【初春は中尾根から静かな御前山へ】 山バス情報141
【山行日】 2016年01月02日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
新宿 06:22 - 06:48 立川 (JR中央特快)
立川 06:58 - 07:34 武蔵五日市 (JR五日市線)
「バス」
武蔵五日市駅 07:39 - 08:09 神戸岩入口 (西東京バス IC:597円)
「歩行」
神戸岩入口バス停 08:10 - 08:40 檜原ウッディハウス
ウッディハウス 08:50 - 09:50 700m付近
700m付近 10:00 - 10:50 狛犬様の社
狛犬様の社 11:00 - 12:10 御前山山頂
御前山 12:40 - 13:35 小河内峠
小河内峠 13:45 - 15:10 藤倉バス停 (猿江経由)
「バス」
藤倉 15:24 - 16:10 武蔵五日市駅 (西東京バス 750円)
「鉄道」
武蔵五日市 16:48 - 17:53 新宿(ホリデー快速 遅延)
【地形図】 「猪丸」「奥多摩湖」
年が明けて最初の山歩きは、最初丹沢の大山にしようかなと考えていたのですが、混雑が目に見えていることもあって、奥多摩は御前山の準バリハイコースを登ることにしました。
藤倉行きの7時台のバスに乗るには…とネットで鉄道の連絡を見てみると、朝一番の中央特快がとても好い接続とわかり、新宿周りで立川へ。立川で当然のごとく青梅線のホームへ向かうと、そこには武蔵五日市行きは5番線ホームから発車との表示!! そうです、降りたホームでそのまま待てば好かったのですね。しばらく山に通っていなかったので、奥多摩方面のバスだけでなく電車まで浦島太郎になっていました(笑)。
武蔵五日市駅では5分の連絡でバスが発車だったので、当然バスがスタンバイしていると思っていたのですが、発車時刻ギリギリまでバスはやってきません。寒いバスに揺られて神戸岩入口バス停で下車。
寒いので身体を温めるべく、すぐに舗装道路を歩き始めます…と、犬が声を枯らしたような動物の鳴き声が聞こえたので見やると、なんと猿です(笑)。新年早々の山歩きでいきなり干支の動物に直接対面とは、縁起が好いのか悪いのか? しばらく歩くと今度は河原の方からサルの親子が目の前の道路を横断。ここら辺は棲みかになっているのでしょうか。。。
途中で地元の春日神社を見つけたので、ここで初詣とします。今年一年の山歩きの無事をお祈りして、取り付きとなるウッディハウスへとさらに歩いて行きます。日も短く、今日は少し長めのコース取りですから、神戸岩(かのといわ)の見物は見送りました。
ウッディハウス裏の取り付きは、橋を渡る手前右手の「いかにも尾根に上がりますよ」という感じの踏み跡をたどっていきます。特に標識もありませんし、マーキングも付いていません。入念に柔軟運動をしてから登っていきました。
で、この中尾根なんですが、湯久保尾根に負けないほど、ほぼ全行程が植林地帯という尾根です。最後の方に現れる1000m付近のお社だけが救いといえば救い。しかしそれ以外ははっきり言ってつまらない尾根というのが残念ながら個人的な感想です。とりわけ最初の方は植林帯の急登にあえぎ、何故かまた息苦しくなってしゃがみこんでしまったりしたこともあって、よっぽどこのまま帰ってしまおうかと思ったくらいでした。
ただ、途中少し踏み跡が薄くなる箇所があるにはあるものの、全体に踏み跡は一般登山道並みと言ってよく、急傾斜ではジグザグを切ってくれたりと、登りに使う限り迷うこともないバリハイ入門には適したコースではないかと思います。静かなコースを歩きたいという人にとってはいいコースなのかも知れません。途中ヒノキの木に思い出したように「中」の字が黄色で書かれていて、おそらくこの山林の持ち主の屋号ではないかと思うのですが、中尾根の名前の由来は湯久保尾根と鋸尾根の中間にあるということとは違うのかも知れないと思いました。
狛犬様のいるお社のそばは明るく陽差しもあったので、二度目のティータイム。休憩後は最後のクロノ尾山への急登をこなして一般登山道へ出ました。一般登山道の標識の支柱に「クロノ尾山」のマジック書きがあります。ベンチがありますが、まだ休憩後30分も経過していませんし、一息ついたらそのまま御前山へ向かうことにします。
ここからは正真正銘の一般登山道。これからたどるコースは、山を始めて間もない1999年の年末に歩いたコースの「ほぼ」逆コースになります。しかしやっぱりというか当たり前というか、記憶に残っている箇所は余りなく、歩いてみてこの御前山周辺の一般コースの良さというかすばらしさを再認識したのでした。
クロノ尾山をあとにすると、今までの道が嘘のように自然林の明るい縦走路↑となります。今冬は暖冬ということもありますが、陽差しがぽかぽかと暖かく、まるで春の山を歩いているみたいです。青空が広がって丹沢の山々や富士山も木々の間から垣間見え、稜線歩きを満喫、避難小屋手前で一人に会っただけで、最後の土留めの登りをフウフウいいながら上がるとなんと山頂はお昼過ぎだというのに誰もいません。一番陽当たりの好いベンチを独占して(笑)お昼ご飯です。
御前山の山頂というのは、余り展望がよくないことでも知られていますが、木々の向こうには、今日のように天気が好ければ富士山が見えていて、遮るものなしというわけにはいかないというだけのことです。それにしても今日は本当に静か…。二つ目のおにぎりにかかったあたりでやっと一人上がってきた登山者がいただけでした。
バスの時刻もあることだしと、お昼ご飯を済ませたら、後半戦に挑みます。まずは惣岳山方面へ。六年ほど前に来たときも思いましたが、この稜線はホント気分の好い径ですね。自然林100%の素敵な縦走路…次回こそは葉のある時期に訪れたいと強く思います。下り始めて数分で富士山が綺麗に見える場所に出ます。ベンチもあり、展望第一の方はこちらでランチもお奨めです(トップ写真)。
鞍部から登り返して惣岳山。振り返れば御前山が大きく、改めてこの山の大きさを感じます。惣岳山から六年前は奥多摩湖側へ大ブナ尾根を降り、紅葉がとても綺麗だったことを思い出しますが、今日は小河内峠まで足を伸ばして藤倉へ下山。
小河内峠へは急傾斜の斜面を降りていきますが、ここも大ブナ尾根に劣らず美林に囲まれた素敵な尾根ですね。おまけに正面には富士山が見えます。約十五年前はここを登りにとったわけですが、下ってみて思うに、ここは下りに取る方が好いのではないかと思いました。
落ち葉をガサゴソいわせながら下っていき、途中岩場がある箇所は巻き道があるとのことで巻き道を選んだのですが、こちらもとても素敵な雑木の森を歩けて、右手には奥多摩の石尾根方面の展望が広がり奥多摩湖も見えたりで、行きと違って、小河内峠までは楽しくて楽しくて仕方のない行程でした。十五年も経つと価値観も変わるのでしょうが、こんな素敵な径だと記憶に残っていれば、もっと歩いていたのに、と思うことしきりでした。
左手にとうとう…という感じで植林が見えてくれば、小河内峠です。山頂から一時間ほど経過していたので、ここで最後のティ-タイム。時刻は13時半過ぎ。15:24のバスに間に合うように降りたいのと、ちょっと寄り道も考えていたので、余りのんびりも出来ずに、お茶を飲んで一息ついたら暗い植林帯を戻るように降りていきます。
この峠径はおそらく三度目だと思うのですが、陣馬尾根に乗るまでの間、トラバースがザレている箇所があって、一般道とはいえ特に凍結時、注意が必要です。峠から20分ほどで尾根に乗り、植林が減って明るい雰囲気になります。尾根に乗って5,6分で陣馬尾根中ノ平遺跡なる表示に出会います。こんな尾根の上に竪穴式住居跡が見つかったそうで、こんな遺跡の表示があったっけ…と記憶が曖昧でした。
遺跡から2,3分で猿江分岐。以前から気になっていたのですが、今日はこの猿江分岐の方へ行ってみることにします。というか、実はこのコースの決め手となったのは今年の干支「申(猿)」にちなむこの地名を思い出したからでした。
径は非常に明瞭です。というより、十分ほどでコンクリートの舗装道路になります。ネットで猿江について調べたとき、すぐに舗装道路になると書かれていたので、てっきりすぐに猿江の集落に降りてしまうのだとばかり思っていたのですが、舗装道路とはいっても人ひとりが通れるだけの幅しかない路で、車は絶対に入れません。バイクでもかなり難しいと思います。
舗装路はほぼ地形図の破線通りに走っていて、雰囲気的には山道そのものです。舗装路は延々と続き、途中モノレールと交差したりします。そして長時間歩行の後のコンクリート道歩きはやっぱりきつい。。。膝には来ませんでしたが、最後は右足が痛くなってしまいました。
で、猿江の集落ですが、おそらくは、舗装路になってすぐとしばらく行った先の右下へ分岐する径を下れば、地形図に書かれた猿江の文字のあるあたりの集落に降りることが出来たと推測しているのですが、最初の時点では自信がなかったのと、しばらく行った先の分岐では降りられたとしても15時のバスにはとても間に合わないことなどを考え、今回は見送っておき、とりあえず、この破線路に最後までつきあうことにしました。 ですので、現在猿江の集落がどうなっているか確認することは残念ながら出来ませんでした。
舗装道沿いで最初に人家を見たのは、おそらく地形図の月夜見沢の文字の夜見のあたりのものではないかと思いますが、片方は少なくとも廃屋、もうひとつも現在も人が住んでいるかどうか微妙…という印象でした。確実に住んでいることが判った人家はやはり中組の文字の左上あたりの人家。いつか日の長い時期にでも訪れる機会があれば猿江の文字のあたりの集落の様子を見てみよう…と思いつつ、見覚えのある藤倉小学校を経て春日神社で無事下山のお礼を言ってから、藤倉バス停へと向かったのでした。
藤倉からのバスも発車時刻まで乗車出来ませんでしたが、幸い待ち時間もほとんどなく日暮れまでにはまだ時間があったため寒い思いもせずに済みました。そうそう、乗った大型の新しいバスですけど、今は車内で携帯やスマホの充電も出来るようになっているのですね。これもまた浦島太郎でした。これからはコンセント部分も一緒に持って行くことにしましょうかネ♪
それから、皆さんはもうご存知かも知れませんが、御前山の登山口付近:宮ヶ谷戸周辺のバス停名がかなり変更になっています。案内表示には旧バス停名も表示されていますが、かなりややこしい変更になっているのでご利用の節はお気を付けください。
最後に…今年も皆さんが安全で楽しい山歩きを楽しまれることをお祈りしています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします♪
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コメント
ゴン太さん、あけましておめでとうございます。
今年もレポを楽しみにしています。
>しかしそれ以外ははっきり言ってつまらない尾根というのが残念ながら個人的な感想です。
小生は中尾根を歩いたことはありませんが、予想していた通りです。ゴン太さんの率直な御意見はわれわれ読者にとって本当にありがたいと思います。他のブログでは、良いことは強調しても良くないことは歯に衣を着せたような表現になっているのも、まま見受けられます。ブログはガイドブックではないので、われわれ読者は書く人の率直な意見を聞きたいから読んでいるので、このブログは本当に素晴しいと思います。
猿江の集落は小生も一度行ってみたいと思いながら、まだ機会はありません。それにしても、猿に遭遇とは縁起が良いですね。彼らも「今年は俺たちの年だ」と思って出てきたわけでもないでしょうから。(笑)
投稿: AKIO | 2016.01.05 13:18
AKIOさん、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
いえいえ、正直に申し上げますと、ブログでは余りネガティブなことばかり書いてもいられないので、私もときどき、「これはちょっとなぁ~」と思っても、あえてそこにはふれずに他のことを書いてしまったりしています。
ただ、私、山を登っていて、どんな急登でも、滅多に「ツライ」とは思わないんですよ。この間の高柄山の東尾根でも、「まったくなんて登りなんだ、ジグザグぐらい切ってくれても良さそうなものだ」とかぼやきながら、顔はニヤニヤしているんです(笑)。でも、中尾根は久々に「ツライな、ていうかおれ何しに来たんだろ」と思っちゃったんです。
地形図を見ても針葉樹林だらけとなっていますから、まぁある程度覚悟はしていたんですけど、ここまで徹頭徹尾植林とは…。湯久保尾根もそうでしたけれど、南面というのは陽当たりが好いだけに植林が大規模に行われるのかも知れませんね。
年初の山で干支を意識したりするのはほぼ初めてなんですが、狛犬様の社で初詣して、猿江集落で締めくくるつもりだったのが、先に今年の干支のお猿さんに遇ってしまって、あんまりできすぎていて笑ってしまいました。まさか猿たちが干支を知っているわけありませんしネ(笑)。最初遇った猿とは別の猿が目の前の道路を親子で横切りましたから、、あの一体に群れをなして棲んでいる感じでした。
AKIOさんの歩き初めは三石山とのこと、komadoさんの掲示板で知りました。わたし前に一回計画立てたことだけあるのですが、あの尾根の取り付きは285.9三角点のある桜井の神社で好いのですかね。 わたしの所からだと身延に各駅で出ると遅い時間になってしまうため計画だけで実行出来ませんでした。わたしもまた以前みたいに18きっぷであちこち出掛けるぐらいアクティビティを高めたいです♪
投稿: ゴン太 | 2016.01.05 22:38
ゴン太さん、こんばんは。
三石山の件、お説の通りです。神社(神明社)のある辺りはちょっと小広くなった台地で数軒の民家があります。その先から山道が続いていますが、地形図の破線は追わずに尾根筋の踏み跡(良く踏まれてえぐれた道形の場所もありました。)を追いました。819.2三角点を右から巻いた後の伐採地は薮っぽくて少しわかりにくいですが、それほど長くは続きません。下山時に通りがかった大崩集落も人が住んでいるのか?なくらい静かでした。三石山も稜線に出るまでは植林が多いですが、この辺りは仕方ないでしょうね。
投稿: AKIO | 2016.01.05 23:23
AKIOさん、
三石山の情報は、ガイドブックにもほとんど載っていなくて、舗装路を往復というのはいやだなぁ、と思っていましたので、深謝いたします。
地形図の破線は、当てにならないことが多く、むしろAKIOさんの歩かれた尾根上の方がいいのでは…、と私も想像しておりました。
あとは、電車のダイヤですね。私の所からは今も10時半塩之沢着しかなく、夜行で行けば時間が余りすぎるし悩ましいところです。引っ越すか、渋谷まで早朝自転車で行くしかないです(笑)。
投稿: ゴン太 | 2016.01.06 20:08
ゴン太さん、
北秋川は集落の様子も素敵ですし、気になる山上集落もあるというのに、今ひとつ山に足が向かないのはやはり植林の多さなんですよね。下部の方とエラい差です。
それでもお話を聞いて中尾根はもう一度歩こうと思いました。藤倉の学校跡もまだ見てないので見てみたいし、北秋川の楽しみって、こちらの方を歩くと時折見かける集落と集落を結んでいるであろう、今は歩かれていない間道にあるのかなと思い始めています。今年も宜しくおねがい致します。
投稿: komado | 2016.01.09 23:37
komadoさん、
おっしゃるとおり、北秋川は山上集落に惹かれますね(尾根通とか特に!)。湯久保尾根はじめ御前山の南面あたりは独特の習俗文化がある感じがしてなりません。そういった意味で私も懲りずに又このあたりを再訪してしまう気がします。
しかしながら中尾根は再訪するのはどうかなぁ~と個人的には思います。近郊の山に植林はつきものとは思うのですが、あそこは何というか節度がないと言ったら失礼かも知れませんが、「よくもまぁここまで急な斜面に稜線まで隙間なく植えたものだ」と独り言を言いながら登っていきました(笑)。ただ、昔ご覧になったであろう狛犬様のお社は建て替えられて綺麗になっているので、それを確認がてらということであれば好いかもしれませんね。
私ももう少しRFスキルがあれば集落同士をつなぐ径などたどってみたいです。
私は最近尾根歩きそのものよりも山間の集落の方により関心を持つようになってきたので、komadoさんの歩きには(とても真似は出来ないことですけど)学ぶところが大きいです。
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。 m(___)m
投稿: ゴン太 | 2016.01.10 19:05