【鐘ヶ嶽北尾根から小雪舞う大山へ】 山バス情報95
【山行日】 2009年1月24日(土)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
小田急線某駅 - 06:35 本厚木 (小田急線)
「バス」
本厚木駅 06:55 - 07:23 別所温泉入口 (神奈中バス 430円)
「歩行」
別所温泉入口バス停 07:40 - 09:15 鐘ヶ岳
鐘ヶ岳 09:25 - 10:25 見晴広場A
見晴らし広場A 10:35 - 11:55 893m地点の先
893 12:20 - 13:10 大山
大山 13:25 - 14:30 下社の下の四阿
東屋 14:40 - 15:15 大山ケーブルバス停
「バス」
大山ケーブル 15:22 - 15:45 伊勢原駅北口 (神奈中バス 300円)
「鉄道」
伊勢原 15:56 - 小田急線某駅 (小田急線)
大山に登るのも、もう十年ぶり。久々の再訪に、鐘ヶ岳はいつ登ったんだっけ…と、調べてみたら、なんと未踏でした(笑)。
冬と春の18きっぷシーズンの中間である1月末から3月初旬は毎年のように財政難。しかし、逆に言えばこの時期にしか行けない丹沢吸血鬼地帯(笑)を訪れるいい機会でもありますので、例によって松浦本でコース選定をし、今回は『バリエーションルートを楽しむ』39「鐘ヶ岳北尾根から大山」(120頁)をそっくりそのまま辿ってみることにしました。
今回のバリエーションルートですが、別所温泉から鐘ヶ岳までは地図読みのスキルがある程度必要なものの、鐘ヶ岳から先に関して言えば、特段の地形判断力は必要ではなく、むしろ大山への静かなルートであり、初歩的な地図読みの練習に好いのではないかと感じました。
注意点は778m峰。ここには以前あったという道標が現在は(私の見落としでなければ)撤去されています。この点、現況と松浦本と異なっていますので歩く予定の方はご留意ください。
朝一番の宮ヶ瀬行きバスは、こんなオフ・シーズンでも、ほぼ満席。それでもさすがに別所温泉入口で降りたのは私一人だけ。バス停のすぐそばにセブンイレブンがあって、ここでトイレを借り温かい飲み物を買って出発です。
別所温泉は興味があるのですが、ここにある日帰り入浴施設「別所の湯」は温泉ではないそうですね。その施設のすぐ先で松浦本記載通り「ゴミあきカン捨てないよう」の看板のある電柱(煤ヶ谷125)の右に伸びる薄暗い杉林の踏み跡を辿って登っていけば簡単に鐘ヶ嶽北尾根に乗ることが出来ます。
尾根上にも踏み跡があり、コンパスで念のため南であることを確認してから尾根を登っていきます。と、ここでくしゃみが三連発。え?まさか、とは思いましたが、どうやら早くも花粉症を発症したようです。そういえば前日は3月下旬並の気温でした。標高300mに満たない杉林では気の早い花粉が炸裂してしまったようで、結局この日は天気にも恵まれず、その後もむずむずする鼻をかみながらのしまりのない山行き(笑)となってしまいました。
420m峰(「福神山」の標識あり)までは尾根上の踏み跡を追えば何となく着いてしまう感じでした。福神山から先に進む際にコンパスで南をしっかり指して進むのが注意点ですが、良く見ると赤と黄色のテープに進むべき方向がマジック書きされています。10分ほどで山の神の祠に着きます。
祠から正面ではなく右下に降りたところにある鹿柵の扉を通過し、鹿柵に沿って急登しますが、ここらへんは植林が育ってしまい少々歩きにくいところでした。福神山以外は道標らしいものもありませんので、特に尾根を末端近くから辿りたいということでなければ、素直に一般ルートで鐘ヶ岳に上がった方が好い気もします。傾斜が緩みマーキング通り尾根を詰めると鐘ヶ岳です。
鐘ヶ岳から山神隧道分岐までは一般登山道で左手に朝の光を浴びた相模湾がきれいに見えるなか、ゆっくりと高度を落とします。隧道分岐で広沢寺温泉への指導標を無視して、そのまま尾根にあるしっかりした踏み跡を上がっていくと、すぐに手製の指導標「大山,唐沢峠」が現れます。松浦本記載通り、以降ずっと「水源の森林 神奈川県」と書かれた白柱も何度となく現れます。
ここから先はエアリアには赤破線もありません。確かに尾根に馬鹿正直につけられただけの径ですが、藪も全くなく、少なくとも登りにとるぶんには、それほど難しいことはありません。地形図とコンパスを片手にこれからバリエーションルートを楽しんでみたいと考える方が入門にとるには好いコースなのではないかと思いました。何より静かで、この日も大山のすぐそば(不動尻と日向薬師の分岐)まで誰一人逢うことがありませんでした。
鹿柵沿いに進み急登をこなすと見晴広場Bに到着しますが、古い標識が地面に置かれているだけで、展望もあまりありません。少し先の見晴広場Aに放置されている標識には厚木市の名前も見られます。かつては登山道だったのでしょうが、手元にある20年以上前の古いガイドブックにも載っていませんから、登山道だったのはずいぶん昔のことなのでしょう。
見晴広場Aからは遠く海に浮かぶ大島が見渡せましたが、もうこの頃には頭上に暗雲が垂れ込めていて写真を撮っても出来た写真はまるで夕方のようです。それでもまだ大山はしっかりと見え、これからあそこまで登るのかと思うとファイトが湧いてきます。
見晴広場Aからかなり下って鞍部は「すりばち広場」。 立派な指導標があって、弁天の森キャンプ場へここから降りることも出来るようです。その先の東屋にも立派な指導標があり、来た方向を鐘ヶ嶽、これから向かう方角を大山と記しています。
再び登り返して大沢分岐にはお手製の指導標があり、大山方面へ進みます。左手に大島、右手に丹沢三峰山を見ながらなおも登っていくと776mピークに到達。冒頭に述べたように指導標はありませんが、例の「水源の森林」の白柱に大山の方角が矢印で記されています。いちおうコンパスで方角を確認して西に向かう尾根を下ります。
軽いアップダウンのあと急登をこなすとやっと一般道(エアリアの唐沢峠からの赤実線)へ飛び出します。ちょうど指導標の裏に当たり、踏み跡には通せんぼのロープが張ってありました。登ってきた道は実際見た感じも一般道と間違いそうなほどのはっきりした踏み跡ですので、間違って入り込まないようにしているようです。
この一般道に入って登ってすぐのところに海が見渡せる場所がありましたので、大山山頂までとてももちそうにないと判断し昼食とします。
一般道に上がる直前からちらちらとは舞っていたのですが、小雪が降ってきました。どんよりとした曇り空で、期待していた日だまりハイクとは全然違いましたが、風がないのでそれほど寒さは感じずにのんびりとおにぎりを頬ばり、しょうが湯とカップスープを飲むとポカポカしてきました。
昼食後山頂を目指し歩き始めるとすぐのところにベンチがあり、こちらで昼食としてもよかったと思いながら、寒々として誰の姿もない登山道を登っていきます。電線を通過し、丸太の階段のような道を背後を振り返りながら登り、辿ってきた尾根を見渡して、本当によくもあんな長い尾根を歩いたものだと我ながら感心します。
雪が少し激しくなりますが、一方で青空ものぞいたりして、山頂での展望も少し期待したのですが、残念ながら大山山頂からは自分の辿ってきた尾根はガスの中。その代わりというか、浅間山~高取山や日向薬師へ行く途上の尾根などは悔しいぐらいはっきりと見えて、伊勢原や秦野の市街が晴れているのがよくわかりました。
大山山頂からは、松浦本と同じ下社へ下山することにします。ここは実は長い間やっていなかった宿題だったのです。11年近く前、はじめて登山靴を履いて登ったのがこの大山だったのですが、蓑毛からヤビツ峠経由で登り、帰りは下社へ下山。しかし途中膝が痛くてたまらず、お恥ずかしい話ですが観念して下社からケーブルで降りてしまったのです。今回は下まで自分の足で降りてあのときの借りを返すつもりでした。
しかしながら、11年近く経った今、改めて歩いてみた感想は。。。やはりこの道は悪路としか言いようがありません。仮にも初心者が下りに使うべき道ではないと思いました。段差の大きい石の階段が続くこの道は登りにとっても、下りには使うべきでないでしょう。下社の下に東屋があったのでそこで休憩後、男坂を下ってみましたが、11年前、膝の痛い状態でこの道を下っていたらいったいどうなっていたことか、と思うほどの石段地獄。。。最後はさすがに膝が痛くなりかけましたが、何とか持ちこたえておみやげ物屋を通ってバス停へ。
11年前ケーブルを使わずにあの坂を下っていたら、イヤになって山など続けていなかっただろうか、それともやっぱり続けていたのだろうか…そんなことを考えながらバスに揺られ伊勢原駅へ。ホームでビールを飲み干してから小田急線に乗り込みました。
最近のコメント