【ガックリ…家ノ串】 山バス情報98
【山行日】 2009年5月2日(土)
【使用公共交通機関等の詳細】
「鉄道」
小田急線某駅 - 05:10 代々木上原 (小田急線)
代々木上原 05:13 - 05:47 北千住 (東京メトロ千代田線)
北千住 06:04 - 07:39 太田 (東武伊勢崎線 区間急行)
太田 07:43 - 08:06 相老 (東武桐生線)
相老 08:14 - 08:53 小中 (わたらせ渓谷鐵道)
「歩行」
小中駅 09:00 - 10:00 追付橋
追付橋 10:10 - 11:30 送電線巡視路入口
巡視路入口 11:40 - 12:35 1215.6三角点
三角点 12:55 - (南西尾根往復) - 13:25 三角点
三角点 13:40 - 14:35 田沢奥山
田沢奥山 14:45 - 15:20 林道終点付近
「親切な方のお車」
林道終点付近 15:25 - 15:55 小中駅
「鉄道」
小中 16:12 - 16:52 相老 (わたらせ渓谷鐵道)
相老 17:03 - 18:48 北千住 (りょうもう36号 +1000円)
北千住 18:57 - 19:33 代々木上原 (東京メトロ千代田線)
代々木上原 19:40 - 小田急線某駅 (小田急線)
29日の熊倉山でアカヤシオは花付はややよくないものの、1300m近辺は見頃、ということは北関東はまだちょっと早すぎるかな~、と思いつつも、折角の好天。GW第2弾のアカヤシオのお花見は、念願の家ノ串にしてみました。
家ノ串っていわれても、それ何処? という人の為に簡単に説明しておきますと、エアリア『赤城・皇海・筑波』の袈裟丸山。この袈裟丸山の南西尾根をずっと南下していったところに1215.6三角点峰が見つかると思います。この三角点の北部が通常家の串と呼ばれているらしく、ここはアカヤシオの名所としてアカヤシオ好きの多くは行ったことがなくとも名前だけは知っています。
わたらせ渓谷鐵道は、初めての乗車。以前のダイヤでは松浦本『静かなる尾根歩き』に記載のように10時半のスタートだったのですが、最近のダイヤ改正で小中駅には9時前に到着可能となったことも、今回の挑戦を後押ししてくれました。もうひとつ贅沢を言わせてもらえれば、小中橋から追付橋(おうつけばし)へ行く町営バス、これも土日祭日の朝の便をあと30分だけ遅らせてくれると本当にありがたいのですが、まぁ、このバスは登山者の為に走っているわけではないから仕方ないですね。
北千住から乗った東武線を太田で赤城行きに乗り換え、相老(あいおい)で下車。わたらせ渓谷鐵道の駅には臨時切符売場の表示がありましたが、駅員さんはおらず、高架を渡って改札をいったん出てから、わたらせ渓谷鐵道の切符を買います。
やってきたのは一両のかわいらしい茶色の気動車。さすがにGWだけあって、席はほぼ満席でした。小中駅で降りるとき、運転手さんに「お気をつけて。このあたりイノシシが多いですから」と暖かいお言葉をいただきスタート。バスの運転手さんに「お気をつけて」と挨拶いただいたことはこれまで何度もありましたが、鉄道では初めてのこと。地方の第三セクターらしい、こぢんまりとした駅で快晴のもと山旅がスタートです。
小中駅から追付橋は、エアリアで登り一時間半とコースタイムが書いてありますが、のんびり歩いても1時間10分ほどで着けると思います。ただ、この日は暑くてアスファルトの照り返しが結構きつかった。追付橋には自動販売機があったので、思わず清涼飲料水を買って飲み干してしまいました。
追付橋からすぐで左手に分岐する舗装道を上がります。ここは気をつけていないと、道なりにみんなの向かう大滝・袈裟丸山登山口方面へとまっすぐ進んでしまいかねませんので気をつけてください。
傾斜のきつい林道をえっちらおっちら登っていると、結構近くで猟銃の音が聞こえビビリます。30分ほどで、こんな山奥に?という感じで集落があり、居合わせた方と少し雑談。さらに、少し進んだところで、これから同じ家ノ串に向かわれるパーティーの方々に乗っていかないかとお誘いを受けたのですが、林道もあと少しだろうと思っていたため、先に行ってもらうことに。
しかし、ここからが結構長く感じて、途中何度も銃声を聞いたりして、ああ、やっぱり乗せてもらった方がよかったか、と後悔。橋倉橋・野川橋と渡るも沢面にアカヤシオの花びらなどひとつも見当たらず、ああ、まだちょっと早かったかな、などと、このときは暢気なことを思っていたのでした。
長い長い林道歩きが終わって、その少し先に送電線の巡視路入口が見えてきました。さきほど親切なお言葉をくださった方の車もここに停めてあります。巡視路入口で水分補給してから出発。11時半を回っていたので、1215.6三角点峰には12時半頃着くかな、と考えながらヒノキの匂いがする歩きやすい巡視路を上がっていきます。
登っていくとやがて三角点峰と思われる頂が左手に見え、ピンク色も見え期待がふくらみます。疲れと期待がふくらむ中、笹原にカラマツとなった道を進むと送電鉄塔に着き、鉄塔から進路を変えて稜線の踏み跡を1215.6三角点峰へと向かいます。ここでも期待がふくらむピンクが山肌に見えて、ああもうすぐアカヤシオの海を泳げると、気持ちが盛り上がります。
1215.6三角点峰のひとつ手前のコブにあがり、さあ、ここからが…と思ったのですが、あれれ、咲いているには咲いているものの、ポツンポツンという感じです。おかしいな、もしかしたらまだもっと手前のこぶだったのかな…、と地形図を広げてみますが、やっぱりどうもこの先のピークが他ならぬ1215.6三角点峰のようです。ピークに近づいてみると、さきほどのパーティーの方々がお昼の談笑中。ピークはそれなりに咲いているけれど、とてもアカヤシオの海とか、爆咲きとかとは程遠い状況。
南西尾根に入れば、と南西に少し降りたところで食事にしてみましたが、こちらもポツンポツンという感じです。
昼食後、諦めきれずに南西尾根をかなり辿ってはみたのですが、アカヤシオの木はあるものの、花をつけているのはごく僅か。確かにこの木が全部花をつけたらすさまじいかも知れないけれど…というわけで、せっかくアカヤシオの海で泳げる様にピンクの海水パンツまで用意してきたのに、アカヤシオの海というより、水たまりがあるといった程度。ガックリ重い足取りで三角点へと戻りました。
(南西尾根 たしかにこれが全部花をつけるとすごいだろうが…)
戻ってくる途中、木を見て思ったのですが、どうもこれは早すぎたのではなく遅すぎたようでした。確かシロヤシオは葉っぱが出てから花が咲くけれど、アカヤシオにしろ普通の木の花は、花が散ったあとに葉っぱが出てくると記憶しています。アカヤシオの木はほとんどがもう葉が出ている様で、考えてみたらリンク先のリブルさんや金森さんの北関東のアカヤシオの記事を思い出してみると、ここ家ノ串で終わっていても全然不思議ではない、ということに気付いたのです。
三角点でコーヒーを沸かして気を取り直し、田沢奥山へ向けて出発。途中何度もため息が出てしまいましたが、まぁ、こういうこともあるさ、それにアカヤシオが全く見られなかった訳じゃあないし…ヘンに気落ちして事故など起こさない様にしなくちゃ、と思い直しました。実際気落ちしていたせいか、三角点の次のピークで間違えて直進してしまい北北西の尾根に入り込みそうになってしまいました。来た道を戻るのに間違えるなんて…と思いましたが、ここはやはり間違えやすいらしく、ミストレースらしき足跡が続いていました。
送電鉄塔まで戻り、少し進むと巡視路が尾根から外れるあたりに薄い踏み跡が尾根通しに付いています。ここから田沢奥山まで尾根通しに歩きます。こちらもアカヤシオが所々ありましたが、もう期待もしていなかったぶん、今度は落胆も少なく、疲れた足には結構堪える登りを登り切って、ささやかな山名標識のある田沢奥山に着きます。
田沢奥山からさらに尾根通しにずっと行けば袈裟丸山なんだなぁ、と思いつつ時間もないので、もちろん来た道を戻ります。途中沢沿いの径というのが、松浦本では赤い標石のあるところと書かれていましたが、どうも私の見たところでは赤い標石のある場所には降りられそうな道は見つからなくて、もう少し小さなピークよりの鞍部にわりとしっかりした、巻き道にも見える道が見つかりました。
結局3時近かったこともあり、今回はガイド通り送電線の巡視路を戻ることに。
巡視路を降りると、もうとっくに家路についていると思っていた例のパーティーの方々がまだいらっしゃって、もしかして憐れを誘う私のことを待っていてくださったのでしょうか…、申し訳ないなとは思いつつ、再度のお誘いをいただき、ありがたく車に乗せていただいて、なんと小中駅には16時前の到着♪ 歩いていたら18時前の便に間に合うかどうか微妙だったのですが、なんと2時間近く前の16時過ぎの便に間に合い、小中駅前の酒屋さんも開店していて、ビールもゲット♪
山中では本当にガックリしてしまったけれど、終わりよければすべてよし。心配していた帰りのわたらせ渓谷鐵道の混雑も3両編成で無事席を確保。相老駅ではその場で特急の座席もとれて、ほんとうにゆったりした気持ちで帰途につけました。
お車に乗せてくださった某山岳会の皆様、あのときは本当にありがとうございました。
この場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。
m(__)m
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コメント
ゴン太さん、こんにちは。
群馬ということでしたが、わたらせ方面でしたか。アカヤシオを追いかけてますね~。
でも、やっぱり今年はかなり早かったようですね。
ヤマツツジは良かったようですが、たくさん咲いていましたか?
もっと上の方ですが、袈裟丸山から林道を下っている時に多かったのが印象に残っています。
小中駅はほんとに小さい駅で、雰囲気がとってもあったのを覚えています。
自分も降りてきた時に車に乗せてもらいました。
このあたりの方は親切な方がとっても多いですね。
投稿: リブル | 2009.05.06 10:48
リブルさん、こんにちは~。
アカヤシオを追っかけていたのですが、見事に逃げられました(笑)。
ヤマツツジはたくさんは咲いていませんでしたが、舗装道路とはいえ、新緑が美しくて、車道歩きもそれほど苦にはなりませんでした。
リブルさんは袈裟丸山に登っているのですよね。私はあの山、ずっと前から登りたいと思っていたのですが、なんだかんだで未だに登っておりません。
今回わたらせ渓谷鐵道に初めて乗車したのですが、とても気に入りましたので、次回はこの鉄道に乗って袈裟丸にと考えております。
車に乗せてくださったのは実は東京の方々なのですよ。群馬の山で乗せてもらうことは実際多く、それもこれまでは決まって地元の方だったのですが、今回初めて東京の方に拾われました。
リブルさんも同感だと思うのですが、一度歩いた車道を車に乗せてもらうと魔法の様に感じますよね。
本当にありがたいことでした。次の18時近い桐生行きだと、家に着くのは深夜近くになってしまっていたでしょうからなおさらです。
投稿: ゴン太 | 2009.05.06 11:30
ゴン太さん、家の串、お疲れ様でした。
私が行ったのは、アカヤシオ超不作の2006年だったので「写真と違う!」。
でもあの辺りは何とも言えない風情がありますね。
岡田敏夫さんの「足尾山塊の山」という本をネット古本屋で手に入れ、食い入るように読みましたが、家の串はいわゆる峠のようですね。沢沿いの道がかつての峠路だったようで登りに使いましたが、なんかロマンを感じます。でも日帰りなんてすごい。我が家は小中の民宿に泊まっての歩きでした。
5月2日、我が家はもう少し上流にいました。
足尾赤倉山から半月峠を越えて中禅寺です。
こちらも松浦本「バリルートを楽しむ」に載っていますが、お勧めですよ~。途中、林道に出てしまいますが、展望がよいので気分はいいですよ。また峠越えの古道もいいです。アカちゃんも期待し過ぎずに行けばそれなりにいますよ。ほんとは内緒だけど(笑)。ぜひ。
投稿: もりのふう | 2009.05.07 18:04
もりのふうさん、こんばんは~♪。
上の記事にもちょこっと書きましたが、ダイヤ改正で小中に9時前に着けることがわかったので、日帰り決行したんですよ。
でも、もりのふうさん、小中の民宿に泊まられるなんて、そっちの方がずっと優雅ですよ~。私も出来たらそういう山歩きしてみたい!のです。
>足尾赤倉山から半月峠を越えて中禅寺です。
うっ。間藤9時半着可能で、次の日帰りはこれ結構いいんじゃない~と、今日、仕事の帰りに本屋によって「中禅寺湖」の地形図買ってきたトコなんですよぉ~。
秘密の場所なんですね。うふうふ。ああ、行きたくなっちゃいましたよ本格的に(笑)。でも、何となくこの週末はまた土曜出勤のニオイが(泣)。
そうそう、間藤というかもう少し上のお山の名前と同じ地名のところまで、日光から市営バスが入っているのですよね。もりのふうさんの山バス情報って、ものすごいお宝なので、ほんといつも感謝なのですヨ。どうもありがとうございますです。
投稿: ゴン太 | 2009.05.07 19:54
ゴン太さん、こにゃにゃちわ~
家ノ串は何処?って思う前に、何にガックシだったのかな?ってそっちの方が気になりましたぁ^^;
そっかぁ!アカヤシオ姫に逃げられちゃったのか~!
う~ん。ゴン太さんの海水パンツのせい~?!(笑)
いやいや。「それだけだと溺れちゃうわ~(笑)次は、ピンクの水中眼鏡とピンクの浮き輪もネ」って姫は言いたかったのでは?と思いますぅ( ̄m ̄*)ぷぷぷ
松浦本見たんだけど、咲いてたらお見事な位の規模ですね。
遠くに行ったからこそ、大きく気落ちするのも解ります。
でも最後に、救う神あって良かったじゃないですか~~(^^)
話変わって。
この前の山行で道間違いで失敗した際、ゴン太さんの言葉が頭をよぎりました。
「間違えても良いけれど、引き返せる所までだよ」←これ♪
軌道修正する力が果たして自分にあるのか?疑問持っていたけれど…どうもあるようです(笑)
良いお言葉頂けて、ありがとでしたm(__)m(^^)
読図の勉強、まだまだ続けるつもりでいますので、お気付きの点はご指導ご鞭撻のほどを宜しくですぅ。
投稿: れれちゃん | 2009.05.10 14:10
ゴン太さん、こんばんはー。
ツツジ、キレイですね♪なんかツツジ見逃したわ~と思っていた矢先に、今日のこの暑さ^_^;
暑いのイヤですねぇ・・・
電車の先頭、中央線20周年の飾りかな?
スタンプラリーしなくちゃ、とおもいつつまだ一つも・・・
でも最近スタンプラリー流行ですかね?
昨日奥多摩行った時も、いつもの奥多摩パンフがスタンプラリーになってました。
しかもプレゼント商品がなんて魅力のない・・・(汗)
やっぱり温泉一割引きのほうが嬉しい私です。
投稿: cyu2 | 2009.05.10 20:40
れれちゃん、こんばんは~。
コメントどうもありがとうございますです。
だれもピンクの海水パンツにツッコミをいれてくれないので、寂しく思っていたところだったので(笑)とても嬉しかったです。
浮き輪ね~、確かにないと溺れちゃうかも。でもアカヤシオ姫になら、もうとっくに溺れていますよん(笑)。
あの格言は、さる有名な方のものらしいのですが、私にとって金言です。戻ってこられるところを超えてしまうと、相手が大自然なだけに人間なんて簡単に飲み込まれちゃうんだヨ、ということなんですよね。
戻ってこられる範囲でうろちょろするのなら、足を踏み外さない限り、そう大怪我することはありません。取り返しのつかないことになるのは、その範囲を大きく超えていることを承知していながら、さらに動き回って深みに嵌ってしまうからなのでしょうね。
と、こう偉そうに言いながら、この日も来た道を戻る様な簡単なところで迷いそうになりました。でも、れれちゃんに、そういやあんなこと言ったな~なんて思い出しつつ、このときも冷静に対処できて、事なきをえたのです。
ああいうふうに書くことによって自分自身も慎重な行動が出来たりするのだなぁ、と感じつつ、あの日も山を降りたので、感謝するのは実を言うと私の方なのですよ。(^^;
投稿: ゴン太 | 2009.05.10 23:24
cyu2さん、こんばんは。
奥秩父縦走、お疲れ様でした。私は何度も計画していますが、一度もやったことがなく、四の五の言わず、さっと実行されるcyu2さんはただただ「尊敬~」です。
先頭の20の飾りは「わたらせ渓谷鐵道」が今年3月末で開業二十周年ということなのだそうです。ちょうど20年前にJRだった足尾線が第3セクター扱いとなったらしいのです。「第3セクター」というコトバは、あまり馴染みがないかも知れません(わたしも詳しく知らない)が、今後、山間の鉄道を利用してくうちに、ああ、ここもあそこも「だいさんせくたー」だわ、と気付くことになると思います。
利用者としては、JRとは別料金になるし、区間運賃がたいてい高いしで、こまった鉄道なのですが、どれも地方のローカル線独特の のどかさ が魅力です。
ただ、高いといっても、タクシーに乗るよりは、はるかに安いので走っていてくれるだけでも、私たち電車バス派には、ありがたかったりします。
投稿: ゴン太 | 2009.05.10 23:46