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2008.08.05

【奥秩父で避暑…瑞牆山と小川山 その2】 山バス情報85

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(朝靄に煙る早朝の瑞牆山)


翌朝は、4時頃目が覚めたのですが、あと少し横になっていたい…とゴロゴロしているうち4時半近くになってしまいました。コンタクトレンズを装着してから、シュラフを畳んで、マットレスを丸め、テントの外に出てお湯を沸かしながら、テントの撤収作業と能率良くやったつもりなのですが、やはり食事を済ませて水も補充、準備万端で出発となると、起きてから一時間近くかかってしまいます。 ここらへんは小屋泊まりと違い大変なところです。

05:20出発。昨日確認しておいた八丁平への径は分岐に真新しい立派な指導標があり、「小川山4時間」と書かれています。径はしばらく行くと多少藪っぽくなりますが、歩きにくいというほどではありません。途中で朝日を浴びた瑞牆山が見え、朝靄に煙るその姿は神々しさすら感じます。

やがて沢音が聞こえてくると左手に天鳥川の水流が現れます。天鳥川を渡る直前にご覧のような↓すてきな場所(エアリアに伐採小屋跡と記されたあたり?)もあり、この径はなかなか好い径だわとすっかり気に入りました。

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天鳥川を渡って、いかにも奥秩父らしい苔むした径を朝日に向かって歩いていくとやがて八丁平に到着。来た径を指してこれまた真新しい指導標に「富士見平1時間」と書かれていますが、私は富士見平から八丁平まで1時間と10分かかってしまいました。

八丁平で一休みしてから県境尾根を北上して小川山へ向かいます。コメツガの原生林に花は終わっているもののシャクナゲが混じりで、雰囲気はなかなか好く、どのガイドブックにも書かれている倒木は気になるほどはありませんでした。おそらくかなり除去してくれたのだと思います。特別歩きにくいとは感じない径で誰にも遇わないのをいいことに完全マイペースです。40分ほど歩くと眺めの良い岩峰に着きました。おそらく2270m岩峰でしょう。

小川山の山頂は展望が悪いことでも有名ですが、ここからの展望は南アルプスがほぼ全山見え、金峰山の五丈石もはっきりとよく見え、朝の7時だけに遠く中央アルプスらしき山塊まで見えていました。

この2270m岩峰からさらに40分ほど登ると、2347m峰の岩峰(シオサブ?)に着きます。小腹も空いたし、ここは先ほどの2270m岩峰よりさらに眺めが良いので、お湯を沸かしてメロンパンで二回目の朝食にします。さきほどと瑞牆の姿が違って見え、高度も上がったので見下ろす感じです。瑞牆の向こうに雲海に浮かぶ南ア連峰。ずっと右手に先ほどは見えにくかった八ヶ岳も見え、ご機嫌です。

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(2347m峰の岩峰から瑞牆山と南ア)

陽差しも強くやや暑く感じてきたところで、小川山に向けさらに北上。右手に金峰山荘(きんぽうさんそう)の分岐を見てシャクナゲの藪をくぐって、ひと登りで小川山に到着しました。結局富士見平をあとにしてから小川山まで誰にも会わない静かな山旅です。

小川山は展望がないわけではなく、わずかな切り開きから南アも望めます。ただ、2347m峰の岩峰に比べたら貧弱な展望といわざるを得ません。

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一休みして咲き残りの石楠花を写真に収めてから下山。さきほどの金峰山荘の分岐で金峰山荘方面の径を下ります。少し下ると廻り目平から登ってきたお二人に会い少し立ち話。展望がなくてとこぼしておられました。

このときの様子ではこの先の径が結構な難路だとは想像もしていませんでした。何せエアリアにはこの径は先ほどまでの赤破線路と違い赤実線で記されていて、わざわざ「八丁平からのコースより登りやすい」とまで注意書きがあるほどなのですから。

しかししかし、私は下りにしかとっていないけれど、どう贔屓目に見てもこの径が八丁平からの径より歩きやすいとは言えないと思いました。2008のピークまでもシャクナゲの藪が邪魔で歩きにくい箇所がかなりありますし、ミストレースもあちこちあり、正しいコースを歩いていても、「ひょっとしてクライマーのコースに入り込んじゃったかのかナ?」と勘違いしてしまうようなところもありました。

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(クライマーが大喜びしそうな?岩峰群)

もう後は下りだけに見えるカモシカコース分岐点から先も、実は分岐点からすぐのところで、少々難しい岩場の乗越があり、その際かなり登ります。岩場にある赤ペンキのマーキングを注視していないと、変なところに入り込んでしまう危険がありますから十分注意が必要です。

それでもなんとかコースタイムの40分で金峰山荘に到着。時間も時間だったのでお風呂には入らず、3分100円のコインシャワーで汗を流して着替えをすませると、シャンプーも石けんも使わなかったのにかなりさっぱりしました。

自販機でビールを購入して、ぐびぐびやりながら川端下(かわはけ)のバス停に向かいます。金峰山荘前にも途中にも臨時のバス停があったけれど、これはもはや廃止されてしまったのですかね。(昔は川端下行きのバスは15名以上いれば金峰山荘まで延伸可能だったのです)

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ちょっと思ったのですが、金峰山荘まで夏の間のごく一部だけでもバスが延伸してくれたら、この日の私も入浴してビールとお昼御飯までいただいていたと思うのです。つまりバスの延伸は川上村にお金を落とすのではないかと…。

1時間ほど歩き、なんとか、バス発車の10分前に川端下に到着。川上村営バスの時刻は平成16年の古い時刻表がまだWEB上にありますが、微妙に変更されていて新しい時刻表がこちらにありますので、ご注意ください。

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(川端下バス停)

川端下(かわはけ)のバス停でバス停の写真など撮ってから、ベンチに座っていると、地元の小学生らしき男の子が野球のユニフォームを着てやってきました。どうやらこれから試合があるようです。男の子とごく自然に挨拶。これまで10年以上もこの山歩きという趣味を続けてこられたのは、自然とのふれあいもさることながら、こういう地元の人との心のふれあいがあったからなんだよなぁ、としみじみ思いながら、夏の暑い陽差しの中、信濃川上駅までバスに揺られて行きました。




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コメント

こんばんはー!ゴン太さんお元気そうでなによりです。

瑞牆山でしたかー!怖くなかったですか?
あ、見えなくてラッキーだったのでしょうか?
私も行ってみようと良く調べたら・・・怖そうなのでいつか、後回しに・・・

下りが予想していたよりキビシイと、ホントにぐったりしてしまうのは私だけでしょうか・・・
出来れば下りは寝ぼけていても降りれるところが好み、です(笑)
ゴン太さんでも大変ならホントに大変そう・・・

>金峰山荘まで夏の間のごく一部だけでもバスが延伸してくれたら、この日の私も入浴してビールとお昼御飯までいただいていたと思うのです。つまりバスの延伸は川上村にお金を落とすのではないかと…。

私もそう感じる場所が時々あります・・・
バスじゃないけど「渋沢・大倉」に温泉か銭湯があったら!
といつも思います。あれだけ人が利用するバス停&駅なのに・・・
じゃ「自分で作ってやってみろ」ってハナシですかね・・・^_^;

投稿: cyu2 | 2008.08.06 21:48

やっぱり瑞牆山は夏でもそこそこ盛況なんですね。さすがだ。

そうそう小川山、あれはいい山ですよね。
八丁平からの苔むすしとやかな黒木の原生林は足にも優しく、素敵な道のりでした。でも廻り目平へ下るとその苔が乾いて雰囲気が一変していたのを思い出したんですけど、今も変わりはないのかなぁ。

ボクは以前、金峰山荘から秋山まで歩きました。その年はなぜか午後の川端下のバスがなかったので延々と歩いたんですけど途中で雷雨にあってずぶ濡れ。でもぬれたのはけっこう気持ちよかったんですけど(笑)雷が恐ろしかったです。あそこは一面広大な畑で空が広かったのです。今夏は本当に不安定ですね~。

投稿: komado | 2008.08.06 22:56

cyu2さんおはようございます~。

瑞牆山、あまりコワクなかったですよ。ガスっていたせいもあるかもしれませんけど(笑)、だいたい深田百名山のメインルートというのは、十分すぎるほど整備されてるもので、必要なところにはロープもありますし、おそらく誰にとっても歩きやすいのではないでしょうか。
ただ、まぁ、傾斜がかなり急なので、大きな荷物を背負って登る山ではないですし、目は覚ましておかないといけないかも(笑)。

この日の小川山は点線部分より実線部の方が歩きにくくて参りました。こちらは大きな荷物を背負っていたというのもありますが、それにしても小川山~廻り目平はお世辞にも歩きやすい径とはいえません。

バスは、川端下の場合村営バスで本来村民のために走っていますし、見合うだけの収益もあがらないのでしょうね。ただ、川端下~金峰山荘間の道路はものすごく立派で、この時期標高が高いとはいえ、晴れているとものすごい陽差しで灼けるように暑いのですよ。それで、ちょっとあんなことを書いてしまいました。こんな原油高ですし、よく考えてみれば登山者の身勝手な要求かもしれませんね(笑)。

投稿: ゴン太 | 2008.08.07 06:44

komadoさん、おはようございます。

やっぱり「深田百名山」の指定があるとですね、団体様との遭遇は避けられないみたい(笑)です。

小川山、komadoさんもやはりそう感じられましたか…。うれしいです。みんなあの山のことを展望がないといって悪く言うのですが、歩いてみると、奥秩父独特の山深さをじゅうぶん満喫できて、みんなどうしてこのことを評価しないんだろうって思ったのです。
山梨百名山ではありますが、深田百名山ではないせいもあって、この日は廻り目平への下山路で4人にあっただけでとても静かな山歩きが出来て満足でした。

金峰山荘から秋山まで歩きですか!ざっとみて金峰山荘~川端下の二倍ありますし、あそこはおっしゃるとおりレタス畑でずっとひらけている場所ですから、雷はおっかないですよね。

私は川端下から金峰山荘まで逆に歩いたこともあるのですが、いつもこのバスを使う時は晴天で、登りだと暑くて暑くて大変でした。でもこの道路、西側にニセ瑞牆みたいな山塊があって、あれが私、また気に入っているのですよ。クライマーが見たら絶対登りたくなるようなあの山塊、実際はルートあるのでしょうかね。。。

投稿: ゴン太 | 2008.08.07 07:02

ゴン太さん、ちは。

久しぶりのテント泊、結構重かったのでは。
自分もこないだの平ヶ岳の時はザックがかなり重く感じましたよ。
テントを畳んだり、出発まではやっぱり1時間ぐらいかかりますよね。
自分だとちょっとのんびりしていると1.5hぐらい平気でかかる時があったりします。

奥秩父の夏場は比較的人が少ないようですが、やはり涼しいのですね。
昼間でも信州はそんなに暑く感じなかったから、東京が暑すぎるのかもしれませんが。
小川山もまだ歩いていないので、その時の参考にさせてもらいますね。

投稿: リブル | 2008.08.07 22:07

リブルさん、こんばんは。

北アルプスに行ってらしたのですね。「ゴン太落とし」の急坂ブナ立尾根を下るのはつらくありませんでしたか(笑)。

久々のテント装備。瑞牆山荘から富士見平に上がる途中で「こんなことでダイジョブかいな」と心配になりましたが、二日目は登りでは重さをそれほど感じることもありませんでした。下りで倒木をくぐる時なんかがちょっと面倒でしたけど。

今回は一泊だけで標高もそれほど高くないので、思い切って防寒具は持たず、レインウエアと長袖の薄いシャツだけにしました。予備食も持たず、着替えも下着だけ。洗面用具も持たず、徹底した軽量化をしたのです。
今回やってみて思ったのですが、軽量化の秘訣はやはり普段より小さめのザックに詰め込む事みたいですよ。

暑さは、小淵沢の駅でも感じましたが、やはり東京に帰ってきて新宿で電車を降りた時にその異常さを感じました。一瞬アラビア半島かどこかの国に降りてしまったように感じましたよ(笑)。

投稿: ゴン太 | 2008.08.07 23:19

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