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2013.07.16

【テント泊そろそろ引退か…北岳へ その3】 山バス情報123

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(草スベリの途中にて)

 

 頂上は真っ白けなうえ、頂上には肩の小屋方面を指す指導標もないようなので、念のためコンパスで尾根の方向(北)を定めて下っていきます。すぐに両俣小屋への分岐。更に進むと、またまたたくさん咲いているキバナシャクナゲやミヤマシオガマ?

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 しつこいようだけれど、このガスと風さえなければ、かなり楽しいはずの径。不満を抱えながらずっと歩いていけば、肩の小屋です。標高3000mの山小屋。昨日ここまで頑張っていれば、早朝佳い景色が見られたかも知れないと少し残念に思うけれど、まぁ私の実力ではやはり白根御池までだったよな、と思い直します。

 ちょっと雨も降ってきたので、皆さん小屋前のベンチで雨支度。時間がこんなに早くなければ、肩の小屋でちょっと食べるものでも…というところですが、朝のお忙しい時間だしとベンチで休憩後さらに稜線を下っていくと、いくつかテントが張ってあります。やっぱ一日でここまでテント運び上げるの大変だよなぁ…と張ってあるテントを見て、また自分の実力を思い知らされます。

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 肩の小屋から10分ほどで左手に美しい曲線を描く尾根とその間の扇状地が見えてきます。小太郎尾根です。この扇状地と尾根は私の心を激しく揺さぶりました(笑)。小太郎尾根は一目惚れ。今度天気の好い時に来られたら是非とも往復してみたいです。こういう曲線にはわたしゃホント弱い。往復2時間か…時間的には今からでも可能だな…とちょっと気持ちが動いたほどです。

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(小太郎尾根の魅惑的な稜線)

 小太郎尾根から振り返ると、ホンマ嫌味かいな?と難癖をつけたくなるほど、しつこく富士のシルエットが見えてます(笑)。どうしてあんなガスガスの山頂から1時間もかからないところで富士山が見えちゃうんでしょう。きっと最も複雑な気持ちで眺めた富士山としてずっと記憶に残ることでしょう。もちろん北岳は依然として濃~いガスの中です。

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(富士山が見えているのが、なぜかあまり面白くなかった…)


 雨もやみ、霧もなくなってきたので、小太郎尾根分岐でレインウエアを脱いで、草スベリ方面へ下っていきます。風も収まり、ここはホント、ミヤマキンバイやミヤマキンポウゲ?のお花畑が素晴らしいですね。イワカガミも咲いているし、ぜんまい?も。キバナノコマノツメもお目にかかれて、時間を忘れてゆっくり下っていきました。途中何度か北岳を望める地点がありましたが、いずれもぶ厚い雲にべっとりと覆われていて、頂上でいくら粘っても結局無駄だったんだなと妙な安心(笑)をしながら白根御池へ戻りました。

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(最後まで雲に覆われ続けた北岳)


 テントに戻ったのは09:40頃。帰りのバスは最終16:40なので今日中に帰れることは間違いないけれど…広河原までの下りのコースタイムは二時間弱と計算して、さっさとテントを片付けて下りれば12:45発の甲府行きに間に合いそう…ということで、早速テントを撤収。30分ほどで片付いて、トイレに行ってから出発したのが10:20。うまくいけば広河原山荘でコインシャワーする時間もあるかな、シャワー時間無くてもバスに間に合えば帰っちゃおう、一泊だけだから少々臭いかもしれないけど我慢してもらいましょ、どうせ帰りも鈍行だし(笑)、などと考えながら下り始めます。

 

 トラバース道は、まぁ、ほとんど何の問題もなかったのですが、昨日の急登終了地点は、すなわち急降下の開始点なわけで、ここからが大変でした。言い訳すれば、連休初日で上がってくる登山者がとても多かったことや、下りなので登り優先で無条件に道を譲ってたことなどありますが、結果として広河原までコースタイム以上の2時間5分かかってしまいました。

 原因のひとつは…下っていく最中、なんと膝が笑い始めちゃったのです。登りの団体とか待っている最中もプルプルプルプル(笑)。そういえば、お腹空いてきたしなぁ、と気づきましたが、お昼ごはん食べてる時間はないし、まだ11時だし。あと1時間チョイだろうからと、あまり休憩もせずに下っていきます。登り優先で待つ時間を休憩時間と見なせばいいぐらい登ってくる人がたくさんいますし…。

 そのうち雨も降ってきて、登ってくる人はどんどん増えて、さすが三連休初日とは思いましたけど、これだけ集中するとは…。こんな天気の中よくみんな登ってくるなぁと妙な感心をしていたのですが、あとで考えてみたら、北に前線が停滞したままだから、みんなこっち(南ア)に転進してきたのでしょうね。

 昨日登ったばかりの径なので、勝手はわかっていますが、相変わらず膝は笑いっぱなし。そしてそして…もうあと200mも下りれば…というあたりで、何と今度は左膝の裏が痛み出してしまったのです!これにはちょっとビックリというかショックでした。山歩き自体は今年再開したばかりとはいえ、ここ数ヵ月間は結構ロングの日帰り山行もこなして歩いていたし…。「マジかよ、おい」という感じでギアをローに入れてチンタラ下り。

 膝が笑っている間は「今日は荷物重いし」と軽く考えていたのですが、泣き出した時はさすがに「ああ、ホントもう身体がいうこと聞かなくなる年齢になったんだ」とかなり深刻な気分でした。本当にテントはやめにしなければ…悲しいけど、無理して事故起こしたら元も子もないし…。

 広河原山荘ではコインシャワーが故障中で、時間もなかったし、自動販売機の缶ビールで〆にしました。ベンチでビール飲みながら思いました。。。
 天気が崩れてくれて私にはある意味ラッキーだったのかも…。だって天気快晴が続いて、あのまま調子こいて農鳥小屋まで行っていたら、まず間違いなくその先の大門沢下降で膝がぶっ壊れて、日曜の下山はできなかったでしょうし、大門沢小屋まで下ることさえ果たして出来たかどうか…。そう考えると、やはり徐々にステップアップすることの大切さもしみじみと感じたのでした。

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 幸い膝の痛みは、それほどひどくならず、駅の階段もゆっくり下ればなんとかなりました。家に帰る途中、ものすごい蒸し暑さで、今日の朝の7時に日本第二位の高峰に自分がいたのだとは、どうにもなかなか信じられませんでした。
 しかし、次の日もそのまた次の日も、ものすごい筋肉痛。階段を下りるのも痛くて、しみじみ思いました。。。おれ、本当に、ジジイになっちゃったんだなって…(笑)。

 



その1


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2013.07.15

【テント泊そろそろ引退か…北岳へ その2】 山バス情報123

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(早朝5時前 左俣コースを少し上がったあたりから…)

 いつも大抵一張りはいる「おしゃべりテント」もなかったようで、静かな夜。久々のテントですから、何度も夜中に目が覚めてしまうのは致し方ないところ。まぁ、あまりグッスリ眠れなくても、身体をじっと横たえていれば疲れは取れるので、起き出さずにじっと寝ていました。

 3時過ぎ頃目が覚めた時、もう一眠りしたいとも思わなかったので、お隣のテントもごそごそしてきたし、早朝発にします。テント撤収に時間を食わないようにシュラフを畳んだりしておき、お湯を沸かして、お茶漬けと山菜ごはんを作ります。お茶漬けはそのまま食べてしまい、山菜ごはんはサブザックの中へ。アクエリアスの粉末で1Lのスポーツドリンクを作って、純水を500ml持ち、トイレに行ってから、サブザックの中身を点検し、4時15分頃ヘッドライトを頭に出発します。

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(北岳山頂直下のこーざんしょくぶつ)

 地形図と昨日のチョイ偵察で、二俣まではトラバース道ですし、暗くても難しいことはありません。予想通り二俣に出て雪渓が見える頃にはヘッドランプも必要ないほどの明るさになり、左俣へ雪渓を通過する所も軽アイゼンを装着し無事通過に成功。

 私が通過した時はガスもなくピンクの小旗の標識もあるので簡単に判りましたが、慣れていないと右俣の方へついつい引きこまれてしまうかも知れません(地形図とコンパスが使えれば間違うことはないでしょうが高山では使っている人には滅多に出会わないですね)。なお、通過はアイゼンだけでなくストックもあった方が良さそうでした。雪が融け続けている分、アイゼンが効きにくい感じです。

 基本的にはエアリアにもある通り、雪渓でなく大樺沢の左岸を歩くように径がつけられていますが、八本歯に行くには都合三回雪渓を横断しないと行けません。うまく他人の足跡を盗んでいけばアイゼン無しでも登りは可能かも知れませんが、ずっと上の方でアイゼンもストックも無しで下ってくる人に会いました。う~ん、大丈夫だったのでしょうか。。。

 お茶漬けだけで出てくると、空気の薄さも実感するし、フラフラした感じになります。2500m弱のあたりで、喉も渇いてきたので、山菜ごはん少々と水分を補給がてら小休止。雪渓で風も出てくると朝は寒いぐらい。また上を目指して歩いていきます。

 最後の雪渓歩きは結構な急斜面を登っていきます。トレースを上手く使って滑らないように気をつけないといけません。上で待ってくれている下山者も見えて、ピッチを上げていきました。サブザックで登りにとってホント好かった。これがテント装備で下りだったりしたら…と思って来し方を振り返るとチョットぞっとします。

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 雪渓歩きを終え、待ってくださった方にお礼を言い、アイゼンを外して更に登っていくと沢から離れて尾根に上がるという地点に出たので再度小休止をとります。ここからは八本歯のコルまでキツイ梯子登りが続くのがわかっているからです。目の前のバットレスはまだこの時点ではきれいに見えていました。

 休憩後、花の写真など撮りながらゆっくり登っていきます。私の場合、標高2700mというと空気が薄いことを身体が痛感する高さでして、ペースを上げずに抑え気味に登っていかないと苦しくなるのはわかっていますから、お花はペース抑制にはホントありがたい存在です(笑)。ツマトリソウにカラマツソウ、それにこれはナナカマド?

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 ツガザクラでしょうか…とてもかわいらしい。。。

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と、そろそろ八本歯のコルかなと上を見上げると…ああ、もう、何でもう少し待ってくれないのと言いたくなるのですが自然現象だから仕方ない。北岳の山頂がガスに覆われ始めてます。

 八本歯のコルに上がってみると…間ノ岳方面もガスに覆われているし、せっかく早く出てきて稜線風景を満喫したいと思っていたのに…もうっ! それでもまだこの時点では、
「今まで南アの稜線ではガスったことなしのゴン太様だ。大丈夫じきに晴れてくれるさ…」などと極めて脳天気なことを考えてました(笑)。

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(間ノ岳が…)


 稜線ではお花楽しみつつ稜線歩きも楽しみ…の予定だったのですが、お花撮影に専念。
たくさん咲いてるイワカガミにハクサンイチゲ…ん?これはイワベンケイでしょうか。

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ウスユキソウも咲いています。。。しかし天気の方がトホホです。ガスはどんどん濃くなるし、風もびゅうびゅうと強くなってきました。しかし皮肉にもボーコン沢の頭の右には富士山が美しいシルエットを見せていたりして…一方の北岳はガスがべっとり…ああ、もう(笑)。

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(北岳が…)

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(しかし富士山が見えたりして…)


 それでも岩場に群生するキバナシャクナゲの美しさにうっとりしたりイワカガミを撮ったりしながら登っていきます。鳳凰三山の方はまだガスに覆われていないのですが、反対側の仙塩尾根の方から強風と共にガスがどんどん上がってくるのです。

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 風がとんでもなく強くなってきました。わ、ばかでかっ!と驚きながらミヤマオダマキにカメラを向けるも強風で花が揺れてピンぼけばかり。マトモな写真がなかなか撮れません。吊尾根の分岐あたりに来ると、もうそれはとんでもない強風で、岩陰に隠れてレインウエアを装着しながらも行くかどうかチョット迷ったぐらい(笑)。この時点で朝の7時。

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(強風の中何とか撮影)

冷静に考えてみれば、戻ってまたあの雪渓を下るよりは、北岳に行って草スベリで降りる方が安全なわけで…北岳へ直進!

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 強風の中、それでも「なんだこの緑色の薔薇みてえのは?」なんて感じでお花の写真を撮りながら少しずつ登っていきます。ハクサンイチゲの群落があったりして、ここ、ホント天気が好ければ楽しそうだよなぁなんて考えながら登りをこなせば、ついに「三等三角点白根岳」北岳山頂に到着です。ああ、来ちゃったという感じ(笑)。どう考えても富士山の次に標高の高い山という感じはないですね。もちろん展望はゼロなのですが、不思議なことに山頂はあまり風が強くない。

 ということで、山頂でもしっかり山菜ごはんの残りを平らげて(笑)水分補給もして休憩。3年近くずっと標高2000m以上の場所に行ったことがなかったので少々心配だったのですが、幸い高山病の症状は全くなし。食欲もやたらあるし。頭もちっとも痛くないです。

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(日本で2番目に標高が高いお山のてっぺん) 

 ごはんを食べ終え、頂上の人も少なくなって、風も少し強くなってきたところで、仙塩尾根の方から相変わらずガスがたっぷり供給されているのを見ると、さすがに展望の最後の望みもあきらめるしかないと観念(笑)、下山することにします。



その3


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2013.07.14

【テント泊そろそろ引退か…北岳へ その1】 山バス情報123

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(入山日 天気はとても好かった♪)

 

【山行日】 2013年07月12日(金)
      2013年07月13日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿 06:03 - 06:42 立川 (中央線各駅停車)
立川 06:46 - 08:38 甲府 (中央線各駅停車)

「バス」
甲府駅 09:00 - 10:58 広河原 (山梨交通 2000円:協力金100円含)

「歩行」

☆一日目☆
広河原   11:25 - 12:05 第一ベンチのずっと手前
手前    12:15 - 12:50 第二ベンチ
第二ベンチ 13:00 - 13:45 白根御池小屋(テント泊 500円)

☆二日目☆
白根御池小屋 04:15 - 04:55 左俣コース2500m近辺
2500m近辺   05:05 - 05:55 沢を離れる地点
沢離地点   06:05 - 07:15 北岳
北岳     07:35 - 09:40 白根御池小屋 
       テント撤収
白根御池小屋 10:20 - 12:25 広河原


「バス」
広河原 12:45 - 14:43 甲府駅 (山梨交通 2000円:協力金100円含)

       遅めのランチ(@甲府駅ビルのレストラン)

「鉄道」
甲府 15:38 - 17:15 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 17:25 - 17:35 北野 (京王線各駅停車)
北野 17:37 - 京王線某駅  (京王線特急)

【地形図】  「鳳凰山」 「仙丈ヶ岳」


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(第二ベンチの先で…)


 はやばやと梅雨明けしてしまって、今年の三連休は梅雨明けに間に合うのかなというのは杞憂だったものの、梅雨明けして一週間というとそろそろ天気が崩れ出す頃でもあるので、ずっと天気予報と天気図をウォッチしていました。。。

 金曜日にお休みをもらえば、連休の混雑も回避出来るし、上手くいけばこれまで何度も計画してお流れになった白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の縦走が予備日つきで敢行可能です。木曜日の時点での問題は日曜の天候。曇り時々雨の予報です。

 で、日曜日に天気が回復しそうなら白根三山縦走、天気が崩れそうなら白根御池小屋一泊で北岳だけ登って帰ってくるというサブプラン用意で金曜の朝06:46立川始発の甲府行きに乗り込みました。

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(白根御池より鳳凰三山を望む)


 久々のテント泊山行。三年ぶりです、といっても三年のうち二年半は山に行くのをやめていたので(笑)、実際はもう初めてのテント泊山行みたいに緊張しまくりです。朝の中央線でとる朝食もあまり食欲が無く、ばかでかい65リットルのザックを見つめ、こんなことで大丈夫かな…と不安になります。実は長いこと山に行かなかった理由のひとつが長期にわたる腰痛だったので、途中でギックリ腰にならないかとそれが一番心配でした。

 甲府駅で降りるとものすごい暑さ。バスを待つ二十分ほどの間もジリジリと灼かれるように暑い。連休は明日からなのに、結構な人が並んでいます。幸いバスを二台用意してくれたので、全員座って広河原まで行けることになりました。ちなみにPASMOやSuicaは使えず現金払い。以前と同じように切符に車掌さんがパンチを入れてくれます。広河原までは利用者協力金百円がプラスされ合計二千円。

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 広河原に着き少しお腹も空いて、なんだか力の入らない身体にオニギリを三つ入れてからスタート。さすがに標高1500mあると涼しいし湿度が低いのでその点はとても気分が爽快なのですが、ザックを担いで歩いてみるとやっぱり重い(笑)。3日分+αの食料で防寒具まで入れると結構な重量です。水はアクエリアス1L+純水500ml。

 最初はお花の写真など撮りながら歩いていたのですが、重装備だと花を撮るのにしゃがんだり立ったりするのが結構大変ですね(笑)。そして径はすぐに急登になり、地形図を見てわかってはいたのですが、やはりザックの重さがいつもの倍ぐらいあるので、ペースはぜんぜん上がりません。抜かされることはあっても抜かすことはほとんどない。一人だけ私より重量のありそうな大型ザックを担いだ女性を抜いただけ。しかも息が上がって第一ベンチまで持たず、ずっと手前で休憩をとる有様。この時点でもうこれは年齢的にテント縦走は無理と痛感。この休憩地点から広河原に戻って帰ってしまおうかと思うほどでした。

 しかし、今日は天気も好く涼しいし、東京の家に戻ったって、蒸し暑いだけ。 間違いなく「ただただ寝苦しい夜」になって、精神的にも腐りきってしまうことは明白だよ、と気を取り直して登りをこなしていくと第一ベンチ。一息入れてまた登っていくと、これはゴゼンタチバナ?

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 第二ベンチでまた水分補給を兼ねて一息入れたあと、左手に八本歯のコルあたりらしい雪渓や北岳の雄姿を望みながら頑張って登りを15分ほどこなしていくと、地形図さえ頭に入っていれば、「あ、ここだ」とすぐわかる2250mの急登終了地点に出ます。少し進むと指導標があって、急登は終わりとの落書きもあります。ここからはトラバース道となって、白根御池小屋までは小さなアップダウンを交えて実際は10数メートルだけですが下ることになります。

 
 グンナイフウロやカラマツソウなど、このあいだ御坂で見たばかりのお花、それにこれ↓はマイズルソウ(ピンぼけ御免!)でしょうか…あまり高山植物とは言えないかも知れませんが、お花はまぁまぁ楽しめました。

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 小屋前ではミヤマハナシノブにお出迎えいただいて、今日のテン場、白根御池小屋に14時前に到着です。手もとのエアリアコースタイムでは広河原から3時間5分となっていますが、ノロマが重装備で花を撮りながら歩いても休憩入れて2時間20分で上がれてます。普通の人が普通の装備で真面目に歩けば2時間ほどで着くのではないでしょうか(標高差は700mほどですから)。

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 手続きを済ませて、テントを設営。個人的な感想ですが、スタッフの応対といい、小屋の佇まいといい、とても好感の持てる山小屋です。連休前なので小屋泊まりにすれば佳かったかナ…と貧乏人のくせに思っちゃいました。 
 テントでも水はタダで使いたい放題だし、驚いたのがチップ制だけれど洋式の水洗トイレ。もちろん紙は分別するんですけど、とてもきれいにお掃除されていて、山小屋のトイレは□×△◇という常識が覆ってしまいました。「男性の方も座って使用してください」と書かれていますが、「(小)でも座ってしましょう」という意味ですよ、守りましょうね。
  
 テントを張り終えると、誘惑に負けてテント代より高い生ビール(850円)をついつい注文。小屋前のベンチで地蔵岳あたりを眺めながらゴクゴク。高いけれどやっぱジョッキで飲む冷えた生ビールはこたえられません(笑)。飲んでしまうとすることもなく池の周りや明日のコースなど少し下見をしたりしますが時間をもてあましてしまい、テントでゴロンと横になるといつしかウトウト…。

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(あっというまに飲んでしまった:笑)

 目が覚めて気づいたのですが、マットの上に黒い粒子が…最初は何だろうと思っていたのですが、テント山行用のこの65Lザック…ずっと手入れもせずに十数年で背中のパッドが劣化してしまいポロポロの粒子となってこぼれていたのです。このことが「テントはもういい歳なんだからいい加減おやめなさい」という警告のような気もしてしまいました(弱気!)。

 16時頃に天気予報を聞くと、やはり日曜は予報が悪いままで、明日土曜もあまり好いとは言えない模様。。。北岳を見上げ、明日あそこまでテント装備と自分の身体の両方を担ぎ上げる気力も失せてしまい、このときはまだ明日の朝までなら天気がもってくれると信じていたので、北岳のみで土曜帰京へ予定変更して、夕食の準備にしました。

 夕食を食べ終え、水で歯を磨いてしまうと山のテントでは本当にやることもなく、トイレに行き、必要な水を補給してしまうと、日が暮れる前だというのに、テントで横になって、うつらうつらしたり目が覚めたりを繰り返したりしているうちにいつしか夜となりました。。。zzzzz


 ところで、またかよっ!って言われそうですが、この日気づいたお花の中で、このお花だけが名前が判らないのです。もしご存知の方いらっしゃいましたらどうかご教示くださいませ。
<(__)>

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(クリック拡大可です)


その2

 

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2013.07.02

【二週連続で御坂へ…大石峠から黒岳】 山バス情報122

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【山行日】 2013年06月30日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅    - 05:25 吉祥寺 (京王井の頭線)
吉祥寺   05:35 - 06:13 高尾  (中央線各駅停車)
高尾    06:14 - 06:51 大月  (中央線各駅停車)
大月    06:53 - 07:44 河口湖 (富士急行線)

「バス」
河口湖駅 07:58 - 08:21 プチペンション村 (富士急バス 530円)

「歩行」
プチペンション 08:25 - 09:25 1200m付近の岩のベンチ
岩のベンチ   09:35 - 10:10 大石峠
大石峠     10:20 - 11:45 新道峠手前の展望地
展望地     12:10 - 13:40 御坂黒岳
黒岳      13:50 - 14:25 御坂峠
御坂峠     14:30 - 15:35 藤の木バス停

「バス」
藤野木  15:58 - 16:26 石和温泉駅入口 (富士急バス 760円)

「鉄道」
石和温泉 17:00 - 18:44 高尾 (中央線各駅停車)
高尾   18:54 - 京王線某駅  (京王線準特急)

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「2013/4/8~11/30の間の土・日・祝日のみ運行。ただし、2013/7/20~9/1の間は毎日運行」というプチペンション村&上芦川行きのバス。河口湖駅07:58発は登山者向けに走らせているのでしょうが、12:03発はどういう客層なのでしょう(笑)。

 ともかく、このバスのお陰で大石峠から御坂黒岳というガイドブックと逆コースを歩くことが出来そうです。AKIOさんの情報で、この稜線でヤマオダマキとグンナイフウロが見られるということで、出掛けてみることにしました。

 で、せっかく登山者向けに走ってくれている上芦川行きのバスですが、この日の登山者は何と私一人だけ。。。結構大型のバスを使ってくれていますので、皆さん是非ご利用を。

 この日私はプチペンション村のアナウンスで降車ボタンを押したのですが、以前だと何も言わなくてもプチペンション村に入る直前の大石峠の道標のところで降ろしてくれたので、今回もそのつもりでいたら、プチペンションバス停まで連れて行かれ、まぁ、たいした差じゃないからいいか…という感じで歩き始めたのですが…。

 しばらく舗装道路歩きをしていると、あっ!と思い当たりました。右手に若彦トンネルの入口。上芦川まで延伸したのだから、このトンネル入口付近で降ろしてもらえば、20分ほどの車道歩きをカットできる…。しばらく山を歩いていないと上芦川まで延伸は頭にあってもこういうのが思いつかない。。。実際にそういう利用のされ方をした方っていらっしゃるでしょうか…というかそんなのもうすでに常識なのでしょうか…?

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(ここらで降ろしてもらえれば…)


 まぁ、舗装道路歩き中もお花や野鳥の囀りなんかが結構楽しめたのでそれほど後悔していないのですが、これが朝から晴れて気温も高く焼け付くような陽差しだったりしたら20分ほどでもかなりの体力消耗になりますので、次回は(可能かどうかはともかく)頼むだけ頼んでみようと思っています(上芦川の方から大石峠に登るのも途中下車が上手くいけばこのバス結構効率的に使えそうですね)。

 それからもうひとつ山バス情報…先週もご紹介した新宿発06:00の河口湖行きハイウエイバスですが、この日はこの上芦川行きのバスに十分間に合っていました。途中渋滞などなく定刻通りに着ければ乗り継ぎ可能です。遅延した際の策(08:28発で三ツ峠入口とか)を用意して、Bus to Bus 乗り継ぎに挑戦するのも手かも。。。

 さて、話を山歩きに戻して…「ハイキングコース案内図」を見たら土道を歩き始めますが、最初のところがチョット間違いやすいかも知れません。指導標に気をつけてジグザグの登山道を上がっていきます。最初は植林帯。花もなくつまらないのですが、植林が途切れヒメウツギが見えてくるとしばらくで、確か前回もお世話になった岩のベンチで休憩します。だいたい歩き始めてから1時間ほどのところなので、腰を下ろして水分補給。

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(石のベンチ)

 休憩後、更に植林帯を登っていくと、水場がありますが、この季節でさえ、ここは水量が少ないです。ここの水に限らず御坂の水場はあまりアテに出来ないので、水は十分用意しておいた方が好いでしょう。ときどき陽が差してきたかな、と思うとすぐに曇るという感じで、今日は電車の窓からも富士は拝めなかったし、降られちゃうかも知れないなと思いながらジグザグを繰り返していけば、やがて大石峠に辿り着きます。

 大石峠は天気が好ければ本当に富士山が美しい場所なのですが、今日は真っ白け。富士山どころか景色は全くナシです。それに六年前に来た時には、ロープが張られてその向こうはアヤメ咲くお花畑だったのが、ロープもなくなってアヤメもひとつふたつみみっつ…と数えるほどしか咲いていません。あとはニガナとキンポウゲぐらい…う~む、花が減ったとは聞いていましたけど、これほどとは…。

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(展望がないせいか、なんとなく寂しい雰囲気の大石峠)

 峠からは稜線歩き、気を取り直して、東進します。不逢山(あわずやま)を越え、アップダウンもあまりない径を、お花、お花と探しながら進みますが、これが全く見付かりません(笑)。悪い夢でも見てるんじゃないだろうかと思うぐらい花が見付からず、中藤山(なかっとうやま)の少し手前までで出会えたのは、ノアザミ(?)とキンポウゲぐらい。ヤマオダマキもグンナイフウロも見あたらず、稜線は植林ゼロの純自然林なので、ええ?本当に?とガックリと言うより不思議な気分で歩きました。

 中藤山の少し手前でやっとヤマオダマキを見付け、もしかしたらもう逢えないかもと焦って(笑)何枚も写真を撮ります。中藤山でこの日初めて人とすれ違いました。時刻は11:20。お腹も空いてきましたけれど、どうもこの山頂は落ち着かない感じなので、新道峠あたりでかナ…と咲き残りのヤマツツジなど撮りながら先に進みます。新道峠の少し手前で右手に踏み跡があり、ちょうど展望地のようになっていたので(富士山は全く見えませんが)こちらでお昼ごはん。

 お昼を終えて新道峠へ向かうと、ba_sobuさんに教えていただいたばかりのカラマツソウが群落のように咲いている所があり、こうやって咲いていると結構イイものだな…と写真に収めます。

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 お昼を過ぎると少し天気も回復してきて、陽が差してハルゼミも合唱を始め、お花の方も今度はクサタチバナがたくさん見られ、更に進むとお目当てのグンナイフウロも結構目にすることが出来ました。シロバナニガナやアヤメ、そしてギボウシらしきものも…。

 新道峠のあたりからは、それまで花があまり無かったのがウソのように、次々とお花が現れます。峠ではヤマオダマキを撮っているご夫婦と少しお話。アヤメは大石峠よりこちらの方が咲いています。ギンリョウソウもいて、花を撮りながら歩いていくと破風山。このあたりもアヤメ、グンナイフウロ、ヤマオダマキが咲いていて、更に緑溢れる稜線を歩いていくと、これはたぶんニシキウツギ…。

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 スズラン峠の先でまたヤマオダマキ。そして黒岳への登りではシロバナヘビイチゴ? それに(まだこれからの)オカトラノオ? 稜線を歩き始めた最初はどうなることかと思っていましたが、やっぱり今日も歩きに来て好かった!

 黒岳では1500m付近では落花していたサラサドウダンがまだ咲いていて、展望地点はもちろん何も見えないのだけれど、さすがに1800m近いだけあってヤマツツジがちょうど見頃でした。

 展望地はさすがに人がいたので、山頂で水分補給休憩。メモしてきた帰りのバス時刻を見てどう下山するか考えます。御坂峠から三ツ峠入口だと時間が余りすぎてしまいそうなので、今日はひとつ藤野木(とうのき)へ下ってみようかナと…。時刻は13:40。14時半の河口湖行きには到底間に合わないので、藤野木に下って15:58の甲府行きで石和温泉から帰ることにします。

 で、御坂峠へ下っていく途中、見かけたのですが、これってウスユキソウでしょうか?図鑑の花期を見るとチョット早すぎるようなのですが…

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 懐かしい御坂峠には新しい指導標があって、藤野木を指して1時間とあります。エアリアのコースタイムは1:20。 時刻は2時半なので、まぁ、ちょうどいいくらいと下ってみます。

 この峠道なんですが、堰堤が現れるまでは、何コレ?めっちゃ下り易い傾斜角!というほど芸術的な角度で如何にも昔の峠道です。ずっと自然林が続くし、花こそ無いのですが、これは秋の紅葉なんかもいいんじゃないかナなんて思いながら下っていったのですが…、行者平の手前で堰堤が現れると、途端に付け替えられた径となって植林だらけになって、その先は長い林道歩き…。径は非常に明瞭なのですが、登りにはとりたくないですね。一箇所、登りにとると非常に間違えやすい箇所もあって、おまけにそこには指導標も標識もないので、この径は下りで時間が余りそうな時にどうぞ。

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(最初はこんなかんじの素敵な峠道なんですけど…)

 ちなみに藤野木から乗れば、石和温泉入口まで三ツ峠入口から乗るより200円ほどですがバス代が安くなります。

 石和温泉では駅前のイオンでビールとおつまみを仕入れて、駅に行ってみると、ちょうど17:00発の各駅停車立川行きが滑り込んでくるというタイミングの良さで、雨に降られることもなかったし、今日もなんだかんだでツイていたのかも…との思いで帰途につきました。

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