【初めてのタワ尾根…錦繍の森】 山バス情報188
(篶坂ノ丸からウトウノ頭へ向かうあたり)
【山行日】 2022年11月06日(日)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
八高線某駅 - 04:58 拝島 (JR八高線)
拝島 04:59 - 05:18 青梅 (JR青梅線)
青梅 05:18 - 05:59 奥多摩 (JR青梅線)
「バス」
奥多摩駅 06:28 - 06:55 東日原 (西東京バス 472円:ICカード)
「歩行」
東日原バス停 07:05 - 08:15 オロセ尾根取付
尾根取り付き 08:20 - 09:30 1330小ピーク
1330 09:40 - 10:30 ウトウの頭
ウトウノ頭 10:40 - 11:00 篶坂ノ丸手前の陽当たりのいい場所
篶坂ノ丸手前 11:25 - 12:15 人形山
人形山 12:25 - 13:05 尾根末端(?)のベンチ
ベンチ 13:15 - 13:35 一石神社そばの御中食
一石神社 13:45 - 14:10 東日原バス停
「バス」
東日原 14:40 - 15:07 奥多摩駅 (西東京バス 472円:ICカード)
「鉄道」
奥多摩 15:24 - 16:08 青梅 (JR青梅線)
青梅 16:09 - 16:27 拝島 (JR青梅線)
拝島 16:29 - 八高線某駅 (JR八高線)
【地形図】 「武蔵日原」
(篶坂ノ丸から金袋山への径で…)
前回の人気(ひとけ)のない山行きに気をよくしたこともありますが、近場の山は紅葉のピークを迎えるこの時期、朝一番の東日原行きのバスで、長年行きたいと考えていたタワ尾根に挑戦してみたくなりました。
タワ尾根は最近のエアリアでは赤破線も入っていて、ここをピストンでも…と考えていたのですが、例によって松浦本『静かなる尾根歩き』を参考にオロセ尾根から入って、帰りは慎重に赤破線をたどって下山というプランにしました。
電車は奥多摩駅06:26着でも間に合いますが、最近少しだけダイヤが変わった八高線で拝島一分乗り換えができるかどうか、確認してみたかったこともありまして、朝一の八高線で出発。
ホームが違うのに1分しかない乗り換え時間ですが、まぁ、ほぼ問題なく乗り換え可能でした。乗り換えた青梅線は、ご覧のような↓内装。アドベンチャーラインなんていう名称は要らない感じもしますが、緑の森を意識したシートはいいかも(笑)。ただ、肝心の青梅から先の車両は通常の車両でシートも茶色でした。
奥多摩駅前の東日原行きのバス停には、すでにハイカーが列をつくっていて、06:12頃にはバスが入線。定刻に発車した頃には席は、ほぼ埋まってしまいました。
東日原で降車後、柔軟をしてから、ゆっくり中日原方面へと歩き出します。御存知の通り、鷹ノ巣山の登山口、「稲村岩を経て鷹巣山」の標識には赤字で「入山禁止」 「通行禁止」 というプレートがかかっています。登山道崩壊のためとありますが、どのあたりが崩落しているのでしょうか?
(悪い子なので、巳ノ戸尾根は?などと考えてしまいますが…)
大ダワ林道や唐松谷林道のような沢沿いの道ではないので、いずれ復旧してくれるとは思うのですが、昔のことを考えると、最近の奥多摩はずいぶん登山ルートが減ってしまったような印象を受けます。
鍾乳洞バス停を過ぎ、「天祖山・雲取山」と「日原鍾乳洞・酉谷山」の分岐。ここから天祖山方面への道を歩くのは、たぶん前世紀の雲取山の帰り以来。20年以上この道を歩いていませんから、ほとんど記憶に残っていません。松浦本に「日原渓流釣場でタクシーを降ろされた」とありますが、この渓流釣場のところに「車両通行止め 警視庁」の立て札があります。ただ、ゲートもなくて、実際この日この先で複数台の車に追い越されました。
(タクシーだと、ここで降ろされるようです)
追い抜かれたせいではないですが、八丁橋までは、久しぶりだったせいでしょう、長く感じました。さすがに八丁橋の先はゲートが閉じられていて、天祖山を指す指導標のあたりにマイカーが数台駐車しています。オロセ尾根の取付の木段前でさすがに疲れてしまったので、この先の急登に備え、テルモスのお茶で小休止。
休憩後、登り始めてみると、松浦本にある作業道、これが、道型もはっきりしていて、ほどよい傾斜、その割には高度をぐんぐん稼いでくれる感じで、下手な登山道よりずっと好い感じです。
(植林帯をこなすと自然林となって…)
最初は植林帯ですが、1000mあたりから自然林となって、紅葉も楽しめる↑のが素敵です。 「火気注意」の丸いプレートがなかなか見つからなかったので、ピンクのテープもあるし、と尾根通しに行くことにしましたが、その先で再び交差した作業道を少したどると「火気に注意 東京都水道局水源林事務所」の黄色い丸プレートが見つかりました。
ちょうど、そのあたりから次の休憩地、1330小ピークあたりまでがこの日のオロセ尾根の紅葉の見頃になっていた感じで、赤、橙、黄色、緑のグラデーションが陽の光に輝き、ひときわ光彩を放っていた感じでした。
(見上げるたび、ため息が出るほどの紅葉…)
通常500mの標高差を一時間ちょいで登るというのは、私には少々無理なペースなのですが、作業道の歩きやすさと紅葉に助けられて(特に意識してペースを上げたわけでもないのに)、登れてしまったようでした。
1330mの小ピークは地形図ではわかりにくいと思いますが、小ピークからは必ず支尾根が派生しているわけで、実際南西に派生している尾根がここではオロセ尾根より目立つ格好になっており、下りにとる際は気をつけなければいけない場所です。
1330から篶坂ノ丸までの百メートル余の標高差も錦繍に包まれながら登る快感で、ほとんど苦になりません。水源林の森はやはり紅葉が素晴らしい、そんな思いを新たにしてタワ尾根に到着です。
(篶坂ノ丸への登りも傾斜が苦にならないほど…)
篶坂ノ丸に着いたのは10時前。往復しても1時間ちょっとだろうからとの目算が立ちましたので、ウトウノ頭を目指します。ここから高度を上げても紅葉は終わっているだろうから、あまり意味はないのでは、と思うかも知れませんが、やはりあの山名標を、実物を目にしたい(笑)という、ほとんどそれだけの理由で行ってきました。
地形図の1443からウトウノ頭の肩とも言える1550mまでの急登は地形図を見てわかっていました。しかし、この1550m地点に上がったところに変なロープが張ってあって、何だろう?と思っていたのですが、これは戻って篶坂ノ丸から下るところにも同じようなものが張ってあって、そこで意味がわかりましたので後述しますが、ともかく、この1550から先が結構大変な道のりでした。
地形図で見ると、ほとんど平面みたいな広い尾根を少し上がれば三角点の1587.9に着ける感じに見えたのですが、結構やせた尾根で岩場もあり、それがちょっと意外でした。着いてみれば、三角点のそばの立木に例の山名標識があって、山頂には誰もいなかったので、テルモスのお茶で一休みしてから下ることにしました。
山頂からは、樹林越しですが、(おそらく)雲取山や芋木のドッケ、それに手前に天祖山の痛々しい姿も見えていましたが、展望を楽しむという雰囲気ではなく、樹林に囲まれた山頂といった趣きです。
来た道を戻って、篶坂ノ丸へ。おなかも空いてきたし、篶坂ノ丸の山頂は特にこれといった展望があるわけでもないし、ということで、篶坂ノ丸手前(おそらく1443と1456の鞍部からちょっと上がったあたり?)が陽当たりも好く、和めそうな雰囲気だったので、お湯を沸かしてゆっくりランチタイムにしました。
(ランチ場所)
休憩後はタワ尾根の下りです。人も結構入っているし、赤破線がエアリアに入っていることもあって、余り不安はありませんでしたが、得てしてそういう慢心は、間違いをおかしやすいもの…。篶坂ノ丸を過ぎ、ハイカーに挨拶してまもなく、1430m地点で、1550m地点でも見たロープを発見。これをコンパスで確認もせず、一瞬「右下に見える細い尾根に入り込まないで」というメッセージかと思ってしまいました。
松浦本には「黄色テープを確認して右下に進む」と書かれていますが、十数年前の黄色テープが今もあるはずもなく、ここにはピンクテープがあって、その両サイドに「直角に」ロープが渡されているのです。この直角にというロープの張り方は上の1550もそうだったけれど、少しわかりにくい気が…。
幸いすぐに松浦本の一節が思い出され、コンパスで方角を見ると、まさにその細い右下に見える尾根が目指すべき方向であることを確認。先ほど挨拶したハイカーがそちらに向かわれるのを見て、とにかくロープがなければ危うく間違いそうだったという事実に自分の未熟さを再認識させられました。
(下るべき方角の尾根)
1550と1430、どちらも地形図を「よくよく」見れば、ここが下りにとった場合に間違った方向に引き込まれやすい箇所の独特な形をしていることに気づきますが、この1430の方はかなり細かく見ないと気づきません。あそこを道なり(?)に下ってしまうと北東のきわめて急峻な支尾根に入り込んでしまうので本当に危険です。
さて、そのミステイクを回避後はピンクテープと尾根に留意しながらの下りですが、紅葉を堪能できました。下部に行けば行くほどハイカーの数も増えて、皆さん、思い思いに紅葉を楽しまれ、頬が緩んでいるのがわかります。ちょうどお昼時に通過した金袋山ではランチ中のファミリーもいらっしゃったぐらいで、人気(ひとけ)のない山行とはいきませんが、この錦繍の森の山歩きに私自身大満足です。
(金袋山から人形山への径でも…)
人形山で、無事尾根下りができていることを確認して、ここでまたお茶休憩。松浦本には山名標はないと書かれていましたが、金袋山も人形山も複数の山名標が見つかりました。
人形山で休憩中に、朝バスの車内でもらったバス時刻表を見ると、14:40にバスがあり、二時間以上あるし焦らずゆっくり行こうと腹が決まり、とりあえず、松浦本にもあった巨樹コースという東の尾根を下っていったのですが、巨樹コースの標識は見当たらず、ピンクテープがあるので、これに従って行けば…とたどっていくとまもなく尾根を外れて一石山の稜線方向に導かれます。
エアリアの赤破線は一石山へ向かってトラバースのように描かれているので、そういうことか…、と思ったのですが、実際には一石山の尾根に立ってから10分ほどの下りで一石山に着きました。つまりだいぶ手前をトラバースする径だったというわけです。。。
尾根に立ったところは植林で、これで紅葉狩りも終わりか…と思っていたのですが、再び自然林の森に…一石山の紅葉もなかなかのものですね。
(一石山でもこんなに綺麗な紅葉が…)
最後の最後まで紅葉を楽しませてくれてありがとう、という感じで、尾根の末端で今度はわかりやすいロープと小さな標識「日原→ この先急坂!歩行注意」で、本当に大変な急坂下り(笑)を何とか転倒せずに降りきるとベンチがあり、ここで下り疲れた足を足休め。
最後は樹木に「くり」とか「ぶな」とか書かれたプレートが散見され、結構な下りをこなしながら、こっちから登ると、のっけから急登なんだなぁ…などと思いながら、何とか一石神社に着地。
(一石神社で無事下山のお礼をして…)
目の前の舗装道は日原鍾乳洞を訪れる観光客で結構な賑わい、たこ焼き屋さんが営業中でしたが、ビールはないというので、先へ進むと食堂のようなお店があって、ここでビールをゲット。
東日原の「ほうじょうや」さんはもうやっていないので、ここしかないと400円もするレギュラー缶を二本も買って、一本は、その食堂で飲み干し、もう一本は30分ほど歩いたあとバス待ちの間にゴクゴク。
14:40のバスは、奥多摩で15:12分のホリデー快速に好い連絡ですが、私の場合はこれに乗ってもそのあとの青梅行きでも帰る時刻にほとんど変わりない…。ホリデー快速は座れないような感じだったので(実際には後ろの車両に空席があったようです)、何も都会に帰る疲れたハイカーの座席を奪うこともあるまい、と田舎暮らしのハイカーは12分後の普通電車で、帰りのお酒にはありつけないだろうと、ザックに忍ばせておいたワインのミニボトルを呑みながら帰途についたのでした。。。
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