【イタドリ沢ノ頭から矢ノ音・孫山】
【山行日】 2017年01月21日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 08:33 藤野 (中央線各駅停車)
「歩行」
藤野駅 08:45 - 09:55 449ピーク点
449 10:10 - 11:15 矢ノ音
矢ノ音 11:30 - 12:05 孫山
孫山 12:25 - 13:10 相模湖駅
「鉄道」
相模湖 13:40 - 13:49 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 13:54 - 中央線某駅 (中央特快)
【地形図】 「与瀬」
天気予想図を見る限りは、先週末のような どん曇りの空模様を予想していたのですが、土曜の朝、明るくなってきた外を見てみると、どうやら青空いっぱいの晴天の様子。慌てて準備をして家を出たのは会社に行くぐらいの時間帯でした。
こんな日のために用意していたプランが、松浦本『静かなる尾根歩き』掲載の「イタドリ沢ノ頭から矢ノ音」(96頁)で、藤野駅から相模湖駅へ歩くバスを使わない山行き。バス待ちで寒さに震える心配もなく、交通費も安上がりで給料日前でもお財布の心配をせずにいけるので、まさにうってつけです。
ちょうどうまいこと高尾乗換え無しの電車が捉まえられて、車内はゴルフに行く人たちも乗り合わせる時間帯で混雑したものの、短時間で藤野駅へ。駅から和田へ行くバスを利用しても好いのですが、わずか数分の乗車ですし、次のバスは9時ですから歩いた方が早い(それにバス代も助かる)ので、身体をほぐしたらさっそく高尾方面へ戻るように駅前の道を進み、すぐ左手の踏切を渡って、沢井隧道をくぐります。
隧道は車も走行する中を歩くので、未だにあまり好きになれませんが、それほど長い距離でもないので、少しの辛抱です。トンネルを抜けた先の日野のバス停は、エアリアのように日野集落からの道との交差地点にあるのではなく、実際はもう少し手前にあります。歩いた感じでは、なるほどここまでならバスを利用するまでもないかな…という感想です。
数分で姫谷の看板が見え、クリーム色の橋も見えてきます。取り付きは簡単にわかりましたが、どうも感じとしては、余り入ってきて欲しくない様子。しかし通行禁止の表示もないので、そっと山道を上がっていき、竹林のところで上着を脱いで支度します。
ただ、竹林の先は踏み跡も錯綜していて、直進は崩壊した感じ。右手の踏み跡が素直な感じがしたので、そこから取り付く形で上がっていきました。このあと、松浦本のように北東へ向けて高みを目指す作業道を忠実にたどっていったつもりなのですが、組木も黄ポールも石祠も目にすることが出来なかったので、松浦さんの歩かれた経路とはもしかすると異なっていたのかも知れません。
コンパスで何度か確認した際、方角としては間違っていませんでしたし、何より作業道自体は基本的には一本道で、神奈川県造林公社の白ポールにごく自然に到達できたので、449ピークに着いたときもここで間違いないと確信できました。
藤野の駅を歩き出してからちょうど一時間強経過していたので、行く手にイタドリ沢の頭が見えるところが陽当たりも好く、449のピークでテルモスのティータイムにしました。
コンパスで念のため方角を確認してからイタドリ沢ノ頭へ向けて一旦下ります。鞍部からの登り返しはバリハイらしい直登となり、息を弾ませ、ときどき左手に見える山塊を眺めながら、全く特定できないけれど、あの奥に見える白く雪を頂いた山はどこかな、と気になりながら、上がっていきます。
登り切ると赤いテープを巻いた木はありましたが、さすがにハンカチは見当たりませんでした(笑)。 ここからは一般登山道です。イタドリ沢ノ頭への登りは先ほどの直登に比べたら楽なものです。
イタドリ沢ノ頭にはベンチもあり、樹林越しではありますが、遠くに富士山も見えていました。休憩地点(449)から30分も経過していなかったので、三角点にタッチしただけで、矢ノ音へ向かうことにします。それこそ幅2mのしっかりした平坦な道がずっと続き、楽ではありますがやや単調です。ただ、植林も多いですが、雑木の清々しい径もあって、このエリアに多いトレランの人も見かけませんし、たまに行きかう人も単独の物静かなハイカーばかりで、その点では静かなる尾根歩きそのものです。
矢ノ音へ登る径はエアリアには記載されていませんが、巻き道との分岐点には指導標があって「矢ノ音分岐」と書かれています。径は本当に登山道そのもので、迷いようがありません。登るにつれ林相も好くなっていきますから、時間があればぜひとも立ち寄りたい場所です。
矢ノ音山頂は丸太を切ってこしらえたベンチもありますが、そこよりも、明王峠へと伸びる笹道にある倒木の方が陽当たりも好く雰囲気も好かったので、こちらに座ってのんびり休憩することにしました。時刻は11:15。ここから予定通り与瀬神社だと、ちょっと早すぎる帰宅になってしまうとわかったので、陣馬山まで積雪の様子見がてら往復してみたら…とも考えたのですが、やはりあちらは人も多く賑やかすぎるだろう…せっかくの静かなる尾根歩きなのだから、このまま予定通りにしよう…と。
この日は時折吹く北風が相当強くて、やんでいた風が再び吹き始めたところで腰を上げ、戻って大平小屋と書かれた方向へ下っていきます。植林の中かなりの急降下で、尾根歩きの続きの心づもりだったので、道を間違えたかな、とふと思ったのですが、降り立ったところは明王峠からの巻き道が合流して、右手に緩やかに下れば大平小屋。その後は尾根歩きらしい平坦な径となりました。
平坦な尾根径は植林ばかりなのですが、手入れが良く行き届いているためか、あまり暗い感じではありません。道なりにずっと歩いて行けば、来た方向を明王峠、左:孫山・小原宿、道なり:与瀬としたわりと新しい相模原市の指導標があり、左手の坂を上がっていけば、孫山ノ頭です。
孫山の頭には意外にも先客が一人。普段なら遠慮してしまうところだったのですが、ベンチはもうひとつありましたし、この先にお昼を食べる適地があるかどうか…というのもあったので、孫山でおにぎりタイムにしました。孫山は植林に囲まれた山頂なのですが、ちょうど北風もやんできてくれて、陽当たりもそこそこあったため、お湯を沸かしてのランチタイムが可能でした。
昼食後は、三角点にタッチしてから、与瀬の方角につけられた笹道↑を下っていきます。下ったところには先ほど同様、相模原市の指導標があります。ここから相模湖の駅までは18年ほど前に一度下ったことがあるはずなのですが、ほとんど記憶に残っていません。確か雪の高尾山からの帰りに下ったはずで、そのときはどろんこ道で歩きにくかったと記憶していたのですが、この日は全行程に渡って冬枯れの乾いた径で、歩きにくいところは全くありませんでした。
与瀬神社も、そういえば、こんなところだったかな、という感じで、高速道路を渡るところも、もっと幅が狭かったように感じたのですが、20年近く前のこととなるとやはり記憶はアテになりません。20号線を歩き相模湖駅に着いたのは、上り電車が出た数分後。次の高尾行きまで30分近くあったので、相模湖駅の周囲を散策。すると、以前にもお酒を買ったことのある駅前の酒屋さんで、なんと笹一の本醸造生原酒というワンカップ缶を発見♪
ついつい我慢できずに、昼の日中からワンカップ缶を口にしてしまいましたが、これが、かなりの美味でございました。笹一のワンカップは普通の清酒もあって、そちらは正直言ってあまり好きではないのですが、こちらはさすがに生原酒だけあって、笹一の新酒祭りで売っている「しぼりたて」にはかなわないものの、生原酒のうまみだけは健在で、相模湖駅着の山行ではまた買い求めてしまいそうです(笑)。
追記
松浦本『バリエーションハイキング』91頁によれば、本コースの取り付きは地主の方が通行しないで欲しいと申し出られたとのことです。 今回、その記事を見落としていたため、入口の雰囲気は「余り入ってきて欲しくない様子」と感じたにも関わらず、通行してしまいました。
誠に勝手ながら、本記事を削除はいたしませんが、ハイカーの皆様方は本記事や松浦本『静かなる尾根歩き』を参照してこの取り付きを使うことは中止していただきますようお願い申し上げます。
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