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2015.10.25

【玉川上水をたどる(3)…下高井戸駅~千駄ヶ谷駅】

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(代田橋駅手前で唐突に現れた水流というか水溜:笑)

【歩行日】 2015年10月25日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
東急世田谷線某駅  - 10:11 下高井戸 (東急世田谷線)

「歩行」
下高井戸駅 10:11 - 10:20 下高井戸橋
下高井戸橋 10:20 - 11:25 笹塚橋の先のベンチ
笹塚橋   11:35 - 12:00 新台橋手前のベンチ
新台橋   12:15 - 13:37 千駄ヶ谷駅

「鉄道」
千駄ヶ谷  13:39 - 13:42 新宿  (JR総武線各駅停車)

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(稲荷橋の先にて…こちらは玉川上水らしい水流)


 先々週の続きで、玉川上水を下高井戸駅から終点の四ッ谷大木戸跡までたどってみました。

 先週末は久々の歌舞伎見物で、今週こそは山に向かおうと、あれこれプランを練ってはいたのですが、土曜の夜からかなりの強風。朝も目覚ましをかけておいた四時半過ぎでも吹き荒れているので、二度寝をした後(笑)、ごそごそと起き出して、玉川上水の残りを歩いてしまおうと決めました。

 今日の行程は10kmほど、スタート地点の下高井戸駅まで歩いて行っても良かったのですが、ちょっとした野暮用を片付けておきたかったので、東急世田谷線の某駅まで遠征。久しぶりに世田谷線に乗車して下高井戸駅に出ることにしました。

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 世田谷線は二両編成のチンチン電車ですが、それでも単線ではなく複線なんですね(笑)。料金は隣駅でも全線乗っても150円(ICなら144円)。乗るときだけICカード読み取り機にタッチ、降りるときはタッチしません。間違って二度タッチして料金を二重取りしないようにするため、タッチしたあと20分以内は世田谷線内ではICカード利用出来ない仕組みになっているそうです。

 私が世田谷に越してきた頃は、まだ床が板張りの車両が走っていて、冷房車がなかったと記憶していますが、いまはスタイリッシュな車両になっていて、冷暖房完備になっています。でも、昔の車両の方が味があって好かったなぁ…。

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 終点の下高井戸駅で下車。二週間前に歩いてきた道を逆にたどって、下高井戸橋からスタートです。最初は公園の中を行きますが、すぐに甲州街道に引っ張り出されます。明治大学まで甲州街道を歩かされますが、明治大学の校門のところで左に入る小径があり、すぐに玉川上水跡の公園になります。

 実は私、30年以上前(笑)この明大の和泉校舎に二年ほど通ったことがあるのですが、ここを玉川上水が通っているなんて全然知りませんでした。私が学生だった頃も、この遊歩道はあったと思うのですが、おそらくこんな近くにありながら一度も歩いたことは無かったと思います。

  遊歩道をたどっていくと、まもなく井の頭通りにぶつかり、「まごころを水に託して届けます」と大書された、東京都水道局の施設、和泉給水所が現れます。玉川上水はまさにこの水道局の施設の中を通っているらしいのですが、さすがにこの施設の中には立ち入れないので、甲州街道の歩道を歩くことになります。なお、大地震の際はここで水を配給してくれるそうです。

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 和泉給水所の先も、ここが玉川上水跡なのだろうな、という形跡が認められるのですが、なんとこのあたりで玉川上水は甲州街道を横切ることになります。今ほどの道幅ではないにせよ、江戸時代にも甲州街道は道として存在していたでしょうから、このあたりには大きな橋が架けられていたのでしょうか。とりあえず、現代人の私は歩道橋で甲州街道の右側に移ります。

 歩道橋を渡った後、右側に注意して歩いて行くと、かなり唐突に水流(というか水溜)が現れ、甲州街道から離れていきます。世田谷区が北沢公園として管理していて、入口には玉川上水の由来というか説明が書いてあったりします。まもなく代田橋の駅のすぐ真下を通り抜けます。

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(唐突に現れた水流、このすぐ先で代田橋駅の下をくぐる)

 実を言いますと、私、この世田谷に引っ越してくる前、短期間ですが杉並の和泉に住んでいたことがありまして、酔っ払って終電がなくなって代田橋の駅から帰るときなど、この道を通っていたりしたのでした(笑)。当時はまったく玉川上水のことなど考えてもみませんでした、というか、玉川上水がこんな所を通っているなんて夢にも思いませんでした。

 線路を越えると今度はすぐに環七と交差しますが、ここも地下道を通って行けます。代田橋のこちら側には来たことがなかったので、こんな抜け道(笑)があることは今回初めて知りました。

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(環七下を通る秘密の抜け道:笑)

 地下道を抜けると世田谷区によくある緑道の道になります。その名も玉川上水緑道。公園のような所もあってそこでは近所のお父さんお母さんが子供を遊ばせています。緑道が途切れると、また唐突に水流が現れます。道は細くなりますが、どこか小金井あたりの玉川上水に似た雰囲気もあって、今日の行程ではろくな水流が見られないと思っていたこともあり、それだけに、この辺りの佇まいには少々感激してしまいました。

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 しかしその素敵な空間もじきに終わってしまい、道は笹塚駅の真ん前を通り右折、また遊歩道か…と思うと、いきなり水流が現れます。渋谷区による玉川上水の案内板があり、しばらく水流が続きますが、これも笹塚橋まで。笹塚橋の先からは再び世田谷区の緑道になります。

 歩き始めてから一時間ほど経過、笹塚橋の先で藤棚の下に空いたベンチが見つかったので、テルモスのお茶でひと休み。ここは甲州街道からも京王線からも離れたところにあるので、本当に静かな住宅街といった場所です。

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(世田谷区の緑道)

 休憩後、世田谷区の緑道を歩いて行くとバスも通る大きな通りに当たり、横断歩道で渡ると、そこから先は渋谷区の遊歩道となります。その名も「渋谷区立玉川上水旧水路緑道」。 ここから玉川上水は大きく蛇行して再び甲州街道へと近づいていきます。

 消防庁の施設を通り過ぎ、小さな橋をいくつも通り過ぎて行くと、車の騒音が聞こえてきて、この先はロクにのんびり休めそうな所もないだろうと考え、時刻もちょうど12時。新台橋手前の日当たりの良いベンチが空いていたので、腰掛けておにぎりとテルモスのお茶で簡単な昼食をとります。

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(これは西代々木橋 この先に新台橋)

 腹ごしらえが済んだら、また歩き始めます。予想通り騒がしいのですが、それでも、遊歩道が甲州街道から一本だけ南側を通っているので、まともに甲州街道を歩くよりはマシです。ときどき水流を模したようなタイルの溝があったりしますが、やはり意識していないと、それが玉川上水の名残として作られたものとは気づかないでしょう。

 何度か訪れたことのある新国立劇場のそばを通り、自分が観たオペラが玉川上水のほとりで演奏されていたなんて、なんだか悪い冗談のようにも思えてきます。きっと日本人のオペラ歌手だって、玉川上水のことなんてこれっぽっちも考えずにあの劇場で歌っているのだし、まぁ、どうでもいいことなのですが…(笑)。

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 初台を過ぎても、しつこく遊歩道は続いていくのですが、さすがに文化女子大のあたりになると、遊歩道と言うよりただの歩道となってしまって、甲州街道の一本南の通りを歩いて行くと、ついに新宿駅の手前でビルに突き当たって、玉川上水跡をたどることは不可能になってしまいます。

 仕方がありませんから、ここからはしばらく新宿駅の南口と新南口に架かる大ガードを甲州街道沿いに歩いて行き、線路を渡った後もなおも甲州街道沿いに歩いて、新宿高校の前を通り、新宿御苑の入口に到達します。ここから玉川上水跡を再びたどることになるのですが、入場料を払って新宿御苑内に入る必要はありません。

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(新宿御苑散策路)

 月曜を除く09:00~16:30であれば、新宿御苑散策路が無料開放されていて、ここが玉川上水の跡地になります。ちょうど天気の好い日曜のお昼過ぎで散策路にはカップルの姿も目立ち、一人歩きの私は少し気恥ずかしいですが(笑)、散策路には水流もあり、フシグロセンノウやニリンソウなど山でもおなじみの植物も植栽されているようで、この日はホトトギスが結構綺麗に咲き残っていました。

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 この散策路を歩ききると、いよいよ終点の四谷大木戸跡。水道碑記も写真におさめて、無事、羽村から始めた玉川上水をたどる行程も全行程が完結。ここから新宿駅に戻るのも野暮なので、そのまま歩いて定期券のきく千駄ヶ谷駅に向かいました。

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          (今回の旅の終点 四谷大木戸跡)

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2015.10.12

【玉川上水をたどる(2)…鷹の台駅~下高井戸駅】

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【歩行日】 2015年10月10日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅  - 09:02 吉祥寺 (京王井の頭線)
吉祥寺 09:09 - 09:24 国分寺 (中央線快速)
国分寺 09:29 - 09:34 鷹の台 (西武国分寺線)

「歩行」
鷹の台駅  09:40 - 11:00 茜屋橋の先のベンチ
茜屋橋   11:15 - 12:35 桜橋の先のベンチ
桜橋    12:50 - 14:05 若草橋の先のベンチ
若草橋   14:15 - 15:40 上北沢駅入口の先のベンチ
上北沢入口 15:45 - 16:10 下高井戸橋
下高井戸橋 16:10 - 16:15 下高井戸駅
下高井戸駅 16:15 - 自宅

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 先週の続きで、玉川上水を鷹の台駅から下高井戸駅までたどってみました。

 今回も会社に行くぐらいの時間帯に家を出ましたが、鷹の台までは西武線一本ではなく、今回たどる道が井の頭線の近くを通ることもあって、井の頭線を使って吉祥寺まで出て、吉祥寺からJR中央線で国分寺へ行き、国分寺から西武国分寺線に乗ってみました。

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 鷹の台の駅に着いたのは9時半過ぎ、小平市立中央公園で身支度をしてからスタートです。遊歩道は上水の両側にあるようですが、私は左(北側)を選択。左手の道は左に用水路、右手に玉川上水と、両側に流れがあり、スタート地点では左側の用水路に降りられるようになっています。

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 道はやはり雑木林が美しく、広々として気持ちの好い道なのですが、JR武蔵野線が地下を通る、玉川上水坑を過ぎたあたりからでしょうか、しばらくずっと五日市街道がすぐ脇を通るため、車の騒音が絶えず、そこが玉に瑕。

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 西武多摩湖線(これも単線)を渡る桜橋から先は、その名の通り桜並木となり、雑木林は姿を消してしまいます。喜平橋で五日市街道が右手から左手にシフトするのにあわせ、歩行者の私は右手の遊歩道に移ります。

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     (右側の遊歩道に移るが、右側も狭い車道が通っている)

 小桜橋で水流を橋から覗き込むと、そこには鯉の群れが…。前回も気づきましたが、時折橋のすぐ下で流れに逆らうように鯉が停留しているのを目にします。どうやら、鯉にえさをやる人がいるようで、定位置で待機しているようです。橋によっては人の気配があると水面に口を突き出してパクパクしていたりしました。

 茜屋橋を過ぎたあたりでベンチを発見。歩き始めて一時間以上経過したのと、早くもお腹がすいてきたので、おにぎりをふたつお腹に入れ、家から持ってきたテルモスのお茶で喉を潤します。ちょうどそのベンチの前に柿の無人販売があり、見てみると五個一袋が二百円と超お得なお値段で、迷わず購入(笑)。家に持ち帰って美味しくいただきました。

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 貫井橋や小金井橋のあたりはその名も小金井市桜町。桜の季節はこのあたりは賑わうのでしょう。実際私も随分前になりますが、小金井公園にお花見に行ったことがあります。今は桜の代わりにムラサキシキブやツリガネニンジンなど山でも見かける植物が楽しめたりします。

 小金井橋は2008年までレンガ橋だったそうですが、今はもうその面影もなく、ただ交通量の多い交差点といった感じで残念です。小金井橋を過ぎても小金井公園のある左側の交通量は多く、少しでも騒音を避けようと右手の遊歩道を歩きます。

 新小金井橋を過ぎ、以前小金井公園の入口に行く歩道橋があった場所には、できたてのホヤホヤという感じの橋が設えられていて、その名も「平右衛門橋」というのだそうです。

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(平右衛門橋)

 関野橋を過ぎたあたりで、またまた農家の無人販売を発見。「栗あります」というので覗いてみると、二十個は入った栗が一袋五百円。買って帰って栗ご飯…とも思ったのですが、柿を入れたザックは結構重くなっていましたし、一人分としては多すぎる量。栗をむくのに時間もかかるし…と後ろ髪引かれつつも購入を断念しました。

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(購入断念)

 鯉の待機する小さな橋をいくつか過ぎ、境橋を過ぎると境水衛所跡。説明板によれば、水衛所とは水番人をしていた人が常駐していた場所のことで、水量の確認や周辺の周回、流れてくる落ち葉の掃除などをしていたそうです。

 この境水衛所を過ぎると、道は五日市街道から離れ、途端に静かになります。独歩橋は国木田独歩にちなむ橋なのでしょうか、その先の桜橋には国木田独歩と桜橋のことが書かれた説明板がありました。桜橋の先にベンチがあり、静かですし、前回の休憩から一時間あまり経過していたので、ひと休みすることにします。目の前は境浄水場。当然玉川上水からの水を浄化しているのかと思ったのですが、帰ってから調べてみると、多摩湖と狭山湖の水が原水とのことです。

 この境浄水場の専用鉄道跡というのが大橋の近くにあるはずなのですが、見つからず、その先のぎんなん橋に残されていた「三鷹駅から旧中島飛行機武蔵製作所を結ぶ引込線跡」とされるものだけ写真に収めました。

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(ちょうどシーズンで、実際ギンナン臭かった:笑)

 竹林やタケノコ直売所(4~5月)を過ぎ、なおも玉川上水をたどると、ついに三鷹駅にぶつかります。なんと暗渠となって三鷹駅の下を玉川上水が通っているのですね。これはかつて中央線沿線住民だった私もまったく知りませんでした。駅の構内を抜けて左手に注意しながら進むと、わりと簡単に続きが見つかります。  

 その名も三鷹橋には井戸がありますが、「ここの水は飲めません」という井戸跡によくある表示。バスも通る交通量の多い道が続き、「エサやり禁止」の表示がある むらさき橋 で、やっぱりそういうことか、と鯉の姿を再確認後、山本有三記念館を右手に見てしばらくで井の頭公園内に突入です。静かになりましたが、陽差しの少ないこの日はやや薄暗い道となりました。

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 公園内には野鳥観察地などもあり、このあたりは、本当に野鳥のさえずりを聞きながら、自然に浸りつつ歩けますし、公園を出た後もとても静か、というか、のどかな道ですね。若草橋あたりは畑なども見られ、ちょうどベンチも見つかったので一息入れます。

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 時刻は14時過ぎ。どうやら今日は目標地点である浅間橋までは行けそうです。腰を上げなおも玉川上水の下流へ歩いて行くと、宮下橋の先にキッチンひだまりなる看板を発見。ランチは14時までで既に終わっていましたが、出ていた看板に因ればランチのお値段870円だそうです。

 東橋、長兵衛橋、どんどん橋と静かな通りを過ぎた先で「遺構確認調査中」とのことで迂回路が設けられていました。何でも発掘調査中なのだそうです。

 兵庫橋を過ぎると今度は新しい道路の整備中ということで、またまた迂回路が…。このあたり、今は静かで閑静な住宅街といった感じなのですが、近い将来、交通量・騒音の多い場所になってしまうのでしょうか。

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(新しい道路建設中)

 周囲の騒音が激しくなって来ると、浅間橋。ここで水流を見るのはほぼ最後になると言うことです。浅間橋から先はもう判っちゃいましたけれど、中央道が真横を走る騒音地帯を我慢して歩くことになります。水流の面影もない「歴史と文化の散歩道」なるアスファルト道路を上北沢駅入口の交差点まで ずう~うっと 歩いて行くのです。途中には環八との交差点があり、その名も「中の橋交差点」ですが、もちろん橋などどこを探してもありません(笑)。

 上北沢入口交差点手前に左に入る道があり、入っていけば、そこから先は玉川上水跡に作られた杉並区の公園がずっと続きます。取りあえずこの公園に入ったところのベンチでひと休み。

 この公園は中央道&甲州街道からわずかに北にそれるので、騒音はいくらか弱まります。休憩後、歩いて行くと水流を模したタイル張りのところがあったりしますが、意識していないとここが玉川上水の跡地だとはなかなか判らないのではないでしょうか。

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 まぁ、先ほどの中央自動車道沿いを歩くよりはずっとマシなんですけど。なんというか、ここまで玉川上水をたどってきた身には、ただの都会の公園にしか感じられないというのが正直な感想で、この先なおも四ッ谷までたどる価値があるんだろうか…とふと思ってしまいました。

 曇りがちのこの日は、4時ぐらいになると少し周囲も暗くなってきて、今日のところは下高井戸橋で打ち止めにすることにしました。下高井戸橋から下高井戸駅は目の前の甲州街道を渡ればすぐです。

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 下高井戸駅から電車に乗って帰ってもいいのですが、ここはよく休日に自転車に乗って散髪に来るところ。道は判っているので、疲れてはいますが、いきおいで自宅まで歩き通してしまうことにしちゃいました(笑)。

 考えてみれば、実家のわりと近く(?)の鷹の台駅から世田谷区の自宅までこの二本の足で歩き通してしまったわけで、距離にしてみれば20kmほどとたいしたことはないのですが、まぁ、結構な距離を歩いたものだと半ばあきれつつ自宅に戻ったのでした。。。

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2015.10.05

【玉川上水をたどる…羽村駅~鷹の台駅】

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【歩行日】 2015年10月03日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿 09:09 - 09:56 羽村 (青梅特快)

「歩行」
羽村駅   10:00 - 10:15 羽村取水所園地
羽村取水堰 10:25 - 11:50 水喰土公園
水喰土公園 12:05 - 13:15 一番橋の先のベンチ
一番橋   13:25 - 14:25 玉川上水駅の先のベンチ
玉川上水駅 14:35 - 15:55 鷹の台駅

「鉄道」
鷹の台  15:57 - 16:02 東村山 (西武国分寺線)
東村山  16:05 - 16:38 西武新宿(西武新宿線:急行)

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(スタート地点:羽村取水堰)


 また長期更新無しを放置してしまいました。「もう、オマエ、山のブログやめろよ」と言われても仕方ない当サイトです。今回はなんと半年あまりの無断欠勤。見捨てられて当然ですので、今回も二年半の休眠時と同じく、こっそり更新することにします。

 前回の山行も山とは言えない丘歩きのようなものだった上に、今回は半年超えのブランク…。いきなり山に行けば帰りは足を引き摺って帰るのが目に見えていますし、まだ朝早く起きられない、ということもあり、まずはウォーキングから始めてみることにしました。

 行き先は実家のわりと近くにあったのに、行こう行こうと思いながらもついに歩けなかった「玉川上水のお散歩」。手持ちの東京散歩ガイドブックにも一部が紹介されていますが、どうせ歩くのなら、端から端まで踏破してやろう、ということで、羽村駅からのスタートです。

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(羽村駅もずいぶん立派になった)


 自宅を普段会社に行くぐらいの時間に出て、新宿駅の中央線下りホームに上がったのが9時ジャスト。ちょうどホリデー快速ビューやまなし号が発車しようかというところだったので、飛び乗って立川乗り換えかと思いましたが、よく見ると7分後に青梅特快が出るのがわかり、ホームの売店でお昼のおにぎりを購入して、青梅特快に乗車。羽村には10時前の到着です。

 羽村駅は西口に降りて、西武信用金庫の通りを道なりにずっと下っていくと多摩川にぶつかり、少し右に行ったところの階段を降りれば、そこが玉川上水の出発点=羽村取水堰です。

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ここには江戸時代、玉川上水完成に貢献した玉川兄弟の銅像もあり、付近は公園のようになっていてベンチもあります。また、たまリバー50kmのスタート地点にもなっていますので、間違えて多摩川沿いの方へ行かないよう注意が必要です。多摩川から左に外れていく、ちょっと寂しい感じの歩道が、玉川上水遊歩道です。
 
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 それでも最初は結構道幅があり、羽村導水ポンプ所の施設もかなりの規模。たまリバー50kmとは打って変わって静かな人通りの少ない道となります。上水の水流では水鳥が遊んでいたりして、何とものんびりしたものです。

 新堀橋を過ぎたあたりで右側にちょっとした公園のような小道が延びていたので寄り道してみます。というか本来の遊歩道は日射しが強くて暑いので木陰のある方を選んだという感じ。

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 この公園を歩いていたあたりまでは良かったのですが、その先は、ずっと車道歩き、奥多摩街道はダンプなど交通量が多く、宮本橋から青梅橋までは日射しも強くちょっとゲンナリ。このあたりは上水を離れていくコースも紹介されているので、玉川上水を忠実にたどるのが目的でない場合、少し遠回りですが、名刹コースや多摩川へ寄り道するコースを歩いた方が精神衛生上好いかも知れません。私は意地になって山王橋や五丁橋までたどってみました。

 水喰土(みずくらいど)公園でちょうどお昼ちょっと前という時間になったので、ベンチに腰掛け、新宿駅で買ったおにぎりと家から持ってきたテルモスのお茶でお昼ご飯にします。

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 水喰土公園から拝島駅へ向かう細い遊歩道で、なんとデジカメの電池切れ、予備も放電してしまっていて、ここから先の方がいろいろと面白いものを目にしたり、味のある小径が素敵だったのですが、残念ながらここから先は画像がありません。想像をたくましくして読んでください。
 (しかし、前にもこういうのあったよなぁ…。たまに重い腰を上げて出掛けてみれば電池切れで間の抜けたレポになっちゃって…いいかげん学習しないといけませんね。:笑)

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(正面に青梅線線路高架…この後電池切れ(笑))

 中でも撮影出来ずに残念な思いをしたのが、このすぐ後にあった拝島から横田基地への引き込み線。単線の線路、しかも電化されていない線路を横断します。線路の横断後はずっと遊歩道が続き、車道歩きはありませんが、すぐ隣を車道が走っていたりもするので、静かな小径をのんびりというのとはちょっと違います。

 それでも、西武拝島線(これも単線)を渡ると、遊歩道はほぼこのローカル色豊かな西武拝島線と平行して走っているので、右手はずっとゴルフコースが続いていて興ざめだけれど左手は温泉施設やつけ麺やがあったかと思うと、どかんと だだっ広い畑 が現れたり、たまに思い出したように拝島線の列車がガタゴトと通り過ぎたりで、何とはなしに心も和みます。

 ゴルフコースが終わると右側には砂川用水など小さい頃に耳にした懐かしい地名がちらほら。一番橋を過ぎたあたりにベンチと自販機が見つかったので、水喰土公園から一時間あまり経過していたこともあり、小休止。

 その先の天王橋は五日市街道と59号線の交差点に当たる箇所で、いきなり車の音が大きくなりますが過ぎてしまえば静かなもの。まもなく残堀川と玉川上水の交差地点になりますが、残堀川のほうは水が涸れた状態。数百年を経てもなお水が涸れることなく水流が絶えない玉川上水というのは成る程たいしたものなのですね。

 武蔵砂川駅を過ぎやがて線路から離れた後、国立音大を過ぎれば、玉川上水駅。今ではモノレールまで通って、昔からはとてもじゃないけど考えられないぐらい立派な駅舎になっていて、まだ一度も乗ったことのないモノレールに初乗車して、このまま帰宅してしまうのもいいかな、と一瞬考えましたが、この先に上水に降りられる箇所があるということや、時間もまだ14時半前ということもあり、少し休憩を入れてから鷹の台まで歩くことにしました。

 休憩後、小平監視所のすぐ先で玉川上水の水面に降りられる箇所があります。ここは気のせいか水もひときわ清冽な印象で、水のもつ優しさ、ありがたみを感じる場所です。玉川上水を歩くなら、ここを外す手はないでしょう。是非立ち寄っていくことをお奨めします。 

 水面に降りた後、野火止用水を左手に分け、しっとりした上水沿いの小径を進みます。ちょうど野火止用水と同じく西武拝島線もこのあたりから併走をやめるので、ホントに静かな小径となります。そして雑木林が美しい。まだ鷹の台から先は歩いたことがありませんが、おそらく玉川上水沿道ではここから鷹の台あたりまでがハイライトなのではないかと思います。

 遊歩道沿いには、足湯や、地元の方が自宅を開放してやっているお茶飲み処、そば処などもあり、それがまた変に押しつけがましくなくて、好かったらどうぞ、という感じ。

 そして、小平市による保存がなされた雑木林。。。保存地区なので雑木林には立ち入ることは出来ませんが、私が小さかった頃に遊び回った雑木林は、まさにこういう感じ!という雑木林が今でも残っていて、これには本当にびっくりしました。

 ちょうどその素晴らしい雑木林のあたりを半時間も南下すればつい最近人手に渡してしまった実家のある場所で、つくづく、私は佳いところで少年時代を送ったのだな、と思いましたし、山を歩いていて雑木の森で心が安らぐのは、なるほどそういう少年時代があったからこそなんだと、再認識しました。

 小平西高、朝鮮大学校、創価学園が並ぶこのあたり、ちょうど、土曜の部活帰りだったのでしょうか、学生たちの姿が目に付くようになって、静かだった玉川上水が束の間の賑わいを見せたなぁ、と思っていると、西武国分寺線のこれまた単線の踏切が見えてきました。

 小平市立中央公園でトイレを済ませてから、鷹の台に向かうと、これまた綺麗で立派な駅舎にびっくり。恋ヶ窪にしろ、鷹の台にしろ、国分寺線の昔の木造の駅舎を知っているものにとっては、本当に隔世の感があります。
 ホームに上がるや東村山行きの電車が滑り込んできたので、素直に乗り込んで、東村山乗り換えで帰途についたのでした。
 

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