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2019.01.24

【鳥井立北尾根から池之上経由で阿夫利山】 山バス情報178

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(鳥井立=御牧戸山から素敵な尾根道を下る)

【山行日】 2019年01月19日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 07:31 高尾  (JR中央線各駅停車)
高尾 07:47 - 08:08 上野原 (JR中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅 08:35 - 09:11 釣場 (富士急山梨バス 670円)

「歩行」
釣場バス停 09:15 - 10:05 580m付近小平地
580m  10:15 - 10:45 805m付近恩賜標
恩賜標   10:55 - 11:35 鳥井立近くの展望地
展望地   12:00 - 12:40 池ノ上
池ノ上   12:45 - 13:20 金波美峠
金波美峠  13:30 - 14:15 阿夫利山
阿夫利山  14:20 - 15:30 秋山温泉

「温泉」
秋山温泉  15:30 - 16:20 (市外一般 800円)

「バス」
秋山温泉 16:30 - 16:45 上野原駅 (無料送迎バス)

「鉄道」
上野原 16:52 - 17:08 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾  17:15 - 中央線某駅  (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「大室山」

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(鳥井立から少し下ったところの展望:左に大室山と大室指集落、右に富士山)

 ハムストリングの違和感も消えたので、いい加減まともな山歩きがしたい、ということで選んだのが松浦本『バリエーションルートを楽しむ』51の鳥井立北尾根-池之上-金波美峠のコース。

 無生野行きのバスを行き帰りで使うコースとして推奨されているのですが、松浦さんのコースタイムは時々とんでもなく厳しいコースタイムだったりする(笑)ため、鈍足の私でも帰りの15時前のバスに間に合うものかどうか、いまひとつ自信がありません。

 そこで、土曜なら秋山温泉の無料送迎バスもあるので、土曜日に行ってみて、もし間に合わなければ秋山温泉に金波美峠からエスケープという、万全の体制で臨むことにしました。

 無生野行きバスは3年前に立たされた苦い経験がまだ記憶に残っていて(笑)、今回は上野原08:08着で行きましたが、さすがにオフシーズンだけあって、ハイカーは私とあともう一人だけで、他は地元の方が2人。ガラガラで発車しました(ただ、飯尾行きのバスは相変わらずの人気で、08:08頃から列が出来ていて、バスの座席はほぼ埋まっていたようです)。

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(無生野行きのバスはガラガラ)


 無生野行きのバスは昔のように奥牧野を経由するルートに戻っていて、これがバス道路かというほど狭い路をくねくねと走り、ああ、これぞ山のバスだなぁ…との思いが甦り、嬉しくなりました。

 釣場バス停で降りたのはもちろん私だけ。ストレッチをしたら、すぐ左手にある橋を渡ります。右に舗装道路を分けて左手の舗装道に入ったところに松浦本でも記載のある、この看板↓がありますが、

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 これは、「峠道」とあるところから察するに、地形図にある長尾と鳥井立の中間部に行く破線路のことを指しているのではないかと思います。とはいえ、この径が現在も使い物になるのかどうかというと甚だ疑問です。前回鳥井立を訪れたとき、一応この破線路のことを気にしてはいたのですが、それらしき経路はもちろん、栗谷や秋山村を示す標識は稜線上に見つけられませんでした。

 栗谷林道は、そのような名称が記された標識は無いようですが、電柱に「栗谷502」等の表示があることから、それとわかります。今ではもう未舗装部分はなく、完全舗装されています。

 取り付きはわかりにくいかも知れません。「秋山村分収造林地」の白看板は林道にはなく、尾根に上がった少し先にあります。地形を観察していれば尾根末端部を見逃すことはないとは思いますが、左手のゴルフ場に池が見えてきたところで右手に注意していれば踏み跡は見つかると思います。踏み跡のすぐそばの電柱に「栗谷526」とあります。

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(このゴルフ場のコースに池が見えてくると取付は近い)

 尾根に上がれれば、あとは尾根づたいに地道に高みを目指していけば良いだけなので、こと登りに関する限りは迷う心配はほとんどありません。踏み跡もまあまあありますし、ヤブはありません。ただ、思ったほど自然林は多くなく、870mで松浦本にあるように雑木になるのですが、ずっと雑木が続くのではなく、その後も植林が出てきます。

 また明らかにこのあいだの台風によるものと思われる倒木(根本ごと倒れていたり、途中でへし折ったように折れている)が植林帯に結構ありました。
 こういった状況は予め予想できていたので、時間にとらわれることなく、途中明るい雰囲気の場所で気の向いたときに休憩を取るという形でのんびり登っていきました。

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(倒木 ひどいところはこんな有様)

 私の場合は、580m近辺にある小平地(近くの立木に赤いビニールテープが巻かれている)と、805m近辺の恩賜標と境界見出標がある二地点で休憩を取りましたが、どちらも陽当たりが好く、結果的にその後の急登に備えることも出来て、休憩箇所は当たりだったと思っています。

 最後は等高線を見て覚悟していた通りの急登で、鳥井立には11時半頃登り着きましたが、山頂よりも少し厳道峠方面に降りたところにある「富士大室見岩」と私が勝手に名付けた場所の方が展望も陽当たりも好いのが前回訪問で判っていましたので、そちらに行ってお昼休憩としました。

 今日は本当に空気が澄んでいて遠望が利き、北尾根を登ってくる途中で南ア北岳がクッキリ見えていたので、富士山が綺麗に…と期待してきたのですが、富士山を望む方向にある松の木がだいぶ成長してしまって、それがちょっと邪魔になっていました。

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(富士山は松の木が成長して…)


 でも、ここからの展望は、前回も書きましたが、大室山の姿がそれはそれは立派で、あの大室指から943へ正三角形に伸びる尾根に強く惹かれてしまいます。道志行きのバスは、ご存知の通り、現在もまだ平丸で神奈中が折り返している関係で、利用することが難しくなっていますが、復旧までのあいだ、昔あった藤野駅発の月夜野行きバスを代替で走らせてくれないものかなぁ…などとついつい無い物ねだりをしたくなってしまいます(笑)。
  
 今回も暑いぐらいの陽差しの中、お昼ごはんを平らげたら、少し稜線を歩いて池之上を目指します。池之上とは鳥井立の北東にある850m圏峰のことで、鳥井立北尾根を登ってくるときに左手に見えてきます。遠くから見てもあんな急斜面を登るのかと思うほど目立つ山です。登る前に980mぐらいの稜線から一旦大タギレと呼ばれる780m近い鞍部に物凄い急角度で下っていきます。地面はとても滑りやすい上に、ジグザグを切るような踏み跡もなく急斜面を直滑降する形で、本当に注意が必要です。

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(大タギレに近づくと、前方に池之上が立ちふさがる…池之上にも植林されているのには驚く)

 このような尾根下りの入口にお手製とはいえ道標を付けるのはいかがなものでしょうか。大タギレにも「池之上」を示す道標と「林道に至」の道標がありますが、林道と示された方角に普通の人は道形は見つからないと思います。そして登り切った池之上には池之上の標識も阿夫利山を示す道標もなく、猟銃禁止区域の赤看板があるだけ。。。おそらくこの近辺の山を愛する方が善意で設置されたものとは思いますが、やや片手落ちの感は否めないと思います。

 ただ、池之上から金波美峠へ向かう際に一箇所間違いやすい尾根の分岐があって、そこに「阿夫利山→」の道標を付けてくれているのは、評価できるかも知れません。実際尾根の分岐では直進方向に濃い踏み跡が付いており、向かうべき右の尾根に向かう箇所には倒木などもあって不明瞭となっているため、これが無かったらうっかり直進してしまいかねません。

 そこを間違いなくクリアすると、すぐ先の小ピークに立木に赤テープがあり、マジック書きで「大船小舟803m」の表示が見つかり、正しい方向に進めたことが確認できます。

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 地形図で見たとき、803の先の小ピークでそのまま東へ伸びる尾根に引き込まれないように注意しないといけないな、と予想していたのですが、むしろ東に伸びる尾根に行く方が難しく、尾根が左にクイッと曲がったような感じでごく自然に北上し、すぐその後、右(北東)に伸びる尾根に乗ることが出来ました。

 金波美峠が近づくにつれ、道形もはっきりしてきて、ヒノキとアカマツの植林帯を下っていけば金波美峠に到着です。左手を指して、安寺沢とあったので、安寺沢は右でしょう!?と、びっくりしたのですが、右手の峠道には通せんぼの枝が置かれていて、右側の峠道は危険ということなのでしょう。実際エアリアにも、神野方面に降りてトンネルを通って安寺沢に行くように赤線が引かれています。

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(神野方面に安寺沢と書かれていて少々戸惑う)

 遠い昔、まだ山を始めたばかりの頃は、阿夫利山や金ピラ・デン笠あたりには赤破線も入っていなくて、結構大きな空白地帯でした。金波美峠などロマンティックな名前に惹かれて、いつかヤブ山を歩けるようになりたいとあこがれていたものですが、こうやって実際に来てみると、それほど郷愁を誘うような場所でもなくて(笑)、藪も無いただの峠です。

 金波美峠到着は13:20。ここで、左手のしっかりした峠道を下って林道を歩いていけば、神野14:56発のバスに余裕で間に合いそうです。しかし、足の方の調子も良く、まだ歩けそうでしたし、なによりあの阿夫利山の先へと伸びる尾根径の自然林の美しさを楽しみたいという気分でした。 久しぶりに秋山温泉にも寄ってみたいし…と、水分補給してひと息ついたら、阿夫利山への尾根径を登っていきます。

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(明るい雑木の尾根歩き…こっちに登ってきて好かった♪)

 ここからは現在ではエアリア赤実線です。道形もはっきりしていますし、明るい雑木の尾根径が続きます。左手にゴルフ場が見えますが、ここ(尾根)からですと遥か下なので、ほとんど気になりません。エアリア実線で、地形を追うのをやめていたため、突然「高見山」の標識が現れたときは、「あれ、もう718?」と思ったのですが、後で家で見た藤井本によれば高見山はその先の710m圏峰なのですね。

 そういえば、昔、そんなしこ名のハワイ出身の力士がいたなぁ…などと考えつつも、なんだかよくわからないまま、明るい雑木の尾根径を進んでいけば、「ああ、ここだ、ここここ」という感じで巻き径を右に分けて見覚えのある阿夫利山へ。

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(阿夫利山へ…)


 阿夫利山は14:15の到着で、腰を下ろして水分を補給。明るい陽差しでのんびりしたいところでしたが、秋山温泉のバス時刻(16:30の次は18:00)を考えて、ひと息ついたら下山することにします。

 前回も「あれ?」と思ったのですが、この下山道、最初のところは地形図やエアリアのように尾根を直進するのではなく、一旦南に降りてからトラバースして北東の尾根に乗るのですね。たぶん、尾根の最初の傾斜が急なためだと思います。

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(雑木の森から展望も開けたりする)

 そして、阿夫利山を後にしてからの北東に伸びる尾根は本当に何度歩いても佳いものです。670m圏峰:井戸沢ノ頭で金剛山を指すお手製指導標が現れ、少し惹かれるものがありましたが、地形図を見ると、少し難しそうな尾根の分岐があるのと、アップダウンをこなすぶん、時間がかかってしまいそうだったので、今日のところは、一般登山道である暮ヶ沢林道へ真っ直ぐ降りていくことにしました。

 最初こそ、下りやすく明るい雑木だったのですが、すぐに暗い植林帯になってしまい、少々後悔しました(笑)。それに舗装・未舗装が交互に現れた林道の最後は「感電危険!」の表示がある害獣除けのフェンス。上部の針金に触れなければ感電することなどないのは、判っちゃいるのですが、この鉄製扉の開閉は、あまり気持ちのよいものではありません。

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(開けたら必ず閉めます : しっかり鎖で施錠しました)


 
 里道を下っていき、金山神社があったので、遅ればせながら今年一年の登山の無事をお祈り。 里人の声がしたのを聞いて、ああ、そういえば、今日もバスを降りてから山中では誰にも会わなかった、と気づきました。

 秋山温泉は、800円と値上がりしてしまい、日曜のバスもなくなってしまったのが少し残念でしたが、この日は15:30の受付なのに、お風呂は空いていて、ゆっくり汗を流し、風呂上がりのビールを飲んで、すっかり気分が好くなったところで、ちょうどバスの時間というタイミングの良さ。

 16:30のバスは上野原16:52の高尾行きとの連絡が良いので、上野原でのビール追加は見送って、さっさと乗車が賢明です。次の17:04のホリデー快速富士山2号の方が都心の方は早く着くかも知れませんが、河口湖からの直通で5両編成ですから、よっぽど天気の悪い日でもない限り、座って帰れないのではないかと思います。(ちなみにこの日の16:52発の中央線各駅停車はガラガラでした。)

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2019.01.05

【水郡線に乗って…袋田の滝と月居山】 山バス情報177

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(氷瀑とは言ってもそれほどの迫力はなかった)

【山行日】 2019年01月03日(木) 

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 06:34 新宿 (JR中央線各駅停車)
新宿  06:38 - 06:58 日暮里 (JR山手線)
日暮里 07:06 - 09:00 水戸  (JR常磐線)
水戸  09:22 - 10:31 袋田 (JR水郡線)

「バス」
袋田駅 10:35 - 10:45 滝本 (茨城交通 210円)

「歩行」
滝本バス停 10:55 - 12:00 月居城跡
月居城跡  12:30 - 13:48 袋田駅

「鉄道」
袋田  13:55 - 15:08 水戸 (JR水郡線)
水戸  15:35 - 17:35 上野 (JR常磐線)
上野  17:37 - 17:45 東京 (JR京浜東北線)
東京  18:00 - 中央線某駅  (JR中央特快大月行き)

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(キハE130系気動車でいいのでしょうか…水郡線ディーゼル車)

 年末の記事に頂いたAKIOさんからのコメントで思い出した水郡線。 実はもう20年ほど前になるのですが、当時購入した『茨城県の山』に掲載されていた月居山(つきおれやま)のコース。何度か計画しながら実行に移せていなかったような気が(記憶が定かではない)。。。

 水郡線に関しては、気動車だということぐらいしか知識が無く、とりあえず一度乗車してみようということで、観光地「袋田の滝」を見物することもかねて、三が日の最後の日に出掛けてみることにしました。

 エアリアには掲載されていない山域と思いますので、地図はありませんが、袋田の滝~月居山に関しては、所有するガイドブック『アルペンガイド8「筑波・那須・阿武隈」』(2001年発行)にも男体山(654m峰)までの縦走が掲載されていますので、この2冊のコピーだけで歩くことに。

 私の家からはまったく地の利が効かない地域となってしまった常陸方面。18きっぷで行くと朝6時前の出発で袋田には10時半過ぎというのが一番早い列車となります。常磐線は走行距離をかなり稼いでくれますが、2時間乗車しているうちの半分は「山から遠ざかっていくばかり」というイメージで、取手で遠くに富士山を望んだときは、随分山から離れたところにきてしまったという感じでした。

 水戸駅では、すぐに出発の水郡線は上菅谷から常陸太田へと向かう便なので、袋田には行けません。次の22分発の郡山行きに乗ります。気動車なのに列車は4両編成。ちょっとびっくりしましたが、実際4両すべて座席が埋まってしまい、立ち客も出ていました。自分のイメージの中では、気動車と言えば、八高線や小海線のように2両で席もなかなか埋まらない…というものでしたが、これは、帰りの便で完全に崩壊しました(笑)。

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(4両編成でびっくりした)


 
 なお、出発の時は4両でも袋田の先の常陸大子で、2両になるとのアナウンスでした。常陸大子より先へ行く方は、早めに行って前二両に席を確保しておくことをお奨めします。

 1時間ほどの乗車で袋田駅。駅前には滝本行きのバスがスタンバっていてくれましたので素直に乗り込みます。正月三が日なので、運休ならそのまま歩く予定だったのですが、2日から走ってくれていたようです。

 滝本バス停前にはトイレもあり、すぐに続く土産物屋などの雑踏を進んで行けばずっと奥に袋田の滝があり、迷うこともないと思います。ただ、袋田の滝の観瀑台に行くには入場料300円也を払わなければなりません。というか、トンネルを抜けた先にあるハイキングコースに行くには入場料を払わないと行けないようになっているみたいです。

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 観瀑台に行ってみると、やはり以前に見たことがあるような無いような…。昔、茨城に住んでいた友人にクルマで連れて行ってもらって見たのか、それともテレビか何かで見たものが記憶として残っているのか…。ただ、とにかく、今回のように冬に見たのではないはずで、氷瀑を見るのは初めて…ということは確かです。

 ガイドにあるようにトンネルの先の吊り橋を渡ったところにある急な階段を登り始めると、こっちには少なくとも来ていないよな…と。とにかく勾配の急な階段で、上から滝を見下ろすところまで来ると、さっきまでいた土産物屋が遥か下になります。その先も容赦ない急な階段を登り続け、いつもは憎悪する階段も、これがなければとても登れる傾斜ではない…、と半分ありがたいという感じの気持ちで登っていきます。

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(滝を見下ろす)

 月居峠を指す古ぼけた指導標が現れたあたりで、急登は終わって、気分の好い尾根歩きになります。植林は無いので、葉のある季節の方が楽しい径かも知れません。

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(尾根に出ると、このように展望も開けたりする)

 何の表示も見当たらなかったので、ここが月居山前山なのかどうかわかりませんが、ベンチが二つあるピークにたどり着きます。ここでお昼にしてもよかったのですが、歩き始めからずっと空を覆っている雲で陽差しが遮られているのと、12時までにはまだ少しあるので、もう少し先にピークも見えることだし、そこまでとりあえず行ってみることに。。。


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(月居山前山?)

 次のピークに行く前に結構な急下りがあり、鞍部まで下っていくとお堂が見えてきます。案内板によれば、通称「月居観音」、月居山光明寺観音堂と言うのだそうです。20年前の古いガイドブックには廃寺の朽ちた観音堂と書かれていますが、立派な建物でしたから、建て直されたものかもしれません。

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                         (観音堂)


 鞍部に下りきると、そこには袋田の滝や袋田温泉を指す道標などもあり、次にあるピークが404m峰の月居山(月居城跡)とわかります。
 
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(鞍部にある案内板 クリック拡大可)

 樹の名前を記したプレートがいくつかある径で、結構急な斜面をジグザグを綺麗に切って登っていくと、月居城跡の標識があるピークに出ます。少し先にベンチがあり、誰もいないので、ベンチに座ってお昼にしました。嬉しいことに陽差しが戻ってきてくれて、ゆっくりと日だまりランチを楽しめました。


 お昼を済ませると時刻は12時半近く。20年前のガイドブックにはここから5分の後山(423m峰)を往復してから先ほどの鞍部に戻り、袋田駅に戻るように書かれていますが、これは明らかに423mの後山ではなく、この月居山か、その少し先にある小ピークの間違いでしょう。

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(月居山への登りは自然林豊かだった)

 次の顕著なピーク422.7m峰=後山(第一展望台ピーク)までトレランの人だって5分で行けないことは明白で、持ってきたアルペンガイドのコピーでも月居山~第一展望台の所要時間は40分とあり、目で見ても、そのぐらいはかかるだろうとすぐにわかります。

 12時半に即下山というのももったいないような気がしましたが、ここから男体山(654m峰)まで途中エスケープがあるのかどうか調べてきませんでしたし、何より日没とハムストリングを気にしながらの下山は、新年早々、完全なアウェイでやる気がちょっとしませんでした。

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(月居城跡)

 参考までに男体山までのアルペンガイドのコースタイムは3時間45分。アルペンガイドのタイムはわりとタイトなことが多いのは、他の例で何度か経験していますので、また鞍部まで戻って、温泉にでも浸かってのんびりしよう、ということで、すぐ近くにある小ピークを往復するだけで下山としました。

 すぐ近くの小ピークは巻くことも出来るようでしたが、結構蟻の戸渡みたいに細い部分もありますので、凍結時などは素直に巻いた方が良いと思います。小ピークには大子町の地籍図根三角点があり、眺めも良いところですが、眺めているうち、あそこを奥の一番高いピーク=男体山まで歩くと相当厳しそうだとますます感じて、来た道を戻ることにしました。

 月居山を越えて先ほどの鞍部に下り、袋田温泉と書かれた方向へ下っていくと、わりとすぐに林道に出て、林道をノンビリ下って行けば、袋田のバス停に出ます。駅方向へ少し行くと、調べてあった袋田温泉浪漫館がすぐに見つかり、入っていって見たのですが、どうやら営業していないようでした。袋田駅~滝本のバスが停まる停留所もあるので、てっきりやっているものだとばかり思ったのですが、まだ三が日だからか…と、袋田駅へ。

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(袋田駅手前5分ぐらいのところ…一番手前の橋梁が水郡線)

 帰りのバス時刻、滝本発が13:10 14:10 15:10となっていて、当然上り列車発車時刻にあわせているものだとばかり思っていたので、袋田の駅で時間余っちゃうよな~と思いつつ、ゆっくり歩いて行ったのですが、駅に着いてみると、あと7分ほどで13:55発の水戸行きが来るとわかり、新年早々ツイてるな~と。
 それにしても、次の水戸行きは15:59と2時間後で、14時のバスで袋田駅に来た人はちょっと唖然とするのではないでしょうか(14:25の郡山行きに乗って東北本線回りで帰る方法がありますが、気づくかどうか…)。

 しかししかし、来た列車は2両編成で、しかも席は埋まっている状態(笑)。幸い今日は足に乳酸が溜まるほど歩いていないし、お酒も途中のコンビニで買った小さなビールだけだったので、1時間の立ちっぱなしも何ということはなかったのですが。。。いやはや水郡線恐るべし、です。

 3日が帰りの帰省のピークだったせいなのか、それともいつもこれぐらい普通に混むのか…ちょっとわかりませんが、ディーゼルのあの音を聞いていても、なかなか気動車に乗っているあの独特の気分にはならなかったのが逆に印象に残りました。
 

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2019.01.01

【峠の湯と峠の釜めし…アプトの道遊歩道を歩く】

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(めがね橋)

【湯行日】 2018年12月31日(月)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八高線某駅  - 06:54 高麗川 (JR八高線)
高麗川 06:58 - 08:26 高崎  (JR八高線)
高崎  08:42 - 09:15 横川  (JR信越線)

「歩行」
横川駅  09:20 - 10:10 峠の湯

「温泉」
峠の湯  10:10 - 11:40 (500円:割引券使用)

「歩行」
峠の湯  11:40 - 12:20 めがね橋
めがね橋 12:30 - 12:50 熊ノ平
熊ノ平  13:00 - 13:55 峠の湯駅
峠の湯駅 14:00 - 14:35 横川駅

「鉄道」
横川  15:10 - 15:52 高崎 (JR信越線 遅延
高崎  15:55 - 17:11 高麗川 (JR八高線 信越線連絡のため待機
高麗川 17:30 - 八高線某駅  (JR八高線)



謹 賀 新 年

 今年の冬の18きっぷは使用開始の12月10日が月曜日、使用期限の1月10日は木曜日。成人の日も今年は14日で使用期限に含まれないため、5回分を使い切るのはさすがに無理だとは思っていたのですが、今度はハムストリングを傷めてしまって、このままでは、元も取れずに終わってしまいそうです。

 そこで、山は見送って、ウオーキングと温泉でも…ということで、選んだのが、ほぼ1年前に歩くのを見送った旧中山道の近くにある「アプトの道遊歩道」とその中間地点にある峠の湯。あわよくば、前回賞味し損ねた釜飯もリベンジしたい!との思惑もありました。

 ここなら、『ぐんまの源泉パスポート』のクーポンで100円割引になりますし、9:15着の電車で行けば、ゆっくり歩いてちょうど開館時間の10時にピッタリです。

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(横川行きの電車窓には雪が…)


 八高線を乗り継いで高崎から乗り込む信越線の車両には窓ガラスに雪が…。以前に乗ったときもそうだったのですが、これっておそらく、信越線で付いたのではなくて、水上あたりを走行した車両をそのまま使っているせいだと思います。実際、車内の床は雨天時のように濡れていました。

 横川駅では、さすがに9時過ぎの到着だけあって、今回は駅員さんもいましたし、駅前にはタクシーも待機していました。前回同様、JRバスの方へと歩いて行くと、その先に車両基地のようなところが見えてきますが、そこが「アプトの道遊歩道」の起点になります。

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 このアプトの道遊歩道というのは、峠の湯までは、長野新幹線開通前まで走行していた信越線の廃線跡を辿ることになります。途中、丸山変電所跡にトロッコ駅のホームがあるように、不定期にトロッコ列車の運行があるためでしょう、線路は綺麗に整備されています。ちなみに張り紙によれば、トロッコ列車、今月は1月3日と1月12日に運行されるようです。

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 私は、途中、碓井関所跡に立ち寄ったりとのんびり歩きましたが、列車が上がれるだけあって、あまり勾配があるとは感じない道のりで、1時間弱で峠の湯に着いてしまいました。

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(峠の湯:玄関手前にめがね橋を模ったアーチがある)

 注意していれば、峠の湯の手前で、アプト線(旧線)と在来線の廃線あとが分岐しているのに気づくと思います。峠の湯は新しい近代的な建物で、群馬県らしく広大な駐車場があって、開店直後だというのに、もう随分たくさんのクルマが駐まっています。大晦日なのでガラガラだとばかり思っていたのですが、少々当てが外れました(笑)。

 で、峠の湯ですが、これが、なかなか私好みの、ぬるつきのある佳いお湯でした。外の露天はそれほどでもありませんでしたが、内側のお湯は、帰宅後の入浴は見送りにしたいという感じ。 しっとりとして、身体も芯まで温まる感じでした。
 
 お湯から出ると11時前ですが、お腹も空いたので、ここでお昼にしました。メニューを見ると「峠の釜飯」があったので、さっそく注文。昔大月駅でよく買って食べた釜飯とたいして変わらないとばかり思っていたのですが、これが大違い。杏まで入っていて彩り豊かで、しかも美味しい♪ 量的には少々物足りなさも感じましたが、味に関しては十分満足でした。

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 大月駅の釜飯がなくなってからもう随分経ちますが、横川の釜めしだけは、ずっとこのまま続いていって欲しいものです。容器も実際にお米が炊けると包装紙に説明がある通りのどっしりと重いところが佳いですね。

 お昼ごはんを食べた後は、足の調子次第では、磯部温泉への温泉ハシゴもサブプランに用意していたのですが、足の調子も天気も好いし、とりあえず、めがね橋までは行ってみようとアプトの道遊歩道を更に西進していきます。

 ここからはさすがにアプト線跡だけあって、少し勾配が増す感じでしたが、山登りの傾斜に比べたら、ほとんど登りとは言えないような道のりです。スニーカーやランニングシューズ程度で十分でしょう。先へ行くほどトンネルが多くなり、めがね橋手前のトンネルは結構長いです。

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(レンガ造りの立派なトンネル)

 めがね橋付近は、クルマで来ている観光客なども結構いて、少し賑やかになります。そして、この橋の上からは平成9年に廃線となった新線が見えます。遠い昔あそこを実際に鉄道に乗って通過した思い出深い線路ですが、現在は立入禁止になっているとのことです。

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(めがね橋から新線跡を望む)

 めがね橋では一旦国道に降りて見る方がめがね橋の姿がよくわかる、という説明書きもありましたので、降りて見てみましたが、ふと、バスの停留所があるのを見つけ近寄ってみると…

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 何と一日たった1往復のその便は、運休中とのこと。帰ってからJRバスのページで調べてみたところ、GW、夏期、紅葉時だけ走っているようです。
  
 でも夏期って…。そうです、ここは途中いくつも注意書きのプレートが見つかるように、ヒルが出るんですよね。まぁ、考えてみたらすぐそばの妙義はヤマビルのメッカだし(笑)、いても全然不思議は無いと言えば無いのですが。。。

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 めがね橋から戻ろうかとも考えていたのですが、せっかくなので、行けるところまでいってみようと熊ノ平へ。トンネルばかりであまり面白味はありませんが、熊ノ平はなかなか明るい開けた場所です。 神社にお詣りしたら、そばのベンチで みかん休憩にして、来た道を戻ることに。線路もトンネルもまだ西に向かって続いているようですが、この先も遊歩道として整備するには莫大な維持費がかかってしまうのでしょう、現在は立入禁止になっています。

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(熊ノ平の先もトンネルと線路は続いているが、立入禁止)

 来た道を戻っていくと、やはり、下りだけあって、足取りは軽く、経過時間も短くなります。途中のトンネルに何度か注意書きがありましたが、トンネル内の照明は、午後六時で消灯されてしまうとのことですから、注意が必要です。

 途中、碓井湖の先あたりで、サルを発見。人間を怖れる気配もなく、逆に行きかう人間をぼんやりと見物している感じで、写真に撮ってもこの通りです。

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 峠の湯駅で、ひと息入れてから、また来た道をアプト歩道で横川駅へ。横川駅には14時半過ぎの到着で、15:10発の電車まで おぎのや で持ち帰りの釜めしを購入したり、本店前の おぎのや資料館 で時間を潰したりしました。おぎのや資料館は、廃線となった信越本線の昔の写真など多数あって、テツの方はぜひ一度どうぞ(笑)。中は暖房も効いていてこの時期本当にありがたいです。

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 横川15:10発の信越線は、9分という乗り継ぎの良さで高崎発の八高線に接続している電車なのですが、途中踏切で警報のため停まってしまい、11分遅れ。 15:50発の八高線には乗り継げないと諦めかけていたのですが、アナウンスで乗り継ぎ次第の発車に切り替えてくれているとのこと。八高線は待機してくれていて、無事高麗川行きの気動車に乗り込むことができ、あまり夜遅くなることもなく帰り着くことが出来ました。



※今年も皆様が楽しく安全な山歩きを楽しめるようお祈り申し上げます。


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