16:34 - 中央線某駅  (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「大月」 「都留」

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(鈴ヶ尾山への登りで…)

 

あけましておめでとうございます

 今年も安全無事に楽しく山歩きができることを祈念いたします

 

 八王子発06:35の松本行き電車(6両)は、シーズンともなると大混雑することがあり、その際早めに八王子駅に着いてこの列車を待っていると、06:20発の立川始発の大月行が10両編成でやってきて(今は12両も!あって)、格段に空いていて、これを使った山行きはできないものかと、以前から考えておりました。

 で、ひとつ思いついたのが、今回使った富士急バス猿橋営業所始発07:25の朝日小沢行きのバス。これに乗車するには、07:02猿橋着のこの電車がちょうど良さそうで、今ではエアリア(山と高原地図)『高尾・陣場』にも赤破線が入っている鈴ヶ尾山北西尾根を歩くのに、幡野入口バス停までバスで楽ができそうです。

 間に合わなければ、そのまま幡野入口まで歩けばいいだけの話だし、と実行してみると、発車の十分ほど前に着くことができ、方向巻(というか今はデジタル表示)「朝日小沢上」のバスが待機していて、すぐに乗車可能でした。

 乗客は元旦ということもあるのでしょうが、私一人だけ。車内でコンパス登山届を出して、幡野入口バス停で降車。ゆっくり準備体操をしてから、松浦本『静かなる尾根歩き』のガイド記事を参考に取り付きを探します。バス停脇の田幡橋には「←甲弓山 正八幡神社」という指導標が建っていますが、その後はこのタイプの指導標は見かけませんでしたので、今回の山行とは無関係だと思います。

 エアリア赤破線のこのルートの最初の取り付きは、『静かなる尾根歩き』の簡潔明瞭なガイドを読んでいさえすれば、誠にすんなり行けるのですが、読んでいないととても難しいだろう、というのが私の感想です。取り付きさえ分かれば、あとはかなり明瞭な踏み跡が上がっていますから、エアリア記載の「踏み跡薄い」の記述はほぼ無視して良いと思います。

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(最初は写真中央の短い橋へ降りていきます)

 

 ポイントは↑写真中央の短い橋を渡って、すぐに左上に上がっていき、フェンスを開閉したら、2つめの比較的新しい神社(お賽銭箱と鈴があったので、私はここで初詣としました(笑))の左手に伸びる踏み跡を上がっていくことです。

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(そのあと、このお社の左手の踏み跡を上がります)

 深くえぐれた昔からの山道を進むと、すぐに自然林百パーセントの明るい尾根歩きとなり、ああ、やっぱりここは葉のある時期に来るべきだったなぁと。。。しかし葉を落とした木々の向こうに扇山や九鬼山など所々で顔をのぞかせ、燦々と降り注ぐ陽の光を受けて雑木の尾根を登っていきます。

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(美林の尾根道を上がっていくと、やがて幡野山)

 落ち葉に足を取られながらも傾斜が急になった箇所を登りきれば、597m峰で立木に「幡野山」の山名標もあります。歩き始めてからまだ一時間にも満たないところですが、小腹も空いたのでここで、メロンパンとテルモスのお茶で最初の休憩にしました。

 寒くて脱げなかったウインドブレーカーを仕舞い、先を目指します。松浦本では670m付近で杉林の右斜面をトラバースとありましたが、私にはトラバースする経路は見つからず、全部尾根伝いで730m圏のコブ(アンテナ施設あり)に登りました(730m手前の斜面はひどい急傾斜で苦労しました(笑))。

 更に続く雑木の尾根をたどっていくと、突然左側が大きく崩落した箇所に行き当たります。写真では大したことがなさそうに見えますが、右の縁を通るときに覗き込んだ崩落箇所は落ちたら洒落にならないと感じましたし、右の縁を歩くときも右手の谷底に滑り落ちると、これも洒落にならないだろうというふうに感じました。これから先、凍結などしたらかなりの危険箇所となりうると思います。

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(写真ではわかりにくいですが、両サイドとも落ちるとシャレになりません)

 更に先を行けば、右手に梢越しに時折姿を表していた富士山(トップの次の写真)が、今日は雲ひとつなく見えていて、でも展望地である九鬼山に着く頃まで保つかどうか…。そんなことを考えながら高度を上げていくとようやく鈴ヶ尾山。広々とした雑木の明るい山頂で、三角点が落ち葉に埋もれています。久しぶりに見る白地に青インクの山名表も見つかり、嬉しい気分で腰を下ろして一息入れました。

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(鈴ヶ尾山山頂 時間があればずっと憩っていたい…)

 鈴ヶ尾山から先は松浦本では、突坂峠(とっさかとうげ)へと進みますが、私はまだ歩いていない大月市の市堺尾根を歩きたかったので、鈴ヶ音峠へと向かいます。しかし鈴ヶ尾山から鈴ヶ音峠がこの日一番の難関というか手こずったところでした。

 エアリアの赤破線は、少し進んだ先で市堺尾根で分岐して鈴ヶ音峠へと降りているように見えますが、現地はひとつ手前の左右に尾根が分岐している地点(赤い標石:四二五)に、右手にも左手にもマーキングがあって、左手の方が踏み跡もしっかりして明瞭です。ここを右手(南)に降りても鈴ヶ音峠のやや西寄りの林道に降りてしまうわけですから、試しに左手の、踏み跡も濃く平らな尾根を進むことにしてみました。

 しかし、市境尾根と思われる箇所にマーキングはありますが、右手(南西)方向にはマーキングもなく、しかも踏み跡らしいものも認められず、とりあえず見送って平坦な(↓しかし美しい雑木の尾根!)を進んでみましたが、尾根の方向はすでに明らかに東に向いており、このまま進むと突坂峠です。

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(突坂峠への美林尾根!)

 突坂峠からそのまま林道伝いで20分かけて鈴ヶ音峠へ行くのも時間の無駄ということで、市堺尾根の分岐まで戻ってみましたが、地形図で見ても急ですし、現地でこの目で見た印象も尾根というより斜面といったふうに私の目には映りましたので、先程の四二五の標石に戻ってピンクテープのある南へと伸びる小尾根を降りることに。。。

 しかしこれが最後の最後になって林道擁壁の真上にピンクテープがつけられている始末。細引きはザックの奥の方にあるので、こんなところで取り出すのも…と思って、擁壁が低くなっている右手の方を目を凝らしてみると、さらにピンクテープが見つかったので、足場の悪い中をトラバースすると、ピンクテープの下方に白い柵が見つかり、白柵目指して土の斜面を下ってなんとか無事に着地(苦笑)。

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(なんとか着地に成功…)

 どこに降りたかはわかっているので、車道を左手(東方向)に進み、鈴ヶ音峠に到着。対面の急な尾根には赤テープのマーキングがあったので、まぁ、ルートがないわけではないのでしょうが、ここを登りに取るのはともかく、下りに取るのはどうなのでしょう?単にわたしの勇気とRF能力が足りなかっただけなのでしょうか。。。個人的には幡野入口から来た場合、突坂峠へ出て林道経由で鈴ヶ音峠に行くのが、兎にも角にも一番安全な歩き方だと推測しています。

 時刻は10時半で鈴ヶ尾山から40分も経過しており、難所を克服した疲れ(?)もあったので、車道の乗っ越すこの峠でボンタンアメとテルモスのお茶で一息入れることにしました。

 鈴ヶ音峠から九鬼山までは、私が山歩きを始めた前世紀のエアリアでも赤実線ですが、松浦本『バリエーションハイキング』でも鈴ヶ音峠以西の前道志尾根という形で扱われていて、やはり歩く人は少ないと思います。。。実際歩いてみた限りではエアリア赤実線で問題ないルートだったものの、想像以上にアップダウンが多くて、後半に持ってくるとかなり絞られる(笑)という印象でした。

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(桐木差から高指…左手=南面が自然林なのが嬉しい)

 

 現在では大月市の名入で桐木差にも高指にも山名標識がありますし、鈴ヶ音峠には茶色の鉄製の大きな指導標があり、踏み跡もしっかりしています。右手は度々植林に覆われますが、日の当たる南面である左手は自然林の部分が多く、時折富士山が枝越しに望めます。

 ただ、エアリアに檜林と書かれたあたりからはから植林が優勢となり、「朝日小沢への踏み跡分岐」と書かれた871m付近では分岐も見当たらないままお昼の鐘が鳴ってしまい(笑)、「ここじゃ、ランチ場所としてはなぁ…」という感じでしたし、お腹もそれほどペコペコということではなかったので、比較的日当たりの良い場所を選んでミカン休憩としました。

 一息ついたら、あとは九鬼山へコースタイムで1時間10分。1時を過ぎてしまうけれど、多分誰もいないだろうから、あそこのベンチでおにぎりタイムにしようと重い腰を上げて進みます。

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(871をあとに九鬼山へ向かう…)

 ここから先は地形図で見た以上にアップダウンがきつく感じられ、やっぱり腹が減っているせいなのか、単に体力がないせいなのか、あるいはさっきまできれいに見えていた富士山がすっかり雲の中に隠れたためか、と独りごちながら一歩々々前へ足を進めていきます。稜線が一番南側を通る少ピークには「大平山902m」の板切れが木の根元に置かれていて、地形図を見て、まだこんだけしか進んでないのかと少々がっくり(笑)。

 そのあとの914への登りが一番しんどく、途中で息を何度も整える有様。 914の先は距離が長いだけでダラダラの傾斜が果てしなく続くような感覚…。で、やっと見えてきた見覚えのある指導標群。しかし、ここはもちろん山頂ではなく杉山新道の上がり口。その先もこんなに長かったっけ?というくらい九鬼山の山頂は遠く感じられて、やっと到着したベンチのある場所は、予想通り一人も先客がいない状態でした。

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(誰もいない山頂…)

 まぁ、元旦早々の山行で鬼の名の付く山に登る人もいないかな、とベンチを2つも占領する横着をしながら(笑)、昼餉の支度とお湯を沸かしていると、先程までの大きな雲が取れて富士山が姿を見せてくれています。そして、お一人地元の方らしいハイカーが上がってきて「こんにちは」と挨拶をいただきびっくり。

 私の食事中にその方は降りていかれましたが、この山のいろいろなルートのお話を聞かせていただき、短い時間でしたが、楽しひとときでした。

 休憩に30分もかけてしまったため、手はかじかみ、体は冷え切ったまま下山開始。前回九鬼山に登ったときは、池の山経由で田野倉へ下山しましたが、今回は途中で分岐を左折して愛宕神社に降りて行くコースです。山歩きを始めたばかりの晩秋、杉山新道で登って札金峠から田野倉へ降りたと記憶しているので、九鬼山をめぐる赤実線ルートは全て歩いたことになりそうです。

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(分岐から先は、ほどよい傾斜角で下っていく…)

 道は分岐直前までは、こんなに急坂だったけ?と何度も呟きながら降りたほど、急な坂を下っていきますが、分岐から先はおそらく昔の元峠道だったのでは?というほど傾斜が無理なく芸術的につけられ、深くえぐれた径路で、歩いていて気分が良かったです。

 愛宕神社で無事下山の御礼がてら二つ目詣でをすませたら、あとは車道を禾生駅までてくてく。駅に着いてみると次の大月行まで45分もあり、周囲にはコンビニも何もない様子。時間つぶしに、メールをもらったまま返事をしていない元会社の同僚へメールを打ったりして、ようやく来た大月行の各駅停車に乗り込み帰途に就いたのでした。

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コメント

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

ゴン太さん、元旦から山歩きとはすごいですね!
天気も良かったし、良い1年のスタートになりましたね。
今年もお互い楽しく山歩きを続けられますように~♪

投稿: cyu2 | 2025.01.04 15:45

 cyu2さん、あけましておめでとうございます。年初からコメントいただき、ありがとうございます♪

 本年もよろしくお願いいたします。

 元旦から好スタートを切ったといえる年になればいいのですが(笑)、トーンダウンせずに楽しく山歩きを続けられることを願っています。

 天気も良く、楽しい山歩きでした。今年はcyu2さんに負けないようにというのは無理なので(笑)、恥ずかしくないぐらいの山歩きを続けられれば、と思っています。

 cyu2さんのブログは欠かさずチェックしていますので、今年も楽しい山行きの記録を披露してくださることを期待しています。

 佳き一年でありますように♪

投稿: ゴン太 | 2025.01.05 19:24

ゴン太さん、こんにちは。今さらのレスですみません。

元旦から山、すごいですね。
自分は毎年夜中に初詣なので絶対行けません。(苦笑)

九鬼山あたり、この時期に歩くには良い所ですね。
自分も新年初歩きに出かけた覚えがあります。

ちなみに、わずかにバス代を減らすなら、猿橋から逆の出口を出て、小倉バス停まで歩くという手もありますよ。以前に何度かバスが通って行った覚えがあります。

投稿: リブル | 2025.01.11 19:24

ゴン太さん、あけましておめでとうございます。

天気は良かったとはいえ、元旦から山歩きとは、素晴らしいですね。新年から気合い十分のようで、今年のブログを楽しみにしています。

小生は4日にやっと歩けました。
12月からずっと、あまり天気を心配しないでも良い日が続いてラッキーです。

投稿: AKIO | 2025.01.11 21:54

 リブルさん、こんにちは。コメントどうもありがとうございます。

 私は、山を始めでからはずっと、初詣はその年の最初の山の麓や山頂の神社や奥社と決めています、というか、地元の神社に行くと独り身では浮いてしまってこっぱずかしいので(笑)、そうしています。

 バス代を浮かす方法は、まぁ、わかっていたのですが、元旦なので、運行しているかどうか確かめるためにも営業所の始発にしてみました。そのバス代ですが、いつもはしっかりメモを取るのに、この日は降車ボタンをひとつ手前で押してしまうというミスをやらかして、すっかり忘れてしまいました。確か200円ちょっとではなかったかなと思います。

 ちなみに、猿橋の北口から歩き始めると、藤崎からのバスとスライドして、おそらくそのバスの運転手さんが、そのまま営業所に引き返して、同じバスを朝日小沢上行きのバスに仕立て上げているようでした。

投稿: ゴン太 | 2025.01.12 12:28

 AKIOさん、こんにちは。あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 元旦から歩いたのは、天気も良さそうでしたし、スーパーもしまっていて、尋ねていかないといけない親戚もなく暇だったからです(笑)。

 気合が入っていれば、4日5日の好天も出かけていると思いますので、ボルテージもあまり上がってないというのが本当のところではないかと思います(笑)。できればひと月に一回は山に出かけて、更新なしの月をなくしたいとは思っていますが、どうでしょうか。2・3月の花粉シーズンは今から気が重いです(苦笑)。

 今年の大雪は、各地で被害甚大の一方で関東甲信はカラカラの晴れが多いので、これには感謝して今のうちに出かけておかないとな…と思っています。

投稿: ゴン太 | 2025.01.12 12:44

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