【道志の未踏区間を埋める…ワラビタタキから平野峠】 山バス情報142
【山行日】2016年01月16日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
小田急線某駅 - 05:40 新百合ヶ丘 (小田急小田原線)
新百合ヶ丘 05:45 - 05:54 小田急永山 (小田急多摩線)
京王永山 06:00 - 06:12 橋本 (京王多摩線)
「バス」
橋本 06:20 - 06:50 三ヶ木 (神奈中バス 430円)
三ヶ木 06:57 - 07:33 月夜野 (神奈中バス 560円)
月夜野 07:50 - 08:07 大栗 (富士急バス 520円先払い)
「歩行」
大栗 08:15 - 08:50 850m付近
850m 09:00 - 10:00 ワラビタタキ三角点
ワラビタタキ 10:10 - 10:50 細茅ノ頭
細茅ノ頭 11:00 - 11:45 鳥井立の先の岩
富士大室見岩 12:15 - 12:55 ニセムギチロ
偽ムギチロ 13:05 - 13:50 新平野峠(二一七補一)
新平野峠 14:00 - 15:30 秋山温泉
「温泉」
秋山温泉 15:30 -16:15 (携帯写真提示 500円)
「バス」
秋山温泉 16:30 - 16:47 上野原駅 (無料送迎バス)
「鉄道」
上野原 16:52 - 17:15 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 17:34 - 京王線某駅 (京王線準特急新宿行き)
【地形図】 「大室山」
次の週から連続三週で土曜日に予定が入ってしまったため、この土曜日は土曜でなければ行けないコースを歩くことに。。。ちょうど折良く京王多摩線のダイヤが改正されて、橋本まで以前より楽に安く行けるようになったこともあって、ここを歩けば、ほぼ道志の主稜線は制覇となるワラビタタキ~平野峠に挑戦です。
小田急永山でのマニアックな乗り換え(多摩センターでも可能)をして橋本にはバス発車の8分前とちょうどよい時間に到着。さすがにこの寒さではバスはガラガラだろうとの予測は外れ(笑)ほぼ満席。二人掛けの席を半分分けてもらって三ヶ木へ。
三ヶ木では何とものんびりしたもので、月夜野行きは57分に発車。10人以上の登山者を乗せていましたが、月夜野まで乗ったのは3人だけ。月夜野からの長又行きバスに乗り継いだのは、結局私とあともうひとりの登山者だけでした。
長又行きのバスは、新型車両になっていて、若い運転手さんに行き先を大栗と伝えても、よく知らないようで、もしかするとこの日は急遽交代だったのかも知れませんが、代金は前回と違って前払いでした。
大栗で下車。ここからワラビタタキまでは15年以上前に歩いたことがあるのですが、当然というかほとんど何も記憶に残っていません。「←赤鞍ヶ岳」の指導標に従って歩いて行きます。登山道に入るまでは適切な箇所に親切な指導標も設置してありますから、迷うようなことはないと思います。
植林帯を登っていくと、いつの間にか、という感じで尾根に乗って、そこからは尾根通しで稜線まで行きます。出だしは地形図の破線より登山地図エアリアの方が径の付き方をよく表現しています。地形図にあるように送電鉄塔に達し、そこからは左手に富士山が綺麗に見えます。送電鉄塔の先には舗装された林道が横切っていて、林道を後にすると、その先は自然林になったり植林になったりを繰り返す尾根径になりました。
左手に見える富士山も好いのですが、右手後方に丹沢の道志側の山々が見え、山麓の集落が朝靄に包まれている風景が何とも魅力的でした。ああ、今日は早起きしてここまで来て良かったと思う瞬間です。
そんな風景を楽しみながら登っていくと、見えてきましたゴトウ石。15年前にはなかったよなぁ…と思いながら近づいてみると、ゴトウ石の表記の左に平成十四年何とかと書かれています。私が訪れた二年後ぐらいに何かあったのでしょうか…。
ゴトウ石の先は綺麗な美林になったかと思うと、植林の急登が始まって、ここはエアリアにも書かれていますがかなりきつい傾斜です。植林が終わっても急登は続き、急登がようやく緩むと間もなくで稜線に出て、しばらく行ったところに厳道峠との分岐を示す指導標があります。ワラビタタキに向かってすぐのところに富士山が綺麗に見える場所があります(トップ写真)。
ワラビタタキ(1257.0三角点峰)への稜線はブナもある自然林の尾根で、道志のこの中核とも言えるあたりの稜線は本当に歩いていて気持ちが好いですね。1257.0m三角点峰は雨量計があって、十五年前に来たときにはワラビタタキの指導標が立っていましたが、今はもうなくなっています。こっちが赤鞍ヶ岳だという主張についに屈してしまったのでしょうか。
そして、今でもよく覚えているのは、十五年前にここでたまたま遇った年配の登山者が、薮の中から三角点を見つけ出したと喜んでいたことです。今では三角点の周りのヤブはきれいに刈られて、誰の目にもすぐに見つかるようになっているうえ、この三角点へ直登する踏み跡もだいぶ濃くなっています。
時刻は10時。ここまではほぼ予定通りなので、途中で転んで怪我をしたりしなければ、何とか平野峠まで行けそうだ…とお茶を飲んで一服したら、来た道を戻って厳道峠の分岐へ戻りますが、厳道峠の分岐から先が要注意です。
分岐点に建っている指導標に従って厳道峠への踏み跡に入っても、すぐそばを通る大栗(道志村)への踏み跡に引きずり込まれ易いミストレースが付いています。ちょうどここのあたりは局所的に踏み跡が薄くなっていて、これがとりわけミスコースする要因になっているのかも知れません。マーキング↓に気をつけて、主稜線の尾根径を捉えてください。
この箇所を間違えずに行くと、すぐに小さな指導標がブナの木の根元に見つかりますが、どうせ指導標を置くのであればマーキングのあるすぐ手前の位置において欲しいものです。
逆コース(厳道峠方面)から来た場合であれば間違えようがないのですから…。
この指導標の不満を独りごちていると、なんと、今朝方、富士急に乗り継がず月夜野から歩き始めた男性ハイカーとスライド。どこをどう歩いた(走った)のでしょうか、ものすごい健脚です。と言うことはつまり今日中に芭蕉月待ちの湯あたりまでは楽勝のペースでしょうが、どこまで行くのやら(笑)…。
問題箇所を通過したあとは皮肉なぐらい明瞭な登山道で、ワラビタタキから40分ほどで細茅ノ頭。どこかで見かけたことがある感じのプレートと文字で標識(メッセージ付)があります 細茅ノ頭で一息入れたら、長尾鳥井立方面へ。ここは地形図で見ても判るようにほとんどアップダウンのない尾根で、ほぼコースタイム以内の短時間で歩けてしまいます。長尾には水源涵養保安林の標識が建っていて、その標識に「長尾山 1107m」とマジック書きされていました。
長尾はほとんど素通りして、平坦な尾根道を漫歩。自然林の明るい尾根がほとんどで、快適な散歩道です。鳥井立(御牧戸山)はテレビ中継アンテナの林立するピークでここにも妙なメッセージ入りの標識がありました。ちょうどお昼前だったので、どこでランチにしようか…厳道峠は車道が乗っ越しているし…と思いつつ、少し下ると右手に展望の開けた「富士大室見岩」と私が勝手に名付けた岩が見つかったので、ここでお昼ご飯にしました。
残念ながら富士山は雲がかかってきていたのですが、それより何より、ここからの大室山の姿は白眉。今まで道志山塊からこの大室山を見てはその山姿にほれぼれしてきましたけれど、ここから見る大室山ほどその魅力を遺憾なく伝えている場所は他にはないのでは…と思いました。ちょうど大室指の集落が眼下に見え、943mピークから二分する尾根の形が地形図そっくりきれいに見えていて、大室指からエアリア破線ではなく、地形図の破線尾根をたどってみたいとの思いを強くしました。
暑いほどの陽差しを受けて、お昼ご飯を済ませたら、厳道峠へ向かいます。池の上方面への分岐を下見しておこうと思いながら歩いて行くと、なんとお手製の指導標があって、「←池の上・阿夫利山」とあったのにはびっくり。二年前に阿夫利山の北東尾根で見かけたときも感じたのですが、バリハイルートの尾根下りの入口に指導標を付けるのはいかがなものでしょうか。
その先の厳道峠への下りはかなりの急坂です。ジグザグを切りながらぐんぐん下っていき、送電鉄塔が見えてくると、右手に道志方面(久保?)への径を分けてすぐ車道に降り立ちます。
上野原市の指導標に従って今度はムギチロへの急登。今までが平坦な尾根歩きだっただけに、時間的には短いのですが結構きつく感じます。トラロープもあり、「上野原秋山トレイルコース」の標識が木に巻き付けられています。
急登をこなし、しばらくい歩いた先に植林のピークがあり、木の切り株があって休憩におあつらえ向きだったため、ここをムギチロと勘違いして休憩。時間的にも早すぎるし、何の標識もないので地形図で確認すればすぐ判ることだったのですが、急登をこなしたあとだっただけに、ちょいとひと休みしたいとの思いが強く、間違いに気づいたのは、休憩後でした(笑)。
偽ムギチロから15分ほどで本物のムギチロ。こちらの方が自然林に囲まれて雰囲気も好く、慎ましい標識ですが、ちゃんと「ムギチロ山頂903m」と記されたものがありました。ムギチロから先は右側がアカマツ植林になったり、左側がヒノキ植林になったり、両側が自然林となったりと変化に富んだ尾根ですが、アップダウンも余りなく歩きやすい尾根径です。ただし、平野峠(よく注意してみると「臼久保峠」の標識がある)は要注意地点です。
峠の手前には例の「上野原秋山トレイルコース」の標識があるにもかかわらず、峠には指導標はなく、そのまま尾根伝いに「自然環境保全地域 神奈川県 自然を大切にしましょう」の標識がある方角に進んでしまうと、677mピークの尾根に入り込んでしまいます。
地形図をよく見れば判るように、ここはすぐ左手に戻るように分岐する濃い踏み跡に入ると入道丸方面に進めます。右手に戻るように分岐する踏み跡は月夜野への径と思われますが、前回来たときの状態とは違って、今回は通せんぼのロープが張られていました。現状はかなり間違いが起きやすい状態ですので、厳道峠に「←入道丸 綱子峠」の指導標を掲げている以上、この平野峠にはしっかりした指導標を是非設置してもらいたいものです。
平野峠から左手に戻るような踏み跡をたどっていけば、 2,3分で「二一七補一」の杭がある地点に出ます(勝手に新平野峠と呼んでいます(笑))。前回安寺沢右岸尾根を末端から歩いたときはここから安寺沢の集落へ降りたわけですが、今回もこの径を下山とします。前回もふれたように、この巡視路は本当に歩きやすい傾斜角です。
とうとうこれで、未踏部分を歩ききったので、道志の主稜尾根は、奥牧野バス停からずずず~っと菜畑山や御正体山を経て平野バス停まで繋がりました。交通が不便なこの山域、つまみ食いを重ねたとは言え、電車とバスと自分の足だけでよく繋げきったのものだと思います。
安寺沢の集落に降りたら、あとは車道をちんたらと秋山温泉まで歩きます。二度目なのでそれほどの長さも感じずに、秋山温泉には15時半前に到着。バスは残念ながら日曜の運行がなくなってしまいましたが、土曜日は14時、16時半、18時、20時50分と入館者を上野原の駅まで無料で送ってくれます。
(秋山温泉、サイトでクーポンをゲットしてから行きましょう♪)
温泉でゆっくり汗を流して、ゆっくりお湯に浸かってビールを飲み終えれば、あとは無料のバスに揺られて上野原に送ってもらうだけ。入館の際、携帯のカメラで撮っておいたHPのクーポン券を提示すれば、500円でお湯に浸かれますから、寒い季節の時間調整も苦にならず、本当にお得です。願わくば日曜の運行も復活して欲しいけれど、ま、土曜運行してくれているだけでも感謝しないといけませんかネ。。。
そうそう、最後にもうひとつ。道志村の道志の湯が3月末まで改装工事のため休館とのことです。こちらは送迎バスもないし、3月いっぱいは15時のバスも走っていないので、バス派のハイカーは利用することもないかと思いますが、休館中は入浴による時間調整すら出来ませんのでご注意くださいまし。
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コメント
ゴン太さん、こんばんは。
詳細レポート、楽しみながら読ませていただきました。
この界隈はわずか2年ほどの御無沙汰ですが、いろいろな小さな変化がレポから読み取れて興味深いですね。
秋山温泉は現在もクーポンをやっているのですね。バス代でお風呂に入れるのですから、本当に素晴しい。道志の湯は友人の車で御坂の帰りに一度立ち寄ったことがありますが、ここも横浜市民は地元の方と同じ300円とお得感がありました。
投稿: AKIO | 2016.01.19 22:41
AKIOさん、こんばんは。
今回は最後の巡視路の下りを除くと、エアリア赤実線コースだったわけですが、個人的には、改めて道志山塊の良さを再認識出来た山行きでしたので、ちょっとクドいぐらい長くなってしまいました。赤実線コースにしてはちょっと判りにくい箇所もありましたし…。
秋山温泉は以前の390円クーポンは発行していないようですが、ホームページの500円クーポンを撮影して見せれば、750円のところを500円で入浴出来ます。
あ、そういえば、帰るとき、お楽しみ抽選券みたいなものを渡されましたよ(笑)。
道志の湯で横浜市民が地元の方と同じ料金なのは、道志川が横浜市の水源になっている関係からなのでしょうね。
私は昔、まだ道志の湯から月夜野へ夕方バスが走っていた頃、結構よく利用していました。夕方のバスが都留市行きもなくなってからは、ずっとご無沙汰してます…。
改装工事が完了して、15時の旭日丘行きバスが走るようになったら、是非再訪したいと考えています。
投稿: ゴン太 | 2016.01.19 23:21
ゴン太さん。
いつもブログ拝見させて頂いております。
死んじゃったのかなぁ。
また、山行記事読みたいです。
帰ってきてください。
投稿: 西田 | 2016.03.25 21:43
西田さん、はじめまして。
ホント、ごめんなさい。更新だけでもしなきゃ、と思いつつ…。
お陰様で生きています(笑)。健康診断にいってきたのですが、範囲外の数値がひとつもないほどで,優等生みたいな診断結果でした。
花粉が一番ツライ時期なのですが、寒さもだいぶ和らいできたので、マスクしてでもそろそろ出掛けようかと考えていたところです。
更新停止期間についての言い訳は,いずれまたどこかで書くことになると思いますが、山へ行く時間がまったくとれなかったわけでもなく,また悪い癖(山へいかないから余計ボルテージが落ちる悪循環)が出たというのも大きいです。
本当にごめんなさい。心配していただいてありがとうございます。また遊びにいらしてください。
投稿: ゴン太 | 2016.03.25 22:04