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2013.05.06

【ヤマツツジ咲く殿平から滝子山東尾根をたどる】

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(御正人のタル)

【山行日】 2013年05月03日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
京王線某駅    - 05:25 吉祥寺 (京王井の頭線)
吉祥寺   05:35 - 06:13 高尾  (中央線各駅停車)
高尾    06:14 - 06:59 初狩  (中央線各駅停車)


「歩行」
初狩駅    07:05 - 08:25 殿平
殿平     08:30 - 09:35 クラゴ山
鞍吾山    09:40 - 10:55 御正人のタル
御正人のタル 11:05 - 12:05 滝子山山頂
滝子山    12:35 - 13:00 桧平
桧平     13:05 - 13:45 最後の水場
水場     13:50 - 15:05 初狩駅


「鉄道」
初狩  15:08 - 15:14 大月 (中央線各駅停車)
大月  15:21 - 17:10 新宿 (中央線快速電車)

【地形図】  「大月」  「笹子」


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(殿平にて)


 滝子山に登るのは、12年前のGW以来。。。当時山を始めて三年目で、GWのバスは大混雑ということを学習していたので、行き帰りともバスを使わずに行ける山として、選んだのだったと思います。コースはもちろん、ガイドブック通り笹子からスミ沢経由で登って、帰りは桧平経由で初狩に下山でした。

 12年ぶりの滝子山、これまでこの山にずっと登らなかったのは、まず南稜いわゆる寂惝(ジャクショウ)尾根での死亡事故にビビって二の足を踏んでいたのと、最初に訪れたとき、頂上で食べた昼食にあたってしまったのか、途中の沢で補給した水が原因だったのか、はてまた緊張のしすぎだったのか、原因は不明ながら、下りでお腹も下り始めてしまって(笑)、大変に苦しかった記憶がありまして、近くまで行ってもなかなか立ち寄る気にはなれなかったのです。
 
 しかし、南稜はともかく、この東稜(東尾根)は、初狩駅のすぐそばにある小さな山、殿平(でんだいら)から、ずっと尾根続きで、地形図で見ても、遠くから見ても、実に魅力的な尾根、あこがれの尾根でありました。今回天気にもめぐまれ、日も長く、ボルテージも最近とみに高めになっているこのときがチャンスと、思い切って出掛けてきました。


 今回も登りのコースはいわゆるバリエーションルートで、地形図とコンパスを使って向かうべき方向を割り出すスキルが必要です。標識は数ヶ所あるものの、いわゆる指導標は殿平から先は皆無、しかも長時間の登りになります。


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(初狩駅からみた滝子山 どっしりと大きい)

 笹子駅は何度も降りていますが、初狩で降りるのは本当に久しぶり。実際この日この電車で初狩下車の登山者は私一人だけ。子の神社までは一般登山道と同じで舗装道路歩き。山麓の集落の方たちに挨拶して子神社(ねのじんじゃ)で安全祈願後、指導標に従って殿平に向かいます。
 
 最初は植林の薄暗い径ですが、ヒトリシズカなどが咲く径を登っていくと自然林が優勢となって明るい雰囲気になります。新緑が美しく、マルバアオダモの白い花が好い感じで混ざって、踏み跡もしっかりしていますし、この殿平だけなら朝寝坊してちょこっと歩く山としてもいいのではと思います。百反刈山を過ぎると、ヤマツツジが美しく新緑に彩りを与えて、なかなか好い雰囲気です。神社から1時間弱で殿平到着。三角点と大月市の標識もあります。

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(殿平への径は自然林豊かな明るい径)

 殿平を後に北西に向かいます。北東方向の尾根にも踏み跡がありますので間違えないようにしなければいけません。倒木が現れ、ややヤブっぽい径になります。尾根は磁北方向へ向きを変え、高度があまり上がらないまま目の前にクラゴ山らしい山がそびえるように見えてきます。

 やがて登りが始まり、松浦本通り「一三七」の石標から先の登りといったら、もうバリルートの急登の直登は毎度のこととはいえ、今回のこれはとんでもない登りです。軍手をはめ両手両足を使って登っていきますが、休み休み呼吸を整えては登り、また整えては登りで、とても一気に登れるモノではありません。登り切ったところに「火の用心」の金属プレートがあり、マジックで「クラゴ」と落書きされています。

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(クラゴ山に登るまでの径はとんでもない急傾斜)

 何とか登り切った尾根を右に進むと1037.6m三角点のあるクラゴ山で、「鞍吾山1038m」のやや古い標識↑があります。殿平から一時間強経過していたので、ここでも水分補給の休憩をとります。

 休憩後、戻って西へ伸びる尾根を行きます。また高度が稼げない尾根が続きますが、それにしてはロープもある下りがあったり結構登らされたりで、平坦な尾根ではありません。赤ヒモの結びつけられたピークが1057なのでしょうか…、その先には古い地形図にはない送電鉄塔があり、岡松ノ峰らしいピークも見えて、いつかあそこらへんも歩いてみたいなと思ってしまいます(たぶんこっちよりもキツイのだろうけれど…)。

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(根元から折れた桜の木に花が咲いていた)

 送電鉄塔から、また余り高度の上がらない尾根を進むと、桜の木が折れていて、折れながらも健気に花を付けているのがいじらしい。。。 やがてまた登りが始まり、地形図で見たらわかるのですが、このコースは急登となると短区間ながら密度が濃すぎて、そこが厳しいところです。

 松浦本通り、右手からは沢の音が聞こえてきて、小ピークから今度はざらついた急傾斜をロープに掴まりながら恐る恐る下れば、そこはあの御正人のタル。上から見た時は通過にやや不安を覚えましたが、下りきってみれば恐怖感もなく渡れて、御正人のタルの少し先の安定したところで、休憩。時刻は11時前で少し小腹も空いていたので、サンドイッチとテルモスのお茶で中休止です。高度差や自分の力量から言って、お昼前に滝子山は無理そうなので、もう急ぐことはしません。

 御正人のタルから先は地形図で見るように急傾斜が長く続きます。このコースの難所とされる岩場は、この季節に天気快晴のもと登りにとる分には特に悪場という箇所もないですが、結構複雑にルートを取ります。赤テープなどに留意しつつ、一歩一歩慎重に歩を進めることが肝要です。

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 で、この近辺のイワカガミですが、たぶん、コレ↑がその葉っぱなんじゃないかと思うのですが、そうだとすればかなりの群生です。もちろん、この高度でこの季節ですから、花はまだ。でも咲き揃ったらさぞ綺麗なんでしょうね。葉っぱを踏まないように気をつけながら登っていきました。

 岩場を通過しても急傾斜は続きます。最後の100mぐらいは確かに少し傾斜が緩みますが、それでも結構な傾斜で、ここまで長い道のりを歩いてきた足にはしんどい登りで簡単には山頂を明け渡してはくれません。人の声がようやく聞こえてきて、何とか足を持ち上げ続けていくと、滝子山の三角点に辿り着き、そこには大月市の指導標で来た方向を「この先岩場危険」と表示しています。時刻は12時ちょっとだけ前、ここでお昼の大休止にする訳にもいかないので、目の前にある滝子山山頂へ重い足取りで登っていきます。

 山頂はとても良い展望地。三ツ峠の上にあるはずの富士山は生憎分厚い雲に覆われて見えませんが、反対側の南大菩薩連嶺などの展望は良好で、ここでお昼ごはんにしました。

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(山頂はなかなか眺めはいい)

 お昼ごはんを済ませたら、下山です。松浦本ではこのあと浜立尾根を下ったりしていますが、今日は五時間の登りで疲れているし、このところ、下山後のビールにありつけていないので、来る時に寄ったコンビニ目指して一般登山道で桧平から藤沢に戻って初狩駅へのコースにします。前回お腹が痛くなった径です(笑)。

 桧平への径は自然林の尾根でミツバツツジなど咲き残っている尾根を下っていくと、男坂女坂に別れて桜咲く桧平へ着きます。桧平で足休めに水分補給して更に下っていくと、エアリアで「尾根をはずす」と書かれた地点に指導標があり、尾根通しの方角にも「初狩駅」とあり、マジック書きで「90分(立河原)」と追記されています。少々興味がわきましたが、地形図を見ると降りたところはかえって初狩の駅から遠くなるようなので、12年前と同じ左手に尾根をはずれる藤沢への径を選択。ときおりブナなども混じる植林帯の径をぐんぐんと高度を落としていきます。

 下り疲れたあたりにちょうど最後の水場と書かれたベンチのある場所があったので、ここでも一休み入れて、更に高度を落とし沢沿いの径になります。下部はなかなか新緑が綺麗です。幸い今日はお腹は痛くありません(笑)。随分昔のあやふやな記憶なのですが、たしか12年前もあったと思われる橋を渡ってしばらくで登山口になり、舗装路をずんずんと下っていけば、朝来た子神社です。無事登下山のお礼にお参りしてから、藤沢の集落を下っていきます。と前方に上部は雲に覆われているものの、おおきな富士山が姿を現していました。
 
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 富士を眺めながら、この集落の元の名前は藤沢ではなく富士沢(富士見沢)なのだろうと思いました。実際それを裏付けるような表示↑もあって、やっぱりそうかそうか、と頷きながら下っていくと、しかし右手の斜面に見事な藤の花の群落があったりして、う~ん、両方かも知れない(笑)などとテキトーな解釈をしながら初狩駅へ。

 駅前のコンビニでビールを仕入れて駅に行ってみると、ちょうど下り列車が来るというアナウンス。待つほどもなくホームに滑り込んできた電車に乗り込み帰途につきました。

 

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コメント

ゴン太さん、こんにちは。

滝子山は12年ぶりですか。このあたりゴン太さんはよく行かれていたようなイメージがありましたが、滝子山だけは歩いていなかったのですね。

殿平からの登りは長いですね。御正人のタルから先も登りが続きますし。もうちょっと後だったら岩鏡がたくさん咲いていたでしょうね。

しかし、あの挨拶街道の看板、随分壊れてしまったのですか。単純に台風などのせいなのかな。

P.S.吹切尾根を登りに取っちゃうなんて、さすがゴン太さんですね。考えもしなかったです。

投稿: リブル | 2013.05.13 20:52

 リブルさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。

 やっぱりね、滝子山行くとまたお腹痛くなっちゃうような気がしちゃって(笑)、笹一の時でも、なんだかんだで、滝子山は寄れても寄らなかったりして(笑)。。。

 でも、そんなこと言ってたら、いつまでたっても歩けないですから、富士山じゃあるまいし、いつまでも眺めるだけの山では寂しすぎるよ、と今回思い切って実行に移してみました。
 とりわけ御正人のタルに行ってみたかったんです(恐がりのくせに…)。

 桧平のコースを下りながら、もしまたお腹が痛くなっちゃったら、この尾根は「滝子山 腹下り尾根」と名付けてしまおう、とか、ふざけたことを考えながら降りていきました。

 吹切尾根、登りにとったのは、タクシー代が高いというのもあったのだけれど、やっぱりバリコースの下りは支尾根に迷い込むのが怖くて、登りの方がある意味気が楽なんです。でもやる前は、こういうコトあまりやる人いないだろうな~なんてニタニタしながらプラン練っていました(笑)。

投稿: ゴン太 | 2013.05.13 21:33

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