【オンデマンドバスで…貫ヶ岳 その2 山行篇】 山バス情報176
(樽峠から平治の段へ向かう稜線…このとおり、どこもかしこも植林だらけだった)
【山行日】 2018年12月15日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 04:51 八王子 (JR中央線各駅停車)
八王子 04:53 - 05:05 橋本 (JR横浜線)
橋本 05:12 - 05:47 海老名 (JR相模線 信号機点検で遅延)
海老名 05:49 - 05:54 本厚木 (小田急線 振替輸送)
本厚木 05:56 - 06:33 小田原 (小田急線急行 振替輸送)
小田原 06:45 - 07:22 三島 (JR東海道線)
三島 07:29 - 08:12 興津 (JR東海道線)
「バス」
興津駅 08:25 - 08:44 但沼車庫 (静鉄ジャストライン 360円)
但沼車庫 08:50 - 09:00 和田島車庫 (両河内線自主運行バス 200円)
和田島車庫 09:05 - 09:25 樽上 (両河内線自主運行バス 100円:乗り継ぎ割引)
「歩行」
樽上 09:30 - 10:30 樽峠
樽峠 10:40 - 11:15 平治の段
平治の段 11:25 - 12:20 貫ヶ岳
貫ヶ岳 12:45 - 13:50 一乗寺
一乗寺 14:00 - 16:00 芝川図書館
芝川図書館 16:30 - 16:35 芝川駅
「鉄道」
芝川 16:49 - 19:16 甲府 (JR身延線)
甲府 19:45 - 20:33 大月 (JR中央線各駅停車)
大月 20:50 - 中央線某駅 (JR中央線快速東京行き)
【地形図】 「篠井山」 「富士宮」
集落の最奥まで運んでもらったおかげで、見覚えのある登山口には10分もかからず到着。そのまま、樽峠への登山道に入って行きます。登山道はさすがにこの前の台風で倒木などあって、やや荒れ気味でしたが、最低限の補修は既にしてあり、沢を渡り返す箇所などに留意していけば、ほぼ問題ない感じです。
ただ、途中1カ所、少しわかりにくい表示↑があって、ここは、小尾根を上がる方がヒュッテで、やや下って水場へ向かう方が峠道です。水場から再び登りとなって、ジグザグを切って高度を上げます。水場から私の足で20分ほどで石像のある樽峠。ライトバンバスを降りて歩き始めてからちょうど1時間ほどでした。
峠は北からの風が強く寒いので、少し戻った石像のあたりで風をよけながらティータイムにしました。前回この峠へ上がったときにも同じようなことを書きましたが、樹という樹が植林で、この樽峠もこれから進む平治の段方面もあきれるほど植林がびっしりと並んでいます。ただ、手入れはきちんとしているため、それほど陰気な雰囲気ではありません。
峠から平治の段方面へと向かっていくと、すぐそばに未舗装とはいえ林道のような幅広の道が上がってきているのが見え、木段の急登が始まります。入口には「貫ヶ岳登山道入口」という表示まであり、将来はここまでクルマで上がって登れるようにするつもりなのでしょうか…(それはちょっとやりすぎのような感じが…)。
樽峠から平治の段は標高差200mほどで、木段部分はかなり急登ですが、ここを登り切ってしまえば、この日の登りはもう終わったようなものと、このときは思っていました。登り切れば、あとはカヤトの切り開きの中の平坦な径となり、進んだ先が平治の段(937m)でした。植林の中の一角ですが、この日の最高地点ということもあって、ここで二回目のティータイムとしてしまいました。
お茶を飲んで、ひと息ついたら、「貫ヶ岳頂上・十国展望台・晴海展望台→」と記された方向へ歩いて行ったのですが、なんと平治の段からわずか1・2分のところが十国展望台と呼ばれる場所で、確かに眺めもよくベンチもあるし、休憩を取るならこちらにすべきでした。まさかこんなにすぐ近くにあるとは思っていなかったのです(笑)。
ただ、この日、この辺りは天気予報や天気図で想像していたのとはまったく違う、雲の多い天気で、展望は、「あそこに富士山が見えるはずなんだな」というぐらいしかわからず、十国展望台では陽差しも全く無い状態でしたので、強い風はやんでいたとはいえ、それほど後悔はしませんでした。
十国展望台の先は結構急な坂を下ることになります。地形図で見て想像していたよりも傾斜があり、ということは、929への登り返しはまたしぼられるのかな…と思っていたのですが、929への登り返しはそれほど苦も無く、折しも陽差しが出てきて、晴海展望台では手前に白鳥山(山梨百名山最低標高)、そしてその向こうに最高標高の富士山(と言っても頭がほんのちょっと覗いているだけ)がセットでお目見え。
(陽差しが出てきた晴海展望台:白鳥山の左上に富士山の頭が見えているのがわかるでしょうか:クリック拡大可)
一瞬ここで早めの大休止にしようかと考えたのですが、ここまできたら、お昼過ぎに山頂でもたぶん、お天道様は隠れずに待っていてくれるだろうと楽観的な気持ちになって、中沢への下山ポイントもまだ確認していないし、山頂まで行ってお昼にしようと先へ進んでしまいました。
歩いて行くと、この日初めて(実は唯一)ハイカーとスライド。中沢への下山径を確認して、ひとつ小ピークを越えたその先の貫ヶ岳への登り、これが意外にもきつかったです。平治の段から見れば50m近く低い貫ヶ岳ですが、やはり名前が付き、仮にも山梨百名山に選定されただけのことはありますね。わ、こんなに急なところを登るのかと息が少し切れました。
しかし、お昼をちょっと過ぎただけにしては静かだなぁ…と感じながら登っていくと、山頂には誰もいません。特に眺めもよくないし、カヤトを切り倒しただけの殺風景な山頂。おまけに陽は完全に陰ってしまって(笑)、ちょっとトホホな気分でのお昼ごはんとなりました。
ただ、山頂で見かけたこの指導標にはちょっとびっくりしました。北方向を指して「大城」となっているのです。貫ヶ岳の北尾根に関しては、ネットで調べたので知っていましたが、いずれも石合のあたりから取り付いていて、大城へ降りたり大城から登ったり出来るとは知りませんでした。
この大城下山コースですと完全一筆書きのコース取りですから、少し惹かれるものもありましたが、今日は行きの電車からしてよくない兆候の気がしましたし、大城へ降りたあと、井出駅に車道歩きで向かうにも、井出駅はかなり大回りしないと富士川を渡れないことは地形図「篠井山」を見れば一目瞭然。
せっかく中沢から芝川・十島への車道歩きをGoogleの立体画像でシミュレートしてきたのだからと、中沢へ降りる当初の予定通りの下山とします。
下山道は、今や貫ヶ岳のメイン登路となった850m圏峰から東~南東へと伸びる尾根づたいに径がつけられていると思うのですが、地形図には破線も何もありません。地形図「篠井山」で見ればわかるように、最初の600m近辺までの急坂のあとは、傾斜の緩い尾根下りで中沢集落まで降りられます。ただ、本当に徹頭徹尾、杉の植林で、ここまで植林一色だと逆に「あっぱれ」と言うべきかも知れません。
径はしっかり整備されており、尚且つ、小さい石のケルンもあって、この径に関する限りは迷う心配はまず無いでしょう。突然、視界が開けるところがあって、そこからは淡い今更のような紅葉が見えたりして、なんだか複雑な気分です。
そんな尾根下りも下山の分岐にあったとおり、1時間で舗装道路に着地。降りたところには、ヤマビル注意の他に、こんな注意書きが。。。
なんと、中沢からの周回コースとされている中沢峠からの沢径が通行止めということです。上には、山頂はもちろん、平治の段にあった中沢峠(中河内峠)を示す指導標のところにも、こういった表示は一切無く、如何にメイン登路とはいえ、ここだけにこの注意書きを張っておくのは、少々問題ではないかと思います。場合によっては、高ドッキョウから来た登山者が、時間切れで貫ヶ岳を諦めてエスケープで中沢に降りることも考えられますから、少なくとも平治の段にはこの表示を掲げておくべきではないかと思います。
※ここから、良識あるハイカーであれば、タクシーを呼んで十島駅へと向かうのが当たり前なのでしょうが、私はケチなので(笑)芝川駅まで歩きました。ここから先は、車道歩きと帰りの電車の記述になり、大半の方は必要ないかと思いますので、これもまた別記事にしてアップすることにします。
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コメント
ゴン太さん、こんばんは。
貫ヶ岳は行ったことがありませんが、このレポで様子が良くわかりました。いつもながら、すべて正直に記述されているので、個人的には貴重な情報です。
ネットの情報は書き手によって操作されること(例えば良い情報は強調するが、悪い情報は出さないとか)もあるのでそれなりの注意が必要です。(例えば、山小屋のHPでは「今年の紅葉は例年に比べて良くない」などとは書かないでしょう。)
ちなみに、手持ちの「アタック山梨百名山」(山梨日々新聞社)で貫ヶ岳の項を読んでみたら、「他の低山入り口とは異なり最初から杉林の中。林業の盛んなことをうかがわせる。」とあったので、「最初から植林だらけでつまらない」とでも書けば良いものを、思わず笑ってしまいました。
投稿: AKIO | 2018.12.20 22:32
AKIOさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
確かにガイドブック等ですと、悪い点を書くわけにもいかないでしょうね。
まぁ、呆れるほど植林だらけではあるのですが、手入れは良くされていて、それほど陰鬱な感じではないのですよ。
植林で手入れがされないまま放置されていると、歩いていてゲンナリしますが、ここはそういうことはありませんでした。
ただ、ここに新幹線やタクシーを使ってまで行く価値があるかどうか…となると、はっきり言って、そこまでして登る山でもないというのが、私の感想でした。
今回の山行きは、山歩きよりも、その前後、行きのライトバンバスの運転手さんとのおしゃべりや、帰りの酒屋さんでのちょっとした会話などが好い思い出で、奥武蔵などでもそうですが、山中は面白味のない内容でも、下山後の地元の方との語らいが味わい深かったのが佳かったです。
ちょうど、今し方、第3部の車道歩き&帰京篇をアップしましたので、よろしかったら、お時間のあるときにでもおつきあいいただけたら、と思います。
投稿: ゴン太 | 2018.12.20 23:26