【ニッコウキスゲは檻の中…霧ヶ峰・男女倉山】 山バス情報170
【山行日】 2018年07月22日(日)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
八王子 06:35 - 09:30 上諏訪 (JR中央線各駅停車)
「バス」
上諏訪駅 09:50 - 10:37 八島湿原 (アルピコ交通 940円)
「歩行」
八島湿原バス停 10:45 - 11:55 男女倉山(ゼブラ山)
男女倉山 12:20 - 13:00 山彦谷 南の耳
南の耳 13:10 - 14:00 ころぼっくるひゅって前
ヒュッテ前 14:05 - 14:45 霧ヶ峰インターチェンジ
「バス」
霧ヶ峰インターチェンジ 14:56 - 15:30 上諏訪駅 (アルピコ交通 940円 5分ほど遅延)
「温泉」
片倉館 15:55 - 16:15 (割引券利用で550円)
「鉄道」
上諏訪 16:36 - 17:04 小淵沢 (JR中央線各駅停車)
小淵沢 17:12 - 17:57 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府 18:08 - 19:40 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 19:48 - 中央線某駅 (JR中央特快東京行き)
(南の耳から車山方面へ…のびやかな大草原だがキスゲは一輪も無い)
しつこい咳もやっと治まりつつあるようなので、そろそろ山に向かいたい…が、この猛暑のさなか、高尾山や近郊の低山は冗談抜きで危険です。幸い18きっぷのシーズンに突入してくれたので、これを使って高いところでキツイ登りの無い場所…ということで、選んだのが、昨夏も訪れた霧ヶ峰。
去年と何もかも同じでは面白くないので、AKIOさんにコメントいただいたコース=男女倉山の方を歩いてみることにしました。 昨夏よりは2週ほど早いので、前回わずかの咲き残りだけだったニッコウキスゲも、もう少したくさん目にすることが出来るのでは…との思いで出掛けてきました。
で、霧ヶ峰へ行くアルピコのバス、確か去年は無かったと記憶しているのですが、07:45茅野駅発の車山高原行きのバスが土日祝日と8/13~8/16走ってくれています。私の家から一番の電車で行けば間に合う♪と一瞬思ったものの、よ~く調べてみると、高尾発05:14の鈍行を乗り継いで茅野駅着は07:46!!! なんと、到着の1分前に、このバス、発車してしまいます。 これ、アルピコさん、なんとか5分後(07:50発)にしてくれませんか? この1分前という発車時刻設定…もし嫌がらせでないのなら是非ご検討を(笑)。
(低公害車両)
そんなわけで、去年と全く同じ電車で、同じバスで、同じ八島湿原バス停で降車です。強清水で新聞を届けるところまで同じで、たぶん車両(低公害車)も同じです。ただ、時計が故障しているのか、紙で隠されています。乗客は10人ほどでがらがらです。
(時計は故障中?)
八島湿原で降りたところで見た光景も去年とほぼ同じ。ありがたいことにこの日も霧ヶ峰の名のようなガスはなく、鷲ヶ峰がよく見えています。今度来たらあちらへ行ってみたいな…と思いつつ、ビジターセンターで花の写真集をもらおうと思ったら、これが今は150円で販売中(笑)。なんだタダじゃないのかとケチな私は、そのまま八島湿原へ向かいました。
八島湿原ではシカをしっかり排除してくれているおかげで、いろいろなお花が間近で見られます。そして、今が旬(?)のお花は名札をつけていてくれたりするので、花の写真集をお金を出して買う必要も無い気がします。
(八島湿原内のキスゲは間近で見ることが出来るが、群生はしていない)
ニシキウツギ、イブキボウフウ、コバギボウシ、そしてお目当てのニッコウキスゲ。。。オカトラノオやオミナエシ…そしてタチフウロ。ホソバノキリンソウにクガイソウ,コウゾリナ。。。シカくんたちをシャットアウトすると、こうも旬の花が出そろうのか…と言うほどの顔ぶれです。
昨夏ヤナギランが咲いていたあたりに来ると、さすがに、まだこれからと言った感じですが、それでもフライング気味の花芽が開いているものも見つかり、8月入りあたりが好さそうな雰囲気でした。
昨夏、コオニユリとばかり思っていた花にはクルマユリの名札がつけられていて、あちゃー嘘書いちゃったと思いながら進みます(笑)。アヤメ(ショウブ?)も咲いていて、八島湿原は「咲き乱れる」とはとても言えませんが、夏のお花が間近に見られるので、来年もまた来てしまうかも…と思いながらのんびりお花散歩。
シモツケソウも綺麗に咲いていて、来てよかったよかったと思いつつ、もうすぐ木道が終わるというあたりで…、うふふ、ほかの人たちは皆気づかずに通り過ぎているようだけど、ゴン太くんは君を見逃したりはしませんよ…ヤマオダマキが咲いていました。
奥霧小屋を過ぎてシカの防御策をくぐった先で、男女倉山(おめぐらやま=ゼブラ山)方面へ向かう径に入るのですが、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』に記載のような指導標は、現在は無いようですので、左手に向かう細い踏み跡を見逃さないようにしないと物見石の方へと行ってしまいます。
草が被りがちの径を上っていき、すぐに尾根筋に到達。右折して尾根通しに歩いて行きます。ツリガネニンジンにジャコウソウやコウリンカ、ウスユキソウが咲いているのが見つかりました。
(コウリンカ)
入口には指導標も見当たらなかったので、静かな山歩きが楽しめるとばかり思っていたところが、実際はそうでもありませんでした。反対方向から歩いてくる結構な数の団体さんに何度もすれ違います。おまけに、ちょうどお昼にたどり着いた男女倉山山頂では、とある百名山制覇(?)ツアー団体に遭遇してしまったほど。
そんな団体さんが押し寄せてくるのはさすがに想定外だったので、眺めも好い男女倉山山頂でおにぎりタイムにしてしまったのですが、幸いにも彼らはお昼を既に済ませてしまったあとらしく、10分ほどしたら、八島湿原へと下って行ってくれました。
(ゼブラ山の山頂標識がある男女倉山)
男女倉山(ゼブラ山)山頂は、眺めのよい広々した山頂で、バスで八島から来たときは、ランチタイムにはうってつけだと思います。富士山に似た形の蓼科山も綺麗に見えていて、人が少なければ(笑)、のんびりとくつろぎたい場所です。
しかし、本当に佳かったのは、このあとの山彦谷の両耳前後の稜線歩きでした。カメラのレンズが結露してしまって、ろくな写真が残っていないのがとても残念なのですが、猛暑の日々、こういう快適な草原歩きが出来るのはとてもありがたいことです。
(北の耳から南の耳へ…左奥は車山)
ただ、お花は本当に少ないです。見つかるのはこれまでと同じコウリンカやウスユキソウぐらい。山彦谷南の耳の先は昔のガイドブックによればニッコウキスゲが咲き乱れていたようですが、本当にただの一輪も見つかりません。レンゲツツジの葉っぱだけはたくさん見つかりますが、これも、単に花が終わってしまっただけなのか、食べ尽くされたのか…6月あたりに来てみて確かめてみたいような、みたくないような…。
右手に、昨年歩いた物見石から蝶々深山の道筋と、そこを歩く団体さんの姿を見ながら、殿城山の分岐点へ草原を歩いて行きます。八ヶ岳が連峰のように左から蓼科山~天狗岳~硫黄岳~赤岳~権現岳と、ほぼ全部見える箇所もあり、アップダウンもさほど急激な箇所も無いので、今回も久しぶりの足慣らしにはちょうど良いコースでした。
が、殿城山分岐の先で目にした恐ろしい光景がこれ(笑)。
車山から降りてくる小学生の集団登山隊です。 この中を逆行して山頂を目指す気はさすがに失せてしまい、そのまま車山肩・コロボックルヒュッテ方面への巻き道へと進んでいきます。前回、車山には既に登っているし、このままコロボックルヒュッテから霧ヶ峰インターチェンジへと降りれば、昨年乗車した15時前のバスにも間に合いそうですから、あっさりと登頂は見送り。
今回もコロボックルヒュッテには入らず、ヒュッテ前の日陰でひと息入れたら、去年と同じ径を下山です。昨夏咲き残りのニッコウキスゲを見かけた柵の中は、咲き乱れるというほどでもありませんが、まぁまぁの数のキスゲが咲いていました。
しかし、電気柵に覆われていないところには当然のように一輪も見当たらず、今やこの花は、一部の地域を除き、本当の意味での自生はしていないに等しいのだという悲しい現実を、この山旅の最後になって見せつけられたようで、それがとても残念ではありました。昔は梅雨明けの頃に当たり前のようにどこでも咲いていたような気がして、その頃はあまりありがたみも感じていなかったのですが…。
電気柵がなくなったあたりからは、人も少なく、一部は昨年同様草の被さった径になり、グライダーののんびり飛んでいる光景を眺めながら園地を下っていきます。早くも咲いているマツムシソウを見つけたぐらいで、これまでの径と同じような花しか見つからない中、文字のかすれた古い看板。。。
そこには「ニッコウキスゲ(ユリ科) : ユリ科ワスレナグサ属の多年草で、温帯から亜寒帯にかけての高原に自生し、花は昼間だけ開きます。特にこの霧ヶ峰高原には大群落をなしていて、七月の開花時には黄色の花が咲いてみごとである。 : 長野県」とあります。
この看板が撤去されずに、このままの文章で、皆に読めるような明瞭な文字で新しく復活することを願いたいところですが、やはり難しいことかも知れません。
インターチェンジに着いたのは、14:45。 バス出発までにビールを買うぐらいの時間はあるだろうと、昨年購入した店に行ってみると…
(えっ…)
なんと酒類の棚はからっぽ(笑)。売り切れたのではなく、置いていないという感じ…。そりゃ、ここに来る人たちは、ほとんどは車で来るのだろうけれど…としょんぼりしながら、バス停へと戻ろうとしたところで、右手にアイスクリームの販売所があり、よく見てみるとビールがあるとの表示♪。 聞いてみるとアサヒだけだがあるとのことで、購入(350円)。
グビグビと飲みながらバスを待ち、去年と同じように駅の観光案内所で片倉館の割引券をもらってカラスの行水。入浴後は駅のお土産屋さんで真澄の生酒を購入して、16:36発の鈍行を乗り継いで帰宅しました。
| 固定リンク
コメント
こんにちは。
やはり霧ヶ峰、夏になると行きたくなりますね。
以前は上諏訪も茅野からも早い時間のバスがありましたが、もう無くなってしまいましたね。
基本的に特急利用を想定しているのでしょうか。
そういえば山かいじ、自分もあの時刻を見て誰が使うのかなと思いました。
何かのイベントがあって、ついでに客扱いしているのかなという気も。
以前に中央本線にそんな列車があって、指定席がまったく取れない不思議な列車がありました。どうやらJRが主催した企画で席を確保している臨時列車だったようでした。これがそうとは限らないけど、何か疑いたくなるダイヤですね。
投稿: リブル | 2018.07.28 19:25
リブルさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
そんな臨時列車があったのですか。要するに団体列車の空いた席に一般客をあてがう(?)っていうことでしょうか。
ただ、この列車はそうではないように思います。というのも、あの記事を書いたあとで、駅にある指定席自動発売機を使って、7/28は、どのくらい席が埋まっているのか見てみたんです。
そうしたら、どの車両もほとんどがらがらで空席だらけでした。折しも大型台風が来たので、買った人もどれだけ乗ったのか…。
話は霧ヶ峰のバスになりますが、記事中にあるように、朝7時台のバスが茅野駅から出るようになったものの、これが下り鈍行到着時刻の1分前に発車という、「そんな殺生な!」という時刻設定で、くだんの特急が、茅野にも行ってくれれば、間に合うだろうとは思いますが、なにせ中途半端な小淵沢止まりですからね。
この車両を利用した上り列車もどうやら無いようですから、帰りは無駄な回送列車…。エネルギーの有効利用という観点からも、少しは考えてよ!と言いたくなってしまいます(苦笑)。
投稿: ゴン太 | 2018.07.28 21:44
ゴン太さん、こんばんは。
写真を見るとお花が少ないですね。
見晴らしの良い広々とした草原を歩くだけでも気持ちは良いですが、やはりお花が欲しいですね。鹿害でしょうか。
投稿: AKIO | 2018.07.29 20:35
AKIOさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
おっしゃる通りで、シカの食害と思われます。彼らも悪気があるわけでは無くて、自分の生命維持のために必要なだけ摂取しているのですから、こればかりは致し方ないことなのですが、昔のガイドブックには、山彦谷のあたりが黄色く染め上げられるほど大群落で咲いている写真が掲載されていて、あまりに現状との落差が大きすぎると感じました。
柵の中も八島湿原も、ようやく少し回復してきたといった感じでしたので、まだまだ花は少ない状態ですが、以前の状態に戻るまで時間がかかるのは仕方のないことかも知れません。
今は少ないながらもお花は柵の中で楽しんで、あの広々とした草原を開放的な気分でのんびりお散歩出来ることを感謝するしかないですね。
霧ヶ峰は私好みの闊達な大草原ですので、また出掛けてしまう気がします。
投稿: ゴン太 | 2018.07.29 21:00