【入笠山…駅から徒歩で登る阿呆・駅まで徒歩で下る莫迦】 山バス情報161
【山行日】 2017年09月03日(日)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 05:13 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 05:14 - 05:50 大月 (中央線各駅停車)
大月 05:53 - 06:41 甲府 (中央線各駅停車)
甲府 06:46 - 07:39 青柳 (中央線各駅停車)
「歩行」
青柳駅 07:50 - 09:15 展望地点(茶屋跡)
展望地点 09:25 - 10:20 某山荘
某山荘 10:30 - 11:25 入笠山山頂
入笠山 11:55 - 12:50 大阿原湿原パーキング
大阿原湿原 13:00 - 14:20 沢入登山口
沢入登山口 14:30 - 15:35 青木の森入口(池の十)
池の十 15:40 - 16:30 富士見駅
「鉄道」
富士見 16:55 - 17:04 小淵沢 (中央線各駅停車)
小淵沢 17:12 - 17:57 甲府 (中央線各駅停車)
甲府 18:08 - 19:40 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 19:48 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)
(大阿原湿原…木道は歩きやすいが、シカ対策をしていないので花がほとんど無い)
遅れに遅れて10日以上前の9月3日:日曜日の山行レポです。
18きっぷ3回目。本当はこの日、別の山へ行く予定でした。前の晩21時前に眠くなってくれたので、すかさず床についたところ、スンナリ眠れて、それは良かったのですが、山で熊に遭う夢を見てしまって、おののきながら目を覚ましたのが3時半(笑)。クマのあの毛並みや艶が妙にリアル。その予定していた山の登りがバリハイだったこともあり、あまり良い予感はしません(笑)。
それにその山は、こんなに早く起きて行く山ではなくて、これは予定を変更しなさいということかな、と、行き先を変更しました。朝の早い時間のプランはいくつかあったのですが、前二回の山行きは歩行時間が短くて、いい加減しっかり山を歩いておかないと…ということで、いくつかあるプランの中から選んだのが、入笠山へ青柳駅から歩いて登るというもの。
で、朝慌てて見たネットの入笠山のバスのサイト。ふうん…帰りの便は15:00か…。帰りはバスにしようかな、ま、時間と足の調子次第か…と。
とりあえず、前回の痛い失敗がありますし(笑)、ここは朝一番の高尾5:14発の中央線に乗り込みます。大月・甲府と乗り継いで、茅野駅のひとつ手前、青柳駅で下車。降車客は私一人だけ。じゅうぶんに柔軟体操をしてから歩き始めます。
私の持っている古いガイドブックには、青柳駅から直接登るルートが紹介されているのですが、まぁ、今時こんなことをする人はほとんどいないらしく、道しるべというものが全くありません。地形図も持っていないので、エアリア『甲斐駒・北岳』の裏面に載っている地図と、古いガイドブックが頼りです。
20号線を渡って、少し戻るように集落の道を上がっていくと、ビーナちゃんバス停留所という地元のお年寄り向けと思われるバス停があって、その大沢という停留所のところで、ちょっと迷いました。左手に上がって行く道が今までのいろいろな経験から言って登山口に行くようにも思えたのですが、丁度地元の人たちが朝の集会から戻ってきたところだったので聞いてみると、そのまままっすぐ行く道の方がわかりやすいから…ということで、左手には上がらずに直進。
言われた通り歩いて行くと、大沢川を渡る橋の先で「←入笠湖 入笠山登山コース→」という大きな表示に出くわしたので、登山コースの方へと向かいます。道はずっと軽トラなら通れるぐらいの幅広の道で、未舗装とは言え、登山道という感じは全くなくて、ガイドブックで読んでいた「静かな雑木林」とは違いカラマツの植林が目立ち、ああ、これはあのガイドブックの道ではないのだなと思いつつも、進んでいきます。
やっと高度を本格的に上げ始めたあたりで、左手から明らかに登山道と判る道が交差してきて、道標は車道の方を歩くように示しています。。。結局その先で登山道に入るように道標が示し始めたので、今までとはまるで違う急傾斜の登山道を上がっていくと、今度はどんどんヤブがひどくなってきます。下道ははっきりしてはいるものの、明らかに道普請はされておらず、腕にひっかき傷を作るほどのヤブ道でした。
(ヤブ径…昔の登山道は整備されておらず、歩いて登る人のことは、ほとんど想定されていない)
長く感じたヤブ道も、実際はほんの10分~15分ほど。薮を抜けて10分ほどですずらんの里駅からの道(これも軽トラが通れるぐらいの未舗装の車道)に合流して、茶屋跡のある展望地点に到達します。茶屋はもちろん閉まっていますが、丸太のベンチもあるので、水分補給をかねた休憩を取ります。この日は朝から肌寒いぐらいだったので、びっしょりとかいた汗がかなり冷たく感じました。
休憩後、再び未舗装の車道を歩いて行くと、5分ほどで右手に細いけれどもしっかりした踏み跡が伸びているのに気づきました。エアリアを見ると「旧道歩かれていない」とありますが、車道を歩くのも気が進まず、クッキリとした踏み跡がずっと伸びているのを信じて、そちらへ踏み込みました。
踏み跡は、先ほどの登山道のような藪は無くて、歩き易い道です。25分ほどで車道と再び併さります。車道と合流してから10分もしないうちに、再建中の「お花茶屋」に到達しましたので、コースタイムより10分ほど早く到達できたようです。お花茶屋の先は別荘地のようになっているらしく、「○○様」といった立て札や「貸地 大沢山委員会」と言った立て札が目に付きます。途中に「××山荘」という場所があって、誰もおらず、休憩後1時間ほど経過していたこともあって、ベンチで休憩させてもらいました。
そのときは気づかなかったのですが、その「某山荘」も実は個人オーナー様がいらっしゃるようで、無断で休憩するべきではないようです。たいへん申し訳ないのですが、休憩場所に選んでしまった山荘の名前は伏せることにします。
休憩後なおも幅の広い未舗装道路を進んでいくと、入笠山荘跡地に至るあたりで人の話し声が聞こえてきました。入笠湿原が近づいてきたようで、案内板も見つかりました。山彦荘のあたりにさしかかるともうそこは観光地と言っていいぐらいの人人人。今までの道程がウソのようです。入笠湿原はあとで見て回ることにして、とりあえず「入笠山山頂→山頂まで40分」の遊歩道へ入ります。
その遊歩道には「カゴメの森」なる看板がありファミリーハイクの子供連れも多くたいへん賑やか。マナスル山荘への道を右に分けて監視員もいる入笠山への入口の鉄の扉をスライド。そうです。シカの食害を避けるためにネットで囲い、鉄の扉を開けて入るのです。
もう夏の花も終わりで、ヤナギランなどは下にふさふさの綿を纏っています。マツムシソウはまだだいぶ残っていましたが、咲き残りとの印象はぬぐえない感じ。アキノキリンソウ、コバギボウシ、ヤマハハコ、ツリガネニンジン、シモツケソウなど見ながらゆっくり登ったあと、最後の急登をこなせば、入笠山の山頂です。時刻は11時半。8時前から登り始めたので、駅からだいたい3時間半ちょっとというところでしょうか。たぶん、この日ゴンドラを使わずに3時間以上かけて登ったのは私ぐらいのものでしょう(笑)。
山頂はとても眺めが良いです。雲を被ってはいるものの八ヶ岳も見えるし、南アルプスも見えます。そして、ついこのあいだ痛い目に遭った(笑)中央アルプスの眺めもココはかなり良いのですね。結構複雑な思いでしたが、折角なので中央アルプスの、たぶんあれが木曽駒という感じの方角を眺めながらお昼にしました。
例によって、凍らせたスポーツドリンクと抱き合わせて持ってきた「のんある気分」も口にして、腹ごしらえを済ませたら、仏平峠への道を下り、ずっと舗装された車道を歩いて大阿原湿原へ。途中「首切り清水」があったので、寄ってみましたが、やはりというか、「飲用不可」の表示。エアリアにも水マークがなかったのでそれほど驚きませんでしたが、ココで水の補給はできませんので注意が必要です。
で、大阿原湿原ですが、一周してはみましたが、結論から言うと「現時点では寄る価値無し」です、残念ながら。。。木道も歩きやすいですし、人も少なく静かなのですが、先ほどのようにネットでシカを排除していないため、お花がほとんど無いのです。だだっ広い湿原なだけなのです。かろうじてアケボノソウが見つかったほかは、キオンとトリカブトを見たぐらい。柵を設けて排除するかどうかでここまで違ってきてしまうものなのかというほどの大きな差異がありました。悲しいことですけれども、これが現実なのですね。
大阿原湿原からは、昔のエアリアには1506.6の三角点を通って行く下山路がありましたが、今のエアリアでは消えていますし、柵で囲ってあるとは言え、入笠湿原の方を見てから帰りたかったので、車道を戻って仏平峠へ、そして、もう入笠山には登らずにそのまま車道歩きで山彦荘へ。舗装された車道歩きは確かに退屈ではありますが、それほど交通量は多くなく、途中に八ヶ岳がどーんと蓼科山から赤岳まで見渡せる展望地点があります。また、マツヨイグサやツリフネソウなども車道脇に咲いていたりします。
山彦荘のベンチで少し足休めをしたあと、入笠湿原へ鉄の扉を開けて入ります。サワギキョウは萎れかけという感じでしたが、エゾリンドウが元気に咲いていたのが印象的でした。あと、これ↓はウメバチソウで良いのでしょうか。丁度見頃のように感じました。
ゆっくり一周したところで、時刻は13:45。さて、そろそろ帰るとするか…。朝慌てて見たバスの時刻は15:00発。本当に走っているんだろうか…。しかし走っていなくても富士見駅まで歩いてしまえばいい。足は疲れたけれど、膝の方に来る心配は無さそうだし…という感じで、入笠湿原から沢入登山口へ! そうなのです。愚かなことに私は、そのバスがゴンドラの山麓ではなくて沢入の登山口に迎えに来るものだとばかり思っていたのです(笑)。だって、一日二本だけなんですもの。ゴンドラのバスだったらもっと本数多いはずだって思ってしまったのです。いや、昔はバスといえばそっちだったのですよと、年寄り臭い言い訳をしますが、とにかく下ってしまったのでした。
こちらの登山道は大変綺麗に整備されていて、歩きやすかったです。そして、当然のごとく静かです。登山口に降りるまでは強い陽差しに炙られることもないですし、お奨めの道です、但しバスさえ走っていてくれたらですが(笑)。
沢入の登山口に降り立ったのは14:20。一番暑い時間帯です。当然バス停はどこにも見当たらず、このときは、昔のバスのページがヒットしちゃったのかな…と。。。スポーツドリンクをごくごく飲んでひと休みしたあと、タクシー呼んじゃおうかとチラと思ったのですが、思い直して、バス無しで日帰りで登った山の標高記録(これまでは飯盛山1643m)を更新、1955m達成を目指して元気に富士見駅まで歩くことにしました(笑)。
てくてくてくてく。車に何台か追い抜かされますし、タクシーが一台お客さんを迎えに行ったらしく、そのタクシーが戻って来てまた追い越されます(笑)。バスも通れるほどのアスファルトの道なので、陽差しが厳しいです。1時間ほどで「青木の森」と「池の十」という分岐表示のあるところに出ました。さすがに足が疲れたので座ってスポーツドリンクを飲み足します。アスファルトの道で取る休憩は何とも惨めな気分(笑)。
またてくてくてくてく。遠くでお年寄り相手のイベントが行われているらしく音楽やらマイクの声が聞こえてきたりします。里が近づいてきたのがよくわかりますが、まだ半分ほどの道程と地図でわかるので、いささかウンザリ。前回といい今回といい、馬鹿げたことをやっているな…と自嘲気味に歩いて行きます。富士見小学校のあたりでは道が微妙に登りになったりして、最後に近づいたところでまたボディーブローを喰らったような気分です(笑)。
やっと20号線に出て、ああもうすぐだ…と思ってからが長かったです。。。道はほぼ最短を通ってきたし、道間違いもなかったものの、考えてみればもう朝の歩き始めから9時間近くになろうとしていて、これは本当にくだらない新記録樹立だと、あほらしさに苦笑いするしか無い状態。
それでも、18きっぷ1回目の上諏訪から乗った列車時刻が頭に入っていたので、それにはうまいこと間に合いそうだということで、焦らずに富士見駅に到着(16:30)すると、上り電車が来るというアナウンスが流れびっくり!慌ててザックから18きっぷを取り出そうと焦り藻掻いていると、なんとその列車は通過列車の特急(笑)。紛らわしいアナウンスをするなよ、もぅ…と思いつつ、時刻を確かめると上りは25分後の16:55発。
駅前のバス停留所を確認しに行くと、件(くだん)のバスは、富士見パノラマから富士見駅までの無料送迎バスとわかり、苦笑いしながら、駅前のたばこ屋さんを覗くと、やっぱりあった!ビール発見♪ エビスのロングとプレモルのレギュラーと二本も買い込んで、列車が来る前にエビスのロングを飲み干し、もう一本のプレモルは車内でゆっくり頂いて、無事帰途についたのでした。
※ お花の名前、間違いに気づかれた方、お知らせいただけると嬉しいです♪
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コメント
ゴン太さん、こんばんは。
駅から往復は無条件に拍手!です。
そうでないと、山の大きさや植生は実感できないでしょうね。
小生も昨年夏に18キップで入笠山にいきましたが、往復ゴンドラで楽をしました。
大河原湿原から西へ沢沿いの道を歩いて小黒川沿いの林道に出て頂上に戻りました。
この沢沿いの道は短いですが、なかなか雰囲気の良い道でした。
投稿: AKIO | 2017.09.14 21:45
AKIOさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
こんな馬鹿げた歩きで褒められると、ちょっと恥ずかしいです(笑)。
ただ、確かに山の大きさは実感できるのですよ。青柳の駅の標高は900m近くあるのですが、それでも標高差1000m以上ありますし、あの山はなだらかなぶん、道のりも長いわけで、中央本線の沿線から見たときも結構どっしりした印象がありますが、そのとおりの道のりでした。
でも、植生はあまりその遷移を感じることは出来ませんでした。ほぼ車道みたいなところでしたので、些か退屈な感は否めません。
鉄道だけで登ってみて思ったののですが、やはりこの山は、ゴンドラを使って、避暑がてら、ゆっくりお花見の山だな、というのが正直な感想でした。次回は少しお金がかかっても、たぶん、私もゴンドラを使うでしょう。
登山道と呼べるものがまだ残っているうちに歩いておこうという気持ちもあったのですが、率直に言って、「歩いていて楽しい径」ではありませんでした。
大阿原湿原から西の沢沿いの径(テイ沢ですよね)は、私も少し惹かれるものがありました。時間をかなり食ってしまいそうだったため、見送りましたが、ゴンドラ利用なら、ノンビリ歩けそうですね。
投稿: ゴン太 | 2017.09.14 22:38
私は富士見駅から無料バスでパノラマ駅、そしてゴンドラで入笠湿原に行きました。
本当は歩くのが一番でしょうね。
たしかに昭文社の地図にはしっかりしたコースになっていますね。
時々こうした表記があって昭文社にクレームを出しても修正されません。
荒れていると書いてほしいですね。
荒れていると書いてあってもすごく整備されているところもあって現地での確認が必要みたいです。
投稿: 西やん | 2017.09.15 22:34
西やんさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。
いえいえ、AKIOさんのコメントにも書きましたけれど、入笠山は今や歩いて登る山ではないと思いますよ。特に夏場は、西やんさんのように素直にシャトルバスとゴンドラを使って、上でゆったりするのが賢明だと思います。
今回、私は、のちのちのプランを視野に、登り三時間ほどの山歩きをしておきたかったという事情もあってやったことなのです。
昭文社の地図ですが、最新のものは少なくとも、青柳からのルートは、登山道が荒れているという注意書きと、ヤブ多いとの注意書きもあります。
登山道の手入れをするかしないかは、地元の方の好意だったりすることもありますので、こと入笠山に関して言えば、ゴンドラ登山がメインになってしまった以上、致し方ないことではないかと思います。
投稿: ゴン太 | 2017.09.15 23:22
入笠山は登山より自転車の山になっちゃっていますね。
ゴンドラも自転車が優先のような感じでした。
変なところを歩いていたら自転車にぶつけられます。
荒れていても狭い道がある国は正解だと思います。
投稿: 西やん | 2017.09.17 22:17
西やんさん、
そうそう、自転車、多かったですね。もっとも入笠湿原が近づくまでは、彼らもゴンドラなので、道中で会うことはありませんでした。
登山道は入れないと思いますので、あの山彦荘の前後辺りと、車道で気をつければ問題ありませんでしたヨ。
普段はヤブ山を中心に歩いたりしているので、個人的にはヤブ自体は不快ではなかったのです。 下道もしっかりしていて迷う心配もありませんが、ひょっとしてこのページを見て、下りだけでも歩いてみようかなという普通の登山者がいるかも知れない(?)と考えて、あのような書き方になりました。
投稿: ゴン太 | 2017.09.17 22:55