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2008.05.30

【平日だというのに…大混雑の檜洞丸】 山バス情報82

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【山行日】 2008年5月27日(火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅  - 07:03 新松田 (小田急線)

「バス」
新松田駅 07:15 - 08:40 西丹沢自然教室 (富士急湘南バス 1150円)

「歩行」
西丹沢   09:05 - 09:50 ゴーラ沢出合
ゴーラ沢  09:55 - 10:45 展望園地
展望園地  10:55 - 12:25 桧洞丸
檜洞丸   12:55 - 14:05 小笄(ここうげ)
小笄    14:10 - 14:45 犬越路
犬越路   14:55 - 16:10 西丹沢自然教室バス停

「バス」
西丹沢自然教室 16:20 - 17:35 新松田駅 (富士急湘南バス 1150円)

「鉄道」
新松田 17:46 - 小田急線某駅

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4月の終わりに奥多摩へ出掛けて以来、土曜出勤や風邪、悪天などいろいろ口実をもうけては、山に登るのをさぼっておりましたが、ぼやぼやしているうちに、梅雨入りも間近になってしまい、このままじゃ、梅雨明けまで2カ月以上の大ブランクが空いてしまうぞ!という焦りが…。そこで思い切って平日にお休みをとって山に行くことにしました。

せっかく平日にお休みをとって行くのだから、普段混雑するところを…といえば、この時期ですから、「シロヤシオの檜洞丸しかない!」とかんたんに行き先が決まります。

いや~、檜洞丸なんて本当に久しぶりです。天気も好く、静かな檜洞丸でシロヤシオを堪能できる、とウキウキして自宅を出ました。

小田急線が本厚木に着いた頃、反対側の上り列車に乗るこれからお勤めの皆さんを見て、あぁやっぱ平日の山行きはいいわい、などと罰当たりなことを考えていたのですが、これが本当に天罰になるまで(笑)一時間とかかりませんでした。

新松田で降りる際に「あれ~、なんでこんなに登山者がいるの?」というぐらいたくさんリュックを担いだ人が目に入りました。それでも新松田の改札を出て西丹沢行きのバス停に並ぶ登山者の行列を見るまでは、まさかずっと立ちっぱなしで新松田から西丹沢まで行くなんて事はこれっぽっちも考えていませんでした(大笑)。

富士急の方でも想定外だったらしく、この日のバスはそれほど大型ではないバスで、私が乗り込む前に満席となり、当然平日ですから臨時の増発なんて気の利いたものは出ません。仕方ないので立ったまま西丹沢まで行くことになりました。当然のように降りる人はいませんし、谷峨駅ではさらに列を作った登山者が乗り込んできてまさに立錐の余地もないほどの大混雑。

そしてトドメは玄倉で通学のために乗り込んできた小学生たち…。 そうです。このバスは平日は通学バスとしての役割がそもそものメインなのですね。 ごめんね、山バカたちのせいでこんなに混雑させちゃって…おまけに途中混雑で遅延していたため、彼らは数分の遅刻です。

そんなわけで、西丹沢自然教室に着いたのは予定時刻を15分ほど超過した08:40頃。
バスの中で隣の席にリュックをおいてゆっくり食べるつもりでいた(笑)朝御飯は当然バス降車後になり、強い陽差しの中、日焼け止めを塗って、準備運動をして、とやっていたら、出発はついに9時を回ってからになってしまいました。


西丹沢自然教室のバス停から用木沢方面へ歩くと右手にツツジ新道の入口が見つかります。すぐに土の道を歩くことが出来、のっけから自然林で、この径はおそらく檜洞丸へ上る最短ルートだと思うのですが、本当に素敵な径です。下りに使ったこともあるのですが、この径はやはり登りにとるのが正解でしょう。

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ゴーラ沢出合までは沢の高巻き径で傾斜も緩く歩きやすい径なのですが、ゴーラ沢出合から先は尾根に取り付きますので途端に急傾斜になります。しかし、さすが「ツツジ新道」の名を冠しているだけあって、まずはヤマツツジの朱色がお出迎えです。新緑に映えるヤマツツジのこの色合いは、えもいわれぬ品格を具えていて、毎年これを見るたび春から夏に移行しつつあることを強く感じます。

強い陽差しをいっぱいに浴びた新緑を見ながら、なんとかきつい登りをこなして展望園地で一休み。
しかし、展望園地を後にしても、シロヤシオもトウゴクミツバツツジも簡単には姿を現してくれません。シロヤシオの花殻が落ちているのを目にし、そろそろかな、となおも続く急登をえっちら登っていくと、上から降りてきた人が「もう少しで、すごい群落が見えてくるよ」と知らせてくれます。

ちょうど木道が始まる少し手前あたりからがそれはそれは見事でした。シロヤシオとトウゴクミツバツツジの大競演です。今年のツツジの花づきは良いとは聞いていたのですが、これほどとは…。とくにシロヤシオときたら、もうびっしり隙間なく咲いていて、平日でもこれじゃあ混むわな、と妙に合点がいってしまったぐらいでした。この競演は箒沢からの径を併せるあたりまで続いていて、その間はまさに夢心地でした。

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(びっしり…)

山頂までの木道は、夢から覚めぬうちにいつの間にか歩いてしまった様な感じで、なんとなく歩いているうちに頂上に着いてしまいました。前回檜洞丸に登ったときは晩秋で、頂上は霧氷が見られるほどの寒さで凍えてしまったのですが、この日の山頂は残念ながらガスってしまっていて、今日こそは青空の檜洞丸山頂と期待していたのですが、どうも私と檜洞丸の山頂とは相性が悪いようです(笑)。


昼食を済ませ、今度は犬越路を目指します。この径ははじめてでしたが、ガスも徐々にとれ始めて、先に進むにつれてなかなか好い展望となり、大笄・小笄と尾根伝いにまたまたシロヤシオ&トウゴクミツバツツジのデュエットも楽しめました。展望は、富士山などは無理で、ガスが晴れてやっと大室山のどっしりした姿がはっきり見えた程度でしたが、これから歩く尾根の緑地に紫の刺繍が施されているのが見えたのは感激でした。

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(大笄あたりから大室山へ続く尾根)

帰りのバスの混雑を嫌って、熊笹ノ峰から長者舎~東野というルートも少し考えたのですが、平日の東野のバスダイヤが頭に入っていなかったのと、今回は新しくできた犬越路の避難小屋を偵察したかったので、大笄小笄を越えて犬越路におります。尚、蛇足ですが犬越路から神ノ川に降りる登山道は、現在通行止めとなっておりますので、十分注意してください。

犬越路の避難小屋は大室山寄りの急斜面に建っていて、土砂崩れなどあったら大丈夫かな、と少し心配になりましたが、中を見たら、ああ、ここなら一度泊まってみたいな、と思わせる好い感じの避難小屋でした。以前はなかったトイレもきれいですし、なによりウッディな感じの内部がとてもいいです。水場がないのは玉に瑕ですが、十分な水を運び上げれば快適な一夜が過ごせそうです。

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(犬越路避難小屋内部の様子)

犬越路から用木沢出合の径は以前に登りにとったことがあったはずなのですが、ほとんど記憶が抜け落ちていて、こんな径だったっけと何度も首をかしげながら下っていきました。

用木沢出合から西丹沢自然教室へ時計を気にしながら車道歩き。バス停に着いたのはバス発車時刻の10分ほど前でしたが、まだバスは来ていませんでした。予想通りバス停には長蛇の列。とても平日とは思えません(笑)。この日は臨時が出るという話もあったみたいなのですが、100人以上の団体さんに2台貸切を出してしまった関係で、結局臨時便は無し。代わりに大型のバスがやってきました。

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(平日16時頃の西丹沢自然教室バス停)

悪運が強いのか、私は何とかぎりぎり座ることが出来て、「座れなかったら中川で下車して温泉」という非常プランを取らずに帰宅できました。しかし、平日でバスの座席を心配しなければならないとは、いやはやハイシーズンの丹沢は侮れませんねぇ。。。


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2008.05.02

【今年は奥多摩でアカヤシオ…離れ岩尾根から都県界尾根】 山バス情報81

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【山行日】 2008年4月29日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 05:55 立川  (中央線)
立川  06:04 - 06:34 青梅  (青梅線)
青梅  06:35 - 07:17 奥多摩 (青梅線)

「バス」
奥多摩駅 07:25 - 07:38 川乗橋 (西東京バス 250円)

「歩行」
川乗橋 07:45 - 08:25 細倉橋
細倉橋 08:35 - 09:55 離れ岩尾根取付
取付き 10:00 - 11:05 日向沢の峰
日向沢ノ峰 11:35 - 13:20 長尾丸
長尾丸 13:40 - 14:25 棒ノ折山
棒ノ嶺 14:40 - 16:30 さわらびの湯バス停

「バス」
さわらびの湯 16:31 - 17:20 飯能駅 (国際興業バス 600円)

「鉄道」
飯能  17:29 - 18:25 池袋 (西武池袋線 快速)
池袋  18:34 - 18:43 新宿 (山手線)

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ここ数年は混雑を嫌って、アカヤシオ姫シーズンのこの時期、群馬遠征が恒例となっておりましたが、昨年の三ツ岩岳のバスが直後にダイヤ改悪で、ほぼ使い物にならなくなってしまったこともありまして、今年は近場で…と考えていたのですが、ちょうどぱらぱらとめくっていた松浦隆康さんの『バリエーションルートを楽しむ』にこのルートが載っていたのを目にして、即決でした。

実に久しぶりの朝の青梅線。青梅から先はドアはボタンで開閉なのですね~。
GWですから、好天予報のこの日は、当然朝のバスは満員御礼。川乗橋までずっと立ちっぱなしでしたが、まぁ、このくらいの距離なら、ぎゅうぎゅう詰めということでもないかぎり苦痛ではありません。

川乗橋バス停からは、長い長い林道歩きです。幸い新緑が美しく、気温もちょうどよいくらいなので、それほど苦ではありませんでしたが、これから暑くなってきたら、この林道歩きはさすがにつらそうです。

細倉橋から完全単独行となって、松浦さんのガイド通り、百尋の滝を見下ろしたりしながら尚も林道をえっちら登っていくと、やがて未舗装の道となってしばらくで「林道川乗線」と「林道日向沢線」の分岐。 川乗線の方に左折して更に進めば、やっと離れ岩尾根の取り付きです。ここまで途中休憩を含めて約2時間10分。ふぅ…。

取り付き地点の対岸には岸壁にアカヤシオが咲いているのが遠目にも判りますが、ロッククライミングの技術でもなければとても近づけそうにありません。

植林の尾根を最初はまともに登っていくのですが、ガイド通り、すぐに踏み跡は尾根の西斜面(左側)を巻くようになります。そのまま踏み跡をたどり、ガイドにある1340m地点の分岐には、手製の指導標が備えられていました。「一杯水」と記された方向に進みます。

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踏み跡が都県界尾根に最も近づくところでマーキングのある薄い踏み跡を登っていくと、防火帯の都県界尾根に出てホッと一息。この径はエアリアに破線で載っていて、いざといいうとき良いエスケープになるのではと思っていたのですが、逆コース(都県界尾根から離れ岩尾根への入口)だとかなり判りにくいと思います。

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天気が好いという予報で来たのですが、残念ながらこの日の都県界尾根はガスがでたりして、日向沢の峰からの展望もいまひとつ。少々早めですが日向沢ノ峰でお昼御飯にしました。


昼食後は、再び都県界尾根に入り、棒折山を目指します。指導標もあり、この尾根は踏み跡もしっかりしていて迷うことはありません。また仙岳尾根まで実際にはエスケープがないわけでもなく、藪のうるさいところもありません。

最初はかなり急な下りですが、この急下降の鞍部以降はアカヤシオが楽しめます。右側(南側)は植林が多く、アカヤシオは伐採を免れた北側にあります。もちろん、尾根上にもあるのですが、しばらくは高いところにしか花がなくて、私のちっぽけなデジカメではうまく写真に収まらず、少々消化不良気味だったのですが、送電鉄塔のあたりから間近に(触れられるほどのところに)咲いてくれて、たくさん写真を撮ることが出来、満足でした。

ただ、このアカヤシオ、やはり青空とのコントラストが最高に絵になるのですが、残念ながら、この日は去年のように青空をバックに撮影することは出来ず、写真の出来映えはもうひとつでした。

送電鉄塔を過ぎても、アカヤシオは断続的に姿を見せ、ときおり、イワウチワも咲いていたり、長尾丸の手前では、咲き残りのカタクリもお目にかかれて、この都県界尾根は、期待以上に素晴らしい尾根でした。

アカヤシオ姫が姿を現すたびにシャッターを切っていましたから、日向沢の峰から長尾丸まで2時間近くかかっていますが、普通に歩けば1時間半ぐらいで歩けるのではないかと思います。

長尾丸山から棒ノ折までは北側の展望や新緑を楽しみながらゆったりと歩きましたが、さすがにこれだけ歩くと足も疲れてきます。尚、仙岳尾根の入口はエアリア(05年版)とは違い、槙ノ尾山の山頂から分岐していました。

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(長尾丸から槙ノ尾山へ向かうあたり 北側展望)

山桜咲く棒ノ折山で、小腹が空いたのでメロンパンを食べながら帰途を検討。
清東橋16:50は時間が余りすぎてしまいそう…。温泉にはいるかどうかはともかく、ここは折角都県界尾根を歩いたのだしと、東京から埼玉へ山越えとしました。

白谷沢沿いの道は、山を始めて間もない夏の頃に一度降りたことがあるのですが、今回も同じ径を降りることに…。

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(白谷沢沿いの径…新緑が美しかった)

そのときの印象では、夏ならともかく冬はおっかないだろうな、というものでしたが、こんな季節でも結構ゴルジュ帯では滑りますね。私は最後の最後で気が抜けたのでしょう、足を滑らせて手に少々怪我を負ってしまいました。

それでも無事、名栗湖に16時過ぎに降り立ち、のんびり歩いてさわらびの湯のバス停に着くと、ちょうど飯能行きのバスがやってきて、座れないな、とは思いつつも乗り込んで、温泉には寄らずに飯能駅へと向かいました。

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