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2013.11.16

【追悼 ルチア・ポップおばちゃん】

Lucia_popp_icon


 この人が亡くなってちょうど20年になります。20年前、彼女は今の私と大して違わない年齢でした。とは言え、20年前どころか10年前でさえ、私は彼女の存在すら知らなかったのですから、追悼だの何だの言える立場ではないのですけど…。

 ルチア・ポップ。本名ルチア・ポッポーヴァ。スロヴァキア生まれのオペラ歌手。この人に出会わなかったら、私はここまでオペラにはまりこむことはなかったと断言できます。それほど、私にとって大切な人なんです。

 最初に彼女の姿を眼にしたのは、クライバー指揮の『ばらの騎士』DVD。その時は、結構好みだけれど…ぐらいでした。でも次に彼女をDVD『フィガロの結婚』で目にした時、私はもうそれこそ悩殺されてしまったんです。

 この映像がそれなんですけど、彼女が40歳の時のもの。なんてかわいらしい!と一目で魅了されてしまったのです。彼女、若い時の方が客観的に見て美人なんでしょうけど、私は今でも(これからもずっと)この当時の、少しおデブな”おばちゃん”になっちゃったあたりの彼女が一番好きです。

 ルチア・ポップというと、デビューが『魔笛』の夜の女王。。あらゆるオペラの中で一番高い音(ハイCの上のハイFまで出す必要がある)を出すあのアリアがまず思い浮かびますね。クレンペラーのアルバムでそのアリアを聴くと、あの高音を軽々と歌ってしまっているように聞こえます。他の歌手のほとんどが「土俵際でかろうじてはたき込み」という感じで、いっぱいいっぱいに聞こえるところを、ポップ関は「土俵ほぼ中央ですくい投げ」という感じです。

 でも、彼女のスゴイところって、実は低音部なんじゃないか、と私は思っているんです。とあるネットの「Lucia Poppのbiography」によれば、最初はメゾソプラノでスタートしたのが、レッスンであっという間に高音域を獲得してしまい、夜の女王のアリアを歌いこなすまでになったとのことで、実際その「夜の女王」のアリアで、高いところから一気に低いところまで降りてきても、まったく声量にムラがないあたり、実にダイナミックレンジの広い音域を持っていることがわかります。

 亡くなる数ヶ月前に録音された、アーノンクール指揮による『皇帝ティートの慈悲』でも声の力強さはまさに強靱で、まもなく死んでしまうとは、その声を聞く限りとても想像できません。


 ルチア・ポップおばちゃん、ルックスももちろん大好きですけど、やっぱりあの独特の声。あれが絶対的な魅力です。ポップの歌声を聞かない日ってここ数年ほとんどない。毎日のように聞いても全然飽きないどころか、ますますその魅力に嵌っていく。。。あの声はなんというか、上質な絹のように艶やかで、それでいて降り注ぐ五月の陽光のように明るく暖かい。今後決して二度とこの世に現れない、そんな美声であると思います。

 とりわけヘンデル・オペラのアリアでそのことを強く感じます。ポップというと、リヒャルト・シュトラウス、モーツァルトというイメージが強いですけど、彼女が本当に好きだったのは実はヘンデルなんじゃないかと、最近彼女の歌声を聞き込んでそう思うようになりました。
 
 それにしても、彼女、最初は女優志望だったそうです。彼女が出ていた舞台『町人貴族』をたまたま観に来ていた声楽家のアンナ・フルソフスカ・プロセンコーヴァが、彼女の劇中の歌いっぷりにピンと来て、それで、すぐさま声楽指導を自ら申し出たという話です。それがきっかけで、声楽学校に通いレッスンを始めるようになり、そこから才能を開花させた…というわけで、もしこのアンナさんがその日そのお芝居を観に行かなかったら、私は、いえ、世界中のオペラファンは、この天才ソプラノの歌声を耳にすることはなかった!というわけで、運命とは本当に不可思議なものです。


 今年は彼女が天国に行ってしまってからちょうど二十年ということで、どこかのテレビで彼女に関する番組を放映したりとか、追悼記念のCDやDVDとか出たりしないのかなぁ…などと少し期待していたのですが、どうやらそういうたぐいのことは一切無いみたいですね。
 
 NHKには彼女のあまり多くはない録画がいくつかあるはずだから、かなり期待していたんですけど。。。
『アラベラ』とか、せめて商品にして売り出したりすれば、そこそこ売れると思うんですが…やっぱり国営企業じゃ、そこらへん無理なんですかね~。

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コメント

今日は,私も彼女にオペラへの憧れをかきたてられた一人です。レコードで後宮からの誘拐のブロンドヒェン!! すりきれるほど聞きました。
幸運にも40才代のいろんな役の彼女の舞台を見ることができました。本当に素敵な歌手でした。
その思い出が生々しくて、CDをかけるのがつらくて、、、今日久しぶりに彼女の声を聴き、サーフィンしてこのブログの記事に出会い、いまでも彼女の声に惹かれる方がいて、なんだか投稿してみたくなりました。

投稿: 信一 | 2014.11.11 20:50

信一さん、こんばんは。コメントいただきまして大変嬉しく思っております。

信一さんは、実際に彼女の舞台をご覧になり、その肉声をお聞きになったのですね。

 私は、何が悲しいかって、彼女の歌声を生で聞くことは決して出来ないということがとても残念なんです。オペラの魅力はマイクを通さない歌声の力強さと美しさだと思うのですが、彼女の歌声を生で聞かれた体験をお持ちの信一さんがただただうらやましい。。。

 CDやDVD,YouTubeでしか彼女の歌声を聞いたことがない私ですが、おそらく生で聞いたらとんでもなく素晴らしい歌声なのだとこれははっきり確信しています。

 この記事、結構検索サイトから来てくださる方が多いものの、記事を書いてから一年ほど経過しても書き込みがなく、少々寂しい思いをしておりました。ですから、書き込んでいただいただけでも嬉しかったのですが、実際の舞台をご覧になり生で歌声を聞かれた方からの書き込みということで本当に感激しています。ありがとうございました。

投稿: ゴン太 | 2014.11.12 19:54

『アラベラ』,ほんっっとにリリースしてくんないですかね>NHK.『フィガロ』出したんなら,こっちも出さんとあかんでしょ.
あと,プライ,小林一男,サヴァリッシュとやった『カルミナ』もお願いします.

投稿: nsh | 2014.11.27 17:00

 nshさん、コメントどうもありがとうございます。お返事遅れてしまってごめんなさい。

『アラベラ』は、YouTubeで一部その映像を見ることが出来ますが、できれば最初から最後まで通しで観たいですよね。ただで見せるのは惜しいから放映しないということなのだとしたら、販売という形で鑑賞させてもらいたいものです。なんとかならないものでしょうかね~。限定生産で好いから販売を検討してもらいたいものです。

投稿: ゴン太 | 2014.11.30 14:04

初めて投稿させて頂きます。実は私もルチアポップが大好きです。残念なことに彼女が存命だった頃はグンドウラヤノビッツやエデットマティスばかり追いかけていてポップの声はあまり聞いていませんでした。でもYou-Tubeの時代になってその声に、その演技に、その美貌に心を奪われ今では週末になると必ずYou-Tubeの中に新しいポストが無いか探し廻る状態です。そんな折、今年4月にポストされたレナ-ドバ-ンスタインのハイドン天地創造の第3部にイブ役でルチアポップが登場しているのを発見しました。You-Tubeの表題に彼女の名前が出ていないため検索では引っかからないのです。解像度が良くないし途中で切れてしまいますが、ぜひお楽しみ下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=xPT_pOsJWnI

投稿: 達ちゃん | 2014.12.23 20:35

 
 達ちゃんさん、お待たせしちゃって、本当にごめんなさい。

 達ちゃんさんも、彼女の歌声を生で聞かれたのでしょうか。私は当時はロックに狂っていて(笑)、まさか自分がオペラを聴くようになるとは考えてもみませんでした。

 リアルタイムと言うだけでうらやましいです。
 そしてヤノビッツとマティスは私も大好きです。80年頃のソプラノを三人と言われたら、ポップとこの二人の名前を挙げると思います。
 二人ともとても透明感のある声ですよね。で、ルックスで言うと、マティスなんてオペラ歌手にしておくのがもったいないほど…。最初観たとき、ハリウッドの女優さんかと思ってしまいましたよ。

 ポップはマティスほどの美貌ではないですし、ヤノビッツほどの美声ではないかも知れませんけれど、あの演技力と力強い歌声と、表現力、これがやっぱり魅力なんだと思います。

 ポップの歌唱を聴いていると、ときどき、もうこれがあれば何もいらないと思ってしまうほどです。

 YouTubeのご案内どうもありがとうございます。確かに最後ポップが歌っている最中に途切れてしまうのは本当に残念ですけれど、この映像の存在には全く気づいていませんでした。素敵なクリスマスプレゼントをどうもありがとうございます♪

投稿: ゴン太 | 2014.12.29 00:26

ゴン太様、

私もお返事が遅くなり済みませんでした。残念ながら生の声は聞いておりません。ベルリンドイツオペラとかイタリアオペラとか色々来ましたが、学生時代はそれらを聴きに行く余裕などありませんでした。中学の時、東京都の補助でセビリア理髪師を訊きに行った位です。フィガロは立川澄人さんでした。

ポップがあの半開きの目で長いフレ-ズを歌う姿にはうっとり致します。もっと映像を沢山残して欲しかったです。

投稿: 達ちゃん | 2015.01.02 12:35

 達ちゃんさん、再びコメントいただきありがとうございました。

 そう、ポップって、歌うときのあの表情が好いですよね~。なんだか歌っている本人もうっとりしているような気さえします。

 私、あの人の歌い方で、どこが好きかって、全く力まないで、さら~っっと歌っているように見えて、実は声は、天井桟敷までしっかり届いているのがよくわかるほどの力強さを感じるところなんです。

 ときどき、このひと、息を吸いながら歌っているんじゃないの?と思うことがあるぐらいです。

 確かにもっと映像を残して欲しかったですよね。彼女の歌声だけでも十分に魅力的なんですけれど、いくつか映像が残っているだけに、それらを観てしまった中毒患者としては(笑)、あの歌う姿=歌いっぷりをもっともっと観たいと強く思います。

投稿: ゴン太 | 2015.01.04 23:24

ここにも我らがルチアおばちゃんが居ました。全曲を聴きたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=-Mb92PM9ngY

投稿: 達ちゃん | 2015.03.09 00:45

https://www.youtube.com/watch?v=8WBH0AxrTSc

全曲がここにありました。張りのある声を聞かせてくれます。それではまた。

投稿: 達ちゃん | 2015.03.09 19:52

 達ちゃんさん、こんばんは~。

 ああ、これは、私DVDで持っています。83年のサヴァリッシュ指揮の魔笛ですよね。

 私、魔笛のDVDの中で、一番のお奨めがこれなんです。ポップが出ているからというだけじゃなくて、最後のパパゲーノとパパゲーナのシーンがとっても素敵だからなのです。

 あとそうそうたるメンバですよね~。ザラストロにモル、夜の女王にグルベローヴァ、タミーノにアライサ、そして第一の侍女にパメラ・コバーンですから…。

 ポップは夜の女王のイメージが強烈ですけれど、パミーナを歌わせても「やっぱりこの人、抜群にうまいわ~」と感心してしまいました。

 魔笛って、よく、フリーメイスンがどうのとか言われるけれど、そんなこと関係ナシに、子どもから大人までみんなで楽しめるとっても素敵なオペラなんですよね。このDVD、何回も見ましたけど、いつも見終わったあと幸せな気分になるんです♪

投稿: ゴン太 | 2015.03.10 22:25

ゴン太様、

DVDをお持ちだったんですね。

サヴァリッシュはなつかしいです。グルベローヴァはかなり昔NHKホ-ルでオペラガラコンサ-トをやった時に聞きに行きました。コロラトウ-ラが印象的でした。

魔笛は子供の頃ベルリンドイツオペラが来日した時に白黒
テレビで見たのが最初です。ザラストロの太い声を覚えて
います。3年前出張でドレスデンへ行った時にも聞きました。やはり人気があるようでゼンパ-オ-パ-はほぼ満席でした。ただ現代的なイメ-ジで舞台はあまり面白くなく音楽中心に楽しみました。

投稿: | 2015.03.13 23:39

 わぁ、ドレスデンで生の舞台なんてすごくうらやましいお話です。

 昨今のドイツオペラは、オーソドックスな演出のほうが稀ですよね。演出家の自己満足みたいな舞台が多いのはちょっと残念な風潮だと感じます。 
 ルチアおばちゃんは、そういう意味ではホントに好い時代に舞台に立っていたと思います。

 私は生の舞台は新国の天井桟敷ばかりです。あそこって、下よりも天井桟敷の方が音が好いのと本当にお安いお値段で楽しめるので、結構気に入っています。現代的な舞台もありますが、無茶な読み替えとかは少ないので、安心して観ていられます。

投稿: ゴン太 | 2015.03.18 22:20

ゴン太さんは山へ良く行かれるようですが私も鉄道マニアの関係で山へ行き大変な思いをした事があります。富山県の立山から山奥まで砂防軌道というトロッコ鉄道があり撮影のため麓から入ろうとすると立ち入り禁止なので逆に山の上から下ることにしました。山に慣れた友人に同行してもらい室堂から尾根を縦走したはいいが、あまりの登り降りの繰り返しにくたびれ果て、それでも降下予定地点のザラ峠というところまで来ました。しかしトロッコの終点につながる道は当の昔に廃道になり恐ろしいような急な斜面があるだけです。今日は五色が原まで登って山小屋で様子を聞き明日下りましょう、という友人の声を聞いた私は、もう登るのはいやだ、ここを下る、と言い出して草木につかまりながらすり鉢のような斜面を下り始めました。ザラ峠というだけあってガレ場となっており足元はガラガラと崩れます。途中からは草木もなくなり走り出したら止まらなくなりました。走る自分と一緒に周りの岩石も落ち始め人が落ちるのが早いか岩が落ちるのが早いか、という状態で一気に常願寺川の源流へたどり着きました。この間30分くらいだったでしょうか。そこからはいわゆる沢下りですが下っても下ってもなかなか距離が稼げず暗くなってきたので途中でテントを張って寝ました。翌日も沢下りが続きましたがピョンと飛び移った岩がグラッと来たので、すぐ別の岩に片足を預けたら、この岩もグラッというわけでもんどりうって川に落ちてしまいました。川は浅かったのですが空中で足を2つの岩に挟まれ、かなりケガをしてしまいました。骨は折れませんでしたが、とにかく痛いのには参りました。それでも昼ごろにはトロッコの終点にたどりつき撮影が出来ました。そこからは線路沿いに歩きやっと立山に戻ってきました。もうあんなこわいところへは一生行かないと思います。15年くらい前の話です。お粗末でした。

投稿: 達ちゃん | 2015.03.29 01:12

 達ちゃんさん、コメントどうもありがとうございます。

 ちょっと最近また山から足が遠のいていますので、「よく山へ行く」かどうかは別として(笑)、私の場合、山と言っても、近郊の低山ばかりで、北アルプスなど本当に数えるほどしか行っていないのです。達ちゃんさんが怖い思いをしたというあたりは、山好きでなくとも結構行ったことあるよと言う人が多いのですが、私は実はまだ行ったことないんです。

 ただ、私の場合、最初から一人歩きだったため、計画は念入りにしていましたので、山で大きな怪我をすることもありませんでした。

 それでも、最初の頃は道間違いをしそうになったり、脚力不足で、足を引き摺って帰ることがよくありました。今でもよく思い起こしますが、山を始めた最初の夏、猛暑の中、奥多摩の鷹ノ巣山という山に登り、ブヨに刺されながら、最後は膝を痛めてへろへろになって奥多摩の駅に着いたとき、もう二度と山なんか登らない!と心の底から思いました。

 でもその数週間後にはまた山に登り始めて、爾来17年近くなんだかんだと言っては山に通い続けています。。。

 山なんてもうこりごり、と思って本当にやめてしまう人もいれば、私のように、懲りずに歩き続けるアホもいるのです。不思議なものですね。

投稿: ゴン太 | 2015.04.01 20:56

初めまして m(__)m
偶然、こちらに来てしまいました。
ルチアポップは記憶曖昧ですが、、フィガロの公演が日本でありました。確かヘルマンプライがフィガロ、ケルビーノがA・バルツアだったな。ヤノビッツが伯爵夫人、、。
ポップの振る舞いが生き生きして、色気があったりで、サスガ女優を目指した人と思いました。他の出演者は皆大根に見えました (^^)、、ベルリン・ドイツ・オペラの引越し公演だったかな?CDモーツァルトアリア集とレコードはR・シュトラウス 四つの最後の詩を一枚ずつあります。
オバサンだったけど、演技には、色気がありビックリしました。本当にあの歳で亡くなるには早すぎる、、。

投稿: Ogawa | 2015.07.17 14:57

Ogawaさん、はじめまして。
コメントいただきどうもありがとうございます。

お返事大変遅くなってしまってごめんなさい。

その公演ですが、そのメンツですと、1980年の東京文化会館のものですね。NHKが高価な(笑)DVDを出しているので、私も(生ではないですが)何回か観ました。

Ogawaさんはあの舞台を生でご覧になったのでしょうか…うらやましいです。

あの舞台は赤川次郎さんに言わせれば、フィガロはあの1枚だけで他はいらないとまでいうぐらい高い評価を得ているようです。

私もあの東京公演は確かに悪くはないと思うのですが、記事の中のリンクにしてある同年のパリオペラ座の舞台が個人的には一番好きで、その後フィガロはDVDで10本以上は観ましたけれど、いまだあの舞台以上の舞台にお目にかかったことはありません。それぐらい大好きです。

ポップはかわいらしい上に、そう…なんとも言えない独特の色気がありますよね。出そうと思って出しているのではない感じがとても好きです。

あんなに早くなくなってしまって、そのことはホント残念で仕方ないです。今生きていてもおばあちゃんだよ、という人もいますけど、あの人はおばあちゃんになってもきっと今でもかわいらしい人だっただろうな、とそう思います。

投稿: ゴン太 | 2015.07.20 18:33

最近ベストクラシック100というCDをレンタルしました。
ラフマニノフのピアノ協奏曲が目当てだったんですが、
5枚組みCDの中にアリア等が特集されている一枚があり、
その中にドボルザーク「ルサルカ」月に寄せる歌が入っていました。
どれもすばらしいのですが、これを聞いたとたんこの声にすっかり魅了されてしまいました。
技術的なこと、オペラのこと、まったくスタートラインにも経っていませんが、どうも、言葉で表現できないほど感動というかとにかく耳に残って「クセ」になってしまいました。
彼女のことが知りたくて検索してこちらにたどり着きました。
これから彼女が歌ったほかの曲も聴いていきたいと思います。

投稿: にわかおぺら | 2015.10.09 22:32

 にわかおぺらさん、こんばんは。はじめまして。

 せっかくコメント頂いたのに、気づくのが遅れてしまって、ほんとうにごめんなさい。

 ルサルカのアリアでルチア・ポップの歌に感動されるなんて、素晴らしいことではないですか。

 ドヴォルザークはチェコ人、ポップはお隣のスロヴァキア人で、言葉もすごくよく似ていて、ドヴォルザークやヤナーチェクのオペラを歌わせると、この人すごいんですよ。

 映像が残っていないのが本当に残念ですけど、彼女にスラブものを歌わせると、スラヴ魂というか、スラヴの良さを本当に上手に表現する人で、チャイコフスキーのオペラのアリアも録音で聞く限り絶品です。

 この記事の最初の写真はEMI発売の彼女の7枚組のCDのジャケット写真なんですけど、この5枚目がスラヴもののアリアを集めたもので、どれも素晴らしいんですけど、その中の『スペードの女王』のアリアが力強く、それでいて美しく、私は絶賛しています。

 この彼女のアリアを聞き込んでしまうと、他の人が歌うスペードの女王は、本当に情けなく聞こえてしまいます(笑)。

 今はYouTubeでただでいろいろ聞けますし、ぜひ、彼女の歌いっぷりを堪能されてください。そして、他の歌手も聞き比べたりしてみてください。そうすることで、彼女の非凡さに気づかれることと思います。

 こうやって、新たに彼女のファンが増えたのを確認出来て、私としても大変嬉しく思っています。またお気軽に遊びにいらしてください。


投稿: ゴン太 | 2015.10.13 19:33

はじめまして。偶然こちらのサイトを見つけてお邪魔してます。
ルチアポップとの最初の出会いはクライバー指揮の「こうもり」のレコードでした。もう35年以上前かな。ライナーノーツのポップの写真に一目惚れ。(笑)あの何ともいえない甘い声にも魅了されました。
1987年3月に大学卒業時にヨーロッパを一人旅したのですが、ウィーン国立歌劇場で「ばらの騎士」を見たら偶然ポップが元帥夫人役で出てきてビックリ。どうやらポップが初めて元帥夫人で登場したプレミエ公演だったようです。クライバー指揮の「ばらの騎士」でゾフィーを歌うポップよりも先に元帥夫人を歌うポップを見ていたことになります。後にも先にも元帥夫人のポップはその時見た(聴いた)だけです。
その旅では訪問する都市のレコードショップで手に入るポップのレコードはすべて購入してきました。その後CDで再販される度にすべて購入してます。ポップが歌う「ドイツの子供の歌と子守歌」というCDがありますが、これは絶品です。是非お聴きください。癒やされますよ。では失礼します。

投稿: Nanawo | 2015.12.18 02:25

Nanawoさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます。そして、お返事が大変遅くなってしまったことお詫び申し上げます。

 ポップの元帥夫人を生でご覧になったとのこと。本当にうらやましく思います。私は生でポップの歌声を聞いたこともありませんし、ましてやバラの騎士ではゾフィー以外の配役のポップなんて録音でさえ耳にしたことがないわけでして、それを生でそれもウィーン国立劇場でなんて、もうこれは Nanawoさんを妬むしかありません(笑)。

 ポップって、私や Nanawoさんのように、もうメロメロになってしまうほど好きになってしまうか、まぁ、それほどでもないけれど確かに上手いとは思う、という客観派と、嫌いという人たちと、だいたい3種に分かれるようですね。

 ドイツの子供の歌と子守歌、実は持っていないのです。そうですか、そんなに素晴らしいのであれば買うしかないですね。今年は整理の一年と決めていたため、CDとDVDと本は一点たりとも買わないと決めていたのですが、うーむ、来年早々にでも買って聞いてみることにしますか(笑)。

投稿: ゴン太 | 2015.12.20 18:05

初めてお邪魔します。国内・海外で何回かポップの舞台を観たのですが、その時はファンというほどではなかったので、胸ときめかせて「見る」という経験ができなかったのが残念です。「ドイツの子供の歌と子守歌」はお求めになりましたか?ポップ・ファンであれば何を措いても持っていなければ(笑)。

投稿: TG | 2016.01.28 13:38

 TGさん、はじめまして。
お返事大変遅くなってしまってすみません。

 ポップの舞台を実際にご覧になった方からの投稿と聞くと、本当に ただただうらやましい と思ってしまいます。 あの声を電子機器をまったく通さずに聞くという体験は、今となってはもういくらお金を積んでも出来ないことですし、その体験を記憶されているということは素晴らしい心の財産をお持ちになっているということですね。

 ドイツの子供の歌と子守歌、まだなんです。今、身の回りにあふれかえったものをオークションで処分する毎日を送っているところで、新たにものを買う余裕というものが心にもフトコロにもないのです(笑)。

 でも皆さん、それほどイチオシでお奨めくださるのなら、今年のたった1枚ということで購入してみましょうか。。。

 今はレコード屋さんに行かなくてもネットでポチっとやれば数日で手に出来るのですよね…。昔欲しいレコードを何回もレコード屋さんで手にして、ため息をついて棚に戻し、を繰り返して、やっと買っていたのを思い出すと、なんだかモノを買う楽しみも少なくなってきてしまったような気がしています。

投稿: ゴン太 | 2016.01.31 11:38

>ポップの舞台を実際にご覧になった方からの投稿と聞くと、本当にただただうらやましいと思ってしまいます。

ゴン太さんの切ない?心に「とどめ」を刺して差し上げましょうか(笑)。新婚旅行でミュンヘンに寄った時にポップの「アラベラ」を観たのです。もっともその翌日は、ヒロインが切り裂きジャックに虐殺されるというベルク作曲の「ルル」でしたが(爆笑or苦笑)。

投稿: TG | 2016.02.12 14:21

 新婚旅行でご覧になたのですか…。それじゃあ、ポップよりも他の女性に心が行ってしまいっぱなしだったのも無理はないですね(笑)。

 そうそう、TGさんにお返しのコメントをしたあと、思い立って「ドイツの子供の歌と子守歌」を購入したんです。ただ、ネットでポチッとやったのではなく、中古レコード屋さんに行ったんです。

 で、なんなく見つかりました。税込みで700円ちょっと。久しぶりにターンテーブルに載せて音楽を楽しみましたが、考えてみれば、ポップの歌声をレコードプレーヤーで聴いたのは初めてのことでした。

 彼女が活躍していた頃って、まだレコードの方が優勢だった時期ですよね。少しだけ、デジタルでない分だけ、彼女の肉声に近づけたような錯覚(笑)におちいりました。

投稿: ゴン太 | 2016.02.13 10:57

poppの声を直接お聞きになられた方、本当に羨ましく思います。つい近年ある地方合唱団に紛れ込んで、電子装置を介さず生のおばさんの声を耳にして、本当にびっくりしました。人の声がこんなに美しいものかと。私がポップに魅かれたのはまだLP時代、ドイツの子供の歌。彼女の優しい歌い方に魅了されました。彼女の輸入LPを買いあさりました。そして彼女はどんな顔をして歌うのだろうかと想像しました。
私が大きな手術後の静養中に突然ポップの訃報記事を見つけて、唖然としました。最後の四つの歌の映像は本当に辛い。彼女の目に一杯たまった涙を、ゴクンと飲み込むシーンが。彼女の墓掃除させてほしいです。

投稿: purisukira | 2017.06.03 10:08

 purisukiraさん、こんにちは。コメントどうもありがとうございます。

 LPの時代にポップに出会われたとのこと。私はその当時はロックばかり聴いていて、自分がクラシック音楽を聴くようになるとは夢にも思っておりませんでした。

 ただ、私、未だにターンテーブルと、phono端子付のアンプを持っておりまして、「ドイツの子供の歌と子守歌」はLPで買って聞いてみましたし、それがきっかけとなって古いレコードを引っ越ししたこちらでもよく聞くようになりました。

 ある音楽評論家が言っていたことなのですが、CDの場合、無音の部分はおそらくゼロの羅列になっていると思うのだけれど、実際の演奏では完全な無音というのはあり得ず、その部分で不自然さを感じてしまう…レコードでは完全な無音ではないから、その分リアルなのだ、といった意味のことが雑誌に書かれていました。

 彼の言うにはレコードの音というのは手を伸ばせば触れられるような感じがあるがCDにはそれがない、と。

 ポップの場合は、それがデジタルになっても、「手を伸ばせば触れられそう」なリアリティがあったりするのが不思議なのですが、やはりどこか壁1枚隔てたところで歌っているようなもどかしさもまた感じてしまいます。

 purisukiraさんのおっしゃる通り、生で直接彼女の声を聞いた経験のある人が本当にうらやましいです。

投稿: ゴン太 | 2017.06.04 16:18

初めまして、ポップのnewリリース検索中このページを発見しました。

僕もポップの大ファンで、あの突然の死は未だ残念でなりません、今でも未発売の録音が出ないかチェックしている次第です。僕とポップとの出会いはNHKテレビでのフィガロの結婚(ベーム指揮)ひとめぼれでした(笑)。それ以来、東京の公演は殆ど行ったと思います、N響定期'4つの最後の歌'から始まりました。

深く心に残ったのは演奏は。

N響定期'4つの最後の歌' 涙が止まらなくまともに聞けず次の日も当日券で。

N響 'カルミナ・ブラーナ’ ポップは当然ながらプライが凄かった。

サントリーホールこけら落とし公演 '第九' 舞台上でのポップの仕草が印象的でした。

サントリーホールでの 'リサイタル’最高の歌曲、リートでした。始まる前緊張したお客さんに対し'リラックス’と一言。

それともう一つ!'アラベッラ'。
'4つの最後の歌'と共に'アラベッラ'は僕の中での感動の次元が違いました。一幕から涙ボロボロ会場の熱狂も凄かった、三幕のコップが割れなかったのが唯一残念だったかな。

  'ポップとの遭遇'

愛知芸術文化センターこけら落とし公演 '影の無い女’での出来事。なんと!僕の斜め前、手が届く所にポップが座っているではないですか! もちろんもらう物はもらいました。

実は今回も'アラベッラ'のDVDが発売されていないかの検索最中でした。

 上記の'山とバス’が気になり山のページへ、なんと登山が趣味とか。僕も登山が趣味で一時期 奥多摩や中央線沿線へ毎週の様に行ってました、今でもよく行きます。どこかですれ違っているかもしれませんね!
 

 

投稿: k3808 | 2018.04.01 14:38

k3808さん、はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

 またまた、ルチア・ポップの歌声を生でお聞きになった方からのコメントで、うらやましいなぁ~と読み進むうちに、すぐ近くに座っている彼女に気づき、サイン(でよろしいのでしょうか)までもらってしまうなんて、聞いただけで気絶してしまいそうなお話です(笑)。

 山にも通っていらっしゃるとのこと、もしも、どこかの山でお目にかかれたりしようものなら、根掘り葉掘りいろいろ伺いますので、その節はよろしくお願いいたします(笑)。

 お話聞いただけで、本当に彼女の歌声に魅せられ続け、リアルタイムで聞いておられた方だということがよくわかりますので、コメント頂けて、とても喜んでおります。

 アラベラの映像は、是非販売して欲しいものです。あれは、YouTubeとかではなく、DVDやBDで最初から最後まで、ゆっくり腰を据えて観たいものですからね♪

投稿: ゴン太 | 2018.04.01 17:36

ゴン太さん、はじめまして!モーツァルトの大ファンです。
「夜の女王のアリア」ならルチアポップお奨めとあったので早速聴きました。それまではクラシックやオペラ歌手の知識が殆どなくマリアカラスやアンジェラゲオルギユーしか知りませんでした。ゴン太さんのお陰で今ではルチアポップの歌のみに集中してYouTubeで聴いています。とてもお顔が可愛いくて性格も親しみやすく著名な指揮者に愛されていたとか。胸を強調する衣装を纏っていらっしゃらない点もすごく気に入っていますが、歌にも透明感はもちろん滋味にあふれた温かさをとても感じて大好きな方です!ゴン太さん教えてくださりありがとうございます😊

投稿: ララみん | 2021.08.22 10:47

 
 ララみんさん、はじめまして。コメントどうもありがとうございます。承認制にしているため、コメント投稿に大変お手数かけてしまい申し訳ありませんでした。

 モーツァルト、正直に告白しますと、わたし、オペラにふれるまで、何処がいいのかわからなかったのです。ところがオペラに目覚めてからは、オペラのダントツで好きな作曲家がモーツァルトになってしまいました。実を言うとヴェルディとかバリバリのイタリアオペラはあまり好きではなかったりします。

 ですので、私自身オペラに精通しているとはとても言えないのですが、それでもやはりルチア・ポップという人は天才的なオペラ歌手だと、この記事を書いてから8年経った今も強く感じます。

 今も通勤電車の中で聞くのは彼女の声がほとんどという状態で、どうしていつまで経っても飽きが来ないのか…と自分でも不思議に思いながら毎日耳にしています。

 そう、ララみんさんのおっしゃるように、彼女の声は透明度がありながらとても暖かい感じを受けますよね。持って生まれた声の質もあるかと思いますが、やはり表現力・歌唱力があるので、そう感じるのだと思います。

 彼女は生前「自分が歌っているのを聞く観衆がどういう風に感じるか、何を思うか、を考えながら歌っている」といった意味のことを言っていたそうです。天性のものもありますが、彼女なりにモーツァルトはじめ作曲家の音楽をどう伝えていくかをいつも意識しながら歌っていた、そのことが、聞いている私たちに伝わって、深い満足感や、音楽のすばらしさを感じるのではないかと思っています。

投稿: ゴン太 | 2021.08.22 22:53

ゴン太さん、こんばんは!ゴン太さんのおっしゃるようにルチア・ポップさんはまさに天才ですね。この方の歌に魅力されモーツァルトがなおさら好きになりました。こんなワタシでも優雅な気分に浸ることができてモーツァルトやルチアさんにとても感謝してます。実はルチアさん歌うグリーグのソルヴェイグの歌にも涙が出るほど感動しているのですが何とたまたま夫が購入していたクラシック全集の中にあったのでビックリ心身ともに震えました。解説書に他のオペラ歌手の顔写真が大きく載っていてもルチアさんのはありません。当時はじめてこの歌を聴いたとき感動のあまり心が震えルチアさんの名前に赤のマジックで印を付けていたにも拘らずすっかりルチアさんを忘れていました。ホントに情け無いお話ですみません。ゴン太さんのように毎日モーツァルトとルチア・ポップさんが頭から離れない生活を静かに送れたらいいなぁと心から望んでいます。ゴン太さんそれではおやすみなさい〜😊

投稿: ララみん | 2021.08.25 21:33

 ララみんさん、再びのコメントいただきましてどうもありがとうございます。お返事が大変遅くなってしまいまして申し訳ありませんでした。

 そうでしたか。たぶん、彼女の歌声がどこかに残っていて、それが今回呼び覚まされたような形で甦って、本格的に魅了されてしまったのですね。

 彼女の歌唱は、他の歌手の声をある程度聴いてから、その良さがわかってくるのかもしれません。私も最初から、この人天才かもと感じたのではなく、聞けば聞くほど、という形で魅了されてしまったのだと思います。

 モーツァルトにいたっては、14歳とかで作ったオペラもあって、どうしてこんな素敵な曲が作れるのかと、それはもう天才というか化け物に近い(笑)才能ですよね。

 クラシックという先人が残してくれた芸術を手軽に楽しめる私たちは本当に幸せだと感じます。それもこれも、クラシックを現代に伝え続けてくれる歌手や演奏家がいてこそですから、現役の歌手も含め、再現してくれる人たちには本当に感謝してもし足りないですね。

投稿: ゴン太 | 2021.08.29 13:54

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