【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その3】 山バス情報67
標高2400m近いところだと、さすがに朝の空気は冷たくて、長袖一枚でもちょっと寒いのだけれど、あんまり着込むと登っていくうちに汗だくになってしまうので、防寒具はサブザックの中。
ゴロゴロした岩づたいに登るとすぐに右手北西方向にギザギザの山脈がくっきりと見えています。え?まさか北アルプス?そうそのまさかです。全部見えています乗鞍から槍穂高もそして白馬の方も…あとで帰ってから気づいたのですが、妙高なども見えていたのでした。
これはすごいぞ、とピッチを上げて登ろうとするのですが、軽い装備なのに、足が思ったほど前に進まず、身体がふらふらしてます。足に力が入らない感じ…そして少しだけど頭痛も。久しぶりに高いところに来て、朝起きたばかりだから?
喉の痛みはないので、風邪の方は大丈夫みたいだけれど、こんな調子じゃやっぱり赤岳は無理そうだな、と10%ぐらいあった赤岳越えてもう一泊の気持ちはここで5%未満に縮小。
登り着いた編笠山からの展望はすごかった。風がびゅうびゅう吹いていたのでそれほど長居はしなかったのですが、雲海に浮かぶ富士はもちろん、すぐお隣の南アルプスもそしてその右奥に中央アルプス…そのまた右奥には御嶽山の特徴ある山姿…でその右には先ほど見えていた北アルプスが乗鞍から始まってずっとずっと白馬の先までくっきりと見えているのです。槍の穂先がしっかり視認できるほどの遠望で、ここまでは期待していなかったから、本当に大感激でした。
テント場に戻ってテントを撤収、乙女の水をたっぷり飲んで・汲んで、権現岳へ向かいます。幸い、後ろを歩いてくる人がいなかったので、ゆっくりとマイペースで登っていけたのがありがたかった。
ノロシバあたりから森林限界となって展望も好く、ここで北アルプスの山座同定をしているパーティーに会いました。
目の前に聳えるギボシを権現岳と思い込んで気合いを入れて登っていったのですが、権現小屋の先にある方が権現岳とわかってギボシでがっくり(笑)。でももうここまで来れば権現岳はすぐです。
左手に赤岳の凛々しい姿も見えてきて、でも、その稜線は左手がスッパリ切れ落ちている感じに見えて、ああ、これはわたしゃ苦手だなぁ、行かなくて正解かも、などと思いながら歩いていくと権現岳。
権現岳で小腹が空いてきたので、時間もたっぷりあるしと、お茶漬けで朝御飯の第2ラウンド。これから歩く三ツ頭とその先に見える富士山を眺めながらゆっくりブレックファーストです。
権現から三ツ頭あたりまでは森林限界上の径。その先前三ツ頭までも、展望のよい道が続き、雲が湧いてきたとはいえ、富士や南アを眺めながらの気分のよい下りでした。
前三ツ頭からはかなりの急降下。降りるのもテント装備だと結構きついのですが、登ってくる人たちはそれ以上に厳しそうな表情でした。1800mあたりから傾斜もゆるみ、そろそろお昼ということで、天ノ河原のずっと手前の広場のようなところで日陰を見つけてランチタイム。天ノ河原はベンチなどもあるのですが、この時期は予想通り観光客が占拠(笑)状態。ランチ場所の選択は大正解でした。
天女山から八ヶ岳横断道路の方へ行く小径の入口はわかりにくいかも知れません。「美し森」への径を左に分けてなおも進むと写真↓のような標識が非常にわかりにくい場所に建っていて、「八ヶ岳横断道路」と記された方に進みます。
横断道路に出れば、あとは甲斐大泉駅までは車道歩き。今回は結局バスは使わずじまいだったのですが、面白い北杜市市営バスを発見。大泉あたりは合併で北杜市となったというのもちょっとヘンな感じなのですが、もうそろそろ駅だよな、というあたり(大開集落)から甲斐大泉駅経由で長坂駅まで行くバスです。私はタッチの差でこのバスに乗れませんでした。
タッチの差でバスを逃したので、いや~な予感がしていたのですが、案の定、小海線もタッチの差で14:08の小淵沢行きを逃してしまいました(笑)。時刻表を見ると次は1時間半後。「やれやれ」と思いながら高尾までの切符を一万円札で買えるか聞いたところ、まったく問題なく(気持ちよく)買えた上、臨時列車が15:07にあること、そしてなんと駅前に温泉施設があることまで親切に教えていただき、「パノラマの湯」で気持ちよく汗を流した後、ビールもたくさん飲んで(笑)帰途につきました。
甲斐大泉駅前に温泉施設があるなんて全く知らなかったので、これはとてもうれしいアドバイスでした。甲斐大泉駅の駅員さん、どうもありがとうございました♪
m(__)m
完
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コメント
ゴン太さん こんにちは
その節はお祝いメール、ありがとうございました。
おかげさまであの後、飯盛山と11日には霧ヶ峰~鷲ヶ峰へ行ってきました。
八ヶ岳の東と西の裾野の山を歩いてきましたが、ゴン太さんも八ヶ岳で素晴らしい展望に恵まれてよかったですね。
朝の清々しい空気の中、かすみ雲に浮かぶくっきりとした北アルプスを見て、大感激するゴン太さんの後ろ姿(!)が目に浮かぶようです。
(お顔を存じないので・・・)
投稿: sanpo | 2007.08.16 20:48
sanpoさん、こんばんは。
飯盛山のレポのほう、拝見しております。あの記事を読んで、もう完全復活なのだな、とわかり、私も嬉しく思いました。
私の方は、当初このプラン18きっぷで予定していたので、天気が1日しかもたない場合は、sanpoさんの行かれた飯盛山にしようかなという感じで、サブプランの参考にさせていただきました。
霧ヶ峰~鷲ヶ峰を歩かれたのですか。わりとお近くを歩いていらしたのですね。レポの方、楽しみにしています。
早朝とはいえ、夏にこれだけ遠望を楽しむことができるのは、そうそうあることではないので、かなり感激してしまいました。
またいろいろお山のお話お聞かせください。今後ともどうかよろしくお願いいたします。
投稿: ゴン太 | 2007.08.16 21:51
ゴン太さんこんにちは。
ホントに偶然!同じ景色を同じ時間に違う視点から見ていた、と思うとそれもまた何か感慨深いものがありますね。
ゴン太さんはテントですか~。私もテント買ったのに全然使ってない(^^ゞどうも重いザックにカラダがついて行かない。これも訓練?と思うのですが、先日の1泊で(ザックは8kg位?)足の筋肉痛に腕や肩の筋肉痛?まで加わって、それはそれは軟弱丸出しなのでした。焦らずぼちぼち行きます・・・
こちらの山には水があったのですね。
ホントに水のない辛さをひしひし感じてしまいました。二日目に山小屋から2リットル持って行った水は、登山口に戻ったときは全て飲み干してしまったので(途中で1リットル買って飲んだのに)、道迷いでもしていたら完全アウトでしたね・・・人間ってやっぱり水が命・・・
勉強になりました。
投稿: cyu2 | 2007.08.21 13:26
cyu2さん、こんばんは~。
ホント、すごい偶然で、ちょっと驚いてしまったのですよ。同じ八ツから同じ時刻に同じ北アを、それも槍のとんがりを見ていたのですから。。。(笑)
テント装備は私も最初の頃は、大変でしたよ。特に登りでは、何度も谷底に荷物を投げ捨てたくなった(笑)ぐらい。
でもね、これも慣れなんですよ。テントの時は努めてゆっくり登るように心掛け、コースタイムも多めに見積もります。うしろから誰か来たら絶対にがんばらないで、さっさと先に行ってもらいます。疲れたら一時間経っていなくても休む。あと一日6時間以上歩かないなど、身体に無理がこないように気をつけます。
まぁ、cyu2さんの場合は、力持ちの旦那様がいらっしゃるから、重いパーツは殿に任せてしまえばいいかもしれないですけど(笑)。
水は多めにもつようにしてます。これは夏場だけでなく冬でも… 水さえあれば食べなくても生きていられるけれど、水がないといくら食べ物があってもダメですから。。。
たいていの場合、水は「多すぎたなぁ」という感じで、里におりますが、それでいいのだと思っています。足りないかナ!と焦ると不思議なぐらい喉が渇きますから(笑)。
あ、あとムーンライト信州の記事、どうもありがとうございました。無謀にも何故か私も乗ってみようかな、なんて今夏思ってしまったのですが、あの記事で思いとどまりました(笑)。あの記事読んだら、わたしゃ、絶対一睡もできんのだろうなー、とすごく参考になりましたです。
投稿: ゴン太 | 2007.08.21 20:08
ゴン太さんこんにちは。(今日も仕事中にお邪魔します(^^ゞ
水の件、ホントそうですよね!足りないかも?と思った瞬間から喉が渇きます、なぜ~?(笑)
水など重要なものを持って歩けるように、ザックの中身の軽量化のため色々整理しようと決めました。いらないもの持ちすぎ⇒いかにも初心者な私なので^^;
ムーンライト信州は、やっぱり人それぞれでしょうか?同じ行程で進まれた方々皆さん慣れているのか?元気そうに見えました。車内アナウンスが一番うるさかったかな?
夜行だとそのあとゆるいスケジュールじゃないと私はダメですね。ハードなのは身の危険を感じてしまいます。
お金と時間の使い方、その時々バランス良く配分していこうとこれまた勉強になりました。山歩きって学ぶこと多いですね(笑)
投稿: cyu2 | 2007.08.22 12:50
cyu2さん、こんばんは。
ザックの軽量化、私もあまりうまくいってないのですよ。とりあえず、ザックに収まってしまうと、もう重さを減らそうと努力しない(笑)のが悪いのですが…。
ただ、私の場合、買ったけれどランタンは持って行かなくなりました。ヘッドライトがあれば、無くても困るものではないので…。あとはマットを軽量化したぐらい。他はもうやりようがない気がして最近はあきらめてます(笑)。。。
ムーンライト信州、アナウンスがうるさいというのが、ちょっとびっくりでした。昔金持ちだった頃(笑)よく乗った寝台車って、たしか、夜遅くなるとアナウンスしなくなってたし、消灯してくれてたけれど、鈍行列車はそうはならないのですね~。乗り過ごしを防ぐためかな…。
私の場合、夜行をクリアできれば、かなり行動範囲も広がると思うのですが、なかなかふみきれませんです。
投稿: ゴン太 | 2007.08.22 19:28
ゴン太さん、こんばんわ。
一つのミスからズルズルと・・・ってこういう遠出の時はそれだけで致命傷になることもあるから本当は万全を期さなければ行けないんですよね。ボクも鐵道絡みだとは慣れているから(笑)そんなつもりでいたら間抜けなミスで山行き自体が潰れてしまったことがあります。でも18きっぷが自販機で買えるとは知りませんでした。
とにかくうまくリカバリーして?八ツの稜線歩きを楽しまれた様子、ボクは歩いたことがないので地図と照らし合わせながら拝見しました。ボクはどうしても遠くばかりに目がいってしまうけど、八ツも本当は魅力的な山域なんですよね。
投稿: komado | 2007.08.27 19:26
komadoさん、こんばんは~。
こんなしょうもないへたれ山行記録(笑)を地図までひっぱりだして読んでくださって多謝です。
そうなんですよね~。われわれ電車&バス派って、電車に乗り込んだときから山行きが始まってるわけで、電車やバスでつまづくとその先がめちゃくちゃになりかねないのですよね。
こういうときって山の神様からの警告かなって思って、私の場合、山に入ってから普段より慎重な山歩きになります。
今回は結果的には自分でも満足の行く山行になったし、予定変更したおかげで、甲斐大泉の温泉にも巡り会えて、よかったと思っています。
八ヶ岳は今年の元旦にニセ八ツに登ったときに、ずいぶんご無沙汰してるから今年は行きたいな、なんて思っていたのですが、久々に訪れてみたら、おっしゃるとおりで、身近ないい山だと思いました。
でもでも、komadoさんの北ア全6巻読ませていただいて、黒部五郎ちゃんあたりなんか、よだれ出そうになっちゃいましたヨ。あと最後にお船に乗るところがすごくよかった♪です。
投稿: ゴン太 | 2007.08.28 19:12
ゴン太さん、こんにちわ~
面倒臭がり屋の私から見たら、ブログ運営してるだけでもエライなって思ってますよん(^^)
山の歩き方が人それぞれだから、参考の仕方も人それぞれでしょ?
自分の思い出をヘタレとかしょうもないとか、そんな風に言わないでよ~悲しくなっちゃうじゃ~ん(^^;
ゴン太さんが歩いた編笠~権現ルート。
ウチがいつか歩いてみたい山の候補にあがってるんだ。…って信濃境から歩く気は無いけどね(笑)
お花が多い山らしいので、いつかの夏にでもと考えてます^^
ところで道中、大変な所と言うかキツイ所ありましたか~?
特に下り…甲斐大泉への下りは急な所有り??
投稿: れれちゃん | 2007.09.01 16:27
れれちゃん、おはようございます。
まぁ、晴天の下、登るはずだった赤岳を目の前にして帰ってきてしまったので、「へたれ」なんです。でも(わかってると思うけど)この二日間の山行自体は自分でもかなり満足のいくものであったわけで、もう一日お山で遊びたかったなぁというのが、心残りといえば心残りだったんですね。
で、ご質問の甲斐大泉への下りは、上の方にも書いてあるように、前三ツ頭から1859あたりまでがかなり急な坂です。テント装備だと下るのも大変でしたが、登ってくる人はそんなもんじゃないらしく、みんな一様にきつそうな表情でした。
道中で、私が歩きにくいと思ったのは、やはり、編笠山と青年小屋の間の岩がゴロゴロの箇所。ここはテント装備で疲れた足で降りてこなくてホントに好かったと思っています。あとは特にいやなところはなかったですね。お花も結構たくさんあるので、夏の暑い時期は、このコース結構お奨めです。
投稿: ゴン太 | 2007.09.02 09:19