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2013.11.24

【再訪、鋸尾根…大寺山から】 山バス情報127

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(鋸尾根下部にて)

【山行日】 2013年11月23日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅  - 06:25 吉祥寺 (京王線)
吉祥寺 06:27 - 06:39 国分寺 (JR中央線)
国分寺 06:41 - 07:04 高尾  (中央特快)
高尾  07:11 - 07:45 猿橋  (中央線)

「バス」
猿橋駅前 08:28 - 08:57 小寺 (富士急バス 560円)

「歩行」
佐野峠入口 09:05 - 10:20 西原峠
西原峠   10:35 - 11:25 大寺山
大寺山   11:40 - 12:05 三ツ森北峰
三ツ森北峰 12:35 - 14:15 杉平入口

「バス」
杉平入口 14:33 - 14:58 猿橋駅入口 (富士急バス)

「鉄道」
猿橋  15:25 - 中央線某駅 (中央線快速東京行き)

【地形図】 「七保」

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     (左 ちちぶ 小すげ 右 さひはら)


今年のGWに行って、その美林に感激した鋸尾根。紅葉の季節も終盤ということで、再訪してみることにしました。

 今回は、当ブログ開設当時に訪れた小寺から西原峠へ上がり、まだ歩いたことのない西原峠~小寺山~大寺山~三ツ森北峰の稜線を辿って、鋸尾根を下るというコースです。

 給料日前ということで、電車賃を節約すべく、高尾まで京王線のダイヤを調べて家を出たのですが、人身事故で府中から先が不通との情報。仕方なく井の頭線で吉祥寺に出てJR中央線に切り替えます。と、この中央線が国分寺で中央特快に接続してくれたので、ついつい中央特快に乗り換えてしまったため、猿橋にはバス発車時刻の40分以上前に到着してしまいました(笑)。

 まだ、それほど寒さも厳しくないので、サンドイッチで腹ごしらえをしたり、柔軟で身体をほぐしたり、陽の当たるところに出たりといろいろやって時間潰し。この日は大月営業所のバスらしく(笑)、浅川行き上和田行きともに ほんの数人 を乗せての発車です。

 小寺のアナウンスで降車ボタンを押しても、小寺バス停の先の「佐野峠入口」で停車するのは8年前と同じで、小寺のバス停写真は今回も撮れずじまい。いっそのこと佐野峠入口というバス停を作った方がいい気がしますけど(笑)、降車の際、運転手さんから大月営業所のバス時刻表一覧を戴きました。

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 佐野峠入口からの道のりは覚えているようで、結構あやふやでした。犬に吠えられて、ああ、そうだそうだと思い出しながら民家の左手に回れたところまでは記憶と一致してましたが、その先、地形図「七保」では、すぐに尾根に取り付く感じなのが、ずっと右手にトラバースしてなかなか切り返さないので、道を間違えたかと(尾根に取り付き損なったかと)不安になってしまったりで、記憶というものは結構曖昧です。

 それでもようやく切り返して尾根に乗れると、雑木主体の好ましい径。紅葉はそれほど素晴らしいというわけではないけれど、落ち着いた峠道で、800mあたりまでの急傾斜の間は尾根の直登ではなく、ほどよい傾斜を保ったジグ切りをしてくれたりしていますから、とても歩き易い径です。

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(歩きやすい峠道、紅葉もなかなか)

 峠の手前、左手が伐採されていて、伐採地に入り込まないように(鹿除けも兼ねて?)ネットが張られています。ネット越しに大峰あたりまでは好く見えますが、富士山が見えるわけではなく、伐採は展望のためではないようです。霜柱をザクザクいわせながら左手にトラバースするようになると西原峠です。テルモスのお茶でティータイム。

 休憩後、小寺山を目指します。しかし!ここでよく確かめもせず、安易に八年前の奈良倉山の時と同じように、尾根の左手(北側)の幅広い林道(作業道)を行けばいいのだろうと歩いていくと…むむ?しばらく行ったところからヤブがどんどんひどくなっていきます。それでも人が歩けるぐらいの踏み跡が続いているので、ぐんぐん進んでいくと、もうこれはどう考えても「いつまで経っても尾根に上がることはない、それにこの藪は余りにひどすぎる。上の方がずっと歩きやすいはず」と判断。小尾根の張り出しが見つかったので、地形図と照合。小寺山の北北東に延びる支尾根らしいと強引に取り付き、藪をかき分け尾根を詰めると、どうやら小寺山らしいところに出ました。

 稜線は藪もなくスッキリした落ち葉降り積もる素敵な尾根道…。西原峠で最初から尾根に取り付くべきでした。

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(小寺山付近? 稜線は美しい落ち葉径)

 稜線をのんびり歩いていくと、左手から幅広の作業道が合流。先ほど辿ったところと繋がっているのでしょうか…、しかし、もうここは無視して尾根伝いに登っていきます。尾根を詰め、左からどっしりした尾名手尾根が合わさるところが大寺山。マイナーな山に行くとよく見かける独特の青い文字の標識があります。

 大寺山でもちょうど峠から一時間ほど経過していたのでお茶にします。尾名手尾根が結構きれいに色づいていて、かなり惹かれますが、今日は予定通り三ツ森北峰を目指します。

 三ツ森北峰は、すぐそこに見えるのですが、結構アップダウンがあって、最後はかなりの急登となるので、見た目より時間がかかります。結局大寺山から30分近くかかってしまいました。

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 鏡のある三ツ森北峰。ここの展望は本当に素晴らしいですね。ことに今日は雲ひとつない無風の快晴。目の前にクッキリの富士山を見ながらお昼ごはんにします。前回ここに来た時も思ったのですが、ここからこうして見ると、雁ヶ腹摺山からうねうねと伸びる楢ノ木尾根をタクシー奮発してでも歩いてみたいものだと強く思ってしまいます。

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(富士山の眺めも好いけど、こっちの稜線に強く惹かれる)

 今日は本当に好いお天気なので、このまま下山してしまうのは非常にもったいないのですが、早めに下山しないといけない事情もあるし、陽差しが強いうちに鋸尾根の美林の紅葉を楽しみたいということもあって、12時半過ぎに下山開始です。

 で、鋸尾根の紅葉ですけど…。紅葉というより黄葉ですね。ずっと雑木が続く美林なのですが、季節がもう遅いことや気温が原因か、樹林の種類が思ったほど豊富でないことが原因か、よくわからないのですが、色鮮やかな錦繍というのとは違いました。赤がほとんどないか、あっても色が鮮やかではないためでしょう…。紅葉はやっぱり赤がないと…という方はちょっと満足できないかもしれません。

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(きれいなこがねいろ)

 それでも、やっぱり、800mあたりから結構きれいに色づいた感じになってきましたし、この落ち葉ガサゴソだけでもかなり気分いい径だな~という感じで、楽しみながら下って行きました。ところで、前回もそうでしたけど、写真を撮りながらの下山とはいえ、今回も鋸尾根下山は一時間半のコースタイムを大幅に超えてしまいました。ここ、みなさん一時間半で下れるのですかね…。確かに私、下りは時間かかる方ですけど、最後は割と飛ばして歩いたつもりだし、ちょっとエアリアのこのコースタイムはきつめな気がします。

 降り立った小姓の集落では、干し柿を干していたり、収穫したばかりの白菜を積み上げていたりで、上和田もそうですけど、このあたりの秋の風景はとても佳いですね。また来秋も…と思いながら猿橋行きのバスを待ちました。

 最後に、杉平入口バス停で見付けた「運休情報」。 ↓こんな貼り紙がしてありました…。

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(クリック拡大可)

 …といっても、ほとんどが、下りの最終便が11月1日より運休になったということで、私たち登山者にはあまり影響はないですかね。。。強いて言えば、朝日小沢18:48と日影18:11ですが、これは平日便で土曜や休日はもともと走っていないものですね。

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2013.11.16

【追悼 ルチア・ポップおばちゃん】

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 この人が亡くなってちょうど20年になります。20年前、彼女は今の私と大して違わない年齢でした。とは言え、20年前どころか10年前でさえ、私は彼女の存在すら知らなかったのですから、追悼だの何だの言える立場ではないのですけど…。

 ルチア・ポップ。本名ルチア・ポッポーヴァ。スロヴァキア生まれのオペラ歌手。この人に出会わなかったら、私はここまでオペラにはまりこむことはなかったと断言できます。それほど、私にとって大切な人なんです。

 最初に彼女の姿を眼にしたのは、クライバー指揮の『ばらの騎士』DVD。その時は、結構好みだけれど…ぐらいでした。でも次に彼女をDVD『フィガロの結婚』で目にした時、私はもうそれこそ悩殺されてしまったんです。

 この映像がそれなんですけど、彼女が40歳の時のもの。なんてかわいらしい!と一目で魅了されてしまったのです。彼女、若い時の方が客観的に見て美人なんでしょうけど、私は今でも(これからもずっと)この当時の、少しおデブな”おばちゃん”になっちゃったあたりの彼女が一番好きです。

 ルチア・ポップというと、デビューが『魔笛』の夜の女王。。あらゆるオペラの中で一番高い音(ハイCの上のハイFまで出す必要がある)を出すあのアリアがまず思い浮かびますね。クレンペラーのアルバムでそのアリアを聴くと、あの高音を軽々と歌ってしまっているように聞こえます。他の歌手のほとんどが「土俵際でかろうじてはたき込み」という感じで、いっぱいいっぱいに聞こえるところを、ポップ関は「土俵ほぼ中央ですくい投げ」という感じです。

 でも、彼女のスゴイところって、実は低音部なんじゃないか、と私は思っているんです。とあるネットの「Lucia Poppのbiography」によれば、最初はメゾソプラノでスタートしたのが、レッスンであっという間に高音域を獲得してしまい、夜の女王のアリアを歌いこなすまでになったとのことで、実際その「夜の女王」のアリアで、高いところから一気に低いところまで降りてきても、まったく声量にムラがないあたり、実にダイナミックレンジの広い音域を持っていることがわかります。

 亡くなる数ヶ月前に録音された、アーノンクール指揮による『皇帝ティートの慈悲』でも声の力強さはまさに強靱で、まもなく死んでしまうとは、その声を聞く限りとても想像できません。


 ルチア・ポップおばちゃん、ルックスももちろん大好きですけど、やっぱりあの独特の声。あれが絶対的な魅力です。ポップの歌声を聞かない日ってここ数年ほとんどない。毎日のように聞いても全然飽きないどころか、ますますその魅力に嵌っていく。。。あの声はなんというか、上質な絹のように艶やかで、それでいて降り注ぐ五月の陽光のように明るく暖かい。今後決して二度とこの世に現れない、そんな美声であると思います。

 とりわけヘンデル・オペラのアリアでそのことを強く感じます。ポップというと、リヒャルト・シュトラウス、モーツァルトというイメージが強いですけど、彼女が本当に好きだったのは実はヘンデルなんじゃないかと、最近彼女の歌声を聞き込んでそう思うようになりました。
 
 それにしても、彼女、最初は女優志望だったそうです。彼女が出ていた舞台『町人貴族』をたまたま観に来ていた声楽家のアンナ・フルソフスカ・プロセンコーヴァが、彼女の劇中の歌いっぷりにピンと来て、それで、すぐさま声楽指導を自ら申し出たという話です。それがきっかけで、声楽学校に通いレッスンを始めるようになり、そこから才能を開花させた…というわけで、もしこのアンナさんがその日そのお芝居を観に行かなかったら、私は、いえ、世界中のオペラファンは、この天才ソプラノの歌声を耳にすることはなかった!というわけで、運命とは本当に不可思議なものです。


 今年は彼女が天国に行ってしまってからちょうど二十年ということで、どこかのテレビで彼女に関する番組を放映したりとか、追悼記念のCDやDVDとか出たりしないのかなぁ…などと少し期待していたのですが、どうやらそういうたぐいのことは一切無いみたいですね。
 
 NHKには彼女のあまり多くはない録画がいくつかあるはずだから、かなり期待していたんですけど。。。
『アラベラ』とか、せめて商品にして売り出したりすれば、そこそこ売れると思うんですが…やっぱり国営企業じゃ、そこらへん無理なんですかね~。

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2013.11.10

【四年ぶりに笹一…鶴ヶ鳥屋山北東尾根】 山バス情報126

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(鶴ヶ鳥屋山北東尾根上部にて)

【山行日】 2013年11月9日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 05:30 登戸  (小田急線)
登戸  05:34 - 06:01 立川  (JR南武線)
立川  06:04 - 06:15 八王子 (JR中央線)
八王子 06:35 - 07:33 笹子  (JR中央線)

「バス」
笹子駅前 07:51 - 07:58 白野下宿 (富士急バス 250円)

「歩行」
白野下宿  08:00 - 08:20 北東尾根取付
取り付き  08:30 - 09:30 26号27号標柱
送電標柱  09:40 - 10:50 鶴ヶ鳥屋山
鶴ヶ鳥屋山 11:20 - 12:25 角研山
角研山   12:30 - 14:10 笹一

「鉄道」
笹子  15:02 - 15:14 大月 (JR中央線)
大月  15:21 - 16:11 高尾 (JR中央線)
高尾  16:24 - 16:34 北野 (京王線)
北野  16:36 - 京王線某駅  (京王線)

【地形図】  「笹子」

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(鶴ヶ鳥屋山近くにて)

 二年半も山に行っていなかったので、笹一となると四年ぶりです。丸三年訪れていないので、そろそろ新酒フェアの案内ハガキも来なくなるかな、と思っていたのですが、今年もハガキが来ていたので、土曜日は笹子へ降りるコースをひねり出す必要がありました。

 新酒フェアの時期は紅葉の時期でもあるので、先週1400m以下が見頃だったこともあって、滝子山や本社ヶ丸のような標高が高い山に頑張って登ることもないだろうと、11年ぶりの鶴ヶ鳥屋に行き先が決定。コースは松浦本『バリエーション・ハイキング』に載っている北東尾根を登路に取ってみました。

 登路の鶴ヶ鳥屋山北東尾根は、道標だけでなく標識も一切無しの尾根歩きで一般登山道とは違います。登りでも地形図とコンパスは必携で、特に下りに使うとかなり難易度が高くなります。

 初狩駅前を07:27に出る新田行きバスは、土休日運休。次の08:47発では少し遅いかも、と考え、笹子駅前を07:51に出発する新田からの大月行きバスを待つため、三週連続で06:35発の八王子始発松本行き電車に乗り込み、笹子駅で下車。ゆっくりトイレを済ませて、バス停で柔軟をしながらバスをのんびり待ちます。滝子山に行くと思われる人たちがバスの時刻を覗きに来ますが、皆歩いてもたいして変わりないじゃん、という感じで歩いていきます。

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(笹子駅前バス停時刻表…クリック拡大可)

 バスは富士急にしては珍しく時間ぴったりに来ましたので、次の07:56着の電車では、やはりこのバスには間に合わないということのようです。バスは当然のように私一人の貸切。運転手さんは吉久保に近づくと案の定「こちらでお降りではないですか?」と尋ねてきたので、もう少し先の白野下宿で降ろしてくれるように頼みます。

 バス停から尾根取り付きまでの詳細は、松浦本通りですので、ここでは省略します。松浦本の案内がないと、取り付くのは非常に難しいでしょう。尾根に乗ると、松浦本通り、深く抉れた径で元登山道だったのでは…と思ってしまうほど。少し色づいた感じの紅葉が楽しめますが、曇っていることもあってどうもぱっとしません。

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 やがて抉れがほとんど無い尾根になって764のピークはここかなと通過していくと、あの方のサインがここかしこに見られ、ドングリもたくさんあるところなので、やや強めに鈴を鳴らしながら進んでいくと…ついに見ちゃいました。前方50mぐらいのところを横切る黒い巨体。うわ~見なかったことにしよう(笑)という感じで、「ごめんね~お食事中だった?」と冗談を口にし、左の方を見ないようにしながら尾根を登っていきます。

 後ろを振り返るのはさすがに怖くて、「わ~いつか会うとは思っていたけど、やっぱやだな~」と思いながら進むと、26号鉄塔。多分大丈夫だとは思うけれど、やはりあまりゆっくりも出来ず、滝子山にガスがかかっているのを見て、テルモスのお茶を一口飲んだらすぐに840mからの急登に取りかかります。

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(26号鉄塔にて…滝子山に雲がかかっている)

 急登は巡視路の階段があるのですが、直登なのでやっぱり疲れます。急登を登り切ったところにポールと石標があり、さすがにここまで来たらもう大丈夫だろうと腰を下ろして、ゆっくりティータイムにします。ふぅ、疲れました(笑)。でも私の方がいけないのです。勝手にあの方の領域に入り込んで行ったのですから…、向こうにしたら迷惑千万な話ですよね。。。

 休憩後、先ほどよりは傾斜の緩くなった尾根を登っていくと、左側の植林は姿を消し、雑木の尾根道に…。ここら辺の紅葉も目当てでこの尾根を登路に選んだのですが、色づきは今一つでしかも陽差しがないので、どうも期待していたほどではない感じ。先週源次郎で見た紅葉が結構すごかったので、目が肥えてしまったのかも知れません(笑)。

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 時々、目にとまる紅葉を写真に収めながら登りをこなしていくと黒野田林道に出ます。目の前にすぐ階段があるのでそのまままた尾根歩きを継続できます。再び傾斜が急になったところを登り切れば、ここか、という感じの北尾根との分岐。うーむ、ちょっとここはマーキング無いと尾根の分岐とは気づきにくいだろうな…というのが感想。今日のところはさすがにちょっと北尾根を下る勇気はないなぁ(笑)、という感じで、再び雑木の尾根道を登っていくと、ガスが出てきて、尾根歩きの最後は少し幻想的な雰囲気となり、鈴を鳴らして歩くのが少々はばかられました。

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 縦走路に出るとガスは消え始めて、しっかりした踏み跡をゆっくり歩いていけば、鶴ヶ鳥屋山。あれ、ここは山梨百名山ではなかったっけ…などと大ボケをかましながら、三角点にタッチ。まだ11時前ですが、早めのお昼ごはんにします。お昼休憩中も山頂は私一人だけ。本当に静かです。

 山頂を後にして、早いですが下山にかかります。北尾根は最初から下るつもりはなく、いつもの船橋沢のコースで笹一へと思っていたのですが、アップダウンを繰り返しながら見えてきたその先の角研山の北の尾根がなんだか随分魅力的に思えてきたので、がんばって角研まで行ってみようかという気になってきました。

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(稜線の紅葉もときどき素晴らしいものが…)


 角研山の北尾根の登山道は、以前エアリアで破線扱いだった上に悪路と表示されていたため敬遠していましたが、今はその表記も取れて実線になっているので、好い機会だし下ってみることにしました。

 で、この登山道、エアリア実線ですが、何となくバリエーションルートの雰囲気がある径です。途中、ほとんど指導標が無く、たまにあってもここは不要というところに建っています。で、ここは欲しいなという場所には指導標はなく、マーキングに留意する必要があると思います。とりわけ、林道手前で尾根を直進せず左手に降りる地点、それから登りにとった時、最初のポールで右に折れる地点の二点。特に後者は直進した先にはご丁寧に左手に渡る橋が架けられているのですから、普通の人は直進してしまうのではないでしょうか。

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(角研山北尾根上部)

 ともあれ、この尾根はなかなか素敵な尾根でした。紅葉も写真には巧く収まらなかったのですが、なぜかこちらの方が魅力的な感じでしたし、傾斜が全体に緩やかであることも嬉しかったです。下っていて楽しい道のりでした。

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(下部は黄色が鮮やかでした)

 下山後は笹子駅の裏を通り、笹子駅をスルーして(笑)、笹一酒造へ。もちろん、お目当ては生搾り原酒。試飲は500円と以前より高くなってしまいましたが、まぁ、昔はタダで飲み放題と勘違いした向きが浴びるように呑んでましたから、このぐらいは取らないとやっていけないのかもしれませんね。相変わらず美味しいお酒で、やっぱり買い求めてしまいました。

 さすがに良い気分になって、帰りの電車は爆睡。来週も連チャンしちゃおうかな…なんてちょっと考えながら(笑)帰途につきました。

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2013.11.03

【秋色に染まる…上日川峠から源次郎岳】 山バス情報125

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(1530m圏峰から源次郎岳へ向かう尾根)

【山行日】2013年11月02日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 05:30 登戸  (小田急線)
登戸  05:34 - 06:01 立川  (JR南武線)
立川  06:04 - 06:15 八王子 (JR中央線)
八王子 06:35 - 07:38 甲斐大和 (JR中央線)

「バス」
甲斐大和駅 07:45 - 08:25 上日川峠 (栄和交通 臨時 1000円)

「歩行」
上日川峠 08:35 - 09:35 大久保平分岐の先
分岐の先 09:45 - 10:40 下日川峠
下日川峠 10:50 - 11:45 源次郎岳
源次郎岳 12:15 - 13:30 嵯峨塩鉱泉

「温泉」
嵯峨塩鉱泉 13:30 - 14:10 (500円/1時間)

「バス」
嵯峨塩鉱泉 14:21 - 14:50 甲斐大和駅(栄和交通 600円)

「鉄道」
甲斐大和 14:56 - 15:14 大月  (JR中央線)
大月   15:21 - 中央線某駅  (JR中央線快速電車)

【地形図】 「大菩薩峠」

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(1530m圏峰付近にて)

 先週、車窓から眺めて狙っていた源次郎岳。今週も同じ栄和交通さんのバスで楽をして、上日川峠からのエアリア破線路をたどってみることにしました。

 源次郎岳は、五年前と、七年前の同時期にバリエーションルートで登っています。今回はエアリア破線ですが、いちおう一般ルート(?)で、恩若峰側からの厳しい登りもなく、ルートは明瞭。人は少なく静かで上日川峠から嵯峨塩鉱泉の分岐まで誰にも会いませんでした。

 さて、某掲示板でも話題になっていましたが、栄和交通さん、来夏は塩山駅から大弛峠まで登山者を運んでくれるようですネ。

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 といっても大弛までの林道をバスが通行できるわけはなくて、柳平(乙女湖北側)で乗合タクシーに乗り継ぐという形です。運転手さんのお話では2000円未満でいけそうだとのこと、これは本当に革命的なことですね。で、この案内をよく見てみると、塩山駅から焼山峠経由で乙女高原までバスが開通するわけで、大弛だけでなく、こちらの路線バス自体にもかなり興味津々です。これで大烏山など烏ノ尾根や小楢山、乙女頭から水ヶ森などのバリエーションルートもバス利用で行けそうです♪

 上日川峠行きのバス、この日も臨時が二台出て、今日は一台目に乗ったのですが、こちらは補助席が出る立派な車両。終点でバスを降り、身体をほぐしてから、出発です。 駐車場まではわんさかいた人が、砥山林道と記された山道にはいると、私一人だけとなります。

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(日川尾根 道は明瞭)

 踏み跡はとても明瞭で、エアリア赤実線並です。ですが、この明瞭な踏み跡は1/25000地形図「大菩薩峠」に描かれているように砥山を巻いてしまいます(エアリアでは通るように記されています)。よく気をつけていれば右手に紫色のマーキングと薄い踏み跡が見付かりますが、三角点ピークに上がってみても、そこは本当に何の変哲もないピークです。山名表示板もなく、三角点横の立木の切り口に「とやま」と小さく記されているだけです。

 砥山から降りると「砥山峠」と記された場所がありますが、峠らしい雰囲気は全くありません。カラマツが主体の登山道はやがて舗装道路に接近して、左手には大菩薩湖も見えてきます。ときおり雑木が混じり、陽が差すとその部分だけ紅葉が美しかったりします。

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 本当に誰にも逢わない静かな径を進んでいくと、字が消えてまるで判読できない道標が現れ、未舗装の林道にぶつかります。前方に送電線も見えてきて、中日川峠が近いことがわかります。このあたり、地形図が読めれば、送電線をくぐった先で右に1627.1の三角点に向かう登山道の入口があるとすぐにわかるのですが、気をつけていないと見逃すかもしれません。 

  登山道にはいるとすぐ、地形図にあるように大久保平からの薄い踏み跡が合流し、合流地点には左手の明瞭な登山道を指して「源次郎岳方面」とお手製の標識があります。歩き始めて約一時間ほど経ったので、この標識の少し先で腰を下ろしてティータイムにします。

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(大久保平からの破線路と思われる踏み跡。 ほとんど笹に覆われている)

 休憩後、このコース中では結構急な坂を登り、1621の小ピークへ。小ピークから先はカラマツが主体の緩いアップダウンを行くのですが、見えてきた1627.1の三角点ピークはまたもや巻いてしまいます。今度は地形図では通ることになっていますが、エアリアでは巻くように描かれており、砥山の三角点とは逆の表示間違いになっています。

 1627.1へ上がると思われるかすかな踏み跡を見付けたので登ってみると、ちょっとわかりにくいところに三角点は見つかりました。このあたりも地形図が読めないと、登山道が三角点を巻くと判断すること自体が難しいでしょうし、三角点にあがった後、戻らずにそのまま尾根通しに登山道に合流しようとすると、すぐ先で尾根が二分するため、非常に間違いやすいと思います。砥山以上に何の魅力もない三角点ピークですので、深追いせず、明瞭な登山道を通ってスルーしてしまう方が好いかも知れません。

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(1627.1の先でこのように尾根が二分してしまう 右手に入り込んでしまうと厄介…)


 予想通り、前方に巨大アンテナ施設が見えてきて、あの先でまた林道か…と思っていると、明らかに排泄後まもないとみられるあのお方の黒々としたフンが登山道上にあってびびります。周りはカラマツだらけだし、すぐそばを林道が通っているのに、こんなところをうろついていらっしゃるのですね~。鈴をつけていてよかった。

 未舗装の林道から下日川峠へ降りて、ちょうど前回休憩から一時間ほど経過したので再び腰を下ろして休憩とします。下日川峠には「←源次郎岳」の道標も建っていて、またまたカラマツ主体の笹道を歩いていきます。時折混じる雑木の紅葉がウマイ具合に太陽の光に照らされると青空をバックになかなかいい眺めになります。

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 やがて色づき始めたブナが目立つようになると、嵯峨塩鉱泉との分岐で、ここから源次郎岳までがこの日のハイライトでした。相変わらずへたっぴぃな私の写真では巧くお伝えできないのが残念ですが、この細尾根の紅葉はそれは素晴らしいものでした。

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 ちょうどお昼前で陽差しが巧いことあたっていて、色とりどりの雑木の紅葉が広がっていて、その中を歩いていると自分が秋の色に染まっていくようなそんな感じでした。もったいなくてなかなか前に進めず、人もいないこともあって、立ち止まっては撮り立ち止まっては撮りで、うっとりしながら源次郎へ向かいました。。。

 と、ところが、あの雑木の森の静かなピークでお昼ごはんと思って着いた山頂は…
 

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 うーむ、唖然としてしまいました。そりゃ、山梨百名山の山頂ですから、展望があって悪いはずがないというお考えはわかりますけど、私個人の感じ方としては、源次郎に展望を期待するのは何か筋違いのような気がするんです。もうこうしてしまった以上は元に戻す方が難しいでしょうから、今更どうこう言っても仕方ないのでしょうが、それにしても、ねぇ…「これじゃ、もう源次郎じゃないよ…」と思わず口にしてしまいました。

 昼食後、複雑な気持ちで山頂を後にし、再び素晴らしい紅葉の中を通って、嵯峨塩鉱泉へ。

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(嵯峨塩鉱泉への径 下部は落ち葉が積もってやや不明瞭)

 源次郎に来る度にこの嵯峨塩への径を下るのですが、傾斜もほどよく、この時期の紅葉がこれまたなかなか美しいので気に入っています。しかし、エアリア実線のこの径、とくに深沢林道と合流したその先が径がやや不明瞭で、実線と破線の区別がもしも径の明瞭さということであるとしたら、日川尾根の方を実線として、こちらの嵯峨塩への径を破線とするべきだと、個人的には思います。要所にはマーキングなどもあるので、注意していれば間違えないとは思うのですが、とりわけ紅葉の季節は落葉の季節でもあり、径が不明瞭になりがちですので、気をつけた方が良いと思います。

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 嵯峨塩鉱泉に着いたのは一時半過ぎ。ちょうど13:21のバスが行ったばかりだろうと、次の14:21のバスまで嵯峨塩鉱泉で日帰り入浴を受け付けてもらいました。お値段は七年前と同じで一時間500円♪。見た感じはもっと高そうな雰囲気ですし、実際のお湯もなかなかよいので、良心的です。ただし、日帰り入浴は15時までですので、14時前に降りてこないと入れないのでご注意を。

 二時のバスだし、もしかしたら座れるかも知れないなどと考えながら、嵯峨塩鉱泉で上日川峠からのバスを待っていると、遅れてやってきたバスは満員で、もう一台来るから後ろのに乗ってくれと言われ、来たバスに乗ってみれば、既に立ち客がいる状態(笑)。ホント、立ってでも駅まで運んでくれるのは嬉しいので、もちろん乗って帰りましたけど、五年前からずっと変わらずの人気バスなのですね~。

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