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2023.12.24

【赤久縄山は遠かった…敗退の記】 山バス情報198

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(安取峠より赤久縄山を望む… あぁ遠い、遠すぎる)

 

【山行日】 2023年12月17日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 05:26 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:35 群馬藤岡 (JR八高線)

「バス」
群馬藤岡駅 07:02 - 08:20 万場 (日本中央バス 一日フリー乗車券1500円)

「歩行」
万場バス停 08:25 - 08:40 城山
城山    08:50 - 09:40 千軒山
千軒山   09:45 - 10:55 白石山分岐
分岐    11:05 - 11:25 安取峠 (断念)
安取峠   11:30 - 12:20 白石山
白石山   12:50 - 13:30 高塩峠
高塩峠   13:35 - 13:55 神成山三角点
神成山   14:05 - 14:35 千軒山
千軒山   14:45 - 15:50 万場バス停

「バス」
万場 16:05 - 17:18 群馬藤岡駅  (日本中央バス 一日フリー乗車券)

「鉄道」
群馬藤岡 17:27 - 18:50 高麗川 (JR八高線)
高麗川  19:01 - 八高線某駅   (JR八高線)

 

【地形図】 「万場」 「神ケ原」

 

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(上野村行きの日本中央バス…走ってくれてます! 万場にて)

 

 前回山行から三週間。また山をサボる悪い癖が再発しないようにと手に入れた18きっぷ。久しぶりに西上州でもと、当初はヒルで有名な大桁山・鍬柄岳と予定していたのですが、こう暖かいと、まだ居そうな気もしてきて(笑)、七年前の御荷鉾山行のときから行きたいと思っていた赤久縄山をネットで調べていたら、万場からすぐの千軒山~白石山の尾根の記録が見つかって、コースタイムがどうとか書いてあるのに気づき、書店に行ってエアリア(山と高原地図)を立ち読みしてびっくり。

 なんと赤実線が入っていて、松浦本『バリエーションハイキング』にも掲載されている白髪山や南小太郎山にも赤線が。。。早速買い求めて、とりあえず、行ってみるだけ行ってみよう。今は最終バスも18時過ぎまであるし、何とかなっちゃうかも知れないヨ、ということで、八高線の始発に乗って、群馬藤岡駅で新町駅からの上野村行きのバスを待ち伏せ(笑)です。


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 運転手さんに一日フリー乗車券をくださいとお願いして買い求めた切符は以前と同じデザイン、というか、同じものを印刷して使っているのでしょう。前売りやネット購入はできず、いまだに車内でのみ販売だそうです。

 そうそう、翌日(12月18日)からの迂回情報がありました。3月25日までの間、上野村役場・乙母・藤沢のバス停は利用できないそうです。住居附(すもうづく)から笠丸山へ行く方は要注意ですね。

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 万場のバス停に着いたのは、予定時刻より少し前。ここで10分ほどの停車があって、それから上野村の方へ向かいます。登山口(標識はありません)はこのひとつ先の八幡神社バス停の方が近いのですが、バスの発車を待つより歩いた方が早く、神社で登下山の無事を祈ってから橋を渡った先の民家の脇の道を上がっていきます。

 すぐに「←林道 城山→」の表示が現れて朽ち果てた木段が見つかったので、これをたどって上を目指したのですが、途中で木段を見失ってからは、、強引にバラ藪の尾根通しを直登しました。ズボンや袖がトゲまみれで、ちくちくして不快です(苦笑)。林道に出て、その先の城山稲荷神社で、ベンチに座ってお茶で一服しながらトゲを払おうとしたのですが、深く衣服に食い込んでいて余り取れません。城山(黒田城跡)の標識がありました。

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(木段を見失い、バラ藪に突入)

 

 暑いぐらいなので、上着を脱いで、舗装道路を上っていくと、お手製の指導標が現れます。

 「千軒山・神丸山・白石山・栗木平→」の方に道が付いているので素直に従って行きます。ちなみにここから先は白石山分岐まで登山道は明瞭で、藪もありませんでした。ピンクの神流町のテープがたくさんあります。様々な標識も現れ、標識から察するに、どうやらここはトレランコースの最後の下りに使われているようでした。

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(御荷鉾でも散見された お手製の指導標がこちらにも…)

 最初は植林だらけです。千軒山の登りに入る手前で、綺麗な雑木林もありましたが、長くは続きません。そして地形図で見ても余り判りませんが、千軒山への登りの傾斜角度はかなり急です。トラロープが張ってあったので、それをつかんでよじ登る感じでした。千軒山到着は09:40。標高は772m。 八幡神社の標高が340mですから、80分で432m。まぁまぁのペースだったので、急げば何とかなるかも知れないとこの時点では考えていました。

 そんなわけで、休憩はテルモスのお茶だけにして5分で切り上げ、先を目指します。下っていくとすぐに尾根左手の作業道に降り立ち、ほぼ平らな道を進んでいくことになります。途中で尾根を乗っ越して、尾根の右側のトラバースを進んでいきます。飛ばすならここと言うことで足早に、神丸山(かんまるやま)とされている三角点はあそこかなと見当をつけただけで、巻いて先を急ぎました。

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(尾根を乗越して右のトラバースを行く 凍結時は注意)

 

 高塩峠通過は10:40。エアリア(山と高原地図)に記載されている石祠は見当たりませんが、見落としたのだろうと更に先へ。。。ここまではかなり良いペースで、行けるとばかり思っていました。ただ、標高がほとんど上がっていません(笑)。

 風が強くなってきました。朝あれほど暑かったのに、時折吹き付ける風はこの時期の上州らしく、耳がちぎれそうなほど冷たい。それでも、白石山分岐では少し風も止んでくれて、陽当たりも好かったので、ひと休みして白石山へ登るかどうか決めることにしました。

 

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(白石山分岐…ここでいったんは巻くと決めたのですが…)

 

 ネットで見つけた記録では、白石山はもちろん登り、それ以前のコースも神丸山を含めほとんどすべて尾根通しに進んでいて、赤久縄山へ登ったあと、早滝に寄ってから、46号林道富岡神流線をトレランシューズに履き替えて走って下っています。私は走って林道を駆け下る気はもちろんありませんでしたし、できません。トレランシューズも持っていませんし(笑)。そして、その方の記録より明らかに遅れており、ここは白石山を巻いて安取峠に出てしまおうと、気持ちが固まりました。

 それならなんとかなるのでは、そう思って安取峠へと下っていったのですが、ここでまたひどい上州颪が吹き荒れ、手はかじかむなんてものではなくて、指が落ちてしまいそう…そしてなんと足が痙ってきてしまったのでした。

 山で足が痙った経験は何度かあります。しかしそれはほとんどの場合、脹ら脛だけで、すぐに収まります。ところが今回は太もものあたりが痙ってしまって、なかなか収まらないのです。

 立ち止まってようやく収まったあと、ああ、山をサボってばかりいたからなぁ…と呟きながら着いた安取峠。そこには古い指導標があり、「安取峠 標高920m」「栗木平→」と記されています。赤久縄山の標高は1522.7m…標高差が600m以上あります。時刻は11時半。通常の状態でも山頂到着は2時間後。お昼を食べたら、山頂を出発するのは14時以降になります。

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(安取峠の古い標識…標高の表示を見たなり、心が折れた(笑))

 

 この状態でそのあと、下山するとなると、膝に来てしまうことも十分考えられ、腹も減ったし、今日のところは引き返して白石山だけ登って帰宅しよう、明日は月曜日で会社に行かなければいけないし…。それに車道歩きのコースタイムはそんなのとても無理!というほど短いコースタイムが書かれていることが多いのが上州方面エアリア全般の特徴です。最終バスの時刻を気にしながらこの空っ風の吹く中、真っ暗な車道を歩く気力も残っていませんでした。

 で、白石山への安取峠からの破線路を探したのですが、私には判りませんでした。安取峠に直接降りてきている踏み跡など見当たりませんでしたし、物凄い急斜面で、ロープがあってもズルズルとすべりそうな斜面に私の目にはロープも見つかりませんでした。

 ザックにミックスナッツが入っていたことを思い出し、それでとりあえず、当座の塩分補給をしながら、再び吹き付ける上州颪にさらされて、「うぅっ!寒いよぉ・くやしいなぁ…」と呟きつつ、元来た道を戻って行ったのでした。。。

 巻くことにした径を登り返して元の位置に戻るほど、あほらしさを感じるときもないですね(笑)。登りのおかげでかじかんだ手に感覚が戻ってくるので、それがせめてもの救いです。白石山分岐からはほぼ直登に近い破線路を行きます。足が痙らないように、歩幅を短くして、ゆっくりと。。。

 ピンクテープに従って進んでいくと、やがて鹿柵に突き当たります。ピンクテープはその鹿柵の向こうに付いていますが、白石山は鹿柵を通り抜けずに、鹿柵沿いに右の急斜面を登っていきます。ここは間違えやすいところで、お手製の指導標もありますが、文字がかすれてほとんど判読不能です。

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(鹿柵の向こうにピンクテープがありますが、柵の右に沿って登ります)

 

 ぐえーっという感じの急斜面を直登して、平らになったあと、もう一つ先のピークが白石山山頂で、そこにはエアリアに書かれているとおり石祠が三つならんでいて、白石山の標識もふたつあります。ただ、安取峠を指す道標も白石山分岐や高塩峠を指す道標もありませんでした。

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(祠が三基並ぶ山頂…風が冷たすぎた)

 

 時刻は12時半前。冷たい風が容赦なかったので、手前の偽ピークのようなところに逃げてお昼ご飯にしようかと戻りかけたのですが、急に風が止んでくれて、陽差しも射してきてくれたので、山頂でお湯を沸かしてお昼ご飯にしました。

 おにぎりをぱくつきながら、帰路についてしばし思案。屈辱のピストンを避けて46号富岡神流線の林道を下ってみて、実際のところこの林道歩きが下り一時間半で済むのかどうか、自分の足で確かめてみるというのも一つの案ですが、行きの時に寄らなかった867.2三角点(神丸山)を確認しておきたかったし、高塩峠で見逃した石祠を探してみたいというのもありました。それに何より林道歩きはやはり退屈です。

 止んでいてくれた風も今度は本当に凍傷になってしまうのではないかと思えるほど冷たい風にさらされ、指が真っ赤に腫れてきて、コンパスで安取峠への尾根道を探そうにもコンパスが見当たらず、あってもとても方角を探れる状態ではなくなってきたので、足の痙攣もご飯を食べて治まってくれただろうと、ゆっくり怪我の無いように来た道を引き返すことにしました。

 今度はもう言葉にならないほど、冷たい風で、帽子を被り手袋をして、上は着込めるだけ着込んで、下山開始です。下りにとってみると、あえかな踏み跡は鹿柵沿いではなく、もう少し北側に付いていて、こちらなら少しだけ直登という感じとは違ったかも。。。しかし、白石山自体は特段の展望があるわけでもなく、もしもう一度来る機会があったとしても登らずに巻くだろうな、というのが正直な感想です。

 白石山分岐に戻って地図を取り出し、20分で高塩峠。そのあと約30分ほどで右手に大きく張り出した尾根が見えたら(巻かずに)稜線通しとすれば、神丸山とされる867.2三角点に辿り着けるはず、と確かめ、高塩峠には13時半の到着。綺麗な十字路になっているいかにも峠という場所に、高塩峠の標識もありましたが、どこをさがしても祠は見当たりませんでした。

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(綺麗な十字路の高塩峠…普通、祠は木の根元あたりにあるが、見つからなかった)

 

 目星をつけておいた尾根の張り出しはすぐに目に飛び込んできて、尾根通しに上がっていくと14時前に三角点を発見(手前に似た石標がありますが、その先のピークに本物の三角点(表に十印)があります)。ただ、ここには、神丸山を示す標識は何もなく、少し不安になります。しかし、そこはスマホにGPSのこの時代。山旅ロガーを立ち上げ確かめてみると、現在地はまさに867.2三角点でした。

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(867.2三角点)

 

 ただ、近くには鹿柵があって、展望もこれと言ってあるわけでもありません。顕著なピークと言うよりは尾根上のちょっとした突起といった感じの場所です。尾根の取り付きに特に印があるわけでもないので、RFの練習や三角点マニア向けの場所といったところでしょうか。。。

 お茶を飲み干し一息ついたら、千軒山へ。30分ほどで到着して、本当にここら辺はトレランの下りコースという位置づけなのだなあ、と、下りにとってみると一層その思いを強くしました。

 ロープの急坂を慎重に降り、あとは、たんたんと来た道を戻るという感じです。最後に万場の町の対面に双耳峰のような山が見え、最初は父不見山かなとも思ったのですが、角度から言ってもしかしたらその左(東)の竹ノ茅山という山なのかな、帰ったら調べてみようと思いながら、城山へ。

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(この山は父不見? それとも…?)

 

 城山稲荷神社で、無事下山のお礼をしてから再び朝のバラ藪を通って、トゲだらけになりながら八幡神社。神社の先に酒屋さんがあって、開いていたのでビールのロング缶をゲットして万場のバス停へ戻りました。

 少々悔しい思いをしての帰還でしたが、とにかく無事に帰ってきたのだし、今日は3万歩以上となかなかの歩数をこなして、膝も悲鳴を上げることなく無事山行を終えたのだから、と納得することにしました。敗退は随分久しぶりのことでしたが、これを礎にして次回以降の山行につなげていけばと。

 しかし赤久縄山、こうしてみるといつかリベンジしたいものです。方法としては万場に泊まり場所を見つけて宿の車で栗木平まで送ってもらうというのがベストのように思えますが、一人でも泊めてもらえるのかどうか、そして、登山口の栗木平まで今時車で送ってくれたりするのかどうか…。もう少し暖かい時期に御荷鉾の帰りにあった みかぼ高原キャンプ場 で幕営というのも考えたのですが、あそこはオートキャンプ場なんですよね~。

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