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2016.05.31

【三本杉山・甚之函山から千足峠】 山バス情報146

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【山行日】 2016年05月29日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅  - 07:43 北野 (京王線特急)
北野  07:46 - 07:56 高尾 (京王高尾線)
高尾  08:07 - 08:25 上野原 (JR中央線)

「バス」
上野原駅 08:30 - 09:00 神野下村 (富士急山梨バス 610円)

「歩行」
神野下村 09:10 - 09:45 送電鉄塔148号
送電鉄塔 09:55 - 10:50 三本杉山
三本杉山 11:00 - 11:50 大丸
大丸   12:10 - 12:40 千足峠
千足峠  12:50 - 14:10 四方津駅

「鉄道」
四方津  14:30 - 14:50 高尾  (JR中央線 3分遅延)
高尾   14:53 - 中央線某駅   (JR中央線)


【地形図】 「大室山」 「上野原」

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(想像していたより林相は好かった)


 また約一ヶ月ぶりの山行きとなってしまいました…。

 リンク先の皆さんがシロヤシオを見に出掛けているのをうらやましく思いつつ、土曜が所用でつぶれ続け、やっとこの日曜日は出掛けられそう、と思っていたのが、土曜の午後になって、明日16時に多摩某所でという用事が…。

 いいかげん歩いておかないと…というぐらい開いてしまったブランクに、ここは、もう16時に間に合うような山に出掛けるしかない…ということで、こんな季節に行くかフツ~?と言われそうな、前道志のマイナー尾根を歩いてきました。

 こんな時期の無生野行きだから、さすがにガラガラだろう…との思惑は見事に外れて、ついにこの日は生まれて初めて無生野行きのバスで立たされました(笑)。井戸行きも飯尾行きも空席があるのに、無生野行きが満員御礼だなんて、まさか最近はこのバスが一番人気なのでしょうか。前回乗車の時も立ち客が出ていましたし、元の大きなバスに戻した方が好いのでは…と思ってしまいます。

 無生野行きのバスは、相変わらず、奥牧野方面へは行かずに、隧道経由。現在は隧道通過後左折して、一古沢で数分の時間調整の後、折り返して無生野まで走っています。神野下村で降りたのはもちろん私だけ。他の皆さんはやはり秋山二十六夜山でしょうか。

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 松浦本『静かなる尾根歩き』にしたがい、バス停からかなり戻って、「わしおざわばし」の手前にある「旧鎌倉裏街道」の裏から取り付きます。最初は例によって尾根直登で急傾斜ですが、わりとすぐに素直な尾根径となって結構自然林も多くて、雰囲気は悪くありません。

 148号鉄塔の前が、ちょっとヤブっぽくて歩きにくいですけれど、尾根をはずさないように歩きやすいところを拾っていけば送電鉄塔148号に出ます。

 送電鉄塔から先は踏み跡も明瞭となって、またまた自然林多めの明るく静かな尾根歩きとなりますが、松浦本にあるような伐採跡地の「胸のすく好展望」はほぼゼロです。一カ所岩場のようなところがあって、そこからは、道志や丹沢の山々が眺められますが、それ以外はおおむね展望無しです。11年も経てば木々も生長してしまうのでしょう。しかし植林ではないので、明るい尾根歩きです。

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(岩場でいっときだけあらわれる展望)

 お花はヤマツツジはこの高度ではさすがにもうほとんど萎れてしまっています。ひとつ良い形のがありましたので載せておきますが、こんな状態のものはほぼナシです。

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 ほかに目についた花があったのですが、名前がよくわからないです。

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 こっちはマルバウツギかな…。

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 尾根がグイッと右に曲がると725ピーク三本杉山。木の山名標識があり、ちょうど一区切りという箇所だったので、水分補給を兼ねた休憩を取ります。

 休憩後、三本杉山から一旦大きく下って登り返しますが、登り着いたところは810ではなくその手前のピークですから進路をほぼ90度左にとって810への登り返しになります。810ピークには、甚之函山の標識はない状態で、よく探すと、「甚之函山」の杭のような標柱の残骸が見つかるだけです。

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 一般登山道から来た人がこの標識の残骸に気づかずに、どんどん奥に行ってしまいはしないかと、ちょっと心配です。間違えて南南西の尾根に入り込んだりしたら、かなり厄介なことになってしまいそう…。

 甚之函山は2001年6月に来たことがあって、初めてウグイスが鳴いている姿を目にしたのを今でもよく思い出します。それまで声だけ聴いていたウグイスですが、実際に鳴いているときって、身体をぶるぶるとめいっぱい震わせて、力を振り絞るように啼いているのです。てっきり歌うようにノンキにホーホケキョしているのだと思っていたのですが、違うのですね。

 甚之函山からは今まで以上にしっかりした踏み跡となって、旧大地峠へ。ここまで来たらいいかげん登山者に会うだろうと思っていたのですが、なんと大丸で昼食をとっている間でさえ、誰にも会いません。まるで平日の山みたいです。

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(大丸)

 大丸で腹ごしらえをした後、そのまま四方津に下ってもいいのですが、それだと約束のお時間まで時間が余りすぎてしまいそうですし、山を始めた当初は通行禁止でずっと歩けていなかった千足峠から四方津駅の道を歩いておきたかったので、少々遠回りですが、高柄山方面へと足を伸ばしてみました。

 エアリアに大丸から千足峠のコースタイムが40分と出ていますが、そんなにかかるかなぁ…と思いながら歩いて行くと、これが結構アップダウンがあって、かなり足に来ました(笑)。まぁ30分ほどで行けたんですけど、千足峠の手前で、ちょっとびっくり♪

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 なんと金山集落を指し示す道標が(笑)!。これって、高柄山南東尾根ではなくて、南東尾根とほぼ並行して670m圏峰から南東&南へと降りる尾根だと思うのですけど、ココ、登山道になっちゃったんでしょうか(笑)???

 登りはともかく、ココを一般登山者に下らせるのはどうかなぁ…と思うのですが、これは、また新しい課題が出来てしまったので、いつか金山集落を再訪する際に挑戦してみたいと思います。

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(ここを一般登山者に下らせて大丈夫なんでしょうか?)

 その「おそるべし金山分岐」からものの一分ほどで千足峠です。時間はたっぷりありますし、ここからはかなり急傾斜の下りとなるので、一旦足休めをしてから下ることにして千足峠で最後の休憩。

 休憩していると、やっとこの日最初で最後の登山者に会って、なんだかホッとしてしまいました(笑)。

 千足峠径は、植林帯の急傾斜のザレた径で、ちょっといやらしい感じもありましたが、まぁ、慎重に下ればそれほど危険という箇所もなく、途中、炭焼き窯の跡などもあります。ほぼ30分ほどで林道終点に着きました。

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 あとは舗装道路をてくてく歩くだけなのですが、千足の集落は、ちょっとタイムスリップした感じの、古き良き山村の面影が残っていて、個人的には結構気に入りました。ただ、舗装道歩きが長い上に、アップダウンもあったりして、登りにとるとわかりにくい分岐もあるので、注意が必要です。

 集落を抜け、大きな橋を渡って、暑い陽差しを受けて、植えられたばかりの水田の苗を眺めながら駅に向かい、今日はこれといった花も見られなかったし、是非とも歩きたかったコースでもなかったけれど、やっぱり山歩きに来て良かったなと思いながら、四方津駅で14時半の上り列車を待ったのでした。

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2016.05.03

【美林の尾根で新緑を満喫…鋸尾根・長尾根】 山バス情報145

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(鋸尾根の新緑の美林)

【山行日】 2016年05月01日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅 - 07:03 北野 (京王線特急)
北野 07:05 - 07:15 高尾 (京王高尾線)
高尾 07:26 - 08:11 猿橋 (JR中央線各駅停車)

「バス」
猿橋駅 08:28 - 08:53 杉平入口 (富士急山梨バス 440円)

「歩行」
杉平入口  08:55 - 09:45 705m付近
705m  09:50 - 10:35 1035m付近
1035m 10:45 - 11:25 三ツ森北峰
三ツ森北峰 12:05 - 13:05 巻き道と長尾根の合流点
合流点   13:15 - 14:00 725m付近
725m  14:05 - 14:45 冨岡バス停

「バス」
富岡 15:09 - 15:33 猿橋駅 (富士急山梨バス 410円)

「鉄道」
猿橋  15:51 - 16:30 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾  16:52 - 京王線某駅  (京王線準特急)

【地形図】 「七保」 「大月」


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(こちらは長尾根)

 GWのバスというのは、とにかく混みます。そこで混まないバスで行けるところ、ということで、富士急山梨バスの大月営業所便で、お気に入りの美林尾根を歩くことにしました。コース取りはほとんど元のところに戻ってくるので、そこだけ少々面白味に欠けますが、この2つの尾根の新緑の美しさを考えるととても魅力あるコースです。

 高尾発07:26の小淵沢行きは席を確保するのにそれほど苦労せず、猿橋駅に到着。降りるとバス停前はさすがGWだけあって結構な人の列。しかしすぐにやってきた浅川行きのバスに皆さん乗車されて、バス停に残ったのは私ともうひとりのハイカーの二人だけ。上和田行きのバスは10分後の8時28分発、一本あとの河口湖行きでも間に合うので、一人や二人は乗り込んでくるだろうと思っていたのですが、誰も乗車せず、二人だけの半貸し切り状態で発車。結局富岡で一人降り、次の杉平入口で私が降りて、空気輸送となりました。

 鋸尾根は下りで二度ほど降りていますが、登りにとるのは初めてです。シャガや藤の花が咲き乱れる集落の中を上がって行き、振り返ればオゴシ山の急峻な尾根が見え、新緑が今まさに頂上めがけて駆け上がらんとしているのが見て取れます。

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(オゴシ山の南東尾根…だと思う)

 民家のすぐ脇に鋸尾根の指導標が見つかり、茶畑の脇を通り竹林の中を抜けて尾根に取り付くのですが、登りにとってみると、結構急傾斜に感じて、あれ、もっとなだらかではなかったっけ…などとつぶやきながら登っていきます。

 確かに川津畑の分岐(指導標は無い)までは結構な傾斜があることが地形図で見ても判り、分岐手前の706ピーク付近で早々に最初の休憩を取ってしまいました。それにしても今日はちょっと身体が重い感じ…大丈夫かな、と思っていたのですが、アクエリアスを飲んで少し休んだあとは軽快な足取りとなって、新緑の美しい尾根径をゆっくりと上がって行きます。

 川津畑の分岐を過ぎてしばらくで尾根の傾斜も緩み、周囲の新緑も陽の光を受けてひときわ美しく、もう登っていると言うよりはお散歩しているという感じです。最初はなかなか上がらなかったペースでしたが、1時間に400mUPと快調なペースになってきたので、1035m付近の雰囲気の良い場所で2度目の水分補給休憩をとりました。

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 休憩後は、ヒトリシズカやカタクリの一枚葉など見つけつつ、緩やかな尾根の向こうに北峰が見えてくると、ミツバツツジが姿を現します。ミツバは花が咲いたものは既に落花していたり萎れたりで、どうも今ひとつという印象。少し高度を上げると蕾↓も見つかったのですが、蕾の花付きはあまり芳しくありませんでした。

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 この調子だとヒカゲさんもあまり期待しない方がよさそうかな…と考えながら、ひと登りで北峰。鏡は割れてヒビが入っていました。時刻は11時半前。少し早いですが、麻生山付近は人も多くなるだろうし、こちらの北峰の方が眺めはずっと良いので、ここでおにぎりタイムにします。

 今日は残念ながら富士山は春霞の向こうで見えません。それでも何度も言うように、ここから見る雁が腹摺山~大峰と続く尾根は圧巻です。遠望が利かなくとも、ここから見る周囲の山々のシルエットは美しく、来るたびにうっとりしてしまいます。

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 帰りのバスは14時半のバスが30分繰り下がって15時過ぎとなり、16時のバスもありますから、ちょっと時間が余りそう…。誰も来なさそうだし…と穴路峠移動の局と久々に無線で交信。身支度を済ませ忘れ物が無いか確認後、麻生山への尾根径を進みます。

 アップダウンのある痩せ尾根ですが、足下の花に注意しながらの慎重&のんびりペースです。ヒカゲツツジは終わっちゃっているかなぁ…でも、咲き残りぐらいあるだろうと、左右に首を振りながら、歩いて行くと、ああやはりまだ咲いています。さすがに終盤ですけれど、花付きの良い樹は、結構まだたわわに花をつけたままです。やはり今年のツツジは当たり年なのでしょうか。

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(今年も終盤とはいえ出逢えた♪)

 そしてそして、ヒカゲさんのいるところイワカガミの葉っぱありのこの尾根なんですけど、なんともう咲きはじめています♪ まだ蕾がせいぜいだと思っていたのですが、場所によっては群落で咲いちゃっているところもあったりします。これは嬉しい誤算でした。もちろん、まだ蕾だけで群落を作っているところや、スタンバイ状態のところもあったりしますから、今週や来週でも間に合うのではないかと思います。

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(こんなに咲きそろった場所も…)

 たっぷりお花を楽しんだあとは、尾名手峠へ。以前あった古い指導標は撤去されて、新しい指導標が立っています(尾名手峠の表示はありませんでした)。ここから前回はそのまま巻き道を通って長尾根に乗ったわけですが、今日は麻生山を越えてエアリア破線の急な尾根を下ってみることにします。麻生山へ向かうとさすがに数組のパーティーとスライド。皆さん権現山から縦走ということでしょうか。。。
 
 三角点と大月市の指導標がある麻生山を過ぎた先、わかる人には簡単にわかる目印がありますが、大月市の指導標はこの尾根の分岐点にはありません。そして道形はやや不明瞭で、巻き道との合流点直前にある最後の尾根の分岐がちょっと難しいかも知れないので、下りに取る場合は一応初歩的な地形判断ができる人向けかもです。

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(長尾根最上部はかなり急傾斜です)

 巻き道との合流点に着いたのは、なんともう北峰を出発してから一時間後(笑)だったので、腰を下ろしてひと休み。

 休憩後は傾斜の緩やかな長尾根を悠々下り。相変わらずこの尾根は新緑が素晴らしく、こんなにたくさんごちそうしていただいて好いのだろうか…というぐらい。。。この時期はどこへ行っても新緑が素晴らしいのでしょうけれど、この尾根のように上から下までくまなく美しいライトグリーンに包まれてゆったりと下れる尾根は本当に稀有だと思います。

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(もう、どうにでもしてちょうだいってぐらい、きれい)

 720m付近でしょうか。二年前にも見たヤマツツジが咲いている箇所で最後の足休め休憩。もうこの辺りに来ると、今日の山行を終わらせるのがもったいないばかりに、たいして疲れてもいないのに座って意味もなくぼんやりとしてしまいます。

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 少しずつ濃さを増していく新緑の尾根を下っていくと「左 天神峠・駒宮 右 駒宮」の分岐。前回は左手の天神峠方面から下ったので、今回は右の道を選んでみました。こちらにもイカリソウやフデリンドウが見つかり、たんたんと里へ下っていくと、突然ぽっかりと眺めの好い集落の最高地点のような所↓に出ます。

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 地元の方に挨拶しながら、竹林の脇の小径を通り抜けて集落の舗装道に出ましたが、こちらは登りにとったら、まずわからないでしょう。指導標どころか標識もなく、一度下りに取らない限りは、どこの小径を右折していくのか判断出来るはずがないと思います。下で天神峠方面からの径と合流する地点には、来た方向を指す指導標は無く、もしかするとこちらの径は使って欲しくないのかも知れません。

 見覚えのある路を冨岡バス停まで歩き、ほてった顔で猿橋方面にある自動販売機に向かっていくと自販機の対面に商店が。。。もしやと中を覗いてみると嬉しいことにビールが置いてあります♪ 思わぬ発見にほくそ笑みながら、ビールを買い求め、20分ほどのバスの待ち時間は、ゆっくりとビールを味わい残ったメロンパンを口にしているうちに過ぎ去りました。

 やはり3時過ぎという時刻変更が利いたのか結構な数の乗客が乗ったバスは、私が乗った富岡でほぼ席が埋まって、最後は立ち客が出るほどの盛況となって猿橋駅へと向かったのでした。
  

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