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2016.01.18

【道志の未踏区間を埋める…ワラビタタキから平野峠】 山バス情報142

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【山行日】2016年01月16日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅   - 05:40 新百合ヶ丘 (小田急小田原線)
新百合ヶ丘  05:45 - 05:54 小田急永山 (小田急多摩線)
京王永山   06:00 - 06:12 橋本     (京王多摩線)

「バス」
橋本  06:20 - 06:50 三ヶ木 (神奈中バス 430円)
三ヶ木 06:57 - 07:33 月夜野 (神奈中バス 560円)
月夜野 07:50 - 08:07 大栗  (富士急バス 520円先払い)

「歩行」
大栗     08:15 - 08:50 850m付近
850m     09:00 - 10:00 ワラビタタキ三角点
ワラビタタキ 10:10 - 10:50 細茅ノ頭
細茅ノ頭   11:00 - 11:45 鳥井立の先の岩
富士大室見岩 12:15 - 12:55 ニセムギチロ
偽ムギチロ  13:05 - 13:50 新平野峠(二一七補一)
新平野峠   14:00 - 15:30 秋山温泉

「温泉」
秋山温泉  15:30 -16:15 (携帯写真提示 500円)

「バス」
秋山温泉 16:30 - 16:47 上野原駅 (無料送迎バス)

「鉄道」
上野原 16:52 - 17:15 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  17:34 - 京王線某駅  (京王線準特急新宿行き)

【地形図】 「大室山」

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 次の週から連続三週で土曜日に予定が入ってしまったため、この土曜日は土曜でなければ行けないコースを歩くことに。。。ちょうど折良く京王多摩線のダイヤが改正されて、橋本まで以前より楽に安く行けるようになったこともあって、ここを歩けば、ほぼ道志の主稜線は制覇となるワラビタタキ~平野峠に挑戦です。

 小田急永山でのマニアックな乗り換え(多摩センターでも可能)をして橋本にはバス発車の8分前とちょうどよい時間に到着。さすがにこの寒さではバスはガラガラだろうとの予測は外れ(笑)ほぼ満席。二人掛けの席を半分分けてもらって三ヶ木へ。

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(月夜野行きのバスは前回と同じ車両)

 三ヶ木では何とものんびりしたもので、月夜野行きは57分に発車。10人以上の登山者を乗せていましたが、月夜野まで乗ったのは3人だけ。月夜野からの長又行きバスに乗り継いだのは、結局私とあともうひとりの登山者だけでした。

 長又行きのバスは、新型車両になっていて、若い運転手さんに行き先を大栗と伝えても、よく知らないようで、もしかするとこの日は急遽交代だったのかも知れませんが、代金は前回と違って前払いでした。

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(長又行きのバスは新型になっていました♪)

 大栗で下車。ここからワラビタタキまでは15年以上前に歩いたことがあるのですが、当然というかほとんど何も記憶に残っていません。「←赤鞍ヶ岳」の指導標に従って歩いて行きます。登山道に入るまでは適切な箇所に親切な指導標も設置してありますから、迷うようなことはないと思います。

 植林帯を登っていくと、いつの間にか、という感じで尾根に乗って、そこからは尾根通しで稜線まで行きます。出だしは地形図の破線より登山地図エアリアの方が径の付き方をよく表現しています。地形図にあるように送電鉄塔に達し、そこからは左手に富士山が綺麗に見えます。送電鉄塔の先には舗装された林道が横切っていて、林道を後にすると、その先は自然林になったり植林になったりを繰り返す尾根径になりました。

 左手に見える富士山も好いのですが、右手後方に丹沢の道志側の山々が見え、山麓の集落が朝靄に包まれている風景が何とも魅力的でした。ああ、今日は早起きしてここまで来て良かったと思う瞬間です。

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(ん~、イイですねぇ~)

 そんな風景を楽しみながら登っていくと、見えてきましたゴトウ石。15年前にはなかったよなぁ…と思いながら近づいてみると、ゴトウ石の表記の左に平成十四年何とかと書かれています。私が訪れた二年後ぐらいに何かあったのでしょうか…。

 ゴトウ石の先は綺麗な美林になったかと思うと、植林の急登が始まって、ここはエアリアにも書かれていますがかなりきつい傾斜です。植林が終わっても急登は続き、急登がようやく緩むと間もなくで稜線に出て、しばらく行ったところに厳道峠との分岐を示す指導標があります。ワラビタタキに向かってすぐのところに富士山が綺麗に見える場所があります(トップ写真)。

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(ワラビタタキへ向かう)

 ワラビタタキ(1257.0三角点峰)への稜線はブナもある自然林の尾根で、道志のこの中核とも言えるあたりの稜線は本当に歩いていて気持ちが好いですね。1257.0m三角点峰は雨量計があって、十五年前に来たときにはワラビタタキの指導標が立っていましたが、今はもうなくなっています。こっちが赤鞍ヶ岳だという主張についに屈してしまったのでしょうか。

 そして、今でもよく覚えているのは、十五年前にここでたまたま遇った年配の登山者が、薮の中から三角点を見つけ出したと喜んでいたことです。今では三角点の周りのヤブはきれいに刈られて、誰の目にもすぐに見つかるようになっているうえ、この三角点へ直登する踏み跡もだいぶ濃くなっています。

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 時刻は10時。ここまではほぼ予定通りなので、途中で転んで怪我をしたりしなければ、何とか平野峠まで行けそうだ…とお茶を飲んで一服したら、来た道を戻って厳道峠の分岐へ戻りますが、厳道峠の分岐から先が要注意です。
 
 分岐点に建っている指導標に従って厳道峠への踏み跡に入っても、すぐそばを通る大栗(道志村)への踏み跡に引きずり込まれ易いミストレースが付いています。ちょうどここのあたりは局所的に踏み跡が薄くなっていて、これがとりわけミスコースする要因になっているのかも知れません。マーキング↓に気をつけて、主稜線の尾根径を捉えてください。

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 この箇所を間違えずに行くと、すぐに小さな指導標がブナの木の根元に見つかりますが、どうせ指導標を置くのであればマーキングのあるすぐ手前の位置において欲しいものです。
逆コース(厳道峠方面)から来た場合であれば間違えようがないのですから…。

 この指導標の不満を独りごちていると、なんと、今朝方、富士急に乗り継がず月夜野から歩き始めた男性ハイカーとスライド。どこをどう歩いた(走った)のでしょうか、ものすごい健脚です。と言うことはつまり今日中に芭蕉月待ちの湯あたりまでは楽勝のペースでしょうが、どこまで行くのやら(笑)…。

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(細茅ノ頭へ向かう)

 問題箇所を通過したあとは皮肉なぐらい明瞭な登山道で、ワラビタタキから40分ほどで細茅ノ頭。どこかで見かけたことがある感じのプレートと文字で標識(メッセージ付)があります 細茅ノ頭で一息入れたら、長尾鳥井立方面へ。ここは地形図で見ても判るようにほとんどアップダウンのない尾根で、ほぼコースタイム以内の短時間で歩けてしまいます。長尾には水源涵養保安林の標識が建っていて、その標識に「長尾山 1107m」とマジック書きされていました。

 長尾はほとんど素通りして、平坦な尾根道を漫歩。自然林の明るい尾根がほとんどで、快適な散歩道です。鳥井立(御牧戸山)はテレビ中継アンテナの林立するピークでここにも妙なメッセージ入りの標識がありました。ちょうどお昼前だったので、どこでランチにしようか…厳道峠は車道が乗っ越しているし…と思いつつ、少し下ると右手に展望の開けた「富士大室見岩」と私が勝手に名付けた岩が見つかったので、ここでお昼ご飯にしました。

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(富士大室見岩と勝手に名付けてしまいたくなった岩)

 残念ながら富士山は雲がかかってきていたのですが、それより何より、ここからの大室山の姿は白眉。今まで道志山塊からこの大室山を見てはその山姿にほれぼれしてきましたけれど、ここから見る大室山ほどその魅力を遺憾なく伝えている場所は他にはないのでは…と思いました。ちょうど大室指の集落が眼下に見え、943mピークから二分する尾根の形が地形図そっくりきれいに見えていて、大室指からエアリア破線ではなく、地形図の破線尾根をたどってみたいとの思いを強くしました。

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(大室山が素敵すぎ…)


 暑いほどの陽差しを受けて、お昼ご飯を済ませたら、厳道峠へ向かいます。池の上方面への分岐を下見しておこうと思いながら歩いて行くと、なんとお手製の指導標があって、「←池の上・阿夫利山」とあったのにはびっくり。二年前に阿夫利山の北東尾根で見かけたときも感じたのですが、バリハイルートの尾根下りの入口に指導標を付けるのはいかがなものでしょうか。

 その先の厳道峠への下りはかなりの急坂です。ジグザグを切りながらぐんぐん下っていき、送電鉄塔が見えてくると、右手に道志方面(久保?)への径を分けてすぐ車道に降り立ちます。

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(厳道峠へ急坂を下る)


 上野原市の指導標に従って今度はムギチロへの急登。今までが平坦な尾根歩きだっただけに、時間的には短いのですが結構きつく感じます。トラロープもあり、「上野原秋山トレイルコース」の標識が木に巻き付けられています。

 急登をこなし、しばらくい歩いた先に植林のピークがあり、木の切り株があって休憩におあつらえ向きだったため、ここをムギチロと勘違いして休憩。時間的にも早すぎるし、何の標識もないので地形図で確認すればすぐ判ることだったのですが、急登をこなしたあとだっただけに、ちょいとひと休みしたいとの思いが強く、間違いに気づいたのは、休憩後でした(笑)。

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(偽ムギチロから真ムギチロへの稜線はこんな素敵な径♪)

 偽ムギチロから15分ほどで本物のムギチロ。こちらの方が自然林に囲まれて雰囲気も好く、慎ましい標識ですが、ちゃんと「ムギチロ山頂903m」と記されたものがありました。ムギチロから先は右側がアカマツ植林になったり、左側がヒノキ植林になったり、両側が自然林となったりと変化に富んだ尾根ですが、アップダウンも余りなく歩きやすい尾根径です。ただし、平野峠(よく注意してみると「臼久保峠」の標識がある)は要注意地点です。

 峠の手前には例の「上野原秋山トレイルコース」の標識があるにもかかわらず、峠には指導標はなく、そのまま尾根伝いに「自然環境保全地域 神奈川県 自然を大切にしましょう」の標識がある方角に進んでしまうと、677mピークの尾根に入り込んでしまいます。

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(入道丸方面へ向かう人はここを直進してはダメ「×」です)


 地形図をよく見れば判るように、ここはすぐ左手に戻るように分岐する濃い踏み跡に入ると入道丸方面に進めます。右手に戻るように分岐する踏み跡は月夜野への径と思われますが、前回来たときの状態とは違って、今回は通せんぼのロープが張られていました。現状はかなり間違いが起きやすい状態ですので、厳道峠に「←入道丸 綱子峠」の指導標を掲げている以上、この平野峠にはしっかりした指導標を是非設置してもらいたいものです。

 平野峠から左手に戻るような踏み跡をたどっていけば、 2,3分で「二一七補一」の杭がある地点に出ます(勝手に新平野峠と呼んでいます(笑))。前回安寺沢右岸尾根を末端から歩いたときはここから安寺沢の集落へ降りたわけですが、今回もこの径を下山とします。前回もふれたように、この巡視路は本当に歩きやすい傾斜角です。

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(左が安寺沢集落に降りる巡視路、右が入道丸方面の尾根径)

 とうとうこれで、未踏部分を歩ききったので、道志の主稜尾根は、奥牧野バス停からずずず~っと菜畑山や御正体山を経て平野バス停まで繋がりました。交通が不便なこの山域、つまみ食いを重ねたとは言え、電車とバスと自分の足だけでよく繋げきったのものだと思います。

 安寺沢の集落に降りたら、あとは車道をちんたらと秋山温泉まで歩きます。二度目なのでそれほどの長さも感じずに、秋山温泉には15時半前に到着。バスは残念ながら日曜の運行がなくなってしまいましたが、土曜日は14時、16時半、18時、20時50分と入館者を上野原の駅まで無料で送ってくれます。

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(秋山温泉、サイトでクーポンをゲットしてから行きましょう♪)

 温泉でゆっくり汗を流して、ゆっくりお湯に浸かってビールを飲み終えれば、あとは無料のバスに揺られて上野原に送ってもらうだけ。入館の際、携帯のカメラで撮っておいたHPのクーポン券を提示すれば、500円でお湯に浸かれますから、寒い季節の時間調整も苦にならず、本当にお得です。願わくば日曜の運行も復活して欲しいけれど、ま、土曜運行してくれているだけでも感謝しないといけませんかネ。。。


 そうそう、最後にもうひとつ。道志村の道志の湯が3月末まで改装工事のため休館とのことです。こちらは送迎バスもないし、3月いっぱいは15時のバスも走っていないので、バス派のハイカーは利用することもないかと思いますが、休館中は入浴による時間調整すら出来ませんのでご注意くださいまし。


  

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2016.01.03

【初春は中尾根から静かな御前山へ】 山バス情報141

謹 賀 新 年

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【山行日】 2016年01月02日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿   06:22 - 06:48 立川 (JR中央特快)
立川   06:58 - 07:34 武蔵五日市 (JR五日市線)

「バス」
武蔵五日市駅 07:39 - 08:09 神戸岩入口 (西東京バス IC:597円)

「歩行」
神戸岩入口バス停 08:10 - 08:40 檜原ウッディハウス
ウッディハウス  08:50 - 09:50 700m付近
700m付近     10:00 - 10:50 狛犬様の社
狛犬様の社    11:00 - 12:10 御前山山頂
御前山      12:40 - 13:35 小河内峠
小河内峠     13:45 - 15:10 藤倉バス停 (猿江経由)

「バス」
藤倉 15:24 - 16:10 武蔵五日市駅 (西東京バス 750円)

「鉄道」
武蔵五日市 16:48 - 17:53 新宿(ホリデー快速 遅延

【地形図】 「猪丸」「奥多摩湖」

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 年が明けて最初の山歩きは、最初丹沢の大山にしようかなと考えていたのですが、混雑が目に見えていることもあって、奥多摩は御前山の準バリハイコースを登ることにしました。

 藤倉行きの7時台のバスに乗るには…とネットで鉄道の連絡を見てみると、朝一番の中央特快がとても好い接続とわかり、新宿周りで立川へ。立川で当然のごとく青梅線のホームへ向かうと、そこには武蔵五日市行きは5番線ホームから発車との表示!! そうです、降りたホームでそのまま待てば好かったのですね。しばらく山に通っていなかったので、奥多摩方面のバスだけでなく電車まで浦島太郎になっていました(笑)。

 武蔵五日市駅では5分の連絡でバスが発車だったので、当然バスがスタンバイしていると思っていたのですが、発車時刻ギリギリまでバスはやってきません。寒いバスに揺られて神戸岩入口バス停で下車。

 寒いので身体を温めるべく、すぐに舗装道路を歩き始めます…と、犬が声を枯らしたような動物の鳴き声が聞こえたので見やると、なんと猿です(笑)。新年早々の山歩きでいきなり干支の動物に直接対面とは、縁起が好いのか悪いのか? しばらく歩くと今度は河原の方からサルの親子が目の前の道路を横断。ここら辺は棲みかになっているのでしょうか。。。

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(左手の川から猿の親子が… 逃げ足速く写真には撮れず)

 途中で地元の春日神社を見つけたので、ここで初詣とします。今年一年の山歩きの無事をお祈りして、取り付きとなるウッディハウスへとさらに歩いて行きます。日も短く、今日は少し長めのコース取りですから、神戸岩(かのといわ)の見物は見送りました。

 ウッディハウス裏の取り付きは、橋を渡る手前右手の「いかにも尾根に上がりますよ」という感じの踏み跡をたどっていきます。特に標識もありませんし、マーキングも付いていません。入念に柔軟運動をしてから登っていきました。

 で、この中尾根なんですが、湯久保尾根に負けないほど、ほぼ全行程が植林地帯という尾根です。最後の方に現れる1000m付近のお社だけが救いといえば救い。しかしそれ以外ははっきり言ってつまらない尾根というのが残念ながら個人的な感想です。とりわけ最初の方は植林帯の急登にあえぎ、何故かまた息苦しくなってしゃがみこんでしまったりしたこともあって、よっぽどこのまま帰ってしまおうかと思ったくらいでした。

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(写真より実際はもっと暗い感じ、植林の急登が続く)

 ただ、途中少し踏み跡が薄くなる箇所があるにはあるものの、全体に踏み跡は一般登山道並みと言ってよく、急傾斜ではジグザグを切ってくれたりと、登りに使う限り迷うこともないバリハイ入門には適したコースではないかと思います。静かなコースを歩きたいという人にとってはいいコースなのかも知れません。途中ヒノキの木に思い出したように「中」の字が黄色で書かれていて、おそらくこの山林の持ち主の屋号ではないかと思うのですが、中尾根の名前の由来は湯久保尾根と鋸尾根の中間にあるということとは違うのかも知れないと思いました。

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 狛犬様のいるお社のそばは明るく陽差しもあったので、二度目のティータイム。休憩後は最後のクロノ尾山への急登をこなして一般登山道へ出ました。一般登山道の標識の支柱に「クロノ尾山」のマジック書きがあります。ベンチがありますが、まだ休憩後30分も経過していませんし、一息ついたらそのまま御前山へ向かうことにします。

 ここからは正真正銘の一般登山道。これからたどるコースは、山を始めて間もない1999年の年末に歩いたコースの「ほぼ」逆コースになります。しかしやっぱりというか当たり前というか、記憶に残っている箇所は余りなく、歩いてみてこの御前山周辺の一般コースの良さというかすばらしさを再認識したのでした。

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 クロノ尾山をあとにすると、今までの道が嘘のように自然林の明るい縦走路↑となります。今冬は暖冬ということもありますが、陽差しがぽかぽかと暖かく、まるで春の山を歩いているみたいです。青空が広がって丹沢の山々や富士山も木々の間から垣間見え、稜線歩きを満喫、避難小屋手前で一人に会っただけで、最後の土留めの登りをフウフウいいながら上がるとなんと山頂はお昼過ぎだというのに誰もいません。一番陽当たりの好いベンチを独占して(笑)お昼ご飯です。

 御前山の山頂というのは、余り展望がよくないことでも知られていますが、木々の向こうには、今日のように天気が好ければ富士山が見えていて、遮るものなしというわけにはいかないというだけのことです。それにしても今日は本当に静か…。二つ目のおにぎりにかかったあたりでやっと一人上がってきた登山者がいただけでした。

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(静かな御前山山頂)

 バスの時刻もあることだしと、お昼ご飯を済ませたら、後半戦に挑みます。まずは惣岳山方面へ。六年ほど前に来たときも思いましたが、この稜線はホント気分の好い径ですね。自然林100%の素敵な縦走路…次回こそは葉のある時期に訪れたいと強く思います。下り始めて数分で富士山が綺麗に見える場所に出ます。ベンチもあり、展望第一の方はこちらでランチもお奨めです(トップ写真)。

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(惣岳山へ向かう)

 鞍部から登り返して惣岳山。振り返れば御前山が大きく、改めてこの山の大きさを感じます。惣岳山から六年前は奥多摩湖側へ大ブナ尾根を降り、紅葉がとても綺麗だったことを思い出しますが、今日は小河内峠まで足を伸ばして藤倉へ下山。

 小河内峠へは急傾斜の斜面を降りていきますが、ここも大ブナ尾根に劣らず美林に囲まれた素敵な尾根ですね。おまけに正面には富士山が見えます。約十五年前はここを登りにとったわけですが、下ってみて思うに、ここは下りに取る方が好いのではないかと思いました。

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(小河内峠へ…)

 落ち葉をガサゴソいわせながら下っていき、途中岩場がある箇所は巻き道があるとのことで巻き道を選んだのですが、こちらもとても素敵な雑木の森を歩けて、右手には奥多摩の石尾根方面の展望が広がり奥多摩湖も見えたりで、行きと違って、小河内峠までは楽しくて楽しくて仕方のない行程でした。十五年も経つと価値観も変わるのでしょうが、こんな素敵な径だと記憶に残っていれば、もっと歩いていたのに、と思うことしきりでした。

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(小河内峠手前の美林)

 左手にとうとう…という感じで植林が見えてくれば、小河内峠です。山頂から一時間ほど経過していたので、ここで最後のティ-タイム。時刻は13時半過ぎ。15:24のバスに間に合うように降りたいのと、ちょっと寄り道も考えていたので、余りのんびりも出来ずに、お茶を飲んで一息ついたら暗い植林帯を戻るように降りていきます。
 
 この峠径はおそらく三度目だと思うのですが、陣馬尾根に乗るまでの間、トラバースがザレている箇所があって、一般道とはいえ特に凍結時、注意が必要です。峠から20分ほどで尾根に乗り、植林が減って明るい雰囲気になります。尾根に乗って5,6分で陣馬尾根中ノ平遺跡なる表示に出会います。こんな尾根の上に竪穴式住居跡が見つかったそうで、こんな遺跡の表示があったっけ…と記憶が曖昧でした。

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(遺跡跡)

 遺跡から2,3分で猿江分岐。以前から気になっていたのですが、今日はこの猿江分岐の方へ行ってみることにします。というか、実はこのコースの決め手となったのは今年の干支「申(猿)」にちなむこの地名を思い出したからでした。

 径は非常に明瞭です。というより、十分ほどでコンクリートの舗装道路になります。ネットで猿江について調べたとき、すぐに舗装道路になると書かれていたので、てっきりすぐに猿江の集落に降りてしまうのだとばかり思っていたのですが、舗装道路とはいっても人ひとりが通れるだけの幅しかない路で、車は絶対に入れません。バイクでもかなり難しいと思います。

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(舗装路と言っても人ひとりが通れるほどの幅しかない)

 舗装路はほぼ地形図の破線通りに走っていて、雰囲気的には山道そのものです。舗装路は延々と続き、途中モノレールと交差したりします。そして長時間歩行の後のコンクリート道歩きはやっぱりきつい。。。膝には来ませんでしたが、最後は右足が痛くなってしまいました。

 で、猿江の集落ですが、おそらくは、舗装路になってすぐとしばらく行った先の右下へ分岐する径を下れば、地形図に書かれた猿江の文字のあるあたりの集落に降りることが出来たと推測しているのですが、最初の時点では自信がなかったのと、しばらく行った先の分岐では降りられたとしても15時のバスにはとても間に合わないことなどを考え、今回は見送っておき、とりあえず、この破線路に最後までつきあうことにしました。 ですので、現在猿江の集落がどうなっているか確認することは残念ながら出来ませんでした。

 舗装道沿いで最初に人家を見たのは、おそらく地形図の月夜見沢の文字の夜見のあたりのものではないかと思いますが、片方は少なくとも廃屋、もうひとつも現在も人が住んでいるかどうか微妙…という印象でした。確実に住んでいることが判った人家はやはり中組の文字の左上あたりの人家。いつか日の長い時期にでも訪れる機会があれば猿江の文字のあたりの集落の様子を見てみよう…と思いつつ、見覚えのある藤倉小学校を経て春日神社で無事下山のお礼を言ってから、藤倉バス停へと向かったのでした。

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(藤倉小学校跡)


 藤倉からのバスも発車時刻まで乗車出来ませんでしたが、幸い待ち時間もほとんどなく日暮れまでにはまだ時間があったため寒い思いもせずに済みました。そうそう、乗った大型の新しいバスですけど、今は車内で携帯やスマホの充電も出来るようになっているのですね。これもまた浦島太郎でした。これからはコンセント部分も一緒に持って行くことにしましょうかネ♪

 それから、皆さんはもうご存知かも知れませんが、御前山の登山口付近:宮ヶ谷戸周辺のバス停名がかなり変更になっています。案内表示には旧バス停名も表示されていますが、かなりややこしい変更になっているのでご利用の節はお気を付けください。


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(藤倉バス停 右奥の階段が陣馬尾根登山口)



 最後に…今年も皆さんが安全で楽しい山歩きを楽しまれることをお祈りしています。
 

 本年もどうぞよろしくお願いいたします♪


  

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