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2008.11.18

【紅葉の大谷ヶ丸西尾根から笹一へ】

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(大谷ヶ丸西尾根 1180m圏峰の近くで…)

【山行日】 2008年11月15日(土)


【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾   (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 07:12 甲斐大和 (中央線各駅停車)

「歩行」
甲斐大和駅  07:20 - 08:05 西尾根取り付き
取り付き   08:15 - 09:05 御料局三角点(1150m圏峰)
1150圏峰 09:10 - 10:15 麻生山(1370m圏峰)
麻生山    10:25 - 11:15 大谷ヶ丸北峰
大谷ヶ丸北峰 11:20 - 11:30 大谷ヶ丸
大谷ヶ丸   12:00 - 13:00 曲り沢峠
曲沢峠    13:10 - 14:10 道証地蔵
道証地蔵   14:15 - 15:10 笹一
笹一     17:10 - 17:20 笹子駅

「鉄道」
笹子  17:33 - 18:44 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  18:55 - 京王線某駅  (京王線)

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例のエアリア赤線での迷走のとき、笹一にとっておこうと思って見送ったプラン、これをよく見直してみると、どうも私の鈍足では笹一酒造の新酒祭りが終了する17:00に間に合いそうにない、ということが判明しまして(笑)、別プランを考えていたのですが、そういえば、もうずいぶん長いこと大谷ヶ丸には登っていないなぁ、と…。

そこで思いついたのが、松浦隆康著『静かなる尾根歩き』にも載っている、「大谷ヶ丸西別尾根から西尾根」の西尾根部分を登路にとって、下りを素直に以前歩いたこともある曲沢峠への一般登山道にして道証地蔵経由で笹一へ向かう、というプランです。朝一の電車に乗れれば(乗り損ねても甲斐大和駅から上日川峠のバスもあるし)ゆっくり歩いても、笹一に16時過ぎには着けるだろうとの目算も立って、実行してみました。


念のためのご注意:大谷ヶ丸西尾根は一般登山道とは違い、道標は一切無く、コンパスと地形図をある程度使いこなせる方でないと(特に下りは)難しいコースです。登りでも2万5千分の1地形図「笹子」とコンパスは必携ですので、ご留意ください。

早朝の甲斐大和駅。家を出たときは生温かかった空気もさすがにひんやりとして、青空に秋色の岩崎山が映え、午後から曇りの予報が当たるとはとても思えない気持ちのよい秋晴れです。

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車道歩きで景徳院を過ぎて、左手に茅葺きの民家を見てすぐに右手に分かれる舗装道が曲沢峠への道なのですが、曲沢沿いの道が荒れているため、登山道を付け替えたとの注意書きがありました。

今回は左手の尾根に取り付くため、指示には従わず、旧曲沢コースへの舗装道を上がっていきます。舗装が切れるところに大谷ヶ丸西尾根の取り付きである205号鉄塔への送電線巡視路があります。

きれいに色づいた雑木の巡視路を登っていくとあっけなく尾根の取り付きに成功し、やや藪がちではあるものの、尾根上のしっかりした踏み跡を辿ることが出来ます。尾根上も、カラマツなども混じりますが、ほとんど自然林の歩いていて気持ちのよい径です。左手にはきれいな秋色の西別尾根が見えていて、いつかあちらの尾根も歩いてみたいと思いながら少しずつ高度を上げていきます。

紅葉の写真など撮りながら、尾根を登っていくとやがて御料局三角点がある1150m圏峰に到着。取り付きから50分ほど経過していたこともあり、ここで水分補給がてら休憩。

御料局三角点から1199mピークに向かうと、ピーク手前で結構な枝藪になります(下りにとった場合はしっかり方向確認しないと間違えやすいところだと思いました)が、ピークに至れば、あとはスッキリした雑木の美しい尾根道となり、歩いていて大変気分が好いところです。紅葉もこのあたりから見頃となって、とりわけ赤い紅葉が鮮やかな彩りとなっていました。

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(西尾根1199mピークを過ぎたあたり…)

木製のやぐらがある1330m圏峰では、笹藪の中、西別尾根と合わさり、ここも(特に下りでは)しっかり方向確認が必要なところ。少し下って登り返せば発動機が放置された1370mのピークです。少々殺風景ではありますが、少しばかりの展望もあり、ここでパンと水分を少し補給しておきます。なにしろ、地形図の等高線を見るまでもなく、このあとは、約300m近い鉄砲登りが待っているからです。

覚悟していたとはいえ、やはり1370mのピークから先の斜面は絞られました(笑)。登っても登っても傾斜は緩まず、雑木の落ち葉が踏ん張りをきかなくする、マイナールート独特の登りづらさ。いつも終わってみれば楽しい思い出になるのですが、しかしながら登っている最中は「よいしょ」から「えいくそっ」「こんちくしょっ」にかけ声が変わるほどキビシイ(笑)。

最後は大岩を巻くようにして大谷ヶ丸北峰に飛び出します。ここまでもちろん誰にも逢わなかったのですが、北峰で一人単独の男性とお会いしました。挨拶だけして北側の岩で一休み。北峰は縦走路から外れたところにあり、落ち着いたいい雰囲気の場所で、あとからやはりこちらでお昼にすれば好かったなとちょっぴり後悔してしまったほどです。

北峰に上がる前から、ガスが上がってきてはいたのですが、北峰から南の高みを目指して笹藪に覆われた踏み跡をたどる頃には、上空はすっかり灰色になっていました。昼から曇りとの予報通りです。

縦走路に飛び出し、なつかしい大谷ヶ丸で少し早めですがお昼御飯にしました。お昼を食べている最中も単独行の男性お二人にお会いしただけ。。。南大菩薩の中でも大谷ヶ丸は比較的人が少ないですね。

お昼を済ませ、ここからは一般登山道を行きます。天気も悪いし、笹一の時間もあるので、今日は滝子山は寄らずに、まっすぐ曲沢峠へ。
途中の雑木林で落ち葉をガサゴソいわせるのはやっぱり楽しいです。曲沢峠までの径はほとんど紅葉は終わっていて冬枯れの様相でした。ときおりポツポツと額に水滴が落ちますが、雨降りとまではいかず、のんびりと緩い傾斜を下っていきます。

曲沢峠で少し休憩。休憩中何度か上空をヘリが旋回していて、どこかで事故でもあったのかな、と少し心配になります。曲沢峠からはスミ沢沿いの径へ降りますが、ここらへんはとても紅葉がきれいで、天気さえ好ければもっと好い写真が撮れたのにと残念でした。


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道証地蔵にたどり着き、2年前間違って降りてしまったところが目と鼻の先だったことを確認(笑)してから、笹一へ向かいました。

笹一では、おいしいタダ酒を駆けつけ三杯(笑)。
すっかりいい気分で誰も知っている人もいないし、そろそろ帰ろうか、としたとき、ba_sobuさんご夫妻とkomadoさんがいらして、4人で楽しくお話して、帰路の電車も高尾までご一緒させていただき、東北の山の話など貴重なお話をきかせていただき、気分好く帰途につくことが出来ました。

komadoさん、ba_sobuさんご夫妻、当日はいろいろごちそうになったりして、どうもありがとうございました。またどこかでお会いしましたら、どうぞよろしくお願いいたします。 m(__)m

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コメント

>1370mのピークから先の斜面は絞られました
急登では、足首まわりに紐をまわさないと楽です。
もっとも、最近の靴は柔らかいから、あまり代わり映えしませんでしょうけど…

投稿: もりたさとる | 2008.11.19 14:02

もりたさとるさん、コメントどうもありがとうございます。

足首周りにはヒモを回さないようにはしていますが、やはり落ち葉ズルズルだけはどうしようもないようです(笑)。おっしゃるとおり、靴も柔らかくなってしまっているので、あまり効果もないのですが、いちおう気をつけてはいます。

投稿: ゴン太 | 2008.11.19 19:08

ゴン太さん、こんにちは。

大谷が丸でしたか。自分も一度は大谷が丸のこの尾根を歩いて見たいと思っていました。やはりあの本はとっても役に立つ本ですね。紅葉もやはり良かったようで、楽しめたようですね。

今年は笹一のお酒は樽酒じゃなくて、ビンに入った生酒を入れているようでしたので、少し濃いめだったような気がしましたが、やっぱり美味しかったと思います。ゴン太さんはいかがでしたでしょうか。

投稿: リブル | 2008.11.19 22:58

リブルさん、こんばんは~。
コメントどうもありがとうございます。

大谷ヶ丸の西尾根は長いけれどオススメです。雑木のきれいな尾根で、最後の急登もブナ林が素敵なんですよ。なにより北峰がすごくイイです。一度歩いてみてください。

笹一はいつも通り生搾り原酒を数杯(笑)と濁り酒を一杯頂いたのですが、どちらも例年通り美味でした。生搾り原酒は、いつもどおり水のように五臓六腑にすうっと浸み込んでいく感じでしたヨ。

リブルさんにとって、濃い感じがしたのは、うーん、やっぱり今年は山歩きの後じゃなかったから(笑)ではないかなぁ~。(^^;

投稿: ゴン太 | 2008.11.20 19:07

ゴン太さん、こんばんは。15日(土)は小生も同じ電車に乗っていたようですね。たとえ同じ駅で降りたとしてもなかなかわかりませんね。
笹子駅を7時すぎに歩きはじめて、新田ー大沢山ーカヤノキビラノ頭ー中尾根ー笹子と歩きました。笹一のエベントは知っていましたが、小生は日本酒は飲まないので(日本人ですが)午後は天気もイマイチだったので14時すぎの電車で帰りました。
ちなみに、落葉ズルズルの急登の場合はステッキを使うようにしています。
いつかどこかでお会いできると思います。楽しみにしています。

投稿: AKIO | 2008.11.21 19:58

ゴン太さん、こんばんわ。
コースタイムと拝見すると笹一にずいぶんと長居させてしまったようですね(笑)。それでもおかげで楽しいひとときを過ごすことができました。ありがとございました。(^^)

西尾根上部も北峰も自然林の美しい いいところですよね。天気は残念でしたけどボク自身ランチなら北峰の方が断然好きです!

投稿: komado | 2008.11.22 19:25

AKIOさん、こんばんは。
レス遅れてしまいまして、すみませんでした。

同じ電車だったとのこと、私はたいていいつも後ろの方に乗っているので、笹子駅では降りた登山者を眺めていたのですが…。

そうですね。どこかでお会いすることになる、というか、双方それと知らずにもうお会いしているかもしれませんね。どこかでお会いすることがあれば、そのときは宜しくお願いいたします。

あ、あと笹一のイベントですが、日本酒はお飲みにならなくても、ぜひ一度寄る価値はあると思いますよ。ワインもありますし、アルコール以外の飲料もありますから。。。

投稿: ゴン太 | 2008.11.23 18:19

komadoさん、こんばんは。

長居させたなんて、それは私の方ですよ。誰か来ないかな~と思っていたので、komadoさんたちの姿を見つけたときは、こりゃ、帰らなくて好かったと思いましたもの。

ネットでは行き来していても、実際にお会いしてお話しする機会はそう無いので、とても嬉しかったです。

北峰は~、もうホント後悔してます(笑)。次回西別尾根を登るときは、絶対にあそこで昼飯喰うぞ…と心に決めておりますです。

投稿: ゴン太 | 2008.11.23 18:27

そうそう、気になっていましたが:
>曲沢峠からはスミ沢沿いの径へ
スミ沢 でなくて ズミ沢 が正しいです。
>曲沢沿いの道が荒れているため、
>登山道を付け替えたとの注意書きがありました。
8年前、若い植林の斜面が崩れており、
苦労して通過しましたが、そうですか。
どんなになっているのか、こんど見に行ってきましょう。

投稿: もりたさとる | 2008.11.26 15:26

ズミ沢 でしたか。
もう年なもので、老眼はいってまして(笑)、地形図の658とかは868に見えたりして困っています。眼鏡は老眼矯正も入っているのですが、進行してしまって… 

今後も間違いに気づきましたらご教示願います。

どうもありがとうございました。

投稿: ゴン太 | 2008.11.26 19:03

ゴン太さん、こんにちわ

>道証地蔵にたどり着き、2年前間違って降りてしまったところが目と鼻の先だったことを確認(笑)

笑えるくらい近かったでしょ~~(^^ゞ
私にも読図スキルがあれば…少し違ってたかもしれないから、あまり自分を責めないで下さいね
私にも半分、責任ありますし…。

前にも書いたけど、アレはアレで良かったと思ってます、私はね。

今年の春、大沢山にて山菜採りへ行った際、地形図の読み方とコンパスの使い方を師匠より(きのこ名人^^)教えて貰いました。
藪ラーになろうなんて、これっぽっちも思ってないんだけど…もしもの為にね(笑)
先ずはエアリア実線にて地形図に慣れる事から始めています(笑)
読図の道は長そう…でも判って来ると面白いですね~

投稿: れれちゃん | 2008.11.30 17:35

ゴン太さん、こんばんはー!
書き込みは少しご無沙汰でしたが、いつも見に来ています!
・・・と言うのがいいたかっただけなんです、スイマセン。
ゴン太さんの歩かれるコース、私のようなただぼさーっと歩いているだけのものには全然解らなくて・・・
で、コメントが出来なかっただけなのです(笑)

秋ももう終わりですね~。
近所ですらもう、紅葉も終盤になりましたもんね。
これからどこ歩きますか~?私にとっては歩けるところが少なくなる時期で、どこなら可能なのか?頭を使わなくてはなりません。
それでも行きたくなる・・・山は不思議なヤミツキ。

投稿: cyu2 | 2008.11.30 21:02

れれちゃん、こんばんは~。
コメントどうもありがとうございます。

そうですか。きのこ名人の師匠に読図を習ったのですか。ステップバイスッテプで少しずつでもスキルアップ出来ると好いですね。

今日も実は地図読みルートを歩いてきたのですが、珍しく(笑)かなり首尾好くいったとはいえ、それでも反省点というのはあるものです。

私のような初歩的なことしかできないものが言うのもナンですけど、たぶん、地図読み・地形判断力というのはここまでできれば卒業というのはないのだと思いますヨ。

今までだったら出来なかっただろうというレベルが出来るようになるというのは確かに嬉しいことなので、今日は結構満足な山歩きだったのですが、ヘンに満足したりすると油断というか慢心で次の山行あたりでポカやヘマをやってしまう(笑)ので、要注意です。

まぁ、いつもいつも地図読みばかりだと疲れるし、次回あたりは一般登山道だけでのんびり歩くのもいいかな、なんて考えたりもしてます。

やっぱり山は楽しく歩くのが一番ですからネ。

投稿: ゴン太 | 2008.11.30 21:11

cyu2さん、こんばんは。
いつもコメントどうもありがとうございます。

いやいや、このところ、ヘンな山のそれもへんてこなコースばっかり歩いていますから、コメントしようもないだろうな~(笑)と思っていましたから、そんな記事を見に来ていただけるだけでじゅうぶんですよ。

というより、私の方こそ、cyu2さんのページはよく覗きに行っているのですが、全然コメントできずにいて申し訳なく思っています。このあいだの雲取のテント泊なんて、あぁ、すごくいいなぁなんてよだれ垂らして(笑)見ていたのですが、コメントナシのままでスミマセンでした。

ここんとこ、三条の湯に行きたいな~とずっと思っていて、プランも立てていたのですが、結局見送っていたら、cyu2さんの記事を見て「ア~!」と声を出してしまったほどだったのですよ。

なお、次回の更新はもっ~っとヘンな山のもっともっとへんてこなコースなので、「ヘンなヤツ」と笑って見てやってくださいまし。

紅葉も終わって、これからは、そうですね18きっぷで、できるだけ遠くの聞いたこともないような山に出掛けようと企んでいます(笑)

投稿: ゴン太 | 2008.11.30 21:25

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