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2013.02.18

【大山へ 秦野駅から登る アホ… その2】 山バス情報114

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(ヤビツ峠に降りる途中…登ってきた尾根が見える)

 蓑毛越のベンチでザックからオニギリを取り出そうとしているところへ、気持ちの好い笑顔でこんにちはと挨拶をくれた男性登山者。鶴巻温泉からほぼ同じコースを歩いてこられたそうで、いろいろお話をしながら二人で昼食となりました。
 
 毎年のように大山へ参拝に来ているのだけれど、今年は雪が多くてまだ大山の山頂は踏んでいないとのこと。今日も雪が多そうなのでアイゼンを携行していない彼は下社にだけ寄って男坂を下るつもりとのお話。話が弾んでいるところへ大山から下山して南尾根を下るという二人組も話に加わり、上はたいした積雪ではないのでアイゼンもほとんど要らないぐらいとのこと。しかし、結局アイゼンを持たない彼は下社へ向かい、私一人がベンチに残って、大山に登るかどうか思案。。。

 結論は、アイゼンも携行しているし、膝の調子もまだ大丈夫そう。。。天候もまずまずだし、事故の無いように気を引き締めて行ってみよう。膝が痛くなったら、最悪ケーブルで下山しても好いから、とにかく行ってみようかということになりました。

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(大山山頂からの富士 だいぶ雲に覆われてしまった)

 ここからは標高差約600m。急傾斜の道が続くはず。だいたい2時間ぐらいと見て、高度計の表示が1000mの前後でどこか休憩を取れる場所があるといいなという感じで登っていきます。最初の急斜面をこなし、またまた首の切られた石仏が並ぶあたりから雪が現れ始めますがまだアイゼンは全く不要です。女人禁制の碑を見て下社からの径を併せると再び傾斜がきつくなり雪も目立ち始めます。アイゼンを付けるほどでもないけれど雪も気になる、というぐらい。

 プロトレックの高度表示が1000mを表示してまもなく十六丁目のベンチのある展望地に出たので、ありがたく一休みいれます。下社からのもうひとつの径が合わさるところです。あとから考えるとここでアイゼンをつけて出発すべきでしたが、周りの人も先ほどの二人もアイゼンは要らないだろうという話だったので、私もついつい付けずに出発してしまいました。

 十六丁目から先もかなりの急傾斜が続きましたが、バテることもなく、逆に気分は高揚してきて、ペースがどんどん上がって行くのが自分でも判ります。予定していた一時半過ぎより早く山頂に到着できそうと判ると、ぐんぐんと高度を稼いでいく感じで登っていきます。
 しかし、やはり雪が固まって滑りやすい箇所が続くようになりました。なんとか、転倒せずに登り切りましたが、この日の感じでは、やはり高度にして1000mから上は登りでも「要アイゼン」でした。下りは絶対アイゼンを付けなければ…、と心に決めながら、急傾斜をこなしていくとヤビツ峠からの径を併せ二十五丁目。もう頂上はすぐそこと、かわいらしい雪だるまの写真を撮るだけで上を目指します。

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 滑りやすい斜面が続き、上からスニーカーで降りてくる人たちに道を譲ったりもしましたが(笑)、休憩はせずに登っていきます。やがて鳥居が見え、くぐって更に雪の階段を上がれば山頂です。。。ああ、ついにやってしまった。。。というか「やればできるもんだな」というのが感想。

 山頂は、この時期の丹沢独特の「丹沢山塊には黒い雲がかかっているけれど、下界は青空の下で晴れているのが判る」という例のあの状態です。富士山も生藤山の時同様半分ほど雲がかかっています。陽差しがないので、じっとしていると寒い。けれど、この山頂のために残してあったオニギリが食べたいので(笑)、座るところを見付けるや、お湯を沸かしプチランチタイムとします。

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 かじかんだ手でおにぎりを頬ばり、お茶を飲んだら、ストックとアイゼンの用意をして、さぁ下山です。アイゼンとストックで、下りは快調です。膝の調子も好いようなので、少し時間はかかりますが、予定通りイタツミ尾根、ヤビツ峠経由で蓑毛に降りることにします。

 順調に下っていき、まもなくヤビツ峠への分岐というところで、下り渋滞が発生。どうやらアイゼンの用意がない数人のグループが滑ってなかなか前へ行けないようでした。まぁ、ここは半ば観光地みたいなところですから、こういうことはありがちなのかも知れませんが、下には写真のような掲示↓がされていたでしょうから、アイゼンを使うかどうかはともかく、持たずに登って他の登山者に迷惑をかけることの無いようにしてもらいたいものですね。登りの人まで(ニガ笑いしながら)待たされていました。四本爪の軽アイゼンで十分ですから、この時期山に行かれる方はザックの底に入れておきましょう。四本爪ならたいした重さじゃありませんから。。。

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 イタツミ尾根にはいるとすぐにそこは別世界。人は少ないし、展望は良いし、なにより傾斜が無理のない傾斜ですから歩いていてとても快適です。表尾根が一望でき、雲に隠れがちとはいえ富士山も見えて、ときどき立ち止まってうっとりしてしまいます。

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(イタツミ尾根からの展望 表尾根 塔ノ岳 丹沢山)

歩く人が少ないせいか雪道の状態もほど良くて。ちょっぴりスノーハイクな気分です。

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(ちょっぴりスノーハイク)

 そして表尾根の展望が無くなっても、今度は自分が歩いたあの南尾根がときどき見えるのがまた嬉しい。しかし、こうやってみると、さすがにあんな尾根を歩いて登ったりした自分は相当なアホだなと思ってしまいます。

 コースタイムより15分も余計にかかってヤビツ峠に到着。トイレを借りようと思ったのですが、凍結中で使用不可。バスも情報通り路面凍結で蓑毛止まりのお知らせがバス停に貼ってあります。アイゼンをザックに仕舞って蓑毛へ。

 ヤビツ峠から蓑毛の径は登ったことは何度かありますが、下りは初めて。だいぶ印象が違い、こんなところあったっけ、と思うことも何度かありましたが、迷いようもない径でこちらも傾斜がほどよくて、下りやすい好い径です。さすがに下り疲れて、膝もそろそろマズイかな~と不安になった頃に沢音が聞こえてきて、じきに舗装路に合流。

 16:00ちょうどのバスには間に合うだろうと思っていたのですが、少し微妙で、目の前でバスに発車されてしまうのはヤダなぁ、と少し急ぎましたが、結局バス停には10分前に到着できて、トイレに行って出てきたところで、折り返しのバスがやってきました。

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(蓑毛 バス時刻表 2013/02/16現在 クリック拡大可)

 バスに揺られながら車窓からはときどき南尾根が見えて、「やっぱアホだよな~」と呟きつつも、実はココロの底ではけっこうな充足感に満ちて帰途につきました。。。


おしまい

その1に戻る


※追記: 神奈中バス、2月22日にダイヤ変更があるようですが、これは京王線ダイヤの変更に伴うもののようで、上記の蓑毛バス停留所の時刻は変更無しのようです。


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2013.02.17

【大山へ 秦野駅から 登るアホ… その1】 山バス情報114

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(善波峠)

【山行日】 2013年02月16日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅    - 05:55 本厚木 (小田急線各駅停車)
本厚木    05:59 - 06:15 秦野  (小田急線急行)

「歩行」
秦野駅  06:30 - 07:25 権現山
権現山  07:35 - 08:40 念仏山
念仏山  08:50 - 09:40 高取山
高取山  09:55 - 11:05 蓑毛越
蓑毛越  11:35 - 12:20 十六丁目
十六丁目 12:30 - 13:05 大山
大山   13:30 - 14:45 ヤビツ峠
ヤビツ峠 14:50 - 15:50 蓑毛

「バス」
蓑毛  16:00 - 16:22 秦野駅 (神奈中バス 260円)

「鉄道」
秦野  16:32 - 小田急線某駅

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(高取山の先で…この日一番好く見えた富士山)


前回大山に鐘ヶ岳から登った時も気になっていたのです。大山から浅間山~高取山と南下して弘法山までの稜線(大山南尾根?)。でも当時はバリハイルートならともかくエアリア赤実線だけというのは面白味に欠けると生意気にも思っておりました。

 今回久しぶりに山歩きを再開して、いずれの山から見ても目立ってかっこいいなと感じたのはやっぱりこの丹沢大山。古くは船がその方向を定めるのにも使われていたというほど、この丹沢大山はどこからみても好い姿形をしています。

 ちょうど二月は毎年のように財政難で出費を極力抑えたい時期でもあり、バス代が260円、電車賃を合わせても1500円ほどの交通費で済んでしまうこのコースはうってつけです。問題は膝ですが、前回山行の生藤山で少し自信がつきましたので、浅間山まで歩いてみてダメそうならそのまま蓑毛に降りてしまえばいいや、という逃げ道も賢く用意して(笑)朝イチバンのできるだけ早い小田急線に乗り込みます。

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(日の出前に秦野駅に到着)

 この日の東京の日の出の時刻は06:27。ずっと真っ暗だった車窓も秦野駅到着頃ちょうど明るくなってきました。秦野駅から弘法山・吾妻山を経て鶴巻温泉というコースは12年前に歩いていますが、その時の記憶といったら、ちょうど春分の日で花粉がものすごく、家に帰って鼻が詰まって苦しかったことぐらいで、経路などほとんど覚えていません。渋沢丘陵の時のように里道で取り付きを間違えたりしないように、地図を片手に駅から歩き始めます。
 
 駅前の大通りを渡ったところにコンビニがあったので、少し買い物をしてから大通りを東(右)に向かいます。やがて突き当たったところ(不二家がある)を左折。信号を渡って道路の右側(万葉の湯がある方)を歩けばすぐに「弘法山公園入口」の表示があり、ここから登山道です。

 整備されすぎなぐらいに整備された、土止めの道を上がっていきます。登山道といっても、このあたりはご近所の方が犬の散歩などをしているような場所。山というか、まだ園地の雰囲気ですね。最初に浅間山の表示。といっても当然まだ679.6m峰ではなく、権現山のまえにある高台。おそらく富士山がきれいに見える場所なのでしょうが、前日の雨などもあって、見えるべき場所はたっぷりの雲があるだけ。これから時間が経つと見えてくることを期待して先へ。林道を横切り登っていくとやがて権現山。ああ、そういえばこんな建物があったっけ…夢殿のような形をした展望台があります。秦野駅から小一時間経過したのでここで小休止。

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(権現山の展望台)

 休憩後、弘法山へ向かいます。まだまだ園地という感じの道が続きます。公園らしくトイレや水道などもあり。まだ山の中に入った感じはありません。地元の方たちは快い挨拶をしてくれますが、どうも行き交う登山者やランナーの愛想は余りよい人がいないことが最近気に掛かります。。。鐘楼のある弘法山はほぼ素通りして、善波峠へ。このあたりから少し山っぽい雰囲気が出てきて、鶴巻温泉への径を分けて善波峠方面へ向かうとようやく山道らしくなり高度を下げて善波峠へ降り立ちます。峠は林道が横断しているものの、切通のような感じになっていて、御夜燈(おんやとう)や石仏もあって、それなりに雰囲気のある峠です。このあたりから盛んに「→大山」の指導標が散見され、こんな自分みたいなアホなことをやる人って結構少なくないのかな、などと考えます。

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(こんな感じのよい径もあります)

 善波峠をあとに念仏山へ。「野菊と信仰の道」と名付けられた道ですが、冬場なので野菊もわからないし、信仰といっても石仏は首を切られていたりです。ただ山道らしくはなってきて、意外に林相も良く、時に鹿柵をくぐり抜けたりしていきます。辿り着いた念仏山は先客がお一人。スタートから二時間で私も少し小腹が空いてきたので、オニギリをひとつ頂いて小休止。晴れていれば展望はよいのでしょうが、まだ朝の八時半で朝霧や黒く垂れ込めた雲で展望は楽しめません。

 念仏山からは鹿柵沿いの植林帯を行きます。左手にはゴルフ場も見えてきて、この鹿柵はゴルフ場に動物が入ってこないようにするためのものと気づきます。地形図や手もとのエアリア05年版では454のピークに登山道がついているように記されていますが、実際にはきれいに巻いてくれています。454にわざわざ登って降りてくるのは体力の消耗だな、と思っていたのでこれは大助かりです。この日初めてとも言える登りらしい登りで聖峰からの径を併せてまもなく、高取山に到着です。念仏山からちょうどまた一時間ほど経過していたし、ベンチもあるのでこの三角点ピークで休憩をいれます。

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 高取山で大山方面から降りてきた方と少しお話。道路凍結でヤビツ峠にバスが上がらないので蓑毛から下社に寄って降りてきたところで、下社からここまで雪は全くない状態とのこと。小休止の後、北に歩を進めると左手に富士山が顔を覗かせているのに気づきました。富士を目にして、頑張って大山まで行くべき!と気持ちが高まります。

 しかしながら、この日の行程で一番気持ちが萎えてしまったのはこの高取山から蓑毛越までの一時間強でした。せっかく高取山で550mまで上げた高度を手放し、手放した高度がなかなか取り戻せずに時間ばかり経過していく…、植林が増え、電波塔や林道の目立つ径は面白くありません。ついついペースオーバーになって、膝の方もちょっと気になる信号を発してきました。ときおり前方に雪を頂いた大山が姿を現すのを目にすると壁のように立ちはだかっているようにも見えて、やっぱり初心者には秦野駅から大山まで歩くなんて無理なことか、と弱気になって、「蓑毛越から降りるか…」と呟く始末。

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(白くそびえる大山… あんなところまで登っていけるのか…)


 そんな弱気な気分で歩いていたせいでしょうか、そろそろいい加減着くはずと思いながらも679.5ピーク(浅間山)をいつの間にか巻いてしまい、蓑毛越のベンチに到着してしまいました。

 時刻は11:05。日没時刻は17:25分頃だったと記憶しています。ここまで積雪はほぼゼロですし、この先の積雪もラッセルで大幅な時間を取られるようなことはないでしょうから、大山に登って降りてくる時間的余裕は十分です。お湯を沸かしここでひとまず大休止をとりながら、ゆっくり考えようか、ということで、蓑毛越えで早めのランチタイムとしました。


その2に続く

  

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2013.02.05

【「三国峠みち」から生藤山】 山バス情報113

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(連行峰から生藤山へ向かう径にて…)

【山行日】 2013年02月03日(日)
      
【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿 05:38 - 06:16 立川    (JR中央線各駅停車)
立川 06:30 - 06:59 武蔵五日市 (JR五日市線)

「バス」
武蔵五日市駅 07:20 - 07:53 柏木野 (西東京バス 570円)

「歩行」
柏木野  08:05 - 08:55 尾根に乗る
尾根   09:05 - 09:35 万六ノ頭
万六の頭 09:45 - 10:55 連行峰
連行峰  11:15 - 11:40 生藤山
生藤山  12:20 - 13:40 石楯尾神社

「バス」
石楯神社前 14:09 - 14:28 上野原駅 (富士急山梨バス 410円)

「鉄道」
上野原 14:31 - 14:48 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾  15:03 - 京王線某駅  (京王線) 

【地形図】 「五日市」 「与瀬」 「上野原」


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(生藤山より南ア)

 短めだけれど、いちおう国境を越える今回のこのコース、実は全く逆の石楯尾神社から生藤山に登って三国峠みちを降りるというのは山を始めたばかりの真冬に歩いたことがあって、三国山からの好展望はとても印象的でした。今回は降雪の後ということもあり、急傾斜の北斜面を登りにとって15年前の逆コースを歩いてみようという寸法です。

 立川始発の五日市線、今はボタンでドアを開閉するようになっていて、冬の朝も電車で寒さに震えることがないのは本当に助かりますね。15年前というと、冬は電車に乗っているだけで身体が冷え切ってしまって本当につらかった。

 武蔵五日市駅では、こんな冬の早朝でも数馬行きのバス停にはそれなりの列があって、座席はほぼすべて登山者で埋め尽くされての発車です。柏木野で私の他に4人のパーティーが下車。寒い中、スパッツを装着し、準備運動をしてから出発。バス停から少し数馬寄りのところに「連行峰」とだけ書かれた指導標があり、ここから民家の軒先を通って橋を渡れば、すぐに植林とはいえ土の径を歩けます。
 
 尾根に乗るまで、植林帯をジグザグにひたすら登っていきます。エアリアで急坂と書いてあるあたりです。登りにとる分にはそれほどめちゃくちゃな急登ではないです。私の足で50分ほど、4人組のパーティもほとんど同じぐらいの時刻に尾根に上がれましたから、まぁ、せいぜい小一時間の辛抱です。

 尾根に乗ってすぐ、指導標とは逆方向(右手)に祠↓があり陽当たりもよかったので、安全祈願がてら小休止とします。歩き始めは手袋と帽子が要るぐらいの厳しい寒さでしたが、途中で暑くなって次々に脱いで、今はもう汗ばむほど。。。お茶が美味しい。

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 一休みしたら、尾根の小ピーク脇を右に回り込むように付けられた径を進むと、左手は自然林で大岳山なども望めます。先ほどの休憩地点から約15分ほどで、前方にこんもりしたピークが現れ、コースはピークを右(西側)に巻き始めます。 ここが万六の頭と見当を付けて、地形図「五日市」と照合、コースをはずれ、ほとんど踏み跡のない尾根の方を直登します。雑木の尾根をエイコラサと登っていけば、「万六の頭883m」の木彫りの表示が見付かりました↓。実は15年前来た時は、逆から登ってきたものの、万六ノ頭の手前の偽ピークを万六の頭と勘違いして(ピークを踏んだつもりで)もと来た登山道へ戻ってしまったのです。今回はしっかりとピークを踏み、万六の頭でも少しお茶を頂きました。

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 万六の頭からは、南へしっかりした踏み跡が本来の登山道まで続いています。途中雪に付けられた動物の足跡が見付かり写真に収めてみました↓が、何の足跡なのでしょう? ご存知の方、いらっしゃいましたらご教示下さい。

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(万六の頭付近で見かけた小動物の足跡)

 登山道に戻れば、見覚えのある背の低い笹径。小さなアップダウンを織り交ぜながら少しずつ高度を上げていく径です。地図で見ると結構距離がありますが、歩いてみるとそれほど高度差がないせいか、長くは感じません。927mピークを越え、左手に陣馬から続く尾根が見えてくると傾斜がややきつくなって雪も目立つようになり、少し歩きにくくなりました。下りにとる場合はアイゼンがあった方がよさそうな感じです。

 

 陣馬からの尾根が合わされば、連行峰(指導標には「連行山」の表示)。万六の頭を巻いた4人グループがちょうど休憩を切り上げようと言うところでした。彼らは陣馬山の方へ向かうようです。私は万六の頭から1時間以上経過していたこともあり、ベンチのあるこの連行峰で長めのティータイム。お湯を沸かして生姜湯を煎れました。陽当たりもよくポカポカで好い気分。しかしふと樹の間を見ると富士山が、ありゃりゃ雲の侵略を受けそうな気配です。生藤山からの富士の大展望期待で来たので、ちょっとショック。でも考えてみたらもう11時過ぎだし、仕方ないのかも知れません。

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(連行峰から少し西に歩いたところより 富士山はもう雲に覆われ始めていた)

 連行峰から、左手(南)を気にしながら生藤山を目指します。南アはクッキリ見えているのですが、富士山の方は分厚い雲が近くに押し寄せていたりして、気が気でなく、茅丸はあっさり巻いてしまいました。これで今日の最高地点は1000mに満たないことになりますが、まぁ、仕方ないでしょう。

 生藤山へは手もとのエアリアではコースタイム40分となっていますが、茅丸を巻いたこともあり25分ほどで到着。山頂は先客がお一人だけ。時間もそろそろお昼近いので、ここでオニギリタイムにします。富士山はもう半分近く雲に覆われ、ちょうど逆光ということもあり、好い写真は撮れません。しかし、生藤山の山頂は陽当たり良く、ポカポカを超えて少々暑いぐらい。帰りのバスの時刻を考えて、ここでかなり長居してしまいました。

 生藤山を後にします。ここからは課題の下りですので、ストックも用意して下り始めます。すぐに三国山。東京と神奈川と山梨の県境、相武甲国境です。ここも生藤山同様展望良く南アルプスもしっかり見えています。

 三国山から佐野川峠は、四年ほど前の冬笹尾根からの帰り道で通った径でよく覚えています。甘草水のベンチで南ア展望に別れを告げ、少しずつ高度を下げていきます。

 佐野川峠には、神社バス停40分の表示。調べてきた14:09のバスまで一時間以上あるし、今日はここまで膝も大丈夫だから、ゆっくり下ってもまぁ間に合いそうです。万が一、逃したとしても、次の15:25まで一時間ほどです。

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 植林帯のジグザグ径を下っていきます。途中「安永五」と刻まれた石碑を発見↑。高度をあっという間に下げて振り仰げば峠は頭上遙か上になっています。二十分ほどで林道に降り立ちます。林道を足任せに下っていきますが、15年前とはいえ、こんな長い林道歩きはまったく記憶にありません。林道の様子からして最近できたものでもなさそうだし…と下っていくとミッション系学園の真新しい建物が現れ、びっくりしていると、更に下った右手に見付けました。そうです、正規の登山道の表示です。
 林道に降りた時、左手の方へ下ってしまったのですが、どうやら右手に行くべきだったようです。十五年も前のことだけれど、結構覚えているものだな…などと感心しながら見覚えある集落の径を下っていくと大通りに出て少し左に行ったところがバス停でした。

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 バスまで30分ほど時間があったので、石楯尾神社↑にお参りしていくことにしました。参拝後、靴のドロを落としたりスパッツをはずしたりしていると、井戸行きのバスがやってきました。バスの折り返しが来るまで時間がありましたが、陽当たりもよく気温もやや高めだったこともあって、寒い思いをすることもありません。ツイッターでツィートして時間を潰していると井戸折り返しのバスがやってきました。

 バスは予想に反して私一人の貸切ではなく、井戸から乗車の登山者と途中で乗車してきた地元の方と私の三名。鎌沢入口から藤野駅の方がバス代もずっと安くなりますが、やっぱり帰りのバスは空いているのが一番かな、などと考えつつ、上野原駅へ。
 上野原では待ち時間ほとんど無しで高尾行きに乗り継げて、高尾駅で一旦下車してビールを仕入れてから、京王線で帰途につきました。

 

 

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