【恩若峰南西尾根から源次郎岳 その1】 山バス情報90
【山行日】 2008年11月2日(日)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
新宿 05:18 - 06:13 高尾 (中央線)
高尾 06:14 - 07:18 勝沼ぶどう郷 (中央線)
「歩行」
勝沼ぶどう郷駅 07:30 - 08:20 604.2三角点
三角点 08:25 - 09:35 870m圏峰
870m圏峰 09:50 - 10:20 恩若峰(おんじゃくみね)
恩若峰 10:25 - 12:00 源次郎平
源次郎平 12:25 - 13:05 源次郎岳
源次郎岳 13:15 - 14:30 嵯峨塩鉱泉
「バス」
嵯峨塩鉱泉 14:57 - 15:08 やまと天目山温泉 (栄和交通 600円)
「温泉」
やまと天目山温泉 15:10 - 16:55 (市外大人3時間 500円)
「バス」
やまと天目山温泉 17:12 - 17:23 甲斐大和駅 (甲州市民バス 300円)
「鉄道」
甲斐大和 17:28 - 18:44 高尾 (中央線)
高尾 18:55 - 京王線某駅 (京王線)
ちょうど二年前、源次郎岳へキリガ尾根から登った際、車道を歩きながらずっと左手に見えていて気になっていた恩若峰南西尾根。松浦隆康著『静かなる尾根歩き』では、下りにとって紹介されていますが、私の場合、エアリア赤実線でも道迷いをしてしまう(笑)ほど貧弱な地形判断力しか持ち合わせていませんから、登りにとってうまくいけば二年前のように嵯峨塩鉱泉で入浴というプランにしました。
『静かなる尾根歩き』の解説によれば、恩若峰南西尾根の末端の取り付きは、墓地の脇ということで、地形図にもお寺の記号があります。勝沼ぶどう郷駅から線路の左側を歩いていくと線路を渡る橋があって、この橋を渡るとすぐ左に細道があり、これが近道と判ります。ちょうど市民バスの黒橋というバス停があるところです。線路の右側を歩いていくと、目の前に線路を覆うように恩若峰南西尾根の末端があって、まさに末端付近にある墓地も見えてきます。
取り付きは難なく見つかり、尾根を登っていきます。傾斜が緩むと左手に「表面が凹型にくりぬかれた巨石」が見つかり、目的の尾根に乗ったことが確認できました。途中枝道などもいくつか散見されますが、それらを無視して尾根を忠実に辿っていくとやがて604.2mの三角点に到着します。ここまで駅から50分ぐらいかかってしまったので、とりあえず、一息入れることにします。ただ南側の展望は植林が育ってしまったため、さほどよくはありません。
なおも尾根通しにいくと、「道が十字に交わる峠のような場所」に出ますが、ここは確かに下りにとったときは間違えやすい場所だと思いました。それにしても西南西に降りていく道はいったいどこに出るのでしょうか。地図を見てちょっと不思議に思いました。下りにとると判りにくいですが、ここには小さな石碑があって、私が行ったときはお酒がお供えしてありました。
さらに尾根道を歩いていきます。木々はまだ緑色の葉をつけているものがほとんどで、たまに気の早い葉がうっすら色づいているていどです。南関東は10月後半の冷え込みが弱すぎたのでしょう。紅葉は例年よりもさらに遅れているようです。
840m圏峰を二つ越えるあたりまでは、この南西尾根、登りにとる限り、そう難しくないのですが、下りではそれほど難しくなくても、登りにとったとき少々難しいのが870m圏峰へ上がる直前です。来た方向を矢印で指した赤テープがあったのでもしかしたら下りでも少しまごつくかも知れません。
ここは地形図を詳細に見ればわかることですが、進行方向を大きく右に変える際に少し下ってから登り返す感じになります。進行方向をコンパスで確認して目指す尾根を探し出してください。
870m圏峰(445号標石)に上がると、なるほど、下りにとったときには間違える人が多いだろうな、という感想です。間違えやすい方向には枝で通せんぼの印があり、下るべき方向には赤テープではなく赤ヒモが下がっていました。お腹が空いたので、ここで水分とオニギリ一個を補給。
870m圏峰から標石の続く尾根を辿っていくと、440号標石に辿り着き、ここも確かに下りだと間違いやすいところだと感じます。下るべき方向には立木に赤テープが巻かれていましたが、降りてきた人はこちらに主尾根が続いているとはなかなか気づきにくいのではないかと思います。地形図をじっくり見ていれば、なるほど主尾根ではない方向に入り込みやすい地形だな、ということに気づくべきなのでしょうが…。
いずれにせよ、このコース(恩若峰南西尾根)は指導標のたぐいは一切無く、マーキングも必要最小限しかついておりませんので、コンパスを使って進むべき方向を割り出すことが出来ない方は安易に入らない方が賢明でしょう。
440号標石からさらに北東を目指して進んでいくと15分ほどで塩山からのエアリア赤破線路に飛び出します。目の前の立木には某山の会の「恩若峰を経て源次郎岳」のプレートがあるのはいいのですが、来た方向(南西尾根)を指して同じ山の会の小さな道標「下萩・牛奥方面」はいかがなものかと思いました。一般登山者の持っている登山地図で牛奥の表記があるのは嵯峨塩鉱泉の方だけですし、下萩は1/25000地形図で見ると塩山方向と勘違いされても仕方ありません。混乱を招くだけでは?と感じましたが、勝手に撤去するのも何ですから、そのままにしておきました。
恩若峰には10時前に到着できたらいいなと思っていたのですが、10時半近くになってしまいました。これでもう嵯峨塩鉱泉の入浴は難しそうだなと残念でしたが、急いでも仕方ないので、恩若峰でも少し休憩をいれることにしました。
恩若峰からは源次郎岳を目指して一般登山道を行きます。平凡なピークを上手に巻いてくれていたりして、なかなか歩きやすい径ですが、いかんせん指導標のたぐいが少ないのと多少踏み跡の頼りないところもあるので、慣れていないと少々不安に感じるかも知れません。
木々は色づいたものが増えてきましたが、どうも今ひとつぱっとした紅葉に感じられないのは、やはりモミジの赤が少ないせいでしょうか、それともやはり冷え込みが甘いからでしょうか。お空の方も何故か源次郎の周辺だけが呪われたようにどんより曇っていて(笑)光が少ないのも原因のひとつかな、などと考えながら歩いていくと、源次郎平に到着。時間もお昼になってしまいましたし、この低血糖状態ではとてもあの源次郎岳への急登をこなせそうもないだろう、ということで源次郎平で源次郎岳を眺めながら腹ごしらえとしました。ここまで人っ子一人逢わない静かな山旅です。
その2に続く
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コメント
こんばんは。このルートは秋も良さそうですね。
小生は昨年3月に新ハイで逆コースを57名で歩きましたが、まさにゴン太さんのご指摘通りでした。リーダーの方も経験者でしたが、恩若峰の下りで920mあたりから南西方向のコルに下らねばならないところを南の枝尾根に入ってしまい沢から登り返して西へたどり910mのピークに戻りました。また、870m圏峰からの下りも枝の通せんぼがなかったので南南東の枝尾根を下り途中から戻りました。2万5千図をよく見れば良かったと思いますが、このように地形が若干複雑なところは不精をしてはいけませんね。
投稿: AKIO | 2008.11.05 21:30
AKIOさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます。
このコース、自然林が下部の方にもあるので、秋ならどこかしら紅葉が見頃になるんじゃないか、と、そんな目論見もあって出掛けてみたのですよ。
おっしゃるとおり、下りだとあの2箇所は間違えやすいところでしょう。『静かなる尾根歩き』で注意点として書かれていますが、それでも間違える人がいておかしくない、そんな場所ですよね。
やはり実際に歩いてみて、どうして引きこまれやすいのか、再度地図と照合して、なるほどこういうパターンは迷い込みやすいのだな、と再認識することがスキルアップにつながるのではないか、と今回歩いてみて、そんなことを感じました。
投稿: ゴン太 | 2008.11.05 22:42