【鳥井立北尾根から池之上経由で阿夫利山】 山バス情報178
【山行日】 2019年01月19日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 07:31 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 07:47 - 08:08 上野原 (JR中央線各駅停車)
「バス」
上野原駅 08:35 - 09:11 釣場 (富士急山梨バス 670円)
「歩行」
釣場バス停 09:15 - 10:05 580m付近小平地
580m 10:15 - 10:45 805m付近恩賜標
恩賜標 10:55 - 11:35 鳥井立近くの展望地
展望地 12:00 - 12:40 池ノ上
池ノ上 12:45 - 13:20 金波美峠
金波美峠 13:30 - 14:15 阿夫利山
阿夫利山 14:20 - 15:30 秋山温泉
「温泉」
秋山温泉 15:30 - 16:20 (市外一般 800円)
「バス」
秋山温泉 16:30 - 16:45 上野原駅 (無料送迎バス)
「鉄道」
上野原 16:52 - 17:08 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 17:15 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)
【地形図】 「大室山」
(鳥井立から少し下ったところの展望:左に大室山と大室指集落、右に富士山)
ハムストリングの違和感も消えたので、いい加減まともな山歩きがしたい、ということで選んだのが松浦本『バリエーションルートを楽しむ』51の鳥井立北尾根-池之上-金波美峠のコース。
無生野行きのバスを行き帰りで使うコースとして推奨されているのですが、松浦さんのコースタイムは時々とんでもなく厳しいコースタイムだったりする(笑)ため、鈍足の私でも帰りの15時前のバスに間に合うものかどうか、いまひとつ自信がありません。
そこで、土曜なら秋山温泉の無料送迎バスもあるので、土曜日に行ってみて、もし間に合わなければ秋山温泉に金波美峠からエスケープという、万全の体制で臨むことにしました。
無生野行きバスは3年前に立たされた苦い経験がまだ記憶に残っていて(笑)、今回は上野原08:08着で行きましたが、さすがにオフシーズンだけあって、ハイカーは私とあともう一人だけで、他は地元の方が2人。ガラガラで発車しました(ただ、飯尾行きのバスは相変わらずの人気で、08:08頃から列が出来ていて、バスの座席はほぼ埋まっていたようです)。
無生野行きのバスは昔のように奥牧野を経由するルートに戻っていて、これがバス道路かというほど狭い路をくねくねと走り、ああ、これぞ山のバスだなぁ…との思いが甦り、嬉しくなりました。
釣場バス停で降りたのはもちろん私だけ。ストレッチをしたら、すぐ左手にある橋を渡ります。右に舗装道路を分けて左手の舗装道に入ったところに松浦本でも記載のある、この看板↓がありますが、
これは、「峠道」とあるところから察するに、地形図にある長尾と鳥井立の中間部に行く破線路のことを指しているのではないかと思います。とはいえ、この径が現在も使い物になるのかどうかというと甚だ疑問です。前回鳥井立を訪れたとき、一応この破線路のことを気にしてはいたのですが、それらしき経路はもちろん、栗谷や秋山村を示す標識は稜線上に見つけられませんでした。
栗谷林道は、そのような名称が記された標識は無いようですが、電柱に「栗谷502」等の表示があることから、それとわかります。今ではもう未舗装部分はなく、完全舗装されています。
取り付きはわかりにくいかも知れません。「秋山村分収造林地」の白看板は林道にはなく、尾根に上がった少し先にあります。地形を観察していれば尾根末端部を見逃すことはないとは思いますが、左手のゴルフ場に池が見えてきたところで右手に注意していれば踏み跡は見つかると思います。踏み跡のすぐそばの電柱に「栗谷526」とあります。
尾根に上がれれば、あとは尾根づたいに地道に高みを目指していけば良いだけなので、こと登りに関する限りは迷う心配はほとんどありません。踏み跡もまあまあありますし、ヤブはありません。ただ、思ったほど自然林は多くなく、870mで松浦本にあるように雑木になるのですが、ずっと雑木が続くのではなく、その後も植林が出てきます。
また明らかにこのあいだの台風によるものと思われる倒木(根本ごと倒れていたり、途中でへし折ったように折れている)が植林帯に結構ありました。
こういった状況は予め予想できていたので、時間にとらわれることなく、途中明るい雰囲気の場所で気の向いたときに休憩を取るという形でのんびり登っていきました。
私の場合は、580m近辺にある小平地(近くの立木に赤いビニールテープが巻かれている)と、805m近辺の恩賜標と境界見出標がある二地点で休憩を取りましたが、どちらも陽当たりが好く、結果的にその後の急登に備えることも出来て、休憩箇所は当たりだったと思っています。
最後は等高線を見て覚悟していた通りの急登で、鳥井立には11時半頃登り着きましたが、山頂よりも少し厳道峠方面に降りたところにある「富士大室見岩」と私が勝手に名付けた場所の方が展望も陽当たりも好いのが前回訪問で判っていましたので、そちらに行ってお昼休憩としました。
今日は本当に空気が澄んでいて遠望が利き、北尾根を登ってくる途中で南ア北岳がクッキリ見えていたので、富士山が綺麗に…と期待してきたのですが、富士山を望む方向にある松の木がだいぶ成長してしまって、それがちょっと邪魔になっていました。
でも、ここからの展望は、前回も書きましたが、大室山の姿がそれはそれは立派で、あの大室指から943へ正三角形に伸びる尾根に強く惹かれてしまいます。道志行きのバスは、ご存知の通り、現在もまだ平丸で神奈中が折り返している関係で、利用することが難しくなっていますが、復旧までのあいだ、昔あった藤野駅発の月夜野行きバスを代替で走らせてくれないものかなぁ…などとついつい無い物ねだりをしたくなってしまいます(笑)。
今回も暑いぐらいの陽差しの中、お昼ごはんを平らげたら、少し稜線を歩いて池之上を目指します。池之上とは鳥井立の北東にある850m圏峰のことで、鳥井立北尾根を登ってくるときに左手に見えてきます。遠くから見てもあんな急斜面を登るのかと思うほど目立つ山です。登る前に980mぐらいの稜線から一旦大タギレと呼ばれる780m近い鞍部に物凄い急角度で下っていきます。地面はとても滑りやすい上に、ジグザグを切るような踏み跡もなく急斜面を直滑降する形で、本当に注意が必要です。
(大タギレに近づくと、前方に池之上が立ちふさがる…池之上にも植林されているのには驚く)
このような尾根下りの入口にお手製とはいえ道標を付けるのはいかがなものでしょうか。大タギレにも「池之上」を示す道標と「林道に至」の道標がありますが、林道と示された方角に普通の人は道形は見つからないと思います。そして登り切った池之上には池之上の標識も阿夫利山を示す道標もなく、猟銃禁止区域の赤看板があるだけ。。。おそらくこの近辺の山を愛する方が善意で設置されたものとは思いますが、やや片手落ちの感は否めないと思います。
ただ、池之上から金波美峠へ向かう際に一箇所間違いやすい尾根の分岐があって、そこに「阿夫利山→」の道標を付けてくれているのは、評価できるかも知れません。実際尾根の分岐では直進方向に濃い踏み跡が付いており、向かうべき右の尾根に向かう箇所には倒木などもあって不明瞭となっているため、これが無かったらうっかり直進してしまいかねません。
そこを間違いなくクリアすると、すぐ先の小ピークに立木に赤テープがあり、マジック書きで「大船小舟803m」の表示が見つかり、正しい方向に進めたことが確認できます。
地形図で見たとき、803の先の小ピークでそのまま東へ伸びる尾根に引き込まれないように注意しないといけないな、と予想していたのですが、むしろ東に伸びる尾根に行く方が難しく、尾根が左にクイッと曲がったような感じでごく自然に北上し、すぐその後、右(北東)に伸びる尾根に乗ることが出来ました。
金波美峠が近づくにつれ、道形もはっきりしてきて、ヒノキとアカマツの植林帯を下っていけば金波美峠に到着です。左手を指して、安寺沢とあったので、安寺沢は右でしょう!?と、びっくりしたのですが、右手の峠道には通せんぼの枝が置かれていて、右側の峠道は危険ということなのでしょう。実際エアリアにも、神野方面に降りてトンネルを通って安寺沢に行くように赤線が引かれています。
遠い昔、まだ山を始めたばかりの頃は、阿夫利山や金ピラ・デン笠あたりには赤破線も入っていなくて、結構大きな空白地帯でした。金波美峠などロマンティックな名前に惹かれて、いつかヤブ山を歩けるようになりたいとあこがれていたものですが、こうやって実際に来てみると、それほど郷愁を誘うような場所でもなくて(笑)、藪も無いただの峠です。
金波美峠到着は13:20。ここで、左手のしっかりした峠道を下って林道を歩いていけば、神野14:56発のバスに余裕で間に合いそうです。しかし、足の方の調子も良く、まだ歩けそうでしたし、なによりあの阿夫利山の先へと伸びる尾根径の自然林の美しさを楽しみたいという気分でした。 久しぶりに秋山温泉にも寄ってみたいし…と、水分補給してひと息ついたら、阿夫利山への尾根径を登っていきます。
ここからは現在ではエアリア赤実線です。道形もはっきりしていますし、明るい雑木の尾根径が続きます。左手にゴルフ場が見えますが、ここ(尾根)からですと遥か下なので、ほとんど気になりません。エアリア実線で、地形を追うのをやめていたため、突然「高見山」の標識が現れたときは、「あれ、もう718?」と思ったのですが、後で家で見た藤井本によれば高見山はその先の710m圏峰なのですね。
そういえば、昔、そんなしこ名のハワイ出身の力士がいたなぁ…などと考えつつも、なんだかよくわからないまま、明るい雑木の尾根径を進んでいけば、「ああ、ここだ、ここここ」という感じで巻き径を右に分けて見覚えのある阿夫利山へ。
阿夫利山は14:15の到着で、腰を下ろして水分を補給。明るい陽差しでのんびりしたいところでしたが、秋山温泉のバス時刻(16:30の次は18:00)を考えて、ひと息ついたら下山することにします。
前回も「あれ?」と思ったのですが、この下山道、最初のところは地形図やエアリアのように尾根を直進するのではなく、一旦南に降りてからトラバースして北東の尾根に乗るのですね。たぶん、尾根の最初の傾斜が急なためだと思います。
そして、阿夫利山を後にしてからの北東に伸びる尾根は本当に何度歩いても佳いものです。670m圏峰:井戸沢ノ頭で金剛山を指すお手製指導標が現れ、少し惹かれるものがありましたが、地形図を見ると、少し難しそうな尾根の分岐があるのと、アップダウンをこなすぶん、時間がかかってしまいそうだったので、今日のところは、一般登山道である暮ヶ沢林道へ真っ直ぐ降りていくことにしました。
最初こそ、下りやすく明るい雑木だったのですが、すぐに暗い植林帯になってしまい、少々後悔しました(笑)。それに舗装・未舗装が交互に現れた林道の最後は「感電危険!」の表示がある害獣除けのフェンス。上部の針金に触れなければ感電することなどないのは、判っちゃいるのですが、この鉄製扉の開閉は、あまり気持ちのよいものではありません。
里道を下っていき、金山神社があったので、遅ればせながら今年一年の登山の無事をお祈り。 里人の声がしたのを聞いて、ああ、そういえば、今日もバスを降りてから山中では誰にも会わなかった、と気づきました。
秋山温泉は、800円と値上がりしてしまい、日曜のバスもなくなってしまったのが少し残念でしたが、この日は15:30の受付なのに、お風呂は空いていて、ゆっくり汗を流し、風呂上がりのビールを飲んで、すっかり気分が好くなったところで、ちょうどバスの時間というタイミングの良さ。
16:30のバスは上野原16:52の高尾行きとの連絡が良いので、上野原でのビール追加は見送って、さっさと乗車が賢明です。次の17:04のホリデー快速富士山2号の方が都心の方は早く着くかも知れませんが、河口湖からの直通で5両編成ですから、よっぽど天気の悪い日でもない限り、座って帰れないのではないかと思います。(ちなみにこの日の16:52発の中央線各駅停車はガラガラでした。)
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