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2008.02.14

【雪たっぷり…丹沢表尾根スノウハイク その2】 山バス情報78

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塔ノ岳の左に富士山が見える小平地で雪を踏み固めて、さてビニールシートを敷いてお昼御飯を食べようと思ったのですが、なんとビニールシートを家に置いてきてしまったようで、ザックのどこを探してもありません。仕方なくこれまで約10年間全く使わずにいた非常用のアルミ製サバイバルシートを出して広げてみました。

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これ、結構薄い割には断熱はしっかりしてくれて、さすがビバークに使えるだけあるなと感心しながらお昼をいただきました。目の前の塔ノ岳の山頂には尊仏山荘が見え、さらには頂上付近を行き来している登山者の姿もはっきりと視認できて、あそこじゃ落ち着かないだろうなぁ、なんて思っていたのですが、腹ごしらえを終えて実際に登ってみると、やはりというか、想像以上に人がたくさんいて、塔ノ岳山頂はこの雪の中ざっと50人ほど登山者がいました。お昼時ならともかく、もう13時半になろうとしているのに!です。

人の多さに半ば呆れながらも、ここからの展望は本当に素晴らしく、富士山はもちろん、南アは甲斐駒から聖まで見えておりました。逆光だったこともあって写真にはうまく収まらなかったのですが、肉眼ではっきりと各峰峰の名前を指さして言うことが出来るほどです。

空の青さも朝より好い感じになってきているし、展望は好いしで、もう少し長居してもよかったのですが、どうも人の多い山頂では落ち着かないのと、日の短い時期ということで、山頂は10分ほどの滞在で下山開始。

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金冷シへ降りる途中で滑ってしまって尻セードしたりしたこともあって、急降下の訓練所尾根(小丸尾根)はやめて、あまり気のすすまない大倉バカ尾根を降りることにしました。雪であの歩きにくい丸太もあまり気にならないのでは?と思ったのですが…やっぱり南向きの尾根です。急傾斜の斜面ではやはり雪が急に無くなったりして、そういうところはぬかるんで非常に歩きにくいです。

丹沢イチ人通りの多い尾根だけあって、その浸食ぶりは超一級(笑)。高度が下がって雪がないところを歩いていると、もうまさに泥沼の修行です。登山靴の傷みも他の尾根とは比べものにならないだろうなという感想。

長時間の歩行で疲れていたこともあって、堀山の家の他、花立山荘、見晴茶屋、大倉高原山の家でも小休止をしています。途中で一緒になった男性に「しかしイヤな下りだね~」としみじみ言われ、苦笑するしかなかったほど…。

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(大倉高原山の家より秦野市街を望む)

でもまぁ、ずいぶん久しぶりだし、懐かしい感じもあって、急いで降りる人にさっさと道を譲りながら、途中に何軒もある茶屋や小屋前で休憩しながらチンタラ下る分には、それほどヤな道でもありませんでした。

たどり着いた大倉のバス停は、話には聞いていましたが、きれいになったというか、すっかりソフィスティケートされちゃって、びっくりです。前に来たときは周囲の畑の風景の中にとけ込んでいたバス停だったのですが、いまやもう大倉バスターミナルですね。

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ちょうど発車間際にドンピシャで間に合って、もちろん、渋沢駅まではずっと立ったままでしたが、バスはともかく、そのあとの渋沢駅からの小田急線もずっと座れず、ここ数年そんな体験はほとんどしていなかったので、立ちっぱなしで電車に揺られ、手には缶ビールを持ったまま呑むことも出来ず(笑)、これは何かの間違いじゃないのかと思いながら帰途につきました。。。




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2008.02.12

【雪たっぷり…丹沢表尾根スノウハイク その1】 山バス情報78

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(三ノ塔にて)

【山行日】 2008年2月11日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
小田急線某駅 - 06:27 秦野

「バス」
秦野駅  06:35 - 06:57 蓑毛 (神奈中バス 260円)

「歩行」
蓑毛   07:10 - 08:10 ヤビツ峠 
ヤビツ峠 08:30 - 09:50 二ノ塔
二ノ塔  10:00 - 10:55 烏尾山
烏尾山 11:05 - 12:20 木ノ又小屋
木ノ又小屋 12:25 - 12:45 塔ノ岳手前の小平地
小平地  13:05 - 13:20 塔ノ岳
塔ノ岳  13:30 - 14:40 堀山の家
堀山ノ家 14:50 - 16:37 大倉バス停

「バス」
大倉 16:38 - 16:53 渋沢駅 (神奈中バス 200円)

「鉄道」
渋沢 17:03 - 小田急線某駅

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(三ノ塔からの富士)

山を始めてもうすぐ10年になるというのに、実はこれまで表尾根を歩いたことがありませんでした。

丹沢は私の住んでいるところからアプローチがよいのですが、よいゆえに何時でも行けるという考えがあり、そしてまた、いわゆる表丹沢は混む、というのが足がなかなか向かない理由でした。

2月に入り降り積もったであろう雪は結構な量だろうと思いましたので、マイナーコースはやめて、この超メジャーコースなら相当な積雪でもトレースがあり、ラッセルに苦しめられることもなかろうと、歩いてみることにしました。

ここ1、2週間の雪で、ヤビツ峠までバスは上がっていないだろうと、蓑毛行きの朝二番のバスに乗り込みます。オフシーズンの早朝のバスだというのに、何と席はほとんど埋まっています。乗客は全員登山者。終点の蓑毛まで途中下車する人は一人もいません。

蓑毛からヤビツ峠は、私が登山靴で登った最初の山、大山に行ったとき以来です。あれからもう十年近くの歳月が流れ、登山道は「こんなだったっけ?」というほど何も覚えていません。きっと初めての登山で緊張していたのでしょうね。

標高にして600mあたりから雪で少し歩きにくくなってきましたが、登りですしアイゼンをつけるほどでもなく、ヤビツ峠もすぐそこに鞍部が見えていたので、そのまま歩きます。

ヤビツ峠は、しかし、もう真っ白な銀世界。雪も結構積もっていて、ここでアイゼンを装着。ヤビツ峠バス停にはやはり積雪で蓑毛止まりのお知らせが張ってありますが、意外なことにタクシーが上がってきました。こんな積雪でも上がってきてくれるのですね~、これにはちょっとびっくり。

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アイゼンをつけたものの、岳ノ台への径はトレースがあまりなく時間がかかりそうだと引き返したり、6本爪は車道を歩くには、ちょっと歩きにくいので、結局4本爪に履き替えたり、と余計な時間を食ってしまい、ヤビツ峠で20分も停滞。

車道を歩き富士見山荘前のトイレに寄ってから、表尾根に入ります。さっそく結構な積雪。トレースがあるので、アイゼンさえあれば問題なく歩けますが、なければスノーシューでもない限り、ラッセルに苦しめられそうです。

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周囲の木がだんだんと展望を遮らなくなってきて、相模湾を見渡せるようになり、背後の大山が目の高さになってくるとやがて二ノ塔。…と突然姿を現す富士山。あぁ、なんて素敵な尾根なのでしょう。今まで一度も歩いていなかったなんて…。でも、ドカンというかゴロゴロというか、へんな音が聞こえるのはちょっとなぁ…

少し休んでから三ノ塔へ。ここも素晴らしい。富士山だけでなく南ア南部も見えています。この尾根は展望の尾根ですね。冬晴れの日にうってつけ。そしてこの日のように雪が深いと丹沢名物の丸太の歩きにくい道も丸太が隠れてくれます。風もなく好い日に来たのかも知れないと思いつつ歩いていくと…。え?あんなにしたまで下るの?というぐらいずいぶん下に烏尾山の小屋が見えます。

そして、どうみても塔ノ岳であろう、この尾根の一番の高みは遙か遠くです。塔ノ岳に11:30までに到着したらまだ行ったことのない丹沢山へと考えていたのですが、11:30どころか、お昼前に着くことさえこの積雪と私の足では絶望的。もう今日は塔ノ岳までで十分と、のんびり歩くことにしました。

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(三ノ塔からの表尾根:左下が烏尾山。中央に遠く塔ノ岳を望む)

三ノ塔からの下りは、凍結していたら神経を使うところでしょうが、この日は凍結はしていなかったので、それほど恐怖を感じることもなく下れました。せっかく稼いだ高度を一気に手放すのが少しもったいなくは感じましたが…

ずいぶん下った鞍部からの登り返しはそれほどきつくないのですが、雪の重みで笹が登山道に被さってところどころ歩きにくくなっています。烏尾山荘前のベンチでティータイム。昨晩尊仏山荘に泊まられた方とみやま山荘に宿泊された方のお話を立ち聞き(笑)。新築のみやま山荘は結構暖かかったようです。

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(烏尾山へ…)

行者ヶ岳のクサリ場はさすがにこの雪ではいやらしく、神経を使いました。木ノ又小屋で時間が時間だったので食事にしようかと思ったのですが、展望がイマイチで、チョコで空腹をしのぎ、塔ノ岳まで頑張ろうと出発。

しかし、塔ノ岳への登りが始まる手前に展望もよい小平地があったので、ここを勝手にゴン太の休ン場と命名して、お昼御飯にしました。考えてみれば山頂は人が大勢だし、何よりお腹がぺこぺこでした(笑)。


その2に続く

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