【浅間山を見に…鼻曲山~留夫山】 山バス情報164
(小天狗から浅間山:残念ながら樹が育ってしまって、スッキリとは見えない)
【山行日】 2017年12月23日(祝)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
八高線某駅 - 05:25 高麗川 (JR八高線)
高麗川 05:29 - 06:50 高崎 (JR八高線)
高崎 06:58 - 07:31 横川 (JR信越本線)
「バス」
横川駅 08:10 - 08:40 軽井沢駅 (JRバス関東 510円)
軽井沢駅 09:10 - 09:30 長日向 (草軽交通 540円)
「歩行」
長日向 09:40 - 10:20 1351の先の林道
林道交差点 10:25 - 11:00 小天狗(鼻曲山 標石点)
小天狗 11:40 - 12:40 留夫山(とめぶやま)1590.8三角点
留夫山 12:50 - 13:45 旧中山道分岐(旧碓氷峠)
旧碓氷峠 14:05 - 15:00 旧軽井沢バス停
「バス」
旧軽井沢 15:00 - 15:05 軽井沢駅 (シャトルバス 150円)
軽井沢駅 15:35 - 16:05 横川駅 (JRバス関東 510円)
「鉄道」
横川 16:30 - 17:02 高崎 (JR信越本線)
高崎 17:07 - 18:49 高麗川 (JR八高線)
高麗川 19:00 - 八高線某駅 (JR八高線)
【地形図】 「軽井沢」
(横川駅からのタクシー料金目安 : この日は駅前には常駐してませんでした)
前回の山行きで王城山からの浅間山の展望が今ひとつ消化不良だったこともありまして、浅間の展望が良さそうなところに行きたいな、と考えていました。黒斑山や浅間隠山は行ったことがありますし、18きっぷとバスで日帰りは難しいところです。鼻曲山も横川駅からタクシーで霧積温泉まで上がらないと行けないし…と思っていたのですが、ガイドブックで、長日向からの乙女コースが時間もかからずに登れるうえにバスは通年で走っていてくれることを知って、このコースなら留夫山への南下縦走も碓氷峠から軽井沢へ下りれば、日の短いこの季節でもなんとかなりそうと実行に移してみることにしました。
いつもどおり、朝一番の八高線で高崎に出て、高崎では横川行きにすぐに乗換え。今日はだるま弁当は無しです。18きっぷでは初めて乗る横川行きの信越本線、車両はずっとがらがらでした。横川駅は7時半過ぎの到着で釜飯売場にはもちろん、改札に駅員も居ない状態です(笑)。まぁ、おぎのや が営業時間外なのは予想は出来ていたことなので、お昼ごはんは自宅近くのコンビニで調達済みです。
(横川駅 7時半 : おぎのや も開いていないし、駅員もいない)
しかし、軽井沢行きJRバスの始発までは40分近くあり、寒さが身に沁みます。幸いこの日は比較的暖かく風もありませんでしたので、駅の陽当たりの好いベンチでメロンパンなど口にしてなんとか時間を潰せましたが、駅には待合室もありませんので、寒い時期は、高崎で時間を潰して(それこそ弁当でも仕入れて)次の08:03着(高崎07:30発)で来る方が賢明です。
軽井沢行きのJRバスは、運賃510円ですが、18きっぷはもちろん、ICカードも使えません(運賃は前払いです)。大型のトイレ付きバスで、私が乗り込んだときは、数人だけの乗車で、こんな大きなバスはもったいないなと思っていたのですが、08:03着からの乗り継ぎ乗客は非常に多くて、座席はほぼ埋まってしまいました。
軽井沢では草軽交通の草津温泉行きバスまで、また半時間ほど待たなければなりませんが、軽井沢駅はさすが新幹線の駅舎だけあって(笑)、駅に暖かい待合室もあってバス待ちの時間も苦になりません。
草津温泉行きのバスは、既に冬のダイヤになっていましたが、09:10発は急行ではないため、長日向で途中下車可能です(次の10:10発は急行バスの為、途中下車不可)。これまた大型の車両で、席はこの時期でも半分ほどは埋まっていました。なお、このバスももちろんICカード使用不可です(料金は後払い)。
山の格好をしたのは私だけでしたので、当然、長日向のアナウンスでボタンを押すのも下車するのも私だけです。降りた停留所のすぐそばに一見登山道入口のような林道がありますが、近くにある注意書きのように、更に草津方面に70mほど進んだところに登山道の入口にあたる林道があります(ふれあいの郷入口)。
林道というか、別荘地の未舗装道路をずっと歩いて行くわけなのですが、これがゲートを越えた先でも、車が通れるような道幅と傾斜がずっと続きます。しかもよくある林道のようにジグザグを切って蛇行したりせず、ほぼ真っ直ぐに伸びていく道なのです。ガイドブックで読んではいましたが、あまりに長いこと幅広の道が続くので、途中で「これは径を間違えたかな…」と思ってしまうほどでした。
結局、これは地形図「軽井沢」の1351の先で林道と交差する地点まで続いていて、この林道と交差した後からようやく登山道らしい幅の狭い径となり、さらにその先で鼻曲峠へ行く径との分岐までは、傾斜もあまり増しません。
私はこの林道との交差地点ですでに1時間近く経過していたことや、この先の高度差が約300mであることや、ここまでの道のりから、この先ろくな休憩場所も無さそうとの判断で、風情はないけれども陽当たりの好いこの場所でティータイムとしましたが、後から考えてみても、この判断は間違ってはいなかったように思います。
鼻曲峠との分岐には、ちょっと判りにくい通行止めの表示がありましたが、通常、径が崩れていて危険なのは巻き道の方が圧倒的に多いので、ここは峠道が通行止めと判断して、鼻曲山へ直登する方の径を選びました。
鼻曲山へ直登する径はさすがに傾斜が増してきて、息が上がりますが、雑木の森で林相はすこぶる好く、歩いていて気持ちの好い径です。高度が上がるにつれ丈の低い笹道となって陽差しもたっぷりになってきます。背後の浅間山に雲がかかっているのが気がかりですが、高度計を見るともう山頂までそれほど時間はかからないと判り、焦らずじっくり登っていきます。
周囲の展望が開けてくると間もなく、来た方向を長日向とする指導標が現れ、標石点のある場所に出ますが、ここには何の標識も無く、高度計の表示は山頂と思われる高度を指してはいるものの、余りに何も無いので、本当にここが小天狗(鼻曲山西峰)なのかどうか自信が持てなくなります(笑)。
時刻は11時。浅間山が見えてはいますが、ガイドブックで見たほどに遮るものなしには見えていなかったため、余計不安になって(笑)、笹道に伸びる踏み跡があったので辿ってみると、やはり予想通り二度上峠への径でした。
(小天狗には長日向を指す指導標の他は判読不能な二度上峠方面の道しるべがあるだけ)
先ほどの標石点に戻ってみると、男性が一人いらしたので聞いてみると、こちらが小天狗とのこと。大天狗はあまり展望は佳くないとのことでしたので、こちらでお昼ごはんに。。。すると「富士山が見えていますよ」と言われびっくり。今日は浅間にばかり気をとられて、富士山はノーマーク(笑)、教えていただかなかったら絶対気づかずにいたことでしょう。
お昼ごはんを食べ終えても、しばらく浅間の頭上の雲がとれないかなと期待して待ってみたのですが、やはり無理そう…。陽当たりは抜群に好かったものの、この季節これ以上の長居は難しく、腰を上げて大天狗方面に行ってみます。
大天狗には「鼻曲山1654m」の標識が建っていて、浅間の眺めはよくないものの、こちらの方が山頂の雰囲気があります。山頂からほんの少し戻るような感じで、「霧積温泉」と書かれた指導標の方向へ向かいます。ここから南下して鼻曲峠を経て留夫山へと向かうわけですが、霧積温泉との分岐でもある鼻曲峠は、先ほどの乙女コースの通行止め表示が暗示していた通り、乙女コースへの峠道は半ば廃道化した状態のようで、指導標も霧積温泉や鼻曲山、留夫山を指すものはあっても、長日向を指すものはありませんでしたし、長日向へのかつての峠道らしい踏み跡も、よほどよく探さないと見つからない状態でした。
で、この峠でどうしても目が行ってしまうのが、角落山の姿でしょう。私も名前だけは聞いて知っていたのですが、これほどけったいな形をしているとは知りませんでした(笑)。前回の王城山でも丸岩に目を奪われましたが、こちらは、なんとか是非いちど登りに来てみたいとの思いを抱かせるほど。
峠からすぐに登り返すピークがありますが、これはもちろん留夫山ではなくて手前の金山。小ピークから笹道を軽快に下っていき、前方かなり遠くに留夫山が見えてきます。下れば下るほどその姿は大きく壁のように立ちふさがる感じで、近づいていくとアレを登り返すのかとやや気が滅入る感じもします。
下りきったところの右手には地形図にもあるように、幅広の林道が上がって来ているのが見て取れますが、何故か木の枝で通せんぼのようにしてあります。ちょっと複雑に枝分かれしている林道なので安易に下ってきて欲しくないと言うことなのでしょうか。。。しかしいざというときにはエスケープルートに使えそうな感触です。
鞍部から登り返していくと、北面ということもあって、薄雪が残雪として残っています。尾根通しに登っていくと、踏み跡は動物のものばかり。様々な形、大きさの足跡があって、これはひょっとして…という感じのものもありましたが、多くは小動物のものです。
実際この日、山頂(小天狗)で会った男性以外は旧碓氷峠まで人間に会うことはなく、自分の足音以外聞こえる音もない、実に静かな山歩きでした。プーさんはもう冬眠では…とも思ったのですが、人の気配がほとんど無いので、用心のため途中から鈴を出して歩くことに。。。
それほど絞られたという感じもなく、じりじりと高みを目指していけば留夫山に到着。三角点と山名標があるだけの静かな山頂で、小天狗からちょうど1時間が経過していたこともあって、ティータイムにします。
ひと息入れたら、一ノ字山方面へ更に南下です。いちおう尾根が分岐しているのでコンパスで確認しながらの下りですが、青テープが目印にもなっていて、間違えて南東尾根に入り込むこともないでしょう。。。としばらく下った先で、突然ガサガサと音がして、目の前を黒っぽい動物が横切り、思わず「わ」と声が出てしまいましたが、可愛らしいカモシカくんでした。たぶんまだ子供なんじゃないかと思います。どこで見掛けても同じですが、逃げ去るくせにしばらくは、離れたところからこちらの方をじっと見つめています。
ふう、やっぱり鈴をつけないと…とポケットを探ってみたのですが、どこにも無し。たぶん、留夫山でザックに仕舞ったんだろうと、そのまま落ち葉をガサゴソいわせながら下っていきますが、やっぱりちょっと不安で、やや急ぎ足で下っていくことにしました。
右手に樹林越しですが、ずっと浅間山が見えていて、ほぼ平坦に近いぐらいの尾根歩き。浅間は先ほどまで頭にくっついていた雲がとれたようで、どこかでひょっこり姿を見せてくれないかな…と空しい期待を少し持ったのですが、やはり無理な相談でした。
小天狗でさえ、伸びた樹林を払うこともしないままですし、登山道を示す指導標もほとんどがもう判読不明な古いものばかりで、行政は信州も上州もこの山に手を入れる気はないというのが、この日歩いてみて一番強く感じたことでした。しかし、これはこれで佳いのかもしれません。近郊の山がどこも富士を見せるためにバサバサと惜しげもなく樹を切り倒しているのに少なからず疑問や失望を感じている私としてはむしろ好ましいことのようにさえ感じました。
(こんな感じの平坦な径がずっと続くが、途中で転けてしまったりもした)
浅間のことばかり気にしていたせいか、一ノ字山の三角点は気づかずに通り過ぎてしまったようで、径がクイッと左(東)に向きを変えたと思ったら間もなくで峠に登ってきた四輪駆動車が見えて、すとんと旧碓氷峠(旧中山道分岐点)に着いてしまいました。
時刻は14時前。予想より随分早く峠に着いてしまったので、横川駅まで旧中山道を通って…とも思ったのですが、エアリアを引っ張り出してみると、駅まではあと4時間近くとコースタイムには出ています。さすがに4時間はかからないかも知れないけれど、今は一年中で一番日が短いとき。日没を気にしながらあと3時間ばかり歩くのも…ということで、予定通り、軽井沢へ。
ガイドブックには、「あとは見晴台遊歩道を通って旧軽井沢のメインストリートへ出るばかり」とあったのですが、その見晴台遊歩道というのがよくわからず、車道をウロウロしていると、「旧中山道碓氷峠道跡」という看板が見つかったので、その脇から下っていき、「かもん坂 中山道」という古ぼけた道しるべをたよりに土の径を下ってみました。
この小径、手が入っているのかいないのか…。倒木がそのまま放置されているかと思うと、補助のロープが張られていたりして、わりとすぐに普通の林道に飛び出して、そのまま林道を辿っていくと、左手から見晴台遊歩道が合わさりました(笑)。
で、その遊歩道を辿っていくと県道133に合流。なお、この県道はシーズン中はバスが走るようで、ビニールを被ったバス停が見つかりました。
つるや旅館が見えてくると旧市街らしくなり、こんな寒い季節にこんなに!というくらい観光客がたくさんいます。ほとんどが若いカップルで、みなラブラブという感じで手をつないで歩いています。そんな中を年寄りハイカーが単独行で無粋に歩くのですから、恥ずかしい恥ずかしい(笑)。
観光案内所や、美味しそうな地酒専門店などもあったのですが、一人で入っていくのも気後れしてしまい。「そういや、明日はイヴか!」どうりでカップルの目が皆トロンとしてるわけだと気づき、きゃー恥ずかしい、という感じで旧市街を競歩のような早歩きで歩いて行くと、ちょうど旧軽井沢のバス停にバスが停まっているのに気づき、考える間もなく飛び乗って軽井沢駅へ。
軽井沢の駅では、横川行きのバスまで半時間ほど時間があったので、あまり流行っていない感じの土産物屋で地ビールを二本買って、朝も利用した暖かい駅の待合室でゴクゴクとやって、今日一日の山行きを振り返ります。
横川駅へのバスは、やはり利用客が結構います。軽井沢へは各地から高速バスがたくさん走っているので、横川・軽井沢線なんて、寂れきっているのだとばかり思っていたのですが、こんな真冬でも利用客はかなりの数いるのですね。
横川駅では、ベンチで釜飯を掻き込んでいるお兄さんが一人いたので、おぎのやのおばちゃんに、「まだ釜飯あるのですか?」と訊いてみたのですが、残念、たった今売り切れ、とのことで、峠フェチの私としては、昔大月でさんざん喰った釜飯と味はたいして違わないだろうとは思いつつも、久しぶりにあのどっしりした容器を手にしてみたかったなぁ…と少しだけ心残りで帰途についたのでした。
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