« 【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 一日目】  山バス情報196 | トップページ | 【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 三日目】  山バス情報196 »

2023.09.11

【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 二日目】  山バス情報196

Kurobegoro0136

(北ノ股岳より…早朝は天気快晴で青空一杯だったが…)

【二日目】
太郎平小屋 05:55 - 07:05 2576m点
2576m 07:10 - 07:45 北ノ俣岳 △2661.2
北ノ俣岳  07:55 - 08:45 赤木岳を巻いた先
赤木岳の先 08:55 - 09:45 2578m点
2578m 09:55 - 11:15 黒部五郎岳
黒部五郎岳 11:40 - 12:30 カールの底の桃太郎岩(?)
桃太郎岩  12:40 - 13:45 黒部五郎小舎 (二食+弁当)

Kurobegoro0171

(黒部五郎岳山頂より水晶岳・鷲羽岳)

 

 二日目は、朝5時半から朝食をとり、6時前には、お昼のお弁当(チマキとお茶とお手ふき)をもらって出発です。天気はほぼ快晴で、眼下に雲はあるものの、上空は雲ひとつ無く、昨日登ってきた方角には日本海も見えています。目指す黒部五郎岳は、太郎平から見ると、雲ノ平から見初めたときとはかなり違ったイメージですが、まずはその前に大きくそびえる北ノ股岳に登らないことには話が始まりません(笑)。

Kurobegoro0091

(太郎平より目指す山脈を望む)

 バスで一緒だった方は、少し予定を変更して、薬師岳を往復してから雲ノ平に向かう、ということで、水をたっぷり補給して、粉のアクエリアスもペットボトルに溶かしてから、ストレッチをし、太郎山方面へと登っていきます。雲ノ平方面との分岐は草に隠れかかった足もとに標識があるので、見落とさないように注意が必要かも。

 太郎山はほんのちょっとの寄り道ですが、一応三角点峰ですし、今日は天気もよろしいようなので、立ち寄ることにします。そこから先もずっと綺麗な木道が整備されていて、池塘のある大草原を漫歩。とても気分良く歩けます。

Kurobegoro0113

 ときどき振り返ると太郎平小屋の向こうに薬師岳がこちらを見守るようにそびえていて、それもまた好い眺めになっています。

 7時過ぎに北ノ股岳手前の2576m地点に着き、北ノ股岳はまだ先だし、一時間ほど経過していたこともあり、水分補給をかねてひと休み。このあたりから槍ヶ岳も姿を見せ始め、好展望の緩やかな尾根歩きも絶好調!といった感じで、神岡新道との分岐を過ぎ、北ノ股岳にゆるゆると登ってひと休み。こりゃ、もしかしたら黒部五郎岳で大展望を満喫かも♪などと、にんまりしていたのですが…。

Kurobegoro0142

(ガスが…)

 このコースで唯一と言ってもいい感じの岩イワのガレを登って赤木岳を巻いたあたりで、それまで眼下にあった雲がモクモクと稜線に這い上がり始めて、アルプスらしいと言えばアルプスらしい、ガスの湧く稜線になってきてしまったのでした。時刻は08:45。慣れていない岩場の登りだったせいか、ここはコースタイムをオーバーしてしまったうえ、ガスにがっくりしてしまったこともあって、巻ききった先で小休止。

 すぐに消えたガスも、中俣乗越(なかのまたのっこし)への下りで前方に見える黒部五郎岳もガスが掛かり始め、ウメバチソウやアキノキリンソウなどのお花を愛でながら、とりあえず、2578への登りに取りかかります。

Kurobegoro0146

(黒部五郎岳にもガスが掛かり始め…)

 2578で、小休止したあと、いったん下って最後の登りに取りかかります。途中、降りてきた女性単独ハイカーと顔を見合わせ、「上は真っ白です」と苦笑交じりに言われて、こちらも苦笑い。仕方ないです。夏のアルプスですもの。綺麗に晴れ渡った大展望は朝のうちだけ、というのはまぁ、当たり前のお話です。

 後ろから来たハイカーたちに抜かされ、そのハイカーが何故か立ち止まっていたので、もしや、と視線方向を見るとやはり、いました。ガスの中歩く雷鳥親子。雷鳥が出てきたと言うことで、もう山頂の展望は絶望と、あきらめてゆっくりゆっくり、息が上がらないように登っていきます。普段高いところを歩いていないので、2500mを超えると、身体が、空気の薄さをいやと言うほど感じてしまうのです。

Kurobegoro0160

 トウヤクリンドウは、蕾のまま開いておらず、朝あれほど晴れ渡っていたのに、10時過ぎにはこのざまです。まぁ、仕方ありません。何から何まで百点満点というのは無理な話ですから。。。

 えっちらおっちら岩尾根を登って、黒部五郎岳の肩に着いたのは、11時。私の古いガイドブックにはザックをデポして往復とありますが、さして重くもない荷物ですから、そのまま山頂へ向かいます。。。と、あれ?真っ白だった周囲が少し明るくなり始め、陽が差してきました。

Kurobegoro0169

(山頂に着くと少しずつガスが晴れてきた)

 え?ホントにという感じで周囲を見渡すと、青空も見え、周囲の山々も姿を見せ始めたのです。山の天気は本当に気まぐれ。でも、この気まぐれは私には少し好い味方になってくれたようで、山頂では陽差しを浴びながらお弁当の昼食(チマキ)をゆっくりとることができ、普段だったらやらない山頂証拠写真も居合わせたハイカーに撮ってもらいました。というのも実はお恥ずかしいお話ですが、この黒部五郎岳が登山歴20数年?にして初の北アルプス深田百名山だったからなのです。

 昼食中は周囲のガスがかなり晴れてくれて、薬師岳だけでなく、水晶岳から鷲羽岳の稜線など見えてきたりして、この気まぐれな天候に本当に感謝です。

Kurobegoro0167

 山頂からは稜線コースも考えていたのですが、ガスが湧いているのと、コースタイムを見ると黒部五郎小舎まで1時間近くも違っていて、今日はもうだいぶ歩いたし、早く小屋に行ってビール飲みたい!ということで、肩まで戻って、カールへ降りることに。。。

 カールの降り口までは、結構稜線を歩かされますが、この稜線で、さほどガスッてもいないにもかかわらず、今度は雷鳥4羽に出会いました。すぐそばまで行っても、慌てて逃げ去ることもなく、なんだかもう人に慣れてしまっているような印象です。

 

Kurobegoro0173

(雷鳥見るのも実に久しぶり…)

 カールへ降りるところはかなりの急傾斜で、慎重に降ります。底まで降りればあとは平坦に見えたのですが、それほど傾斜があるわけではないものの、岩がゴロゴロしていて、思ったよりも歩きにくい感じでした。ただ、カールの底から見上げると、稜線ルートは遠目にも結構アップダウンがあり、疲れた足であっちを歩かなくて好かったと、上を見ながら何度も思いました。

 山頂から1時間ほどのところに、瑞牆山の桃太郎岩のように、大きく割れた岩があり、ひと休み。ちょうど、また、水晶と鷲羽が見えていたので、しばらく眺めも楽しめました。

Kurobegoro0188

(桃太郎岩? 画面中央、わかるでしょうか?)

 最後は、かなり下って樹林帯のようなところを抜けると前方に黒部五郎小舎が見えてきます。「小屋」ではなく「小舎」という名称がぴったりな感じのたたずまいです。

 

Kurobegoro0193

 小屋で受付とビール!と入ろうとすると、ドアのところには、必ず手を洗って、マスクを着用して入ってくださいとの立て札。雨宿りだけなどの入館はお断り、と結構厳しいことが書いてあります。太郎小屋は、そこまで厳しくなかったので、緊張して受付を済ませ、生ビールを注文。

 小屋前のベンチでビールを飲み干すと、夕食までかなり時間がありましたが、部屋はすぐに使って好いと言うことで、少しお昼寝もして、夕食を待ちました。

 相部屋ですが、布団と布団の間は仕切りが設けられていて枕の上は棚になっていて便利。それに食事がとてもおいしかった。生サーモンのマリネなんて、こんな山奥で食べられるとは思ってもいなかったので、それも感激。3泊したうち一番食事がおいしいと思ったのは、この黒部五郎小舎でした。

 あ、そうそう、今は小屋でスマホの充電もできるのですね。そうとは知らず、ここまでずっと機内モードだったのですが、念のため黒部五郎小舎で充電しました。太郎平小屋は有料でお預かりということでしたが、こちらは無料。譲り合ってコンセントを使ってくださいという注意があっただけでした。。。

 一日目に戻る                   三日目

|

« 【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 一日目】  山バス情報196 | トップページ | 【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 三日目】  山バス情報196 »

コメント

ゴン太さん お待ちしていました。
北アルプスの百名山のうち黒部五郎岳がお初というのはゴン太さんくらいしかいない? 超レアで自慢になるのでは?(笑)
実はちょうど10年前のゴン太さんと同じく8月末に、ほぼ同じコースを歩きました。笠ヶ岳まで行く予定だったのですが、3日目が結構悪天候で、双六から新穂高温泉に下山(>_<)
夏山終わりの時季だったおかげか、山は人出少なく快適でした\(-o-)/ とても懐かしく拝見しました。続編も楽しみです。

投稿: ねも | 2023.09.11 13:51

 ねもさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。

 おっしゃるとおりだと思いますよ。自分でも半ば自慢に思ってます。同じコースを同じ山小屋泊で歩いた方は、これでやっと94座目だとかおっしゃっておられました。この一座だけで最低三日はかかりますから、皆さん後半戦がほとんどみたいですね。

 黒部五郎のあと、笠ヶ岳か、水晶をプラスする人も多いみたいですね。今回歩いてみて、私も水晶はいつか登ってみたいな、と思いました。

 続編「三日目」先ほどアップしましたので、よろしかったらご覧ください。

投稿: ゴン太 | 2023.09.12 21:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 一日目】  山バス情報196 | トップページ | 【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 三日目】  山バス情報196 »