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2010.07.25

【盛夏の甘利山・千頭星山へ】 タクシー情報15 山バス情報111

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【山行日】 2010年07月24日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 08:02 韮崎 (中央線各駅停車)

「タクシー」
韮崎駅 08:05 - 08:40 甘利山駐車場 (5100円:小型)

「歩行」
甘利山駐車場 08:50 - 09:10 甘利山
甘利山    09:20 - 09:45 奥甘利山
奥甘利山   09:50 - 10:45 千頭星山
千頭星山   10:55 - 11:05 笹原の中のテン場(?)
テン場    11:30 - 12:25 御所山
御所山    12:35 - 13:15 1530m付近ブナ林
ブナ     13:25 - 14:25 青木鉱泉

「バス」
青木鉱泉   15:00 - 15:50 韮崎駅(山梨中央交通 1700円:荷物代含)

「鉄道」
韮崎   16:10 - 18:20 高尾 (中央線各駅停車)
高尾   18:33 - 19:16 新宿 (中央特快)

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(甘利山へ…暑い!)

 こちらのページ、ほとんど開店休業状態が続き、ご愛顧いただいていた皆様には大変申し訳なく思っております。毎夏、お知らせしていた夏山バスの情報も今回は見送りとさせていただきましたが、今後も、最低限、管理人が山行きをいたしました際には、このページで記事をアップしていく所存です。
 前回記事にも記載通り、芝居の話も含め管理人の動静はツイッターページで確認でき、こちらの方でもこのブログの更新など随時お知らせしておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
m(__)m

 梅雨も明け、給料も入ったし、芝居の予定も無し、ということで、土曜日は二ヶ月半ぶりに山に行くことにしました。しばらく山を歩いていないので、最初からテント山行は無理。さりとてこの猛暑の中、高尾山などははむしろ危険でもあります。夜行日帰りはテントよりきつそうな気もするし、ということで、タクシーを奮発してでも歩き始めを1500m以上からのスタートする、このコースは例によって、松浦本『静かなる尾根歩き』をそっくりそのまま拝借したものです。詳しくは同書を参照してください。

 当日の山梨県は15時過ぎから雷雨の予報でしたので、これを出来る限り避けるべく、朝一番の高尾発06:14松本行きに乗り込みます。韮崎駅には8時過ぎの到着。手洗いを済ませてタクシーに乗り込むのですが、ここで目ざとく「中型車」「小型車」の区別看板を発見。小型車に乗り込みます。近距離だとほとんど変わらないでしょうが、今回のような遠距離の場合、結構お値段が違ってくると思いますので、単独やお二人の方などは、このセレクトをお奨めします。

 ガイドブックなどによれば50分とのことですが、のんびり走っても35分ほどで甘利山山頂直下の広河原駐車場に到着。標高約1600m。この猛暑ではさすがに ひんやり とは言えませんが、まぁそこそこ涼しいかといった感じの空気。久々の山なので入念に準備運動してから出発です。

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 登山道入口付近は、ヤナギラン、クガイソウ、ウツボグサ、ハクサンフウロ、ヤマオダマキ、ホタルブクロなどが咲き乱れる御花畑になっており、ただでさえ久々の山歩きで前に進みにくい足が余計に遅い足取りとなってしまいます。やがて前方に見えてくる千頭星山らしき山塊はガスに覆われて、残念ながら展望の方はお預けですが、これは予想していたことでした。ホワイトアウトで周囲の景色も楽しめない、というわけではないので、高原気分を楽しむことに…。
 ホトトギスの声に耳を澄まし、もう既に花を落としたレンゲツツジの群落を見ながら高度を上げていくと、山梨百名山の標柱が立った甘利山山頂です。スタートから三十分も経っていませんが、登っているとさすがに蒸し暑く、汗が噴き出してくるので、早めの休憩で水分補給とします。

 休憩後、高度を上げていけば少しは涼しくなるだろう、と思って奥甘利山をめざしたのですが、このときがいちばん蒸し暑く、奥甘利山に到着したときは汗でTシャツがびしょびしょでした。標高1800mでこの調子じゃぁ、いったい下界はどうなっているんだろう、と思いながら相変わらずガスに覆われたままの千頭星山へ向かうと、陽差しがガスに遮られ、少し風も出てきたせいか、少しずつひんやりした空気を感じることが出来るようになりました。傾斜が弛むとしばらく雰囲気の好いコメツガやシラビソの径を歩けるのがとても楽しい。

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 再び傾斜が大きくなってそこを登り切ると、松浦本の写真にある2066ピーク手前の「御所山と千頭星山の分岐」です。2000mを超えてだいぶ快適に歩けるようになったので、休憩せずそのまま千頭星を目指します。

 遠く未だガスに覆われたままの千頭星山。あんなに遠くなのに30分で行けるのだろうか、と少し心配でしたが、しばらくはほとんど平らな草原を行く感じで、涼しさも相俟ってすこぶる楽しい気分です。展望は相変わらずほとんど望めませんが、この高原漫歩の時は、早起きしてタクシー奮発して来ただけのことはあったと思ったのでした。

 遠くに見えていた山塊が近づいて傾斜がやや急になったところをよいしょと登っていけば案外あっけなく千頭星山の山頂です。ここにも山梨百名山の標柱があり、白鳳会の「←甘利山・南御室小屋→」という古びたプレートを見付け、いつの日か泊まりがけでこういう捻った鳳凰三山を歩いてみたいと食指が動きました。ネットでちょっと検索してみたら、つい最近、南御室小屋の方がこのコースを整備してくださったようで、ありがたいことです。

 あとから二組このコースを登ってくるのが判っていたので、千頭星山では昼食とせず、来るときに目星をつけておいた先ほどの高原の途中にある、テント場のような場所に戻って昼食とします。昔は甘利山までは韮崎駅から5時間近く歩いて登るのが普通だったそうですから、このあたりがもしかしたらテント場になっていて、その跡地のようなところなのでしょうか(←もしご存知の方いらっしゃいましたら、お知らせいただけると嬉しいです)。

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(食事休憩に使用した笹原の中のスペース、昔のテン場跡?)

 昼食を食べ終えて、これから下るコースの確認後、御所山と千頭星山の分岐に戻る途中、うっすらとですが右手見えたのは形と方角からして金峰山でしょう。これだけ雲の多い中、遠くの山が見えたのは期待していなかっただけに嬉しい誤算でした。

 2066ピーク大西峰はパスして、分岐から御所山・青木鉱泉方面への径に入ります。あまり歩かれていないコースですが、笹の刈払いなどもしっかりされており、御所山までは、それほど難しくありません。休憩場所から約一時間ほどで御所山に到着。水分を補給し、急坂下りに備え、ストックを取り出します。

 御所山から先は急に笹藪が濃くなり、排泄後3時間も経過していないと思われる熊のフンを見付けたりして、結構緊張します。途中「青木鉱泉」の道標を何度か見ますが、赤のマーキングやピンクのテープが目印になり、笹が途切れ、踏み跡の怪しいところもこのマーキングのお陰で迷わずに進めるようになっています。

 急な下りに疲れたので、ブナ林(樹に「ブナ」と朱書きしてあったりする:笑)で足休め。休憩後、尾根をはずれる道にはいるところで、クワガタの雌を発見。久しぶりのクワガタ。嬉しくなって写真に収めます。

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 径が尾根をはずれると、松浦本通り、歩きにくく、ときどき径を見失いかねない箇所もありますが、赤のマーキングに留意して、慎重に下っていきます。こんなところで怪我をしたり転落したら、何日も誰にも見付からず大変ですから。。。

 やっと登山口に到着、というところで、最後まで気を抜いてはいけないぞ、との自戒も虚しく、最後の最後で転倒。石についた苔で滑ってしまったのです。しかし気をつけていただけに、受け身もしっかり出来て、怪我もなく。脇にある沢の冷たい水で汗まみれの顔や首筋を洗います。ふぅ、気持ちがいい♪

尚、余談ですが、青木鉱泉からこちらの登山口に向かう場合、今の時期は特に登山口は間違いやすいと思います。この写真(クリック拡大可)の赤く記した辺り↓なのですが、沢の左側(右岸)を行かずに、沢を石で渡って藪の中のかすかな踏み跡を拾ってください。

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 登山口に着いたのが二時過ぎ。みやま橋を渡って、しばらく林道を行き、青木橋を渡れば、まもなくで青木鉱泉です。青木鉱泉ではゆっくり入浴の時間が無く、臭くて申し訳ないとは思いながら、Tシャツを着替えるだけでお茶を濁し、ビールと同時にバスの切符も青木鉱泉で購入して、しばし鉱泉前のベンチで休憩。さすがに標高1100mあるので、じっとしている分には十分涼しく、バス待ちの時間も苦になりません。
 
 青木鉱泉で購入したバスの乗車券は、もうあらかじめ200円の荷物券もセットになったもの。これは、荷物が相当小さい方でも取られていましたので、大きなザックでないから不要かも、との希望は持たぬ方が賢明なようです。

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 さて、青木鉱泉からのバス、一度でも乗ったことのある方はご存知の通り、おそらく日本で一番揺れるバスです(笑)。理由は未舗装でしかもデコボコのままの道を走るため。
平成も20数年になって、未舗装道路を路線バスが走ること自体、希有ですが、これよりひどい凸凹道を走るバス路線、もしご存知でしたらお知らせください(笑)。
 ただ、冗談でなく、乗り物酔いしやすい人は要注意でしょう。舗装路になったと思ったら、またひどいデコボコですから、酔わない人でも気が抜けません。

 バスの車窓から、以前、荒倉山からの帰りに上がってきた辺りを確認し、そのあと再度の凸凹道を経て、随分な距離をあのときは歩いたのだなぁ、と妙な感慨にふけりながら、安定走行に移るや、携帯からツイートして、韮崎駅へ。

 韮崎から各駅で高尾へ向かう途中、四方津駅で十数分の停車。「え~」と思った次の瞬間、しまった!と気付きました。そうです。特急列車のあとのもう一本の通過待ち列車は、あの18切符でも乗れる「ホリデー快速ビューやまなし号」でした。なんたる不覚!普段なら絶対甲府駅より前で気がつくはず。。。それもこれも、長い間山行きをサボり続けた結果ですネ。でも負け惜しみじゃないけれど、高尾でビールのおかわりも買い足せたし、長い四方津駅での通過待ちの間、遠くでカナカナカナと可憐に啼くヒグラシの声が、なんとも好い風情で御座いました。

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