【二十四年ぶりに東尾根で秋山二十六夜山を訪れる】 山バス情報189
【山行日】 2022年12月24日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 08:37 上野原 (中央線各駅停車)
「バス」
上野原駅南口 08:43 - 09:22 板崎 (富士急山梨バス 770円)
「歩行」
板崎バス停 09:30 - 10:00 尾根突端
尾根突端 10:05 - 10:50 920m小ピーク
920m 11:00 - 11:20 秋山二十六夜山
秋山廿六夜山 11:40 - 12:30 浜沢バス停
浜沢 12:40 - 13:20 立野峠
立野峠 13:35 - 14:50 梁川駅
「鉄道」
梁川 14:58 - 15:24 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 15:32 - 中央線某駅 (中央線中央特快東京行き)
【地形図】 「大室山」 「上野原」
(東尾根、山頂手前は美林とも言える雑木林)
気がつけば、前回の山行きから一ヶ月が経過。いろいろ理由をつけて、山をサボる悪い癖が…。この辺でいい加減歩いておかないと、また筋肉痛がおこる身体に逆戻りしてしまう、ということで、イブの日に、以前から歩きたいと思っていて凍結していたプランを実行に移してきました。
秋山二十六夜山は、このブログを始める前、というより、山歩きを始めたばかりの前世紀に歩いて以来です。当時は、秋山村行きバスと呼んでいた無生野行きのバスですが、帰りのバスが14時と16時の確か二本あったはずで、14時のバスも時間が余ってしまうほどでしたが、今は行きのバスが20分ほど繰り下がっただけでなく、一本しかなかった14時のバスも12月~3月と8月は走らなくなってしまったことについ最近気づき、廃止だけは何とか食い止めたい一心でこの日の決行となりました。
(板崎バス停にて…、午後の便が今の時期ありません…)
24年も前の山行ですが、そのときのことは好く覚えていて、今でもときどき思い出します。浜沢から登って山頂で昼寝をしたあと(笑)下尾崎に降りたのですが、下尾崎のバス停のすぐそばに生け捕りにされた熊が檻に入れられていたのを眺めながら帰りのバスを待っていたこと。行きの浜沢バス停の近くでは竈で蒸かしたまんじゅうを売っていたこと。。。
あのおまんじゅうのお店は、今でもやっているのだろうか…。それも確かめたくて、登りは松浦本『バリエーション・ハイキング』記載の東尾根、帰りは一般登山道で浜沢に降り、バスの便もないので立野峠を越えて梁川駅まで歩くというプランです。
無生野行きだけでなく、飯尾行きもバス発車時刻が繰り下がったおかげというか、電車も一本あとの乗り換えなしで行ける6両編成になったことは、まぁ、便利と言えば便利なのですが、ともかく、上野原駅に降りてみると、無生野行きのバスはすでに例のミニサイズバスがスタンバイ状態な一方、飯尾行きはバスの姿は見えずともハイカーが長蛇の列なのには、ちょっとびっくり。
無生野行きバスは乗客は三人だけ。小和田で一人降り、板崎で私が降りると残りはお一人だけ。帰りのバスがシーズンオフは運休になったのも、まぁ、仕方ないことかも。。。でもこの無生野のバスに限って言えば、このオフシーズンの方が利用したいと考えている人も多いように個人的には思います。
(遠所集落にて…)
取り付きまでは松浦本の通りですので、詳細は省きますが、拡大図にある近道を取れたので、時間と労力がセーブできたのは幸先の良いスタートでした。集落の人が、こちらを伺っているような気がしたので、491.1の三角点はパス。「林道遠所線起点」という表示に従って、林道を上がっていき、「林道遠所線終点」 という表示で突き当たった林道を左に行けば取り付きに到着です。
尾根の突端部分で念のためコンパスで方角を確認。テルモスのお茶で一息入れてからスタートです。のっけから、だれかさんの落とし物を目にしたので、ここから鈴をつけて行くことにします。
松浦本には、「踏み跡を拾って左からまわりこむ」とありますが、踏み跡は最初は右から回り込み、そのあとずっと左側を巻いて尾根に復帰するといった感じでした。そのあとの「左が雑木右が植林」というのも、私が感じた範囲では、両側とも植林といった印象です。
そして、そのあとの「右前方の踏み跡は無視」という部分ですが、私は、まだ先の話だと思っていたのと、余りに明瞭な踏み跡だったのでコブを避けるだけと思ってその踏み跡に入ってしまいました。
(この明瞭な踏み跡に入ってはいけません…)
ところがいつまでたっても尾根に復帰する気配がなく、踏み跡自体あれほど明瞭だったのがだんだん薄くなって消えてしまったため、這い上がって尾根に復帰しました。おそらく892と920mの小ピークの鞍部のあたりに這い上がったのだと思います。
このように尾根を外したあと這い上がると、労力だけでなく精神的にもダメージが大きい(笑)ので、920mのジャンクションのような小ピークで一息入れます。お茶を飲んで落ち着いたところで、コンパスで方角を確認。一見右側(北東)に伸びる尾根が与しやすく引き込まれそうなので要注意。倒木で通せんぼされている西北西が正解で、いったん下ったあとすぐに登りに転じますので、これで地形図とも一致します。
あとは高みを目指して、尾根を詰めていくだけ。山頂直下は美しい雑木林になっていて、明るい陽差しと青空に頬が緩みながら山梨百名山の標柱がある山頂に到着です。
11:20 山頂は誰もおらず、ちょうど登ってきた東尾根の入口あたりが日だまりになっていたので、ここでお湯を沸かしながらお昼ご飯にしました。
(山頂から見た東尾根は明るく雰囲気の良い尾根)
このときはちょうど風もなく、もう少しいても…という感じでしたが、今の時期は最も日が短く日没も早いため、20分ほどで山頂をあとにします。ちょうどお一人ハイカーが登ってこられたので、好い潮時だったかも知れません。
廿六夜塔で二十四年ぶりの挨拶をしたら、浜沢への一般登山道を下ります。浜沢の降り口までは尾根伝いでちょうどこのとき、強烈な北風が吹き荒れだして、耳もちぎれてしまうのではというほどの冷たさ。。。注意力が散漫になっていたためか、棚ノ入山(三日月峠)方面への径に入り込んでしまいそうになりました。
冷たい風にさらされながら進むと、赤鞍ヶ岳方面からの径を併せる分岐に着いたあたりで、ようやく風が弱まってくれてほっと一息。
この先は記憶通り急傾斜ですが、さすがに一般登山道だけあって下りやすく、凍結部分もなかったため、結構快調に下ることができました。
(かなりの急傾斜です)
倉岳山を目にしながらの下りで、「浜沢まで降りたあと、再度あの尾根を乗っ越すのか…」と思うと少し気が重くなりますが、怪我をしないように下るのが肝要と言い聞かせて下り続けます。途中にあった東屋のような休憩舎でも足を休めずに下っていけばアオゲラの森キャンプ場。車道に出て、確かあのあたりと近づいた建物には、ああよかった、まだやっていましたよ♪
「元祖 王の入まんじゅう」150円也。「みそ」と「あんこ」の二種類あったので、「みそ」を注文。立野峠への入口を確認して店をあとに。。。
立野峠への径は、これも山を始めたばかりの頃の思い出があるのですが、それはまたいつか…。お店に向かって右手の方に進めば、そこから峠道の入口までずっと指導標があります。沢沿いの植林帯をずっとさかのぼって、最後は雑木の斜面をトラバースする形で峠に出ます。
(みそまんじゅう…峠でいただきました♪)
立野峠は13時半前に到着。風もなく陽当たりも好いので、日だまりに座って、テルモスのお茶と先ほど仕入れた「みそまんじゅう」で休憩。倉岳山の方から降りてきたハイカーの方と、このあたりのバスについていろいろお話しさせていただき、しばし楽しいひとときでした。
立野峠からは、何人か足の速いハイカーに抜かされて、あの軽快なフットワークは、もう今からでは身につかないのだなぁ、と少し寂しくもあり、羨ましい気もしましたが、なに、この程度歩ければ、普通のハイキングには十分だし、早く上り下りすることがどれほどの意味があるのか…と強がってみせたりしながら(笑)、この日の山行きの喜びをかみしめつつ無事車道に降りたって、梁川駅へ。
梁川駅到着は14:50。10分も待たずに高尾行きが来ることが判り、やっぱりのんびりでいいんだ、と再認識。冬にしては強いなと感じる陽差しを浴びて電車に揺られて帰途につきました。
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コメント
ゴン太さん、あけましておめでとうございます。
無生野のバスダイヤにはちょっと驚きました。
小学生や中学生が通学に使うバスは、赤字でも補助金で便を無くすことはないと思いますが、この辺りでは過疎化で通学も無いのでしょうかねぇ。
8月はともかく、12月〜3月といえば、山歩きのシーズンですからね。
鉄道でもローカル線の減便、バスも減便や廃止、時代の流れといえばそれまでですが、不便さだけでなく一抹の寂しさを感じます。
投稿: AKIO | 2023.01.04 21:07
AKIOさん、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
無生野行きのバスダイヤはちょっとショックで、その意味もあって、日の一番短い季節にもかかわらず、決行した次第なのです。
あのあたりもそうですが、藤野や相模湖周辺のバスもだいぶ縮小されてしまって、今ではオンデマンドタクシーが、通学や地元住民の足として、そのあたりをカバーしているようです。
12月~3月は、おっしゃる通り、逆にオンシーズンの山域で、えー!と思ったりもしたのですが、この時期、帰りの便をなくしてしまったのは、やはり私も含めて帰りにあのバスを利用するハイカーがあまりいないことが一因かもしれません。
秋山温泉の無料送迎バスは便利でお得ということもあって、私ももうずいぶん長いこと帰りの便を使っていませんでした。
暖かい時期はまだ走ってくれるようですので、その時期が来たら使ってみようと思っています。
実は昨日、今年初めの山歩きだったのですが、秋山温泉の送迎バスは正月3が日は運休で、この夕方の便がなくなったのは、やっぱり痛いなぁ…と再度思ったのでした。
投稿: ゴン太 | 2023.01.04 21:28
たしかに、秋山温泉の送迎バスはお得感満載ですね。最近はあちら方面に行っていませんが、以前何度か乗りました。
無生野からのバスが無くなると、もう一度どこかの峠を越えて中央線沿線に出なければなりませんね。
高齢者には行きにくい山域になります。
投稿: AKIO | 2023.01.05 22:25
AKIOさん、秋山温泉の送迎バスは、ご存知の通り、上野原周辺の住民の方にも利用されていて、ハイカーにも好評。それでいっそうあの無生野からの帰りのバスの利用者が減ってしまったといういきさつがあります。
ハイカーが(私も含め)、寒い時期は特に帰りは秋山温泉付近に降りるようなプランを立ててしまうのは、バス待ちの時間つぶしという意味も含めて、致し方ない面もありますから、富士急さんの方でこのような運営になってしまったのも無理もないかなと。。。
暖かい時期なら、少しぐらい長い時間どこかで時間つぶしのしようもありますが、寒い時期は難しいですよね。
雨の日雪の日も空気輸送が続くなか運行を続けるのはバス会社にとっても負担が大きいのに、晴れた日も乗客無しだったりしたら、会社だけでなく運転手さんもやりがいがないと感じてしまうでしょう。マイカーのせいだけでなく、バス派の私などの利用低下も大きな原因では…と考えるようになりました。
ただ、秋山温泉より西に降りるという山行きはプランが立てられない、というのは、ものすごく不自由ですよね。個人的には、都留市の方へ行く便でもいいので、土日祝祭日だけ運行してくれないかな、なんてことを考えているんです。私が山を始めたころは、上野原に戻る便だけでなく都留市の方へ行って遠回りだけれど帰還可能なバス便があったので。。。
私個人の力ではどうにもならないのは言うまでもありませんが、今年は、そういったことを念頭に置いた山行きを心掛けたいと思うようになりました。
行きたいところへ行くのが第一ですが、頭の片隅にでもあれば状況は少し好転していくのではないかと淡い期待を抱いております。
投稿: ゴン太 | 2023.01.06 22:44
ゴン太さん
あけましておめでとうございます。
浜沢の酒まんじゅうの写真に
お便りを差し上げました。
あのおまんじゅう また食べたいとおもいました。
不便なところですよね。どうプランをたてよう
朝はやっていないし・・・
投稿: ba_sobu | 2023.01.11 06:53
あけましておめでとうございます。
浜沢の酒まんじゅう また食べたいのですが
お店の開いている時間に通りがかりません
そうなると ますます食べたくなるものですね。
プランを考える楽しみができた、ということで、考えます
二十六夜山も久しくあるいていないなぁ・・・とか。
投稿: ba_sobu | 2023.01.11 07:00
ba_sobuさん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ba_sobuさんに言われて、「大室山」の地形図を眺めて、思いついたのですが、二十六夜山の西尾根なんて言っていいのかしら(笑)、 無生野のあたりから送電線の巡視路で767を経由する尾根をたどって二十六夜山に行って、地形図に昔からある浜沢へダイレクトで降りる破線路でお饅頭を買って、立野峠でもぐもぐして、梁川駅へというのは、どうでしょうか?もちろん浜沢へ降りるのは777経由の一般登山道のほうがお気楽ではありますが…。
本当に、帰りのバスがあれば、バス待ちまで、お饅頭食べながらのんびり過ごすという手があるので、道志側から赤倉が岳を経由して降りてくるとか、サンショ平あたりから二十六夜経由で降りてくるとか、もっと簡単に倉岳から降りてくるとか無数にあるんですけれどね~。
AKIOさんへのコメントにも書きましたけれど、昔は釣場を境に都留のバスと上野原のバスがうまく連携してくれていて、お饅頭やさんに寄る機会はいくらでもあったと…今考えるとあの頃もっと歩いておけば…とレバタラなことばかり考えてしまいます(笑)。
暖かくなってから…という手もありますけれど、最近はこの辺りもヒルが出るようになってしまったといううわさをちらほら聞きますし、ここら辺は運行をやめてしまった12月から3月こそがシーズンなので、富士急さんに運行を再検討していただくように嘆願書名でも集めますか(笑)。
投稿: ゴン太 | 2023.01.11 22:58