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2008.12.02

【岩崎山・雲母山から京戸山・カヤノキビラノ頭 その1】

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(岩崎山の先より南ア)


【山行日】 2008年11月30日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾   (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 07:12 甲斐大和 (中央線各駅停車)

「歩行」
甲斐大和駅  07:20 - 07:50 取り付き
取り付き   07:55 - 08:55 NHK中継局の上
NHK      09:05 - 10:00 岩崎山
岩崎山    10:10 - 11:05 雲母山
雲母山    11:15 - 12:25 1439mピーク
1439m  12:50 - 13:35 カヤノキビラノ頭
カヤノキビラ 13:45 - 14:55 笹子峠
笹子峠    15:05 - 16:00 新田下バス停
新田下    16:10 - 16:50 笹子駅


「鉄道」
笹子  17:06 - 18:21 高尾  (中央線各駅停車)
高尾  18:35 - 京王線某駅  (京王線)


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(石祠の手前:まだ紅葉が少し楽しめた…)

先々週の山行で、やはり気になって仕方なかった岩崎山、マイバイブル(笑)でもある『静かなる尾根歩き』ではタクシー利用で紹介されていますが、逆コースにすればタクシーを利用しなくても登れそうですし、朝早くから歩き始めてRF(ルートファインディング)さえ上手くいけば、近隣の他の山々とも繋げて歩けそうです。

そこで、とりあえず、雲母山に到着した時点で、RFが上手くいって体調もじゅうぶんであれば、京戸山からカヤノキビラの頭を経て笹子峠。  RFに手間取って、お昼を過ぎてしまった場合は、京戸山から達沢山へ行って立沢に降りるか、今年4月に歩いた二本木山~茶臼山と繋げる。  敗退や体調不良・悪天の場合は おとなしく京戸川林道を降りる、といくつかのサブプランも携えての挑戦としてみました。

岩崎山とか雲母山と言われても、「どこよそれ?」と言う方のために最初に説明しておきます。。。
地形図や登山地図にはその名称はなくて、エアリアでいいますと、「大菩薩嶺」の左下、茶臼山・大沢山・二本木山とある右(東)に1041.1の三角点と1213.7の三角点が見つかると思います。この1213.7の三角点峰が雲母山で、1041.1の三角点の南にあるなだらかな盛り上がりのようなピーク、これが岩崎山(別称:日蔭雁ヶ腹摺山)になります。天気の好い日に甲斐大和駅の改札を出ると、真っ先に目に飛び込んでくる山が岩崎山ですので、機会があれば甲斐大和駅から望んでみてください。

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朝イチの電車で甲斐大和駅07:12着は先々週と同じですが、降りたのはたぶん私一人だけ。

甲斐大和駅から20号線を西へずっと歩き、鶴瀬のバス停を横目で見てさらに西進。ドッグスクールの看板が見えたらそこが鶴瀬橋です。鶴瀬橋を渡り、中央道の上り線の下の細道をずっとさらに西に行くと下り線の上を通る芝橋に突き当たるので、これを渡ると左手に取り付きである82号鉄塔への巡視路(簡易舗装)があります。この取り付きまで駅から徒歩約30分ほどでした。

なお、06:43立川始発の中央線で来れば、甲斐大和駅発塩山行きの市営バスに乗れるので車道歩きを少し減らすことができますが、鶴瀬から先は自由乗降区間ではなくなるので、鶴瀬橋で降ろしてくれと言っても断られる可能性が高いです。ちなみに鶴瀬バス停からは取り付きまで約15分ほどでした。

取り付きから簡易舗装道路をずっと辿っていけばやがて土の道になり82号鉄塔の南に出て、そこがもう岩崎山の尾根の末端部になりますから、あとはしっかりした尾根上の踏み跡を南西へと登っていきます。

1041.1の三角点まで、下りにとればそう難しくなくても、登りでは間違えやすい箇所が二つあったので先に説明しておきますと、、、石祠のあるところで左手に伸びる濃い踏み跡には入らずに、尾根通しの急坂を登ること。もうひとつは、NHKの中継アンテナを過ぎて、1041.1の三角点に向かうところで今度は右手に伸びる濃い踏み跡(マーキングもあり引きこまれやすい)にも入らず、尾根通しに登ること。この2点です。こういう指導標のない尾根歩きコースでは、歩きやすくマーキングも付いている方向にはついつい入り込みたくなりますが、いずれも尾根原理主義者(笑)のように尾根通しに行くのが基本です。

未だ紅葉の残る石祠の前で道中の無事を祈ったり、NHKとYBSの中継アンテナの少し上の尾根で雪化粧した奥秩父や目の前の棚横手~甲州高尾山を眺めながら休憩をとったりとマイペースで登ってゆき、1041.1の三角点で南に進路を変えます。1041.1から岩崎山へ向かう途中の尾根は、右手に枝越しとはいえ、真っ白な南アルプスを見ながらの歩きでこれもなかなか楽しいのですが、尾根がやや左に向きを変えると枝藪が気になるやや歩きにくい径になります。

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(岩崎山への登りで…ヤマカマス)

やがて傾斜が緩んでくると岩崎山。『静かなる尾根歩き』では山名標は見当たらなかったとのことですが、この日は「岩崎山」とそれに「日蔭雁ヶ腹摺山」の山名標も見ました。あまりぱっとしない山頂ですが、中継アンテナの休憩からちょうど一時間ほど経過していたので、ここでも水分補給休憩。

岩崎山からさらに尾根通しに南進。10分ほどで右手に南アルプスが見えたのですが、もうこの頃には南アの稜線には雲がかかっていました。スッキリとした展望ポイントではありませんが、でもこんなコースでは希少な撮影ポイントです(トップ写真)。南アの写真を撮ってからさらに南進。1090の手前で小林氏が這い登ったという地点をさがしましたが、はっきりとはわかりませんでした。ピーク直前に左手に赤のマーキングがありましたが、この斜面はかなり強引に登らないと…という感じでした。

右手に雲母山の端正な山容が見えてきます。1090を越えてまもなく右手に林道(未舗装)がある鞍部に降り立ちました。
林道を隔てた対面には雲母山へ登る踏み跡はなく、ここは難しそうだなとしばし鞍部で思案。ここから雲母山へ行くには3つの方法が考えられます。

1.松浦氏のコースを忠実に逆に辿る=林道から雲母山の東の支尾根をとらえ、直登。
2.林道をずっと辿り屈曲点で東の支尾根に乗るか、そのまま林道を辿って雲母山の南尾根から登る。
3.時間はかかっても完全尾根通し=1160m圏峰経由で逆V字型に尾根を辿る。

一番簡単なのは2番。難しいけれどやってみたいのはもちろん1番。
3番は美しいけれど、この先京戸山方面に行く際に同じところを結構無駄に往復することになります。

ここは急がば回れで2番か、と林道を上がっていくと、すぐに左手にそれっぽい踏み跡が伸びているのに気づきました。今日はここまで首尾好く来ているし、天気もこの上ないほど好いので、思い切ってこの踏み跡から尾根に取り付いてみようと入ってみました(=1番)。

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(林道がUターンする地点の展望)

これが結果的には上手くいって松浦さんの記事の逆=西に進んで尾根に乗ったあと南西に進んで「保安林改良施行地」のプレートの先で大きく展望がひらけた林道の屈曲点に登りつき、そこから東支尾根を直登して肩のようなところ(南尾根からの踏み跡と出合う)に ほぼ最短距離で到達できました。

しかしながら、これは松浦本のコピーと地形図&コンパスを総動員して、しかも登りだからできたものの、同じコースを下ってみせろと言われたら出来る自信はありません。なにしろ、この東支尾根は地形図で見るまでもなく尾根の形は遠目には明瞭ではありませんし、この東支尾根上には枝打ちされた枝が大量に放置されていて、踏み跡といったものは無きに等しいからです。

そんなわけですから、このショートカット、地形判断や地図よみに慣れていない方は、なるべく避け、林道を迂回して行く方が安全かと思います。支尾根の歩きにくさを考えると所要時間もそれほどは違わない気がします。

また、しつこいようですが、今回のこのコースも指導標のたぐいは全くなく、地形判断力必須(コンパス&地形図で進むべき方向が割り出せる)ですので、その点、どうかご留意くださいますようお願い申し上げます。


その2に続く


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コメント

ゴン太さん、こんにちはー!
素晴らしい景色ですね!もちろん私にはこういう真似はできませんから同じところは歩けませんが、
あまり知られていないところで、ビューポイントを見つけるのって、結構楽しいのではないかと想像します
そして、実は私も最近このエリアが気になっていて甲斐大和駅のバス時刻を調べていたところでした。
冬枯れの時期に気持ちよく歩けそうな気がして・・・
温泉もありますしね~。
青春18きっぷのことも忘れていたので、ありがとうございます!
続きもまた楽しみにしています。

投稿: cyu2 | 2008.12.03 12:40

こんにちは、

奇遇ですね、示し合わせたわけではないのに。

登り口は一緒でしたね。
岩崎山の表示、タカは見落としちゃいました。

雲母山はパスしました。

その後は、ナットウ箱山へピストンで、カヤノキビラ
ノ頭、摺針峠、笹子駅でした。

投稿: タカ | 2008.12.03 16:04

cyu2さん、こんばんは~。

こんなへんてこ山行にコメントいただき恐縮です。

これからの時期はやはり展望が魅力ですよね。春は新緑、夏は高山、秋は紅葉、冬は展望。山はオールシーズン楽しみがありますから、一年中楽しめる好い趣味だなぁなんて思っちゃったりしてます。

冬枯れの時期は、短いコースをゆるゆる歩くだけでも楽しいですよね。落ち葉道をしずしずと歩くなんて結構贅沢な楽しみだなんて、ワタクシはひとりひそかに自負していたりするのです(笑)。

18きっぷはみんな夏に思いついても、冬はあまり使う人いないみたいですね。でも、私は冬こそが18きっぷシーズンだ、なんて思っているのですよ。

投稿: ゴン太 | 2008.12.03 23:35

タカさん、ほんと奇遇ですネ。

岩崎山山行から帰ってくるまで、komadoさんのところの掲示板も見ていなかったので、タカさんが先週歩かれたことも知らなかったのですよ。

それに私の記事を見て歩く気になったなんて、嬉しいかぎりです。

「空沢峠」ですが、松浦本には記載がないようですね。私は初めて聞く名前なのですが、どこかの資料に書かれているのでしょうか。あの、1090から下った鞍部のことだと思いますが、勝沼と大和を結ぶ峠道も昔はあったのでしょうね。Z字の林道とあの未舗装の林道は昔の峠道を利用して作ったものとか…

そうそう、タカさんの歩かれた摺針峠道は、私まだ歩いたことがないのですよ。昔、荒れていると聞いたことがあったのですが、今は結構歩きやすくなったのでしょうか。

投稿: ゴン太 | 2008.12.03 23:51

お早うございます。

「空沢峠」の名前は、山村正光氏の本の京戸山から
北へ降りる尾根の地図に「空沢峠へ」と記載されて
います。どの本だったかは調べておきます。

摺針峠には、新しい指導標に笹子駅へと入っております。
8年ほど前に、摺針峠を歩いた時はありませんでした。

ここから下る道は、最近、誰も歩いた様子はなく、斜面
のトラバース道は落ち葉に深く埋まっていましたが、
歩きやすい道でした。
ちなみに、カヤノキビラノ頭より笹子駅まで約2時間
20分でした。笹子駅への最短コースだと思われます。

投稿: タカ | 2008.12.04 08:00

タカさん、こんばんは。

山村さんの本でしたか~。空沢峠、好い名前ですね。山名は手製の山名標などで残っていても、小さな峠は名標が無いせいか、どんどん忘れ去られて行く傾向にあるようで、ちょっと寂しいです。峠道が廃道化したり、林道化したりするのも原因のひとつなのでしょうね。

摺針峠の方の、情報どうもありがとうございます。指導標があるのは3年ほど前に私も歩いて気づきましたが、果たして降りて大丈夫かどうか不安だったので、尾根通しに降りられる笹子峠まで頑張って歩いた記憶があります。
確かに笹子駅まで最短ルートのようですから、いつか機会があれば私も挑戦してみますね。

投稿: ゴン太 | 2008.12.04 22:59

「富士を眺める山歩き」山村正光(毎日新聞社)
でした。

笹子駅への最短コースといえば、大洞山の南の肩
(1350m)から、東へ尾根を降りてもよさそ
うですね。
真っ直ぐな尾根ではないですが、ここも歩けそうです。

投稿: タカ | 2008.12.05 07:45

タカさん、こんばんは~。

『富士を眺める山歩き』は、図書館で借りて読んだことがあります。結構マイナーな山が載っていますよね。 ありきたりのガイド本と違って、コース解説よりも、その山歩きの印象や雰囲気に重点が置かれていて面白い本だと思いました。

大洞山の南から東へ伸びる尾根、地形図で見てみましたが、うーむ、私にはちょっと難しそうです(笑)。
中尾根ならまぁ何とかなりそうですが、実はまだ中尾根も歩いたことがないので、ずいぶん先の宿題になりそうです。

投稿: ゴン太 | 2008.12.06 20:47

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