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2013.06.04

【花折戸尾根から…サクッと本仁田山】

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(本仁田山山頂直下はヤマツツジがまだたくさん♪)

【山行日】 2013年06月02日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅   - 06:34 登戸 (小田急線)
登戸     06:38 - 07:05 立川 (JR南武線)
立川     07:15 - 07:52 青梅 (JR青梅線)
青梅     08:07 - 08:40 鳩ノ巣 (JR青梅線)

「歩行」
鳩ノ巣駅  08:50 - 09:50 750m尾根分岐付近
750m  10:00 - 10:35 チクマ山(1040m峰)
チクマ山  10:40 - 11:15 本仁田山
本仁田山  11:50 - 12:25 815m尾根をはずす地点
815m  12:30 - 13:30 奥多摩駅

「鉄道」
奥多摩  13:43 - 14:19 青梅 (JR青梅線)
青梅   14:26 - 15:21 新宿 (JR青梅特快)

【地形図】 「武蔵御岳」 「奥多摩湖」


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(花折戸尾根1100m付近)

 この週末は金曜の夜が観劇、土曜もお昼にちょっとした用事があって、日曜は雨天の予報だったので、山行きはまたナシか…というムードだったのですが、土曜の夜中に何の気ナシに見た天気予報…午前中まであったはずの雨マークが消えて、日曜の午後は晴マークまで出ているではありませんか。 ええっ!全然準備してないし予定も立ててないよ~、それに日曜にやればいいやと思って掃除もしてないし…。

 という感じで、急遽考えついたのが、三月に川苔山に行った時に時間があれば寄ろうと考えて寄れなかった本仁田山。
 本仁田山だけなら、帰宅してから家で掃除機をかけるぐらいはできそうだし…翌日の月曜夜の観劇(またかよ!)に響くこともないだろう、ということで、朝はいつもよりゆっくりの6時に家を出て電車に乗りました。

 花折戸尾根は、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』でも紹介されていますが、下りで紹介されており、エアリアでも赤破線ということで、登りにとると取り付が少々わかりにくいかも知れません。実際登山口には何の表示もないのですが、ネットで検索すれば下のような写真がいくらでも見付かると思います。

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(花折戸尾根の取り付きはこの青い橋)

 この青い橋を渡れば何の造作もなく鳩ノ巣駅から数分で花折戸尾根に乗れます。余計な舗装道路歩きもなく、すぐに土の道を歩けますので、少々藪っぽくても静かな尾根歩きが好きな方は花折戸尾根をお奨めします。道形は非常にしっかりしていますし、途中には古いものながら指導標も何箇所かあります。傾斜も奥多摩駅からの一般登山道に比べたらずっと楽なはずです。

 今日は短めのコースなので、前回道迷いの反省も兼ねて、地形図と尾根を丁寧に照合しながら進むことにします。沢沿いの径ではないので、あまりステップアップは出来ませんが、尾根が合わさると合わさった方向と逆の方向に尾根が曲がる性質を逐一確認したりして、常に自分が今いる位置がどこなのか、正確に指し示すことが出来るように気をつけながら歩いてみました。

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 最初は地形図「武蔵御岳」の左端を歩くわけですが、松浦本にもあるように登ってすぐの426小ピークは左を巻きます。こんな小さなピークが標高入りで書かれるのか、と意外に思うほど、目立たない小突起ですが、確かに尾根の方向がこの小突起で変化します。

 次に注目するのは「武蔵御岳」の一番左端(「奥多摩湖」に移る直前)の部分、570m付近で傾斜が緩む地点ですが、ここでも尾根が合流して尾根の方向が微妙に変化します。こういうのは、しゃにむに登っていると気づかないものですが、丁寧に照応しコンパスをその都度取り出してみれば、確かに法則通りで、たまにはこういう地道な地図読みトレーニングも必要かも知れないと認識を新たにしました。

 そんな調子で遠くホトトギスの鳴き声を耳にしながら669地点に来たのが、9時半過ぎ。少し休もうかと思ったのですが、植林でピークらしい場所でもない平頂なので、余力もあるし傾斜もまだそれほどきつくならないと見て750mの尾根分岐地点まで登って最初の休憩としました。 時刻は09:50。ちょうど歩き始めて1時間が経過した勘定になります。

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(最初の休憩地点 750m尾根分岐点付近)

 休憩地点から登っていくと踏み跡は尾根のやや左側に移り、ヤブっぽい道になります。左手に大岳山などの展望が得られるのですが、ヤブがちな上にどんよりと曇っていて、地形図と照合して山座同定をする気にはなれませんでした。ヤブの途中では結構いろいろなお花が咲いていたのですが、花素人の私には名前のわからないものばかり。。。どなたかご教示いただけたら嬉しいです↓(いちおう花図鑑見て調べてみたのですがわかりませんでした)。

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(これ、そこらじゅうに沢山咲いていたんですけど…)

 ヤブを抜けて右植林左自然林の急傾斜の尾根を登っていけば、咲き残りのヤマツツジがちらほら現れて、左からゴンザス尾根を合わせます(指導標有)。 尾根合流地点で早くも降りてくる人に出会い、花折り戸尾根の取り付きを訊かれ、青い橋のことを説明します。

 ゴンザス尾根を合わせれば、やはり尾根の向きは少し右(北)寄りに変わり、地形図通り平坦になって1040のチクマ山。休憩から30分ほどしか経過していませんが、ここらで休んでおかないと、頂上まで一気に登り切るのはきつそうと地形図を見て判断。二回目の休憩とします。

 チクマ山からは地形図通り緩やかに下って、鞍部からしばらくは緩やかな登り返し。。。自然林が優勢となって、ヤマツツジがこれでもかとばかりに咲いています。樹によって随分薄い色の花しかつけないものもあったりして、これって正確には別の種類のツツジなのかな、などと考えているうちに、勾配が厳しくなってきました。尾根の向きも変わりほぼ西向きに急登をこなしていくと、ガスが湧いてきて、新緑にヤマツツジの赤色が乳白色に染まって幻想的な雰囲気です。

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(ガスが出てきた…)

 山のガス独特の匂い。この香りって本当に久しぶり。ただの水蒸気(ていうか雲!)のはずなんだけれど、なぜか懐かしい香りがする、この感覚…。
 「奥多摩駅 安寺沢 ◆ 花折戸尾根」の指導標が現れれば、地形図通りこの急傾斜も終わり。「本仁田山」の標識に従って緩やかな尾根を上がっていけばすぐに三角点のある本仁田山山頂です。時刻は11:15ですが、意外や誰もいません。。。比較的新しいベンチが二つあったので、ひとつを占領して早めのお昼ごはんです。

 山頂は南側が開けていますが、残念ながらガスで展望はゼロ。でも今日はもともと雨予報だったので、降られないだけで万々歳です。山頂にもヤマツツジがあって、少し盛りを過ぎた感じではありましたが、まだじゅうぶんに楽しめました。地形図を見ながら、ここだけじゃちょっと物足りないなぁ…などと考えますが、川苔まで行くわけにもいかないし、今日は山頂で少しのんびりすることにして、帰りはおとなしく奥多摩駅へ下山して早めの帰宅を心掛けます。

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(このベンチで大休止…展望はないけれど、ゆっくりできました)

 奥多摩駅へは戻ってゴンザス尾根を下るという手もありますが、それだとついつい温泉に寄りたくなって、高いビールを飲んだりして無駄遣いをしてしまいそう(笑)。。。ということで、一般登山道で安寺沢へ降りて奥多摩駅とします。

 一般登山道といっても、地形図で見ればわかるとおり、急傾斜がずっと続きますので、気は抜けません。鳩ノ巣駅からの半分以下の距離で標高差600m以上を降りて林道に降り立つわけですから、緩やかな傾斜はほとんどありません。下っていくとさっそく登ってくる人に会います。お二人ともきつそうな表情です。

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 こちらも花折戸尾根後半と同様、ヤマツツジがすごいです↑。本仁田山てこんなにヤマツツジが咲いているとは知りませんでした。しかし花折戸尾根同様、ツツジは上部だけで、すぐに植林帯となります。1000mを切ってくると傾斜はいっそう厳しいものとなり、登ってきた某私立中学登山部の男子生徒たちはさすがにきつそうな表情でした。

 高度を順調に下げて35分ほどで817m地点手前の尾根を右手にはずれる地点に着きました。817方向にはロープが張られ「通行止 登山道ではありません」の立て札まであります。この先は尾根をはずれて目茶苦茶な急傾斜を降りるのがわかっているので、足休めをしておきます。陽が差してきて少し暑くなっていたので水分も補給。

 ジグザグを切りながら尾根をはずれた道はぐんぐん高度を落としていきます。たまに振り返って上を見上げると、尾根は遙か上。この道は登りにとればさぞかしキツイことでしょう。おそらく同じ本仁田山を登っても、奥多摩駅から登った人と鳩ノ巣駅から登った人では、本仁田山という山の印象は随分異なるのではないかと思います。 

 「滑落注意!」の表示からまもなくで里が見えて、更に下れば、乳房観音の指導標があったので、無事下山のお礼にお参りしてみました。乳房観音の先には安寺沢の左岸沿いに踏み跡が上がっていましたが、あれが地形図の1075(平石山)に突き上げる沢沿いの破線路なのでしょうか…?

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(乳房観音)

 もちろん沢沿いの径には入らず、戻って安寺沢の集落へ。集落にはヘビイチゴ(?)がもう実を付けていて春は終わってしまったのだと今更ながら気づいて、あとはすっかり夏の陽差しとなった舗装道路を奥多摩駅まで歩いて、14時前の電車で帰途につきました。

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コメント

こんにちは
本仁田山、電車バス派にはちょっと取り付き(下り口)が不便ですよね?
下りの急傾斜がしんどかったの思い出しました。
ヤマツツジきれいですね♪
で、たくさん咲いていた白い花ですが
たぶん「マルバウツギ」ではないかしら?
マルバというのはただの「ウツギ」の葉より丸いということで
まん丸なわけではないそうですが。

投稿: pallet | 2013.06.05 17:51

 palletさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

 白いお花の名前、教えていただき感謝です。マルバウツギ、名前は聞いたことがあるのですが、これでしたか。。。聞いたことのある名前は沢山あっても、それが、いつ頃、どんな色のどんな形のお花を付けるのか、なかなか覚えられませんのです。。。こうしてひとつひとつ気に掛かったお花の名前を丹念に覚えていくしかないですね。

 葉っぱは、例のマルバアオダモもまん丸ではないですから、マルバと言っても円形ということではないのでしょうね。

 ヤマツツジは全然知らなかったので、私も行ってみて、わ!こんなに咲いてるんだ!とビックリでした。

 本仁田山の奥多摩駅ルートは、登りだとあの長い車道歩きでゲンナリしている所へ、あの急登ですから、あっちから登るのは、チョットね(笑)。今回下ってみて、ここは間違っても登るまいと心に決めました(下りでもしんどいですけど…)。

投稿: ゴン太 | 2013.06.05 20:18

ゴン太さん、こんばんは。

小生も本仁田山には悪いのですが、「半日用」の山にさせてもらっています。4月に妙指尾根を登りに取った時、標高830m付近に「安寺沢方面」と書かれた小さな私製道標がありましたが、これを下れば安寺沢沿いの踏み跡に降りるのかなぁとレポを読んで思いました。

土曜日は連行峰辺りを歩いていましたが、やはりヤマツツジとマルバウツギが沢山咲いていて、ヤマツツジはレポにあるように、木により微妙に色合いが違うので、やはり不思議に思っていました。

投稿: AKIO | 2013.06.05 20:41

 AKIOさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。

 本仁田山は、私もお寝坊用&電車遅延時用としてスタンバイしてもらっていたのですが、今回歩いてみて、思ったよりいい山だなぁ、という印象を持ち、AKIOさんの歩かれた妙指尾根や平石尾根、ゴンザス尾根などまだ歩いていないルートを組み合わせて、今後も歩いてみたいなと思うようになりました。

 妙指尾根のその私製指導標の安寺沢方面というのは、ちょうど830mあたりで真南に分岐しているもうひとつの尾根(626ピークのある尾根)を意味しているような気もします。
 乳房観音の径は明らかに左岸沿いに付いていたので、地形図の破線(安寺沢を平石尾根まで一直線に遡行)はまさにコレなんじゃないかと思ったような次第なのです。
 ただ、松浦本の妙指尾根の記事でも平石尾根の記事でも、この破線のことにはふれられていないので、ひょっとすると事実上廃道なのかも知れません。もし、生きているとしたら、稜線(1075の東鞍部)にその痕跡があるはずで、次回、平石尾根を歩く機会があれば、ちょっと付近を捜索してみようと思っています。

投稿: ゴン太 | 2013.06.05 21:59

安寺沢から本仁田-平石山鞍部に至る、昔の地形図の破線の道(今も記載されているどうかは知らない)は、崩壊により随分前に廃道です。20年ほど前に遺体も見つからない遭難事故もあり、数年前にその遺品かも知れないものが出たとかいうニュースを聞いた気がします。私の知り合いの「奥多摩大好き」の管理人さんが大分前にチャレンジして、入ってはいけないという結論を出していました。安全なところまで偵察に行くのは構いませんが、バリはやってもリスク承知のチャレンジャーではない我々には無縁の場所。その後整備されたのなら別ですが、特に下りに取るのは自殺行為のようです。霊も呼んでいるとか…。

投稿: hillwalker | 2013.06.07 12:16

 hillwalkerさん、こんばんは。
情報どうもありがとうございます。

 やはり廃道でしたか。私の地形図「奥多摩湖」は平成7年現地調査という古いモノですので、この破線は今の地形図にはひょっとしたら載ってないかも知れませんね。

 いろいろ心配いただいてありがとうございます。

 破線を見る限りでも、辿るのは登りでも難しそうですね。右側に三箇所左側にも二箇所、いかにもオイデオイデの引きこまれやすい箇所がありますので、登りでも挑戦までする気は今のところはないです。平石尾根で偵察はせいぜい「降り口がまだ残っているかどうか」だけで、それ以上は踏み込む勇気もありませんのでご安心を。

 臆病者ですから、未知ルートに挑戦はまずしませんし、(東御殿などのように)したとしても、もう最初から半分撤退モードで挑戦なのです。

 RFのスキルアップはしたいけれど、命がけではやりません。命を落としてしまったらアップしたスキルも何の役にも立ちませんからネ。

 沢は、登りでも「2m登ったら引き返せないのが沢」とは沢登りをされる地図読みの本の著者のお言葉。。。山登りで一番大切なのは、頂上やルート制覇ではなく、元気な姿で家に戻ってくることですものね。無理をせずこれからもできるだけ安全に山歩きを楽しんでいきたいです。

投稿: ゴン太 | 2013.06.07 19:58

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