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2024.12.01

【二十六年ぶりに倉岳山を訪れる】 山バス情報206

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(倉岳山への登りで…この日一番の紅葉)

 

【山行日】 2024年11月24日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 07:56 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾    08:09 - 08:26 上野原(JR中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅 08:43 - 09:28 無生野 (富士急バス 1030円)

「歩行」
無生野バス停 09:40 - 10:30 最初のモミジ (680mぐらい?)
モミジ    10:40 - 11:25 倉岳山
倉岳山    11:50 - 12:40 644ピーク
644m   12:45 - 14:15 鳥沢駅

「鉄道」
鳥沢 14:22 - 14:51 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 14:53 - 中央線某駅  (JR中央特快東京行)

【地形図】 「大室山」 「上野原」

 

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(ヘソ水の先、北西尾根の美林は色づきがいまひとつ…)

 

 倉岳山に登ったのは、山を始めたばかりの前世紀のこと。鳥沢駅から穴路峠を経て山頂に着き、帰りは立野峠から梁川駅へという、ガイドブック掲載の一般登山道でした。倉岳山自体好い印象だったのですが、中央線から何時でも行ける…と長いこと再訪しないまま年月だけが経過していました。

 今回採ったコースは、いずれもバリエーションルート。登路は藤ノ田沢左岸尾根で前道志稜線に立ち、倉岳山の山頂を踏んだら、北西尾根を降り、南北を縦断するようなかたちで歩くというものです。倉岳山にいくつもあるバリハイルートからこの二本を選んだのは、そのいずれもが、松浦本で雑木の美しい尾根という記述があったためと、なにより無生野行きのバス存続のためにもこのバスを久々に乗り倒したい(笑)と思ったからです。

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(12月になると帰りの午後便はありませんので要注意! 平日は朝の便もなくなります)

 

 無生野行バスに乗るには、もう一本あとの六両編成(豊田始発の大月行き)でも間に合うのですが、まだシーズン中ということで、念のために一本前の高尾発の六両編成で上野原に到着。バス乗客は地元の方二名と登山者三名の五人だけ。お二人はどこで降りてどこに登るのかな~なんて考えていたら、登山者は三人とも無生野で下車。

 変なところを進む予定(笑)の私は、二人に先に行ってもらいたくて、入念に柔軟などしていたのですが、一服つけて座っていて、しばらく動きそうにない様子。。。仕方なく先に出発し、停留所から30mほど先の道を上がって行こうとしたら、今度は民家の方に「そっちは道ないよ」と言われ、「昔の峠道を辿ってみたいのですが」、と答えて通らせてもらいました。民家の方は「昔は道があったけど難しいよ」と言っていましたので最初の取りつきは間違っていないと確信。

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(民家の人に「道はないよ」と呼び止められた…)

実際は昔の峠道(地形図の破線)をたどるのではないのですが、地元の民家の方が言うとおりで、その先の取り付きは難しかったです。マーキングのたぐいは一切なく、松浦本のコピーを読んでも、土蔵の裏とか2つの石祠は見つからず、獣除けの扉を開閉して藤野田沢沿いを遡行する形で踏み跡を拾っていくと、堰堤が見えてきてしまったので引き返し…などいきつ戻りつ。。。
 
 結局、フジノタ沢を渡り返したところで、右上に見える尾根に向かって戻るように山道とはとても言えないあやふやな踏み跡をたどると、尾根の末端の580m地点に到達。後方(南)には踏み跡というか、こちらも獣除けの扉があって、尾根の方向も北へ向かっているため間違いないと判断。念の為「山旅ロガー」で現在地を確認、右往左往しましたが、取り付きに成功しました。

尾根末端からは尾根を北へとひたすら直登していきます。スタートで躓いたせいで歩き始めから小一時間で700mに届きませんでしたが、左手から「昔の峠道かも…」という感じの踏み跡が上がってきてまもなく、ちょうど植林が途切れ、きれいなモミジを目にしたところで、テルモスのお茶で休憩としました。

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(あとからみても、この休憩地点の紅葉がフジノタ沢左岸尾根で一番キレイだったかも…)

 

 一息入れたあとは、雑木の美しい尾根を登っていきます。紅葉は、南面だけあって、陽の光を受け、はっとするような美しいところもあるのですが、すでに葉を落としている樹が結構多いかと思えば、明らかにカエデ系の樹木であるにも関わらず、緑色のままのものもあったりで、これが平年並みの夏の暑さのあとに、しっかり冷え込んでくれた日には、いかばかりか…と想像をたくましくするばかりでした。

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(736へ向かう途中…)

 736に向かって右にクイッと曲がったあとに、一旦下って登り返す辺りは、地形図どおりで照合するまでもなく、尾根歩きの楽しいところ。。。その後の急登も静かな雑木の尾根ということで、あまり苦もなく880m圏峰に到達できました。かろうじてここに、本当に小さなピンクテープがあるだけで、ここまでは(すべて剥がされたかのように)マーキングのたぐいは一切ありませんでした。

 一般登山道に出ると、人の声も聞こえてきて、久しぶりに山中で人と挨拶を交わすことになりますが、これもまた山歩きの楽しさであると感じます。900m圏峰を越えたあとの倉岳山山頂への最後の登りは、二十数年前の「簡単には山頂を明け渡さない山」という印象を再認識。。。

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(一般登山道の紅葉だって素敵でしたヨ♪)

 それでもこの登りの途中で休み休み仰ぎ見た紅葉は、後で振り返ってみても一番素敵な輝きをしていたように思います。「ああ、いい山だ、なんで今までほっぽらかしていたんだろう…」と思いながら山頂へ。時刻は11時半前でしたが、それほど人も多くなく、富士山展望地点から少し離れた南面の日向に座って大休止としました。

 倉岳山山頂は秀麗富嶽十二景の九番山頂で、山頂にもその標識と、倉岳山山頂からの富士山の写真が掲示されていますが、だいぶ木が育ってきたためでしょう、ちょっと見えにくくなっています。この日は雲に取り巻かれてはいましたが、富士山は写真に収められるレベルで、最高にアップにした写真がこれ。

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(久しぶりに冠雪した富士山を山から眺めました…)

 

 ただ、この木が邪魔だから切ってどかせ、という気にはなりません。これまで、富士山展望のため切り倒された例をいくつもみてきましたが、個人的には、切ってくれてありがとう、という気持ちになる例はほとんどありませんでした。

 さて、昼食を終えたら、登りと違って、力任せというわけにはいかない尾根下りです。地形図と松浦本のコピーで要所を確認したら、忘れ物落とし物がないか確認後、出発です。

 北の尾根と思われる方向に向かうと、いきなり尾根のどまんなかに「この先行き止まり」の立て札があります。これで、北に向かう尾根に入るわけですが、今度はすぐに、「梁川駅方面→」と右方向の尾根を指した「大月市消防本部」の名入の指導標(?)が、あります。これは最近のエアリア(山と高原地図)にも赤破線が入った北東尾根への誘導と思われます。行き止まりの立て札の向こうにこれがあるのはいかがなものかとは思いますが…まぁエアリアに赤い破線が入ってしまった以上、間違って北尾根や北西尾根に入り込まないようにしたいのかもしれません。

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(むうぅ…この先にも標識はあるのでせうか?)

 ただ、ここは、北東尾根と北及び北西尾根との分岐点でもあるわけで、私にとっては目印になる場所の標識という受け取り方で、コンパスで北西方向(左)に伸びる尾根を捉えます。

北西尾根に乗ると、頻繁に赤と黄色のテープが交互に巻かれたマーキングが目印になり、結果的に最後の着地地点(小篠貯水池脇)でもこのマーキングを目にしました。だた、この時点ではこのマーキングがこの先ずっと続くとはわかっていませんでしたので、真面目に地形図とコンパスでRFしていきます。

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 北西尾根と北尾根の分岐点には大きな樅の木があるということでしたが、これがモミということは外見からではわかりにくいように思えます。自分が知っているモミの木はしっかり手入れがされた若木ばかりだったということでしょうか。巨大な老古木(樹種不明)といった感じに私の目には映りました。

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(もみの木の判別に自信をなくしました…)

 松浦本に拠れば、尾根筋からいったん左に外れると、湧き水がたまっている「へそ水」なる場所があるということでしたが、えぐれたような陥没地が見つかったものの、水のようなものは見当たらず、はたしてあれだったのかどうか…。

 ともかく、すぐあとに「境界見出票 山梨県」の赤い標識を見たあとは、美しい雑木の尾根がしばらく続き、頬が緩みます。ただ、紅葉はいまひとつ、というか、北面のせいでしょうか、はっとするような色づきは見られず、かつ、すでに落葉しているものや、緑色からやや変色しかけているもの(笑)がほとんど。せっかくの美林がこの時期この様子なのが少々残念でした。

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(美林の尾根はとても素敵なプロムナードでしたが…)

 地形図で見ても、700m付近で方角を変えて北に伸びる尾根を捉えるのは難しそうですが、実際、そこは地形図通りかなりの急斜面でズルズルの落ち葉の斜面を降りていかなければならず、マーキングも肝心のこの場所では見つけにくく、644らしき(想像していた以上に高く見えた)尾根の盛り上がりに向けて歩を勧めていくと明瞭な尾根道にたどり着き、登り返して644の少ピークに立ちます。

 644のすぐ先でまた尾根の分岐があるわけですが、倉岳山の山頂から小一時間経過していたことももあり、地形図で見ても、だいたいこの辺が北西尾根の中間地点で、ここまでほぼ間違いなく来られたということで小休止。テルモスのお茶とボンタンアメで一息つきます。

  644から雑木の尾根道を進むとすぐに恩賜標石二九八があり、ここがまた尾根の分岐になっています。『静かなる尾根歩き』ではここから北の尾根を選んでいますが、私は『バリエーションルートを楽しむ』記載通り、北西に伸びる尾根に進むことにしました。

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(644の先でも続く美林の紅葉)

 雑木の美林はこの先も続いてくれて、気を良くしていたのですが、550の平頂の先で、今回もやっちゃいました。。。ここで北に伸びる支尾根に入らないように北西へ北西へと進んだつもりだったのですが、このあたりから現れる植林を嫌うあまり(?)やや西側に逸れてしまったのです。

 足裏の感覚がやけにゆるいのと右手に見えたやや高い地形部分に気づいて、登り返して戻ろうかとも考えたのですが、幸いトラバースできそうな傾斜角だったので、植林の中をトラバースして尾根に復帰、例の赤と黄色のマーキングも現れ、尾根の方角もこのあたりから北寄りになることをしっかり再確認しながら、高畑山の北尾根らしきものも見上げながら、その先の尾根歩きを楽しみました。

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(高畑山北尾根?)

 

 なおも続く雑木の尾根は美しく、最後の方になっても所々できれいに色づいた様子を目にすることができました。しかしそれもようやく途切れてくれば、左手に降りるしかない、という地点につきあたって、あやふやな作業道とも言えないような踏み跡を降り、きれいに小篠の貯水池の工事現場「脇」に着地できました(文中にも触れたように赤と黄色のマーキングがありました)。最後の最後は工事中の真新しいコンクリート道に降りて汚さないよう「土道を戻るように進む」ことがポイントです。

 穴路峠からの登山道(というか車道部分)を進んで最後のゲートが実はこの日の最難関(笑)でした。ゲートはくぐり抜けることができないようになっているうえ、開閉できないよう厳重に鍵がかけられていて、左手部分のみ、登山者一人が通れる幅の扉があるわけですが、駅から来る人にはわかっても、降りてきた登山者には見えない「駅側」に閂がかけられていて、峠側からは押しても引いてもびくともしません。困り果てて、仕方なくゲートを乗り越えて向こう側に降りて、こういうことだったんだと理解。

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(峠側)

 

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(駅側)

 難しいのはバリハイルートだけじゃないんだな、とつぶやきながら、山之神神社で無事下山の御礼をして、あとは大月市の指導標に従って鳥沢駅へ。これが結構長く感じて、駅からハイキングの山だけど、駅から登山口まで結構あるんだなぁ…と思いながら甲州街道に出て歩いていくと、宿場町時代の建物の脇に「←高畑山・倉岳山」の私製の指導標を見つけて、二十六年前もあったけなぁ?などと思いながら、鳥沢駅へ。

 駅前には近江屋という酒屋さんがあって、笹一の銘柄名も掲げているのですが、残念ながら今日は日曜で休業のよう。駅の時刻表を見にいくと14時台というのに幸い10分も待たずに高尾行きが来るとわかり、トイレを済ませたらすぐにプラットホームへ。下山通知を出し、山旅ロガーの測定をオフにしたらまもなく高尾行きが入線してきて、空いた車内でゆっくりすわって、ザックに入れてあった日本酒のワンパックとミックスナッツでいい気分に。

 高尾発の特別快速はグリーン車連結の12両。グリーン車は3月までは無料ということでしたが、短区間しか乗らない田舎者が都心まで帰る乗客の席を奪ってまで座りたいとは思えず、空いた先頭付近の車両へ。

 この時期にしては明るいうちに帰れたうえ、給料日前日ということもあり、帰宅してからスーパーへ行き、大根だけ買って、冷蔵庫のサンマをおかずに朝ごはん同様、夕飯も自炊してから就寝したのでした。

 

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コメント

倉岳山、私もいつ行ったっけなぁ?と調べたら2008年でした。
紅葉、キレイな山だったんですね。
と言っても、ゴン太さんの歩かれた道とはもちろん違いますが。
天気の良い冬の日にはやっぱり富士山見たくなりますよね~
どちらも楽しめて何よりでした♪
私も再訪したくなりました。

投稿: cyu2 | 2024.12.04 17:20

 cyu2さん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。

 割と近くで、しかも駅から登って駅に降りてこられる、となると、いつでも行ける、という感じで、いい山でも足が遠のいてしまったりしますよね。

 普通は高畑山とつなげるのでしょうが、今回のように倉岳山だけだったりすると、遅出なのに明るいうちに帰ってこれちゃったりしますから、高尾や陣馬なんかと同様に、気が向いたときにさくっと歩いてもいい山なんじゃないかと。。。

 紅葉は、一番キレイだったのは、一般登山道部分でしたから、私のように変なコースにこだわる必要もないと思います(笑)。穴路峠へ秋山側からっていうのも、面白いんじゃないかなと思います。いつか気が向いたときにどうぞ。

 あ、あとプーさんの落とし物の話ですけどね、今回は見ませんでしたが、登山道に堂々とっていうのは、私もやっぱ意図的なんじゃないかな、と感じています。縄張りなんだからね、みたいな。ま、プーさんと話したことないので、確かめたわけじゃありませんけど(笑)。

投稿: ゴン太 | 2024.12.04 20:37

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