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2022.11.13

【初めてのタワ尾根…錦繍の森】 山バス情報188

 

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(篶坂ノ丸からウトウノ頭へ向かうあたり)

【山行日】 2022年11月06日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅 - 04:58 拝島 (JR八高線)
拝島 04:59 - 05:18 青梅 (JR青梅線)
青梅 05:18 - 05:59 奥多摩 (JR青梅線)

「バス」
奥多摩駅 06:28 - 06:55 東日原 (西東京バス 472円:ICカード)

「歩行」
東日原バス停 07:05 - 08:15 オロセ尾根取付
尾根取り付き 08:20 - 09:30 1330小ピーク
1330   09:40 - 10:30 ウトウの頭
ウトウノ頭  10:40 - 11:00 篶坂ノ丸手前の陽当たりのいい場所
篶坂ノ丸手前 11:25 - 12:15 人形山
人形山    12:25 - 13:05 尾根末端(?)のベンチ
ベンチ    13:15 - 13:35 一石神社そばの御中食
一石神社   13:45 - 14:10 東日原バス停

「バス」
東日原  14:40 - 15:07 奥多摩駅 (西東京バス 472円:ICカード)

「鉄道」
奥多摩 15:24 - 16:08 青梅 (JR青梅線)
青梅  16:09 - 16:27 拝島 (JR青梅線)
拝島  16:29 -  八高線某駅 (JR八高線)


【地形図】 「武蔵日原」

 

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(篶坂ノ丸から金袋山への径で…)


 前回の人気(ひとけ)のない山行きに気をよくしたこともありますが、近場の山は紅葉のピークを迎えるこの時期、朝一番の東日原行きのバスで、長年行きたいと考えていたタワ尾根に挑戦してみたくなりました。

 タワ尾根は最近のエアリアでは赤破線も入っていて、ここをピストンでも…と考えていたのですが、例によって松浦本『静かなる尾根歩き』を参考にオロセ尾根から入って、帰りは慎重に赤破線をたどって下山というプランにしました。

 電車は奥多摩駅06:26着でも間に合いますが、最近少しだけダイヤが変わった八高線で拝島一分乗り換えができるかどうか、確認してみたかったこともありまして、朝一の八高線で出発。

 ホームが違うのに1分しかない乗り換え時間ですが、まぁ、ほぼ問題なく乗り換え可能でした。乗り換えた青梅線は、ご覧のような↓内装。アドベンチャーラインなんていう名称は要らない感じもしますが、緑の森を意識したシートはいいかも(笑)。ただ、肝心の青梅から先の車両は通常の車両でシートも茶色でした。

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 奥多摩駅前の東日原行きのバス停には、すでにハイカーが列をつくっていて、06:12頃にはバスが入線。定刻に発車した頃には席は、ほぼ埋まってしまいました。

 東日原で降車後、柔軟をしてから、ゆっくり中日原方面へと歩き出します。御存知の通り、鷹ノ巣山の登山口、「稲村岩を経て鷹巣山」の標識には赤字で「入山禁止」 「通行禁止」 というプレートがかかっています。登山道崩壊のためとありますが、どのあたりが崩落しているのでしょうか? 

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(悪い子なので、巳ノ戸尾根は?などと考えてしまいますが…)

 大ダワ林道や唐松谷林道のような沢沿いの道ではないので、いずれ復旧してくれるとは思うのですが、昔のことを考えると、最近の奥多摩はずいぶん登山ルートが減ってしまったような印象を受けます。

 鍾乳洞バス停を過ぎ、「天祖山・雲取山」と「日原鍾乳洞・酉谷山」の分岐。ここから天祖山方面への道を歩くのは、たぶん前世紀の雲取山の帰り以来。20年以上この道を歩いていませんから、ほとんど記憶に残っていません。松浦本に「日原渓流釣場でタクシーを降ろされた」とありますが、この渓流釣場のところに「車両通行止め 警視庁」の立て札があります。ただ、ゲートもなくて、実際この日この先で複数台の車に追い越されました。

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(タクシーだと、ここで降ろされるようです)

 

 追い抜かれたせいではないですが、八丁橋までは、久しぶりだったせいでしょう、長く感じました。さすがに八丁橋の先はゲートが閉じられていて、天祖山を指す指導標のあたりにマイカーが数台駐車しています。オロセ尾根の取付の木段前でさすがに疲れてしまったので、この先の急登に備え、テルモスのお茶で小休止。

 休憩後、登り始めてみると、松浦本にある作業道、これが、道型もはっきりしていて、ほどよい傾斜、その割には高度をぐんぐん稼いでくれる感じで、下手な登山道よりずっと好い感じです。

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(植林帯をこなすと自然林となって…)

 最初は植林帯ですが、1000mあたりから自然林となって、紅葉も楽しめる↑のが素敵です。 「火気注意」の丸いプレートがなかなか見つからなかったので、ピンクのテープもあるし、と尾根通しに行くことにしましたが、その先で再び交差した作業道を少したどると「火気に注意 東京都水道局水源林事務所」の黄色い丸プレートが見つかりました。

 ちょうど、そのあたりから次の休憩地、1330小ピークあたりまでがこの日のオロセ尾根の紅葉の見頃になっていた感じで、赤、橙、黄色、緑のグラデーションが陽の光に輝き、ひときわ光彩を放っていた感じでした。

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(見上げるたび、ため息が出るほどの紅葉…)

 

 通常500mの標高差を一時間ちょいで登るというのは、私には少々無理なペースなのですが、作業道の歩きやすさと紅葉に助けられて(特に意識してペースを上げたわけでもないのに)、登れてしまったようでした。

 1330mの小ピークは地形図ではわかりにくいと思いますが、小ピークからは必ず支尾根が派生しているわけで、実際南西に派生している尾根がここではオロセ尾根より目立つ格好になっており、下りにとる際は気をつけなければいけない場所です。

 1330から篶坂ノ丸までの百メートル余の標高差も錦繍に包まれながら登る快感で、ほとんど苦になりません。水源林の森はやはり紅葉が素晴らしい、そんな思いを新たにしてタワ尾根に到着です。

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(篶坂ノ丸への登りも傾斜が苦にならないほど…)

 

 篶坂ノ丸に着いたのは10時前。往復しても1時間ちょっとだろうからとの目算が立ちましたので、ウトウノ頭を目指します。ここから高度を上げても紅葉は終わっているだろうから、あまり意味はないのでは、と思うかも知れませんが、やはりあの山名標を、実物を目にしたい(笑)という、ほとんどそれだけの理由で行ってきました。

 地形図の1443からウトウノ頭の肩とも言える1550mまでの急登は地形図を見てわかっていました。しかし、この1550m地点に上がったところに変なロープが張ってあって、何だろう?と思っていたのですが、これは戻って篶坂ノ丸から下るところにも同じようなものが張ってあって、そこで意味がわかりましたので後述しますが、ともかく、この1550から先が結構大変な道のりでした。

 地形図で見ると、ほとんど平面みたいな広い尾根を少し上がれば三角点の1587.9に着ける感じに見えたのですが、結構やせた尾根で岩場もあり、それがちょっと意外でした。着いてみれば、三角点のそばの立木に例の山名標識があって、山頂には誰もいなかったので、テルモスのお茶で一休みしてから下ることにしました。

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 山頂からは、樹林越しですが、(おそらく)雲取山や芋木のドッケ、それに手前に天祖山の痛々しい姿も見えていましたが、展望を楽しむという雰囲気ではなく、樹林に囲まれた山頂といった趣きです。

 来た道を戻って、篶坂ノ丸へ。おなかも空いてきたし、篶坂ノ丸の山頂は特にこれといった展望があるわけでもないし、ということで、篶坂ノ丸手前(おそらく1443と1456の鞍部からちょっと上がったあたり?)が陽当たりも好く、和めそうな雰囲気だったので、お湯を沸かしてゆっくりランチタイムにしました。

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(ランチ場所)

 

 休憩後はタワ尾根の下りです。人も結構入っているし、赤破線がエアリアに入っていることもあって、余り不安はありませんでしたが、得てしてそういう慢心は、間違いをおかしやすいもの…。篶坂ノ丸を過ぎ、ハイカーに挨拶してまもなく、1430m地点で、1550m地点でも見たロープを発見。これをコンパスで確認もせず、一瞬「右下に見える細い尾根に入り込まないで」というメッセージかと思ってしまいました。

 松浦本には「黄色テープを確認して右下に進む」と書かれていますが、十数年前の黄色テープが今もあるはずもなく、ここにはピンクテープがあって、その両サイドに「直角に」ロープが渡されているのです。この直角にというロープの張り方は上の1550もそうだったけれど、少しわかりにくい気が…。

 幸いすぐに松浦本の一節が思い出され、コンパスで方角を見ると、まさにその細い右下に見える尾根が目指すべき方向であることを確認。先ほど挨拶したハイカーがそちらに向かわれるのを見て、とにかくロープがなければ危うく間違いそうだったという事実に自分の未熟さを再認識させられました。

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(下るべき方角の尾根)

 

 1550と1430、どちらも地形図を「よくよく」見れば、ここが下りにとった場合に間違った方向に引き込まれやすい箇所の独特な形をしていることに気づきますが、この1430の方はかなり細かく見ないと気づきません。あそこを道なり(?)に下ってしまうと北東のきわめて急峻な支尾根に入り込んでしまうので本当に危険です。

 さて、そのミステイクを回避後はピンクテープと尾根に留意しながらの下りですが、紅葉を堪能できました。下部に行けば行くほどハイカーの数も増えて、皆さん、思い思いに紅葉を楽しまれ、頬が緩んでいるのがわかります。ちょうどお昼時に通過した金袋山ではランチ中のファミリーもいらっしゃったぐらいで、人気(ひとけ)のない山行とはいきませんが、この錦繍の森の山歩きに私自身大満足です。

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(金袋山から人形山への径でも…)

 

 人形山で、無事尾根下りができていることを確認して、ここでまたお茶休憩。松浦本には山名標はないと書かれていましたが、金袋山も人形山も複数の山名標が見つかりました。

 人形山で休憩中に、朝バスの車内でもらったバス時刻表を見ると、14:40にバスがあり、二時間以上あるし焦らずゆっくり行こうと腹が決まり、とりあえず、松浦本にもあった巨樹コースという東の尾根を下っていったのですが、巨樹コースの標識は見当たらず、ピンクテープがあるので、これに従って行けば…とたどっていくとまもなく尾根を外れて一石山の稜線方向に導かれます。

 エアリアの赤破線は一石山へ向かってトラバースのように描かれているので、そういうことか…、と思ったのですが、実際には一石山の尾根に立ってから10分ほどの下りで一石山に着きました。つまりだいぶ手前をトラバースする径だったというわけです。。。

 尾根に立ったところは植林で、これで紅葉狩りも終わりか…と思っていたのですが、再び自然林の森に…一石山の紅葉もなかなかのものですね。

 

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(一石山でもこんなに綺麗な紅葉が…)

 

 最後の最後まで紅葉を楽しませてくれてありがとう、という感じで、尾根の末端で今度はわかりやすいロープと小さな標識「日原→ この先急坂!歩行注意」で、本当に大変な急坂下り(笑)を何とか転倒せずに降りきるとベンチがあり、ここで下り疲れた足を足休め。

 最後は樹木に「くり」とか「ぶな」とか書かれたプレートが散見され、結構な下りをこなしながら、こっちから登ると、のっけから急登なんだなぁ…などと思いながら、何とか一石神社に着地。

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(一石神社で無事下山のお礼をして…)

 

 目の前の舗装道は日原鍾乳洞を訪れる観光客で結構な賑わい、たこ焼き屋さんが営業中でしたが、ビールはないというので、先へ進むと食堂のようなお店があって、ここでビールをゲット。

 東日原の「ほうじょうや」さんはもうやっていないので、ここしかないと400円もするレギュラー缶を二本も買って、一本は、その食堂で飲み干し、もう一本は30分ほど歩いたあとバス待ちの間にゴクゴク。 

 14:40のバスは、奥多摩で15:12分のホリデー快速に好い連絡ですが、私の場合はこれに乗ってもそのあとの青梅行きでも帰る時刻にほとんど変わりない…。ホリデー快速は座れないような感じだったので(実際には後ろの車両に空席があったようです)、何も都会に帰る疲れたハイカーの座席を奪うこともあるまい、と田舎暮らしのハイカーは12分後の普通電車で、帰りのお酒にはありつけないだろうと、ザックに忍ばせておいたワインのミニボトルを呑みながら帰途についたのでした。。。

 

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2022.11.05

【落合から黄葉の伝通院・倉掛山】 山バス情報187

 

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(伝通院山頂…黄葉がちょうど好い感じでした♪)

 

【山行日】 2022年10月29日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」

八王子  06:35 - 07:51 塩山 (JR中央線各駅停車)

「バス」
塩山駅 08:30 - 09:30 落合 (山梨交通 1100円)

「歩行」
落合バス停 09:40 - 10:15 1322m地点(?)
1322m 10:25 - 11:25 伝通院
伝通院   11:50 - 12:50 絵図小屋山
絵図小屋山 13:10 - 14:10 白沢峠
白沢峠   14:20 - 15:48 天科バス停

「バス」
天科 15:51 - 16:45 塩山駅 (山梨交通 790円)

「鉄道」
塩山 17:08 - 18:37 高尾 (JR中央線各駅停車 ダイヤ大幅乱れ)
高尾 18:38 - 中央線某駅  (JR中央線 快速東京行き)


【地形図】「柳沢峠」

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(1578.2三角点手前の尾根で…)

 

 山歩きを再開してから、ずっと観光地のような人の多いところばかりで、そろそろ静かな山歩きを楽しみたいな、ということで、いくつか候補はあったのですが、前々回の山行きの帰りのに使った山梨交通のバス、せっかく柳沢峠を越えて落合まで行ってくれているのだし、ということで、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』に掲載されている伝通院、これの倉掛山から先の下山を一般登山道にとれば、今の私の実力でも何とかなるのでは…との目論見で計画していました。

 ただ、自由乗降区間でピタリと御屋敷の林道入口で停めるのは、柳沢峠から先に行ったことのない私には相当難しそうですし、何よりこういう路線バスの終点まで行って、そこのバス停写真を撮りたい、ということもありまして、地形図「柳沢峠」の落合からの破線路を追って伝通院に立ってみようという、ちょっと生意気な試みになってしまいました。


 この日は、06:35八王子発の次で行くつもりで家を出たのですが、その松本行きにほぼピタリと間に合ってしまいまして、座れるようだったらこれで行ってしまおうと、最後尾から乗り込んだにも関わらず座れてしまいました。予定よりひとつ早い列車で塩山に到着。これがあとになって意外にも功を奏しました。

 塩山駅でバス停に行ってみると、すでに落合行きのバス停にザックがいくつも並んでいて、びっくり。あとの列車で来た登山客を乗せると車内はすし詰め。。。大菩薩峠登山口では半分も降りず、柳沢峠で降ろしたあとも、車内の席はほぼ埋まっていました。そしてなんと驚くべきことには、鶏冠山の登山口で自由乗降後も、車内にはなおも私を含め5人の乗客。これは本当に意外な展開でした。

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(終点・落合バス停では折り返さず、バスは丹波方面へ…)

 

 バスは全ての乗客を降ろした後、丹波方面に走り去っていきましたが、このバス停の塩山行きの発車時刻は30分後の10:00。どこで転回するのでしょうかね。。。そこまで頼めば乗せて行ってくれるのでしょうか??? 転回するバスの写真も撮ろうと考えていたのですが、それは残念ながら叶いませんでした(笑)。

 あと余計なことかも知れませんが、この落合バス停前には酒屋さんがあります。でも土日は営業していないかも知れませんから、帰りの便に使う際にバス待ちの間ビールをなんてことは期待しない方が好いかもしれません(笑)。

 今日は一応バリエーションハイキングですから、柔軟を念入りに行ってから出発です。松浦本にもある落合水源林管理事務所の一番丹波寄りに「100年の森 水道水源林 ハビロ沢」の標識がありますから、素直にそこから取り付きます。すぐに水源林の略図とその由来の書かれた看板↓が現れ、「遥拝殿跡」の先から伸びる破線が目指す尾根に乗るルートと判断し、そこを目指して登っていきます。

 

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(100年の森 説明板 クリック拡大可)


 遥拝殿跡は、土台のみがあってその由来が書かれた看板もあり、それによれば多摩川源流の水干にまつられた水神社奥宮の遥拝殿だったそうです。苔むしたベンチもあり、遙拝山の石柱も建っています。


 その先に奥へ奥へと進んでいくと尾根らしきところに乗れたのですが、明瞭な巡視路(?)は尾根の真上ではなく、脇につけられており、尾根を外さないように気をつけながら、登っていきました。

 さすがに水源林だけあって、色づきはじめではありましたが黄葉が綺麗です。とくに陽差しがあると輝きが一層増して好いですね。ただ色づきはじめのせいか、樹木の種類のせいか、赤色が少なく、あっても色づきが今ひとつといった感じでした。

 

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(1200mから下は、まだ色づき始め)

 地形図と照合して、1322はこのあたりかな、という地点で最初の休憩を入れました。その後の尾根の曲がり方からいっても間違っていなかったと思いますが、特に何の標識も見つかりませんでした。歩き始めて30分ほどで休憩を取ったのは、疲れてしまったからと言うより、やっぱり鈴をつけた方が良さそうだということがありました。落合で降りたうちの一人ぐらいは同じルートをとってくるかも知れないと思っていましたが、どうもそうではない様子でしたので。。。

 1322から先は、もう巡視路が尾根を大きく外すことはないという判断に傾いてしまったのと、尾根筋の踏み跡に大きく木が横渡しにされていたりしたこともありまして、尾根の巻き道のような水平径(明瞭な巡視路)に入り込んでしまいました。 一度は尾根に戻れたものの、急傾斜を嫌って再び巻き道に入り込んでからが、間怠っこしい道のり。。。同じところをぐるぐる回らされている感じです(笑)。すぐそこに伝通院としか考えられないピークがあるのがわかっていたので、植林の保護策にマーキングらしきものを見つけて、洒落臭いとばかりに巡視路から外れて這い上がってしまいました。

 笹に隠れ踏み跡も不明瞭な伝通院の山頂部ですが、ちょうど黄葉が綺麗で時刻も11時半と、まぁ予定通り。。。この静かな山頂でお昼ご飯に決めました。

 

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(紅葉を楽しみながら、おにぎり)

 

 お昼ご飯を済ませたら、コンパスで方角を定め、西へ降りる踏み跡を探して降りてゆきます。防火帯のようになっていますし、降りる先の鞍部(エアリアで「下の大ダル」と表記)に林道が通っているのも見えますので、伝通院から先は松浦本通りでわかりやすいです。

 

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(防火帯のような、西への道のり…鞍部に林道が見えます)

 

 林道を突っ切り「警告!バイク進入禁止」の看板の裏に明瞭な径が延びていますので、しばらくはこれに従い歩いて行きますが、松浦本の「やがて左から道が合わさる」の道は、よくわかりませんでした。これかな、と言うのがありましたが、道といえるほどのものかどうか…。あと「上の大ダル」には標識がありましたが、トタンの屋根というより、廃棄されたトタンのゴミといった感じで、雨宿りにはとても使えません(笑)。

 少しフライング気味に、明瞭な道を離れて笠取林道より手前で尾根に乗って、小笹の尾根道を楽しみながら登っていきましたが、覚悟していたものの、絵図小屋山(松浦本では「墨川山」と表記)への最後の登りは、それなりに絞られました(笑)。

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(気持ちの好い小笹の尾根道)

 

 1740m峰の絵図小屋山は、足も疲れたし、眺めも好いし、ということで、お湯を沸かして、紅茶を煎れてゆっくり休憩。富士山は見えなかったものの、山頂は開放的な雰囲気で、ここは倉掛山よりも一息入れるのには好いなという印象でした。

 予定通り、白沢峠経由の一般登山道で下山です。防火帯の広々した尾根をいったん下り、そこから、こんなに登るんだっけ???というぐらい壁のように立ちはだかっている倉掛山へ。

 このとき、足が痛み出して、なかなか足が上がらず、結構な時間をかけて倉掛山へ登頂(笑)。少しだけ倉掛山南西尾根の様子を偵察してから、白沢峠へ。

 幸い、足の痛みは急登を登るときだけで、下りや、少しのアップでは痛みはほとんど出なかったので、防火帯の尾根道をのんびり下っていきます。さすがに1700mあたりだともうほぼ落葉していますが、それでもこの開放感は、気持ちの好いものです。

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(防火帯の尾根下りは気持ち好い!)

 

 で、前回、倉掛山から下りたときは、あっさりと一般登山道の笠取林道に降りて白沢峠まで行ったのですが、今回は最近のエアリアにも書いてある尾根通しの方へいってみることに…、というか正直に申し上げますと、伝通院への登りで尾根を外してしまったのに懲りて、尾根側尾根側と歩いているうちに林道に降りる降り口に気がつかなかったのです(笑)。

 こちらはなかなかしっかりした踏み跡ですし、古い地形図には載っていない1578.2m三角点や結構綺麗な紅葉にも出会えたので歩けて好かったです。

 その三角点から右に折れる形で下っていけば、やがて白沢峠。標識はいろいろありますが、何と言ってもあの廃車が一番の目印(笑)ですね。峠道は結構な急傾斜という自分の記録があったので、ひとまず白沢峠で小休止。足が休まったところで、峠道を天科・円川方面へと下っていきます。

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 最近のエアリアでは「道狭く荒廃ぎみ」との表記があるとおりで、山を始めたばかりの初心者には、下りの場合、ちょっとわかりにくい径になってしまったな、、、という印象。径が狭いというか不明瞭な箇所が何カ所かあり、特に最初の方で、これから沢を高巻いていく、というその地点で、沢面に降りてしまいかねないミストレースがあります。ここで沢に降りてしまうと、そのあとはおそらく初心者には「道迷い遭難コース」になってしまうでしょうから、早々に沢に降りてしまったら、道間違いですので、すぐに戻らないといけません。

 しばらく沢音をはるか下に聞くような右岸の高巻き道が続き、いつまで高巻くんだろう?という頃に急降下していきます。沢を渡り返すのは、土道が終わってからで、そこまではピンクテープがずっとあります。ただ、肝心のミストレース部分にはテープの目印は見当たりませんでしたので要注意です。

 無事、140号のバス通りに出ると、ちょうど山梨交通の西沢渓谷に向かうバスがやってくるのに出会い、あのバスが戻ってくる頃に、ちょうどバス停につけるかな、という感じでとりあえず、芹沢バス停方向へ歩きます。

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 もちろん、自由乗降区間はわかっていますので、後ろに車の音が聞こえるたびに振り返りながら、車道を南下。しかし、芹沢バス停は見逃してしまったらしく(笑)、対岸の円川バス停で、山梨市の市営バスはもう行ってしまったことを確認。やっぱりあの山梨交通のバスで帰るのか…と思ったのですが、なかなか山梨交通のバス停が現れません(笑)。

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 ようやく着いた天科バス停では、登山者がお二人バス待ち。「紅葉が綺麗でしたね」とのお言葉をいただき、お二人はおそらく黒金山だったのだろうとは思ったのですが、紅葉が見頃だったことには変わりなく、「ホント、ぴったりでしたね」と返答して、まもなくやってきたバスは運良く座れて、塩山駅へ。

 塩山駅では、初狩駅での人身事故で、ダイヤが大幅乱れ。みなさん、各駅の前に出る「かいじ」で帰途につかれたようでしたが、私は、なにも今日中に帰れないわけではないし…と、先にホームにやってきた普通列車高尾行きで…。例によってお土産屋さんで仕入れたビールとワインを味わい、途中3本か4本だったか特急に抜かされ、50分以上の遅れもなんのその、ガラガラの車内に気分も好く、家路についたのでした。

 

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