【のんびり三泊四日…黒部五郎岳 三日目】 山バス情報196
(黒部五郎小舎から三俣蓮華へ向かう途中で黒部五郎岳を振り返る)
【三日目】
黒部五郎小舎 05:45 - 06:45 三俣分岐手前の鞍部
鞍部 06:55 - 07:35 三俣蓮華岳
三俣蓮華岳 07:40 - 09:00 双六岳
双六岳 09:20 - 10:10 双六小屋
双六小屋 10:20 - 12:05 鏡平山荘 (二食+弁当)
(丸山を過ぎ双六へ…この稜線歩きがこの日の白眉♪)
黒部五郎小舎の朝食は5時から(夕食は17時)。朝ご飯もおいしくいただき、即出発!と行きたいところだったのですが、コンタクトレンズが片方なかなかうまく目に入らず、時間を浪費。あきらめて今日は眼鏡で行くことにしました。せっかく早い朝食にしてくれたのに、出発が5:45となってしまったのは、このドジのためです(食べるのが遅いというのもありますが…苦笑)。
地形図で見ても目で見ても判りますが、出だしは急登。小舎ではつながらないdocomoとauがつながるという15分ほど登ったあたりから背後に昨日登った黒部五郎岳の美しい山容が目に入ってきます。「美しい…こんな優美な山容がほかにあるだろうか…、本当に来て好かった♪」そんな思いを胸に三俣蓮華へと向かいます。
(美しすぎる山容…)
今日も天気が好く青空が広がっていますが、気がかりなのが、朝の五時半から見えていた薬師岳の向こうの入道雲。午後から天気が崩れるというのは、この時点である程度予測できます。稜線に出ると、笠ヶ岳や、遠くに御嶽なども見えてきて、すがすがしい朝の稜線歩きを堪能します。
尾根道は三俣山荘へ行く巻き道と三俣蓮華岳に行く直登にこの先で分かれるのですが、その分岐の手前の鞍部で、喉も渇いたし、歩き始めから一時間ほど経過していたのでひと休みすることにしました。
一息入れたら一気に三俣蓮華岳へ直登します。19年前、余りに強い風とガスで稜線を歩くことができず、本当に悔しい思いをしたのでそのリベンジをするわけですが、今日は風も穏やかでガスもなく稜線歩きにはうってつけです。
振り返れば、昨日登った黒部五郎ちゃん↑が見えて、何度も立ち止まっては、「ああなんて素敵な山なんだろう」なんて呟きながら登っていきます。実は三俣蓮華岳と、その先の双六岳の方が標高はわずかに高いのですが、全然そんな気がしません。登り着いた三俣蓮華岳は、富山・岐阜・長野の三県の県境。しかも余計なことなのですが、ここはアマチュア無線のエリアで言うと、9エリア・2エリア・0エリアの境界点でもあって、19年前に来たときはここで電波を出そうと考えていたのです。
しかし、前述通りの天候で、なんとか三俣蓮華岳の標柱まで登ったものの、その先の三角点にはタッチできずにまた巻き道に戻ったという経緯もあって、今回はしっかり三角点タッチもして、しばらく周囲の山々に見とれながら、水分補給休憩を取りました。
(三俣蓮華岳山頂より槍・穂高を望む)
三俣蓮華をあとにして、丸山を経て双六岳。ここが、この日の稜線歩きの白眉と言って良いと思います。すれ違う登山者が一様に「気持ち好いですね~」と言葉を交わしながら行き交い、行く手右手には笠ヶ岳が格好良くそびえ、左手には槍穂高が綺麗に見えて、その間の稜線の美しくなだらかなことと言ったら、もう言葉がありません。
(こんな稜線を歩けるだけで幸せ一杯です♪)
双六小屋への中道分岐は、もちろん無視して、そのまま稜線を進み双六岳山頂を目指します。エッチラ20分ほど登れば、双六岳山頂。実はここが今回の縦走の最高地点で2860.4m。だからというわけではないのですが、双六岳では少し長居をして、途中で抜かした、同じ縦走コースを進む女性二人組に先に行ってもらいました。
そうこうしているうちに槍の方にもガスが湧いてきて、しばらく続く平坦な尾根道を歩いている途中で、見えなくなってしまいました。再び中道との分岐に着き、そこからは岩場の急傾斜を下っていきます。上空は晴れているので、登ってくる人たちは強い陽差しに炙られ大変そうです。
(槍がガスに隠れ始めた…)
双六小屋ではベンチも埋まっていましたし、日陰も見当たらないので、水分補給をしたらトイレを借りて募金箱にコインを入れるだけで長居せず、さっさと先へ進むことに。。。ただ、双六池湖畔のテント場は広々して気持ちよさそう…、「ここでテント泊って、いつかしてみたいな、いややっぱ、若い頃にしておくべきだった…」なんて感じでしばらく見とれて佇んでしまいました。
(双六池テント場)
そんなのんきなことを考えながら、あとは鏡平へ下るだけ…なんてお気楽な感じでテント場をあとに進んでいったのですが、ここから結構登らされるんですね。すっかりこのあたりの記憶がなくなっていて、さんざん登らされたあと、エアリアを見てみれば、くろゆりベンチの近くの標高は2622m!「こんなとこ、よくテント担いで登り返したなぁ…」なんて呟きながら歩いていました。この時点でまだ11時。こんなに登り返すんだったら、鏡平じゃなくて笠ヶ岳山荘に予約を取ればよかったかな…なんてチョット思ってしまいました(笑)。
くろゆりベンチで水分補給と靴紐の締め直しをして一息入れてから、更に進めば、ああ、そう言えば、ここにあのときは雪田があったっけと思い出した花見平。弓折分岐からは眼下に鏡平山荘も見えてきて、弓折岳には登らない代わりに、分岐では休憩せずにそのまま鏡池へと下っていきます。
(鏡平山荘が見えてきた)
19年前に鏡平山荘に泊まったときのことは今でもかなり細かく覚えていて、真空管アンプがあって、そのアンプで小さな音でクラシックを流していて、とても良い雰囲気だったこと。そして、おそらくは、あの小屋に帽子を置き忘れて下山してしまったこと。。。帽子はさすがにないだろうけれど、今でもあの真空管アンプあったりするんだろうか…。そんなことを思い出しながらゆっくり下っていきました。
小屋に着き、受付を済ませると、案内のお兄さんが、この小屋に以前泊まったことありますか?と聞いてきたので、「あります!だた20年も前ですけど」と答えたら、かなり感激していました。お昼を少し過ぎたばかりなのに、「もう部屋はお使いいただけます」と言われ、昨年新設されたばかりという新館の指定された部屋に行ってみると、説明通りで木の香りのする、ほぼ個室といってもよいスペースを与えていただいていて、感激。
(限りなく個室に近い新館の部屋でした♪)
黒部五郎小舎で作ってもらったお昼のお弁当は、小屋前のベンチで生ビールを購入して食べ、そのあとは、お昼寝したり、同じコースを同じ日程で来たお二人と更にビールで談笑したりして夕食までのひとときを過ごしました。
(黒部五郎小舎のお弁当 + 鏡平山荘の生ビール♪)
夕方には物凄い土砂降りと強風で、台風でも来たみたいな天気の急変があって、びっくり、笠ヶ岳小屋なんて目指していたら、おそらくずぶ濡れで大変な目に遭っていたわけで、やはり、夏は早出・早着が肝要と再認識しました。
鏡平の夕食もかなりおいしかったです。山の夜というのはご飯が済むともうすることもないのですが、この小屋は大変な水不足に悩んでいて、水道の水はみんなで使うと本当にちょろちょろ。明日の朝だともっとひどいことになりそう、とその日の夜のうちに水筒を満タンにしておきました。まぁ、明日は下りだけですし、秩父沢でいくらでも補給できるだろうけれど、などと思って床に就いたのですが…。
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コメント
ゴン太さん 大いに自慢して!(笑)
私は10年前の黒部五郎岳の後は、4年前の薬師岳くらい(立山に縦走しました) いまだ笠ヶ岳と剱岳が未踏です。
この日の縦走路は晴れていれば最高と思います。10年前は小雨でしたが、2006年夏に鷲羽岳から下りてきたときは、山ってホントに良いなと感じました。
ただここまで来ると下界の温泉や食べ物が恋しくなって、鏡平は休憩だけで、新穂高温泉まで歩きとおしました。若かった\(-o-)/
還暦を迎えられたんですか? 私は昨春定年退職しました。ゴン太さんは私よりず~っと若いと思ってましたが、5歳違いくらいかも?
投稿: ねも | 2023.09.12 22:00
ねもさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
まぁ、なんというか、自慢しても、百名山マニアには、意味が通じないでしょうけれど(笑)、ひそかに誇りに思っていればいいのではないでしょうか。
19年前、雲ノ平に行ったとき、薬師も鷲羽もよれば寄れたのを、あえて寄らなかった、あの頃は私も相当ひねくれてましたから、若かったのだなぁ…と思います(笑)。
還暦は昨年迎えましたから、いつまで山歩けるかわからないしなぁ、ということで、今回の奮発スペシャルを思い切ってやった次第なんです。
剣とか槍とか、テレビで見てるだけで怖くて、私は行きたいという気持ちにならないんです(笑)。
年を取ったので、あとの残りの限られた時間内で、行きたいところに行こうと、今は考え方がずいぶん変わりました。北アルプスは、これをきっかけに、これからは行ってみたいところに行こうと思っています。
投稿: ゴン太 | 2023.09.13 19:58