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2013.04.17

【カタクリを見に…武川岳から大持山・小持山・高ワラビ尾根 その2】 山バス情報117

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(高ワラビ尾根920m付近で…こちらでもカタクリが楽しめた)

※いちおうお断りしておきます。 こちらの記事のルートは一般登山道と違い指導標一切無し&地形図とコンパスを使って地形を判断できる方のみのコースです。
さらに付け加えますと、バリエーションルートの下りは登りに比べ数段難しいものですので、経験者でも最初は登りにとって歩く方がよいと思います。

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(高ワラビ尾根伐採地より武甲山)

 武士平分岐を後に、高ワラビ尾根を更に先に進みます。松浦本『バリエーションルートを楽しむ』の通り、北ではなく北西に進路を取りますが、のっけからものすごい急下りです。「すぐの岩場は右を巻いて…」とありますが、巻いた後の急傾斜のスゴさといったら半端ではなくて、降りると言うよりずりおちていくといった方がいいぐらい。私も行政側の人間であれば、進入禁止にするだろうな、という感想です。いちおう踏み跡はジグザグ切ってくれていますが、グズグズで踏ん張りがほとんど効かないです。

 で、その次の小ピークからの下りも、松浦本通り、短いけれどやたらに急です。このあたりだともう1000m台なので、松浦本にも記載があるアカヤシオがひょっとして開花しているかもとの期待もあって、尾根末端挑戦に傾いたのですが、残念ながらどれもまだ蕾で、開花したものはひとつもありませんでした。日当たりも余り好くない場所のようでしたし、北西斜面と言うこともあるのでしょうか、標高だけで花の咲き具合は決まらないのではないかと思いました。

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(尾根が右に直角に曲がる地点では左手に入り込まないように倒木で通せんぼ)

 尾根に忠実に下っていきます。「1055の先で尾根は右に直角に曲がる」のところでは、間違って南西の尾根に入り込まないように倒木を数本使って通せんぼしています↑。右に直角に曲がった尾根に入るとすぐに左手に秩父さくら湖の青緑色の湖水が見えます。
 直角に曲がった尾根に入って十数分ほど、伐採地の手前にカタクリの花が群落とまでは言わないまでも結構な数咲いていてくれて、嬉しくて写真に収めます。伐採地からの武甲山、確かに堂々とした山容ですが、個人的には、小持山から見た姿の方が好きです。

 その先の岩尾根は松浦本通りワイヤーが放置されたままですが、更に先の850へと下って地形が多少広がっても解りにくいことはなく、尾根に忠実に下っていきます。785への登り返しあたりになると、だんだん疲れが出てきて、倒木が指導標に見えたり、ただの石が石仏に見えたりと、こりゃちょっとやばいなぁ、と感じます。こんなところに指導標なんてあるはずもないのに(笑)。

 785への登りで、あれ、あの色はもしかしてお姫様(アカヤシオ)?と思ったのですが、近づいてみるとミツバツツジ。しかも、785とばかり思っていたピークはその手前の偽ピークだったりして、このあたりは結構肉体的にも精神的にも厳しかったです。プロトレックの高度表示とも照合して、今度こそ間違いなく着いた785ピーク。武士平分岐から既に1時間以上経過していたので、ここで少しゆっくりします。

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(「お姫様」かと見間違えてしまった)

 松浦本記載のコースタイムですと、ここから30分ほどで三角点のある城山、城山から40分で県道に降りられる=一時間強でこの尾根下りも終わる計算ですが、松浦本のガイドによれば城山から先が結構難しそうな感じです。まだまだ、というより、ここから今まで以上に気を引き締めていかなければ、と肝に銘じて、水筒の水で喉を潤し、気合いを入れ直します。

 785ピークから城山は尾根をはずさないように気をつけていけば、特別難しいところはありません。左下に見える秩父さくら湖がさきほどより近くに見えるようになって、さぁ、また登り返しです。もうここら辺は、足が上がらなくなってきて、ホント間隔があいた後のロングコースはそれでなくても厳しいのに、下りのバリエーションルートとなるとメンタルの部分でも厳しいので、かなり消耗します。えぃ、くそ、これが今日最後の登りだ、がんばれゴン太!と自分で自分を励ましながら、なんとかかんとか三角点のある城山へ身体を運び上げました。

 城山には三角点の他は赤というか、赤茶色のプレートがあるだけ。。。しかし、考えてみれば、武士平分岐からここまで標識はゼロ、ちょっとだけホッと一息。

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 さて、最後の難しそうな箇所に、これから挑みます。三角点からまず北東方向に進むと尾根上になっているので、下っていくと、すぐといっていいところ左手(北方向)に深く抉れた落ち葉ズルズルの結構急な尾根が続いていきますので、転ばないようにこの急な尾根を降りていきます。この急な尾根を下りきると、傾斜が弛みほぼ平坦に近い北に延びる尾根に自然に乗れます。これが松浦本の言う「550メートルの北に細く突き出た尾根」で、ああ、難しいところを何とかクリアできたと一安心。あとは、尾根をたどって370メートルの鞍部まで尾根下りだから…と、やはり気が抜けていたのでしょう。すぐ先で(あとから考えればボーンヘッドと云っていいぐらいの)道間違いをおかしてしまいました。

 よい子の皆さんは、これを読んでいるはずはないので、悪い子の皆さんは、1/25000地形図「秩父」といういたずら道具をひっぱり出してきてください。高ワラビ尾根の末端部、城山(705.5三角点)のほぼ真北、550に細く突き出た尾根があります。この尾根をたどると、550から530にかけて左(北西)に曲がる感じになっていると思います。私が道間違いをしたのはちょうど530地点です。
 実際は530地点にいるのに、まだ550地点の先っちょにいるものだと思い込んでいた私は、「ここで左に曲がる」と呪文のように唱えながら、530から西へ延びる(というか落ちる)尾根に入り込もうとしたのです。

 実際踏み跡もありましたので、私と同じ勘違いをした人が他にもいたのかも知れませんが、幸いにも、わりと早く間違いに気づきました。地形図と照合してもあまりに急傾斜過ぎるし、10数メートル下ってみたところで、下の県道を走る車の音がヤケに大きくなったので、地形図とコンパスでにらめっこして、すぐに、「自分がどう間違ったのか」認識できました。

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(間違えて入り込みそうになった尾根 この梯子の残骸を見かけたらバツ「×」です)

 「あ~馬鹿だバカだ、ただでさえ疲れてるのに余計な体力を浪費しちゃって、ほんとアホ…」と実際声に出して(笑)呟きながら、登り返して、無事北北西に延びる尾根に乗って、疲れた足を引き摺りながら370mの鞍部へとぼとぼ下っていきます。。。

 鞍部に到着。「右下に壊れたトタン造りの小屋跡」??? はて、そんなものは見あたらないな… しかし良~く見ると、ああ、なるほど、この残骸か…というほどのトタンの破片が見付かりました。左手には赤テープが巻かれた木がありますが、踏み跡と言うほどのものもなく、まぁ足跡みたいなものはあるにはあります。しかし、その鞍部からすでに県道はすぐそこに見えているので、転ばないようにゆっくりと下っていくと階段があって、無事県道に降り立つことができました。
 
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(高ワラビ尾根末端の取り付きはここ)

 県道に降りたのは16時15分頃。あの橋を渡って、そこから15分で浦山口駅か…。この疲れ切った足で、16:38発の直通池袋行きに間に合うだろうか…、もう無事降りられたから次の電車でもいいか…、ああそれにしても疲れた。早くビール飲みてーっ! 歩くのめんどくさいなぁ…などと考えながら橋立橋をフラフラ歩いていると。後ろから聞き覚えのあるオルゴール!!!

 そうです、16時浦山大日堂発の「ぬくもり号」です。ピンク色の可愛いライトバンが目に映じた瞬間、もうほとんど反射的に右手を挙げていました。まるでタクシーでも拾うみたいに乗車。自由乗降の乗車ってひょっとして初めてかも…、と思いながら、開けてくれた扉から乗り込みます。先客がお一人でこの便の乗客は二人だけ。西武秩父駅入口で下車して帰途につきました。
 
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(秩父市営バスぬくもり号の後ろ姿)


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コメント

実はこの日、私も名郷発を考えていたのです。狙いはアカとウチワです。でも1番バスに乗る気力も、妻坂峠から西や北に行く体力もなく、せいぜい蕨山から河又もしくは途中の藤棚山付近から東に延びる尾根で小殿に降りるかと思っていましたが、結局高尾に行ってしまった。
高ワラビ尾根も気になってはいましたし、ぬくもり号になってから、まだ乗ってない! 高尾じじいになりつつありますが、コースを変え、季節を変えると、高尾だけでも結構忙しいのですよ。間に芝居ではなく、私の場合ラグビー見物なんてのもあるもんですから。

投稿: hillwalker | 2013.04.17 16:45

  hillwalkerさん、こんばんは。
hillwalkerさんとももう随分お会いしていないので、どこかでバッタリ会ってもお互い気がつかないかも知れませんね。以前、あのガラガラの月夜野行きで、かずさんと同じバスなのに全然気がつかなかったりしたこともありますから。。。

 私も飯能まで出るのって、確かにちょっと気合いというか、気力が要ります。西武線に乗ってしまえば何でもないのですけれど、乗るまでがちょっと億劫。

 でも、前の記事のコメントにも書きましたけれど、名郷行きは、一番バス逃しても、二番バスが30分後にありますから、今度は、存続のためにも(笑)ご利用されてください。

 高尾は、私、冬ばかりなのですが、ほんとはこの季節が一番素敵なんですよね。。。もう少し時間に余裕があれば春も歩いてみたいのですけど。。。やっぱりカタクリやアカヤシオで近くて安いところというと奥武蔵になっちゃいます。

 ぬくもり号になってから、私は実は初めて乗りました。でも、あの秩父鉄道バスと車両は同じです。スピーカーが前についているのも同じだし、スピーカーから流れるオルゴールも同じ。多分あの頃の車両をピンク色に塗っているだけです(笑)。運賃だけは市営になって安くなりましたから嬉しいです。

 そうそう、私、実は、ラグビーはほとんどルールも解っていないのですが、アメフト(NFL)が異常に好きなんですよ。アメリカとアメリカ人は大嫌いなんですけど(笑)。。。

投稿: ゴン太 | 2013.04.17 19:36

ゴン太さん、こんばんは。

今年の花はすべて早目のようですが、アカヤシオは残念でしたね。小生は昨年の4月30日に高ワラビ尾根を登りました。結構咲いていましたが、小持山あたりはまだツボミもありました。カタクリは 1055 の手前辺りから武甲山合流辺りまでの雑木林(北側)で沢山見かけました。アカヤシオは少し早目、カタクリは少し遅めといった感じでした。

「ぬくもり号」は小生も好きなバスです。毎月変る童謡も良いですが、なんといってもジャンボタクシーのような雰囲気が良いですね。大日堂から西武秩父まで300円で貸切も何回かありました。

投稿: AKIO | 2013.04.17 20:20

こんばんは
ちょっとだけ悪いこなので、地図を片手にレポ拝見しました。
もちろんこんなバリルートを行こうなどとはこれっぽっちも思いませんが(^^ゞ
それにしても電車やバスの存続が気になる奥武蔵。
この春は久しぶりにどこかへ行かなくちゃと思っています。
「ぬくもり号」可愛いですね♪

投稿: pallet | 2013.04.17 21:29

 AKIOさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます。

 高ワラビ尾根、登りにとるとかなり長いですよね。今回下ってみて思ったのですが、私の足だと、朝相当早く(8時前に)浦山口を出ても、お昼前に小持山は無理な気がしました。

  カタクリですが、1055 の手前辺りから武甲山合流辺り、確かに葉っぱは結構あったように思うのですが、花をつけているものは少なかったように思いました。記事中にもありますように、伐採地の手前あたりが今回(高ワラビ尾根では)一番沢山咲いていました。

 アカヤシオ姫は、芝居にうつつを抜かして、もう2年以上もご無沙汰した罰があたった(笑)のかも知れません。咲き残りでいいからGW前半あたりで何とかお目にかかれないかなと願っている次第です。

 ぬくもり号、毎月曲が替わるのですか!全然気づいていませんでした。朝の便復活のためにも、これからは毎月乗るようにしないといけませんかね(笑)。ほんと、あのライトバンバスの雰囲気は何とも言えず好きです。300円とお値段もリーズナブルで、私も愛用したいものです。


投稿: ゴン太 | 2013.04.17 21:30

 palletさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます。

 バリルートですが、しっかり道間違いしてますから、ほんとお恥ずかしい限り。。。訓練してもう少しスマートに歩けるようになりたいものです。

 ぬくもり号、かわいらしいですよね。昔、秩父鉄道バスだった頃は、白っぽくて、いかにも田舎のローカルバスっていう感じで、それも良かったのですけれど、ピンクのイラスト入りで、これなら女性登山者も「一度乗ってみたい」と思われる?かも。

 ただ、昔あった朝早い便が今はなくて、山の帰りにしか利用できないのが残念なところです。それでも、土日は走ってなかったのが、走ってくれるようになって、これでも状況は少し良くなったのです。

 飯能-名郷のバスもそうですけれど、やっぱり私たちバス派が利用することで、存続を支えていくしかないですね。
 

投稿: ゴン太 | 2013.04.17 21:53

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