【恵能野川を彷徨い南大菩薩連嶺へ その2】 山バス情報120
(縦走路:標高1500m~1600mは芽吹いたばかりの新緑がきれい)
休憩らしい休憩は尾根の末端からとっていなかったこともあって、縦走路に出てからは足が上がらずスピードアップできません。稜線も既に芽吹いて新緑が楽しめるのと、もうRFする必要がないので気は楽ですが、高度をゆっくりと上げる稜線にこちらの足がついていかない感じです。目の前のピークは1567で大谷ヶ丸でないことはあきらかでありながら、遠く感じて思い通り足が運べずもどかしい…。
1567を越えてから一旦下って登り返すあたりで前方を歩く人がいることに気づき、慌てて鈴をポケットにしまい挨拶。登り返しが結構こたえて、「もう今日は大谷ヶ丸から縦走はやめて、米背負沢経由で下ろう、疲れたヨ」と独り言を言いながら、大谷ヶ丸への最後の登りをこなし、三角点の近くでお昼にしました。前回大谷ヶ丸西尾根を登った時、次回ランチは北峰でと考えていたのですが、北峰まで移動する気力はまったく残っていませんでした(笑)。
幸い山頂は誰もおらず、シートを広げてランチタイム。足は疲れているのに今日はあまりお腹が空きませんでしたが、食べてみるとだいぶ元気が出てきました。エアリアのコースタイムを見ながらこれから先の進路を思案。。。コースタイム通り行ければ、大蔵高丸3時としても、陽が落ちる前、4時には余裕で林道に降りられます。明日は日曜だし、ひとつ行ってみることにしようか…と。逆に歩いた時の記憶では、ハマイバ丸から大蔵高丸はほとんど平坦な気持ちの好い草原だったし、ハマイバ丸までだって開放感のある素敵な尾根だった。。。ここまで来てあの闊達な尾根を歩かない手はない。。。でも今日は道間違いをしたりして疲れているからなぁ、やっぱ素直に降りてお風呂入っちゃうか(笑)…ん~どうしよ、とりあえず米背負峠まで下ってから考えるか…
そんなことを考えていると、若い男子二人が登ってきて、記念写真を撮って欲しいと頼まれ、慣れないスマホ操作にどぎまぎしながら撮影。シートを畳んでまずは米背負い峠への下り。。。しかししかし、こんなに下ってしまって、こりゃ相当登り返しきついぞ…と、後ろから先ほどの男子二人が降りてきたので道を譲って先に行ってもらいます。
米背負峠で、米背負沢を下っていく二人を見て、なぜか完全に大蔵高丸へと気持ちが固まりました(笑)。来週末はまた文楽の予定で、山には出掛けられないし、いっちゃえいっちゃえ! しかし、100m下ってからの登り返しはやっぱりしんどい。しかも前方のピークは1626mしかなく、あそこまで登ってもまだ大谷ヶ丸からたった今手放した高度を回復できないのですから、そう考えるとさすがに気が重い(笑)。ようやく登りついた1626m峰には大きな石があってその裏に「天下石山頂」の表示。ああ、そういえば、そんな場所があったけれど、1626m峰だったのか…。
天下石から、また下って高度を落とし、やや左に尾根が曲がると、径が草原状になって、いよいよあの素敵な稜線歩きの始まりです。目の前に見える偽ピークの先に1648m峰があるはずで、そこまで行ってやっと大谷ヶ丸とほぼ同じ高度に復帰というのがいかにもアレ(笑)ですが、これだけ開放的な尾根もそうそうなく、殊に今は芽吹き始めたばかりの稜線ですから楽しんで歩くことにします。。。と登り始めて左手に、ああ、なんと、うっすらとですが、南アルプスが甲斐駒から聖までぜ~んぶ見えちゃってます。。。これは全然期待していなかったので、嬉しい誤算。カメラには収まらないだろうな~と思いつつも何度か撮影を試みてしまいます(実際カメラには捉えられませんでした)。
そして、高度を上げてふと後ろを振り返ると…今日は百パーセントお目にかかれないと思っていた富士山が、三ツ峠の上にぽっかりと浮かんでいます。こちらも何回か撮影してみたのですが、なんとかその面影が残る写真が一枚だけ…。
冬の大展望でクッキリはっきり見える富士山や南アルプスも素敵ですけど、こういう春霞に浮かんだ高山の姿も好いものですね。大蔵高丸へは過去三回ほど登りましたが、一度も富士山を拝んだことが無く、うっすらとはいえ、今回初めてここからの富士山を目にすることが出来ました。
やっぱり、米背負峠から下りなくて正解だった、ホント登ってきて良かった、と展望を励みに最後の登りをこなしてハマイバ丸。大谷ヶ丸を出てからちょうど1時間ほどだったので、誰もいない山頂で水分補給がてら休憩。ハマイバ丸から大蔵高丸はほとんどアップダウンもない広々した草原歩きです。時間も十分あるので、もうここからはゆっくりのんびり歩くことに…。通路用ロープがあり、昔はこんなものもなくて、ほんとありのままの草原だったことを思い出します。
ロープの両サイドはまだほとんど花はなくて、カヤトや笹ばかりですが、これから暑くなるに従ってここら辺も色とりどりの夏のお花が咲いてくるのでしょうね。この日はオオカメノキの白い花↑が目につきました。ほかに気づいた範囲ではワチガイソウ フデリンドウ。大蔵高丸はさすがにこの時間では誰もいなくて、名残を惜しむ意味で石に腰掛けてボーッとしてました。
時刻は2時半前。今からゆっくり下れば、林道歩きもつらくないでしょう。あのまま米背負い沢を下っていたら、林道歩きで炙られたうえ、帰りのラッシュで交通機関も混雑して大変なことになっていたでしょう。。。懐かしい湯ノ沢峠へ下ります。下っていくと鹿よけの柵があったりして、昔とは随分変わってしまった感じがします。鹿柵の扉を閉めて進むとイチリンソウが咲いていました。湯ノ沢峠への下りで登ってくる人に結構出会ったのにはちょっとビックリ…。
峠から一瞬湯ノ沢沿いの素敵な径にも気持ちが動きましたが、バスの時間を調整する温泉がある焼山沢林道への径を選びます。今日は沢山汗をかいたし、なによりビールが飲みてー(笑)ので。。。避難小屋の方へ下っていくと、栄和交通のタクシー運転手さんが黒岳からのお客さん待ちだったので、ちょっと立ち話。小屋を覗くとザックが二つ。ここに泊まる人たちのでしょう…下っていくと水場で二人男性が水を汲んでいたので挨拶すると、やはりお泊まりの方でした。
焼山沢沿いの径は以前かずさんとhillwalkerさんと三人でタクシー相乗りした時に登ったことのある径で、すぐに終わると記憶していたのですが、下ってみると、疲れていたせいか、こんなに長かったっけ…という感じでした。ニリンソウ、(ヨゴレ?)ネコノメソウなどが咲いていました。
林道歩きになるとさすがに足が疲れてきたこともあって、はかどりません。途中「田野 初鹿野駅 に至る」の割れた指導標を発見したり、廃村となった焼山集落の廃屋を見たりして、その昔、ここを夜中に歩いて「鞠を持った少女が現れそうで怖い」と書かれたFYAMAのレポを思い出し、まだこの季節の明るいうちだから林道歩きもいいけれど、冬とか、日が暮れてからだとやっぱヤだよなと(笑)…。
竜天宮を過ぎ、キャンプ場を過ぎると立派な舗装道路とぶつかって、やまと天目山温泉です。時刻は16時半ですが、栄和交通の臨時バスがスタンバイ。まぁ、17:12と18:27に市営バスもあるし、温泉に浸かることにします。と温泉入口で、峠で立ち話をしたタクシー運転手さんとバッタリ。お客さんを温泉までちゃんとお送りするのですね。17時の市営バスで帰るというと、18時のにして、ゆっくりごはんでも食べていきなよとのアドバイス。。。でもここの食堂って17:00ラストオーダーなんですよね。
結局夕食は食べずにビールだけ飲んで17時半の栄和交通臨時バスで帰ったのですが、今は「やまと天目山温泉」でバスの臨時の案内も館内放送でアナウンス入れてくれるのですね! この日乗った臨時便も立ち客が出るほどの盛況。。。いやあ栄和交通さん、あの上日川峠バス通してくれただけでも大感謝なのですが、こんなきめ細かいサービスも忘れずにしてくれるなんて、ほんと今後のますますの発展を願ってやみませんです♪
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