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2023.04.30

【ヤマツツジ観賞…扇山入尾根~南尾根】 山バス情報191


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(南尾根750m付近)


【山行日】 2023年04月29日(祝)


【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 08:05 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 08:09 - 08:26 上野原 (中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅南口 08:37 - 09:04 不老下 (富士急山梨バス 510円)

「歩行」
不老下バス停 09:10 - 10:10 入尾根取付地点
取り付き   10:20 - 11:10 860m付近
860m   11:20 - 12:00 扇山山頂
扇山     12:30 - 14:50 鳥沢駅

「鉄道」
鳥沢  14:56 - 15:26 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  15:35 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

 

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(大久保のコル:ちょうど新緑が好い具合でした)

 

 山をサボり続けて、すっかり身体が怠け者になってしまって、これじゃあ、アカヤシオ見たくても、登れるだけの脚力が無いよなぁ…ということで、GW初日の山行きに選んだのは、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』にも載っていて、以前から歩きたいと思っていた扇山の入尾根と南尾根。

 ここなら、行きのバスもまず混むことはない不老下行きのバスですし、帰りはバス利用なしですから、GWのバスの大混雑も免れられますし、南尾根のヤマツツジがちょうど好い具合かな…との目論見です。

 朝の中央線は、大混雑。GW初日ですし、翌日の日曜日が悪天予報ですから、まぁ、当然と言えば当然。 ひとつ前の接続にすれば好かったのですが、まぁ、上野原までなら立っていても、たいしてダメージは無いです。

 上野原のバスターミナルに降りてみると、もうすでに、井戸行きのバスが満席で立ち客が出ている上に、鶴峠へ行くバス停には大勢のハイカーが列を作っています。

 前回不老下行きに乗ったのは、まだ北口のあの狭いところからバスが出ていた大昔のことで、乗り場はどこだろうと探してみても見つからず、まさか、まだあのバスだけ北口発?と焦って(笑)、バスの運転手さんに尋ねると、2番から発車しますとのことで、井戸行きのバスの前で待機。

 やってきた不老下行きは、大型の深夜バスに使われているらしい車両で、GW対応で他のバスの臨時分に当てたための代替でしょうか?

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 乗客は私を含め4人だけ。他の三人は地元の方らしく、早々に下車してしまい、終点まで乗ったのは私一人だけでした。

 見覚えのある不老下バス停の転回所で、バスが再び上野原へ向かったのを見送ったら、私も出発です。松浦本では、入の集落までタクシーを勧めていますが、私は敢えて40分ほどの舗装道歩きをお奨めしたいです。この季節なら、桃源郷のようなのどかな集落がいくつも続き、車窓から見えていた藤の花が楽しめるだけでなく、立派なおうちの前には、え?っと驚くような、綺麗なお花が植えられていて、どの集落の人たちも、とても気持ちよく挨拶をしてくださいます。

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 途中、棚頭で雨降山・権現山の道標にも気づき、今の時期であれば帰りのバスも14:17発と早めの一本だけとはいえ運行してくれているので、権現山方面からこちらへ降りてくるというのもアリかなと思いました。

 スクールバス転回場の先で、「至る 入・扇山→」に従って仲間川にかかる扇橋を渡るのと、竹林の左に伸びる細道を見逃さないこと、そしてその先で「トタン板の物置」のすぐ先の小さな木橋を 渡らない ことが取り付きに至るまでの注意点というかポイントです。

 私はこの小さな木橋を渡った先(祠があります)で少し迷ってしまい、堰堤が左下に見えて、松浦本の略図と照合して、間違ったことに気づきました。戻って、トタン板の物置の先の橋を渡らずに、すぐに右の弱い踏み跡に入ると、一目でそれと判る明瞭な踏み跡が更に右手に入ったところに見つかります。ここにはマーキングもありませんでしたが、その先は普通の登山道並みで、657の手前までこの踏み跡に従って歩けば尾根に乗ります。

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(尾根に乗るまでずっとこんな植林帯です)

 尾根に乗ったら、コンパスで念のため尾根が西方向に伸びていることを確認。657の先で一瞬、自然林が現れて、新緑のまばゆさに目を細めますが、すぐに元のヒノキ植林に戻ってしまいます。

 黙々と緩やかな尾根を進んでいくと、800m付近から傾斜が増してきて、そこはジグザグを切ってくれているので、素直にそれを利用します。傾斜が緩んだ先で尾根が左手、南西方向へ向きを変えるあたりで、下からちょうど一時間ほど経過していたので水分補給をかねて一息入れます。

 900mの先で、今回は尾根通しを選んでみたのですが、岩尾根というほどではない、という印象を受けました。登り切ったところにある祠は私の見落としかも知れませんが、目にしませんでしたし、その先の土留めも気づきませんでしたので、地形図と歩いた感覚が一致していたにもかかわらず、ひょっとして全然違うところを登っているのでは??と首をひねりながら、右自然林・左植林の尾根を黙々と詰めていきました。

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(尾根上部は右自然林・左植林)

 

 しかし、まもなく左手の方から人の話し声が聞こえてきて、ポンと浅川峠からの堅く踏みしめられた登山道に飛び出すと、すぐ左が扇山山頂でした。ちょうど正午だったので、山頂はさぞかし大勢のハイカーがいるのでは、との予想に反し、空いた丸太ベンチがいくつもあり、どこにしようかと迷うぐらい(笑)でした。

 半時間ほどかけてゆっくり昼食をとったあと、少し無線を聞いてみましたが、下界は曇り空に変わって風も強くなってきたと聞いて、交信はせず、ゆっくりヤマツツジを楽しみながら下山することにしました。扇山の上空は白い雲が多かったものの、青空も見え、陽差しも十分だったのですが。。。

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 ヒトリシズカが群生↑する広々とした登山道を百蔵山方面へ進み、一応南尾根の分岐点を確認してから、安全策でまず大久保のコルへ。この稜線はちょうど新緑が見頃といった感じで萌黄色の美しさにほれぼれします(二番目の写真)。

 大久保のコルから先もしばらくは美しいライトグリーンに酔い痴れていましたが、やがて植林に変わってしまい、ちょっと気分が落ち込みかけた頃に「つつじ群生地」の分岐を記した道標が現れます。

 尾根へのトラバース道はロープなどもありますが、さして危険な箇所も無く、早くもヤマツツジがぽつりぽつりと姿を見せ始めます。今年のツツジは当たり年らしいから…と楽しみにして尾根を下り始めますが、どうも、聞いていたほど、思っていたほどには咲いておらず、樹によって花付きにばらつきがあったり、枝によってばらつきがあったりといった感じで、あれぇ?こんなものなの? もしかして、鹿に食われちゃったりしてるのかなと少々失望しながら下っていきました。

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(ちょっと失望気味でしたが…)

  樹によっては少量の蕾だけ付いていて花びらの痕跡も無しといった感じでしたので、あちゃぁ、やっぱり鹿さんか…とほほ、と呟きながら降りていきます(笑)。

 しかししかしです。800mを切ってきたあたりから、やはりちゃんと爆咲きゾーンともいえる地帯が出現。樹によっては、花の重みで大きく傾いでいるとしか思えないほどのものもあり、このあたりは頬が緩みっぱなしでした。ヤマツツジなんて、別にどこの山とも言わず咲いている花ですし、わざわざこの花を目当てに見に行くほどではない、と思っていたのですが、考えが改まりました。

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(花の重みで樹が…)

 今日は、やっぱり、ここに来て好かった。山に出かけてきて好かった、そう思いながら尾根を下りきり、あとは長い車道歩きも、この日の山行きを思い返しながらのんびり歩けば苦になりません。

 梨の木平にはバス停がありましたが、時刻表は付いておらず、正月は休日ダイヤのお知らせ張り紙が貼ったまま。。。GWのこのツツジの時期ぐらい走らせても好いだろうに…とも思いましたが、この時刻(14時前)では走らせてくれていても、待ち時間の間に鳥沢駅まで歩けてしまう…そう思って鳥沢駅まで歩くことに…。(富士急バスのHPによれば現在は帰りの便は百蔵の登山口から14:30猿橋行きがあるようですが、百蔵登山口バス停ってどこなんでしょう?:朝の便だけなので梨の木平には時刻表がないバス停があるということのようです…)

 梨の木平から鳥沢駅はエアリアのコースタイムで40分となっていますが、私は50分かかりました。特に急いだわけでもなく特にゆっくり歩いたつもりもなかったのですが…。

 鳥沢駅には上り列車の5分ほど前に到着。時間があれば駅前の酒屋さんでビールでも買って飲みたかったのですが、帰りの電車は行楽帰りのラッシュもあるし…ということで、お酒は飲まずに乗車。運良く座ることができ、途中の特急通過待ちもなかったので、穏やかな気持ちで帰途につくことができました。

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2023.04.15

【余りに天気が好いので…四方津御前山】

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【山行日】 2023年04月09日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 11:32 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 11:58 - 12:23 上野原 (中央線各駅停車)

「歩行」
上野原駅 12:28 - 13:10 蚕種石社
蚕種石社 13:15 - 14:15 四方津御前山
四方津御前山 14:35 - 15:03 四方津駅

「鉄道」
四方津 15:42 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

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(色とりどりの春のお花も見られて、楽しめました)

 

 前回の山行が一月の末でしたから、二月、三月の丸二ヶ月、またまた山をサボっていたことになります。もう常習犯なので(笑)、花粉がどうとか、1月末のお給金がどうとか、そういった言い訳はしません(してる!って)。

 リンク先の新着記事を見ると、この暖かさでもうアカヤシオまで咲き始めていると聞いて、さすがにもう、マスクをしてでも出かけよう、と思っていたのですが、この週末は日曜の午前中に用事が入ってしまい、土曜は悪天。。。

 そこで、もう超遅出でも好いから行けるところ、ということで、選んだのが、四方津御前山。何故四方津御前山かというと、この山がSOTA山岳アワードの対象になっているので、無線に入れ込んでいたときに、ここなら短時間で登れるからと、いろいろ下調べしておいた山だったのです。

 どうせなら、ということで、最近のエアリアにも載っている四方津駅からの赤線ピストンは避けて、ちょっとバリハイな上野原から尾根伝いに山頂に立って、帰り(下山)は一般登山道というプランにしました。

 11時まで家に留め置かれていたので、11時過ぎに出発。しかし電車の接続が悪く、高尾駅では30分近い待ち時間で甲府行きの鈍行が発車。上野原駅を背に歩き始めたのは12時半でした。

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 春爛漫、舗装道路歩きも、素敵なお屋敷の玄関先に咲いているミツバツツジなど眺めながら↑気分好く西へ。。。ヤマケイオンラインの山行記録を参考に取り付きに向かいます。ポイントは松留発電所が見えたら、崖と発電所の間の道路に入っていくこと。少し行くと六体のお地蔵さんが並んでいます。

 そして三界萬霊塔の石碑があるお寺を右手に見て悉聖寺と表示のある信号の横断歩道を渡り、左に数十メートルにある石材店を見てすぐの路地を右手に上がっていきます。

 やがて、右手に見えてくるのが取り付き点である「道志川線№17」の送電鉄塔(といっても小さいもの)です。ここが尾根の末端部で、石仏はありますが、残念ながら仰向けに倒れていました。。。登るとすぐに石祠があり、登下山の無事を祈って出発です。

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 最初は尾根通しだった踏み跡が、尾根の左手の方の踏み跡にいつの間にか引き込まれますが、気づいた時点ですぐに尾根に上がってください。私はこの踏み跡をずっとたどってしまい、赤い鳥居の「蚕種石社」がある小平地に出るまで、大変な藪漕ぎですんなりと行きませんでした。

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(この巻き道に入らないように…入ってしまったらすぐに右上の尾根へ!)

 

 尾根上も藪があり、この時期は非常にわかりにくいですが、遠くに見える四方津御前山の方角から進むべき方向(やや右寄り)が割り出せて、そちらを足探りで行くとポンと小平地に飛び出します。小平地の右手に送電線の巡視路でよく見かける黒ゴムの階段が上がってきていましたから、「尾根末端から」にこだわらない方は少し遠回りですがこちらの八ツ沢発電所からの巡視路(?)で来る方がスマートだと思います。

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(蚕種石社)

 一息入れただけで、TEPCOの看板がある水力発電設備の金網沿いに左手の巡視路を進みます。すぐに右手に山上山へ上がる道が分岐していますが、結局戻ってくることになりますし、それほど素晴らしい展望が得られるわけでもないので、寄らなくてもいいと思います。

 すぐに5分岐に行き当たりますので、ここを尾根通しで、その先も尾根を外さずにずっと登っていけば山頂ですが、ここからの道のりが結構長いです(笑)。送電鉄塔が現れ、陽当たりが好いせいか、いくつかお花も散見されました。が、春の山行きはもう4年ぶりぐらいなので(笑)、名前が思い出せなかったり、知らない花(?)だったり。。。

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 でも、ライトグリーンの中、色とりどりのお花が咲いているというのは好いものですね~。こんな時間からのこんなショートコースだけれど、この時点で、今日は山のカッコして出かけてきて好かった♪と思いました。

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 ヤマツツジはさすがに失念するわけもなく(笑)、この色を見ると、もう春どころか、夏がすぐそこなんだと感じてしまいます。

 そんな尾根歩きもやがて岩っぽい雰囲気になって、ヤマケイのレポにもあった、ざらついた岩場の登りになります。ここは、私のように高いところが苦手なハイカーにとっては、おっかないところです。ただの岩だったらいいのですが、ざらざらしていて、足を滑らせて右手に落ちると、下手をすると命も落としかねない、といった感じの箇所(馬の背)があります。左手に踏み跡があったので、私はそちらを選びました(笑)。

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(こんな感じの岩場が続きます)

 このナイフリッジ(?)を無事通過すると、前方に四方津御前山の姿が見えてきますが、こちらから見た四方津御前山は、400mほどの里山には見えない、ひとかどの山、といった風格があります(トップ写真)。

 それだけに、最後の登りは結構絞られます。トラロープもある急登を登り切ったところは、手前からも見えていたアンテナ施設で、苔むした祠があります。アンテナ施設を背に明瞭な尾根道を進んでいけば山頂で、ベンチが二つと三等三角点があります。

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 時刻は14時15分。朝飯が遅かったので何とかなりましたが、おなかぺこぺこ。。誰もいないし、とベンチに腰掛け、朝コンビニで買ったおにぎりとテルモスのお茶で遅いお昼ご飯にします。むしゃむしゃやっていると四方津の方に延びている登山道からハイカーがやってきて挨拶。しばし休憩していたその人は、そのまま上野原方向に進んでいくようだったので、一声かけようか、とも思いましたが、アンテナ施設からすぐ戻ってくるのかも知れませんし、その先に行くとしても、もう今は皆、スマホで現在地がわかる時代、余りお節介な口をきくのも…と言う感じで、目で挨拶。

 もう誰も来ないだろうと、無線機を取り出して聞いてみたものの、電波の入感も余り好くないらしく、交信している局もほとんど見つからないほど。。。時間も時間だし、ご飯を食べ終えたらすぐ下山しようということに。

 ところが、お茶を飲んでいるともう一人ハイカーが…。その方は山頂はほぼ素通りで、アンテナ施設の方へ向かわれましたが、すぐに戻ってきて、先に下山。私も腰を上げ四方津方面へのエアリア赤実線ルートへ。。。

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(名前の判らないスミレちゃん)

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 こちらの登山道はあっという間に終わってしまいますが、それでも途中の新緑と、名前は知らないけれど綺麗なスミレと、黄色い美しい花(笑)を楽しめて、「悪くない悪くない、短時間のショートコースでいいから、これからはもう少し山に行く回数を増やそうよ」と自分に語りかけながら、四方津駅へと向かったのでした。

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(新緑に包まれながら歩くのって、好いよね♪)

 四方津駅では目の前で6両編成の上り列車に置いてけぼりにされるというツキのなさ。。。ここはコンビニもないんですよね~。ただ、次の列車は10両の中央特快。この列車だと途中で特急に抜かされることもなく、乗り換えもなしで、幸い今までの経験を生かして、この時間の四方津駅からでも着席できて、ゆったりとした気分で帰途につけたのでした。

※ お花の名前、御存知の方いらっしゃいましたら、是非ご教示を!

 

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