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2007.09.17

【実に久しぶりに奥多摩へ 仙元尾根から蕎麦粒山】 山バス情報69

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(一杯水避難小屋 泊まりたかった…笑)

【山行日】 2007年9月15日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿   05:19 - 05:28 池袋    (山手線) 
池袋   05:38 - 06:34 飯能    (西武池袋線)
飯能   06:35 - 07:24 西武秩父  (西武秩父線)

「バス」
西武秩父駅前 08:06 - 08:30 浦山大日堂 (秩父バス 470円)

「歩行」
浦山大日堂  08:40 - 09:30 △843.5
△843.5 09:40 - 10:50 大楢
大楢     11:00 - 12:05 蕎麦粒山
蕎麦粒山   12:40 - 13:50 一杯水避難小屋
避難小屋   14:00 - 15:50 東日原

「バス」
東日原 16:17 - 16:45 奥多摩駅 (西東京バス 450円)

「鉄道」
奥多摩 16:52 - 18:22 新宿 (ホリデー快速おくたま6号 233系)


このブログを始めてからは、混雑バスや狩猟を理由にずっと足が遠のいていた奥多摩ですが、久々に訪れた奥多摩はやっぱり昔と変わらず素敵なところでした。

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(浦山大日堂 : 仙元尾根登山道はここから始まります=指導標有)


三連休なので、泊まりの計画をいくつか立てていたのですが、気象庁の予報をマトモに信じてしまい、急遽日帰りに変更。最初は暑いので川俣からシゴー平~グミノ滝経由の三ツドッケと思っていたのですが、ずいぶんこの一帯はご無沙汰しているし、先日の台風の影響で沢沿いのマイナーな径はちょっと危険かナという心配もあって、歩いたことのある仙元尾根を登ることにしました。

山を始めて間もない平日の晩秋、この尾根を下って道を間違え、降り着いた川俣集落でとっぷりと日が暮れて、ものすごくコワイ思いをした非常に印象深い尾根ですが、いつか登りにとってみようと思いつつ9年ぶりとなってしまいました。

今回は登りということもあって、前回の尾根下りの時とは違って若干心に余裕があります。最初の急登もここで膝を痛めてしまったのでよく覚えています。今日は蒸し暑く風もないので北斜面とはいえ汗がボタボタでした。

しかし、この急登も送電鉄塔まで。送電鉄塔からは傾斜も和らぎ、尾根通しに進むと、前回は確認する余裕もなかった843.5mの三角点。ここでちょうど小一時間だったので、最初の休憩。

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(843.5m三角点付近の尾根道)

地形図通り、送電線と尾根が離れ始めると、径は尾根を左(東)に外れて巻き道になるのですが、この巻き径、エアリアにも記載されているように、普段からただでさえ荒れているのでしょうが、その荒れ方がこのあいだの台風で更にひどくなっている感じです。

9年まえ下ったときも、確かにこのあたりの巻き径はやや踏み跡が頼りなかった記憶があるのですが、今回ほどひどい状態ではなかったと思います。
藪こぎなどはないのですが、巻き径がザレた状態で、なかには倒木のため人為的に通せんぼされているのかと見誤るような箇所もあります。

最終的にこの巻き径は大楢の直下で結構な急登を強いられますので、現状では、地形判断できる方なら、尾根通しの方があるいは歩きやすいかも知れません。

大楢で二度目の休憩をとったあと、仙元峠へ。ここは峠という名前で、祠もあるのですが、1441m峰とも言える、小ピークです。少しへばってしまいましたが、蕎麦粒にはなんとかお昼ちょっと過ぎに着けそうです。

蕎麦粒山からは南東の方向が開けていて、日向沢ノ峰へ続く防火帯とその向こうに都市部が見えています。
仙元尾根の巻き径では小雨も降ってきて、「俺が来ると長沢背稜はいつも雨だ」と苦笑いしていたのですが、今はもう都市部は晴れていて、奥多摩の上の雲も少しずつとれ始めてきました。

昼食時、タクシーで駆けつけて同じ径を来たご夫婦と少しお話。タクシー代は西武秩父駅から浦山大日堂まで3500円ほどだそうです。

お昼を終え、人も上がってきたところで、笙ノ岩山から川乗橋に降りるというご夫婦とお別れして、長沢背稜縦走路をのんびり歩きます。ここらへんは自然林に包まれ、道も平坦で歩きやすく、先ほどの仙元尾根の巻き径とは天と地の違いです。天気も回復してきて、青空が見え、日も差してきます。ああ、奥多摩ってやっぱりイイナ…そんなことを感じながら歩きました。

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(蕎麦粒から一杯水への縦走路にて)

倉沢へ下る棒杭尾根の下降点やグミノ滝への下降点などを確認していくと、やがて一杯水。水場はさすがにこれまでの長雨などもあって涸れてはいませんでしたが、やや上流へ登らないと取水できない状態です。

水を補給して、一杯水の避難小屋へ。ああ、なんだかむちゃくちゃに晴れていい天気になってきました(笑)。避難小屋ではすでに寝床を敷かれて気持ちよさそうにお休みになっている先客の男性が一人。「そうだよなぁ、避難小屋泊まりって言うのもイイ案だよなぁ」と、なにもお金をかけて遠くに行くだけが好い山歩きではないということに今更ながら気づかされました。

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時間はたっぷりあるので、いつもはさっさと下ってしまうヨコスズ尾根をのんびり降下。酉谷山から雲取山へと続く雄大な長沢背稜をみて、ああ、あそこをゆったり歩きたいと眺め入ったり、キノコを見つけて撮影したり、誰にも会わず音も立てずに下っていったせいか、お猿さんたちをたくさん見かけました。ひょっとしたらシカ同様サルも奥多摩では増えているのかも知れないですね。以前はこんなにたくさんは見かけなかったと記憶しています。

下るに従って気温が上昇。最後の民家のすぐ先で酒屋さんが見えたときはごくりと喉が鳴りました(笑)。酒屋さんでキリンのロング缶を買って飲むと、その液体はあれよあれよというまに身体にスポンジのように吸い込まれていき、ああ、これだから山歩きはやめられない、と臨時でもう一台でたバスに座って奥多摩駅まで上機嫌でした。


☆ところで、浦山の「大日そば」ですが、まだあの昨年見た貼り紙(休業のお知らせ)が出たままでした。
 ただ、建物自体はまだしっかりあって、朝見たときは「扉」が開いてました↓。
 店前の自動販売機はいちおうまだちゃんと動いています。

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2007.09.02

【百円バスで百名山 大菩薩嶺】 山バス情報68

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【山行日】 2007年9月1日(土)

【使用公共交通機関等の詳細】

「鉄道」
新宿   05:18 - 06:13 高尾  (中央線)
高尾   06:14 - 07:23 塩山  (中央線)

「バス」
塩山駅  07:28 - 07:55 大菩薩峠登山口 (山梨貸切自動車 100円)

「歩行」
大菩薩峠登山口 08:00 - 09:45 上日川峠
上日川峠    09:55 - 10:20 福ちゃん荘
福ちゃん荘   10:30 - 11:30 大菩薩嶺
大菩薩嶺    12:05 - 13:15 丸川峠
丸川峠     13:25 - 14:52 大菩薩峠登山口

「バス」
大菩薩峠登山口 14:52 - 15:19 塩山駅 (山梨貸切自動車 100円)

「鉄道」
塩山 15:33 - 16:09 大月   (中央線各駅停車)
大月 16:20 - 17:02 高尾   (中央線各駅停車)
高尾 17:15 -  京王線某駅  (京王線)

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土曜出勤などもあって、2週連続で山に行けずにいたのですが、土曜日は予報が転々と変わったものの、どうやら雨には降られずにすみそう。それになにより気温が下がってくれたので、夏バテでへばり気味の身体でも山に行けそうです。

これまで、塩山~大菩薩峠登山口間の百円バスは何度か乗っていたのですが、人出の多さを嫌って深田百名山指定の大菩薩嶺に実はまだ登っていませんでした。で、その山へ行こうかなと…。


私のところから朝一番に出て塩山に着けるのは07:23。この時刻にあわせて運行してくれている百円バスは私にとって神様仏様女神様のような(笑)存在です。時間にして約30分、距離にして約7.5kmほどでしょうか。高度もかなり稼いでくれて、登山口の標高は900m近くあります。雲取山より標高が高い大菩薩嶺を日帰りできるのはこの運行時間と標高のおかげだと思いますが、安くて(たいてい)空いているこのバスを是非皆さんに利用していただきたいものです。

バスの乗客は10人ほど。登山客がほとんどですが、地元の方も利用されているバスです。この日もお二人ほどが途中下車されていきました。


バスを下車して軽く屈伸運動後、トイレによってから出発。残念ながらガスだらけの車道を上がっていきます。電車に乗っているとき、笹子では雨だったけれど、例によって笹子トンネルを抜けた途端天気が回復していたのですが、考えてみればその天気を分けている脊梁にこれから登るわけですから、お天気が好いはずもないのですね…。

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それでも千石茶屋を過ぎれば自然林100%の登山道となって、ときどきガスも消えてくれたりして、ブナやミズナラを愛でながらのんびり歩いていけば、鹿がきゅーんと鳴いたりして、やがて上日川峠に着きます。

上日川峠まではタクシーで上がれますが、バスで来てここまで歩きでも、大菩薩嶺の周回であれば、のんびり歩いて十分帰りのバスに間に合います。

上日川峠で水分補給&休憩後、福ちゃん荘へ。お腹が空いてしまったので(笑)私は福ちゃん荘でも休憩をとりました。寒暖計があったので見てみると16℃。結構暖かいですね。涼しくなったとはいえ、これでは汗が出るわけです。

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(唐松尾根を登る最中、一瞬青空が見えて…)


福ちゃん荘ではいかにも観光客風の人たちが大菩薩峠方向に行ったので、ここはまだ歩いたことのない唐松尾根を登ることに…。唐松尾根を登るうち日が差してきて青空も見えてきたので、ありゃりゃ、もしかして晴れちゃうの?と期待したのですが、10分後にはガスってしまい、雷岩を目前にして何故か急にバテてしまったりして、へろへろになりながらガスで真っ白の雷岩を素通りして大菩薩嶺へ。

大菩薩嶺はお昼も間近というのに誰もいないので、ここでお昼ごはんにしました。食事中も上がってきたのは1グループだけ。静かな百名山山頂をほぼ独占してしまいました。

大菩薩嶺から丸川峠へ向かうとすぐに、道なりに北尾根の踏み跡があるので、ちょっと注意が必要かも知れません。いちおう通せんぼの木が横たわっていますが、ここには道標はなく、利用者が多くなっているのか踏み跡が濃くなっていて、気をつけないと左手に降りていく丸川峠の径に気づかず尾根を直進してしまいそうです。


で、この日イチバン好かったのは、この大菩薩嶺から丸川峠までの径でした。誰にも会わなかったせいもあるのですが、しっとりと濡れた苔むした山径を静かに歩いていると無上の喜びを感じます。ブナだけでなくコメツガなども混じり、さすがに標高2000mもあるせいか、亜高山の雰囲気も感じられました。

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樹林の美しさを堪能後、丸川峠で紅茶を煎れていたら、霧雨のような雨が降ってきて、ああ、帰りは降られちゃうのかな、などと思いながら、腰を上げて下山を開始。でも丸川峠からの急坂を下っている最中に今度は晴れて日が差してきたりと、標高の差で雲(ガス)の位置が違うこともあるのでしょうが、めまぐるしい天気の変わりようでした。

シラカバの混じる美しい自然林の中を下っていき、沢音が聞こえるとまもなくで平坦な道に変わり朝来た車道に出ます。

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車道を歩いていくとバスがどんぴしゃりでやってきたので、温泉には寄らずに塩山から各駅で帰ったのですが、この14:52のバスであわてて帰ってもあまり意味がないかも知れません。連絡する電車は「かいじ」に乗るのでない限り、15:33発の大月行きなのですが、この電車は大月では上りの連絡がなく、次の15:52の立川行きで帰っても同じなのです。
もちろん、次のバス(16:47、17:10)では15:52発立川行きには乗れないのですが、東京方面へ帰る場合、あまり連絡がよろしくないので、翌日お休みの場合などは無理にこのバスを捕まえずに温泉でも入ってゆっくりしてから次のバスで帰った方がいいな、と思いました。


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