【里山で紅葉狩り…尾続山から登下の集落へ】 山バス情報138
【山行日】2015年11月22日(日)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
京王線某駅 - 09:18 北野 (京王線特急)
北野 09:19 - 09:29 高尾 (京王線)
高尾 09:48 - 10:05 上野原 (JR中央線)
「バス」
上野原駅 10:25 - 10:41 尾続 (富士急山梨バス 330円)
「歩行」
尾続 10:50 - 11:30 尾続山(△538.2m)
尾続山 11:40 - 12:15 コヤシロ山
コヤシロ山 12:40 - 13:20 名前のない峠(登下・大倉分岐)
名無し峠 13:25 - 14:40 新井バス停(登下集落経由)
「バス」
新井 14:48 - 15:03 上野原駅 (富士急山梨バス 250円)
「鉄道」
上野原 15:07 - 15:23 高尾 (JR中央線各駅停車立川行)
高尾 15:32 - 京王線某駅 (京王線 準特急新宿行)
【地形図】 「上野原」
この三連休は、せっかくの好天の土曜が観劇だったため、初日は出掛けられませんでした。9月シルバーウィークで収入減のうえ給料日前ですから、フトコロは厳しかったのですが、日曜は天気図で見る限り雨に降られることはなさそうですし、考えてみれば、山行きの方もまたまた3週間のブランクです。
前回の山行で上野原からのバス乗車前、営業所の方が配っていた地元の山の紹介パンフに「要害山~尾続山コース」というのがありまして、これならPASMOの残高で何とかなりそう…と出掛けてみることにしました。
上野原発飯尾行きのバスは実は10時台に通年運行の便がありまして、これで行っても時間は十分余りそうですし、何しろ空いているはず!…ということで、日の短いこの時期に褒められた話ではありませんが、上野原には十時過ぎの到着です。
予想通り、登山者の姿は私以外にはあともう一人だけ。バスも余裕で座れます。なお、このコース、パンフでは新井の次のバス停「鏡渡橋(きょうどばし)」から登って「尾続(おづく)」に降りるように紹介されていますが、私はちょっと考えるところあって、尾続からスタートとしました。
尾続バス停で降りても、鏡渡橋のバス停と違い、指導標は建っていません。パンフがないと取り付きがわかりにくいかも知れませんので、簡単に書いておきますと、バス停から少し上野原方向へ戻ったあたりに「←この先30m防火水槽」の看板がある小径がありますので、そこを登っていくと、すぐに、来た方向を「尾続バス停」左「要害山用竹」とした指導標が見つかりますので、指導標に従っていけば、柚の木のある農道を経由して山道に導かれます。
尾続山は13年のエアリアにも乗っていませんし、松浦本『バリエーション・ハイキング』で権現山からの下山路として紹介されていますが、踏み跡はしっかりしていますし、要所には指導標があって、読図が出来ないハイカーが下りにとっても迷う心配はないと思います。私は一応二万五千分の一地形図「上野原」とコンパス持参でしたが、駅前のバス停付近で配布しているパンフだけで歩いても問題のない、よく整備されたハイキングコースという印象でした。
尾根に乗ると、モミの木が二本ある展望地点がありましたが、あいにくの曇りで市街地が望めるだけ。なだらかな尾根をゆるゆると登っていけば、538.2m三角点のある尾続山に着きました。歩き始めて40分ほど、時刻は十一時半。まだお腹も空いていないので、ここはテルモスのお茶だけで軽い休憩とします。
(バス停のふりがなは「おずく」、こちらは「おづく」のルビ)
今年は本当に暖かい秋で、おまけにこの日は曇天ですから、紅葉は今ひとつぱっとしませんが、今回たどったコース中では、この尾続山の前後辺りが一番紅葉が綺麗でした。
尾続山を後に、実成山(標識あり:609m地点)を経てコヤシロ山へ。コースはほぼ尾根上につけられていて、ピンクのテープや指導標がありますので、踏み跡の濃い方を選んでいけばよく、支尾根へ迷い込む心配もほとんどありません。尾根上は植林の部分もありますが、植林のすぐ向こうに雑木の紅葉が見えたりもして、この規模の尾根にしては雰囲気は明るい方だと思います。
コヤシロ山とは、地形図で言うと610m圏峰ではなくその手前の尾根の分岐点(標高600m地点)で、ここには丸太を横にしただけの簡易ベンチがあり、展望地点となっています。晴れた日なら富士山が綺麗に見えるそうです。
時刻もお昼過ぎ。ベンチもあり人もいないので、このコヤシロ山で今日はおにぎりタイムです。この日は遠望が利かないので近くの尾根をぼんやり見ながら食事していたのですが、ここから見る610m圏峰から派生した支尾根の形状は何とも不思議なものでした。
どう言ったらいいのでしょう…、その支尾根はグイッと直角に曲がって大倉沢の対岸尾根に延びきって、窪地が出来ているように見えます。地形図で見ると対岸の尾根にそのまま伸びて繋がっているわけではないのですが、まるで大倉大沢がそこで堰き止められてでもいるかのようにこちらからは見えてしまい、林道も通っていることだし、いつの日か実地検分してみたいものだな…という気分になりました。
お昼ご飯をすませると、数人のパーティーがやってきたので、私はベンチを離れて、要害山方面に向かうことにします。ここからは今までの径と違い、痩せ尾根となってアップダウンも多くなってきます。いったん下って登り返した590小ピークには「←用竹・尾続」「要害山・鏡渡橋→」の指導標があり、すぐ真下には登下集落らしきものも見え、ここから降りようと思えば、登下集落に降りられるかも知れないですが、かなりの傾斜ですし自重しておきます。
590小ピークから下った最低鞍部には祠があり、ここからも行こうと思えば登下集落に行けそうでしたが、要害山の手前まで行けば峠道が集落に降りていることが判っているのだし…ということで、ここも見送っておきます。
登り返して「風の神様」と表示のある540m地点。展望地点となっていますが、見えるのは近郊の山だけ。風の神様から虎ロープもある細尾根のアップダウンをこなしていくと、左手に登下集落の家屋が見えてきます。舗装道路がかなり上の方まであがっており、やはり先ほどの鞍部の地点からでも容易に集落に降りられたのではないかと思いますが、峠道の通る鞍部はもうすぐそこです。
570m小ピークから下りきった鞍部は果たして十字路になっていて、指導標も2つあって、左手を登下、右手を大倉と表示しています。そしてここには神木と思われる立派な木と「?葉大権現」と書かれた大きな石灯籠があり、いかにも古くからある峠という感じの場所です。峠の名前がわからないのが非常に残念。
パンフに紹介されたコースですと、ここから目の前にある要害山(536m峰)を越えて鏡渡橋バス停へと至るのですが、私は迷うことなく(笑)登下集落への径を下って要害山はカットしました。
地形図で見れば判るように、この集落は本当に摩訶不思議。途中の登下沢にはまったく人家が無く、沢の源頭に近い場所にぽつんと集落があるのです。こんな沢の奥にどうして人が住み着いたのか、そして何よりもこの集落の名前がなぜ登下(トッケ)なのか、似たような集落に高柄山の南にある金山という集落があり、ここもいつか是非訪れてみたいものですが、峠フェチの私としてはこちらのトッケ集落の方により強い興味を抱きます。
峠道は地形図には記されていませんが、やはり予想通り今たどってきた尾根を逆方向に戻るようにトラバースしていって、集落の最奥に近い地点に降り立ちます。意外や降り立った地点には来た方を指して「←要害山登山道入口(約10分)」と結構真新しい指導標が建っていました。
そして少し心配していた、廃村になってしまっているのでは…という危惧は払拭されました。集落の内の一軒は、修復工事をしているらしく、足場が組まれており、他の人家も今もひっそりと暮らしているらしいことがすぐに判りました。降りてきたのが二時前と明るい時間帯だったせいかもしれませんが、集落の雰囲気は谷間の薄暗いイメージとはまったく違う明るい雰囲気の場所でした。
これで古老にこの集落の名前の由来など聞ければ最高でしたが、私としては、久々に山村の集落に降りたときの何とも言えない味わい深さを満喫出来ただけでも満足でした。
ぐるりと集落をめぐるように歩いてから、ゆっくりと林道を降りていき、それほどの長さも感じることなく、あれ、もう着いたか、とバス通りに出て、トッケ沢に架かる大きな棡原大橋を渡りつつ、降りてきた山の方角を望むと、そこには目立ってとんがった山のかたちが…そうです。今し方、登頂をすっぱり諦めた(笑)要害山がデンと居座っているのです。
私としては、集落の名前がトッケだというのはこの山のことをトッケと呼んだからではないかと思えてなりませんでした。「あのトッケの向こうに人が住んでいて…」と付近の住民から言われるうちにその最奥の集落の名前がトッケとなったのではないかと、そんな想像をしながら、車の通りの激しい車道を歩いて鶴川に架かる鏡渡橋を渡り、新井手前の酒屋でビールを買って飲みながら、何とか新井14:48発のバスに間に合いました。
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コメント
ゴン太さん、こんにちは。
お久しぶりです。山に復帰されたようですね。この界隈もご無沙汰していますが、道標ほか新しくなっているようです。ゴン太さんのレポを読んでいると、久しぶりに行ってみたくなりました。
レポを楽しみにしていますので、山行の継続を願っています。(笑)
投稿: AKIO | 2015.11.24 14:05
AKIOさん、こんばんは。
コメント、どうもありがとうございます。そして、こんな不定期に更新したりしなかったりのサイトのことを気にかけていただいて、ホント恐縮です。
帰ってきてから、松浦本を読み直してみると、記述と違っているところも多く、最近になってこの付近は随分整備されたようですね。
上野原は早い時間帯のバスがないのが玉に瑕ですが、新井までなら早朝からバスもありますので、この辺りを起点に長駆で権現とか挑戦してみるのも佳いかな、なんて最近全然早起き出来てないくせに(笑)ちょっと思いました。
この周辺は、エアリア赤実線でも歩いていないルートがあったりするので、私としてはこれをきっかけにこの辺りも探索してみたいと思っています。
山行き、ほんと、これからは途切れないように気をつけます。いろいろと事情もあったのですけど、それは言い訳になるので(笑)、どこかの山でお会い出来たときにでもゆっくりお話ししたいと思っています。
投稿: ゴン太 | 2015.11.24 22:26