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2015.10.25

【玉川上水をたどる(3)…下高井戸駅~千駄ヶ谷駅】

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(代田橋駅手前で唐突に現れた水流というか水溜:笑)

【歩行日】 2015年10月25日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
東急世田谷線某駅  - 10:11 下高井戸 (東急世田谷線)

「歩行」
下高井戸駅 10:11 - 10:20 下高井戸橋
下高井戸橋 10:20 - 11:25 笹塚橋の先のベンチ
笹塚橋   11:35 - 12:00 新台橋手前のベンチ
新台橋   12:15 - 13:37 千駄ヶ谷駅

「鉄道」
千駄ヶ谷  13:39 - 13:42 新宿  (JR総武線各駅停車)

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(稲荷橋の先にて…こちらは玉川上水らしい水流)


 先々週の続きで、玉川上水を下高井戸駅から終点の四ッ谷大木戸跡までたどってみました。

 先週末は久々の歌舞伎見物で、今週こそは山に向かおうと、あれこれプランを練ってはいたのですが、土曜の夜からかなりの強風。朝も目覚ましをかけておいた四時半過ぎでも吹き荒れているので、二度寝をした後(笑)、ごそごそと起き出して、玉川上水の残りを歩いてしまおうと決めました。

 今日の行程は10kmほど、スタート地点の下高井戸駅まで歩いて行っても良かったのですが、ちょっとした野暮用を片付けておきたかったので、東急世田谷線の某駅まで遠征。久しぶりに世田谷線に乗車して下高井戸駅に出ることにしました。

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 世田谷線は二両編成のチンチン電車ですが、それでも単線ではなく複線なんですね(笑)。料金は隣駅でも全線乗っても150円(ICなら144円)。乗るときだけICカード読み取り機にタッチ、降りるときはタッチしません。間違って二度タッチして料金を二重取りしないようにするため、タッチしたあと20分以内は世田谷線内ではICカード利用出来ない仕組みになっているそうです。

 私が世田谷に越してきた頃は、まだ床が板張りの車両が走っていて、冷房車がなかったと記憶していますが、いまはスタイリッシュな車両になっていて、冷暖房完備になっています。でも、昔の車両の方が味があって好かったなぁ…。

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 終点の下高井戸駅で下車。二週間前に歩いてきた道を逆にたどって、下高井戸橋からスタートです。最初は公園の中を行きますが、すぐに甲州街道に引っ張り出されます。明治大学まで甲州街道を歩かされますが、明治大学の校門のところで左に入る小径があり、すぐに玉川上水跡の公園になります。

 実は私、30年以上前(笑)この明大の和泉校舎に二年ほど通ったことがあるのですが、ここを玉川上水が通っているなんて全然知りませんでした。私が学生だった頃も、この遊歩道はあったと思うのですが、おそらくこんな近くにありながら一度も歩いたことは無かったと思います。

  遊歩道をたどっていくと、まもなく井の頭通りにぶつかり、「まごころを水に託して届けます」と大書された、東京都水道局の施設、和泉給水所が現れます。玉川上水はまさにこの水道局の施設の中を通っているらしいのですが、さすがにこの施設の中には立ち入れないので、甲州街道の歩道を歩くことになります。なお、大地震の際はここで水を配給してくれるそうです。

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 和泉給水所の先も、ここが玉川上水跡なのだろうな、という形跡が認められるのですが、なんとこのあたりで玉川上水は甲州街道を横切ることになります。今ほどの道幅ではないにせよ、江戸時代にも甲州街道は道として存在していたでしょうから、このあたりには大きな橋が架けられていたのでしょうか。とりあえず、現代人の私は歩道橋で甲州街道の右側に移ります。

 歩道橋を渡った後、右側に注意して歩いて行くと、かなり唐突に水流(というか水溜)が現れ、甲州街道から離れていきます。世田谷区が北沢公園として管理していて、入口には玉川上水の由来というか説明が書いてあったりします。まもなく代田橋の駅のすぐ真下を通り抜けます。

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(唐突に現れた水流、このすぐ先で代田橋駅の下をくぐる)

 実を言いますと、私、この世田谷に引っ越してくる前、短期間ですが杉並の和泉に住んでいたことがありまして、酔っ払って終電がなくなって代田橋の駅から帰るときなど、この道を通っていたりしたのでした(笑)。当時はまったく玉川上水のことなど考えてもみませんでした、というか、玉川上水がこんな所を通っているなんて夢にも思いませんでした。

 線路を越えると今度はすぐに環七と交差しますが、ここも地下道を通って行けます。代田橋のこちら側には来たことがなかったので、こんな抜け道(笑)があることは今回初めて知りました。

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(環七下を通る秘密の抜け道:笑)

 地下道を抜けると世田谷区によくある緑道の道になります。その名も玉川上水緑道。公園のような所もあってそこでは近所のお父さんお母さんが子供を遊ばせています。緑道が途切れると、また唐突に水流が現れます。道は細くなりますが、どこか小金井あたりの玉川上水に似た雰囲気もあって、今日の行程ではろくな水流が見られないと思っていたこともあり、それだけに、この辺りの佇まいには少々感激してしまいました。

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 しかしその素敵な空間もじきに終わってしまい、道は笹塚駅の真ん前を通り右折、また遊歩道か…と思うと、いきなり水流が現れます。渋谷区による玉川上水の案内板があり、しばらく水流が続きますが、これも笹塚橋まで。笹塚橋の先からは再び世田谷区の緑道になります。

 歩き始めてから一時間ほど経過、笹塚橋の先で藤棚の下に空いたベンチが見つかったので、テルモスのお茶でひと休み。ここは甲州街道からも京王線からも離れたところにあるので、本当に静かな住宅街といった場所です。

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(世田谷区の緑道)

 休憩後、世田谷区の緑道を歩いて行くとバスも通る大きな通りに当たり、横断歩道で渡ると、そこから先は渋谷区の遊歩道となります。その名も「渋谷区立玉川上水旧水路緑道」。 ここから玉川上水は大きく蛇行して再び甲州街道へと近づいていきます。

 消防庁の施設を通り過ぎ、小さな橋をいくつも通り過ぎて行くと、車の騒音が聞こえてきて、この先はロクにのんびり休めそうな所もないだろうと考え、時刻もちょうど12時。新台橋手前の日当たりの良いベンチが空いていたので、腰掛けておにぎりとテルモスのお茶で簡単な昼食をとります。

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(これは西代々木橋 この先に新台橋)

 腹ごしらえが済んだら、また歩き始めます。予想通り騒がしいのですが、それでも、遊歩道が甲州街道から一本だけ南側を通っているので、まともに甲州街道を歩くよりはマシです。ときどき水流を模したようなタイルの溝があったりしますが、やはり意識していないと、それが玉川上水の名残として作られたものとは気づかないでしょう。

 何度か訪れたことのある新国立劇場のそばを通り、自分が観たオペラが玉川上水のほとりで演奏されていたなんて、なんだか悪い冗談のようにも思えてきます。きっと日本人のオペラ歌手だって、玉川上水のことなんてこれっぽっちも考えずにあの劇場で歌っているのだし、まぁ、どうでもいいことなのですが…(笑)。

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 初台を過ぎても、しつこく遊歩道は続いていくのですが、さすがに文化女子大のあたりになると、遊歩道と言うよりただの歩道となってしまって、甲州街道の一本南の通りを歩いて行くと、ついに新宿駅の手前でビルに突き当たって、玉川上水跡をたどることは不可能になってしまいます。

 仕方がありませんから、ここからはしばらく新宿駅の南口と新南口に架かる大ガードを甲州街道沿いに歩いて行き、線路を渡った後もなおも甲州街道沿いに歩いて、新宿高校の前を通り、新宿御苑の入口に到達します。ここから玉川上水跡を再びたどることになるのですが、入場料を払って新宿御苑内に入る必要はありません。

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(新宿御苑散策路)

 月曜を除く09:00~16:30であれば、新宿御苑散策路が無料開放されていて、ここが玉川上水の跡地になります。ちょうど天気の好い日曜のお昼過ぎで散策路にはカップルの姿も目立ち、一人歩きの私は少し気恥ずかしいですが(笑)、散策路には水流もあり、フシグロセンノウやニリンソウなど山でもおなじみの植物も植栽されているようで、この日はホトトギスが結構綺麗に咲き残っていました。

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 この散策路を歩ききると、いよいよ終点の四谷大木戸跡。水道碑記も写真におさめて、無事、羽村から始めた玉川上水をたどる行程も全行程が完結。ここから新宿駅に戻るのも野暮なので、そのまま歩いて定期券のきく千駄ヶ谷駅に向かいました。

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          (今回の旅の終点 四谷大木戸跡)

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コメント

ごん太さん こんばんは

玉電、懐かしいですね~
私も時々乗った電車で、あの頃はチンチン電車って呼んでいましたよね。
確か単線だったと思いますけど、今は複線になったのですか。
板張りの床や、ゴトゴト走る音、可愛い窓が思い出されます。(笑)

ところで、以前、ごん太さんの源次郎岳のレポを拝見して以来、行ってみたいと思っていた日川尾根~源次郎岳へ行ってきました。
本当に静かなコースで、紅葉もきれいで、おかげさまで大賑わいの日曜日にも拘わらず、静かな山歩きができました。
今度は恩若ノ峰の尾根も歩いてみたいと思います。

投稿: sanpo | 2015.10.30 22:55

sanpoさん、こんばんは~。

コメントどうもありがとうございます。

sanpoさんも板張り床電車の体験者(笑)とのことですが、玉電の愛称時代をご存知と言うことは、私が知っているよりもっと昔に利用されたことがあるのでしょうか。そうするとその当時はあるいは単線だったのかもしれません。私が越してきたのは20年以上前でしたが、その当時はもう既に複線になっていたと思います。

 さて、源次郎ですが、レポ拝見しました。私と違い、小屋平で降りて上日川峠まで歩かれたり、展望台に立ち寄られたりしたとのこと。大変興味深く読ませていただきました。

 嵯峨塩鉱泉への径は、確かに最後の方が非常にわかりにくいですね。私も最初左手に降りずに直進してしまいそうになりましたが、当時はまだ早々に踏み跡が消えてしまううえ、左手にマーキングがつけられていたので、以来私は間違えずに左手に降りられるようになったのですが、近年は行くたびに直進する踏み跡が濃くなっていて、今ではかなりの人が直進してしまうようです。

 今年は紅葉がやや早めのようで、源次郎は先週がちょうど見頃だったようですね。あの細尾根の紅葉は本当に何度観ても素晴らしいもので、短い区間ではありますが、毎年でも訪れてみたいものです。静かだし本当に佳い山です。恩若の方から登ると最後がホントきついんですけど、そこがまた好いんですよ。是非またお出かけになってください。

 最後に、ずっと更新していないこのサイトにアクセスしてくださったうえ、記事でリンクまでつけていただいて、大変恐縮しております。

 罪滅ぼしというわけではないのですが、今日やっと久々の山に出掛けてきて、プチ紅葉狩りごっこしてきました。sanpoさんのコメントが背中を押してくれたのです。どうもありがとうございます♪

投稿: ゴン太 | 2015.10.31 21:49

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